| 【発明の名称】 |
鉗 子 |
| 【発明者】 |
【氏名】橋口 敏彦
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| 【要約】 |
【課題】挿入部の任意の位置を湾曲させることができ、先端部の鉗子部を目的部位に容易にアプローチできる鉗子を提供することにある。
【解決手段】操作部1と、この操作部1に設けられ先端に鉗子部9を有する挿入部2とからなる鉗子において、前記挿入部2は、互いに軸方向に連結したとき略直線上となり、切離したときその空隙部20aが湾曲部8となる複数の移動駒20と、これら移動駒20の周縁部を軸方向に貫通し、一端部が前記挿入部2の先端側に接続され他端部が前記操作部1に接続され押し引き操作して前記湾曲部8を湾曲する湾曲操作ワイヤ23とからなることを特徴とする鉗子。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 操作部と、この操作部に設けられ先端に鉗子部を有する挿入部とからなる鉗子において、前記挿入部は、互いに軸方向に連結したとき略直線上となり、切離したときその空隙部が湾曲部となる複数の短筒状部材と、これら短筒状部材の周縁部を軸方向に貫通し、一端部が前記挿入部の先端側に接続され他端部が前記操作部に接続され押し引き操作して前記湾曲部を湾曲する湾曲操作ワイヤとからなることを特徴とする鉗子。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、例えば内視鏡下外科手術に使用し、組織を把持するための鉗子に関する。 【0002】 【従来の技術】内視鏡下外科手術に使用し、組織を把持したり、切開するための鉗子として、例えば特開平8−33644号公報及び特開平9−262239号公報が知られている。特開平8−33644号公報の鉗子は、先端部に開閉自在な鉗子部を有した挿入部と、挿入部の基端部に設けられた操作部と、この操作部の操作によって前記鉗子部を開閉する駆動部材とから構成されている。また、挿入部には湾曲部が設けられている。 【0003】また、特開平9−262239号公報の鉗子は、先端部に開閉自在な鉗子部を有した挿入部と、挿入部の基端部に設けられた操作部と、この操作部の操作によって前記鉗子部を開閉する駆動部材とから構成されている。また、挿入部にはアングルリングからなる湾曲部が設けられ、操作部の操作によって湾曲部を任意の方向に湾曲できるようになっている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述のように構成された鉗子は、いずれも挿入部に湾曲部が設けられているが、湾曲位置が挿入部の長手方向の一定の位置にあり、挿入部の先端近傍を湾曲したり、手元側近傍を湾曲することは不可能である。 【0005】したがって、例えば、鉗子部によって腹膜等の対象物を把持したり、切開しようとしても対象物に対して鉗子部を容易にアプローチできなかったり、対象物を確実に把持したり、切開できない。つまり、別な把持鉗子を用いて対象物を把持して手前側に引っ張った状態で鉗子部によって切開するという面倒な術が必要となる。 【0006】この発明は、前記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、挿入部の長手方向の任意の位置を湾曲することができ、操作性に優れた鉗子を提供することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】この発明は、前記目的を達成するために、操作部と、この操作部に設けられ先端に鉗子部を有する挿入部とからなる鉗子において、前記挿入部は、互いに軸方向に連結したとき略直線上となり、切離したときその空隙部が湾曲部となる複数の短筒状部材と、これら短筒状部材の周縁部を軸方向に貫通し、一端部が前記挿入部の先端側に接続され他端部が前記操作部に接続され押し引き操作して前記湾曲部を湾曲する湾曲操作ワイヤとからなることを特徴とする。前述した構成によれば、短筒状部材を軸方向に移動して空隙部の位置を選択することにより、挿入部の任意の位置を湾曲させることができる。 【0008】 【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1〜図6は第1の実施形態を示し、図1は鉗子の全体構成を示し、操作部1と挿入部2とから構成されている。操作部1の本体1aには固定ハンドル3が一体に設けられ、この固定ハンドル3には枢軸4によって可動ハンドル5が回動自在に設けられている。また、本体1aの側部には湾曲操作ノブ6が設けられている。 【0009】前記挿入部2には、操作部1の本体1aに固定された剛性を有するシース部7を有し、このシース部7の先端部には湾曲部8を介して鉗子部9が設けられている。鉗子部9は、図2に示すように、枢軸10を支点として回動自在に枢支された一対の鉗子部材11からなり、一対の鉗子部材11の基端部は連結ピン12を介してリンク13に連結され、これらリンク13は連結ピン14を介して駆動部材15の先端部に連結されている。 【0010】駆動部材15は円筒状で、外周面に絶縁被覆17を有した保持部材16の内部に進退自在に挿入され、前進によってリンク13を介して鉗子部材11が枢軸10を支点として開き、後退によって鉗子部材11が閉じるようになっている。また、駆動部材15には超弾性操作ワイヤからなる操作ロッド18が接続されており、この操作ロッド18は前記湾曲部8及びシース部7を貫通して操作部1の本体1aの内部まで導かれている。そして、本体1aの内部に進退自在に支持された連結部材19に連結され、この連結部材19の後端は前記可動ハンドル5の操作部5aと当接している。 【0011】また、前記湾曲部8は、図3および図4に示すように、複数個の短筒状部材としての移動駒20を軸方向に直列に連設することにより構成されている。移動駒20は、円筒状で、その軸方向の中間部より一端側が大径部に21aに、他端側が小径部21bに形成され、大径部21aの内径、つまり拡径部21cは前記小径部21bに密に嵌合可能に形成されている。さらに、小径部21bの中心部には前記操作ロッド18が貫通する貫通孔22が設けられ、この貫通孔22を挟んで上下または左右の移動駒20の周縁部には後述する湾曲操作ワイヤ23が挿通する挿通孔24が設けられている。 【0012】そして、前記複数個の移動駒20は小径部21bに大径部21aの拡径部21cを嵌合することにより軸方向に連結されるが、シース部7の先端と鉗子部9の保持部材16の後端との間の間隔Aよりも連結された移動駒20の連結長は短く、連結された移動駒20相互間に湾曲部分となる空隙部20aが形成されるようになっている。 【0013】さらに、連結された複数個の移動駒20の一対の挿通孔22には超弾性合金からなる湾曲操作ワイヤ23が挿通されている。これら湾曲操作ワイヤ23の先端部は最前端の移動駒20を貫通して突出し、その突出部には球状のストッパ23aが設けられ、このストッパ23aは保持部材16に設けられた操作ワイヤ固定部25に固定されている。 【0014】湾曲操作ワイヤ23の基端側はシース部7を貫通して操作部1の本体1aまで導かれ、基端部には太鼓状の端末部材26が固着されている。一方、前記湾曲操作ノブ6の回転軸27には湾曲滑車28が嵌着され、この湾曲滑車28の外周部の180゜離れた位置には前記端末部材26が係合される切欠部29が設けられている。そして、湾曲操作ノブ6を回転させることにより、回転軸27を介して湾曲滑車28が回転し、この湾曲滑車28の外周部に連結された2本の湾曲操作ワイヤ23の一方が引っ張られ、他方が押し戻されて湾曲部8を湾曲できるようになっている。 【0015】次に、第1の実施形態の作用について説明する。本実施形態においては、挿入部2に8個の移動駒20を連設した場合であり、図5は、先端側に4個の移動駒20を連結し、基端側に4個の移動駒20を連結して中間に空隙部20aを形成した状態を示す。 【0016】この状態で、鉗子を経内視鏡的に体腔内に挿入し、操作部1の湾曲操作ノブ6を時計回りに(角度θ)回転させると、回転軸27を介して湾曲滑車28が同方向に回転し、この湾曲滑車28の外周部に連結された2本の湾曲操作ワイヤ23のうち、上側の湾曲操作ワイヤ23が引っ張られ、下側の湾曲操作ワイヤ23が押し戻されて湾曲部8の中間部の空隙部20aが上側に湾曲する。 【0017】図6は、先端側は1個の移動駒20とし、基端側に7個の移動駒20を連結して先端側に空隙部20aを形成した状態を示す。この状態で、鉗子を経内視鏡的に体腔内に挿入し、操作部1の湾曲操作ノブ6を時計回りに回転させると、回転軸27を介して湾曲滑車28が同方向に回転し、この湾曲滑車28の外周部に連結された2本の湾曲操作ワイヤ23のうち、上側の湾曲操作ワイヤ23が引っ張られ、下側の湾曲操作ワイヤ23が押し戻されて湾曲部8の先端側の空隙部20aが上側に湾曲する。したがって、鉗子を体腔内に挿入する前に移動駒20を前後方向に移動して空隙部20aからなる湾曲位置を選択することができ、鉗子部9を体腔内の目的部位にアプローチできる。 【0018】図7及び図8は第2の実施形態を示し、湾曲操作ノブ6の回転角(θ)が一定であっても湾曲部8の湾曲半径を変更できるようにしたものである。すなわち、操作部1の本体1aには操作ロッド18と同軸的に嵌合孔30が設けられ、この嵌合孔30には固定側推進筒31の基端部が挿入固定され、この固定側推進筒31の碁端部には軸方向にスリット32が設けられ、先端側の突出部にはおねじ部33が設けられている。 【0019】固定側推進筒31の内部にはシース部7の基端部が軸方向に進退自在に挿入され、このシース部7の基端には固定側推進筒31のスリット32に係合する突起34が設けられ、シース部7が回り止めされている。さらに、固定側推進筒31の先端部より突出するシース部7には固定リング35が嵌着され、この固定リング35には環状溝36が設けられている。また、固定側推進筒31のおねじ部33には外周面にローレット加工を施した可動側推進筒37のめねじ部38が螺合されており、この可動側推進筒37には環状溝36と係合する係合部39が一体に設けられている。 【0020】次に、第2の実施形態の作用について説明する。図7に示すように、先端側は1個の移動駒20とし、基端側に7個の移動駒20を連結して先端側に空隙部20aを形成した状態を示す。可動側推進筒37を例えば右方向に回転してめねじ部38を固定側推進筒31のおねじ部33に螺合すると、可動側推進筒37は後退し、可動側推進筒37の後退に伴って固定リング35を介してシース部7が固定側推進筒31にガイドされて後退する。したがって、シース部7に連結された7個の移動駒20が一体的に後退して湾曲部8の空隙部20aの間隔長Lが長くなる。 【0021】この状態で、鉗子を経内視鏡的に体腔内に挿入し、操作部1の湾曲操作ノブ6を時計回りに回転させると、回転軸27を介して湾曲滑車28が同方向に回転し、この湾曲滑車28の外周部に連結された2本の湾曲操作ワイヤ23のうち、上側の湾曲操作ワイヤ23が引っ張られ、下側の湾曲操作ワイヤ23が押し戻されて湾曲部8の先端側の空隙部20aが上側に湾曲するが、空隙部20aの間隔長Lが長いために大きな湾曲半径となる。 【0022】次に、可動側推進筒37を左方向に回転すると、可動側推進筒37は前進し、可動側推進筒37の前進に伴って固定リング35を介してシース部7が固定側推進筒31にガイドされて前進する。したがって、シース部7に連結された7個の移動駒20が一体的に前進して湾曲部8の空隙部20aの間隔長Lが短くなる。 【0023】この状態で、鉗子を経内視鏡的に体腔内に挿入し、操作部1の湾曲操作ノブ6を時計回りに回転させると、回転軸27を介して湾曲滑車28が同方向に回転し、この湾曲滑車28の外周部に連結された2本の湾曲操作ワイヤ23のうち、上側の湾曲操作ワイヤ23が引っ張られ、下側の湾曲操作ワイヤ23が押し戻されて湾曲部8の先端側の空隙部20aが上側に湾曲するが、空隙部20aの間隔長Lが短いために小さな湾曲半径となる。つまり、湾曲操作ノブ6の回転角が同じであってもシース部7を進退して空隙部20aの間隔長を変更することにより任意の湾曲半径で湾曲部8を湾曲させることができる。 【0024】図9及び図10は、第3の実施形態を示し、第1及び第2の実施形態においては、移動駒20は、円筒体をその軸線に対して直角に切断した短筒状部材であり、隣り合う複数個の移動駒20の大径部21aを小径部21bに嵌合することにより直線上の円筒形状に形成されるようにしたものであるが、本実施形態は、隣り合う複数個の移動駒20の大径部21aを小径部21bに嵌合することにより緩やかな曲線の円筒形状に形成されるようにしたものである。 【0025】すなわち、移動駒20の小径部21b側を軸心Oに対して例えばα=1゜だけ一方向に傾斜させて形成されている。このように構成された移動駒20を複数個用意し、第1の実施形態と同様に、大径部21aの拡径部21cを小径部21bに嵌合することにより、図10(a)に示すように挿入部2が緩やかな曲線状となる。 【0026】したがって、内視鏡の処置具チャンネル等を介することなく、腹腔等に挿入し、第1の実施形態と同様に、操作部1の湾曲操作ノブ6を時計回りに回転させると、回転軸27を介して湾曲滑車28が同方向に回転し、この湾曲滑車28の外周部に連結された2本の湾曲操作ワイヤ23のうち、一方の湾曲操作ワイヤ23が引っ張られ、他方の湾曲操作ワイヤ23が押し戻されて湾曲部8の先端側の空隙部20aが図10(b)に示すように、挿入部2の湾曲方向と同方向に湾曲する。まお、移動駒20を前後方向に移動させることにより、空隙部20aからなる湾曲位置を選択できることは第1の実施形態と同様である。 【0027】前記構成によれば、次のような構成が得られる。 (付記1)操作部と、この操作部に設けられ先端に鉗子部を有する挿入部とからなる鉗子において、前記挿入部は、互いに軸方向に連結したとき略直線上となり、切離したときその空隙部が湾曲部となる複数の短筒状部材と、これら短筒状部材の周縁部を軸方向に貫通し、一端部が前記挿入部の先端側に接続され他端部が前記操作部に接続され押し引き操作して前記湾曲部を湾曲する湾曲操作操作ワイヤとからなることを特徴とする鉗子。 【0028】(付記2)操作部と、この操作部に設けられ先端に鉗子部を有する挿入部とからなる鉗子において、前記挿入部は、互いに軸方向に連結したとき略直線上となり、切離したときその空隙部が湾曲部となる複数の短筒状部材と、これら短筒状部材の周縁部を軸方向に貫通し、一端部が前記挿入部の先端側に接続され他端部が前記操作部に接続され押し引き操作して前記湾曲部を湾曲する湾曲操作操作ワイヤと、前記空隙部における湾曲操作ワイヤの長さを変化させ湾曲半径を変化させる手段とからなることを特徴とする鉗子。 【0029】(付記3)前記短筒状部材は、円筒体で、一端に小径部、他端に前記小径部に嵌合する大径部を有し、直線上に連結可能であることを特徴とする付記1または2記載の鉗子。 【0030】(付記4)前記短筒状部材は、円筒体で、一端に小径部、他端に前記小径部に嵌合する大径部を有し、曲線状に連結可能であることを特徴とする付記1または2記載の鉗子。 【0031】 【発明の効果】以上説明したように、この発明によれば、挿入部に、互いに軸方向に連結したとき略直線上となり、切離したときその空隙部が湾曲部となる複数の短筒状部材を設けることにより、短筒状部材を軸方向に移動して空隙部の位置を選択することにより、挿入部の任意の位置を湾曲させることができ、先端部の鉗子部を目的部位に容易にアプローチできるという効果がある。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000376 【氏名又は名称】オリンパス光学工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)5月1日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】鈴江 武彦 (外4名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−313834 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)11月16日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−122195 |
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