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【発明の名称】 吸収性物品
【発明者】 【氏名】飯島 茂美

【氏名】朝井 欣哉

【氏名】小木曽 宏治

【要約】 【課題】吸収体をシート化し、尿、体液などをすばやく吸収し、トップシート表面での液戻り及び液残りを低減させ、ベタツキや漏れがなく、使用者が快適に使用できるコンパクトな吸収性物品を提供する。

【解決手段】液透過性のトップシートと液不透過性のバックシートの間に吸収体を配置された吸収性物品において、吸収体は、吸収性物質と微細繊維を混合分散した塗料を基材シートに塗布した吸収性シートからなり、さらに、吸収性シートは、複数のスリットにより開孔部が形成され、かつ、開孔部分の面積は、吸収性シート面積の10%以上、90%以下であり、液透過性のトップシート又は、液不透過性のバックシートに接合されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 液透過性のトップシートと液不透過性のバックシートの間に吸収体が配置された吸収性物品において、前記吸収体は、吸収性物質と微細繊維を混合分散した塗料を基材シートに塗布した吸収性シートからなり、前記吸収性シートには、複数のスリットにより開孔部が形成され、かつ、開孔部分の面積は、吸収性シート面積の10%以上、90%以下であり、前記液透過性のトップシート又は、前記液不透過性のバックシートに接合されていることを特徴とする吸収性物品。
【請求項2】 前記塗料は、吸収性物質と微細繊維との配合比が、吸収性物質100重量部に対して、微細繊維0.3重量部以上、15重量部以下であることを特徴とする請求項1記載の吸収性物品。
【請求項3】 前記塗料は、吸収性物質と微細繊維を混合分散する溶液が有機溶剤のみからなる溶液、または、有機溶剤51重量%以上、100重量%未満の水混合溶液からなることを特徴とする請求項1または2記載の吸収性物品。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸収性物品に関し、さらに詳しくは、おむつ、失禁者用パッド、母乳パッド、生理用ナプキン、ベットシート、ペットシート、医療用パッド、湿布剤、医療用衛材分野などに使用される吸収性物品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より吸収性物品の1つである使いすておむつは、液透過性のトップシートと液不透過性のバックシートの間に、綿状パルプ、吸収性物質(例えば、高吸収性ポリマー)、親水性シート等からなる吸収体を配置した構成になっており、尿、体液などは、液透過性のトップシートを通って吸収体に吸収される。この場合、吸収体は、尿、体液などを受け取り、皮膚を逆に再び濡らすことなく保持する必要がある。
【0003】ここで用いられる吸収体としては、吸収性物質を綿状パルプ中に分散し全体を圧縮して吸収体とするか、または、綿状パルプと綿状パルプの間に吸収性物質を層状にその表面の全域に亘り均一に散布した吸収体、2枚の吸収紙の間に吸収性物質をはさみこんで固定した吸収体、吸収紙の表面に接着剤で吸収性物質を固着した吸収体、トップシートとバックシートの間に吸収性物質を一体形成した吸収体とするなどにより吸収性物品に使用される。
【0004】しかし、従来の吸収性物品では、尿、体液などが完全に吸収されるまでの速度(以下、吸収速度という)が遅く、さらに吸収体から表面への尿、体液などの戻り(以下、ウエットバックという)も生じやすい。これは、特に吸収性物品の着用者が乳児の場合には、皮膚かぶれの一因ともなっている。また、吸収体の間で吸収性物質が移動して、液が十分吸収されず漏るなど、着用者に不快感を与える。
【0005】また、近年では、使い易さと物流コストの削減の観点から段々と薄型化、コンパクト化が進み、その結果として吸収体に用いられている体積の大きい綿状パルプの使用割合を減らし、体積が小さく吸収容量の大きい吸収性物質の割合を増やす傾向にある。しかしながら、吸収性物質は、尿や体液を吸収する速度が綿状パルプに比べて遅いため、吸収性物質の割合の高い薄型吸収体から構成される使いすておむつは、吸収速度が遅く、保形性が悪いため、尿や体液が漏れ出すという問題が生じている。
【0006】これらの問題点を解決するためにさまざまな方法が提案されてきた。例えば、特公平1−26736号公報では、繊維間に均一に分散された吸収性樹脂と繊維集合体との混合体であって、該混合体が多数個に分割されていてカールした繊維が毛房状に絡んだ棒状魂からなる吸収性シートが開示されているが、その製造物は吸収能力、吸収速度にも優れているが、カールした繊維を使用いていることから、嵩高であり、素材的に薄型にすることは困難である。
【0007】同様に、特開平4−163397号公報では、吸収性樹脂をエマルジョンの形で塗工または含浸してから酸で洗い、吸収性シートが開示されているが、工程が多く、コストが増大する。
【0008】また、特開昭50−133038号公報では、吸収体に多数の孔が貫通して内面から外面に達する流体通路を形成した使いすておむつが開示されているが、吸収体に孔を開ける方法は、製造工程が多く、吸収体に孔を開けた素材の無駄が多くなるため、コストが増大する。
【0009】さらに、特開昭55−14024号公報では、吸収性紙状体の間に網状プラスチックネットを押持し、更にその網目内に高吸収性物質を収容した吸収材が開示されているが、高吸収性物質が基材等に固定されていないため、高吸収性物質が漏れだしたり、網目内に高吸収性物質が収容されているため、尿や体液などが十分に膨潤できないため、漏れ出すという問題点が生じる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、薄型にする技術として、吸収性物質そのものをシート化または繊維化する方法が開発されているが、吸収性物質は、吸収するとゲルブロッキングするので湿潤時に極端にシート強度は低下し、シート形状を保持することが難しく単独で使用するのは困難である。また、繊維状化したものも繊維としては強度が弱く使用困難である。また、粉末状の吸収性物質を親水性シートや不織布などの支持体によりサンドイッチ構造にして固定させる方法があるが、この方法は吸収性樹脂が支持体の間で圧着されているため、吸収性物質が本来の吸収力を十分発揮できない欠点を有する。すなわち、トップシートの尿、体液などを吸収体へ吸収させるための吸収速度が遅く、トップシートに触った場合に乾いた感じであるいわゆるドライタッチ性がよくないという問題点があった。
【0011】したがって、本発明の目的は、上記のような問題点を解決し、薄型の吸収性シートを安価で効率良く製造し、かつ、薄型で吸収能力、吸収速度にも優れた性能を持った吸収性物品に関するものである。すなわち、トップシートの尿、体液などを吸収体へ吸収させるためのスポット吸収性や吸収速度が早く、トップシートのドライタッチ性が著しく向上する吸収性物品を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の問題を解決するための本発明の吸収性物品は、液透過性のトップシートと液不透過性のバックシートの間に吸収体が配置された吸収性物品において、前記吸収体は、吸収性物質と微細繊維を混合分散した塗料を基材シートに塗布した吸収性シートからなり、前記吸収性シートには、複数のスリットにより開孔部が形成され、かつ、開孔部分の面積は、吸収性シート面積の10%以上、90%以下であり、前記液透過性のトップシート又は、前記液不透過性のバックシートに接合されていることを特徴とする吸収性物品に存する。
【0013】また本発明は、前記塗料は、吸収性物質と微細繊維との配合比が、吸収性物質100重量部に対して、微細繊維0.3重量部以上、15重量部以下であることを特徴とする吸収性物品に存する。
【0014】さらに本発明は、前記塗料は、吸収性物質と微細繊維を混合分散する溶液が有機溶剤のみからなる溶液、または、有機溶剤51重量%以上、100重量%未満の水混合溶液からなることを特徴とする吸収性物品に存する。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の吸収性物品は、液透過性のトップシートと液不透過性のバックシートの間に位置する吸収体によって構成される。吸収体は、吸収性物質と微細繊維を混合分散した塗料を基材シートに塗布した吸収性シートを複数のスリットにより開孔部が形成され、かつ、開孔部分の面積は、吸収性シート面積の10%以上、90%以下であり、液透過性のトップシート又は、液不透過性のバックシートに接合された構造を有している。
【0016】上記のような構成を有する本発明の吸収性物品は、液透過性のトップシートにおける尿、体液などが、いち早くスポット吸収されて早い速度で通り、吸収性シートの複数のスリットが拡張されて形成された開孔部で直ちに拡散されて、吸収性シートで尿、体液などが貯蔵される。したがって、トップシートに尿、体液などが停滞することがなく、また、吸収体に拡散された尿、体液などが再びトップシートへ戻ることなく、トップシートのドライタッチ性が著しく向上するものである。
【0017】また、吸収性物質と微細繊維の混合物を基材シートに塗布し、一体型となった構造に形成されている吸収性シートは、身体の動きにともなう吸収体の裂けを防止し、さらに微細繊維が吸収性物質のバインダーとして作用するため、吸収性物質が漏れ出すこともなく、使用者の不快感を解消するものである。さらに、吸収性シートに複数のスリットを入れた後、これを引っ張った状態で液透過性のトップシート又は、液不透過性のバックシートに接合されているため、股下におけるおむつの装着性を向上し、伸長性で運動時のフィット性を向上して、快適に使用できるものである。
【0018】
【実施例】以下、図面により、使いすておむつを例にして、本発明の吸収性物品を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0019】図1は、使いすておむつを展開した状態を示す、トップシートを一部切り欠いた平面図である。図1において、使いすておむつは、液透過性のトップシート1と、液不透過性のバックシート6と、これら両シートの間に配置された吸収性シート3からなる吸収体2とから構成されている。また、おむつの長手方向に沿ってスリットを形成した吸収性シート3をおむつの幅方向に引っ張った状態でトップシート1又はバックシート6に接合することにより、吸収体2には、おむつの長手方向に長い開孔部4が形成されている。
【0020】図2は、使いすておむつを展開した状態の図1とは異なる例を示す、トップシートを一部切り欠いた平面図である。図2において、吸収体2を形成する吸収性シート3には、おむつの幅方向に沿ってスリットが形成され、さらにおむつの長手方向に引っ張った状態でトップシート1又はバックシート6に接合され、これにより、吸収体2には、おむつの幅方向に長い開孔部4が形成されている。
【0021】次に、本発明において使用される基材について説明する。
液透過性のトップシート本発明において使用される液透過性のトップシートは、不織布、織布、網目状シート、多孔性フォーム、多孔性フィルム等の液透過性シートである。その構成繊維は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、または、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン等の2成分以上からなる複合繊維等でも良く、特には、ポリエステル/ポリエステル、ポリエステル/ポリエチレン、ポリプロピレン/ポリエチレンの複合繊維が強度の面から好ましいが、特に制限をうけるものではない。また、天然繊維(例えば、木質繊維、綿状繊維)でも良く、合成繊維と天然繊維の組み合わせ等の広い範囲の材料から製造することができる。その製造方法及び形状は限られないが、いずれにしても液透過性のトップシートは、直接肌に接触する部分であるために、柔らかく肌触りの良いものであるのが適当である。液透過性のトップシートの坪量は、10〜60g/m2が好ましい。坪量が10g/m2未満であると、吸収体からのウエットバックが悪くなるため適当ではない。また、坪量が60g/m2を越えるとトップシートに残留する水分が多くなるため、ドライタッチ性が悪くなり着用者に不快感を与えるばかりでなく、皮膚炎などの原因にもなる。また、構成繊維の繊維径は、0.5〜10デニールが好ましい。繊維径が0.5デニール未満では、密度が高くなり、吸収速度が低下するため漏れやすくなる。また、繊維径が10デニールを越えると、肌触りが悪くなるため適当ではない。
【0022】吸収体本発明において使用される吸収体は、液透過性のトップシートと液不透過性のバックシートの間に配置されており、吸収性物質と微細繊維を混合分散したものを基材シートに塗布して作製した吸収性シートから形成されている。さらに、吸収性シートは、複数のスリットが形成され、その吸収性シートを引っ張った状態で液透過性のトップシート又は、液不透過性のバックシートに接合されて開孔部が形成されている。
【0023】吸収性シートに使用される吸収性物質としては、デンプン系、セルロース系、合成ポリマー系が挙げられる。すなわち、デンプンーアクリル酸(塩)グラフト共重合体、デンプンーアクリル酸エチルグラフト共重合体のケン化物、デンプンーメタクル酸メチルグラフト共重合体のケン化物、デンプンーアクリロニトリルグラフト共重合体のケン化物、デンプンーアクリルアミドグラフト共重合体のケン化物、デンプンーアクリロニトリルー2ーアクリルアミドー2ーメチルプロパンスルホン酸グラフト共重合体のケン化物、アクリル酸(塩)重合体、アクリル酸で架橋されたポリエチレンオキシド、ナトリウムカルボキシメチルセルローズの架橋物、ポリビニールアルコールー無水マレイン酸反応物の架橋物が例示されるが、これらのうち、自重の20倍以上の尿、体液及び水を吸収するもので、ポリアクリル酸ナトリウム系のものが吸収性能の点から最も適当である。これらの吸収性物質は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。また、吸収性物質は粉粒状または繊維状であってもよく、その大きさは特に限定されるものではない。
【0024】吸収性シートに使用される微細繊維は、吸収性物質のバインダーとして作用するものであり、広い範囲から選択できる。例えば、天然繊維(木質繊維、綿状繊維)でもよく、適当な天然繊維としては、例えば、パルプが有利に使用される。パルプとしては、化学パルプシートもしくは、機械パルプシートを粉砕機で解繊することにより得られる繊維長5mm以下のものである。パルプをサンドグラインダー処理したもの(特開平4−18186号公報)、また、高圧均質化装置のより微細繊維化にしたもの(特開昭60−19921号公報)、コロイドミルにより微細繊維化にしたもの(特公平4−58948号公報)等が知られている。また、微生物が作製するバクテリアセルロースも使用可能であるが、特にこれらに限定するものではない。パルプ原料としては、針葉樹に限らず、広葉樹、わら、竹およびケフナも適用される。さらに、合成繊維を天然繊維と混合することができる。混合する合成繊維としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、または、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン等の2成分以上からなる複合繊維等でも良く、特には、ポリエステル/ポリエステル、ポリエステル/ポリエチレン、ポリプロピレン/ポリエチレンの複合繊維が強度の面から好ましい。また、構成繊維の繊維径としては、0.5〜10デニール、長さは、30mm以下が製造の面から好ましい。
【0025】また、熱融着性物質を天然繊維と混合することもできる。混合する熱融着性物質としては、繊維状のものが好ましい。熱融着性物質は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリビニリデン、アクリル樹脂、ナイロン樹脂等があげられる。または、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン等の2成分以上からなる複合繊維等でも良く、特には、ポリエステル/ポリエステル、ポリエステル/ポリエチレン、ポリプロピレン/ポリエチレンの複合繊維が強度の面から好ましい。繊維径は1〜5デニール程度が好ましく、繊維長は3〜30mmのものが、天然繊維と混合するのに好適であるが、特に制限をうけるものではない。これら繊維層を熱処理着することによって、熱融着性物質による骨格構造を形成し、湿潤時においても繊維層自体の強度を持つことが可能となる。熱処理の方法は、熱プレスロール、熱エンボスプレスロール、熱風乾燥機、マイクロ波加熱機、赤外線ヒーター等、特に限られていないが、マット層に均一に熱が伝わり、熱融着性物質が融けて骨格構造を形成することが出来れば良い。
【0026】吸収性物質を結合させるバインダーとして、微細繊維を用いることによって、基材シートから吸収性物質の脱離がなく、かつ均一な分布で安定な吸収性能を持った吸収性シートが得られる。
【0027】微細繊維の微細化の度合いは、保水値または1g当たりの表面積を指標とすることができる。使用する微細繊維としては、微細化の度合いが小さいと吸収性物質と基材シートおよび吸収性物質同士の結合力が弱く、基材シートから吸収性物質が脱離し、吸収性シートとして使用できなくなる。このため微細繊維の保水値としては210%以上、好ましくは300%以上であり、このような保水値のものを使用することにより吸収性物質の脱離がなくなる。保水値は、JAPAN TAPPI No.26−78に準じて測定することができる。すなわち、微細繊維を固形分濃度6〜9%の範囲に調整し、試料を絶乾重量で約0.7gとなるように採取し、G3ガラスフィルターを有する遠心管に入れ、遠心脱水処理を行い、湿潤重量と乾燥重量から下記式によって保水値を算出する。
保水値(%)={(W−D)/D}×100但し、Wは、遠心脱水後の試料湿潤重量(g)、また、Dは、その試料の乾燥重量(g)である。
【0028】微細繊維と吸収性物質との配合比は、吸収性物質同士、吸収性物質と基材シートとの結合性に影響し、微細繊維の配合量は、吸収性物質100重量部に対して0.3重量部以上、15重量部以下、好ましくは、0.5重量部以上、10重量部以下である。微細繊維の配合量が吸収性物質に対して15重量部を越えると吸収性シートの柔軟性が劣って、硬くなり、使用者に不快感を与える。また、吸収性能も低下するため好ましくない。一方、微細繊維の配合量が吸収性物質に対して0.3重量部未満では、吸収性物質を基材シートに定着できないため、吸収性シートを形成できなくなる。
【0029】吸収性シートは、吸収性物質とバインダーとなる微細繊維を有機溶剤のみからなる溶液、または、有機溶剤が51重量%以上、100重量%未満の水混合溶液に混合分散して調製した塗料を基材シートに塗布して作製される。有機溶剤が50重量%以下になると吸収性物質が膨潤するため好ましくない。吸収性物質と微細繊維を主成分とした塗料組成物を形成する有機溶剤として、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等の低級アルコール、エチレングリコール、二級アルコール類、アセトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸メチルなどのエステル類など、吸収性樹脂を膨潤させない溶剤である。また、有機溶剤と水を混合して使用する場合、水と分離せずに混合可能な溶媒を選択する必要がある。また、上記溶媒は、単独または、2種以上を混合してもよい。
【0030】基材シートに塗布する塗料濃度としては、塗料に配合する吸収性物質と微細繊維を合わせたものを固形分とした場合、固形分濃度として5〜45重量%が適しており、より好ましくは、15〜35重量%である。固形分濃度が5重量%未満であると、乾燥に負担がかかるため好ましくない。また、固形分濃度が45重量%を越えると塗料の流動性が悪く、塗工性が悪い。吸収性シートの用途によっては、塗料に柔軟化剤、脱臭剤、抗菌剤等の添加剤を加えても良い。
【0031】使用される基材シートは、編布、織布及び不織布状などのあらゆる形態のものを含み、その素材は、天然繊維たとえば綿、ジュート、木材パルプ、絹、キチンなど、半合成繊維たとえばビスコース、レーヨン、アセテート、トリアセテートなど、合成繊維たとえばナイロン、アクリル、ポリエステル、ポリプロピレンなど、およびこれらの繊維の混合体があげられる。またはそれらの組み合わせによる基材等何れでも良い。さらに、伸縮性の基材を使用してもよい。例えば、エラストマーフィルム、ポリウレタンフィルム、エラストマーフォーム、ポリウレタンフォーム、熱収縮性フィルムなどが使用できるが、伸縮性のある素材であればよく、特に限定するものではない。目的とする吸収体により、基材シートは、10〜1000g/m2 のものが使用される。
【0032】この基材シートに、目的とする吸収体により、一般的には、40〜600g/m2 の吸収性物質と微細繊維が混合分散された塗料が塗布される。塗布方法は、基材シートに全面均一塗布、横縞塗布、縦縞塗布又は、格子状塗布など、目的とする吸収体によって適宜決定すれば良く、特に限定するものではない。
【0033】塗料を基材シートに塗布する方法としては、例えば、ブレードコーター、エアドクターコーター、ロールコーター、リバースロールコーター、バーコーター、ダイコーター、カーテンコーター、グラビアコーター、スプレーコーター、ナイフコーター、サイズプレスコーター、ゲートロールコーターなどの一般の塗工装置が使用できる。
【0034】吸収性シートの複数のスリットは、使用される吸収性物品に応じて適宜決定してよい。吸収性シート上でスリットが存在する部分の開孔部分の面積は、吸収性シート面積に対して10%以上、90%以下が好ましく、30%以上、60%以下がより好ましい。開孔部分の面積が10%未満の場合には、引っ張った場合に十分な拡張が期待できない。さらに、吸収性シートの開孔部が少ないため、吸収速度が遅く、拡散しないため、吸収効率が悪く、尿や体液などが漏れが生じる。逆に開孔部分の面積が90%より大きくなると製造時に引っ張った場合にシートが破断する恐れがあり、さらに、吸収体から尿や体液などの逆戻り量も増える。吸収性シートのスリットは、図1及び図2に示すように、幅方向、長手方向に形成してもよく、あるいは、斜め方向に形成してもよく、使用する吸収性物品により適宜決定すればよい。
【0035】吸収性シートに複数のスリットを形成後、吸収性シートの端縁を引っ張って、液透過性のトップシート又は、液不透過性のバックシートに接合し、開孔部を形成する。接合方法としては、ホットメルト接着材による方法、ヒートシール法、超音波法などの単独または、これらの組み合わせによる方法がある。接着は、全面もしくは部分的でもよく、尿や体液などで濡れても剥がれないような方法であればよい。
【0036】吸収性シートのスリット形成方法としては、ロータリーカッターなどで製造ラインに組み込まれる方法が好ましく、特に限定するものではない。
【0037】本発明において吸収体は、一体型に形成されているが、これらを複数層積層して構成された複合体の形態でもよい。例えば、吸収体が複数の層によって構成されると、これらの層は相互に液体によって連通し、その結果、1つの吸収領域に存在する液体は他の吸収領域に流れることができる。
【0038】また、目的とする吸収体により、吸収性シートを親水性シート又は、疎水性ウエブなどで覆ってもよい。例えば、親水性シートとしては、ティシュ、吸収紙などでよい。また、疎水性ウエブとしては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、または、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン等の2成分以上からなる複合繊維等からなる不織布、織布、網目状シート、多孔性フォーム、多孔性フィルム等の液透過性シートである。また、天然繊維(例えば、木質繊維、綿状繊維)も使用可能であり、合成繊維と天然繊維の組み合わせ等の広い範囲の材料から製造することができる。その製造方法及び形状は特に限定されないが、いずれにしても疎水性ウエブは、柔らかく肌触りの良いものであるのが適当である。これらの親水性シート、疎水性ウエブも吸収性シートと同様に複数のスリットを設けてもよい。
【0039】また、吸収体は、吸収性物品の大きさと同等もしくは、それよりも小さくてもよい。さらに、尿、体液などが排泄される場所がわかっている場合、その部分のみ設置してもよい。
【0040】液不透過性のバックシート使用される液不透過性のバックシートは、ポリエチレン等の液不透過性フィルム、あるいはこれに不織布、織布等を貼り合わせている素材、または、防湿性のある不織布、織布であればよい。また、布状外観を与えるために模様状にエンボス処理されたり、さらに艶消し仕上げされていてもかまわない。また、フィルムを使用する場合は、液不透過性でありながら水蒸気だけを透過させる公知の通気性フィルムを使用しても良く、ムレを防止することからに好ましい。
【0041】以上に説明した部材は、例えば、液透過性のトップシートと吸収体の間、吸収体と液不透過性のバックシートの間は、ホットメルト接着剤などによる接着が全面もしくは部分的になされている。また、接着剤としては、ホットメルト接着剤のほか澱粉系またはCMC(カルボキシメチルセルロース)などの水溶性の糊、または、流動性の高い接着剤も使用することができる。本発明の使いすておむつ(吸収性物品)は、上記記載の吸収体を組み合わせることにより、はじめて本発明の効果が達成可能となる。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の吸収性物品を使用することにより、液透過性のトップシートにおいて尿、体液などが、いち早くスポット吸収されて早い速度で通り、吸収性シートの複数のスリットで直ちに拡散されて、吸収性シートで貯蔵される。したがって、トップシートに尿、体液などが停滞することがなく、また、吸収体に拡散された尿、体液などが再びトップシートへ戻ることなく、トップシートのドライタッチ性が著しく向上し、従来の吸収性物品より約50%以上コンパクトとなり、携帯に便利となった。また、着用者にとっても目立たなくなり、快適に使用することが可能となった。また、基材シートに塗布されて一体型となった構造に形成されている吸収性シートは、身体の動きにともなう吸収体の裂けがなく、吸収性物質が漏れ出すこともないため、使用者の不快感を解消するものである。さらに、吸収性シートに複数のスリットを入れた後、これを引っ張って液透過性のトップシート又は、液不透過性のバックシートに接合されているため、股下におけるおむつの装着性を向上し、伸長性で運動時のフィット性を向上して、快適に使用できるものである。
【出願人】 【識別番号】000122298
【氏名又は名称】王子製紙株式会社
【出願日】 平成10年(1998)2月17日
【代理人】
【公開番号】 特開平11−226054
【公開日】 平成11年(1999)8月24日
【出願番号】 特願平10−34816