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【発明の名称】 吸収性物品
【発明者】 【氏名】▲桑▼原 理恵

【氏名】武末 聡美

【氏名】津幡 勝

【要約】 【課題】漏れを防止し、効率よく製造できる安価な吸収性物品を提供する。

【解決手段】トップシートとバックシートが一枚のシートで形成され、吸収体はこの1枚のシートに包まれた状態で配置されており、前記1枚のシートのトップシート部分を、吸収体本体の長手方向両側縁に位置する領域において伸長状態にある伸縮性弾性体を内側に包み込むように折り曲げて立体ギャザーを形成し、さらに吸収体の側縁を包み込むようにして吸収体下面のバックシート部分を構成し、左右両バックシート部分を接着固定することで立体ギャザーが上方に立ち上がる吸収性物品。
【特許請求の範囲】
【請求項1】液透過性のトップシートと液不透過性のバックシートと、これら両シートの間に配置された吸収体からなる吸収体本体と、吸収体本体の長手方向に沿う両側縁に配置された一対の立体ギャザーを有する吸収性物品において、前記吸収体本体のトップシートとバックシートが一枚のシートで形成され、吸収体はこのシートに包まれた状態で配置されており、前記立体ギャザーは、前記1枚のシートのトップシート部分を、吸収体本体の長手方向両側縁に位置する領域において、伸長状態にある伸縮性弾性体を内側に包み込むように折り曲げて形成されていることを特徴とする吸収性物品。
【請求項2】前記1枚のシートは撥水性シートからなり、トップシート部分に親水化処理が施されていることを特徴とする請求項1記載の吸収性物品。
【請求項3】前記1枚のシートは親水性シートからなり、バックシート部分に撥水化処理が施されていることを特徴とする請求項1記載の吸収性物品。
【請求項4】請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の吸収性物品と、着用者の腹から腰周りを囲んで吸収性物品を着用者に当てて保持する外装シートからなり、前記吸収性物品は外装シートの長手方向に沿う中央領域に配置されており、前記外装シートの前身頃及び後身頃の両側縁を接合してウエスト周り開口部と一対の脚周り開口部を形成し、これら開口部に沿って伸縮弾性部材が取り付けられた使いすておむつ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は乳児用、又は失禁者用として供される吸収パッド、使いすておむつ等に使用される吸収性物品に関する。
【0002】
【従来の技術】吸収性物品は液透過性のトップシートと液不透過性のバックシートの間に、親水性シート綿状パルプ、高吸収性高分子物質等からなる吸収体を配置した構成になっている。近年紙おむつの吸収体中に高吸収性高分子物質を使用するようになってから、尿や軟便等の漏れや逆戻り等に対して絶大な効果を上げることになった。しかし、高吸収性高分子物質は綿状パルプに比べて尿の吸収速度が極端に遅いため、一時的に尿や軟便等が排泄された場合漏れる可能性がある。このため、多量の尿や軟便に対しても漏れないような対策が必要となってきた。
【0003】これらの点を解決するために、吸収体の外側にフラップを配置することが提案されてきた。すなわち、特公平6−93901号公報に記載のように、伸縮弾性部材を含有するサイドフラップを有し、かつ防漏部として機能するフラップは伸縮弾性部材を含み、おむつの内側に倒されて設置され、吸収体上の表面シートとの間にポケット部を形成し、漏れ防止を図ったおむつが知られている。
【0004】また、脚周りギャザーと吸収体の間の位置又は吸収体上の位置に該吸収体の長手方向側縁に沿って配設され、着用者の身体に向かって立設する立体ギャザーを有し、該立体ギャザーはトップシート、バックシートとは別体のシートから構成されているパンツ型使いすておむつが、特開平3−280951号公報および特開平5−184622号公報に開示されている。また、中央不織布と両側の撥水性サイド不織布とを接合して構成されたトップシート部材で吸収体の幅方向を包み込み、前記撥水性サイド不織布部分で2つの立体カフスを形成したおむつが、特開平6−296638号公報に開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の特公平6−93901号公報に記載のおむつは、フラップが単純に吸収体内側に倒されただけで、装着時にフラップが吸収体側に起立せずに倒れているために、尿や軟便に対しての防漏壁の役割が果たせない場合がある。また、起立していたとしても内側方向に倒れ気味に起立しているため、ポケット部の容量が少なくなり、多少の尿が排泄されたとき、一時的に尿を確保することができずに、おむつの外側に漏らしてしまうこととなる。また、容量を大きくするために、フラップ幅を広くすると、フラップが吸収体を覆う面積が大きくなり、吸収領域が極端に狭くなるという問題点があった。
【0006】また、上記の特開平3−280951号公報、特開平6−63074号公報に記載のパンツ型使いすておむつは、脚開口部からの排泄物の漏れを防止するために、トップシート、バックシートとは別体のシートで立体ギャザーを形成しているが、概立体ギャザーを構成する伸縮弾性部材が張設される細長い帯状シートをウェスト開口に設けられた伸縮弾性部材とほぼ垂直方向に、かつ吸収体全長に渡って長手方向側縁に配置することは、おむつ加工工程やおむつの構成が複雑となり、高速生産することが難しい。また、特開平6−296638号公報に記載のおむつの場合も、トップシート部材を中央と両サイドの3素材から構成しており、さらに前記トップシートの両サイド部分で2つの立体カフスを形成しているので、おむつ加工工程やおむつの構成が煩雑となり、また素材の面からも安価なおむつを提供することが困難となる。本発明は上記従来の使い捨ておむつの有する問題点を克服して、排泄物が漏れない安価な使いすておむつを効率よく製造し、提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は液透過性のトップシートと液不透過性のバックシートと、これら両シートの間に配置された吸収体からなる吸収体本体と、吸収体本体の長手方向に沿う両側縁に配置された一対の立体ギャザーを有する吸収性物品において、前記吸収体本体のトップシートとバックシートが一枚のシートで形成され、吸収体はこのシートに包まれた状態で配置されており、前記立体ギャザーは、前記1枚のシートのトップシート部分を、吸収体本体の長手方向両側縁に位置する領域において、伸長状態にある伸縮性弾性体を内側に包み込むように折り曲げて形成されていることを特徴とする吸収性物品に関する。
【0008】また本発明は前記1枚のシートが撥水性シートからなり、トップシート部分に親水化処理が施されていることを特徴とする吸収性物品に関する。
【0009】また、本発明は前記1枚のシートが親水性シートからなり、バックシート部分に撥水化処理が施されていることを特徴とする吸収性物品に関する。
【0010】さらに本発明は、上記の吸収性物品と、着用者の腹から腰周りを囲んで吸収性物品を着用者に当てて保持する外装シートからなり、前記吸収性物品は外装シートの長手方向に沿う中央領域に配置されており、前記外装シートの前身頃及び後身頃の両側縁を接合してウエスト周り開口部と一対の脚周り開口部を形成し、これら開口部に沿って伸縮弾性部材が取り付けられた使いすておむつに関する。
【0011】
【発明の実施の形態】上記構成の本発明の吸収性物品において、1枚のシートで吸収体を包み込むことによって効率よく、安価な吸収性物品を製造することができる。さらに1枚のシートのトップシート部分を、吸収体本体の長手方向両側縁に位置する領域において伸長状態にある伸縮性弾性体を内側に包み込むように折り曲げて立体ギャザーを形成し、さらに吸収体の側縁を包み込むようにして吸収体の下面のバックシート部分を構成し、左右両バックシート部分を接着固定することで立体ギャザーがより上方に立ち上がりやすくなり、漏れ防止に優れた構造となっている。
【0012】
【実施例】以下に添付図面を参照にして本発明について詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何等制限されるものではない。図1は本発明の吸収性物品1を展開した状態を示す斜視図である。図1の吸収性物品1はシート2からなるトップシート部分3と、バックシート部分4と、両シート部分の間に配置された吸収体5とからなり、立体ギャザー6はトップシート部分3を吸収体5の長手方向両側縁部に位置する領域で内側に折り込んで形成されており、折り返し部分の長手方向両端部は吸収体5上のトップシート部分3に接着固定されている。
【0013】図2は図1の吸収性物品のA−A’切断線、すなわち吸収体5上の幅方向に沿う中央部に相当する部分での横断面図、及び図3は図1の吸収性物品のB−B’切断線の断面図を示す。図2に示すように、吸収体5はトップシート部分3とバックシート部分4を形成するシート2に包まれた状態で配置されており、また吸収体5の両側縁部では、立体ギャザー6がトップシート部分3で形成され、シート2の両側縁部が重ね合わされてバックシート部分4が形成され吸収体5の下面で接着固定されている。また、立体ギャザー6の折り返し線7には伸縮弾性部材8を伸張状態で配置されている。また、図3に示すように、立体ギャザー6の折り返された長手方向端部は、その端縁9がトップシート2に接着固定されている。
【0014】図4は本発明の吸収性物品1を外装シート10の長手方向に沿う中央領域に配置して形成したパンツ型おむつ11の前身頃と後身頃の接着部を開放展開した斜視図である。図4において吸収性物品1は、脚周り伸縮弾性部材12およびウエスト周り伸縮弾性部材13を配置した外装シート10の長手方向に沿う中央領域に配置され、前身頃と後身頃を予め接着閉鎖して、着用者の腹から腰周りを囲む様に保持される。なお、上記実施例では立体ギャザー6を内側に倒してあるが、必ずしも内側に倒す必要はなく、外側に接着固定されていても、接着固定されていなくても良い。
【0015】本発明において使用されるシート2は、ポリエチレン、ポリプロピレン、その他の熱可塑性繊維等からなる不織布、織布、多孔性プラスチックフィルム、多孔性フォーム、網状フォーム等が用いられる。また、天然繊維(例えば木質繊維、綿状繊維等)でも良く、合成繊維と天然繊維の組み合わせ等、広い範囲の材料から製造することができる。シート2の坪量は、8〜60g/m2、厚さは0.03〜5mmであることが好ましい。いずれにしても、トップシート部分3は直接肌に接触する部分であるため、柔らかく、肌触りの良いものであればよい。また、トップシート部分3はシート2が撥水性の場合には親水化処理を施されたものが用いられる。親水化剤としては、カルボン酸塩、硫酸エステル塩、スルホン酸塩、リン酸エステル塩等のアニオン界面活性剤、脂肪酸アミン塩、第4級アンモニウム塩等のカチオン界面活性剤、アミノ酸型両性界面活性剤、ベタイン型両性界面活性剤、ポリエチレングリコール型非イオン界面活性剤、多価アルコール型非イオン界面活性剤等の非イオン型界面活性が使用され、これらを単独あるいは複数混合したものでトップシートを親水化処理する事が好ましい。親水化処理方法としては、含浸法、グラビア塗工法、泡塗工法、スプレー法等、従来公知の処理方法を用いることができる。立体ギャザー6とバックシート部分4はシート2が親水性の場合には撥水化処理を施したものが用いられる。撥水剤としてはパラフィン系、ピリジニウム塩系撥水剤、メチロールアミド型、エチレンウレア型、シリコーン型、クロミッククロライド型、フッ素化合物型等が挙げられ、特に制限はない。撥水化処理方法は上記、親水化処理の場合と同様に従来公知の処理与方法を用いることができる。いずれにしてもバックシート部分4は防漏性があれば良く、吸収体中の水分がおむつ外側に滲み出さないものであればよい。
【0016】吸収体5は古紙を含むフラッフパルプを主材に高吸収性ポリマーを併用したものが好ましく、その他に吸収紙単独、または熱融着繊維等の混合物や積層物が用いられる。また、全体をティッシュで包み込んだ積層構造とすることが好ましい。吸収体5の形状は砂時計型、矩形等でも良いが、砂時計型の方がより良好なフィット性が得られる。
【0017】立体ギャザー6の先端部に配置された立体ギャザー伸縮弾性部材8の他、脚周り伸縮弾性部材12、ウェスト周り伸縮弾性部材13はウレタンフィルム、ウレタン糸、ウレタンフォーム、糸ゴム等の通常の使いすておむつに使用される伸縮弾性体をそのまま使用することができ、これらの伸縮弾性部材はそれぞれ伸長状態で立体ギャザー部分、脚周り開口部、ウェスト周り開口部に配置され、ホットメルト接着剤により接着固定されている。
【0018】外装シート10の少なくとも吸収性物品1が配置される長手方向中央領域は、液不透過性のポリエチレンシート、好ましくは熱可塑性樹脂にフィラーを加えて延伸した透湿性のある液不透過性シートなどの透湿性を付与したシートが用いられることが好ましく、吸収性物品1が配置される以外の部分は脚周り伸縮弾性部材12を挟み込んで配設するために少なくとも二層であり、着用者の発汗や排泄物による温度上昇を抑え、蒸れや蒸れから起こりうるかぶれを防止するためにポリエチレン、ポリプロピレン等の熱可塑性繊維からなる不織布、又は微孔を設けて通気性を付与したポリエチレンシート、さらには熱可塑性樹脂にフィラーを加えて延伸した通気性のあるシートを用い、少なくとも着用者に直接触れる内側部分には不織布が用いられることが好ましい。
【0019】また、おむつへの着用者へのフィット性をさらに優れたものにするために、外装シート10の前身頃および後身頃の着用者の腰周りにあたる少なくとも一部の幅方向に、複数本の伸縮弾性部材を配置することもできる。さらに好ましくは、少なくとも吸収性物品1が配置される以外の部分に用いられるシートに、5〜40μmの厚さの透湿性、伸縮性を有するポリウレタン系のフィルム、天然ゴムシート、発泡シートの少なくとも片面に、エラストマー不織ウェブ単体かエラストマー不織ウェブの少なくとも片面にポリエチレンテレフタレート繊維のようなポリエステル繊維、ポリオレフィン繊維、ナイロン繊維のようなポリアミド繊維、コットン繊維のようなセルロース繊維、パルプ繊維、およびそれらの混合物を含むグループから選択された材料から作られた繊維層を水流交絡または積層されたウェブ等が用いられる。また、ポリウレタン系、ポリオレフィン系等の透湿性、伸縮性を有する熱可塑性樹脂を前記繊維層へラミネートしたものを用いると、フィット性と共に蒸れも防止することができる。
【0020】外装シート10と吸収性物品1との接着はホットメルト接着剤により接着される。ホットメルト接着剤の塗布方法は、ビード、スパイラル、メルトブローなど一般に用いられる方法であれば何等でも良いが、貼り合わせた後のシートの風合いが良好であるためには、接着剤の使用量を可能な範囲で少なく、かつ塗布面全面に均一に塗布することが望ましく、メルトブローによる塗布が好ましい。前記メルトブローによる接着はおむつを製造する工程の随所で用いられる。
【0021】上記実施例ではあらかじめ立体パンツ型とした使いすておむつを示したが、外装シート10の前身頃と後身頃の両側部を接着閉鎖することなく、おむつ前身頃あるいは、後身頃の幅方向両側部に締結手段を設け、おむつ使用時にその締結手段でおむつの前身頃と後身頃を接着固定する形状であっても良い。
【0022】
【発明の効果】以上、本発明における吸収性物品では、吸収性物品本体のトップシートとバックシートが一枚のシートで形成され、吸収体はこの1枚のシートに包まれた状態で配置されているため、効率よく吸収性物品を製造することができ、またシートの重ね合わされる部分もバックシート部分だけであるため安価な吸収性物品を提供することが可能となる。さらに前記1枚のシートのトップシート部分を、吸収体本体の長手方向両側縁に位置する領域において伸長状態にある伸縮性弾性体を内側に包み込むように折り曲げて立体ギャザーを形成し、さらに吸収体の側縁を包み込むようにして吸収体下面のバックシート部分を構成し、左右両バックシート部分を接着固定することで立体ギャザーがより上方に立ち上がりやすくなり、漏れ防止に優れた吸収性物品を提供することが可能となる。
【出願人】 【識別番号】000122298
【氏名又は名称】王子製紙株式会社
【出願日】 平成10年(1998)4月1日
【代理人】
【公開番号】 特開平11−285509
【公開日】 平成11年(1999)10月19日
【出願番号】 特願平10−88548