| 【発明の名称】 |
自走式大腸内視鏡 |
| 【発明者】 |
【氏名】高田 昌純
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| 【要約】 |
【課題】挿入性が良好で、被検者に苦痛を与えることなく、しかも短時間に、かつ容易にそして安全に挿入することができる自走式大腸内視鏡を提供する。
【解決手段】先端部、彎曲部、軟性部及び操作部よりなる自走式大腸内視鏡であって、先端部には撮像素子又はイメージガイドとライトガイドを備え、軟性部表面には軟性部先端より0〜3cm手前から操作部まで達する2本以上の断面が正円形のエンドレスベルトが設けられ、該エンドレスベルトは操作部に設けられた駆動装置により駆動され、軟性部先端より0〜3cm手前のガイドホールから軟性部表面へ送り出され、軟性部表面に設けられたガイドフックにより保持され、該エンドレスベルトの長さが軟性部先端より0〜3cm手前のガイドホールから駆動装置を経由してガイドホールまで軟性部を真直ぐにして緊張して一周して戻る長さの105〜150%であり、該エンドレスベルトの駆動により大腸内を自走する自走式大腸内視鏡。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】先端部、彎曲部、軟性部及び操作部よりなる自走式大腸内視鏡であって、先端部には撮像素子又はイメージガイドのファイバーの束とライトガイドのファイバーの束を備え、軟性部表面には軟性部先端より0〜3cm手前から操作部まで達する2本以上の断面が正円形のエンドレスベルトが設けられ、該エンドレスベルトは操作部に設けられた駆動装置により駆動され、該エンドレスベルトは軟性部先端より0〜3cm手前のガイドホールから軟性部表面へ送り出され、該エンドレスベルトは軟性部表面に設けられた対応する内角が180度を超える円弧状のガイドフックにより保持され、該エンドレスベルトの長さが軟性部先端より0〜3cm手前のガイドホールから駆動装置を経由してガイドホールまで軟性部を真直ぐにして緊張して一周して戻る長さの105〜150%であり、該エンドレスベルトの駆動により大腸内を自走する自走式大腸内視鏡。 【請求項2】エンドレスベルトの本数が100本以下である請求項1記載の自走式大腸内視鏡。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、自走式大腸内視鏡に関するものである。さらに詳しくは、本発明は、挿入性が良好で、苦痛を伴わない大腸の観察と撮影、診断及び施術などに利用される自走式大腸内視鏡に関するものである。 【0002】 【従来の技術】内視鏡検査は診断上重要なものであって、検査部位の観察、撮影、検査部位からの診査切除による悪性腫瘍の発見・摘出・切除・手術、その他病態生理と病状経過の観察、異物除去などに広く用いられており、大腸にも適用されるようになっている。現在の大腸内視鏡は、いろいろなテクニックを労しても結局は大腸内へ手で押し込んで挿入するものであるため、腸管の過伸展、過拡張などにより、被検者が腹痛や腹満感を強く訴えるために大腸内視鏡の挿入を中止したり、また、偶発症として出血や腸管穿孔を起こすことすら稀ではない。上記症状は過去の腹部の手術による腸管と腹膜の癒着のある被検者に特に強く、そして度々おきる。大腸内視鏡の場合、特にS状結腸の通過及び下行結腸へ円滑に挿入するために高度の技術を必要とするが、そのほかに脾彎曲、横行結腸及び肝彎曲の通過や、過去の手術による癒着部分なども、大腸内視鏡を通過させるのに困難を伴う。そのため、大腸内視鏡を取り扱うことができるのは、大腸内視鏡操作に熟達した医師に限られ、それでもなお被検者もまたある程度の苦痛を伴うのはやむを得ないこととされていた。本発明者は、先に特開平8−38416号公報において、被検者に苦痛を与えることなく、しかも短時間に、かつ容易にそして安全に挿入できる大腸内視鏡として、大腸内視鏡の軟性部先端より3〜10cm手前から操作部まで達するエンドレスベルトを備え、操作部に設けた駆動装置により該エンドレスベルトを駆動することにより、円滑に大腸内へ進入して行く自走式大腸内視鏡を提案した。この自走式大腸内視鏡は、被検者に苦痛を与えることなく、容易に挿入し得るものであるが、その後さらに一層の挿入性の改良と、大腸内における出血や疼痛の危険性の低減が求められるようになった。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、挿入性が良好で、被検者に苦痛を与えることなく、しかも短時間に、かつ容易にそして安全に挿入することができる自走式大腸内視鏡を提供することを目的としてなされたものである。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、エンドレスベルトを備え、操作部に設けた駆動装置により該エンドレスベルトを駆動する自走式大腸内視鏡において、エンドレスベルトを、自走式大腸内視鏡の軟性部先端より0〜3cm手前から操作部まで達せしめることにより、自走式大腸内視鏡の挿入性が一層改良され、また、エンドレスベルトの回転の初期のエンドレスベルトと大腸壁との接触面積がより広がることから、大腸壁の出血や損傷の危険性が一層減少することを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成した。すなわち、本発明は、(1)先端部、彎曲部、軟性部及び操作部よりなる自走式大腸内視鏡であって、先端部には撮像素子又はイメージガイドのファイバーの束とライトガイドのファイバーの束を備え、軟性部表面には軟性部先端より0〜3cm手前から操作部まで達する2本以上の断面が正円形のエンドレスベルトが設けられ、該エンドレスベルトは操作部に設けられた駆動装置により駆動され、該エンドレスベルトは軟性部先端より0〜3cm手前のガイドホールから軟性部表面へ送り出され、該エンドレスベルトは軟性部表面に設けられた対応する内角が180度を超える円弧状のガイドフックにより保持され、該エンドレスベルトの長さが軟性部先端より0〜3cm手前のガイドホールから駆動装置を経由してガイドホールまで軟性部を真直ぐにして緊張して一周して戻る長さの105〜150%であり、該エンドレスベルトの駆動により大腸内を自走する自走式大腸内視鏡、及び、(2)エンドレスベルトの本数が100本以下である第(1)項記載の自走式大腸内視鏡、を提供するものである。 【0005】以下、本発明を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の自走式大腸内視鏡の一態様を示す斜視図であり、図2は、本発明の自走式大腸内視鏡の電子スコープを用いた一態様を示す部分断面図である。本発明の大腸内視鏡は、先端部1、彎曲部2、軟性部3及びこの軟性部の基端に設けられた操作部4から構成されている。本発明の大腸内視鏡において、彎曲部2が操作部4の操作つまみ20によって上下左右斜めに屈曲できるよう形成されている。図3は、先端部の正面図である。先端部には、受像口6、2つの投光口7、吸引鉗子口8及び送気送水口9が設けられている。また、先端部1の内部には、受像口6に臨んで対物レンズ10及び撮像素子11が、投光口7に臨んで、ライトガイド12がそれぞれ配置されている。撮像素子11としては、例えば、電荷結合素子CCDなどが用いられる。図4は、本発明の自走式大腸内視鏡の軟性部3の断面図である。軟性部には、その表面に2本以上のエンドレスベルト13が長手方向に沿って設けられている。エンドレスベルトの数が1本では、大腸内視鏡は円滑に自走しない。エンドレスベルトの数は、軟性部の外表面に一重に設置すれば多ければ多い程大腸粘膜を傷つけにくくなり、自走性も向上する。エンドレスベルトは軟性部の表面に設けられたガイドフック14により保持される。ガイドフックはエンドレスベルトより僅かに太い直径をもち、対応する内角が180度を超える円弧状である。ガイドフックの円弧の内角が180度以下であると、ガイドフックによりエンドレスベルトを保持することができない。ガイドフックは軟性部の長手方向に、0〜90cmの間隔で設置することが好ましく、0〜20cmの間隔で設置することがより好ましく、0〜6cmの間隔で設置することがさらに好ましい。 【0006】本発明の大腸内視鏡の軟性部の内部26には、エンドレスベルト用のガイドパイプ15のほかに、撮像素子11で検出された受像信号を外部装置、例えばモニター装置へ伝送するための受像信号伝送用リード線又はイメージガイドのファイバーの束、ライトガイドのファイバーの束、送気送水管、吸引鉗子ガイド管、その他、手術などに用いる機構を必要に応じて収納するが、図4においてはこれらの機構は省略している。図5は、軟性部の先端付近の部分断面図であり、図6は、軟性部の先端付近の部分平面図である。軟性部内のガイドパイプ15を通って送られてきたエンドレスベルトは、軟性部最先端より0〜3cm手前に設けられたガイドホール16から軟性部の外側へ出る。本発明の大腸内視鏡において、ガイドホールの位置は軟性部先端より0〜3cm手前である。ガイドホールの位置を軟性部先端より0〜3cm手前とすることにより、自走式大腸内視鏡の挿入性がより改善されるとともに、エンドレスベルト回転の初期のエンドレスベルトと大腸壁との接触面積がより広くなることから、大腸壁の出血や疼痛の危険性が一層低減する。軟性部先端とガイドホールの距離が3cmを超えると、軟性部が損傷しにくくなるという利点はあるものの、自走式大腸内視鏡の挿入性が劣り、大腸壁の出血や疼痛の危険性が生ずるおそれがある。本発明の大腸内視鏡において、ガイドホールより軟性部の外側へ出たエンドレスベルトは、操作部に設けた駆動装置により引き戻される。エンドレスベルトは、本発明の大腸内視鏡の軟性部表面において大腸壁に圧着されており、エンドレスベルトの移動とともに大腸内視鏡は大腸の内部へ進行していくので、大腸内視鏡を手で大腸の中へ押し込む必要はない。ガイドホールには、Oリング又はベアリングなどを設けて液密とし、大腸内の異物が軟性部の中へ侵入することを防止することが好ましい。Oリングとしては、摩擦抵抗の小さいポリテトラフルオロエチレン製のものなどが適しており、ベアリングとしてはナイロンのようなプラスチック製のものや、ステンレス鋼のような金属製のものを使用することができる。ガイドパイプ15は、エンドレスベルトがガイドパイプ内でたるむので、エンドレスベルトの直径より太くしておく必要がある。 【0007】本発明の大腸内視鏡において、エンドレスベルトの長さは、軟性部を直線状に保持した状態で、軟性部先端より0〜3cm手前のガイドホールから、駆動装置を経由してガイドホールに緊張して一周して戻る長さの105〜150%である。エンドレスベルトの長さを、ガイドホールと駆動装置を直線的に結ぶ長さより長くすることにより、エンドレスベルトは大腸内視鏡の軟性部が、例えば、S状結腸のように屈曲した部分を通過する際にも、エンドレスベルトは軟性部の屈曲に十分追随し、安定して大腸内視鏡を大腸内へ進めることができる。なお、エンドレスベルトの材質は、特に限定されるものではないが、炭素繊維などが好ましい。本発明の大腸内視鏡において、エンドレスベルトは直径1〜3mmのものを、軟性部は直径8〜30mmのものを好適に使用することができる。本発明の大腸内視鏡の操作部4の外側には、軟性部3の内部に挿通された各リード線とライトガイドのファイバーの束と各種の管を外部へ導出するための可撓性を有するユニバーサルコード5、鉗子17を挿入管の吸引鉗子ガイド管を通して吸引鉗子口8から突出させる鉗子挿入口18、吸引ボタン29、空気と洗浄水を挿入管内の送気送水管を通じて送気送水口9から噴射させるための送気送水ボタン19、彎曲部2を上下左右斜めに屈曲させる操作つまみ20などがそれぞれ設けられる。また、操作部4の内部には、エンドレスベルト13を駆動するための駆動装置21が設けられる。駆動装置21は、エンドレスベルトを挟持する一対のガイドローラ22、23と、この一方のガイドローラ23を平歯車や傘歯車からなる歯車列24を介して回転させるモータ25とから構成される。 【0008】次に、本発明の自走式大腸内視鏡の使用方法を説明する。先端部1を手で肛門から直腸上端まで挿入し、その後モータ25を駆動させガイドローラ23を回転させ、エンドレスベルト13を回行させる。この状態において、直腸壁に軟性部の外表面に備えられた断面形状が円形のエンドレスベルト13が接触した状態となり、その接触抵抗によって軟性部がさらに奥へ進入する。その後は、直腸壁及び結腸壁とエンドレスベルトの接触抵抗により、先端部、灣曲部及び軟性部はS状結腸を通過し大腸最深部まで自走する。又、エンドレスベルトが前進するために回転するので、S状結腸は直腸の方向へ後退する。そうすれば、下行結腸末端と大腸内視鏡先端が近くなり、しかも下行結腸とS状結腸が直線状につながり、大腸内視鏡を無痛でS状結腸から下行結腸に挿入出来る。又、横行結腸の中をエンドレスベルトが前進する為に、回転中も横行結腸は、下行結腸の方向へ後退するので、横行結腸と上行結腸が鈍角になるので、被検者が苦痛を感じないで大腸内視鏡を横行結腸から上行結腸に挿入出来る。このため、大腸が屈曲している部位であっても、エンドレスベルトの駆動により、大腸壁に沿って軟性部の先端が誘導され、被検者に苦痛を与えることなく、先端部を大腸内の所望部位まで挿入することができる。必要に応じて、操作つまみ20により先端部の方向を上下左右斜めに調節するが、大腸内視鏡を手で押し込む必要は全くない。本発明の大腸内視鏡においては、軟性部の外表面のほぼ全長にわたってエンドレスベルトが存在するので、軟性部の大腸内への挿入長が長くなるにしたがって大腸壁とエンドレスベルトとの接触面積が大きくなり、大腸壁の一部に過大な接触抵抗をかけることがなく、大腸内深部の所望部位まで先端部を安全に挿入することができる。しかも、エンドレスベルトはガイドフックで保持されているために、大腸の屈曲に伴う軟性部の屈曲によっても軟性部から外れることがなく、常に大腸壁に沿って接触させることができ、従って大腸壁の損傷及び進行不良を生じることがない。なお、本発明の自走式大腸内視鏡は、電子スコープにもファイバースコープにも適用することができる。図7は、本発明の自走式大腸内視鏡のファイバースコープを用いた一態様を示す部分断面図である。本態様の大腸内視鏡においては、先端部の受像口で捕らえられた像はイメージガイド27のファイバーの束を通じて、接眼部28より直接肉眼で観察することができる。 【0009】 【発明の効果】本発明の自走式大腸内視鏡は、軟性部先端より0〜3cm手前から、軟性部の外表面長手方向に沿って設けたエンドレスベルトを駆動させ、エンドレスベルトと直腸壁及び結腸壁及び盲腸壁の摩擦抵抗により大腸内視鏡を誘導するので、挿入性に優れ、軟性部が屈曲しても被検者に苦痛を与えることなく、安全にかつ短時間で大腸内に挿入することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】594104283 【氏名又は名称】高田 昌純
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)6月3日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】内山 充
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| 【公開番号】 |
特開平11−342106 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)12月14日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−154601 |
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