| 【発明の名称】 |
非観血連続血圧計 |
| 【発明者】 |
【氏名】西村 有史
【氏名】長谷川 欣也
【氏名】萩原 尚
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| 【要約】 |
【課題】血管内に振動を誘発して血圧を測定する非観血連続血圧計において、血圧値の測定精度および信頼性を向上させる。
【解決手段】MPU6により、複数の異なる周波数の振動を発生する。何種類かの加振周波数の振動のうちの1つを、加振器2を用いて体表から生体内の動脈上に誘発する。誘発された振動の伝搬波を、伝搬波センサ3によって検出する。検出された伝搬波における位相変化を、MPU6によって算出して比較する。複数の異なる周波数のうちで、各被検者の血圧の測定に最も適した加振周波数を最適周波数と決定する。最適周波数により測定した結果と、キャリブレーション用血圧計7による血圧測定結果とを比較して、血圧を求める。複数の周波数と複数の波形のうちから、最適の周波数と波形を選択するようにしてもよい。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 血管を振動させるための加振手段と、血管を伝搬した振動を検出する振動検出手段と、振動センサからの電気信号を位相検波する位相検波手段と、位相検波信号を解析するプロセッサ手段とを備え、振動の伝搬速度を計測することで人体の血圧を連続的かつ非観血的に測定する非観血連続血圧計において、被検体の血圧測定に先立って、前記加振手段により複数の異なる加振周波数で血管を加振する手段と、それら各加振周波数での振動を前記振動検出手段により検出する手段と、前記振動検出手段からの電気信号を解析することで最適加振周波数を求める手段と、前記加振手段の加振周波数を前記最適周波数と決定する手段とを具備することを特徴とする非観血連続血圧計。 【請求項2】 前記最適周波数を決定する手段は、血管を伝搬した加振信号の減衰が最小になる周波数を選択する手段を有することを特徴とする請求項1記載の非観血連続血圧計。 【請求項3】 前記最適周波数を決定する手段は、血管を伝搬した加振信号の振幅の分散が最小になる周波数を選択する手段を有することを特徴とする請求項1記載の非観血連続血圧計。 【請求項4】 前記最適周波数を決定する手段は、血管を伝搬した加振信号の位相偏移が最大になる周波数を選択する手段を有することを特徴とする請求項1記載の非観血連続血圧計。 【請求項5】 前記最適周波数を決定する手段は、血管を伝搬した加振信号の減衰と、血管を伝搬した加振信号の振幅の分散と、血管を伝搬した加振信号の位相偏移のいずれか2つ、もしくは全てを含む評価関数を最小にする周波数を選択する手段を有することを特徴とする請求項1記載の非観血連続血圧計。 【請求項6】 血管を振動させるための加振手段と、血管を伝搬した振動を検出する振動検出手段と、振動センサからの電気信号を位相検波する位相検波手段と、位相検波信号を解析するプロセッサ手段とを備え、振動の伝搬速度を計測することで人体の血圧を連続的かつ非観血的に測定する非観血連続血圧計において、被検体の血圧測定に先立って、前記加振手段により複数の異なる加振波形で血管を加振する手段と、それら各加振波形での振動を前記振動検出手段により検出する手段と、前記振動検出手段からの電気信号を解析することで最適加振波形を求める手段と、前記加振手段の加振波形を前記最適波形と決定する手段とを具備することを特徴とする非観血連続血圧計。 【請求項7】 前記最適波形の選択方法に関して、血管を伝搬した加振信号の減衰が最小になる波形を選択することを特徴とする請求項6記載の非観血連続血圧計の測定精度を向上させる方法。 【請求項8】 前記最適波形を決定する手段は、血管を伝搬した加振信号の振幅の分散が最小になる波形を選択する手段を有することを特徴とする請求項6記載の非観血連続血圧計。 【請求項9】 前記最適波形を決定する手段は、血管を伝搬した加振信号の位相偏移が最大になる波形を選択する手段を有することを特徴とする請求項6記載の非観血連続血圧計。 【請求項10】 前記最適波形を決定する手段は、血管を伝搬した加振信号の減衰と、血管を伝搬した加振信号の振幅の分散と、血管を伝搬した加振信号の位相偏移のいずれか2つ、もしくは全てを含む評価関数を最小にする波形を選択する手段を有することを特徴とする請求項6記載の非観血連続血圧計。 【請求項11】 血管を振動させるための加振手段と、血管を伝搬した振動を検出する振動検出手段と、振動センサからの電気信号を位相検波する位相検波手段と、位相検波信号を解析するプロセッサ手段とを備え、振動の伝搬速度を計測することで人体の血圧を連続的かつ非観血的に測定する非観血連続血圧測定方法において、被検体の血圧測定に先立って、前記加振手段により複数の異なる加振周波数で血管を加振し、それら各加振周波数での振動を前記振動検出手段により検出し、前記振動検出手段からの電気信号を解析することで最適加振周波数を求め、前記加振手段の加振周波数を前記最適周波数とすることを特徴とする非観血連続血圧測定方法。 【請求項12】 前記最適周波数の選択方法に関して、血管を伝搬した加振信号の減衰が最小になる周波数を選択することを特徴とする請求項11記載の非観血連続血圧測定方法。 【請求項13】 前記最適周波数の選択方法に関して、血管を伝搬した加振信号の振幅の分散が最小になる周波数を選択することを特徴とする請求項11記載の非観血連続血圧測定方法。 【請求項14】 前記最適周波数の選択方法に関して、血管を伝搬した加振信号の位相偏移が最大になる周波数を選択することを特徴とする請求項11記載の非観血連続血圧測定方法。 【請求項15】 前記最適周波数の選択方法に関して、血管を伝搬した加振信号の減衰と、血管を伝搬した加振信号の振幅の分散と、血管を伝搬した加振信号の位相偏移のいずれか2つ、もしくは全てを含む評価関数を最小にする周波数を選択することを特徴とする請求項11記載の非観血連続血圧測定方法。 【請求項16】 血管を振動させるための加振手段と、血管を伝搬した振動を検出する振動検出手段と、振動センサからの電気信号を位相検波する位相検波手段と、位相検波信号を解析するプロセッサ手段とを備え、振動の伝搬速度を計測することで人体の血圧を連続的かつ非観血的に測定する非観血連続血圧測定方法において、被検体の血圧測定に先立って、前記加振手段により複数の異なる加振波形で血管を加振し、それら各加振波形での振動を前記振動検出手段により検出し、前記振動検出手段からの電気信号を解析することで最適加振波形を求め、前記加振手段の加振波形を前記最適波形とすることを特徴とする非観血連続血圧測定方法。 【請求項17】 前記最適波形の選択方法に関して、血管を伝搬した加振信号の減衰が最小になる波形を選択することを特徴とする請求項16記載の非観血連続血圧測定方法。 【請求項18】 前記最適波形の選択方法に関して、血管を伝搬した加振信号の振幅の分散が最小になる波形を選択することを特徴とする請求項16記載の非観血連続血圧測定方法。 【請求項19】 前記最適波形の選択方法に関して、血管を伝搬した加振信号の位相偏移が最大になる波形を選択することを特徴とする請求項16記載の非観血連続血圧測定方法。 【請求項20】 前記最適波形の選択方法に関して、血管を伝搬した加振信号の減衰と、血管を伝搬した加振信号の振幅の分散と、血管を伝搬した加振信号の位相偏移のいずれか2つ、もしくは全てを含む評価関数を最小にする波形を選択することを特徴とする請求項16記載の非観血連続血圧測定方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、非観血連続血圧計に関し、特に、生体内血管に微弱な振動を与え、血管内を伝搬した振動を検出し、解析することで血圧を連続的に測定する非観血連続血圧計に関する。 【0002】 【従来の技術】非観血的かつ連続的に血圧を測定する方法として、特表平9−506024号公報に開示された方法が知られている。これは、血圧の変化に応じて血管の弾性が変化することを利用して、血管中の信号の伝搬速度を検出することで、血管の弾性を算出し、その血管の弾性から血圧を推定するものである。その処理の概要は以下の通りである。被検体の体表から血管を振動させ、血管上を伝搬した振動を検出する。検出した振動をディジタル信号に変換した後、フィルタリング処理と位相検波処理を行ない、血圧変動による位相変化を算出し、振動伝搬速度の変化を得る。振動伝搬速度変化は血管弾性の変化を表し、血管の弾性の変化は血圧の変化、すなわち動圧を表す。この変化を、同一被検体に別に設置した校正用の血圧計による最高血圧及び最低血圧の測定値で校正することにより、生体内の血圧を非観血的かつ連続に計測する。測定された血圧波形は、心電図、呼吸曲線、酸素飽和度の生体情報波形とともに、同一のモニタ上に時間掃引されながら表示される。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】特表平9-506024号公報に開示された発明において、測定される血圧値の精度と信頼性は、血管を振動させる際の加振周波数および加振波形に大きく左右される。また、被検者の血管の周波数伝搬特性にはそれぞれ個人差があり、最適周波数および最適波形を一概に決定することはできない。 【0004】特表平9-506024号公報には、生体内の血管の振動を励起する際の加振周波数は任意で、加振波形に関しても、正弦波、矩形波、三角波またはその他適当な波形であればいかなるものでもよいと記載されている。しかしながら、各被検者に対する最適な加振周波数、加振波形を決定する手段に関する記載はない。 【0005】本発明は、血管壁上への振動の誘発に際して、複数の周波数、複数の波形の振動を用いることにより、各被検者に対して、より適した加振周波数と加振波形を決定し、それによって、高信頼性かつ高精度の非観血連続血圧計を実現することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するために、本発明では、複数の異なる加振周波数、加振波形を用いて体表から生体内の動脈を振動させる手段と、加振手段により与えられ動脈上を伝搬した振動を電気信号に変換する振動検出手段と、最高血圧と最低血圧の絶対値を測定するキャリブレーション用血圧計と、振動検出手段により検出された振動信号の位相変化から相対的な血圧値の変化を算出する手段と、算出された相対的な血圧値の変化とキャリブレーション用血圧計からの測定値により連続的に生体内の血圧を算出する血圧算出手段を備え、血管に振動を誘発する際に用いた各々の加振周波数、加振波形を持つ振動波について振動検出手段によって検出された振動信号の位相変化および振幅変化から円弧推定を行ない、振幅の減衰率、円弧半径の変動率が最も小さい加振周波数、加振波形を最適な加振周波数、加振波形と決定するように構成したものである。 【0007】このように構成したことにより、各被検者に対してより適した加振周波数、加振波形を決定し、それによって高信頼性、高精度を実現する非観血連続血圧計が得られる。 【0008】 【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明は、血管を振動させるための加振手段と、血管を伝搬した振動を検出する振動検出手段と、振動センサからの電気信号を位相検波する位相検波手段と、位相検波信号を解析するプロセッサ手段とを備え、振動の伝搬速度を計測することで人体の血圧を連続的かつ非観血的に測定する非観血連続血圧計において、被検体の血圧測定に先立って、前記加振手段により複数の異なる加振周波数で血管を加振する手段と、それら各加振周波数での振動を前記振動検出手段により検出する手段と、前記振動検出手段からの電気信号を解析することで最適加振周波数を求める手段と、前記加振手段の加振周波数を前記最適周波数と決定する手段とを具備する非観血連続血圧計であり、最適の周波数を選択して血圧測定をすることにより、血圧測定の信頼性および精度を向上させるという作用を有する。 【0009】本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1記載の非観血連続血圧計において、前記最適周波数を決定する手段は、血管を伝搬した加振信号の減衰が最小になる周波数を選択する手段を有するものであり、減衰の少ない最適な周波数の加振信号により血圧を測定するという作用を有する。 【0010】本発明の請求項3記載の発明は、請求項1記載の非観血連続血圧計において、前記最適周波数を決定する手段は、血管を伝搬した加振信号の振幅の分散が最小になる周波数を選択する手段を有するものであり、分散の少ない最適な周波数の加振信号により血圧を測定するという作用を有する。 【0011】本発明の請求項4記載の発明は、請求項1記載の非観血連続血圧計において、前記最適周波数を決定する手段は、血管を伝搬した加振信号の位相偏移が最大になる周波数を選択する手段を有するものであり、位相偏移の大きい最適な周波数の加振信号により血圧を測定するという作用を有する。 【0012】本発明の請求項5記載の発明は、請求項1記載の非観血連続血圧計において、前記最適周波数を決定する手段は、血管を伝搬した加振信号の減衰と、血管を伝搬した加振信号の振幅の分散と、血管を伝搬した加振信号の位相偏移のいずれか2つ、もしくは全てを含む評価関数を最小にする周波数を選択する手段を有するものであり、総合的な効率のよい最適な周波数の加振信号により血圧を測定するという作用を有する。 【0013】本発明の請求項6記載の発明は、血管を振動させるための加振手段と、血管を伝搬した振動を検出する振動検出手段と、振動センサからの電気信号を位相検波する位相検波手段と、位相検波信号を解析するプロセッサ手段とを備え、振動の伝搬速度を計測することで人体の血圧を連続的かつ非観血的に測定する非観血連続血圧計において、被検体の血圧測定に先立って、前記加振手段により複数の異なる加振波形で血管を加振する手段と、それら各加振波形での振動を前記振動検出手段により検出する手段と、前記振動検出手段からの電気信号を解析することで最適加振波形を求める手段と、前記加振手段の加振波形を前記最適波形と決定する手段とを具備する非観血連続血圧計であり、最適な波形の加振信号を選択して血圧を測定するという作用を有する。 【0014】本発明の請求項7記載の発明は、請求項6記載の非観血連続血圧計において、前記最適波形の選択方法に関して、血管を伝搬した加振信号の減衰が最小になる波形を選択するものであり、減衰の小さい最適な波形の加振信号を選択して血圧を測定するという作用を有する。 【0015】本発明の請求項8記載の発明は、請求項6記載の非観血連続血圧計であり、前記最適波形を決定する手段は、血管を伝搬した加振信号の振幅の分散が最小になる波形を選択する手段を有するものであり、分散の小さい最適な波形の加振信号を選択して血圧を測定するという作用を有する。 【0016】本発明の請求項9記載の発明は、請求項6記載の非観血連続血圧計において、前記最適波形を決定する手段は、血管を伝搬した加振信号の位相偏移が最大になる波形を選択する手段を有するものであり、位相偏移の大きい最適な波形の加振信号を選択して血圧を測定するという作用を有する。 【0017】本発明の請求項10記載の発明は、請求項6記載の非観血連続血圧計において、前記最適波形を決定する手段は、血管を伝搬した加振信号の減衰と、血管を伝搬した加振信号の振幅の分散と、血管を伝搬した加振信号の位相偏移のいずれか2つ、もしくは全てを含む評価関数を最小にする波形を選択する手段を有するものであり、総合的な効率のよい最適な波形の加振信号を選択して血圧を測定するという作用を有する。 【0018】本発明の請求項11記載の発明は、血管を振動させるための加振手段と、血管を伝搬した振動を検出する振動検出手段と、振動センサからの電気信号を位相検波する位相検波手段と、位相検波信号を解析するプロセッサ手段とを備え、振動の伝搬速度を計測することで人体の血圧を連続的かつ非観血的に測定する非観血連続血圧測定方法において、被検体の血圧測定に先立って、前記加振手段により複数の異なる加振周波数で血管を加振し、それら各加振周波数での振動を前記振動検出手段により検出し、前記振動検出手段からの電気信号を解析することで最適加振周波数を求め、前記加振手段の加振周波数を前記最適周波数とする非観血連続血圧測定方法であり、最適の周波数を選択して血圧測定をすることにより、血圧測定の信頼性および精度を向上させるという作用を有する。 【0019】本発明の請求項12記載の発明は、請求項11記載の非観血連続血圧測定方法において、前記最適周波数の選択方法に関して、血管を伝搬した加振信号の減衰が最小になる周波数を選択するものであり、減衰の少ない最適な周波数の加振信号により血圧を測定するという作用を有する。 【0020】本発明の請求項13記載の発明は、請求項11記載の非観血連続血圧測定方法において、前記最適周波数の選択方法に関して、血管を伝搬した加振信号の振幅の分散が最小になる周波数を選択するものであり、分散の少ない最適な周波数の加振信号により血圧を測定するという作用を有する。 【0021】本発明の請求項14記載の発明は、請求項11記載の非観血連続血圧測定方法において、前記最適周波数の選択方法に関して、血管を伝搬した加振信号の位相偏移が最大になる周波数を選択するものであり、位相偏移の大きい最適な周波数の加振信号により血圧を測定するという作用を有する。 【0022】本発明の請求項15記載の発明は、請求項11記載の非観血連続血圧測定方法において、前記最適周波数の選択方法に関して、血管を伝搬した加振信号の減衰と、血管を伝搬した加振信号の振幅の分散と、血管を伝搬した加振信号の位相偏移のいずれか2つ、もしくは全てを含む評価関数を最小にする周波数を選択するものであり、総合的な効率のよい最適な周波数の加振信号により血圧を測定するという作用を有する。 【0023】本発明の請求項16記載の発明は、血管を振動させるための加振手段と、血管を伝搬した振動を検出する振動検出手段と、振動センサからの電気信号を位相検波する位相検波手段と、位相検波信号を解析するプロセッサ手段とを備え、振動の伝搬速度を計測することで人体の血圧を連続的かつ非観血的に測定する非観血連続血圧測定方法において、被検体の血圧測定に先立って、前記加振手段により複数の異なる加振波形で血管を加振し、それら各加振波形での振動を前記振動検出手段により検出し、前記振動検出手段からの電気信号を解析することで最適加振波形を求め、前記加振手段の加振波形を前記最適波形とする非観血連続血圧測定方法であり、最適な波形の加振信号を選択して血圧を測定するという作用を有する。 【0024】本発明の請求項17記載の発明は、請求項16記載の非観血連続血圧測定方法において、前記最適波形の選択方法に関して、血管を伝搬した加振信号の減衰が最小になる波形を選択するものであり、減衰の小さい最適な波形の加振信号を選択して血圧を測定するという作用を有する。 【0025】本発明の請求項18記載の発明は、請求項16記載の非観血連続血圧測定方法において、前記最適波形の選択方法に関して、血管を伝搬した加振信号の振幅の分散が最小になる波形を選択するものであり、分散の小さい最適な波形の加振信号を選択して血圧を測定するという作用を有する。 【0026】本発明の請求項19記載の発明は、請求項16記載の非観血連続血圧測定方法において、前記最適波形の選択方法に関して、血管を伝搬した加振信号の位相偏移が最大になる波形を選択するものであり、位相偏移の大きい最適な波形の加振信号を選択して血圧を測定するという作用を有する。 【0027】本発明の請求項20記載の発明は、請求項16記載の非観血連続血圧測定方法において、前記最適波形の選択方法に関して、血管を伝搬した加振信号の減衰と、血管を伝搬した加振信号の振幅の分散と、血管を伝搬した加振信号の位相偏移のいずれか2つ、もしくは全てを含む評価関数を最小にする波形を選択するものであり、総合的な効率のよい最適な波形の加振信号を選択して血圧を測定するという作用を有する。 【0028】以下、本発明の実施の形態について、図1〜図5を参照しながら詳細に説明する。 【0029】(第1の実施の形態)本発明の第1の実施の形態は、被検体の血圧測定に先立って、加振手段により複数の異なる加振周波数で血管を加振し、それら各加振周波数での振動を振動検出手段により検出し、振動検出手段からの電気信号を解析することで最適加振周波数を求め、加振手段の加振周波数を最適周波数とする非観血連続血圧計である。 【0030】図1は、本発明の第1の実施の形態の非観血連続血圧計の構成を示すブロック図である。図1において、加振器センサ1は、超音波センサーである。加振器2は、超音波振動子である。伝搬波センサ3は、超音波センサーである。増幅器4は、駆動用の超音波とセンサーの超音波を増幅するアンプである。AD/DA変換器5は、デジタル変換するAD変換器とアナログ変換するDA変換器である。MPU6は、波形の生成と最適周波数の決定と各種の演算処理を行なうプロセッサである。キャリブレーション用血圧計7は、基準となる血圧を測定する装置である。モニタ8は、表示装置である。 【0031】MPU6は、まず周波数f1の加振波形Asin(2πf1t)を生成する。MPU6によって生成された加振波形Asin(2πf1t)は、AD/DA変換器5によってDA変換され、増幅器4によって増幅される。加振器2は、増幅器4によって増幅された加振波形Asin(2πf1t)を血管上に誘発する。このときの振動は、加振器センサ1によって計測され、増幅器4によって増幅され、AD/DA変換器5によってAD変換されて、MPU6に入力される。 【0032】伝搬波センサ3は、加振器2によって誘発され、血管壁を伝搬してきた振動を計測する。伝搬波センサ3によって計測された振動は、増幅器4によって増幅され、AD/DA変換器5によってAD変換されて、振動信号W1としてMPU6に入力される。この動作は、T秒間連続して行なわれる。次に、MPU6は、周波数f2の加振波形Asin(2πf2t)を生成し、周波数f1のときと同じプロセスを経て、伝搬波センサ3によって計測された振動信号W2が、MPU6に入力される。同様にして、f3、f4、・・・、fnという周波数を持つ任意の数の加振波形Asin(2πfit)(i=1,2,・・・,n)について、上記のプロセスが実行され、MPU6に振動信号Wi(i=1,2,・・・,n)が入力される。MPU6は、加振器センサ1の信号と振動信号Wiに基づいて、加振周波数f1,f2,・・・,fnの中から、被検者の血圧の測定に最も適した加振周波数を決定する。MPU6は、得られた最適加振周波数で加振器2を振動させて、血管に振動を誘発し、キャリブレーション用血圧計7から出力される最高血圧および最低血圧の絶対値と、伝搬波センサ3によって検出された振動信号の入力から、特表平9−506024号公報で述べられている方式により、連続血圧を算出する。算出された連続血圧値は、時系列波形として、モニタ8に出力される。また、モニタ8には、一心拍毎の最高、最低血圧と心拍数も表示される。 【0033】図2に示すとおり、本発明の第1の実施の形態は、ステップ51の最適周波数決定ステップとステップ52の血圧測定ステップとから構成される。図3は、MPU6によって実行される最適加振周波数決定ステップの手順を表している。 【0034】MPU6に入力された振動信号W1は、ステップ101におけるフィルタ処理によって、周波数f1の加振波形成分が他の成分から分離される。フィルタ処理によって得られた加振波形成分は、ステップ102で、直交検波として知られている方法によって位相変化分が算出され、位相変化分の実成分(I成分)と虚成分(Q成分)が出力される。 【0035】ステップ103では、図4に示すように、加振波形の位相変化分のI成分とQ成分がI−Q平面上で形成する円弧の中心推定を行なう。ステップ104では、ステップ103において求められた円弧の中心点と、ステップ102の直交検波によって得られた各点(I1,Q1)、(I2,Q2)、・・・、(In,Qn)との距離(円弧半径)r1、r2、・・・、rnの平均値Rf1Aveを求め、加振器センサ1によって検出される加振器波形の振幅Aexに対する振幅(円弧半径)の減衰率Pf1を、以下の式によって算出する。 Pf1=1・(Rf1Ave/Aex) 【0036】また、ステップ104では、r1、r2、・・・、rnの分散値Rf1Varも求める。同様にして、ステップ104では、振動信号W2、W3、・・・、Wnから、Pf2、Pf3、・・・、Pfn、およびRf1Var、Rf2Var、・・・、RfnVarを算出する。 【0037】ステップ105では、ステップ104において算出されたPf1、Rf1Var(i=1,2,・・・,n)に基づいて、fiの中から被検者の血圧の測定に最も適した加振振動周波数を算出する。ステップ105では、まず振幅減衰率Pf1、Pf2、・・・、Pfnと、円弧半径の分散値Rf1Var、Rf2Var、・・・、RfnVarの標準偏差PStd、RStdを計算する。つぎに、PStd、RStdを用いて、最適加振周波数判定値Zfi(i=1,2,・・・,n)を、以下の式から求める。 Zfi=α・(Pfi/PStd)+β・(RfiVar/RStd) 【0038】ステップ105では、Zfiが最も小さくなるfiを、被検者の血圧の測定に最も適した加振振動周波数として出力する。なお、α、βは、各判定要素(Pfi/PStd)と(RfiVar/RStd)の重要度に応じて決定される、重み付けのため値である。 【0039】上記のように、本発明の第1の実施の形態では、非観血連続血圧計を、複数の異なる加振周波数を用いて体表から生体内の動脈を振動させる手段と、加振手段により与えられ動脈上を伝搬した振動を電気信号に変換する振動検出手段と、最高血圧と最低血圧の絶対値を測定するキャリブレーション用血圧計と、振動検出手段により検出された振動信号の位相変化から相対的な血圧値の変化を算出する手段と、算出された相対的な血圧値の変化とキャリブレーション用血圧計からの測定値により連続的に生体内の血圧を算出する血圧算出手段を備え、血管に振動を誘発する際に用いた各々の加振周波数を持つ振動波について振動検出手段によって検出された振動信号の位相変化および振幅変化から円弧推定を行ない、振幅の減衰率、円弧半径の変動率が最も小さい加振周波数を最適な加振周波数と決定するように構成したので、各被検者に対してより適した加振周波数を決定し、それによって高信頼性、高精度を実現できる。 【0040】(第2の実施の形態)本発明の第2の実施の形態は、被検体の血圧測定に先立って、加振手段により複数の異なる波形の加振振動で血管を加振し、それら各加振波形での振動を振動検出手段により検出し、振動検出手段からの電気信号を解析することで最適加振波形を求め、加振手段の加振波形を最適波形とする非観血連続血圧計である。 【0041】本発明の第2の実施の形態が第1の実施の形態と異なるところは、矩形波や三角波など、正弦波以外の複数の波形を用いて血管を振動させて、最適な加振振動波形を決定する点である。 【0042】本発明の第2の実施の形態の非観血連続血圧計の構成は、図1に示すブロック図と同じである。図5は、本発明の第2の実施の形態の処理手順を示すフロー図である。ステップ61の最適波形決定ステップと、ステップ62の血圧測定ステップとから構成される。 【0043】MPU6は、まず周波数fの加振矩形波を生成する。MPU6によって生成された加振矩形波は、AD/DA変換器5によってDA変換され、増幅器4によって増幅される。加振器2は、増幅器4によって増幅された加振矩形波を血管上に誘発する。このときの振動は、加振器センサ1によって計測され、増幅器4によって増幅され、AD/DA変換器5によってAD変換されて、MPU6に入力される。 【0044】伝搬波センサ3は、加振器2によって誘発され、血管壁を伝搬してきた振動を計測する。伝搬波センサ3によって計測された振動は、増幅器4によって増幅され、AD/DA変換器5によってAD変換されて、振動信号W1としてMPU6に入力される。この動作は、T秒間連続して行なわれる。次に、MPU6は、周波数fの加振三角波を生成し、矩形波のときと同じプロセスを経て、伝搬波センサ3によって計測された振動信号W2が、MPU6に入力される。同様にして、鋸歯状波など任意の数の加振波形について、上記のプロセスが実行され、MPU6に振動信号Wi(i=1,2,・・・,n)が入力される。MPU6は、加振器センサ1の信号と振動信号Wiに基づいて、加振波形の中から、被検者の血圧の測定に最も適した加振波形を決定する。MPU6は、得られた最適加振波形で加振器2を振動させて、血管に振動を誘発し、キャリブレーション用血圧計7から出力される最高血圧および最低血圧の絶対値と、伝搬波センサ3によって検出された振動信号の入力から、特表平9−506024号公報で述べられている方式により、連続血圧を算出する。算出された連続血圧値は、時系列波形として、モニタ8に出力される。また、モニタ8には、一心拍毎の最高、最低血圧と心拍数も表示される。 【0045】図5に示すとおり、本発明の第2の実施の形態は、ステップ61の最適波形決定ステップとステップ62の血圧測定ステップとから構成される。MPU6によって実行される最適加振波形決定ステップの手順は、図3と同じである。 【0046】上記のように、本発明の第2の実施の形態では、非観血連続血圧計を、複数の異なる加振波形を用いて体表から生体内の動脈を振動させる手段と、加振手段により与えられ動脈上を伝搬した振動を電気信号に変換する振動検出手段と、最高血圧と最低血圧の絶対値を測定するキャリブレーション用血圧計と、振動検出手段により検出された振動信号の位相変化から相対的な血圧値の変化を算出する手段と、算出された相対的な血圧値の変化とキャリブレーション用血圧計からの測定値により連続的に生体内の血圧を算出する血圧算出手段を備え、血管に振動を誘発する際に用いた各々の加振波形を持つ振動波について振動検出手段によって検出された振動信号の位相変化および振幅変化から円弧推定を行ない、振幅の減衰率、円弧半径の変動率が最も小さい加振波形を、最適な加振波形と決定するように構成したので、各被検者に対してより適した加振波形を決定し、それによって高信頼性、高精度を実現できる。 【0047】 【発明の効果】以上説明したように、本発明では、複数の異なる加振周波数、加振波形を用いて体表から生体内の動脈を振動させることにより、各被検者血圧の測定に最も適した加振周波数と加振波形を決定して、非観血連続血圧計の測定精度および信頼性を向上させるという効果が得られる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005821 【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)6月1日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】役 昌明 (外3名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−342116 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)12月14日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−165839 |
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