| 【発明の名称】 |
内視鏡用処置具 |
| 【発明者】 |
【氏名】▲高▼野 和郎
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| 【要約】 |
【課題】内視鏡用処置具を用いた作業の時間を短縮する。
【解決手段】処置具1を内視鏡に挿通した状態で、処置具先端3が内視鏡先端から突出する直前の位置に到達したときに、鉗子口縁部と一致する処置具上の位置に処置具先端部が内視鏡先端に到達したことを知らせる近接マーク10を設ける。近接マークが鉗子口縁部と一致する位置までは内視鏡先端から処置具が突出することがないので、処置具挿通時に近接マークを監視するだけで処置具先端部が内視鏡から突出する位置に到達するまでの距離を知ることができる。このため、安全かつ短時間で処置具を内視鏡に挿通することができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 内視鏡操作部の鉗子口から内視鏡内の鉗子チャネルに挿通し、内視鏡先端に開口する鉗子窓から先端部を内視鏡外部に突出させて処置を行う内視鏡用処置具であって、前記処置具上の、前記先端部が前記鉗子窓部近傍に到達したときに前記内視鏡操作部上の基準マークと一致する位置に、処置具先端が鉗子窓近傍に到達したことを示す近接マークを備えたことを特徴とする内視鏡用処置具。 【請求項2】 前記鉗子口縁部を前記基準位置マークとして用いる請求項1に記載の内視鏡用処置具。 【請求項3】 長さの異なる複数の内視鏡に使用され、それぞれの内視鏡に対応した複数の近接マークを備えた請求項1または2に記載の内視鏡用処置具。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は内視鏡に挿通して、生検、手術等の処置を行う内視鏡用処置具に関する。 【0002】 【従来の技術】内視鏡(エンドスコープ)は、胃、腸等人体の体腔や内臓の検査等に広く使用されている。また、内視鏡は内部に鉗子チャネル(通路)を備えており内視鏡を人体に挿入した状態でこの鉗子チャネルに種々の処置具を挿通して処置を行うことも一般的に行われている。内視鏡用の処置具の例としては、例えば、一方の端部に操作端を有し、他端に開閉可能な鉗子部を備えた索状の生検鉗子等がある。この生検鉗子を用いて、例えば胃壁等の細胞標本を採取する場合には、まず内視鏡を患者の口から胃内に挿入し、次いで内視鏡の操作部の鉗子口から生検鉗子を鉗子チャネル内に挿入して行く。そして、内視鏡先端にある鉗子チャネル開口(鉗子窓)から生検鉗子の先端が突出したことを内視鏡で目視により確認後、鉗子を所望位置(患部)に到達させ、生検鉗子の手元操作部から鉗子部を開閉して患部の細胞組織を採取する。 【0003】内視鏡の鉗子チャネルに挿通して用いる器具としては、上述した生検鉗子以外にも、例えば止血材の散布等に用いる散布チューブ、注射に使用する注射用チューブ、ポリープ等の除去に使用するスネア(係蹄)等多数のものがある。本明細書では、上述した器具や、内視鏡の鉗子チャネルに挿通して用いる他の器具を総称して内視鏡用処置具と呼ぶ。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】内視鏡用処置具を使用する作業の際には、安全性と作業速度とが非常に重要になる。すなわち内視鏡用処置具はその先端部を体内で内視鏡から突出させて使用するものであるから、処置具先端で体腔内壁(例えば胃壁等)に損傷を与えることがないように処置具使用の際には安全性に細心の注意を払う必要がある。 【0005】一方、内視鏡を患者体内に挿入している時間が長くなると患者に与える肉体的な負担が大きくなるため、処置具を用いた作業はできるだけ短時間で行う必要がある。ところが、従来の処置具では安全性と作業速度との両方の要求を完全に満たすことはできず、ややもすると安全性を重視して作業速度が犠牲になってしまう問題があった。 【0006】すなわち、従来の処置具を使用する場合には、内視鏡の観察部から先端の鉗子窓(鉗子チャネル開口)を注視しつつ、鉗子窓から処置具先端が見えるようになるまでゆっくりと鉗子口から処置具を挿入する。そして、処置具先端が見えた後はこの先端を監視しながら所望の長さまで処置具を鉗子窓から突出させる操作を行う。ところが、処置具を内視鏡の鉗子チャネルに挿通する際には、内視鏡の観察部で処置具先端が目視できるようになるまでは鉗子チャネル内のどの位置まで処置具先端が来ているかが判らない問題がある。このため、従来は予想に反して処置具先端が急激に鉗子窓から突出して体腔内壁を傷つけることがないように処置具の急激な押し込み動作を避け、細心の注意を払いながら徐々に鉗子チャネル内に処置具を挿通する必要があった。従って、従来の処置具を用いた操作では処置具の内視鏡への挿通に時間を要し(例えば1回の挿通に要する時間は標準で2分程度)、また、長い処置具を使用するような場合には更に時間を要することとなっていた。しかも、通常生検等の処置は処置具の挿入と抜き取りを数回繰り返し複数の標本を採取する必要があり、処置具の内視鏡への挿通に時間を要すると内視鏡を患者体内に挿入、保持する時間が長くなり、患者の負担も大きくなる問題があった。 【0007】本発明は上記問題に鑑み、処置具を使用した作業の安全性を低下させることなく、作業時間を大幅に短縮することが可能な内視鏡用処置具を提供することを目的としている。 【0008】 【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明によれば、、内視鏡操作部の鉗子口から内視鏡内の鉗子チャネルに挿通し、内視鏡先端に開口する鉗子窓から先端部を内視鏡外部に突出させて処置を行う内視鏡用処置具であって、前記処置具上の、前記先端部が前記鉗子窓部近傍に到達したときに前記内視鏡操作部上の基準マークと一致する位置に、処置具先端が窓部近傍に到達したことを示す近接マークを備えたことを特徴とする内視鏡用処置具が提供される。 【0009】すなわち、請求項1の発明による内視鏡用処置具は、処置具を内視鏡に挿通して処置具先端が内視鏡先端の鉗子窓部近傍(好ましくは、処置具先端が鉗子窓から突出する直前の位置)に到達したときに、内視鏡の操作部側の基準マークと一致する位置に近接マークを備えている。このため、処置具挿通の際には内視鏡の基準マークと処置具の近接マークとが一致するまでは、処置具先端が内視鏡先端から大きく突出することはない。従って、基準マークと近接マークとが一致する位置まではどんなに速く処置具を押し込んだところで体腔内壁を傷つける危険はなく、処置具挿通の際には近接マークのみを監視していれば、速い速度で安全に処置具を押し込むことができる。このため、処置具挿通の際に極めて短時間で安全に処置具先端を鉗子窓近傍まで到達させることができる。また、処置具先端が鉗子窓近傍に到達後は内視鏡観察部から容易に処置具先端を目視できるようになるため、安全に処置具先端を所望の位置まで到達させることができる。 【0010】請求項2に記載の発明によれば、前記鉗子口縁部を前記基準位置マークとして用いる請求項1に記載の内視鏡用処置具が提供される。請求項2の発明では、内視鏡操作部に設けられた鉗子口の縁部を基準位置マークとして使用し、処置具挿通時に処置具の近接マークが鉗子口縁部に一致したときに処置具先端が鉗子窓近傍に到達するようにされる。これにより、内視鏡操作部には特別な基準マークを設ける必要がなくなり、従来からの内視鏡にも本発明の処置具を使用することが可能となる。 【0011】請求項3に記載の発明によれば、長さの異なる複数の内視鏡に使用され、それぞれの内視鏡に対応した複数の近接マークを備えた請求項1または2に記載の内視鏡用処置具が提供される。請求項3の発明では、処置具上に、長さの異なる(すなわち鉗子口から鉗子窓までの鉗子チャネル長さの異なる)複数の内視鏡のそれぞれに対応した位置に近接マークが設けられている。このため、1つの処置具を複数の内視鏡に共用することが可能となる。 【0012】 【発明の実施の形態】以下添付図面を用いて本発明の一実施形態について説明する。図1は、本発明を適用した生検鉗子を示す斜視図である。図1において、生検鉗子1は、開閉可能な鋏状の鉗子部3を先端に備えた柔軟な索状部5と、索状部5の他端に設けられた、鉗子部3を開閉操作するための操作部7とを備えている。また、本実施形態の生検鉗子1の索状部5には近接マーク10が設けられている。この近接マーク10については後述する。 【0013】図2は、図1の生検鉗子を使用する内視鏡を示す略示図である。内視鏡20は、ファイバースコープや鉗子チャネル等を内包した柔軟な管状部分21と、内視鏡20の種々の操作を行うための操作部27とを備えている。また、操作部27には内視鏡先端部30の観察レンズにファイバースコープを介して接続された観察部23及び上記鉗子チャネルに接続された鉗子口25等が設けられている。 【0014】図3は、内視鏡先端部30の拡大図である。先端部30には、照明用の光源31、前述の観察部23にファイバースコープを介して接続された観察レンズ33に加えて、前述の鉗子チャネルの開口部(鉗子窓)35が設けられている。図1の生検鉗子は、内視鏡を患者の体腔に挿入(例えば口から食道を介して胃内に挿入)した状態で、内視鏡20の操作部27の鉗子口25に挿入して使用する。すなわち、内視鏡20の鉗子口25から生検鉗子1を管状部分21内の鉗子チャネルに挿入し、先端部30の鉗子窓35から鉗子部3を突出させた状態で胃壁細胞などの標本を鉗子部3の開閉により採取する作業等が行われる。 【0015】従来の処置具では、鉗子口25に生検鉗子1先端を挿入後、観察部23(観察レンズ33)を介して鉗子窓35を注視しながらゆっくりと生検鉗子を鉗子チャネルに送り込む操作を行っていた。この操作は鉗子窓35に生検鉗子1先端の鉗子部3が到達したことを観察部23を介して目視で確認できるまでは、生検鉗子1先端が鉗子窓35から急激に突出することがないように細心の注意を払って行う必要があり鉗子1の内視鏡挿通に比較的長い時間(例えば1分程度)を要していた。 【0016】これに対して、本実施形態の生検鉗子1は図1に示すように索状部5に近接マーク10を設けこの問題を解決している。近接マーク10は、本実施形態では図1のA部拡大図に示すように、索状部5の外周部全体にわたって環状に設けられている。近接マーク10自体は塗料等を塗布することによって設けても良いし、或いは、索状部5外周に刻設する等、公知の適宜な方法でマーキングすることが可能である。但し、近接マーク10は人体に挿入される器具に設けられるマーキングであるため、通常の医療器具のマーキングに要求される特性(例えば対剥離性、毒性のないこと等)を満たしているものとされる。 【0017】図4は、索状部5上の近接マーク設置位置を説明する図である。図4(A) (B)(C) は生検鉗子1を鉗子口25に挿入する際の各段階を示しており、図4(D) (E) (F) は、それぞれの段階における内視鏡先端部30と生検鉗子先端部3との位置関係を示している。図4(A) で生検鉗子1の挿入が開始された状態では、近接マーク10は鉗子口25縁部よりはるかに上の部分に位置している。この状態では図4(D) に示すように、生検鉗子先端の鉗子部3は、鉗子チャネル37内にはあるものの、鉗子窓35には到達していない。 【0018】更に生検鉗子1を鉗子口25内に押し込んで行くと、やがて生検鉗子1の近接マーク10の位置が鉗子口25の縁部に一致する状態になる。近接マーク10は、このときに生検鉗子1先端の鉗子部が鉗子窓35から突出する直前の状態になる(図4(E))ような位置に設定されている。近接マーク10と鉗子口25の縁部が一致した状態では、観察部23から鉗子部3が目視可能となっているため、この後は従来と同様鉗子部3を監視しながら容易に所望の位置まで鉗子部3を突出させることができる。 【0019】すなわち、図4(B) に示す状態になるまでは(すなわち、図4(A) のように近接マークが鉗子口25より上部にある間は)鉗子窓35から生検鉗子1の先端が突出することはあり得ないため、近接マーク10を見ながらかなり速い速度で鉗子1を鉗子口25に押し込んでも安全上全く問題は生じない。このため、図4(B) の状態になるまで生検鉗子を送り込むための時間が大幅に短縮されることになる。例えば、前述したように従来生検鉗子の挿通には2分程度の時間を要していたが、図1のように生検鉗子上に近接マークを設けたことにより数秒で挿通を完了することが可能となる。このため、本実施形態では、生検鉗子挿通時の安全を確保しながら、作業時間を大幅に短縮することが可能となっている。 【0020】なお、本実施形態では鉗子口25縁部を基準マークとして用いて、生検鉗子(処置具)上の近接マークと鉗子口25縁部とが一致したときに鉗子先端が突出する直前になるように近接マークを配置しているが、鉗子口25縁部の代わりに、内視鏡操作部27上に別途基準マークを設け、この基準マークと処置具の近接マークとが一致したときに処置具先端が鉗子窓から突出する直前になるように近接マークの位置を決めてもよい。 【0021】また、図1の近接マーク10は内視鏡の長さが異なると使用できない。このため、長さが異なる複数の内視鏡に同一の処置具を使用する場合には、それぞれの内視鏡の長さに合わせて複数の近接マーク10を処置具上に設けるようにしても良い。なお、上述の実施形態では内視鏡用処置具として生検鉗子を例にとって説明したが、本発明は生検鉗子に適用が限定される訳ではなく、例えば散布チューブ、注射用チューブ、スネア等の他の内視鏡用処置具にも適用可能であることは言うまでもない。 【0022】 【発明の効果】本発明によれば、内視鏡用処置具を用いた作業の安全性を確保しつつ作業時間を大幅に短縮することが可能となる優れた効果を奏する。
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| 【出願人】 |
【識別番号】598057198 【氏名又は名称】▲高▼野 和郎
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)4月30日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】石田 敬 (外4名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−309153 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)11月9日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−120388 |
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