| 【発明の名称】 |
超音波治療装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】藤本 克彦
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| 【要約】 |
【課題】焦点移動と照射の制御が簡素化され、治療時間が短縮され、しかも、エネルギー分布の均一性を格段に向上する超音波治療装置を提供すること。
【解決手段】本発明の超音波治療装置は、治療用超音波発生源2と、治療用超音波を発生させるために治療用超音波発生源を駆動するRFアンプ14と、治療用超音波の焦点を移動するステージ21と、患部をカバーする軌道に沿って治療用超音波の焦点を連続的に移動させながら治療用超音波を連続的に照射するように、RFアンプ14とステージ21とを制御するシステムコントローラ9とを具備するものである。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 治療用超音波発生源と、治療用超音波を発生させるために前記治療用超音波発生源を駆動する駆動手段と、前記治療用超音波の焦点を移動する焦点移動手段と、被治療体をカバーする軌道に沿って前記治療用超音波の焦点を連続的に移動させながら前記治療用超音波を連続的に照射するように、前記駆動手段と前記焦点移動手段とを制御する制御手段とを具備することを特徴とする超音波治療装置。 【請求項2】 治療用超音波発生源と、治療用超音波を発生させるために前記治療用超音波発生源を駆動する駆動手段と、前記治療用超音波の焦点を移動する焦点移動手段と、被治療体をカバーする軌道に沿って前記治療用超音波の焦点を移動させながら前記被治療体全体を治療するとき、前記焦点を連続的に移動させながら前記治療用超音波を連続的に照射する区間が、前記軌跡の少なくとも一部に含まれるように、前記駆動手段と前記焦点移動手段とを制御する制御手段とを具備することを特徴とする超音波治療装置。 【請求項3】 治療用超音波発生源と、治療用超音波を発生させるために前記治療用超音波発生源を駆動する駆動手段と、前記治療用超音波の焦点を移動する焦点移動手段と、前記治療用超音波の焦点を所定軌道に沿って連続的に移動させながら、被治療体又は被治療体を含む領域の形状に従って前記治療用超音波の連続的な照射と停止とを交互に繰り返すように、前記駆動手段と前記焦点移動手段とを制御する制御手段とを具備することを特徴とする超音波治療装置。 【請求項4】 前記制御手段は、前記焦点の軌道が密なところでは、粗なところよりも、前記治療用超音波の単位時間あたりの照射エネルギーを低下させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の超音波治療装置。 【請求項5】 前記治療用超音波発生源が支持されているのと同じフレームにイメージング用の超音波プローブが設けられており、前記治療用超音波発生源は、前記イメージング用の超音波プローブとは独立して移動可能に前記フレームに支持されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の超音波治療装置。 【請求項6】 前記治療用超音波発生源は、前記治療用超音波の中心軸に対してずれた回転軸を中心に回転することが可能に支持されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の超音波治療装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、超音波を使用して生体内の腫瘍などを治療する超音波治療装置に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、MIT(Minimally Invasive Treatment)とよばれる最少侵襲治療の流れが医療の各分野で注目を集めている。一例としては、結石症の治療に体外から強力超音波を照射し、無侵襲的に結石を破砕する結石破砕装置の実用化が挙げられ、泌尿器系結石の治療法を大きく様変わりさせた。この結石破砕装置に使用される強力超音波発生源としては、水中放電方式、電磁誘導方式、微小爆発方式、ピエゾ方式等があり、特にピエゾ方式では強力超音波の圧力が小さいという短所があるが、小焦点、消耗品がない、強力超音波圧力を任意にコントロールできる、複数のピエゾ素子にかかる駆動電圧を位相制御することで焦点位置を任意にコントロールできる等の他にはない優れた長所がある。 【0003】また、特に悪性新生物、いわゆる癌の場合には、その治療の多くを外科的手法に頼っている現状から、本来その臓器が持つ機能や外見上の形態を大きく損なう場合が極めて多い。このため、生命を長らえたとしても患者にとって大きな負担が残ることから、QOL(Quality Of Life)を考慮したより低侵入襲な治療法(装置)の開発が強く望まれている。 【0004】従来、手術による切除、放射線療法、化学療法(抗癌剤)が癌の3大療法であるが、上述のような低侵襲治療の流れの中で、新しい癌治療技術の1つとして熱を利用した治療法が注目を浴びるようになってきた。その著名な例がハイパーサーミア療法である。これは、腫瘍組織と正常組織の熱感受性の違いを利用して、患部を42.5〜43度以上に加温しそれを一定時間維持することで癌細胞のみを選択的に死滅させる治療法である。 【0005】加温の方法としてはマイクロ波等の電磁波を用いる方法が先行しているが、この方法では生体の電気的特性により深部の腫瘍を選択的に加温することは困難であり、深さ5cm以上の腫瘍に対しては良好な治療成績は望めない。 【0006】また近年、電磁波エネルギーの深達性の悪さを改善するためにマイクロ波/RF波アンテナを術中・腹腔鏡下もしくは経皮的に患部に刺入し、アンテナ周辺の温度を60度以上に加熱することで局所的な治療効果を向上させた新しい治療法が脚光を浴びている(礒田他:J.Microwave Surgery)。しかしこの治療法も臓器への穿刺を要するため、従来の手術療法よりは低侵襲であるが、穿刺に伴う出血や播種(転移)等の副作用があるかといった問題点もある。 【0007】これらの問題点を解決すべく、エネルギーの集束性が良く、かつ、深達度が高い超音波エネルギーを利用して深部腫瘍を体外から加熱治療する方法が注目されている。 【0008】また、上記加温治療法を更に進めて、ピエゾ素子より発生した超音波を患部に鋭く集束させて腫瘍部分を80度以上に加熱し、腫瘍組織を瞬時に熱変性壊死させるような治療法も考えられている(G.Vallancien et.al:Progress in Urol.1991,1,84−88[EDAP社論文])。 【0009】本治療法では、従来のハイパーサーミアとは異なり、焦点近傍の限局した領域に非常に強いエネルギー(数百〜数千W/cm2 )の超音波が投入されるため、焦点近傍の狭い領域のみが瞬時に熱変性壊死させられる。かつ、その小さな焦点をスキャンしながら患部領域全体に焼灼する必要があるために焦点の正確な位置決めが非常に重要となると考えられる。これに関する1つの解決法として、MRI(磁気共鳴映像法)の化学シフトを利用した体内非侵襲温度分布画像化により術中の発熱点を計測する技術に関して開示している。更に、超音波単独のシステムでも、治療用超音波の焦点領域からの反射波を検出して超音波画像上に表示する手法等が考えられている。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】以上のように従来の強力超音波治療装置では非常に鋭く焦点を絞れるが、焦点が小さいために、比較的大きな患部全体を焼灼するためには、焦点位置を変えて照射を繰り返す必要があるため特に大きな腫瘍の治療では、焦点移動と照射の制御が非常に煩雑であるばかりではなく、治療時間が長時間化するという欠点もあった。 【0011】また、従来法では超音波エネルギーが非常に絞られているために、焦点領域では強力すぎる超音波強度のために必要以上の発熱が発生し、そのすぐ辺縁では十分な熱が発生しないなど、エネルギー分布が非常に不均一になり、焼灼むら生じていた。 【0012】そこで、本発明の目的は、焦点移動と照射の制御が簡素化され、治療時間が短縮され、しかも、エネルギー分布の均一性を格段に向上し得る超音波治療装置を提供することにある。 【0013】 【課題を解決するための手段】本発明の超音波治療装置は、請求項1に示されているように、治療用超音波発生源と、治療用超音波を発生させるために前記治療用超音波発生源を駆動する駆動手段と、前記治療用超音波の焦点を移動する焦点移動手段と、被治療体をカバーする軌道に沿って前記治療用超音波の焦点を連続的に移動させながら前記治療用超音波を連続的に照射するように、前記駆動手段と前記焦点移動手段とを制御する制御手段とを具備するものである。 【0014】また、本発明の超音波治療装置は、請求項2に示されているように、治療用超音波発生源と、治療用超音波を発生させるために前記治療用超音波発生源を駆動する駆動手段と、前記治療用超音波の焦点を移動する焦点移動手段と、被治療体をカバーする軌道に沿って前記治療用超音波の焦点を移動させながら前記被治療体全体を治療するとき、前記焦点を連続的に移動させながら前記治療用超音波を連続的に照射する区間が、前記軌跡の少なくとも一部に含まれるように、前記駆動手段と前記焦点移動手段とを制御する制御手段とを具備するものである。 【0015】さらに、本発明の超音波治療装置は、請求項3に示されているように、治療用超音波発生源と、治療用超音波を発生させるために前記治療用超音波発生源を駆動する駆動手段と、前記治療用超音波の焦点を移動する焦点移動手段と、前記治療用超音波の焦点を所定軌道に沿って連続的に移動させながら、被治療体又は被治療体を含む領域の形状に従って前記治療用超音波の連続的な照射と停止とを交互に繰り返すように、前記駆動手段と前記焦点移動手段とを制御する制御手段とを具備するものである。 (作用)請求項1に示されている本発明によると、治療用超音波の焦点は、被治療体をカバーする軌道に沿って連続的に移動し、これと共に治療用超音波は連続的に照射される。このように、焦点の連続的な移動と治療用超音波の連続的な照射とを組み合わせればよいだけなので、焦点を間欠的に移動しそれに同期して治療用超音波の照射を繰り返すという従来の複雑な動きよりも、焦点移動と照射の制御が簡素化され、しかも治療時間は大幅に短縮される。さらに、焦点が連続的に移動しながら治療用超音波は連続的に照射されるので、エネルギーの空間的な偏りを分散して、エネルギー分布を格段に均一化して、焼灼むらを少なくすることができる。 【0016】このような焦点の連続的な移動と治療用超音波の連続的な照射とを組み合わせた動きは、被治療体をカバーする軌道全体に適用するのではなく、請求項2に示されているように、当該軌道の一部の区間で実施するだけでも、効果的である。 【0017】さらに、請求項3に示すように、同じ軌道で焦点を移動させて、これに対して治療用超音波の連続的な照射とその停止とを制御することで、様々な形状の被治療体を治療を効果的且つ効率的に進めることができる。 【0018】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の超音波治療装置を好ましい実施形態により説明する。図1に本実施形態に係る超音波治療装置の構成を示している。アプリケータ1のフレーム12には、治療用超音波発生源2が取り付けられている。治療用超音波発生源2には、強力な超音波を発生するピエゾ素子又はピエゾ素子群が、球殻状に設けられている。この球殻の幾何学的な中心において、ピエゾ素子から発生した治療用超音波が集束する。この集束点を中心として、一定レベル以上のエネルギーを示す領域を、一般的に、焦点8と称している。この焦点8は、例えば、径10mm、長さ15mmの縦長形状を有している。 【0019】このフレーム12及び治療用超音波発生源2の略中心部分は切り欠かれており、ここに円柱形状のイメージング用の超音波プローブ16が挿入されている。この超音波プローブ16を介して焦点8の付近を超音波で走査して、断層像を生成し、これをディジタルスキャンコンバータ(DSC)18を介してCRT19に表示するために超音波診断装置17が設けられている。なお、CRT19に表示された断層像には、焦点を表す焦点マーカやコンソールパネル10を介して入力された焼灼領域等の図形やその他文字情報がスーパーインポーズされて、CRT19に表示されるようになっている。 【0020】治療用超音波発生源2及び超音波プローブ16の下側には、治療用超音波やイメージング用の超音波を損失少なく患者体表に導くと共に、患者内部からの反射波を損失少なく超音波プローブ16に導くためのカップリング液4がカップリング膜5に充填されている。 【0021】アプリケータ1は、そのフレーム12において、ステージ21から伸びたアーム22の先端に取り付けられており、ステージ21を中心にした一定の制限された空間内とはいえ、任意の位置に自由に移動し、任意の姿勢で静止できるようになっている。このアーム22の動きは、システムコントローラ9の制御下にあるステージコントローラ20により完全に制御されている。 【0022】治療時には、まず患者を寝台(図示せず)に載置して所定位置に固定する。そしてアプリケータ1を図示しない超音波ゼリー等を塗布した患者体表にカップリング膜5から接触させる。そして、システムコントローラ9からの制御信号に従って連続波発生回路11から超音波域の高周波信号が発生されると、この高周波信号はRFアンプ14で増幅され、そしてインピーダンスマッチング回路15を介して治療用超音波発生源2のピエゾ素子に供給される。これにより、ピエゾ素子は機械的に振動して、超音波を発生する。この超音波は、カップリング液4を介して患者体内に導かれ、焦点8を形成し、この焦点8にある患部(腫瘍)を加温する。 【0023】ここで、従来の集束超音波による温熱治療では、1秒程度の1ショットで径2mm、長さ10mm程度の焦点領域内の患部を焼灼するが、患部全体を焼灼するには焦点位置を少しずらして、この位置で焦点を静止させ、そしてショットし、このような動きを繰り返すことが必要になっている。これは従来技術のところでも述べたように、治療時間の長時間化と、焦点の間欠的な移動と治療用超音波の短時間の照射(ショット)とを正確に同期させるという制御の困難性、換言すると治療シーケンスに対する低い信頼性との原因となっている。さらに、このような問題だけでなく、肝心の治療に関しても、焼灼ムラが生じてしまうという問題も抱えていた。 【0024】これに対して、本実施形態では、焦点8を例えば径10mm、長さ15mm程度の大きさに形成し、この焦点8を患部をカバーする軌道に沿って一定速度で連続的に移動させ、そしてこの焦点8の連続的な移動に合わせて、治療用超音波を連続的に照射することを基本としている。これにより、従来の問題、つまり治療時間の長時間化、制御の困難性、焼灼ムラといった問題が解決され得る。 【0025】この焦点8が移動する軌道としては、患部の形状に合わせて変えられるものであるが、例えば、図2(a)に示すような渦巻状、(b)に示すような同心円円状、(c)に示すような並行往復状、(d)から(g)に示すようなデザイン定規で描いたような幾何学模様、(h)に示すようなランダム状、さらには(i)に示すようなライン往復状と様々なタイプが用意されており、患部の形状やその他の因子に応じて選択すればよい。 【0026】いずれのタイプでも、焦点8は、図3に示すように、始点から終点まで一定速度で連続的に移動される。そして、その間、治療用超音波は一定エネルギーで連続的に照射されることは同じである。ただし、使う軌道のタイプによっては、その軌道が密になるところと、粗になるところが生じることがある。この場合、エネルギー分布を均一にするには、焦点8が密なところを通るときの治療用超音波の単位時間当たりの照射エネルギーを、粗なところを通るときよりも低く抑えることにより実現され得る。この単位時間当たりの照射エネルギーを抑える方法としては、図4に示すように、治療用超音波の照射を断続させるようにしてもよいし、RFアンプ14のゲインを一時的に低下させたり、また連続波発生回路11で発生する連続波の振幅を小さくすること等がある。 【0027】次に、制御の簡素化をさらに高める方法として、焦点8が所定の軌道を連続的に移動するようにしておき、その移動中に、図7に示すように治療用超音波の照射とその停止とを制御するだけで、図5に示すような円形の患部はいざしらず、図6に示すような非常に複雑な形状の患部を高精度に焼灼することができる。 【0028】なお、上述の説明では、アプリケータ1全体を連続的に移動させることで焦点8を連続的に動かして患部を満遍なく均一に加熱するようにしていたが、図8に示すように、アプリケータ1のフレーム12に偏心回転機構23を組み込み、フレーム12及びイメージング用の超音波プローブ16を患者に対して固定させたままで、治療用超音波発生源2だけを動かして、焦点8を移動させるようにしてもよい。偏心回転機構23は、その回転軸が治療用超音波の中心軸に対してずらされており、治療用超音波発生源2を首振りのような動きで移動させるというものであり、駆動モータは1つでよく、機構の簡素化及び省スペース化を図ることができる。なお、アーム22と同様な動きをさせようとすると最低限直交3軸の動きが必要になり、そのための機構が複雑化し、そしてスペースの問題でその機構はとてもフレーム12に収まらなくなる。 【0029】また、上述の説明では、焦点8の移動は、アプリケータ1自体の動きに追従するものであったが、図9に示すように、フェーズドアレイ型の治療用超音波発生源27を採用し、各ピエゾ素子を駆動する信号の位相を位相制御回路24でコントロールすることにより、焦点8を移動するようにしてもよい。本発明は、上述した実施形態に限定されず、種々変形して実施可能である。 【0030】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、焦点の連続的な移動と治療用超音波の連続的な照射とを組み合わせることで、焦点移動と照射の制御が簡素化され、しかも治療時間は大幅に短縮され、さらに焼灼むらを少なくすることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003078 【氏名又は名称】株式会社東芝
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)2月18日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】鈴江 武彦 (外6名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−226046 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)8月24日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−36003 |
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