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【発明の名称】 パンツ型使い捨ておむつ
【発明者】 【氏名】川口 晴子

【氏名】倉橋 昌男

【氏名】樋田 治三

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、これら両シート間に配置される吸収体とを有する吸収性本体を備え、該吸収性本体における着用者の腹側に位置する腹側部及び背側に位置する背側部それぞれの両側縁部の接合固定により、ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部が形成されており、上記ウエスト開口部及び一対の上記レッグ開口部には、それぞれその周縁部全周に亘って実質的に連続したギャザーを形成する弾性部材が設けられており、上記ウエスト開口部と一対の上記レッグ開口部との間に存する胴周囲部には、その全周に亘って実質的に連続したギャザーを形成する複数の弾性部材が設けられているパンツ型使い捨ておむつにおいて、着用者が使い捨ておむつを着用した際における排尿部の周辺に該排尿部を囲うように連続したギャザーを形成する複数の弾性部材が設けられていることを特徴とするパンツ型使い捨ておむつ。
【請求項2】 上記胴周囲部における上記ウエスト開口部側の弾性部材の30%伸長時の応力が50〜150gであり、上記胴周囲部における上記レッグ開口部側の弾性部材の30%伸長時の応力が40〜100gであることを特徴とする請求項1記載のパンツ型使い捨ておむつ。
【請求項3】 上記排尿部の周辺に設けられた弾性部材の30%伸長時の応力が40〜100gであることを特徴とする請求項1記載のパンツ型使い捨ておむつ。
【請求項4】 上記パンツ型使い捨ておむつの股下部には、おむつの幅方向に沿って弾性部材が設けられており、該弾性部材の30%伸長時の応力が40〜100gであることを特徴とする請求項1記載のパンツ型使い捨ておむつ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、幼児、大人又は失禁者用又はトレーニングパンツ等のパンツ型使い捨ておむつに関し、更に詳細には、フィット性に優れ、着用時における漏れを確実に防止することができるパンツ型使い捨ておむつに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来より、ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部を有するパンツ型の使い捨ておむつは種々提案されており、最近では、特開平4−166150号公報において、上記ウエスト開口部と一対の上記レッグ開口部との間に存し上記吸収体の配置されている胴周囲部に、その全周に亘って実質的に連続したギャザーを形成する複数の弾性部材が設けられた、パンツ型の使い捨ておむつが提案されている。上記公報において提案されているパンツ型の使い捨ておむつは、上記胴周囲部の弾性部材により、おむつの胴周囲部を着用者に良好にフィットさせることができるものであり、着用時におけるおむつからの排泄物の漏れを確実に防止することができるものである。
【0003】しかし、最近では、上記使い捨ておむつよりも更に漏れ防止性を向上させたパンツ型使い捨ておむつが要求されている。即ち、上記のパンツ型の使い捨ておむつでも、着用者が排泄した際には、排泄物の重みにより使い捨ておむつがズレて、局部的に形状がふくらみ外観がわるくなり、フィット性が低下し、動きにくくなったり、排泄物の漏れを生じる場合があるため、着用者が排泄した際においても、ズレずにモレを生じないパンツ型使い捨ておむつが最近では要求されている。
【0004】従って、本発明の目的は、着用者が排泄して排泄物の重みが加わった場合でも、ズレずに漏れを生じない、フィット性に優れ、おむつが局部的にふくらんで、外観を損なうことがないパンツ型使い捨ておむつを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、着用時に着用者の排泄部近傍に位置する部位にギャザーが形成されたパンツ型使い捨ておむつが、上記目的を達成し得ることを知見した。
【0006】本発明は、上記知見に基づいてなされたものであり、液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、これら両シート間に配置される吸収体とを有する吸収性本体を備え、該吸収性本体における着用者の腹側に位置する腹側部及び背側に位置する背側部それぞれの両側縁部の接合固定により、ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部が形成されており、上記ウエスト開口部及び一対の上記レッグ開口部には、それぞれその周縁部全周に亘って実質的に連続したギャザーを形成する弾性部材が設けられており、上記ウエスト開口部と一対の上記レッグ開口部との間に存する胴周囲部には、その全周に亘って実質的に連続したギャザーを形成する複数の弾性部材が設けられているパンツ型使い捨ておむつにおいて、着用者が使い捨ておむつを着用した際における排尿部の周辺に該排尿部を囲うように連続したギャザーを形成する複数の弾性部材が設けられていることを特徴とするパンツ型使い捨ておむつを提供するものである。
【0007】
【作用】本発明のパンツ型使い捨ておむつは、排尿ポイント部に設けられた弾性部材が、おむつの幅方向に向けてギャザーを形成しており、該ギャザーにより該排尿ポイント部におけるフィット性が更に向上されている。そして、これにより、着用者が排泄した際においても、おむつがズレることがなく、おむつが極部的にふくらむこと(ダボつき)を防止でき、外観を損なうことがなく、結果として、排泄物の漏れを生じることがない。
【0008】
【実施例】以下、本発明の吸収性物品を実施例により更に詳細に説明する。本発明のパンツ型使い捨ておむつの1実施例について、図1及び図2を参照して説明する。ここで、図1は、本発明のパンツ型使い捨ておむつの1実施例を示す斜視図であり、図2は、図1に示すパンツ型使い捨ておむつの展開図である。
【0009】図1及び図2に示す本実施例のパンツ型使い捨ておむつ1は、液透過性のトップシート2と、液不透過性のバックシート3と、これら両シート間に配置される吸収体4とを有する吸収性本体5を備え、該吸収性本体5における着用者の腹側に位置する腹側部6及び背側に位置する背側部7それぞれの両側縁部の接合固定により、ウエスト開口部10及び一対のレッグ開口部20が形成されており、上記ウエスト開口部10及び一対の上記レッグ開口部20には、それぞれその周縁部全周に亘って実質的に連続したギャザーを形成する弾性部材11,21が設けられており、上記ウエスト開口部10と一対の上記レッグ開口部20との間に存し、本実施例においては上記吸収体4の配置されている胴周囲部30には、その全周に亘って実質的に連続したギャザーを形成する複数の弾性部材31が設けられている。
【0010】更に詳述すると、上記パンツ型使い捨ておむつ1においては、腹側部6の側縁部と背側部7の側縁部6a,7a及び腹側部6の側縁部と背側部7の側縁部6b,7bが、それぞれ接合固定されて接合部8が形成されている。
【0011】また、上記トップシート2、上記バックシート3及び上記吸収体4は、それぞれ、中央が括れた砂時計状に形成されており、これらを形成する材料としては、下記するものを用いることができる。
【0012】上記トップシート2の材料としては、排泄物を吸収体4へ透過させる液透過性シートで肌着に近い感触を有したものが好ましく、このような液透過性シートとしては、例えば、織布、不織布、多孔性フィルム等が好ましく挙げられる。また、上記トップシート2には、その周縁部にシリコン系油剤、パラフィンワックス等の疎水性化合物を塗布する方法や、あらかじめアルキルリン酸エステルのような親水性化合物を全面に塗布し、次いでその周縁を温水で洗浄する方法により撥水処理を施し、周縁部における尿等のにじみによるモレを防止することができる。
【0013】上記バックシート3の材料としては、熱可塑性樹脂にフィラーを加えて延伸した液不透過性かつ蒸気を透過させる蒸気透過性のシートが用いられ、肌着に近い感触を有したもの、たとえば、フィルムと不織布との複合材、あるいはフィルムと織布との複合材料等が用いられる。
【0014】上記吸収体4の材料としては、解繊パルプを主材とし、高分子吸水ポリマーを併用したものが好ましく、その他熱可塑性樹脂、セルロース繊維、あるいは高分子吸水ポリマーの混合物に熱処理したものが好ましい。高分子吸水ポリマーの存在位置は、上層、中層、下層のいずれであってもよく、パルプと混合したものであっても良い。高分子吸水ポリマーは自重の20倍以上の液体を吸収して保持する性能を有し、ゲル化する性質を有する粒子状のものが好ましく、このような高分子吸水ポリマーとしては、デンプン−アクリル酸(塩)グラフト共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物、アクリル酸(塩)重合体等が好ましい。
【0015】上記ウエスト開口部10に設けられている上記弾性部材11は、腹側部6と背側部7とにそれぞれ4本づつ等間隔に設けられており、上記接合固定により連結されて、上記ウエスト開口部10の全周に亘って実質的に連続したギャザーを形成するようになされている。上記弾性部材11としては、通常使い捨ておむつに用いられる弾性部材であれば特に制限なく用いることができるが、その形状は帯状であるのが好ましい。また、その伸長率は、80%〜140%の範囲とするのが好ましい。尚、本発明において、上記「伸長率」は、伸長率100%を、たとえば長さ10cmのものを20cm、即ち2倍の長さに伸張することとして定義したものである。また、上記ウエスト開口部10の弾性部材11の30%伸長時の応力は50〜150gであるのが好ましい。
【0016】また、上記レッグ開口部20に設けられている上記弾性部材21は、腹側部6と背側部7とにそれぞれ3本づつ、等間隔に且つおむつの股下部において吸収体4を横断するようにして設けられており、上記接合固定により連結されて、上記レッグ開口部20の全周に亘って実質的に連続したギャザーを形成するようになされている。上記弾性部材21としては、通常使い捨ておむつに用いられる弾性部材であれば特に制限なく用いることができるが、その形状は帯状であるのが好ましい。また、その伸長率(レッグ開口部における伸長率)は、60%〜100%の範囲とするのが好ましい。また、上記レッグ開口部20の弾性部材21の30%伸長時の応力は40〜100gであるのが好ましい。また、おむつの股下部50には、伸長率30%〜50%で上記弾性部材21が吸収体4を横断して設けられていることにより、弾性部材が配されている。上記股下部50に弾性部材が設けられている場合の該弾性部材の30%伸長時の応力は40〜100gであるのが好ましい。上記応力が40g未満であると、股下部で吸収体のヨレを生じ巾が狭くなり、吸収性能が悪くなり、また上記応力が100gを超えると、吸収体の形状を変動させ、外観を損ねてしまう。
【0017】また、上記胴周囲部30に設けられている上記弾性部材31は、腹側部6と背側部7とにそれぞれ5本づつ、上記ウエスト開口部10に近づく程各弾性部材の間隔が狭くなるように設けられており、上記接合固定により連結されて、上記胴周囲部30の全周に亘って実質的に連続したギャザーを形成するようになされている。上記弾性部材31としては、通常使い捨ておむつに用いられる弾性部材であれば特に制限なく用いることができるが、その形状は糸状であるのが好ましい。また、その伸長率は、80〜120%の範囲とするのが好ましい。また、上記伸長率は、上記ウエスト開口部10に近づく程各弾性部材31の伸長率が高くなるようになされているのが好ましい。上記伸長率の変化率は、40%とするのが好ましい。
【0018】また、上記胴周囲部30における上記ウエスト開口部10側の弾性部材31aの30%伸長時の応力は50〜150g、更には50〜100gであり、上記胴周囲部30における上記レッグ開口部20側の弾性部材31eの30%伸長時の応力は40〜100gであるのが好ましい。
【0019】また、上記背側部7の上記バックシート3の表面には、廃棄処理用のファスニングテープ60が設けられており、該ファスニングテープ60によりおむつの廃棄時に衛生的に廃棄することができる。また、上記接合部8の接合方法としては、ヒートシール、高周波シーツ、超音波シール等の公知の接合方法を特に制限なく用いて行うことができる。
【0020】而して、本実施例のパンツ型使い捨ておむつは、図1及び図2に示すように、上記胴周囲部30の下部に位置し且つ着用者の排尿部近傍に位置する、排尿ポイント部40には、おむつの幅方向に向けて連続したギャザーを形成する複数の弾性部材41が設けられている。具体的には、腹側部6に4本、それぞれ等間隔で設けられている。ここで、上記「排尿部近傍」とは、着用者がおむつを着用した際に排尿部自体及びその周辺に位置する部分を意味し、具体的には、一対の上記レッグ開口部20の間に位置する、腹側部6の股下領域(下腹部領域・股部領域)を意味する。
【0021】上記弾性部材41としては、通常使い捨ておむつに用いられる弾性部材であれば特に制限なく用いることができるが、その形状は糸状であるのが好ましい。また、その伸長率は、50〜80%の範囲とするのが好ましい。尚、上記弾性部材41の本数は、上記実施例においては、4本であるが、3〜6本とするのが好ましい。また、上記弾性部材41の30%伸長時における応力は40〜100g、更には50〜90gであるのが好ましい。上記弾性部材41の応力が40g未満であると、局部的に膨らんだ形状を防止できず、100gを超えると吸収体の形状を変形させ外観を損ねてしまう。また、上記各弾性部材41の間隔は、特に制限されるものではなく、本発明の所望の効果を害しない範囲の間隔を適宜採用することができる。
【0022】本実施例のパンツ型使い捨ておむつは、上記排尿ポイント部40に上記弾性部材が設けられているので、上記排尿ポイント部40におけるフィット性が向上されており、おむつ全体のフィット性に優れるものであり、着用者が排尿等の排泄を行い排泄物の重みが加わっても、おむつがズレることがなく、その結果、漏れを有効に防止することができる。
【0023】また、上記使い捨ておむつにおける股上長と横幅との比(股上長/横幅)は、1.10〜1.30であるのが好ましく、1.15〜1.30であるのが更に好ましい。上記比が1.10未満であると、おへそがでてしまい乳幼児の体をカバーしきれずにおへそが露出してお腹からのモレが生じてしまい、また、1.30を超えると、フィット性が低下してズレ落ち易くなるので、上記範囲内とするのが好ましい。
【0024】ここで、上記「股上長」とは、上述した各弾性部材を全て完全に伸長させた状態における、おむつの股下部の縁部から上記ウエスト開口部10の縁部までの長さである。また、上記「横幅」とは、上述した各弾性部材を全て完全に伸長させた状態における、おむつの左右両側縁部間の長さである。
【0025】尚、本発明のパンツ型使い捨ておむつは、上述の実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0026】
【発明の効果】本発明のパンツ型使い捨ておむつは、着用者が排泄して排泄物の重みが加わった場合でも、ズレずに漏れを生じない、フィット性に優れたものである。
【出願人】 【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
【出願日】 平成6年(1994)10月14日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】羽鳥 修 (外1名)
【公開番号】 特開平11−262503
【公開日】 平成11年(1999)9月28日
【出願番号】 特願平11−9466