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【発明の名称】 視覚障害者誘導用マーカー
【発明者】 【氏名】小林 正和

【要約】 【課題】汎用性のある視覚障害者誘導用マーカーを提供する。

【解決手段】カーペットx上に露出するマーカー板3の下面に、係合歯7が形成された連結杆8を突成してなるマーカー本体2を備え、取付けプレート10に形成された保持筒部12に連結杆8を圧入して、保持筒部12の内周面に係合歯7の歯先を食い込ませて、適宜位置に位置決めするようにしたものであるから、カーペットxは、その厚さとほぼ無関係に保持され、汎用性が向上する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】カーペット上に露出するマーカー板の下面に、周面に多数の係合歯が軸方向に沿って形成された連結杆を突成してなるマーカー本体と、前記連結杆が圧入されて、その内周面に係合歯が食い込んで連結される保持筒部を、基板から突成してなる取付けプレートとからなり、マーカー板の周部と基板間でカーペットの縁部を挟持するようにした視覚障害者誘導用マーカー。
【請求項2】前記マーカー本体が金属製であり、取付けプレートが合成樹脂製であると共に、前記保持筒部の周囲に補強リブを適宜間隔で連成したことを特徴とする請求項1記載の視覚障害者誘導用マーカー。
【請求項3】カーペット上に露出するマーカー板の下面に、周面に多数の係合歯が軸方向に沿って形成された連結杆を突成してなるマーカー本体と、前記連結杆が挿入される係合孔が上下方向に形成され、かつ該係合孔内へ係止突片が突成され、係合孔に挿入された連結杆の係合歯に、係止突片の先端が係合して連結される保持筒部を、基板から突成してなる取付けプレートとからなり、マーカー板の周部と基板間でカーペットの縁部を挟持するようにした視覚障害者誘導用マーカー。
【請求項4】前記基板の表面にカーペットの下面に食い込むズレ止め突起を形成したことを特徴とする請求項1乃至請求項3記載の視覚障害者誘導用マーカー。
【請求項5】前記連結杆を雄螺子杆により構成し、雄螺子歯を係合歯としたことを特徴とする請求項1乃至請求項4記載の視覚障害者誘導用マーカー。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カーペット等が敷設された屋内の通路に配設される視覚障害者誘導用マーカーに関する。
【0002】
【従来の技術】この種の屋内で用いられる視覚障害者誘導用マーカーの従来構成としては、図9で示すように(実用新案登録第3013266号参照)、取付けプレートaに割溝により内外方向の撓みを可能とした保持突部bを形成し、その上部に被着するマーカー本体dの下面に、内方へ突成する係止縁eを形成して、該係止縁eを保持突部bの上縁に突成した係止突起cと係合することにより、取付けプレートaにマーカー本体dを連結するようにしてなり、マーカー本体dの周部と取付けプレートa間でカーペットxの縁部を挟持するようにしてなるものが提案されている。
【0003】また、図10で示すように(実用新案登録第3003701号参照)、マーカーhの中心に連結孔iを形成し、該連結孔iから螺子jを床に螺合する構成も提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来構成にあって、前者の構成は、マーカー本体dは、係止突起cと係合する位置で上方離脱不能に保持されるものであるから、マーカー本体dの周部と取付けプレートaの間隙以上の厚みのカーペットxは適用不能となり、また薄いカーペットxを適用すると、マーカー本体dが安定的に保持されないという問題点があった。
【0005】また、後者の構成にあっては、螺子jにより床固定するものであるから、床が傷つくという致命的な欠点があった。
【0006】本発明は、かかる従来の問題点を解消し得る視覚障害者誘導用マーカーの提供を目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、カーペット上に露出するマーカー板の下面に、周面に多数の係合歯が軸方向に沿って形成された連結杆を突成してなるマーカー本体と、前記連結杆が圧入されて、その内周面に係合歯が食い込んで連結される保持筒部を、基板から突成してなる取付けプレートとからなり、マーカー板の周部と基板間でカーペットの縁部を挟持するようにした視覚障害者誘導用マーカーである。
【0008】ここで、カーペットの縁部をマーカー板の周部と基板間に位置させて、マーカー板の上面を打圧する。これにより連結杆は保持筒部内に圧入され、カーペットの縁部はマーカー板の周部と基板間で挟持される。このとき、係合歯の歯先は保持筒部の内周面に食い込み、離脱が阻止される。而して、マーカー本体は、無段階的に保持され得るから、カーペットの厚さとほぼ無関係に用いることができる。
【0009】かかる構成にあって、前記マーカー本体を金属製とし、取付けプレートを合成樹脂製とすると、その連結杆の係合歯の歯先の食い込みが、その硬度差により容易に確保される。このとき、保持筒部は係合歯により弾性的に拡開するが、あまり復元保持力が弱いと、容易に拡開してしまい、連結杆の保持が不充分となって、マーカー本体は離脱し易くなる。そこで、保持筒部の周囲に補強リブを適宜間隔で連成する。これにより、連結杆の圧入が可能であり、かつ容易に抜けにくい適度な復元保持力を、保持筒部に付与することができる。尚、補強リブに換えて、保持筒部の肉厚を過剰に大きくすると、保持筒部が拡開せず、連結杆の圧入が困難となる。
【0010】さらに、マーカー本体の連結杆と、取付けプレートの保持筒部の連結手段として、取付けプレートの保持筒部を、係合孔が上下方向に形成され、かつ該係合孔内へ係止突片が突成され、係合孔に挿入された連結杆の係合歯に、係止突片の先端が係合して連結される構成としても良い。
【0011】この構成にあっても、前記マーカー本体は適宜高さ位置で保持されるから、マーカー板の周部と基板間に挟持されるカーペットの厚みの許容幅が広がる。
【0012】上述の各構成にあって、前記基板の表面にカーペットの下面に食い込むズレ止め突起を形成するようにしてもよい。この場合には、マーカー板の周部と基板間に挟持されるカーペットの硬質層(下層)に、ズレ止め突起が食い込んで、その端部が保持される。このとき、例えば、マーカー本体の下面にズレ止め突起を形成することも考えられるが、この場合には、カーペット表面の柔らかい部分に食い込むものであるから、引張力に体する保持が不十分となり、ズレ止め効果が弱い。従って、基板の表面にズレ止め突起を突成することにより、カーペットの支持が最適となる。
【0013】各構成にあって、連結杆を雄螺子杆により構成し、雄螺子歯を係合歯とすることができる。かかる構成にあっては、カーペットの取り替え等に際して、視覚障害者誘導用マーカーを除去しなければならない場合に、前記マーカー本体を逆回転させることにより、雄螺子歯の螺旋案内作用により、該マーカー本体を容易に離脱させることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の第一実施例を、図1〜図5について説明する。
【0015】本発明に係る視覚障害者誘導用マーカー1aは、マーカー本体2および取付けプレート10とで構成される。このマーカー本体2は金属製からなり、条例で定められた基準に従って円形(図3参照)等に形成された、カーペット上に露出する円板状マーカー板3を備え、その下面中心に、周面に多数の係合歯7(雄螺子歯)が軸方向に沿って形成された螺子杆からなる連結杆8を突成してなる。マーカー板3は、その周縁が下方へ垂下して、その周縁を抑え縁5としており、かつその中央領域に円形の滑り止め面4を備える。この滑り止め面4は、摺動抵抗を増すために格子状溝等が形成されている。そしてこの滑り止め面4により、視覚障害者は、視覚障害者誘導用マーカー1aの所在を容易に確認し得ることとなる。
【0016】また、取付けプレート10は、合成樹脂製であり、床面に接着剤等で保持される円形基板11を備え、さらに該基板11の中央に保持筒部12を突成している。
【0017】この保持筒部12には、前記連結杆8が挿入されることとなる係合孔13が上下方向に形成される。この係合孔13の内径は、連結杆8が圧入されて、その内周面に前記係合歯7が食い込まれるように、連結杆8の歯先径よりも少し小さくなるようにしている。また、保持筒部12の周囲には、6つの補強リブ14が基板11に下面を支持されて連成されている。そして、この補強リブ14により、前記係合孔13に連結杆8を圧入したときに、該保持筒部12の拡開により、その圧入を可能とすると共に、適正な復元保持力を付与して、連結杆8の離脱を阻止するようにしている。
【0018】図6は、前記補強リブ14の端縁相互を連続させる円環16を形成した変形例の取付けプレート10’を示し、この円環16により、各補強リブ14が相互に連係して、保持筒部12を補強することとなる。すなわち、上述の構成にあっては、補強リブ14間で拡開方向の力に対して充分な復元保持力を持つことができないが、かかる円環16により適正な復元保持力が保証され、連結杆8の引張による離脱を阻止し得ることとなる。
【0019】一方、前記基板11の上面には、図5で示すように、4つのズレ止め突起18が等角度間隔で突成されている。このズレ止め突起18は、取付けプレート10にマーカー本体2を固着した状態で、該ズレ止め突起18上に抑え縁5が位置するように、該マーカー板3の半径と、ズレ止め突起18の中心からの位置とをほぼ一致させている。このズレ止め突起18はカーペットxの硬質な下面に刺入して、カーペットxのずれを防止する。
【0020】次に、かかる構成の視覚障害者誘導用マーカー1aの取付手順を説明する。まず、カーペットxに前記補強リブ14または、円環16が内嵌する孔を適宜間隔で形成し、該孔を保持筒部12及び補強リブ14または円環16に外嵌して、保持筒部12等をカーペットxの上面から突出させる。そして、マーカー本体2の連結杆8の下端を係合孔13の口端に一致させてから、マーカー板3を打圧し、係合孔13内に連結杆8を圧入する。このとき、保持筒部12は、補強リブ14,円環16により適度な復元保持力を付与されているから、拡開して、係合孔13内へ連結杆8の圧入を許容する。そして、係合孔13の内面に係合歯7が食い込み、マーカー本体2は無段階的に位置決めされ、マーカー板3の周囲の抑え縁5がカーペットxの上面に圧接し、この圧接により、前記抑え縁5の直下に位置するズレ止め突起18が、カーペットxの下層の硬質層に刺入し、これにより、孔周囲のカーペットxの縁部は、基板11と抑え縁5で挟持されてズレ止めが施される。然る後に、カーペットxが敷設される床上に、カーペットxに保持されたマーカー1aの取付けプレート10,10’の下面を接着剤等で固着する。
【0021】かかる構成にあって、前記マーカー本体2はその打圧により、カーペットxの厚さに対応して位置決めされて、カーペットxに圧接するものであるから、カーペットxの厚さ制限が無いと言ってよく、汎用性が高い。
【0022】一方、かかる構成にあって、連結杆8を雄螺子杆により構成し、雄螺子歯を係合歯7としている。このため、カーペットxの取り替え等に際して、視覚障害者誘導用マーカー1aを除去しなければならない場合に、前記マーカー本体2を逆回転させることにより、雄螺子歯の螺旋案内作用により、該マーカー本体2を容易に離脱させることができる。
【0023】図7,図8は、第二実施例の視覚障害者誘導用マーカー1bを示す。この実施例は、前記マーカー本体2を上述と同様の構成とし、金属製取付けプレート20を金属製としたものである。この金属製取付けプレート20は、金属板のプレス加工により製造されるものであり、基板21に内側を係合孔23とする保持筒部22が形成されると共に、その周面で、二箇所をコ字形に切断して、内側に折り込み、これにより、係止突片24,24を対向状に突成したものである。
【0024】かかる構成にあって、マーカー本体2の連結杆8を保持筒部22内に圧入すると、連結杆8の螺子溝に係止突片24,24が食い込み、これにより、マーカー本体2は適宜位置に保持することができる。
【0025】而して上述したように、カーペットxに形成した孔に保持筒部22を内嵌した後、保持筒部22内にマーカー本体2の連結杆8を圧入することにより、カーペットxの上面にマーカー本体2の抑え縁5が圧接して、該カーペットxが基板21及び抑え縁5により保持される。このように、かかる構成にあっても、カーペットxの厚さと無関係に視覚障害者誘導用マーカー1bを適用することができる。
【0026】而して、カーペットx上面に視覚障害者誘導用マーカー1a,1bが容易に取り付けられるから、該視覚障害者誘導用マーカー1a,1bを屋内の誘導路に沿って、適宜間隔で配設することにより、その上面に露出した、マーカー本体2により視覚障害者を適正に誘導することが可能となる。
【0027】
【発明の効果】本発明の視覚障害者誘導用マーカは、上述のように、カーペット上に露出するマーカー板の下面に、係合歯が形成された連結杆を突成してなるマーカー本体を備え、取付けプレートに形成された保持筒部に連結杆を圧入して、適宜位置に位置決めするようにしたものであるから、カーペットの縁部をマーカー板の周部と基板間に位置させて、連結杆を叩き込む等の手段により圧入することにより、カーペットの縁部は挟持され、このためカーペットは、その厚さとほぼ無関係に保持され、汎用性が向上する。
【0028】また、前記保持筒部内に連結杆を圧入すると、保持筒部の内周面に係合歯が食い込んで、該連結杆が保持筒部に連結されるようにした構成にあって、マーカー本体を金属製とし、取付けプレートを合成樹脂製とすると、その連結杆の係合歯先端の食い込みが確保される。さらには、この場合に、前記保持筒部の周囲に補強リブを適宜間隔で連成したものにあっては、連結杆の圧入が可能で、かつ容易に抜けにくくなる最適な復元保持力を保持筒部に付与し得ることとなる。
【0029】さらに、前記基板の表面にカーペットの下面に食い込むズレ止め突起を形成するようにした場合には、マーカー板の周部と基板間に挟持されるカーペットの硬質層に、ズレ止め突起が食い込んで、その端部が保持され、カーペットのズレが防止される。
【0030】また各構成にあって、連結杆を雄螺子杆により構成し、雄螺子歯を係合歯とすることができ、かかる構成にあっては、カーペットの取り替え等に際して、視覚障害者誘導用マーカーを除去しなければならない場合に、前記マーカー本体を逆回転させることにより、雄螺子歯の螺旋案内作用により、該マーカー本体を容易に離脱させることができる。
【出願人】 【識別番号】592094243
【氏名又は名称】カネソウ株式会社
【出願日】 平成10年(1998)3月24日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 喜多男
【公開番号】 特開平11−267151
【公開日】 平成11年(1999)10月5日
【出願番号】 特願平10−96788