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【発明の名称】 無線式介護補助装置
【発明者】 【氏名】甲斐 貮夫

【氏名】藤野 省一郎

【氏名】安藤 律夫

【氏名】轟木 博

【要約】 【課題】被介護者の失禁等体液の漏出検出を無線で自動的に監視し、介護者に無線報知する無線式介護補助装置を提供する。

【解決手段】体液、例えば失禁のおそれのある被介護者には、おむつ34に湿度センサー4を備えた失禁検出タグ1を装着しておき、失禁監視機2から無線を介して失禁の検出を命令する。命令を受けた失禁検出タグ1は、湿度センサー4の電気抵抗を測定し、電圧に換算して所定値と比較し、失禁の有無を判定、結果を失禁監視機2に返す。失禁監視機2は、判定データに基づき失禁有データであれば、介護者が所持する携帯端末機3に無線で通報して、被介護者の失禁を処置する。本発明では、湿度センサー4として好ましくはシラス多孔質ガラスの両端に電極を固定した体液吸着による電気抵抗変化の大きいセンサーを用いる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 体液の漏出のおそれのある者が身体に装着する体液漏出検出タグと、体液漏出検出タグを無線で監視する体液監視機を有する無線式介護補助装置であって、体液漏出検出タグが、電源部と、体液のイオン伝導度に基づく電気抵抗の変化を検出可能な湿度センサーと、体液監視機からの体液漏出検出コマンドを受けて湿度センサーの抵抗を測定し、抵抗測定結果を設定値と比較して体液漏出か否かを判定する判定手段と、体液監視機から体液漏出検出コマンドを受信し、体液監視機へ体液漏出判定データを送信する無線送受信手段とを備え、体液監視機が、体液漏出検出タグへの体液漏出検出コマンドを作成する入力部と、入力部で作成した体液漏出検出コマンドを体液漏出検出タグに送信し、体液漏出検出タグから体液漏出判定データを受信する無線送受信手段と、受信した体液漏出有無データに基づき体液漏出有無を表示する表示手段と、体液漏出有にあっては体液測定時刻を含むデータを生成、記録する記録手段を備え、遠隔操作により無線を介して体液漏出を検出、監視することを特徴とする無線式介護補助装置。
【請求項2】 体液漏出検出タグの電源部が、電池、または整流器と蓄電器からなることを特徴とする請求項1記載の無線式介護補助装置。
【請求項3】 湿度センサーが、孔径が8〜50μmのシラス多孔質ガラスの両端に電極を装着してなることを特徴とする請求項1記載の無線式介護補助装置。
【請求項4】 体液監視機から体液漏出有の信号を無線で受信して、体液漏出有を介護者に通報する介護者用携帯端末機を有することを特徴とする請求項1記載の無線式介護補助装置。
【請求項5】 体液監視機が体液漏出検出コマンドに体液漏出検出タグ装着被介護者のIDコードを付与する手段を有し、体液漏出検出タグが体液監視機から受信したIDコード付体液漏出検出コマンドのIDコード照合手段を有し、IDコードが一致したときのみ体液漏出を検出し、検出データにIDコードを付して体液監視機に送信し、登録IDコードに未処理IDコードがある間、体液監視機は自動的に次のIDコード付体液漏出検出コマンドを発信して、順次残りの体液漏出検出タグ装着被介護者の体液漏出を検出、監視することを特徴とする請求項1記載の無線式介護補助装置。
【請求項6】 体液監視機と体液漏出検出タグの中間に、体液監視機と有線または無線で接続された複数個の中継送受信機を設け、各中継送受信機は全被介護者登録IDコードの中から、一つのIDコード付体液漏出検出コマンドを体液監視機から中継して、各被介護者の装着する体液漏出検出タグと送受信し、全登録IDコードに未処理IDコードがある間は、次のIDコードを自動的に処理し、未処理IDコードがなくなると、次の中継送受信機に接続を切り換えて同様の処理を繰り返し、各中継送受信機を介して全体液漏出検出タグ装着者を順次検出、監視することを特徴とする請求項1記載の無線式介護補助装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無線式介護補助装置、特に遠隔地にいる被介護者の体液漏出の有無を自動的に検出して、介護者に通報することのできる無線式介護補助装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】これまで体液漏出、例えば失禁の管理は、個別的に介護者が巡回し、失禁の有無を確認して介護用のおむつを取り替えていた。また、失禁の有無を感知して、ブザーなどを鳴らして報知する手段も知られている(西村かおる著「体液のケア」中央法規出版刊、平成4年12月1日初版第5刷)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、被介護者の多くはさまざまな障害をもつ人が多く、失禁の感受、失禁の告知能力を欠く場合も少なくない。また仮に能力があっても、大勢の患者がいる病室などでは羞恥心もあって、的確な意思表示をするとは限らない。これらの場合、介護者は、被介護者の表情、匂い、失禁が予測される時間等を手がかりに、勘と経験により失禁の有無を確認するしかなかった。またブザーによる警報では、警報到達範囲も限られており、音が出るのを嫌う人もいて、使用環境が制限されていた。その結果、被介護者側にはおむつの交換時期の遅れ、悪臭の発生、不快感、不衛生による皮膚のただれ、膀胱炎など感染症発症のおそれがあった。一方、介護者の側にも、被介護者のところまで定期的に足を運び、おむつを外して失禁の有無を確認しなければならないなど、肉体的にも精神的にも負担が大きかった。
【0004】本発明は、前記のごとき課題を解決したもので、無線により遠隔地にいる介護者の体液漏出の有無を確認して、介護者に通報することのできる無線式介護補助装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成した本発明の無線式介護補助装置は、体液漏出のおそれのある者が身体に装着する体液漏出検出タグと、体液漏出検出タグを無線で監視する体液監視機を有する無線式介護補助装置であって、体液漏出検出タグが、電源部と、体液のイオン伝導度に基づく電気抵抗の変化を検出可能な湿度センサーと、体液監視機からの体液漏出検出コマンドを受けて湿度センサーの抵抗を測定し、抵抗測定結果を設定値と比較して体液漏出か否かを判定する判定手段と、体液監視機から体液漏出検出コマンドを受信し、体液監視機へ体液漏出の判定データを送信する無線送受信手段とを備え、体液監視機が、体液漏出検出タグへの体液漏出検出コマンドを作成する入力部と、入力部で作成した体液漏出検出コマンドを体液漏出検出タグに送信し、体液漏出検出タグから体液漏出判定データを受信する無線送受信手段と、受信した体液漏出有無のデータに基づき体液漏出有無を表示する表示手段と、体液漏出有にあっては体液測定時刻を含むデータを生成、記録する記録手段を備え、遠隔操作により無線を介して体液漏出を検出、監視することを特徴としている。
【0006】この場合、体液漏出検出タグの電源部には、取り替え可能な電池を使用してもよいし、整流器とコンデンサーなどの畜電器内蔵の無線充電方式を使用することができる。また湿度センサーには、体液のイオン伝導度に基づく電気抵抗の変化を検出可能なセンサーであれば特に限定はされないが、孔径が8〜50μmのシラス多孔質ガラス(SPG)の両端に電極を装着したものが、体液による電気抵抗の変化が大きく望ましい。介護者が体液監視機から遠くにいる場合には、体液監視機から体液漏出有の信号を無線で受信して、体液漏出有を介護者に告知するポケベルのような介護者用携帯端末機を付設するとよい。
【0007】また被介護者が複数人の場合には、体液監視機に対して、体液漏出検出タグ装着被介護者にあらかじめ振られたIDコードを生成する手段を設け、IDコード付の体液漏出検出コマンドを作成し、体液漏出検出タグには体液監視機から受信したIDコード付体液漏出検出コマンドのIDコード照合手段を設け、体液漏出検出タグでは、IDコードが一致したときのみ体液漏出を検出し、検出データにIDコードを付して体液監視機に返し、体液監視機は未処理IDコードのある間は、自動的に次のIDコード付体液漏出検出コマンドを発信して、順次体液漏出検出タグ装着被介護者の体液漏出の有無を検出、監視することもできる。
【0008】さらに被介護者が複数の病室などに複数人ごとに散在するような大規模の医療施設などでは、各部屋毎に中継送受信機を少なくとも一つ設け、体液監視機と体液漏出検出タグとの送受信を中継することができる。部屋が大きければ同じ部屋に複数の中継送受信機を設けてもよい。体液監視機と各中継送受信機との送受信は同時でも逐次でもよいが逐次的に行うのが管理上望ましい。また送受信方式は有線でも無線でもよいが、大規模な医療施設などでは有線の方がシステム安定上好ましい。各中継送受信機は、望ましくは同じ周波数の電波で、全被介護者の漏洩検出タグと送受信する。こうすることで、被介護者が部屋を移動していても検出洩れを防止できる。体液監視機と中継送受信機の送受信を逐次的にする場合には、中継送受信機毎に識別コードを付し、体液監視機には複数の識別コード付中継送受信機との接続切換手段を設け、一つの中継送受信機との送受信が終了したら、次の中継送受信機に切り換え、すべての体液漏出検出タグ装着被介護者の体液漏出有無を検出する。検出作業は、あらかじめ設定された時間間隔をおいて定期的に実施する。この場合、体液監視機では、各中継送受信機毎に全被介護者の登録IDコードのうち未処理IDコードがある間は自動的に次のIDコードを処理し、未処理IDコードがなくなると次のグループを管理する中継送受信機に接続を切り換え、各中継送受信機を介して全体液漏出検出タグ装着被介護者を順次検出、監視する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面にしたがって本発明の実施の代表的形態である無線式介護補助装置について詳述するが、本発明は失禁に限定されるものではない。図1は、本発明の無線式介護補助装置の機能ブロック図である。無線式介護補助装置は、基本的には図1−(イ)に示す失禁検出タグ1と、図1−(ロ)に示す失禁監視機2と、図1−(ハ)に示す介護者用携帯端末機3からなる。失禁検出タグ1は、図1−(イ)に示すように湿度センサー4を備えている。湿度センサー4は、体液の吸収により変化するイオン伝導度に基づく電気抵抗を電圧に変換する変換部5を介して制御部6に接続されている。制御部6は、受信部7及び送信部8を備え、アンテナ10にアンテナ切換部9を介して接続されている。11は電源部で、整流器12と畜電器13からなるが、通常の電池(図示せず)を使用することもできる。失禁監視機2は、図1−(ロ)に示すように、コマンドを作成する入力部14と、結果を表示する表示部15と、結果を記録し印刷する記録・印刷部16と、測定時刻を計時する時計部17とを制御する制御部18を備えている。制御部18は、受信部19と送信部20を備え、アンテナ切換部21を介してアンテナ22に接続されている。23は電源部である。介護者用携帯端末機3は、図1−(ハ)に示すように、ポケットベルのようなものでもよく、表示部24とアンテナ26を有する本体25から構成されている。
【0010】図2及び図3は、図1に示す失禁検出タグ1、失禁監視機2、介護者用携帯端末機3の基本的な失禁監視の態様を示す。例えば図3−(イ)に示すように、部屋R1内で失禁検出タグを装着する一人の被介護者M1がいて、一人の被介護者M1に対し1台の失禁監視機2を設け、室外の介護者Aに失禁の連絡をとるようにしてある。この場合、図2−(イ)に示すように、ステップS1で電源スイッチを入れて動作開始指示を与え、失禁監視機2の制御部18に入力部14から失禁検出のコマンド作成指示をだすと、ステップS2でコマンドを図3−(ロ)に示すように作成する。作成されたコマンドは、ステップS3で失禁検出タグ1にアンテナ22を介して無線で送信される。失禁検出タグ1は、図2−(ロ)に示すように、ステップSS1でアンテナ10、受信部7を介してコマンドを受信すれば、ステップSS2で制御部6からの指示により湿度センサー4の電気抵抗を測定、変換部5により電圧に変換して、ステップSS3で制御部6により設定値と比較し、失禁の有無を判定する。受信がなければ、初期状態で待機する。ステップSS4により判定結果に基づき制御部6で失禁有データと失禁無データを図3−(ロ)の形式で作成する。データは、ステップSS5により送信部8からアンテナ10を介して無線で失禁監視機2に返信される。失禁監視機2では、図2−(イ)のステップS4でデータを受信し、ステップS5で受信データが失禁無データか失禁有データか判定する。失禁無データであれば、制御部18はステップS6で失禁無を表示部15に表示する。失禁有データであれば、ステップS7で時計部17により測定時の時刻を記録・印刷部16で記録する。次いで、ステップS8で失禁有を表示部15に表示するとともに、ステップS9で介護者用携帯端末機3への送信データを図3−(ロ)の形式で作成、ステップS10で送信部20からアンテナ22を介して介護者用携帯端末機3に失禁有データを無線で送信する。介護者用携帯端末機3では、図2−(ハ)に示すように、ステップSSS1でアンテナ26を介して失禁有データを受信し、ステップSSS2で本体25から警報などとともに表示部24に失禁有を表示し、介護者Aに被介護者M1の失禁を知らせる。介護者Aは、被介護者M1の失禁有を知れば、どこにいても直ちに図3−(イ)の部屋に帰り、失禁の始末をすることができる。失禁監視機2に表示された失禁有、失禁測定時刻等の表示は、あらかじめ入力部14からの設定時間を経過すると自動的に消えるが、入力部14から呼び出しをかければ再表示できる。介護者用携帯端末機3の表示及び警報は、リセットスイッチ(図示せず)により、ステップSSS3で解除することもできる。ステップS12では、時計部17によりあらかじめ設定された測定時刻と次の測定時刻の間、システムを待機状態にアイドリングする。以上の動作は、ステップS11で動作停止指示を与えるか、失禁監視機2の電源を切るまで繰り返す。繰り返す間隔は、失禁監視機2の入力部14からの入力であらかじめ設定しておく。
【0011】図4及び図5は、図2及び図3とは異なり、図5−(イ)に示すように複数の被介護者が複数の部屋に分散しているケースの失禁監視流れ図である。仮に、複数の部屋R1、R2のように各々に被介護者M1、M2、M3がいるような場合には、各部屋の被介護者を1グループG1、G2としてもよいし、部屋R3のように一部屋が大きく多数の被介護者がいる場合には、同室内であっても被介護者M1、M2、M3をグループG3とし、被介護者N1、N2、N3をグループG4として分割管理して、いずれにも中継送受信機27a、27b、27c、27dを設けておく。失禁監視機2からの無線での指示は、いったん各中継送受信機を介してすべての被介護者が装着している失禁検出タグと無線で送受信する。
【0012】失禁監視作業の流れは、基本的には図2と同じであるが、図4−(イ)に示すように、ステップS1で動作開始指示後、ステップS13で各中継送受信機に振られた固有コードの一つ、例えば中継送受信機27aを選択し、ステップS14で切換器(図示せず)により中継送受信機27aに接続する。次いで、ステップS15で失禁監視機2の制御部18は、全被介護者登録IDコードの中から、まずIDコードM1を指定し、ステップS2でIDコード付失禁検出コマンドを図5−(ロ)に示す形式で作成する。このIDコード付コマンドは、ステップS3で失禁検出タグ1に発信される。失禁検出タグ1では、図4−(ロ)に示すように、ステップSS1でコマンドを受信の有無を確認し、あればステップSS6でIDコードを照合する。なければ初期状態で待機する。IDコードが被介護者のもつIDコードと一致していれば、図2の基本流れ図同様に湿度センサー4の電気抵抗を測定、失禁の有無を判定して失禁有無データを図5−(ロ)に示すIDコード付の形式で作成、失禁監視機2に返送する。失禁監視機2では、ステップS4で中継送受信機27aのグループG1に属するIDコードM1から失禁有無データの受信があったか否か確認し、受信があればS5でそのIDコード付データが失禁無か失禁有か判定する。失禁無データであれば基本どおりステップS6で失禁無を表示し、失禁有データであればステップS7で測定時刻とIDコードを記録、ステップS8でIDコードと失禁有を表示、ステップS9で介護者用携帯端末機データを図5−(ロ)に示すIDコード付形式で作成、ステップS10で送信する。介護者用携帯端末機では、図4(ハ)に示すように、ステップSSS1で受信、ステップSSS2で警報とともにIDコード付で表示する。介護者Aは、IDコードで被介護者M1を確認して失禁の始末をする。失禁監視部2に表示されたIDコード、失禁有、失禁測定時刻等の表示は、あらかじめ入力部14からの設定時間を経過すると自動的に消えるが、入力部14から呼び出しをかければ再表示することもできる。介護者用携帯端末機3の表示及び警報は、リセットスイッチ(図示せず)によりステップSSS3で解除することができる。
【0013】一方、失禁監視機2では、被介護者M1につき一連の処理が終わると、失禁有無データ受信の有無、受信データが失禁有データか失禁無データかにかかわりなく、図4−(イ)のステップS16で、全被介護者登録IDコードに未処理のIDコードがあるか確認し、あればステップS17で自動的に次のIDコード所持被介護者M2につき、ステップS2のコマンド作成作業に返って同様の操作を繰りかえす。すべての登録IDコードに未処理IDコードがなくなれば、ステップS18で未処理の中継送受信機があるか確認し、あればステップS19で次の中継送受信機27bへと切り替わり、ステップS14に返り中継送受信機27bと接続、以下同様の作業を繰り返す。こうして、ステップS16及びステップS18からのループを繰り返すことで、各中継送受信機はすべての介護者について、失禁の有無をチェックする。チェックが終了すると、チェックの有無、失禁の有無を記録したIDコードと各測定時刻をステップS20で記録・印刷部16により印刷する。以上の動作は、図2同様に、ステップS11で動作停止指示を与えるか、失禁監視機2の電源を切るまで繰り返す。繰り返す時間間隔は、失禁監視機2の入力部14からの入力であらかじめ設定しておく。ステップSSS3のリセット操作も図2と同様である。こうして、各中継送受信機毎に同一周波数ですべての被介護者装着失禁検出タグと重複送受信するので、被介護者の病室間の移動が頻繁に行われる医療現場であっても、中継送受信機を設置してある病室であれば、被介護者は自由に移動でき、チェック洩れのおそれはない。
【0014】図6は、図1−(イ)に示すように、電源部1に電池31に代えて整流器12と畜電器13を備えた失禁検出タグ1の失禁監視流れ図である。この場合は、失禁監視機2で、図6−(イ)のステップS1の動作開始指示を指示した後、ステップS21で充電用電波を失禁検出タグ1に送信する。失禁検出タグ1では、図6−(ロ)のステップSS7で充電用電波受信の有無を判断し、受信があればステップSS8で整流器12により整流して畜電器13を充電する。受信がなければ、初期の待機状態を維持する。ステップSS8では、充電完了を確認し、ステップSS9で起動開始信号を発信する。失禁監視機2では、図6−(イ)のステップS22で失禁検出タグ1からの起動開始信号の受信を確認して、以下図2同様の基本操作を行って、被介護者の失禁の有無を自動的に検出して処置する。表示は、ステップS23,24でリセットする。
【0015】図7は、本発明で使用する代表的な失禁検出タグ1で、(イ)は充電式、(ロ)は電池式である。いずれの場合も、フィルム状基材28上に、アンテナコイル29及びアンテナコイル29に接続された図1−(イ)の機能ブロックを含むICチップあるいは電子部品実装基板30を貼着してある。充電式の場合は、ICチップあるいは電子部品実装基板30に、整流器12及び畜電器13も搭載されているが、電池式の場合はそれとは別に図7−(ロ)に示すように、電池31を接続する。湿度センサー4は、リード線32、コネクタ33を介してICチップあるいは電子部品実装基板30に接続されている。この失禁検出タグ1及び湿度センサー4には、おむつ34などに貼着可能な接着テープを設けておくのが望ましい。
【0016】湿度センサー4は、電気回路を用いた検出方法で体液のイオン伝導度に基づく電気抵抗の変化を測定可能な湿度センサーであればよい。代表的な湿度センサーとしては、吸湿によるイオン伝導変化を利用する塩化リチウム湿度センサー、高分子の吸湿による電気容量変化を利用する容量型高分子湿度センサー、高分子の吸湿によるイオン伝導変化を利用する抵抗型高分子湿度センサー、セラミックスの吸湿によるイオン伝導変化を利用するセラミック湿度センサー、水分含有空気の熱伝導度の変化を利用するサーミスタ湿度センサー、水分吸着による共振周波数変化を利用する水晶振動子湿度センサーなどを挙げることができるが、本発明の湿度センサー4としては、特に多孔質ガラスの両端に導電体電極を固定したものを使用するのが望ましい。多孔質ガラスは、ミクロ相分離を利用してつくられる多孔質体で、その独特の多孔構造と均一な細孔で知られている。特に宮崎県工業試験場が提案した「シラス多孔質ガラスの製法(特許第1504002号)」によるシラス多孔質ガラス(SPG)は、細孔のサイズを目的に応じて容易に設計可能である。SPGは、毛細管現象により吸収する体液のイオン伝導度に基づく電極間の抵抗が著しく変化する特性を有している。このため、体液漏出検出用の湿度センサーとして特に好適である。失禁検出の場合、SPGの孔径は6μm以下では効果がなく、8〜50μmの範囲内が好適である。
【0017】また本発明では、前述の失禁を検出する実施態様以外にも、例えば手術後開いた傷口からの血液、その他の体液漏出のような異常事態を的確に検出して、同様の手順で速やかに医療従事者が携帯する端末機に通報することができる。この場合は、前述の失禁監視機は体液漏出監視機として、失禁検出タグは体液漏出検出タグとして、介護者用携帯端末機は医療従事者用携帯端末機として機能する。特に、孔径の異なるSPGを複数枚組み合わせた体液漏出検出タグは、その組み合わせを適宜選択することにより、滲出する体液の中でも特定の分子量の体液のみを選択的に吸収し、目的とする体液の漏出のみを検出、通報することができる。
【0018】図8は、被介護者に失禁検出タグ1を装着した状態を示す。例えば、失禁の影響の少ないおむつ34の上部などに失禁検出タグ1を貼着する。湿度センサー4は、男性にあってはやや上部のペニス近傍Xに、女性にあっては股の付け根の前方Yあたりに取り付けるのが好ましい。
【0019】
【発明の効果】本発明の無線式介護補助装置は、以下の利点を有し、老人、病人などの失禁の検出をはじめ、種々の体液の漏出検知にもひろく適用できる。
(1)体液漏出の監視、検出、介護者への通報端末を無線式にすることにより、被介護者、介護者ともに移動が容易で、断線事故のおそれもない。
(2)被介護者IDコードにより、多数の被介護者の管理ができるとともに、介護者ごとのきめ細かいサービスが可能となる。
(3)中継送受信機の設置により、大病院や大部屋による多人数の集中管理が容易になる。
(4)定期的な検出により、被介護者に対し適切な時間に迅速な介護ができ、失禁に基づく悪臭、不快感、皮膚のただれ、感染症などが防げる。
(5)介護者が常時被介護者の近傍で監視する手間が省け、その間他の仕事ができるなど、介護者の肉体的、精神的労力が軽減される。
【出願人】 【識別番号】000177346
【氏名又は名称】三和ニューテック株式会社
【出願日】 平成10年(1998)2月4日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】衞藤 彰
【公開番号】 特開平11−216154
【公開日】 平成11年(1999)8月10日
【出願番号】 特願平10−61860