| 【発明の名称】 |
吸収性物品 |
| 【発明者】 |
【氏名】武末 聡美
【氏名】宮田 桂子
【氏名】小木曽 宏治
【氏名】鈴木 磨
|
| 【要約】 |
【課題】尿や軟便をすばやく吸収し、着用者が快適に使用できる吸収性物品の提供。
【解決手段】着用者の肌に接する側に位置するトップシートと、前記トップシートを介して着用者の肌に接する側とは反対側に位置するバックシートと、前記両シート間に配置された吸収体とを有する吸収性物品であって、前記吸収体は、それぞれ吸収能力の異なる腹側領域、背側領域、及び腹側領域と背側領域との間の中間領域の三領域からなり、かつ、前記三領域の吸収能力が中間領域>腹側領域>背側領域の順に大きく、また、前記トップシートには、腹側領域と背側領域を分離する仕切りが形成され、さらに、前記バックシートは、腹側領域が液不透過製の素材からなり、背側領域が撥水性の素材からなる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 着用者の肌に接する側に位置する液透過性のトップシートと、前記トップシートを介して着用者の肌に接する側とは反対側に位置するバックシートと、前記両シート間に配置された吸収体とを有する吸収性物品であって、前記吸収体は、それぞれ吸収能力の異なる腹側領域、背側領域、及び腹側領域と背側領域との間の中間領域の三領域からなり、かつ、前記三領域の吸収能力が中間領域>腹側領域>背側領域の順に大きいことを特徴とする吸収性物品。 【請求項2】 前記吸収体の腹側領域は高吸収性高分子物質および綿状パルプから構成されており、背側領域は綿状パルプを主成分とし、さらに中間領域は、超吸収性繊維を主として構成されていることを特徴とする請求項1記載の吸収性物品。 【請求項3】前記トップシートには、腹側領域と背側領域を分離する仕切りが形成されていることを特徴とする請求項1、又は2記載の吸収性物品。 【請求項4】 前記バックシートは、腹側領域が液不透過性の素材からなり、背側領域が撥水性の素材からなることを特徴とする請求項1、2又は3記載の吸収性物品。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【産業上の利用分野】本発明は吸収性物品に関し、乳児用、又は失禁者用として供される吸収パッド、使いすておむつ等に使用される吸収性物品に関するものであり、更に詳しくは、吸収体の前、中、後の構成を尿又は軟便の各々に適した構成にすることで着用者の尿及び軟便を素早く吸収する液体保持性の吸収体を有する吸収性物品に関する。 【0002】 【従来の技術】従来の使いすておむつは、液透過性のトップシートと液不透過性のバックシートの間に、液透過性の拡散層と綿状パルプ、高吸収性高分子物質(以下SAPという)、親水性シート等からなる吸収体を配置した構成になっており、尿は吸収体を通って吸収体に吸収される。この時吸収体は、着用者の排泄物を素早く吸収し、皮膚を逆に再び濡らすことなく保持する必要がある。特に新生児期から乳児期の離乳食前記における粘度が比較的低くて柔らかい軟便と呼ばれる便や下痢便については、より素早く隔離、吸収、保持する必要がある。近年、使いすておむつをはじめとする様々な吸収性物品はおむつの外側に尿を漏らさないという点では満足できるものであるが、おむつ内部に保持された軟便が、着用者の皮膚に接触してしまうことが度々起こる。このように皮膚と排泄物が接触している時間が長くなるほど排泄物は皮膚を刺激し、おむつかぶれ等の皮膚炎を引き起こす原因にもなる。 【0003】着用者の尿を素早く吸収するために、吸収体内部のSAP分布を変化させる方法が、特開昭61−167002号公報で、およびパルプ密度を変化させる方法が、特開昭61−34203号公報に開示されている。これらの方法は尿に対しては効果が認められているが、軟便に対する効果は明確ではない。また、尿及び軟便を吸収する方法としては、バックシート側の流体貯蔵下層のSAP分布を変化させる方法として、特開平2−111361号公報が開示されているが、吸収体全部をSAPを含む同一の組成で形成しているために、ほとんどが水分である尿に対しては効果があるが、水分が尿より少なく粘度が高い軟便は吸収されにくいのが現状である。 【0004】また、おむつの構造を替えることで、便を隔離する方法が特開平4−300543号公報に開示されているが、これは開口を有するトップシートを設けて便を隔離し、保持するものであるが、着用者が座った状態の時に開口部がつぶれてしまうために、便が保持されないことがあり、またトップシート及び吸収体を加工する工程が多くなり生産効率が低下する。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述の従来からの使いすておむつの有する問題点を解決し、着用者の尿及び比較的粘度が低く柔らかい軟便や下痢便を素早く吸収し、それを隔離、保持する使いすておむつを提供することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明は着用者の肌に接する側に位置する液透過性のトップシートと、前記トップシートを介して着用者の肌に接する側とは反対側に位置するバックシートと、前記両シート間に配置された吸収体とを有する吸収性物品であって、前記吸収体は、それぞれ吸収能力の異なる腹側領域、背側領域、及び腹側領域と背側領域との間の中間領域の三領域からなり、かつ、前記三領域の吸収能力が中間領域>腹側領域>背側領域の順に大きいことを特徴とする吸収性物品に関する。 【0007】また本発明の前記吸収体の腹側領域は高吸収性高分子物質および綿状パルプから構成されており、背側領域は綿状パルプを主成分とし、さらに中間領域は、超吸収性繊維を主として構成されていることを特徴とする吸収性物品に関する。 【0008】さらに本発明の前記トップシートには、腹側領域と背側領域を分離する仕切りが形成されていることを特徴とする吸収性物品に関する。 【0009】また本発明の前記バックシートは、腹側領域が液不透過性の素材からなり、背側領域が撥水性の素材からなることを特徴とする吸収性物品に関する。 【0010】 【発明の実施の形態】本発明の吸収性物品は、吸収体が腹側領域、背側領域、及び腹側領域と背側領域との間の中間領域からなり、それらの構成を尿又は軟便の各々に適した構成にすることで、着用者の尿及び比較的粘度が低くてやわらかい軟便や下痢便を素早く吸収し、それを隔離、保持できるものであり、皮膚炎の原因になる皮膚と排泄物の接触時間を短くすることができるものである。 【0011】腹側領域は、着用者の尿を吸収する必要があるために、SAPと綿状パルプからなる層(対尿部)を配置する。着用者が排尿した際には、親水性のトップシートを通じてまず綿状パルプに吸収され、次いでSAPに吸収保持される。 【0012】また、背側領域には、着用者の軟便及び下痢便を吸収する必要があるために、綿状パルプを主成分とする層(対便部)を配置する。着用者が排泄した際には、水分を多く含む軟便等は綿状パルプ層の繊維間の空隙に吸収され、保持される。軟便及び下痢便は尿に比べ粘度が高く水分が少ないために、水分を吸収するSAPよりも固形分を繊維間の空隙に保持することのできる綿状パルプからなる層を配置する必要がある。 【0013】更に、対尿部である腹側領域と対便部である背側領域との間の尿便分離部にあたる中間領域は、腹側の対尿部で吸収しきれずに中央部に向かって拡散した尿を確実に吸収し、せき止めると共に、背側の対便部に排泄された水分を含む軟便等をも分離する必要があるために、より高い吸収性能が求められる。 【0014】また、トップシートに対尿部と対便部を分離する凸状の仕切りを形成することによってトップシート表面における尿の対便部へ、または便の対尿部への流入を防ぐ。 【0015】 【実施例】以下に添付図面を参照にして本発明について詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何等制限されるものではない。図1は本発明の実施例の吸収性物品1の一部を切り開いた状態を示す平面図である。図1の吸収性物品1はトップシート2と、腹側バックシート3及び背側バックシート4と、その間に吸収体5及び仕切り6を有する。吸収体5は腹側にSAPと綿状パルプからなる対尿部である腹側領域A、中央に高吸収能を有する素材からなる尿便分離部にあたる中間領域C、及び背側には綿状パルプを主成分とする対便部である背側領域Bを有しており、仕切り6は腹側領域Aと中間領域Cとの境界上に存する。 【0016】図2は本発明の吸収性物品の断面図を示すものであり、図1の吸収性物品のX−X’切断面図を示すものである。図2においてトップシート2と腹側バックシート3及び背側バックシート4に挟まれた吸収体5は腹側にSAPと綿状パルプからなる対尿部である腹側領域A、中央に高吸収能を有する素材からなる中間領域C、及び背側には綿状パルプを主成分とする対便部にあたる背側領域Bを有しており、仕切り6は腹側領域Aと中間領域Cとの境界線上に存する。 【0017】図3は本発明の吸収性物品をおむつとして使用した場合の例を示す。図1の吸収性物品1の着用者の脚周りにあたる部分には脚周り伸縮弾性部材7を配設し、背側領域の腰回り開口部近傍の両側縁にファスニングテープ8が取り付けられたテープ型おむつの斜視図である。使用時には、前身頃と後身頃を接着固定して着用者の保持される。 【0018】図4は本発明の吸収性物品をおむつとして使用した場合の別の例を示す。図1の吸収性物品1の両側縁には、外側に延出したサイドフラップをトップシート2上に折り返し、折り返された部分の長手方向両側縁に伸縮弾性部材を伸張状態で配設し、かつ折り返された部分の長手方向両端部を吸収体上のトップシート2に接着固定さており、これが基端部となり、伸縮弾性部材が配置されたフラップの自由縁が基端部から立ち上がることによって立体ギャザー9が形成されており、これらを外装シート10の長手方向に沿う中央領域に配置して形成したパンツ型おむつの前身頃と後身頃の接着部を開放展開した斜視図である。 【0019】ここで立体ギャザー9を配設した吸収性物品1は、脚周り伸縮弾性部材7及びウエスト周り伸縮弾性部材11を配置した外装シート10の長手方向に沿う中央領域に配置され、前身頃と後身頃を予め接着閉鎖して、着用者の腹から腰周りを囲む様に保持される。 【0020】本発明において使用されるトップシート2は、ポリエチレン、ポリプロピレン、その他の熱可塑性繊維からなる液透過性不織布を用いる。また、腹側バックシート3は、吸収性物品を単独で使用するような場合は液不透過性のポリエチレンシート、好ましくは熱可塑性樹脂にフィラーを加えて延伸した透湿性のある液不透過性シート又は、さらに肌触り等の風合いが優れていることから、前記液不透過性シートの少なくとも片面に、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリエチレン等からなるカード、スパンボンド等の不織布をラミネートや積層貼合わせ等を行った複合シートを用いることが適当である。 【0021】一方、背側バックシート4は、主に対便部として使用されるために排泄物の水分は対尿部分に比べ少量であるために腹側バックシート3程の液不透過性は要求されず、撥水加工等を施すことにより、耐水圧(JIS L 1092における耐水度試験A法)が100mmH2O以上となるポリエチレン、ポリプロピレン、その他の熱可塑性繊維からなる不織布を用いることによって通気性も得られ、蒸れによるかぶれ等の皮膚障害を起こす可能性も少なくなる。 【0022】また、この吸収性物品が着用者の腹から腰周りを囲むような外装シートにより着用者に保持される、例えば図4に示すようなおむつの内部パッドとして使用されるような場合は、腹側バックシート3についても撥水加工等を施したポリエチレン、ポリプロピレン、その他の熱可塑性繊維からなる不織布を用いても良い。 【0023】吸収体5は形成する三領域の構成が異なるものを用い、さらに全体をティシュで包み込んだ構造とすることが好ましい。また、吸収体の形としては矩形、砂時計型、T字型等を選択することが可能であるが、身体の形状によりフィットするものとして砂時計型とすることが好ましい。本発明における着用者の腹側領域Aは、主に尿を吸収する部分で、高吸水性を示す材料からなる。このような材料としては、綿状パルプ及びSAP等から構成されるが、特に制限されるものはなく、吸水性スポンジ、吸収性シート等でも良い。 【0024】また、背側領域Bは、着用者の軟便及び下痢便を吸収する必要があるために、綿状パルプを主成分とする層を配置するが、便に含まれる水分を吸収し保持するために少量のSAP等の吸水性材料を混合することが好ましい。 【0025】ここで、綿状パルプとしては、化学パルプ、機械パルプあるいは化学機械パルプのシートを粉砕機で綿状にしたものが使用される。パルプ原料としては、針葉樹、広葉樹等の木材パルプ、麻等の非木材パルプも適用される。このパルプの使用量は、目的とする吸収体により単独または複数を混合、積層して用いるか、田の吸収材を併用するか等により異なるが、一般的には50〜400g/m2である。 【0026】また、綿状パルプと共に合成繊維、熱有着成分、接着剤等を併用しても良く、これらを3〜60重量%を混合して熱圧着しても良い。熱溶融成分としては、特に制限はないが、綿状パルプと混合することを考えると繊維状のものが好ましい。熱溶融成分としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリビニリデン、アクリル樹脂、ナイロン樹脂等が挙げられる。または、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン等の2成分以上からなる複合繊維でも良く、特には、ポリエステル/ポリエステル、ポリエステル/ポリエチレン、ポリプロピレン/ポリエチレンの複合繊維が強度の面から好ましい。繊維径は1〜5デニール程度が好ましく、繊維長は3〜30mmのものが綿状パルプと混合するのに好適であるが、特に制限を受けるものではない。 【0027】SAPとしては、デンプン系、セルロース系、合成ポリマー系が挙げられる。すなわち、デンプン−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、デンプン−アクリル酸エチルグラフト共重合体のケン化物、デンプン−メタクリル酸メチルグラフト共重合体のケン化物、デンプン−アクリロニトリルグラフト共重合体のケン化物、デンプン−アクリルアミドグラフト共重合体のケン化物、デンプン−アクリロニトル−2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸グラフト共重合体のケン化物、アクリル酸(塩)重合体、アクリル酸で架橋されたポリエチレンオキシド、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、の架橋物、ポリビニルアルコール−無水マレイン酸反応物の架橋物等である。これらのうち、自重の20倍以上の尿、体液及び水を吸収するもので、ポリアクリル酸ナトリウム系のものが吸収能力の点から最も適当である。SAPの分布量は、綿状パルプの乾燥状態の重量に対して10〜500%、好ましくは15〜300%であり、かかる量のSAPが綿状パルプに均一に、あるいは不均一に分布していても良い。SAPが水分を吸収し膨潤したとき、その粒子は相互の干渉が最小にとどめられ、連続的に接触して透過障壁を形成することが少なく、尿や体液を3次元方向に透過、吸収する。 【0028】さらに、対尿部である腹側領域Aと対便部である背側領域Bを分ける尿便分離部にあたる中間領域Cは、腹側領域Aで吸収しきれずに中央部に向かって拡散した尿を確実に吸収し、せき止めると共に、背側領域Bに排泄された水分を含む軟便等をも分離する必要があるために、より高い吸収性能が求められる。そのため、吸収性能が高いことで知られているオアシス(鐘紡(株)製)やランシール(東洋紡(株)製)の様なアクリル酸系の繊維から作成された超吸収性繊維を用いることができる。 【0029】本発明において用いられる吸収性能の評価方法としては、以下のような方法で評価し、加圧下吸収量(g/g)とした。図5に示すような天秤12上に載置された外気吸入パイプ13を備え、かつ0.9%濃度の生理食塩水14を収容した容器15及び該容器15の生理食塩水収容部に導管16より連通する逆ロート17よりなり、該逆ロート17の頂部にグラスフィルター18を取り付けてなる装置を用い、該フィルター18上に吸収体19を載置し、その上におもり20を載置し、30秒後の30g/cm2荷重下における吸収体の吸収量(g/g)を測定した。なお、被測定吸収体は、予め直径5.5cmの円形に切り取ったものを使用した。 【0030】前記吸収能力の測定により、吸収体5を形成する腹側領域A、中間領域C、背側領域Bの三領域の加圧下吸収量は、それぞれ腹側領域Aが8〜30g/g、背側領域Bが4〜6g/g、中間領域Cが10〜40g/gであり、かつ三領域の吸収能力は中間領域C>腹側領域A>背側領域Bの順に大きいことが好ましい。これは、中間領域Cは、腹側領域A、背側領域Bを確実に分離させるためには短時間における高い吸収力が必要であり、また腹側領域Aは尿を吸収、保持するために高い吸収力が要求され、背側領域Bは軟便及び下痢便等の尿に比べて粘度が高く水分が少ないものを吸収するために、短時間で排泄物を皮膚から隔離することが要求されており、主として綿状パルプから構成されるためであり、高い吸収性能は必要ではない。中間領域Cにおいて使用される吸収性繊維は、SAPのみ、または綿状パルプのみ、更には、SAPと綿状パルプを混合することによって得られる吸収層のような腹側領域A、背側領域Bに使用される吸収体の構成のいずれよりも高い吸収能力を示す。腹側領域Aおよび中間領域Cが背側領域Bよりも低い吸収能力である場合は、中間領域Cにおいて腹側領域Aに排泄された尿が拡散、または吸収しきれずに背側領域Bへ流入するのを防ぎきれず、臀部の湿度が上昇し蒸れによるかぶれの原因になる恐れがある。 【0031】さらに、吸収体5を形成する腹側領域A、中間領域C、背側領域Bの長手方向の長さの比が50〜65%/5〜10%/25〜45%であることが着用中の前後のずれも対応できるために好ましく、腹側領域Aが50%以下、または背側領域Bが45%以上であると、腹側領域まで軟便等が流入し、性器等へ雑菌が進入することにより皮膚障害を起こしやすくなる。更に、腹側領域Aが65%以上、または背側領域Bが25%以下であると背側領域まで尿が拡散し臀部の湿度が増すことにより、蒸れを原因とするかぶれ等を起こしやすくなる。また、背側領域Bが広すぎるとまた、中間領域Cは腹側領域A、背側領域Bそれぞれを確実に分離することを目的とするので広い領域を必要としない。 【0032】また、腹側領域と背側領域を分離する仕切り6は、腹側領域Aと中間領域Cとの境界上の股下幅の少なくとも80%以上、長手方向の長さ5〜15mm、高さ5〜15mmで配置することにより、トップシート2上に凸状の壁が形成されトップシート状における尿及び便の相互への流入を防ぐことができる。ここで、仕切り6の股下に対する幅が80%より狭いと、排泄物が腹側及び背側の相互へ流入する恐れがある。長手方向の長さが5mmより短い、また高さが5mmより低いと、着用中に吸収体がよれや尿等の水分吸収のため、仕切り6以外の部分が仕切り6以上の高さになる可能性があり、仕切りの役割を充分果たせなくなる恐れがある。また、長手方向の長さが15mmより長いと、下部に形成されている吸収体5の吸収を妨げる恐れがあり、高さが15mmより高いと、着用者の身体へ触れる部分が多くなり、身体への違和感があるために着用者に不快感を与えたり、更には摩擦によるかぶれを引き起こす恐れもある。このために、仕切りを形成する材料としては嵩高であるが身体への違和感が少なく、また弱撥水性であるものが好ましく、例としてはウレタンフォームが挙げられる。 【0033】図4に示されるような吸収性物品1に立体ギャザー9を形成する場合、サイドフラップは、液不透過性のポリエチレンシートや微孔を施して通気性を付与したポリエチレンシート、又は、熱可塑性樹脂にフィラーを加えて延伸した透湿性のある液不透過性シートなどの透湿性を付与したシート、さらには肌触り等の風合いが優れていることから、前記液不透過性シートの少なくとも片面に、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリエチレン等からなるカード、スパンボンド等の不織布をラミネートや積層貼合わせ等を行った複合シートを用いることができる。また、撥水加工等を施したポリエチレン、ポリプロピレン、その他の熱可塑性繊維からなる不織布を用いると、肌触り等の風合いも良く高い通気性も得ることができるため、蒸れの防止にも効果がある。 【0034】また、サイドフラップに配設される伸縮弾性部材、及びおむつを構成する脚周り伸縮弾性部材7、ウエスト周り弾性部材11は、ウレタンフィルム、ウレタン糸、ウレタンフォーム、糸ゴム等の通常の吸収性物品等に使用される伸縮弾性部材をそのまま使用でき、これら伸縮弾性部材はホットメルト接着剤により伸張状態で接着固定されている。 【0035】さらに、基端部を形成するための接着方法としてはホットメルト接着、加圧溶着、超音波溶融等を単独またはそれらを組み合わせることができる。また、パンツ型おむつの前身頃と後身頃の両側部を接着閉鎖する際には、両側縁を外側に突き出した状態、または両側縁を内側に突き出した状態、又は、一方の側縁を外側、他方の側縁を内側に突き出した状態で、両側縁の最外部に沿ってホットメルト接着剤、加圧溶着、超音波溶融等を単独またはそれらを組み合わせることにより接合する。 【0036】外装シート10の少なくとも吸収性物品1が配置される長手方向中央領域は、液不透過性のポリエチレンシート、好ましくは熱可塑性樹脂にフィラーを加えて延伸した透湿性のある液不透過性シートなどの透湿性を付与したシートが用いられることが好ましく、吸収性物品1が配置される以外の部分は、脚周り伸縮弾性部材7を挟み込んで配設するために少なくとも二層であり、着用者の発汗や排泄物による湿度上昇を抑え、蒸れや蒸れから起こりうるかぶれを防止するためにポリエチレン、ポリプロピレン等の熱可塑性繊維からなる不織布、又は微孔を設けて通気性を付与したポリエチレンシート、さらには熱可塑性樹脂にフィラーを加えて延伸した透湿性のあるシートを用い、少なくとも着用者に直接触れる内側部分には不織布が用いられることが好ましい。 【0037】また、おむつの着用者へのフィット性をさらに優れたものにするために、外装シート10の前身頃及び後身頃の着用者の腰周りに当たる少なくとも一部の幅方向に、複数本の伸縮弾性部材を配置することもできる。さらに好ましくは、少なくとも吸収性物品1が配置される以外の部分に用いられるシートに、5〜40μmの厚さの透湿性、伸縮性を有するポリウレタン系のフィルム、天然ゴムシート、発泡シートの少なくとも片面に、エラストマー不織ウェブ単体かエラストマー不織ウェブの少なくとも片面にポリエチレンテレフタレート繊維のようなポリエステル繊維、ポリオレフィン繊維、ナイロン繊維のようなポリアミド繊維、コットン繊維のようなセルロース繊維、パルプ繊維およびそれらの混合物を含むグループから選択された材料から作られた繊維層を水流交絡又は積層されたウェブ等積層貼り合わせたもの、又は、ポリウレタン系、ポリオレフィン系等の透湿性、伸縮性を有する熱可塑性樹脂を前記繊維層へラミネートしたものを用いると、フィット性と共に蒸れも防止することができる。 【0038】上記実施例では、図3においてはおむつ使用時にテープを用いておむつの前身頃と後身頃を接着固定するテープ型の使いすておむつを、また、図4においては予め立体パンツ型とした使いすておむつを示したが、それぞれ、図3におけるおむつを予め立体パンツ型とし、図4におけるおむつの前身頃あるいは後身頃の幅方向両側部に締結手段を設け、おむつ使用時にその締結手段でおむつの前身頃と後身頃を接着固定する形状としてもよい。 【0039】 【発明の効果】以上、本発明における吸収性物品では、吸収体を腹側領域と背側領域、さらにはそれらを分離する中間領域という三領域を各々に適した構成をとることにより、着用者の皮膚の接触するトップシートの尿及び便を素早く吸収し、隔離保持することができるため、排泄物による皮膚への刺激によるかぶれ等の皮膚障害を引きおこすことがなく、快適な状態を保つ効果を有するものである。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000122298 【氏名又は名称】王子製紙株式会社
|
| 【出願日】 |
平成10年(1998)2月5日 |
| 【代理人】 |
|
| 【公開番号】 |
特開平11−216162 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)8月10日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−24313 |
|