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【発明の名称】 いびき防止具
【発明者】 【氏名】伊澤 啓吏

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】薄い板状の本体(1)に一体となった一対の支持部(2)と作用部(3)を有するいびき防止具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、上唇部と上顎部の歯茎の間、及び、下顎部に、薄い板を挿入することにより、いびきを防止する器具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、鼻中隔に、U字型のクリップを挟み込んで、いびきを防止する器具や電気的刺激により、睡眠から覚醒させることで、いびきを防止する器具などがあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これらには次のような欠点があった。
(イ)鼻中隔にクリップを挟んでも、大多数のいびきの根本的な原因である咽頭部の気道の狭窄を拡げることにはならず、睡眠時無呼吸症候郡等の重症のいびきに対して効果がなかった。
(ロ)いびきの音に反応させて電気的な刺激を与える方法も、覚醒させることにより一時的にいびきを防止する方法で、根本的に咽頭部の気道を拡げることにはならず、深い眠りを得られず健康上も問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】薄い板状の本体(1)に一体となった一対の支持部(2)と作用部(3)を設ける。 本発明は、以上の構成よりなるいびき防止具である。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明を使用するには、本体(1)の上縁部にある一対の支持部(2)を、上唇部と上顎部の歯茎の間に挿入し、本体(1)の脚部にある作用部(3)を、下顎部の前歯の内側へ挿入することにより、下顎部全体を0.5〜1cm程度前方へ出し、咽頭部の気道を拡張することによる。
【0006】
【実施例】以下、本発明の実施例を述べる。
(イ)薄い板状の本体(1)を設ける。 本体(1)の上縁部は、上唇部と上顎部の歯茎の間へ挿入して本体(1)を固定するための部位で、その部位を支持部(2)とする。
(ロ)本体(1)下方にある脚部は、下顎部の前歯の内側へ挿入されるもので、作用部(3)とする。
本発明は、以上の構成よりなっている。本発明を使用するには、支持部(2)を上唇部と上顎の歯茎の間へ挿入し、さらに、下顎部全体を前方へ突き出すようにして、下顎部の前歯の内側へ、作用部(3)を挿入する。 そのことにより、下顎部全体は約0.5〜1cm程度前方に固定されることになる。 また、本体(1)の全体または作用部(3)の厚さを変えることで、下顎部を前方に移動させる長さを調節することができる。また、作用部(3)を口腔底(4)へ挿入することにより、口腔内の緊張を高め、舌部の筋肉にも緊張を持たせることになり、舌下垂及び口蓋垂が下垂することを防ぎ、気道を覚醒時と同じ状態に保つ作用をする。睡眠中、本発明を装着した状態を一定に保つため、絆創膏等のテープで、口唇が大きく開くことのないように固定してもよい。本発明では、ナイロン、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニール樹脂、スチロール樹脂、メタクリル樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フッ素樹脂、ケイ素樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート、繊維強化プラスチック、形状記憶ポリマー等の各種プラスチック、また、セラミック素材、また、耐水性等の処理を施した紙及び布、また、合成ゴム、天然ゴム、シリコーンゴム、さらに、各種金属及び金属合金及び形状記憶合金、また、炭素繊維等の強化繊維、さらに、それらの複合による複合材などを素材としている。 さらに、それらの素材をラミネート加工することにより、破損及び欠損で生じる危険性を除去し、安全性を維持することができる。また、本発明の実施に当たっては、当初、本体(1)を平板の状態にしておき、使用者の口腔内の形状に合わせて、支持部(2)及び作用部(3)の角度を変えることで、より良い使用感を持たせることができる。 また、医師及び歯科医師によって装着してもらう方法もある。 その場合、使用者の歯形を取り、各々に合致したサイズ及び形状のものを作製し使用することにより、前歯にかかる負担を小さくすることができる。 また、弾性を持った素材を本体(1)に使用することにより、当初から支持部(2)及び作用部(3)に一定の角度を持たせて、フリーサイズとして随時用いることもできる。
【0007】
【発明の効果】従来より、いびきに関係する専門医の間では、下顎が上顎より前へ出た、所謂、受け口の人はいびきをかくことが少ないと云うのが通説であった。 そのことは、下顎を前方へ突き出すようにすると咽の奥の気道が広くなり、呼吸が楽になることで説明できる。 逆に、下顎を後方へずらすと、咽頭部の気道は狭くなり、呼吸はしにくくなる。古代、四本足歩行から直立して歩くようになった人間は、多くの四本足歩行の哺乳動物に比べて、気道が咽頭部で深く折れ曲がるようになった。 さらに、現代人は古代人に比べて、大きくなった脳を支えるため、顎を引いた姿勢で直立するようになり、姿勢が良くなった反面、ますます、咽頭部の気道は圧迫を受けるようになった。 そのような結果、覚醒時には不自由なくできる呼吸も、睡眠時の無意識下において、睡眠時無呼吸症候群に代表される重症のいびきが、現代人に現れるに至ったと思われる。東京慈恵会医科大学の佐々木三男教授によると、睡眠時無呼吸症候群とは、10秒以上続く無呼吸が七時間の睡眠中で30回以上起こる場合をいい、一晩に500回以上と云う重症例も報告されている。 重症の場合は100秒にも及ぶ無呼吸状態が続き、無呼吸のあと呼吸が再開する際に、一過性の覚醒反応が起こる為、睡眠は中断され、不安定となり不眠が起こる。 その結果、日中の眠気が非常に強くなり、交通事故や職場での事故を起こすなど社会生活を送る上で様々な障害をもたらしている。 しかし、睡眠時無呼吸症候群で問題なのは、本人に睡眠障害が自覚されていないと云う点で、例えば、社会活動に参加している65歳以上の健康な老人24人(女12人、男12人)に睡眠ポリグラフを用いて夜間睡眠を検査した結果では、その内9人(37.5%)に睡眠時無呼吸が見られ、その内6人には一晩に100回以上の無呼吸がみられたと報告され、しかも、そのほとんどの人には睡眠障害の自覚はなかったということである。〔参考文献1〕
従来、いびきは、鼻腔に障害がある場合と、所謂、睡眠時無呼吸症候群に代表される咽頭部の気道の狭窄によるものとに大別された。 前者の場合、鼻腔内の病気等の原因による場合が多いのであるが、いびきの90%は、咽頭部の気道の狭窄に起因するものであると報告されており、咽頭部の気道の狭まりを防止することが、ほとんどのいびきを防止することになると考えられる。 咽頭部は複雑な部位であり、外科的な処置も難しいものがあった。 また、睡眠時無呼吸症候群の場合、心臓病、高血圧症、脳出血等々の様々な病気の原因になると考えられており、重症の場合、死に至ることも報告されている。 最近のアメリカの報告では、アメリカ国内で、心臓病のある人のうち、年間4万人近くの人が、睡眠時無呼吸症候群が原因で死亡しているとされ〔参考文献2〕、たかが、いびきと看過出来ない重大な問題であることが最近になって認識されるようになった。しかしながら、本発明は、根本原因である咽頭部の気道の狭窄を、外科的な手術を行うことなく取り除くことが出来、また、重症でない場合でも、いびきの為友人と旅行に行けないなど、いびきで悩んでいる人達にとっても、画期的な発明である。さらに、一週間余に渡って、本発明を装着して就寝した結果、以後、本発明を装着しない場合にも、睡眠時無呼吸症候群が現れ難くなったとの実験結果もあり、いびきに対する治療具としての要素も持った発明であると同時に、歯ぎしりの防止に対しても有効である。また、現在、スポーツ時に呼吸を楽にするといわれる鼻梁へ貼付するテープが市販されているが、本発明は咽頭部の気道を拡げることにより呼吸を楽にすることから、ジョギング、登山など、様々なスポーツの補助具として使用出来るものである。
(参考文献1)「大脳が元気になる快眠の本」P.58〜59 P.99〜102 P.107〜108 東京慈恵会医科大学教授 佐々木三男著 講談社発行(参考文献2)「専門医がやさしく教える心臓病」P.157 聖路加国際病院内科医長 山科 章 著 PHP研究所発行
【出願人】 【識別番号】595146471
【氏名又は名称】伊澤 啓吏
【出願日】 平成10年(1998)3月17日
【代理人】
【公開番号】 特開平11−262500
【公開日】 平成11年(1999)9月28日
【出願番号】 特願平10−110048