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【発明の名称】 送気装置
【発明者】 【氏名】碓井 健夫

【要約】 【課題】高精度で大流量まで測定可能な流量測定手段を備えた送気装置を提供する。

【解決手段】管路204の途中に、この管路204を流れる気体の分岐出口306と分岐入口307とを有する分流分岐部材304を直列に接続する。分流分岐部材304の分岐出口306と分岐入口307とを、途中に流量センサ310が設けられたバイパス管路308によって連通する。また、分流分岐部材304に、分岐出口306と分岐入口307との間の距離を可変とし、管路204からバイパス管路308に分流される気体の分流比を調整する分流比調整手段404を設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 生体の体腔内に炭酸ガス等の気体を注入する送気装置において、気体を供給源から体腔へ導入するための主管路と、前記主管路の途中に直列に接続され、この主管路を流れる気体の分岐出口と分岐入口とを有する分流分岐部材と、前記分岐出口と前記分岐入口とを連通して前記主管路を流れる気体の一部を所定の分流比でバイパスするバイパス管路と、前記バイパス管路に直列に接続され該バイパス管路の気体の流量を測定する流量センサと、前記バイパスされる気体の分流比と前記流量センサで測定したバイパス管路の気体の流量とに基づき主管路の気体の流量を導く演算手段と、前記主管路から前記バイパス管路に分流される気体の流量の比率を変化させる分流比調整手段と、を備えたことを特徴とする送気装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する分野】本発明は、気体供給源であるガスボンベから供給される高圧のガスを所定の圧力に減圧して腹腔に送り込む送気装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、患者への侵襲を小さくするために開腹することなく、観察用の内視鏡を体腔内に導くトラカールと、処置具を処置部位に導くトラカールとを患者の腹部に穿刺して、内視鏡で処置具と処置部位とを観察しながら治療処置を行う腹腔鏡下外科手術が行われている。この手法では、内視鏡の視野や処置のための空間領域を確保するため炭酸ガスなどの送気ガスを腹腔内に送り込む送気装置が使用される。
【0003】送気装置の従来例を図13を参照して説明する。従来の気腹装置は、患者の腹腔内にガスとして例えば炭酸ガス(以下二酸化炭素ガスあるいはCO2 ガスとも記載する)を送気する際、高圧ボンベに貯溜されている高圧のCO2 ガスを、装置内の1次減圧器、2次減圧器を通過させマニホールドバルブをON/OFF制御することで達成していた。
【0004】図に示すように送気装置201には、CO2 ガスの供給元であるCO2 ボンベ(ガスボンベと記載する)202が高圧ホース203を介して接続される。前記ガスボンベ202から送られる高圧の炭酸ガスは、気腹装置本体内を挿通する主管路204に入力されるようになっている。この主管路204には、上流側から、順に、ガスボンベ202内のCO2 ガスの圧力を約1/20に減圧する1次減圧器205、閉止バルブ206、CO2 ガスの圧力を更に約1/30に減圧する2次減圧器207、腹腔内に送気されたCO2 ガスの量を監視する流量センサー208、電磁弁マニホールド209が直列に挿入されている。
【0005】また、前記高圧ホース203が接続される入力側の主管路204には、CO2ボンベ202から送られるCO2 ガスの圧力値を監視するボンベ圧センサー211が設けられている。また、前記電磁弁マニホールド209には腹腔内の圧力を監視する腹腔圧力センサー212が設けられている。この腹腔圧力センサー212及び前記ボンベ圧センサー211,流量センサー208は制御回路213に電気的に接続され、また、前記閉止バルブ206,電磁弁マニホールド209は駆動回路214を介して前記制御回路213に電気的に接続されている。前記駆動回路214は、排煙機能を制御するピンチバルブ215に接続されている。このピンチバルブ215には吸引チューブ216と排気チューブ217とが連結されており、前記制御回路213に電気的に接続されているフットスイッチ218によって、術中に腹腔内に充満した煙を排煙することができる。
【0006】送気装置201からは施設内の医用コンセントに接続される電源供給用の電源コード219が延出しており、電源スイッチ221を介して電源部222に接続されている。そして、この電源部222から前記制御回路213,駆動回路214へ電力が供給される。
【0007】送気装置201の装置本体の前面には入力部とパネルからなる表示部とを備えたパネル表示スイッチ入力223が設けられており、このパネル表示スイッチ入力223の入力部を介して設定される各種設定値がパネルコントローラー224を介して制御回路に入力される。
【0008】なお、このパネル表示スイッチ入力223には前記制御回路213、パネルコントローラー224を介して電力が供給されるようになっている。また、符号225はこの送気装置201を例えば外部コントローラー(不図示)により制御する場合に使用されるシステム用コネクタである。
【0009】前述のように構成されている送気装置201の作用を説明する。先ず、術前にトラカール220、送気チューブ210や必要に応じて排煙を行う為のフットスイッチ218、吸引チューブ216、排気チューブ217を所定の状態に準備しておく。
【0010】次に、送気装置201の電源スイッチ221を操作して電源を投入する。すると、制御回路213が作動して送気装置201を初期状態に設定する。この初期状態では閉止バルブ206が閉状態であるので、ガスボンベ202から供給された高圧なCO2 ガスは、1次減圧器205で減圧された状態で前記閉止バルブ206の前段で閉止される。
【0011】次いで、パネル表示スイッチ入力223によって、術式に合った出力設定を行うと共に、送気開始の設定を行い、パネル表示スイッチ入力223に設けられている送気スイッチ(不図示)を操作して「オン状態」にする。すると、前記閉止バルブ206が開放され、2次減圧器207以降の主管路204内にCO2 ガスが流れていく。そして、流量及び圧力が高精度に制御されたCO2 ガスが、送気装置201に接続されている送気チューブ210へ送られ、腹腔に穿刺されているトラカール220を介して腹腔内に送られていく。このときの送気装置201から腹腔内へ送られるCO2 ガス供給量は毎分20リッター程度であった。
【0012】ところで、近年、術中に素早く所望の量のCO2 ガスを腹腔内に送り込むことができる送気装置が望まれ、使用者の間からは具体的に現状の2倍である、毎分40リッターで連続して送気可能な高流量の送気装置が要望されていた。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】このように、毎分40リッター以上の高流量で気体を送気可能にするためには、この高流量に対応した流量の計測手段が必要でる。しかし、毎分40リッター程度のレンジの測定が可能な流量センサは一般的に高価であり、上述のように主管路に直列に流量センサを挿入し、主管路の流量を直接的に計測する方式の送気装置は、気体を高流量で送気可能な構成とした場合、装置全体の原価が上昇してしまうという問題があった。
【0014】これに対し、ドイツ特許DE4233849号、及び、特開平5−207970号に示されている送気装置では、主管路を流れる気体の流量計測手段として、主管路にオリフィスを設け、その両端の差圧を測定し、その差圧から、主管路の流量を計算して求める方法が用いられている。
【0015】このような差圧から流量を計算する方法によれば、差圧測定用の圧力センサは安価であり、原価を低く構成することができる。しかし、差圧から流量を求めるには、流量は差圧の平方根に比例するという特性から、計算式が複雑になり、制御用のソフトウェアに大きな負荷がかかってしまうという問題があった。
【0016】また、このような差圧から流量を求める方法によれば、平方根の特性から、差圧の計測誤差を流量に変換すると、流量誤差は、差圧誤差の2乗に比例するため、低流量域での誤差が大きくなってしまうという問題もあった。
【0017】また、その他にも、送気装置の主管路を流れる気体の流量を求める方法として、主管路の気体の流れを分流させて分流側の流量を測定し、この分流流量の値から、全体の流量を計算により求める方法が知られている。
【0018】しかし、この方式の流量測定は、分流の取り出し部分の形状により主となる主管路の流量に対する分流側流量(以下、分流比)が変化するため、製造誤差による形状の違いが測定精度の悪化につながってしまうという問題があった。
【0019】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、高精度で大流量まで測定可能な流量測定手段を備えた送気装置を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、本発明による送気装置は、生体の体腔内に炭酸ガス等の気体を注入する送気装置において、気体を供給源から体腔へ導入するための主管路と、前記主管路の途中に直列に接続されこの主管路を流れる気体の分岐出口と分岐入口とを有する分流分岐部材と、前記分岐出口と前記分岐入口とを連通して前記主管路を流れる気体の一部を所定の分流比でバイパスするバイパス管路と、前記バイパス管路に直列に接続され該バイパス管路の気体の流量を測定する流量センサと、前記バイパスされる気体の分流比と前記流量センサで測定したバイパス管路の気体の流量とに基づき主管路の気体の流量を導く演算手段と、前記主管路から前記バイパス管路に分流される気体の流量の比率を変化させる分流比調整手段と、を備えたことを特徴とする。
【0021】すなわち、前記分流比調整手段により主管路からバイパス管路への気体の分流比を調整することにより、前記演算手段によって導かれる主管路の気体の流量の精度を向上させる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1〜図4は本発明の第1の実施の形態に係わり、図1は送気装置の構成を示す説明図、図2は流量計測手段の構成を示す説明図、図3は分流分岐部材の外観を示す分解斜視図、図4は分流分岐部材の断面図、である。
【0023】図1に示すように送気装置301には、CO2 ガスの供給元であるCO2 ボンベ(ガスボンベと記載する)202が高圧ホース203を介して接続される。前記ガスボンベ202から送られる高圧の炭酸ガスは、気腹装置本体内を挿通する管路(以下、主管路ともいう)204に入力されるようになっている。この管路204には、上流側から順に、ガスボンベ202内のCO2 ガスの圧力を約1/20に減圧する1次減圧器205、閉止バルブ206、CO2 ガスの圧力を更に約1/30に減圧する2次減圧器207、腹腔内に送気されたCO2 ガスの量を監視する流量計測手段302、電磁弁マニホールド209が直列に挿入されている。
【0024】また、前記高圧ホース203が接続される入力側の管路204には、CO2ボンベ202から送られるCO2 ガスの圧力値を監視するボンベ圧センサー211が設けられている。また、前記電磁弁マニホールド209には腹腔内の圧力を監視する腹腔圧力センサー212が設けられている。この腹腔圧力センサー212及び前記ボンベ圧センサー211,流量計測手段302は制御回路213に電気的に接続され、また、前記閉止バルブ206,電磁弁マニホールド209は駆動回路214を介して前記制御回路213に電気的に接続されている。前記駆動回路214は、排煙機能を制御するピンチバルブ215に接続されている。このピンチバルブ215には吸引チューブ216と排気チューブ217とが連結されており、前記制御回路213に電気的に接続されているフットスイッチ218によって、術中に腹腔内に充満した煙を排煙することができる。
【0025】送気装置301からは施設内の医用コンセントに接続される電源供給用の電源コード219が延出しており、電源スイッチ221を介して電源部222に接続されている。そして、この電源部222から前記制御回路213,駆動回路214へ電力が供給される。
【0026】送気装置301の装置本体の前面には入力部とパネルからなる表示部とを備えたパネル表示スイッチ入力223が設けられており、このパネル表示スイッチ入力223の入力部を介して設定される各種設定値がパネルコントローラー224を介して制御回路に入力される。
【0027】なお、このパネル表示スイッチ入力223には前記制御回路213、パネルコントローラー224を介して電力が供給されるようになっている。また、符号225はこの送気装置201を例えば外部コントローラー(不図示)により制御する場合に使用されるシステム用コネクタである。また、符号210は送気チューブ,符号220はトラカールであり、術前に所定の状態に準備される。
【0028】前述の送気装置301は、例えば毎分40リッター以上の高流量でCO2 ガスを供給可能に構成されたもので、これに対応して前記流量計測手段302は毎分40リッター以上の流量の測定が可能なものとなっている。
【0029】そして、前記送気装置では、制御回路213において、前記流量計測手段302で測定した流量データや前記腹腔圧力センサーで測定した圧力データ等を基にして、閉止バルブ206,電磁弁マニホールド209等の制御を行い、腹腔の圧力及び送気流量の自動制御を行うようになっている。
【0030】次に、高レンジの測定が可能な前記流量測定手段302について、図2〜図4を用いて詳しく説明する。この流量測定手段302は、図2に示すように、管路204の途中に挿入され該管路204を流れる気体の一部を分岐する分岐出口306と前記分岐された気体の一部を前記管路204に戻す分岐入口307とを備えた分流分岐部材304と、前記分岐出口306と前記分岐入口307とを連通して前記管路204をバイパスするバイパス管路308と、前記バイパス管路308に直列に接続され該バイパス管路308の気体の流量を測定する流量センサ310と、を有している。
【0031】前記分流分岐部材304は、前記分岐出口306を有する第1の分岐部材401と、前記分岐入口307を有する第2の分岐部材402と、が互いに連結されて構成されている。
【0032】前記第1の分岐部材401は、円筒状の部材で構成され(図3参照)、この第1の分岐部材401の管路としての貫通穴305aには、前記分岐出口306が開口されている(図4参照)。
【0033】また、前記第1の分岐部材401の一端側は、テーパー状に形成され、前記管路204の上流側と接続可能な接続部403として構成されている。
【0034】また、前記第1の分岐部材401の他端側の外周には、雄ねじ404aが螺刻されている。
【0035】前記第2の分岐部材402は、円筒状の部材で構成され(図3参照)、この第2の分岐部材402の管路としての貫通穴305bには、前記分岐入口307が開口されている(図4参照)。ここで、前記貫通穴305bは、前記貫通穴305aと同径に形成されている。
【0036】また、前記第2の分岐部材402の一端側の内周には、前記雄ねじ404aと螺合される雌ねじ404bが螺刻されている。ここで、前記雄ねじ404aと前記雌ねじ404bは、前記バイパス管路308に分流される気体の流量の比率を変化させる分流比調整手段404として構成される。
【0037】また、前記第2の分岐部材402の他端側は、テーパー状に形成され、前記管路204の下流側と接続可能な接続部405として構成されている。
【0038】なお、前記第1の分岐部材401及び前記第2の分岐部材402は、貫通穴305a及び305bが100mmHg程度の圧力によって変形しない材質であれば、どのようなものでもよく、例えば、ステンレス等の金属や、プラスチック等の樹脂によって構成されている。
【0039】前記第1の分岐部材401と前記第2の分岐部材402は、雄ねじ404aと雌ねじ404bとが螺合されることにより分流分岐部材304として互いに連結され、この分流分岐部材304には、前記貫通穴305aと前記貫通穴305bとによって管路(以下、主管路ともいう)305が形成されている(図4参照)。
【0040】この分流分岐部材304は、管路204の途中に直列に接続され(図2参照)、この分流分岐部材304の管路305によって、前記管路204の上流側と下流側とが連通されている。すなわち、前記接続部403に前記管路204の上流側が接続され、前記接続部405に前記管路204の下流側が接続されている。
【0041】また、前記分流分岐部材304の分岐出口306と分岐入口307とは、途中に流量センサ310が接続されたバイパス管路308によって連通されている。すなわち、分岐出口306と流量センサ310の上流側とがバイパス管路308aによって接続され、流量センサ310の下流側と分岐入口307とがバイパス管路308bによって接続されている。
【0042】また、前記流量センサ310は、演算手段としての機能を有する前記制御回路213に電気的に接続されている。
【0043】ここで、前記流量センサ310は、例えば、流量レンジ最大1リッター毎分の小さなレンジのものが使用されている。この場合、前記バイパス管路308を流れる気体の流量と主管路204を流れる気体の流量との分流比を1:100とすると、前記流量センサ310による計測値と分流比との関係から、この流量計測手段302は、最大100リッター毎分までの流量を計測可能となる。
【0044】上記構成による流量計測手段302において、分流分岐部材304により主管路305とバイパス管路308とに分流される気体の分流比は、前記主管路305の管路径,前記分岐出口306及び分岐入口307の口径が固定であるため、前記分岐出口306と前記分岐入口307との相対距離D(図4参照)によって変化する。
【0045】すなわち、距離Dが長い場合、主管路305の流路抵抗が大きくなるため、分流側の流量は大きくなる。逆に距離Dが短い場合、主管路305の流路抵抗は小さくなるため、分流側の流量は小さくなる。
【0046】以下、上記特性を利用した流量計測手段302の初期誤差の補正方法を説明する。
【0047】送気装置301の気体出口にチューブ210を接続し、基準となる流量計(図示しない)を接続して、炭酸ガスの送気を行う。この時の基準となる流量計の読み値と流量センサ310の出力の関係を、あらかじめ設定した関係となるように、分岐部材401,402を相対回転させ、距離Dを調整する。
【0048】このように、送気装置301に適用される流量計測手段302は、分流分岐部材304によって、分流比を容易に調整することが可能となる。これは、流量センサ310のオフセット誤差、管路径のバラツキ等による精度の悪化を防止することが可能になるため、前記流量計測手段302による高精度の測定が可能となる。
【0049】また、前記流量計測手段302に使用する流量センサ310は、低流量型の安価なものを使用するので、装置全体のコストを低く押さえることができる。
【0050】また、分流分岐部材304によって分流比を大きく変化させることにより、一つの測定レンジの流量センサを使用して、流量測定範囲を変えることができる。従って、最大流量の異なる流量計測手段のモデルを想定した場合、流量センサ310を含む管路構成を共通にすることができるという効果もある。
【0051】次に、図5,図6は本発明の第2の実施の形態に係わり、図5は分流分岐部材の外観を示す分解斜視図、図6は分流分岐部材の断面図、である。なお、本実施の形態による送気装置は、分流分岐部材の構成が上述の第1の実施の形態と異なる。その他、同様の構成については同符号を付して説明を省略する。
【0052】この実施の形態による分流分岐部材407は、分岐出口306を有する第1の分岐部材501と、分岐入口307を有する第2の分岐部材502と、が互いに連結されて構成されている。
【0053】前記第1の分岐部材501は、円筒状の部材で構成され(図5参照)、この第1の分岐部材501の管路としての貫通穴305aには、前記分岐出口306が開口されている(図6参照)。
【0054】また、前記第1の分岐部材501の一端側は、テーパー状に形成され、管路204の上流側と接続可能な接続部403として構成されている。
【0055】また、前記第1の分岐部材501の他端側の外周には、断面形状が半円をなす複数の周溝503が所定間隔毎に周設されている。
【0056】前記第2の分岐部材502は、円筒状の部材で構成され(図5参照)、この第2の分岐部材502の管路としての貫通穴305bには、分岐入口307が開口されている(図6参照)。ここで、前記貫通穴305bは、前記貫通穴305aと同径に形成されている。
【0057】また、前記第2の分岐部材502の一端側の内周には、前記周溝503に対応する形状の周溝504が周設されている。ここで、前記周溝504は、前記周溝503のうちの何れかとOリング505を介して係合可能となっており、これら周溝503,504、及びOリング505は、前記バイパス管路に分流される気体の流量の比率を変化させる分流比調整手段506として構成される。
【0058】また、前記第2の分岐部材502の他端側は、テーパー状に形成され、前記管路204の下流側と接続可能な接続部405として構成されている。
【0059】なお、前記第1の分岐部材501及び前記第2の分岐部材502は、貫通穴305a及び305bが100mmHG程度の圧力によって変形しない材質であれば、どのようなものでもよく、例えば、ステンレス等の金属や、プラスチック等の樹脂によって構成されている。
【0060】前記第1の分岐部材501と前記第2の分岐部材502は、前記周溝504と、前記周溝503の何れかとがOリング505を介して係合されることにより分流分岐部材407として互いに連結され、この分流分岐部材407には、前記貫通穴305aと前記貫通穴305bとによって管路(以下、主管路ともいう)305が形成される(図6参照)。
【0061】このとき、前記Oリング505は、前記第1の分岐部材501と前記第2の分岐部材502との連結部のガス漏れに対するシールと、これらの両部材の相対的な位置決めのための役割を兼用することになる。
【0062】上記構成による流量計測手段302において、分流分岐部材407により主管路305とバイパス管路308とに分流される気体の分流比は、前記主管路305の管路径,前記分岐出口306及び分岐入口307の口径が固定であるため、前記分岐出口306と前記分岐入口307との相対距離D(図6参照)によって変化する。
【0063】この分流分岐部材407では、分岐部材501に設けた周溝503のうち、どの周溝にOリング505を嵌めるかによって、分岐出口306と分岐入口307との間の距離Dが変わる。従って、予め各周溝503を使用したときの分流比を測定しておけば、使用する周溝503を変えることで、分流比の調整が可能となる。従って、このような実施の形態においても、上述の第1の実施の形態と略同様の効果を得ることができる。
【0064】次に、図7,図8は本発明の第3の実施の形態に係わり、図7は分流分岐部材の外観を示す斜視図、図8は分流分岐部材の断面図、である。なお、本実施の形態による送気装置は、分流分岐部材の構成が上述の第1の実施の形態と異なる。その他、同様の構成については同符号を付して説明を省略する。
【0065】この実施の形態による分流分岐部材601は、円筒形の部材で構成され(図7参照)、この分流分岐部材601の貫通穴は、管路(以下、主管路ともいう)606として構成されている(図8参照)。
【0066】また、前記分流分岐部材601の両端部は、テーパ状に形成され、管路204の上流側,下流側にそれぞれ接続可能な接続部403,405として構成されている。
【0067】また、前記分流分岐部材601の接続部403よりも下流側には、前記管路606と連通するねじ孔603が穿設されている。
【0068】このねじ孔603には、外周に該ねじ孔603に対応するねじ部を有する筒状の分岐部材602が螺合されている。
【0069】この分岐部材602の前記管路606に臨まされる側の端部には、軟性チューブ604が接続されている。この軟性チューブ604は、前記管路606内部でこの管路606の壁面に当接され、下流側に屈曲されている。なお、前記軟性チューブ604は、シリコン等の材質のもので構成される。
【0070】また、前記分流分岐部材601の前記ねじ孔603よりも下流には、分岐入口605が設けられている。
【0071】ここで、この実施の形態においては、軟性チューブ604が接続された分岐部材602と前記分岐入口605とが、途中に流量センサ310を有するバイパス管路308によって接続されるようになっている。
【0072】この分流分岐部材601では、主管路606からバイパス管路308への気体の分流比は、軟性チューブ604の先端部と分岐入口605との間の距離Dによって変化する。
【0073】従って、この実施の形態においては、分岐部材602のねじ孔603への螺入量を変化させて、管路606内での軟性チューブ604の先端位置をスラスト方向に変化させることによって、前記分流比を調整することができ、上述の第1の実施の形態と略同様の効果を得ることができる。
【0074】次に、図9は本発明の第4の実施の形態に係わり、分流分岐部材の要部断面図、である。なお、本実施の形態による送気装置は、分流分岐部材の構成が上述の第1の実施の形態と異なる。その他、同様の構成については同符号を付して説明を省略する。
【0075】この実施の形態における分流分岐部材701は、円筒形の部材で構成され、この分流分岐部材701の貫通穴は、管路(以下、主管路ともいう)707として構成されている。
【0076】また、前記分流分岐部材701には、分岐出口306と分岐入口307とが互いに所定間隔隔ててそれぞれ開口されている。
【0077】また、前記分岐出口306と分岐入口307との間の主管路707には、ゴム等で構成され、内部に磁性流体が充填されたメンブレン704が設けられている。また、このメンブレン704の上流位置と下流位置には、電極703,703が設けられている。
【0078】また、前記電極703,703には、電源705が可変抵抗706を介して接続されている。
【0079】この分流分岐部材701では、前記電極703,703に電圧を印加し、可変抵抗706によってこの電圧値を変化させることにより、メンブレン704が変形される。これにより、前記分岐出口306と分岐入口307との間の主管路707の断面積が変化し、該主管路707の流路抵抗が変化する。
【0080】これにより、分流比を変化させることができ、上述の第1の実施の形態と略同様の効果を得ることができる。
【0081】次に、図10は本発明の第5の実施の形態に係わり、分流分岐部材の要部断面図、である。なお、本実施の形態による送気装置は、分流分岐部材の構成が上述の第1の実施の形態と異なる。その他、同様の構成については同符号を付して説明を省略する。
【0082】この実施の形態における分流分岐部材710は、円筒形の部材で構成され、この分流分岐部材710の貫通穴は、管路(以下、主管路ともいう)714として構成されている。
【0083】また、前記分流分岐部材710には、分岐出口306と分岐入口307とが互いに所定間隔隔ててそれぞれ開口されている。
【0084】また、前記分岐出口306と分岐入口307との間の主管路714には、外部と連通するねじ孔713が穿設されている。
【0085】また、前記主管路714には、この主管路714内部で前記ねじ孔713を閉塞するゴム膜711が設けられている。
【0086】また、前記ねじ孔713には、ねじ712が螺入されている。
【0087】この分流分岐部材710では、ねじ712の螺入量を変化させることにより、主管路714内のゴム膜711の形状が変化される。これにより、前記分岐出口306と分岐入口307との間の主管路714の断面積が変化し、該主管路714の流路抵抗が変化する。
【0088】これにより、分流比を変化させることができ、上述の第1の実施の形態と略同様の効果を得ることができる。
【0089】次に、図11は本発明の第6の実施の形態に係わり、分流分岐部材の要部断面図、である。なお、本実施の形態による送気装置は、分流分岐部材の構成が上述の第1の実施の形態と異なる。その他、同様の構成については同符号を付して説明を省略する。
【0090】この実施の形態における分流分岐部材720は、円筒形の部材で構成され、この分流分岐部材720の貫通穴は、管路(以下、主管路ともいう)724として構成されている。
【0091】また、前記分流分岐部材720には、分岐出口306と分岐入口307とが互いに所定間隔隔ててそれぞれ開口されている。
【0092】また、前記分岐出口306と分岐入口307との間の主管路724には、外部と連通する貫通孔723が穿設されている。
【0093】また、前記主管路724には、この主管路724内部で前記貫通孔723を閉塞するゴム膜721が設けられている。
【0094】また、前記貫通孔723には、圧力源722が接続されている。
【0095】この分流分岐部材720では、圧力源722によるゴム膜721への圧力を変化させることにより、主管路724内のゴム膜721の形状が変化される。これにより、前記分岐出口306と分岐入口307との間の主管路724の断面積が変化し、該主管路724の流路抵抗が変化する。
【0096】これにより、分流比を変化させることができ、上述の第1の実施の形態と略同様の効果を得ることができる。
【0097】ところで、特開平5−207970号公報に示されている送気装置には、差圧センサを使用して、流量を測定する方法が示されているが、この方法では、差圧センサが故障した場合、腹腔圧を検出する手段がなくなり、患者に対して危険となる可能性があった。また、流量を測定するためのオリフィスを設ける必要があるため、コストが上昇してしまうという問題があった。
【0098】図12は本発明の第7の実施の形態に係わり、送気装置の構成を示す説明図、である。なお、上述の各実施の形態は、主管路から分流させた気体の流量から該主管路を流れる気体の流量を求める構成であるのに対し、この実施の形態は、管路の管路圧に基づき流量を求める構成である点が異なる。その他、同様の構成については同符号を付して説明を省略する。
【0099】この送気装置801の管路204の途中には、上流側から順に、1次減圧器205、2次減圧器207、第1の電磁弁802、第2の電磁弁803、が直列に接続されている。
【0100】また、前記管路204の、前記第1の電磁弁802よりも下流であって前記第2の電磁弁803よりも上流には分岐管路804が設けられ、この分岐管路804には、前記管路204の管路圧を測定する第1の圧力センサ805が接続されている。
【0101】また、前記管路204の前記第2の電磁弁803よりも下流側には分岐管路806が設けられ、この分岐管路806には、前記管路204の管路圧を測定する第2の圧力センサ807が接続されている。
【0102】前記第1,第2の電磁弁802,803は、駆動回路214を介して制御回路213に電気的に接続され、また、前記第1,第2の圧力センサ805,806は、制御回路213に電気的に接続されている。
【0103】次に、上記構成の送気装置801による腹腔圧力制御方法について説明する。第1,第2の電磁弁802,803が解放されると、管路204にガスボンベ202からのガスが流れ、送気が開始される。
【0104】このとき、第1の圧力センサ805では管路圧P1が測定され、第2の圧力センサ807では管路圧P2が測定される。ここで、前記管路圧P2は、前記第2の電磁弁803の管路抵抗により圧力が低下するため、P1より低い値となる。
【0105】前記第1,第2の圧力センサ805,807で測定された管路圧P1,P2は制御回路213に入力され、この制御回路213では、前記管路圧P1,P2の差を、管路204における第2の電磁弁803の両端の差圧ΔPとして演算する。
【0106】次いで、前記制御回路213は、前記差圧ΔPに基づき管路204を流れる気体の流量を求める。ここで、前記電磁弁803の両端において、管路204を流れる気体の流量は、前記電磁弁803の両端の差圧ΔPの平方根に比例するため、差圧ΔPの平方根に事前に測定しておいた定数を乗じることによって求めることができる。
【0107】また、腹腔圧を測定する際には、送気を停止した状態、すなわち、第1の電磁弁802を閉じ、第2の電磁弁803を開いた状態で、第1,第2の圧力センサ805、806による管路圧P1,P2を読み込む。管路204による送気が停止されている場合、通常2つの管路圧P1,P2の値は同じ値を示すが、どちらかが故障した場合、2つの値が異なるため、2つのうちどちらかが故障であると判断することができる。
【0108】なお、以上の動作は、制御回路213内部にある、ソフトウェアを搭載したマイコン(図示せず)により制御される。
【0109】このような送気装置801によれば、流量センサを使用せず、圧力センサのみで流量を計測できるため、大幅なコスト削減が可能となる。
【0110】また、流量計測のために差圧センサを使用せず、2個の圧力センサを使用しているので、片方の故障の検出が可能になり、安全性が向上する。
【0111】[付記]以上記述したような本発明の上記実施形態によれば、以下の如き構成を得ることができる。
【0112】(1)生体の体腔内に炭酸ガス等の気体を注入する送気装置において、気体を供給源から体腔へ導入するための主管路と、前記主管路の途中に直列に接続され、主管路とこの主管路を流れる気体の分岐出口と分岐入口とを有する分流分岐部材と、前記分岐出口と前記分岐入口とを連通して前記主管路を流れる気体の一部を所定の分流比でバイパスするバイパス管路と、前記バイパス管路に直列に接続され該バイパス管路の気体の流量を測定する流量センサと、前記バイパスされる気体の分流比と前記流量センサで測定したバイパス管路の気体の流量とに基づき主管路の気体の流量を導く演算手段と、前記主管路から前記バイパス管路に分流される気体の流量の比率を変化させる分流比調整手段と、を備えたことを特徴とする送気装置。
【0113】(2)前記分流比調整手段は、前記分岐出口と分岐入口との間の主管路の長さを変化させる構成であることを特徴とする付記1記載の送気装置。
【0114】(3)前記分流分岐部材を、前記分岐出口を有する第1の分岐部材と、前記分岐入口を有する第2の分岐部材と、に分割し、前記第1の分岐部材と前記第2の分岐部材とを互いに螺合させて連結し、これら第1の分岐部材と第2の分岐部材との螺合量によって前記分岐出口と分岐入口との間の主管路の長さを可変としたことを特徴とする付記2記載の送気装置。
【0115】(4)前記分流分岐部材を、前記分岐出口を有する第1の分岐部材と、前記分岐入口を有する第2の分岐部材と、に分割し、前記第1の分岐部材の下流側外周に周溝を所定間隔毎に複数設け、前記第2の分岐部材の上流側内周に周溝を設け、前記第1の分岐部材の周溝の何れか一と前記第2の分岐部材の周溝とをOリングを介して接続可能とすることにより、前記分岐出口と分岐入口との間の主管路の長さを可変としたことを特徴とする付記2記載の送気装置。
【0116】(5)前記分岐出口あるいは前記分岐入口の少なくとも何れか一方を、前記分流分岐部材の外周と前記主管路とを連通するねじ孔と、外周に前記ねじ孔に対応するねじ部を有し前記ねじ孔に螺合される筒状の分岐部材と、この分岐部材の前記主管路に臨まされる側の端部に接続され前記主管路の内部で該主管路の壁面に当接され屈曲される軟性チューブと、を有して構成し、前記分岐部材の螺入量を変化させて前記軟性チューブの先端部を前記主管路内でスラスト方向に移動させることによって、前記分岐出口と前記分岐入口との間の主管路の長さを可変としたことを特徴とする付記2記載の送気装置。
【0117】(6)前記分流比調整手段は、前記分岐出口と前記分岐入口との間の主管路の流路抵抗を変化させる構成であることを特徴とする付記1記載の送気装置。
【0118】(7)前記分流比調整手段は、前記分岐出口と前記分岐入口との間の主管路の断面積を変化させる構成であることを特徴とする付記1記載の送気装置。
【0119】(8)生体の体腔内に炭酸ガスなどの気体を注入する送気装置において、気体を供給源から体腔へ導入するための管路と、前記管路の途中に直列に接続された少なくとも一つの管路開閉手段と、少なくとも前記管路開閉手段の上流側と下流側との両端に分岐管路を介してそれぞれ接続され前記管路の管路圧を測定する管路圧測定手段と、を備え、前記2つの管路圧測定手段で測定した管路圧の差圧から管路を流れる気体の流量を測定することを特徴とする送気装置。
【0120】
【発明の効果】以上、説明したように本発明によれば、高精度で大流量まで測定可能な、流量測定手段を備えた送気装置を提供することができる。
【出願人】 【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス光学工業株式会社
【出願日】 平成10年(1998)5月28日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 進
【公開番号】 特開平11−332824
【公開日】 平成11年(1999)12月7日
【出願番号】 特願平10−148045