| 【発明の名称】 |
機械式心臓代用弁のオクルーダ |
| 【発明者】 |
【氏名】苗村 潔
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| 【要約】 |
【課題】機械式心臓代用弁のオクルーダが逆流が生じる前に閉鎖開始すること。
【解決手段】機械式心臓代用弁のオクルーダ2の断面形状を台形にすることで、オクルーダ重心を回転中心軸3から弁口輪1中心の方向にして、重力トルクによりオクルーダ2が閉鎖角度位置5の方向へ回転しやすくする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】重力トルクを利用することにより、逆流が生じる前から閉鎖開始する機能を備えることを特徴とする機械式心臓代用弁のオクルーダ |
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は生体心臓の弁機能不全の治療に使用される機械式心臓代用弁のオクルーダに関するものである。 【0002】 【従来の技術】機械式心臓代用弁はヒトの心臓弁が心臓内流れの逆止弁としての機能不全となった場合に置換される人工弁である。現在臨床使用されている機械式心臓代用弁は金属製リング(弁口輪(図3の(1)))とその内側を動く2枚の板(オクルーダ(図3の(2)))から構成される。オクルーダは弁口輪の円周上に互いに凹凸の関係をなすヒンジを介して離脱しないように製作されていて、心臓内流れが順流の時に最大開放角度位置(図4の(4))にあるオクルーダは心臓内流れが逆流になると閉鎖角度位置(図4の(5))まで回転中心軸(図3、図4の(3))のまわりに運動する。 【0003】心臓代用弁について、アメリカ合衆国食品医薬品局(FDA)が制定した基準は7項目ある。つまり、(イ)使用する材料の血液適合性、(ロ)弁通過後の血流形態、(ハ)耐久性、(ニ)流体抵抗、(ホ)閉鎖運動に伴なう逆流、(ヘ)閉鎖時に生じる漏れ、(ト)合併症に関する基準である。 【0004】FDAの基準(ホ)に関して、心臓が一度収縮拡張する間に流れる血液の容積の5%程度が逆流となる。その改善が望まれているが、現状の弁では全く解決されていなかった。 【0005】逆流による流体力はオクルーダの内側全面に作用する。流体力の合力は回転中心軸(図4の(3))より下方に働くために、オクルーダを閉鎖角度位置の方向へ回転運動させる。以上のように、従来のオクルーダを閉鎖角度方向に動かすには逆流による流体力が必要である。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】従来の機械式心臓代用弁では閉鎖運動に逆流が必要なため、一度流入した血液の一部が逆流してしまい、体の隅々へ送り込まれる血液の量が減ってしまっていた。また、体の隅々へ血液を送り出す左心室が力強く収縮して圧力を発生すると同時に逆流が生じるため、左心室への流入弁である僧帽弁位に置換された機械式心臓代用弁のオクルーダは短時間に大きな流体力を受けて急激に閉鎖していた。この急激な閉鎖により、閉鎖音が大きくなって弁置換患者の心理的ストレスになっていた。そこで、本発明は左心室が収縮する前で逆流が生じる前から閉鎖開始するような僧帽弁位機械式心臓代用弁のオクルーダを提供することを目的とする。 【0007】左心室が収縮する前から機械式心臓代用弁のオクルーダを閉鎖開始させることは逆流の量を減少させるということが、公開特許公報平3−103253および米国特許第4,820,299号に記載されている。同特許では具体的な閉鎖開始手段として、隣り合うオクルーダの隅を異なる磁性にする磁力による方法を開示している。しかし、この方法は日常生活で使用する電気機器から生じる電磁場の影響を受けて、十分に機能しない可能性があるとともに、製作技術が確立されていないために特許公開後に実用化され臨床使用された例は存在しない。よって、より簡便な方法で左心室収縮前からの閉鎖開始を実現する必要がある。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明はこれらの欠点、問題点を解決したものである。以下に具体的に説明すると、(イ)オクルーダ断面形状を長方形(図4の(2))ではなく台形(図2の(2))にする。 (ロ)オクルーダ重心を回転中心軸(図2の(3))から弁口輪(図2の(1))中心の方向にして、重力トルクによりオクルーダが閉鎖角度位置(図2の(5))の方向へ回転しやすくする。 【0009】 【発明の効果】こうすれば、左心室への流入開始に伴ない最大に開放したオクルーダは(図2の(4))、左心室が収縮前に弛緩していて流れが殆どない状態において、重力トルクにより逆流が生じる前から閉鎖を開始する。僧帽弁位置に多く使用される弁口輪内径24[mm]の場合について、実験および計算の結果、逆流による流体力のトルクが1000〜10000×10−6[Nm]であるのに対して、重力トルクを4×10−6[Nm]となるように寸法を決めることができる。よって、重力トルクによる閉鎖運動は左心室収縮のあとに生じる逆流の流体力による急激な閉鎖と比べて非常にゆっくりとしていて閉鎖音が小さくなるので、手術成績の向上のみならず患者の生命や生活の質(クオリティオブライフ、QOL)の向上にも貢献が大きい。 【0010】本発明は図2に示す上下の向きに置かれたときに、重力トルクによる閉鎖開始の効果が顕著に得られる。 【0011】本発明はオクルーダの断面形状を変更するという簡便な方法を採用しており、臨床使用可能な心臓代用弁を提供するものである。 【0012】臨床使用されている機械式心臓代用弁のヒンジは凹凸部分の形状が丸いものや角張ったものなど6種類あるが、本発明では各ヒンジ形状に共通して適用できることが特長である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】398021434 【氏名又は名称】苗村 潔
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)3月25日 |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開平11−267142 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)10月5日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−117723 |
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