| 【発明の名称】 |
弁尖形成用補強プレート |
| 【発明者】 |
【氏名】井手 博文
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| 【要約】 |
【課題】従来の方法に比べて汎用性のある、僧帽弁等の心臓弁の形成術の実施を可能にする、弁尖形成用補強プレートの提供。
【解決手段】図1に示すブーメラン様形状のプレート1を用いることにより、原疾患や、病変部位及びその範囲が相違しても、ある程度共通した手技で、心臓弁形成術が行えるようになる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 弾性且つ可変性の金属製薄板からなり、当該薄板はブーメラン様又は略台形状(但し、4箇所の角は、鋭端ではなく、面取りされたカーブ形状である)の形状を有し、その周縁部には複数の小孔が存在する、弁尖形成用補強プレート。 【請求項2】 ブーメラン様の形状である、請求項1に記載の弁尖形成用補強プレート。 【請求項3】 金属製薄板の表面に被覆層を有する、請求項1又は2に記載の弁尖形成用補強プレート。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、僧帽弁等の心臓弁の弁尖形成用補強プレートに関する。本発明のプレートは、永久的体内植え込み型医療用デバイスの一種である。 【0002】 【従来の技術】僧帽弁は、左房と左室との境界部に存在し、その開閉により、左房から左室への一方向の血流を生じさせる。ところが、僧帽弁閉鎖不全症の患者では、前尖又は後尖の一部分の腱策断裂、腱策延長、弁尖の延長等の異常が見られ、その結果、左室収縮期に弁尖が左房側に翻転し、左室から左房へと血液が逆流する。 【0003】従来、僧帽弁閉鎖不全症の患者に対して行われてきた治療には、大きく分けて2種類がある。その一方は、特表平5−509013号に開示の僧帽状心臓弁置換体のような、人工の心臓弁置換体を用いるもの(僧帽弁人工弁置換術)であり、他方は、自己弁を保持したまま、疾患部位の補強等によって、僧帽弁の開閉を正常化しようというもの(僧帽弁形成術)である。後者について更に詳細に述べると、病変部位の切除、縫縮術(主として後尖に病変がある場合)、人工腱策の利用(主として前尖に病変がある場合)、弁輪へのリング逢着術等の手技による手術が行われてきた。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかし、人工の心臓弁置換体を用いると、合併症として、人工弁機能不全、人工弁感染、血栓の発生等の問題がある。また、血栓を防ぐ目的で抗凝固剤を用いると、出血性の合併症が生じる恐れがある。一方、僧帽弁形成術は、僧帽弁人工弁置換術に比べ、術後における合併症の発生頻度が小さく、且つ、心機能が保持されるという長所はあるが、原疾患や、病変部位及びその範囲の相違に応じて、症例ごとに異なる手技で対応しなければならないという欠点がある。これは、大動脈弁等の他の心臓弁についても同様である。 【0005】本発明は、従来の方法に比べて汎用性のある、僧帽弁等の心臓弁形成術の実施を可能にする、弁尖形成用補強プレートに関する。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明の弁尖形成用補強プレートは、弾性且つ可変性の金属製薄板からなり、当該薄板はブーメラン様又は略台形状(但し、4箇所の角は、鋭端ではなく、面取りされたカーブ形状である)の形状を有し、その周縁部には、当該プレートを生体組織に縫合するための複数の小孔が存在するものである。 【0007】 【発明の実施の形態】以下、添付図面に示す実施例に基づき、本発明のプレートについて詳細に説明する。 【0008】図1は、本発明のプレートの一実施例の正面模式図、図2は、本発明のプレートの一実施例が縫い付けられた僧帽弁(閉鎖時)を、左室側から見た状態を示す模式図、図3は、本発明のプレートが縫い付けられた前尖を有する心臓の、左室拡張期の左房及び左室部分の模式図である。なお、図3における矢印は、正常な血流方向を示す。 【0009】図1に示す本発明のプレート1は、前尖に病変部位がある場合に用いられる。当該プレート1は、ブーメラン様の形状を有し、その周縁部に、複数の孔11を有する。このように、プレート1の横(Y)方向が、直線状ではなく彎曲した形状であるのは、図2に示すように、弁閉鎖時における前尖2aと後尖2bとの接合面(弁尖)は、前尖2aが後尖2bに向って凸となる状態で付き合っており、その形状にプレート1の形状を合致させるためである。また、プレート1の左右両端は、当該プレート1が前尖2aに縫合された際に、弁開放時に左房側(上側)となる方向に向って凸となるように形成される。このような形状とすると、左室収縮期の弁尖病変部位の左房側への翻転が、有効に予防される。 【0010】プレート1の彎曲の程度(曲率)は、患者の弁尖の病変部位(プレート1が縫い付けられる部分)の彎曲の程度と同じであることが望ましい。 【0011】プレート1の周縁部にあけられた孔11は、手術用針及び糸(具体的には、心臓血管外科用針糸)が通る大きさであればよい。また、その数は、特に限定されないが、通常は4〜12個、好ましくは6〜10個である。 【0012】プレートの大きさは、それが縫合される病変部位の大きさによるが、一般的には、縦(X)が、3〜20mm、好ましくは5〜10mm、より好ましくは8〜10mmであり、横(Y)が、5〜40mm、好ましくは10〜25mmである。但し、縦(X)よりも横(Y)が大きい。プレートの厚みは、0.01〜0.2mm、好ましくは0.02〜0.06mmである。 【0013】プレートの材料は、毒性がなく、防錆性、耐腐食性に富み、弾性で且つ可変性の金属である。このような性質を有する材料を用いるのは、僧帽弁は、鋼の薄板が反り返るような動きによって開閉するので、本発明のプレートも、僧帽弁(自己弁)の動きに合わせてそれと同様に動く必要があるからである。 【0014】プレートの材料の具体例としては、ニッケル−チタン合金、ステンレス・スチール等が挙げられる。また、それらの材料は、医療用グレードであることが必要である。なお、彎曲形状の、より具体的には、僧帽弁の立体形状に合致するプレートの製造の容易さの観点からは、形状記憶合金の使用も好ましい。 【0015】血栓の発生防止の観点から、プレートの表面には、表面処理剤による処理によって形成された被覆層が存在することが好ましい。表面処理剤には、親水性のものと疎水性のものとが知られているが、いずれであってもよい。また、当該被覆層は、炭素被膜であってもよい。 【0016】本発明のプレートの形状は、弁の立体形状を考慮して決定される。従って、前記したブーメラン様の形状のみならず、略台形(但し、4箇所の角は、鋭端ではなく、面取りされたカーブ形状である)等の形状であってもよい。 【0017】本発明のプレートを用い、僧帽弁形成術を行う場合、使用するプレートの形状及び大きさは、病変部位やその大きさ等に応じて選択される。実際に手術を行う場合には、事前の超音波画像診断法や心臓カテーテル検査法による診断で、ある程度、病変部位やその大きさ等を把握した上で、使用され得る複数の種類のプレートを準備し、術中に最適のプレートを選択する。通常は、プレートの端部が自己弁の先端を超えて伸びることがないように、換言すれば、自己弁の先端が僧帽弁形成術終了後も先端となるような位置に、プレートを縫い付ける。 【0018】図2に、プレート1を前尖2aの病変部位に縫い付けた例の、僧帽弁閉鎖時の模式図を示す。同図に示すように、プレート1を縫い付けた後でも、後尖2bと接合する前尖2aの先端は、プレート1ではなく、自己弁(前尖2a)の先端である。なお、血栓の発生防止等の観点から、図3に示すように、プレート1は、前尖の左室側(左房から左室へ向う血流が接触しない側)に縫合される。 【0019】本発明の弁尖形成用補強プレートは、僧帽弁の前尖のみならず、後尖の疾患部位にも用いることができる。その場合、プレートの形状は、前尖と後尖との接合面は、後尖が前尖に向って凹となる構造であることを考慮して選択される。 【0020】以上、本発明のプレートが、僧帽弁の形成又は補強に用いられるものである場合について説明したが、本発明のプレートは、大動脈弁等の他の心臓弁の形成又は補強を目的として用いられるものをも包含する。 【0021】 【発明の効果】本発明のプレートを用いれば、従来の方法に比べて汎用性のある手技により、僧帽弁等の心臓弁の形成術を実施することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】598061405 【氏名又は名称】井手 博文 【識別番号】391042014 【氏名又は名称】株式会社ゲッツブラザーズ
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)4月22日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】山崎 行造 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−299814 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)11月2日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−128266 |
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