| 【発明の名称】 |
後部安定性と脱臼防止特性を有する補綴膝関節 |
| 【発明者】 |
【氏名】マイケル.ジェー.パッパス
|
| 【要約】 |
【課題】強化された外反・内反の安定性を備える補綴膝関節を提供する。
【解決手段】関節は表面と係合する上位骨と下位支承面を備える大腿骨部材12を備える。後部切欠きは大腿骨部材の下位端部に内側方向に延長する。補綴膝関節10は表面と係合する下位骨と上位支承面を備える脛骨部材16をさらに備える。プラスチック支承14が大腿骨と脛骨部材の間に配置される。このプラスチック支承の下位面は脛骨部材の下位面と支承係合にある。プラスチック支承の上位支承面は大腿骨部材の支承面と関節支承係合にある。この支承は上位面より近接して突出する柱36を備える。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 下位関節支承面と、前記大腿骨部材の後部面内に前部方向に延長する後部切欠きとを有する大腿骨部材と;脛骨部材と;前記大腿骨部材と脛骨部材の間に配置された支承と;からなり、前記切欠きが間隔をおいた中心軸に近い壁体と横方向壁体とにより、また前記各中心軸に近い壁体と横方向壁体上の前記大腿骨部材の下位関節支承に隣接する位置から互いに突出する中心軸に近いフランジと横方向フランジにより形成され、前記支承が前記大腿骨部材の下位関節支承面と関節支承係合にある上位支承面を備え、前記支承がその上位面から突出し、前記大腿骨部材の後部切欠きに摺動自在に配置された柱をさらに備え、該柱が前記支承の前記上位支承面から間隔をおいた中心軸に近いカム突起と横方向カム突起を備え、前記大腿骨部材の前記フランジが前記カム突起と前記支承の上位支承面の間に配置されていることを特徴とする補綴膝関節。 【請求項2】 前記大腿骨部材の前記下位関節支承面が中心軸に近い凸型関節丘と横方向の凸型関節丘を備え、前記大腿骨部材が前記凸型関節丘により形成される形状にほぼ当嵌まる下位面を備え、かつ前記フランジが関節的に凹型になった上位支承面を備えることを特徴とする請求項1記載の補綴膝関節。 【請求項3】 前記支承の中心軸に近いカム突起と横方向のカム突起が、関節的に凸型になった下位支承面を備えて、前記大腿骨部材のフランジの関節的に凹型になった上位支承面に対し支承係合をなすことを特徴とする請求項2記載の補綴膝関節。 【請求項4】 前記大腿骨部材の切欠きが形成される前記中心軸に近い壁体と横方向の壁体が、ほぼ平行であることを特徴とする請求項1記載の補綴膝関節。 【請求項5】 前記大腿骨部材のフランジが前記切欠きに沿うあらゆる位置で互いにほぼ均等に間隔をおいていることを特徴とする請求項1記載の補綴膝関節。 【請求項6】 前記大腿骨部材が前記中心軸に近い壁体と横方向壁体の間に延長し、前記切欠きの部分が形成される前記壁体からなることを特徴とする請求項1記載の補綴膝関節。 【請求項7】 前記大腿骨部材にある切欠きが前記大腿骨部材の最後部で開口していることを特徴とする請求項6記載の補綴膝関節。 【請求項8】 前記支承がUHMPeで一体に成形されていることを特徴とする請求項1記載の補綴膝関節。 【請求項9】 前記大腿骨ならびに脛骨部材がチタン合金からなり、その上に窒化チタンコーティングしてあることを特徴とする請求項1記載の補綴膝関節。 【請求項10】 前記支承の下位面が脛骨部材の上位面に摺動自在に配置されていることを特徴とする請求項1記載の補綴膝関節。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は強化された外反ならびに内反安定性を備える膝関節補綴に関するものである。 【0002】 【従来の技術】生来の膝関節は大腿骨の遠位端部と、脛骨の近位端部ならびに半月状関節間繊維内骨をその間に備える。前記大腿骨と脛骨は後部十字型靭帯と前部十字型靭帯および側副靭帯を含む複数の靭帯により互いに対し、また支承に対し独特の関係に保持されている。前記膝関節の屈曲動作は前記脛骨が前記大腿骨に対し総体的に内側から横方向に伸びる軸線の回りを回転させる。この屈曲動作はさらに脛骨をそれ自体の軸線の回りの回転を起こさせる。 【0003】疾病による損傷は生来の膝関節が正しく機能できるかどうかに影響する。疾病による損傷は骨、関節の軟骨、靭帯もしくはそのいくつかの結合を劣化させ得る。損傷を受けあるいは疾病のある生来の膝は補綴膝関節により代替できる。先行技術による膝関節用補綴は部分切除脛骨の近位端部に固定的に取付られた脛骨部材と、大腿骨ならび脛骨部材の間に配置された支承を備える。前記大腿骨部材の下位面は一対の関節丘を備える。この関節丘は凸型弧状をなし、かつ前記支承の上位面は一対の弧状凹型領域を有して大腿骨部材の関節丘と関節支承係合をなす。前記脛骨部材の上位面はほぼ平面となって差支えなく、また前記支承の下位面と支承係合する。 【0004】現在入手できる補綴膝関節は整形外科医の好み、生来の膝と健康状態ならびに患者の年齢と可動性により多数の異なる形態をとることができる。いくつかの先行技術による補綴は支承の下位面を脛骨部材の上位面に固定して取付ける。他の膝関節用補綴は前記支承と脛骨部材の間の回転運動および/または摺動運動を可能にする。前記支承の脛骨部材に対する移動は先行技術で述べられた多数の機能的利点を達成する。これらの機能的利点は標準的な固定蝶番付け接合に頼らぬ歩行運動に対する脱臼の回避を含む。本明細書に関連するある種の構造上特性を組込む極めて有効な先行技術による膝関節用補綴は米国特許第4,470,158号ならびに第4,309,778号に開示されている。 【0005】外反なる語はそもそも内反膝もしくは外反膝としておおまかに翻訳したラテン語である。内反もラテン語であって弯曲したものと翻訳している。このラテン語の内反はしばしば脚もしくは足の骨の異常位置を形成することに用いられる。膝関節の外反−内反の安定性とはこの関節が片方の膝を他方の膝の方に近づけようとするか、あるいはそれから離そうとする横方向の力もしくは回転させる力に抗する能力をいうのである。膝関節用補綴において、片方の膝を他方の膝の方に寄せるか、離そうとする横方向の力もしくは回転モーメントも、補綴の特に片側もしくは、例えば図14の先行技術で示されたように他方の側に脱臼を起こす結果となる。 【0006】標準的な行動中に、また補綴膝関節に圧縮荷重がかかっていると、前記外反−内反モーメントは関節面と靭帯により一次的かつ十分に防止できる。しかしながら、例えば特別な外反−内反安定性が必要となる時、靭帯が不完全である場合のような特定的事例がある。 【0007】いくつかの先行技術による補綴膝関節は外反−内反安定性を、後方十字型靭帯が存在する場合、それにより占められることになる大腿骨関節丘の間の後方領域に延長する安定用柱を配設することにより改良できた。例えばベーラー(Bahler)に対する米国特許第5,395,401号は脛骨プラットフォームと、この脛骨プラットフォーム上に摺動自在に配置された支承を備える補綴膝を示す。この支承の下位面にほぼ前方−後方方向に伸びるZ型溝を前記支承の上位面に形成された2つの凹型関節丘の間の適所に配設する。前記米国特許第5,395,401号に示された支承は、該支承の後方側にこの支承の2つの凹型関節丘の間の適所で延長する切欠きをさらに備える。したがってこの切欠きが前記支承のZ型溝と合致する。米国特許第5,395,401号の補綴は制御アームをさらに備える。この制御アームは前記脛骨部材のくぼみに旋回自在に係合できる柱を備える。この制御アームはさらにZ型部分を備え、前記支承の下位面にあるこのZ型溝に係合する。さらに米国特許第5,395,401号の制御アームは支承にある前記切欠きを通し、前記大腿骨部材の前記関節丘の間に伸びる柱を備える。この柱は大腿骨の表面をこの大腿骨部材の2つの凸型関節丘の間に摺動自在に係合できるよう必要な大きさにする。したがって前記制御アームの柱は中心軸の方向もしくは横方向の力で発生する曲げモーメントに抵抗するので、強化外反−内反安定特性を付与することになる。 【0008】他の先行技術による補綴部材は前記支承から大腿骨関節丘の間の間隙に1つになって延長する複数の柱で強化された外反−内反安定特性を提供した。このような先行技術による膝の実施例が、例えば米国特許第5,658,342号;米国特許第5,489,311号;米国特許第5,330,534号;米国特許第4,950,298号;米国特許第4,888,021号;米国特許第4,634,444号ならびに米国特許第5,568,348号に示されている。これらの先行技術による補綴はすべて後部十字型靭帯が保持できないか、あるいは不完全である場合の関節の取替に使用できる。さらにこれらの先行技術による補綴の大部分は、両副行靭帯が保持可能な場合に用いられる。この保持された副行靭帯は前記柱と協働して外反−内反モーメントに抗して、また脱臼しないようにする。大腿骨関節丘の間にある後部切欠きに延長する柱を備える先行技術による補綴関節は外反−内反モーメントの抵抗と、唯一つの副行靭帯だけが保持できる場合に限り脱臼を事実上防止する両事例を考えての構成はされなかった。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の目的は強化された外反−内反の安定性を備える補綴膝関節を提供することである。 【0010】また、補綴膝関節に蝶番付け接合を必要とすることなく強化された外反−内反安定性を付与することが本発明のさらなる目的である。 【0011】脱臼に対する強化された防護策を蝶番付け接合を必要とすることなく講じた補綴膝関節を提供することが本発明のさらなる目的である。 【0012】また軸方向の回転を制御アームなしに与えることで、この補綴膝関節の設計を単純化することも本発明のさらに他の目的である。 【0013】 【課題を解決するための手段】本発明は大腿骨部材と、脛骨部材と、この大腿骨ならびに脛骨部材の間に支承を備えた膝関節用補綴に関するものである。前記支承は前記脛骨部材と回転および/または摺動支承係合にあり、また前記脛骨部材と関節支承係合関係にある。この支承と前記脛骨部材は、その間の回転および/または摺動運動を制限する手段を備えることもできる。例えば前記脛骨部材の上位面の前部から上方方向に突出でき、また前記支承の下位面上の溝に係合できる。この溝の寸法が回転運動の量を制御する。 【0014】この補綴関節の大腿骨部材の後部領域は、切欠きをその中心軸方向および横方向の靭帯の間に備える。 【0015】外反−内反モーメントの抵抗には、前記の補綴関節の支承がこの支承の上位面の後部領域から隣接して、前記大腿骨部材の関節丘の間に延長する柱を備えることである。この柱が大腿骨部材と脛骨部材の間で関節支承運動をさせる。しかしながら前記柱は横方向の力および/または外反−内反モーメントに抗して、それにより大腿骨部材と支承の間に起こる脱臼を前記力とモーメントに対応して防止する。この柱は大腿骨部材の切欠きと密接な摺動係合を付与できる。しかしながら前記柱は、この切欠きよりいくぶん狭くして前記支承と大腿骨部材の間に少量の中心軸−横方向の遊隙を与えることが好ましい。 【0016】大腿骨部材の後部面に延長するこの切欠きは先行技術の固定支承補綴の大腿骨部材を通る開口部に匹敵する後部制限面を備えない。しかしながら本発明の補綴は後部脱臼に対する十分な防止策を講じている。詳述すれば先行技術による大腿骨部材を通る開口部を備える固定支承補綴は相対的に平坦な上位面を支承面に備えて支承の脛骨軸の回りと大腿骨に対する相対回転に適応させることである。しかしながら前記支承と大腿骨の間の脛骨軸の回りの回転は、支承の脛骨部材上の回転性係合を考えると本発明の補綴では必ずしも必要でない。その結果、支承の上位面は一層深い凹型に、また大腿骨関節丘と一層一致する状態に近づくことができる。この一層一致する状態に近づいた大腿骨の関節丘の形状と、前記支承の上位面の一層大きくなった凹型と組合された支承の上位面が大腿骨部材を通る完全な開口部と、前記支承の運動を後部方向に係合制限させる関連する後部壁体の必要性の発生を事実上防止する。この一致度が大きければ大きいほど、それぞれの部材間に与える接触応力は一層低くなる。 【0017】前記支承の柱は中心軸方向のカム突起と横方向のカム突起を上位凹型支承面から間隔をおいた柱上の位置に形成できる。したがって前記支承の上位凹型支承面から最も遠位の柱の部分により、より大きい中心軸方向−横方向の幅が決まることがある。大腿骨部材にある後部切欠きが前記後部切欠きのほぼ最後部分にフランジを備えることができる。このフランジは大腿骨部材の関節丘の凸型形状にほぼ一致する凸型下位面を備えることができる。このフランジは前記柱上にあるカム突起により形成された凸型下位面と順応するよう正しい寸法をとり配置できる。詳述すれば、大腿骨部材のフランジが前記柱のカム突起から下位に、また支承上の上位支承面の上位に配置できることになる。その結果大腿骨部材の支承からの脱臼が事実上制限および/または防止できる。 【0018】 【発明の実施の形態】本発明の補綴関節は図1乃至4の図面参照番号10により総体的に同定される。この補綴関節10は大腿骨部材12、支承14および脛骨部材16を備えるものである。 【0019】図5乃至7を参照すると、大腿骨部材12は上位取付面18を備えて大腿骨の部分切除した遠位端部に取付ける。この取付面18はモジュールステム(図示せず)に対する確実な取付用として取付柱20を備え、それが順番に大腿骨の部分切除された遠位端部に軸方向に穿設されたキャビティに係合されている。前記大腿骨部材12は図面参照番号22で総体的に同定された下位支承面をさらに備える。図5に最も明瞭に示されているように、大腿骨部材12の支承面22は一対の関節丘24と26を備え、その各々が精密に研磨されている。この大腿骨部材12は大腿骨部材12の最後部より内側方向にほぼ前記取付柱20に伸びる後部切欠き28をさらに特徴とする。この切欠き28が平行中心軸の方向と横方向の壁体29により部分的に形成される。 【0020】図8乃至10に最も明瞭に示されているように支承14は上位支承面30を備えて大腿骨部材12の下位支承面22と関節支承係合をなす。この上位支承面30が一対の凹型支承領域により形成される。図2および3で最も明瞭に示されているように、前記上位支承面30の前記2つの凹型領域により形成される形状は大腿骨部材12の支承面22を形成する関節丘24と26により形成される凸型形状の部分とほぼ一致する。本明細書でさらに述べられたように、この一致が安定性を付与し、また後部の脱臼を事実上防止する。前記支承はほぼ下位支承平面32をさらに備えて、本明細書で述べたように脛骨部材16に接する回転支承係合をなす。円錐状突起34が前記下位支承面32から伸びて脛骨部材16に対応して構成されたキャビティで回転支承係合をなす。 【0021】支承は凹型上位支承面の後部領域から近接して突出する柱36をさらに特徴とする。この柱36は平行平面中心軸に近い面と横方向の面を備え、また大腿骨部材12の後部切欠き28で密なる摺動係合をなす。 【0022】図11乃至13を参照すると、脛骨部材16は上位支承平面42ならびに対向する下位支承平面44を備える支承プラットフォーム40を備える。取付柱46は下位面44から遠位に突出して部分切除した脛骨の近位端部に穿設されたキャビティで係合する。前記脛骨プラットフォーム40の上位支承面42は前記取付柱46に軸方向に延長するキャビティ48を備える。このキャビティ48が支承14の円錐形突起34を回転自在に収容できるよう正しく寸法を取ってある。 【0023】前記補綴10の部材が図1乃至4に示されたように組立てられている。この組立状態で、支承14の前記円錐形突起34が脛骨部材16の上位面42と回転支承関係にある。前記大腿骨部材12の下位支承面22は支承14の凹型上位面30と関節支承係合にある。さらに大腿骨部材12の下位支承面22が形成される関節丘24および26が図2と3に示されたように、また特定の屈曲範囲(すなわち45°までの屈曲)のために上述の通り支承14の凹型上位支承面30とほぼ一致する。より大きい屈曲範囲で、理論的線接触が大腿骨部材12と支承14の間に存在することになる。 【0024】支承14の柱36は大腿骨部材12の後部切欠き28で摺動自在に収容できて補綴部材12に加えられた外反−内反モーメントに抵抗する。図2と3に示されたように、柱36の前記切欠き28における係合は補綴部材の事実上あらゆる範囲の運動に対する外反−内反モーメントに対する抵抗に有効である。支承14の上位支承面32の脛骨部材12の下位支承面22の関節丘との特定の範囲の運動を通しての事実上の一致が脛骨部材12における切欠き28の完全に開口した後端部であるにも拘らず後部の安定性を保証する。したがって外反−内反安定性は可動性に悪影響を及ぼすことなく、また詳しくは支承の回転を脛骨部材に与えている間に付与される。 【0025】他の補綴関節110が図15乃至28に示されている。前記他の補綴関節110は大腿骨部材112、支承114ならびに脛骨部材116を備える。この脛骨部材116は上述の、また図11乃至13に示された脛骨部材16と事実上同一である。前記大腿骨112も前記したように、また示された大腿骨部材12とかなりの類似性を帯びている。詳述すれば、大腿骨部材112は窒化チタンをコーチングしたチタン合金で形成されることが好ましい。この大腿骨部材はモジュール延長部121に対する確実な取付用の柱120を備える。図22に最も明瞭に示されているように、前記モジュール延長部121は大腿骨部材900の部分切除遠位端部に軸方向に穿設されたキャビティにしっかりと係合されている。前記大腿骨部材112は精密に研磨された一対の凸型関節丘124と126を備える下位支承面122をさらに備える。前記大腿骨部材112はこの大腿骨部材112の最後部から事実上前記取付柱120に伸びる後部切欠き128をさらに特徴とする。前述の実施例では、切欠きは平行する中心軸に近い壁体と横方向の壁体の両方により形成され、また前記両壁体間の中心軸方向−横方向の距離はそれに沿うどの位置においても一定であった。本実施例では、切欠き128は一対の平行壁体130と132ならびに内部壁体133により部分的に形成される。しかしながら、一対のフランジ134と136は前記両壁体130と132の、前記大腿骨部材112の関節丘124と126のほぼ下位支承面に当たる部分から互いに突出している。したがって両壁体130と132の間の外部切欠きが形成される距離はフランジ134と136においては最小、前記切欠き128のさらに上位位置においては比較的大きい。前記フランジ134と136は図18に最も明瞭に示されているようにほぼ上位方向に面するキャビティカム面138を特徴とする。 【0026】支承114も上記に述べかつ示した支承14に類似している。詳述すれば、この支承114はUHMWPeで形成され、また一対の凹型支承領域144と146により形成される上位支承面142を備えることが好ましい。前記支承114は前記凹型支承領域144と146の間に前記凹型上位面142の後部部分から近接するか、あるいは上位の位置で突出している柱148を備える。前述の実施例では、この柱はその上のあらゆる場所で一定の内側−横幅のものであって、したがって2つの平行側面を備えていた。図15乃至28の実施例では、柱148はカム突起150と152を前記上位支承面142から離隔した位置で前記柱148の内側および横側の両側面に備える。したがってこの柱148が備える幅はそのさらに下位の位置で小さく「w」で示され、またその上位位置で大きく「W」で示されている。この小さい幅「w」は脛骨部材112の後部切欠き128にあるフランジ134と136の間の距離よりわずかに小さい。前記柱148の上位位置での大きい幅「W」は脛骨部材112の切欠きにあるフランジ134と136の間の距離より大きいが、切欠き128が形成される脛骨部材112の壁体130と132の間の他の位置での後部切欠き128の幅よりも僅かに小さい。図16で最も明瞭に示されているカム突起150と152は凸型下位面154と156を備える。 【0027】植込みが図22に関して示されている。詳述すれば脛骨プラットフォーム116が先行技術では脛骨500に植込まれており、また支承114が前記脛骨プラットフォーム116上で組立てられている。その後、膝600が約120°屈曲するまで曲げられており、大腿骨部材112のモジュール延長部121が大腿骨900の部分切除した遠位端部上の正しい位置に移動できて、前記フランジ134と136の上位キャビティカム面138と140が前記支承114の柱148のカム突起150と152上の下位カム面154と156を離れて、大腿骨部材112を図23に示されているように大腿骨900上に完全に座着させる。大腿骨900の後部遠位領域901は図23に示されているように逃げ902を備えて支承114の柱148の後部面を離れて、大腿骨部材112の植込みに必要な完全な屈曲を与える必要がある。 【0028】図23に示されているように、後部遠位領域901の存在が柱148の後部面との衝突を抑制するので、脛骨500の後部での脱臼はあり得ない。図26に示されるように、前記フランジ134と136上のカムキャビティ138と140ならびにカム突起150と152の前部領域が脛骨の前部での脱臼を防止する。前記柱のカム突起150と152の外側面はキャビティ側壁130と132に係合して、中心軸方向−横方向の脱臼を防止する。したがって、支承114は大腿骨部材112に捕捉されて、脱臼を起こし得ない。 【0029】外反−内反の安定性の保持には2つの手段がある。図24を参照すると、負荷支承条件の下で、標準的圧縮荷重が大腿骨関節丘124と126を整合関節凹型領域144と146に対して押圧することになる。整合は圧縮下にあって、図24の面での大腿骨部材112のどのような回転も軸線の回りで、かつ大腿骨関節丘206の曲率中心208を通る必要がある。軸207の回りの回転は大腿骨関節丘124または126の切欠き128でのフランジ134もしくは136いずれかの下位側面と、カム突起150と152の下方の柱148の側面の間に衝突を生じる。この接触は反力を生成して関節に加えられる僅かな外反−内反モーメントにも抵抗する。したがって柱148の曲げが起こって前記加えられたモーメントに抵抗する必要はない。柱145の外側壁は図15に示されたように、テーパーをつけて耐力相中このような曲げを防ぐことができる。 【0030】非耐力相中の外反−内反モーメントはいずれも小さいが、柱は関節の圧縮が起こらないことがあるので、小さい曲げ荷重を受け易くなる。 【0031】キャビティと柱カム面それぞれの協働作用が図25乃至28に示されている。これらの図では、支承114がこの協働をよりよく示すために「透視」できるように示されている。完全な伸展の場合、図25に示されているように、カム面は接触していない。このカム面は耐力の存在しない時、A−P脱臼の防止のみに作用する。耐力がかかっていると、上位支承面142を押圧する下位大腿骨関節支承面122の形状が安定性と位置を提供する。屈曲が進むに従い、凹型下位カム面138と140はカム突起150と152の凸型下位カム面と柱148上で図26と27で示されるように係合し、大腿骨部材112を支承114に関して外側方向に押圧する。この後部移動もしくは大腿骨の後退は大腿四頭筋の有効性を向上させる。前記後退は膝取替患者により多分行われるどのような耐力活動に対しても現れる。この後部移動は図28に示されているように完全な伸展で失われるが、これは耐力が標準的にこの動作相では起こらないか、さもなければ少くとも極めて稀にしか起こらないから重要でない。 【0032】 【発明の効果】以上述べた通り本発明によれば、脱臼に対する強化された防護を蝶番つき接合を必要としないで補綴膝関節の単純化された設計がこのように提供される。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】592217691 【氏名又は名称】マイケル.ジェー.パッパス
|
| 【出願日】 |
平成10年(1998)11月17日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】押田 良久
|
| 【公開番号】 |
特開平11−226038 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)8月24日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−326719 |
|