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【発明の名称】 縫合糸用パッケージ
【発明者】 【氏名】石田 康実

【要約】 【課題】片手でパッケージを保持しつつ、同じ手で簡単かつ安全に蓋を開くことのできる縫合糸用パッケージを提供すること。

【解決手段】縫合針が取付けられていてよい手術用縫合糸のための、折り畳まれた一体のシートよりなるパッケージであって、縫合糸を保持するためのベースパネルと、保持した縫合糸末端又は縫合針を露出させてそれより手前側で該ベースパネルを覆うカバーパネルと、カバーパネルの先端側領域からベースパネルの先端までを覆う蓋パネルとを含んでなり、カバーパネル及び蓋パネルが、ベースパネルの両側からベースパネル上へこの順で折り畳まれたシート部分よりなるものであり、且つ、閉じられた蓋パネルがカバーパネル及び/又はベースパネルに仮止めされるものである、パッケージ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】縫合針が取付けられていてよい手術用縫合糸のための、折り畳まれた一体のシートよりなるパッケージであって、縫合糸を保持するためのベースパネルと、保持した縫合糸末端又は縫合針を露出させてそれより手前側で該ベースパネルを覆うカバーパネルと、該カバーパネルの先端側領域から該ベースパネルの先端までを覆う蓋パネルとを含んでなり、該カバーパネル及び該蓋パネルが、該ベースパネルの両側から該ベースパネル上へこの順で折り畳まれたシート部分よりなるものであり、且つ、閉じられた該蓋パネルが該カバーパネル及び/又は該ベースパネルに仮止めされるものである、パッケージ。
【請求項2】該蓋パネルより手前側で該ベースパネルを覆う中間パネルを該ベースパネルと該カバーパネルとの間に更に含み、且つ、該中間パネルが該蓋パネルと同じ側から該ベースパネル上に折り畳まれたシート部分よりなるものである、請求項1のパッケージ。
【請求項3】該蓋パネルの手前側の縁が、該ベースパネルとの連結部から離れるにつれて該パッケージの先端方向へと後退する形状を備えたものである、請求項1又は2のパッケージ。
【請求項4】先端側を上方へ向けて該カバーパネルに面するように該パッケージを見たとき、該蓋パネルが、該ベースパネルの左側から該ベースパネル上へ折り畳まれているものである、請求項1乃至3の何れかのパッケージ。
【請求項5】該仮止めが、(a)該蓋パネルに形成されたタブと該カバーパネルの対応位置に形成したスリットとの係合、(b)該蓋パネルの縁に形成した切り込みと、該ベースパネルの縁又は該カバーパネルと該ベースパネルとの折り目よりなる縁の対応位置に形成した別角度の切り込みとのかみ合せ、及び(c)該蓋パネルの縁を該ベースパネルの裏面へと折り込むこと、よりなる群より選ばれる手段によってなされているものである、請求項1乃至4の何れかのパッケージ。
【請求項6】該ベースパネルが、縫合針が取付けられていてよい縫合糸を抜き取り可能に保持することのできるホルダーを、該ベースパネルの先端側寄り及び根元寄りにそれぞれ有していることを更に特徴とする、請求項1乃至5の何れかのパッケージ。
【請求項7】該ホルダーが、縫合針又は縫合糸を挟むスリットを備えた、該ベースパネルに固定された発泡プラスチック片よりなるものである、請求項6のパッケージ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、縫合糸用パッケージに関し、更に詳しくは、片手で簡単に蓋を開いて縫合糸末端又は縫合針を取出しのため露出できる縫合糸用パッケージに関する。
【0002】
【従来の技術】手術において用いる縫合糸は種々の包装形態で供給されている。従来のもののうち、縫合糸を台紙に巻き付けたタイプのものや、偏平な袋内に縫合糸を8の字型に巻いて収容したものは、特にナイロンやポリプロピレンその他の合成樹脂の単糸よりなる縫合糸の場合、糸の全長にわたって随所に巻き癖が付き易いという問題がある。これに対して縫合糸をなるべく伸ばしたまま包装する方式として、パッケージ上に、上下に十分な間隔をあけた保持部位を設け、縫合糸を極力伸びた状態で保持することにより、縫合糸に癖がつくのを減らし、特に先端から約10cm程度に癖をつけるおそれのない包装(ストレートパッケージ)が種々提案され、広く使用されている。それらの例として、米国特許第5582288号には、パッケージ上段にある2列の保持部材とパッケージ下段にある一列の保持部材とにより縫合糸を保持するパッケージが開示されている。また、米国特許第3985227号にも、上段及び下段2列ずつの保持手段を有するパッケージが開示されている。また、米国特許第5101968号には、Fig.5〜11に、縫合糸を全長にわたって伸ばしたまま包装するパッケージが開示されている。更に、その他米国特許第4135623号にも、上下の保持部材により2箇所で縫合糸を保持するパッケージが開示されている。その他にも、類似のパッケージが米国特許第5127518号及び第4014434号に開示されている。
【0003】縫合糸は、手術室内において使用直前にこれらのパッケージから取り出される。取り出しは、縫合針(又は縫合糸の端)を覆うパッケージの蓋部分を開き、露出した縫合針を持針器で挟んで引くことによって行われる。外科手術は患者に高度の侵襲を加えるものであるため、手術時間は短い方が好ましく、パッケージからの縫合糸の取出し等のような作業は、可能な限り簡単に行なえる必要がある。
【0004】しかしながら、従来のストレートパッケージは、何れも、パッケージの蓋部分を閉じているミシン目を両手で切り開く方式のものや、図1に概念的に示したようにパッケージの蓋部分として、パッケージの「先端側から」で折り込まれて縫合針に覆いかぶさる構造のものを採用している。図1の方式の蓋は、先端にタブを備え、タブがパッケージ本体側にあるスリットに差し込まれることによって、閉じた状態で保持される。このような蓋構造の場合、蓋を開けるには、パッケージ本体を片手で保持し、他方の手で蓋をつまむ等して開ける必要があった。そうせずにパッケージ本体を持った方の手の指で蓋を押し上げようとすれば、たとえ蓋を開くことができたとしても、途中で針先が指に刺入する危険性が非常に高いため、パッケージの蓋を開けるのに際し、両手を使用するのが普通であった。従って、縫合糸の取出しは、先ずパッケージを一方の手で保持し、他方の手で蓋を開け、次に片手でパッケージ本体を持ったまま、他方の手を蓋から離して持針器をとり、持針器で針先を挟んで取出す、というものであった。このような、パッケージの蓋を開けるのに両手を要し、そのため縫合糸の取り出し時に途中で器物を持ち替えなければならないという手順は、手術という状況下においては煩わしいものであったが、この状況は十分認識されず、改善もされないままであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これら従来の縫合糸用パッケージの上記欠点を解消し、片手でパッケージを保持しその同じ手で簡単かつ安全に蓋を開くことのできる縫合糸用パッケージを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題の解決のため、本発明は、縫合針が取付けられていてよい手術用縫合糸のための、折り畳まれた一体のシートよりなるパッケージであって、縫合糸を保持するためのベースパネルと、保持した縫合糸末端又は縫合針を露出させてそれより手前側で該ベースパネルを覆うカバーパネルと、該カバーパネルの先端側領域から該ベースパネルの先端までを覆う蓋パネルとを含んでなり、該カバーパネル及び該蓋パネルが、該ベースパネルの両側から該ベースパネル上へこの順で折り畳まれたシート部分よりなるものであり、且つ、閉じられた該蓋パネルが該カバーパネル及び/又は該ベースパネルに仮止めされるものである、パッケージを提供する。
【0007】本明細書において、「カバーパネルの先端側領域」とは、カバーパネルの先端側の縁(この縁から縫合糸末端が覗くこととなる)から幾らか手前までの領域をいい、後述のように親指の先を蓋パネルとカバーパネルとの間に差し込んだとき指先が縫合針先端に触れる虞れが無くなる程度であればよく、特に広さや輪郭形状は限定されない。
【0008】また本明細書において「仮止め」とは、蓋パネルとカバーパネルとの間に親指の先を差し込んで蓋を開こうとしたとき容易に外れるような止め方のもの一切を含む。ベースパネルの縁は、折り畳まれた蓋パネル又はカバーパネルと重なる所定幅の折り返し部分を含んでいてもよい。
【0009】また、「シート」の材質は特に限定されず、クラフト紙その他の紙、合成紙、プラスチック等、縫合糸のパッケージに通常使用されている同程度の強度と折り畳み可能な柔軟性を有する合成、半合成の各種材料を適宜用いてよい。
【0010】また、シートの折り畳みに際し、折り目部分は一本の線に沿って折られたものでもよく、また厚みを持たせるためにコの字形に折られたものでもよい。
【0011】本発明は、このような構造であり、従来のパッケージと異なってベースパネルの先端側からではなく側方から蓋パネルが折り畳まれた形となっているため、パッケージ先端側を前方へ向けてパッケージ裏面を4本の指で下から支えるようにして片手で持ち、親指をカバーパネルと蓋パネルとの間に少し差し込み、次いで親指のみをそのまま蓋パネルの折り目側へ向けてずらようにすれば、蓋パネルを簡単かつ安全に開くことができる。即ち、従来のパッケージのように両手を使う必要がなく、空いている方の手に最初から持針器を持っておくことができる。このため蓋を開いて直ちに縫合糸を取出せるため、手術に際して取り扱いが非常に容易になるという利点がある。
【0012】また上記発明は、追加のパネルを含んでいてもよい。特に、蓋パネルと同じ側からベースパネル上に折り畳まれた中間パネルを有していてもよい。すなわち本発明は更に、上記本発明のパッケージであって、該蓋パネルより手前側で該ベースパネルを覆う中間パネルを該ベースパネルと該カバーパネルとの間に更に含み、且つ、該中間パネルが該蓋パネルと同じ側から該ベースパネル上に折り畳まれたシート部分よりなるものであるパッケージをも提供する。
【0013】この場合、中間パネルは、通常、カバーパネルを中間パネル上に楽に折り畳めるようベースパネルの幅より僅かに小さい幅とすればよいが、必ずしもベースパネルの全幅を覆うものである必要はなく、取出しに際して縫合糸が引っかかる等の問題を生ずる虞れがなければ、適宜の形状及び大きさとしてよい。中間パネルは、収容された縫合糸を覆ってこれを保持する助けとなるという更なる利点を有する。特に、収容された縫合糸が中間パネルとカバーパネルとによりベースパネルの両側から包み込まれる構造となるため、縫合糸が何らかの弾みでパッケージ側方からはみ出るおそれがなくなる。
【0014】上記各発明において、蓋パネルは、露出したベースパネル及び縫合糸末端及びカバーパネルの先端側領域を覆うものである限り、その形状に特段の制限はない。従って、蓋パネルの手前側の縁、すなわち親指を挿入する側の縁は、直線的にパッケージを横断するような形状でも、斜めに横断するような形状でも、また、曲線的に横断する形状でもよい。しかしながらまた、蓋パネルの手前側の縁を特定の形状とすることによって特に取り扱い易いパッケージとすることもできる。
【0015】そのような例として、本発明は更に、上記の各パッケージであって、該蓋パネルの手前側の縁が、該ベースパネルとの連結部から離れるにつれて該パッケージの先端方向へと後退する形状を備えたものであるパッケージをも提供する。この場合、蓋パネルの手前側の縁は、ベースパネルとの折り目位置において最も手前側にあり、折り目から離れるにつれてパッケージ先端方向へと後退して遠ざかるような輪郭形状に構成されている。具体的形状としては、例えば、蓋パネルの手前側の縁が折り目部位から斜めに直線的に切り取られいるものや、斜めに曲線的に窪むように切り取られているものが挙げられる。これらのうちでは、斜めに曲線的に窪むように切り取った形状のものが一層好ましい。
【0016】この形態は、親指の先を蓋パネルの縁とカバーパネルとの間に差し込むに際して、パッケージの長手方向に対し斜めの角度を提供して、親指の先の挿入を容易にすることができる。更には、蓋パネルがベースパネルとの連結部で一層手前に延びているため、縫合糸の取り出しの間、蓋パネルとベースパネルとの折り目を押さえて蓋パネルを開いた状態に維持するのが特に楽である、という更なる利点を有する。また、この形態のパッケージは、同じパッケージを左右何れの手で持った場合でも、他の形態のパッケージに比して一層扱い易い。
【0017】更に本発明は、上記の各パッケージであって、先端側を上方へ向けて該カバーパネルに面するように該パッケージを見たとき、該蓋パネルが、該ベースパネルの左側から該ベースパネル上へ折り畳まれているものであるパッケーをも提供する。
【0018】多くは右手が利き手であるため、縫合糸の取出しに際して持針器は右手に持たれる場合が多い。従って、本発明のパッケージは、通常左手に持って操作されることになる。この場合、蓋パネルがベースパネルの左側から折り畳まれている上記発明は、左手の4本の指で下からパッケージを支え、親指の先をカバーパネル上で滑らせて蓋パネルの下へ差し込んで仮止めを外し、折り目側へと滑らせて蓋パネルを全開させるのに特に好都合である。
【0019】
【発明の実施の形態】上記発明において、「仮止め」には種々の手段が容易に考えられる。典型的な例として、蓋パネルの縁の輪郭の一部を突出するように裁断してタブを形成しておく一方、カバーパネルの対応する位置にスリットを形成しておいて、蓋パネルを閉じたときタブをスリットに差し込んでおくことにより、これらの係合を利用して仮止めすることができる。タブは蓋パネルの縁より内側に例えば概略コの字形の切り目を入れることによって形成してもよい。また別の例としては、蓋パネルの縁に所定方向の切り込みを設け、蓋パネルを閉じたときに該切り込みと対応する位置においてベースパネルの縁に方向を異にする別の切り込みを設け、それらの切り込みを相互にかみ合わせるようにしてもよい。そのような切り込みは蓋パネル縁の適宜の位置に設ければよく、これに対応してベースパネルや、カバーパネルとベースパネルとの折り目に相当する縁の部分に設けてもよい。更に別の例としては、蓋パネルを大き目に作っておき、蓋を閉じたときにベースパネルからはみ出る部分をベースパネルの裏面へと折り込むことによって行なってもよい。
【0020】縫合糸を保持する手段は、上記構造の本発明に適するようにカバーパネルから縫合糸の末端がのぞくように縫合糸を保持するものであればよく、その構成は特に限定されない。前記したストレートパッケージの場合には、通常、ベースパネルの先端寄りの適宜な部位と、ベースパネルの根元寄りの適宜の部位に、縫合糸(縫合針)を挟んで、抜き取り可能に保持することのできる適宜なホルダーを設ければよい。そのようなホルダーは、縫合糸の長さに応じて更に中間の部位に設けることもでき、また上下のホルダーの一方又は両方を2個以上設けてもよい。そのようなホルダー自体の構造としては種々のものが考え得るが、典型例としては、発泡スチロール、発泡ポリウレタン等の、発泡プラスチック片に所定個数のスリットを所定間隔で入れたものをベースパネルに固定したものが挙げられる。それらのスリットは、縫合糸を取出し可能に挟んで保持するのに有用である。
【0021】
【実施例】以下,典型的な実施例により本発明を一層具体的に説明するが、本発明はそれら実施例によって限定されることを意図しない。
【0022】図2〜4は、本発明の第1実施例を示す。図2は、パッケージ1の展開図である。図において、3はベースパネル、5はカバーパネル、7は蓋パネル、9は中間パネルである。これらのパネルは、一枚の裁断されたシートからなっており、図において各パネル間に示した破線に沿って折り畳まれることによってパッケージが形成される。すなわち、この実施例では、中間パネル9が先ずベースパネル上に折り畳まれ、その上にカバーパネル5が折り畳まれ、最後に蓋パネル7がベースパネル上及びカバーパネルの先端側領域上に折り畳まれる。11はベースパネル3から延びた折り返し用のフラップであり、蓋パネル7より先にベースパネル3上に折り畳まれる。フラップ11、はベースパネル3の先端部の補強を提供することができるが、必ずしも設ける必要はない。
【0023】ベースパネル3は、縫合糸12を保持するパネルである。保持には種々の手段を用い得るうるが、本実施例では、ベースパネル3に固定された、先端側のホルダー15及び根元側のホルダー17が縫合糸を保持するように構成されている。図に示すように先端側のホルダー15の位置よりも手前側にカバーパネル5の先端があり、このためカバーパネル5を閉じたとき、ホルダー15に保持された縫合糸末端(又は縫合針)はカバーパネル5に覆われない。
【0024】ホルダー15及び17は、例えば発泡ポリウレタンでつくられた柱状の小片であり、表側に複数のスリット19が形成され、その間に複数の縫合糸12を挟んで保持する。例えば、縫合糸の一端(又は取付けられている縫合針14の接合部付近)を先端側のホルダー15のスリット19に挟み込んで保持し、縫合糸を延ばして下側のホルダー17のスリット19に挟み込み、更に延ばしてパッケージの根元側末端までの間に方向転換して再びホルダー17の同じスリット19を逆方向に通過させて保持し、最後に末端が再びホルダー15の同じスリット19に挟まれて保持される。ホルダーは、図では共に1列ずつであるが、それぞれ2列以上設けてもよく、また、縫合糸の長さに応じて中間部に更にホルダーを設けてもよい。また、図のように、先端側のホルダー15をやや斜めに設け、スリット19をパッケージ1の長手方向と平行に設けておけば、複数本の縫合糸が段階的に並置されるので、その抜き取りが一層容易になる。なお、縫合糸は、その両端又は片端に縫合針が取付けられていてもよい。
【0025】蓋パネル7にはタブ23が形成されており、これは、パッケージ1を組立てたとき対応する位置にくるスリット25内に挿入されることにより、蓋パネル7を所定位置に仮止めする働きをする。蓋パネルには、更に切り込み31が設けられており、パッケージを組立てたとき切り込み31に対応する位置において、ベースパネル3(フラップ11を含む)に、切り込み31とは角度の異なる切り込み33が設けられている。これらの切り込みは後述のように、相互にかみ合って蓋パネル7をベースパネル3に仮止めするのに使用される。タブ23及びスリット25の組合わせと、一対の切り込み31、33とは、必ずしも両者同時に設けることは必要でなく、タブ23及びスリット25のみ、又は、一対の切り込み23及び25のみによって蓋パネル7を仮止めしてもよい。
【0026】図3は、第1実施例のパッケージを閉じた状態の平面図である。図に示されたように、タブ23がスリット25に挿入されることにより、蓋パネル7は閉じた状態に維持されている。また、蓋パネル7の縁にある切り目31とベースパネル3の縁にある切り目33とがかみ合って、パッケージ1の先端側をやはり仮止めしている。これらの仮止め機構により、蓋パネル7は閉じられた状態に維持されている。蓋パネル7は、軽く持ち上ればタブ23がスリット25から抜け、切り目31、33のかみ合いも外れるため、容易に開かれる。
【0027】一方、折り畳まれたカバーパネル5の縁35をベースパネル3上に保持するには適宜の手段を用いればよいが、図では、蓋パネル7の仮止めに用いた切り目31、33のかみ合せと同様のかみ合せ32、34を用いている。このようなかみ合せを縁35又は37の適宜の位置に1つ乃至2つ以上設ければよい。また、同様に蓋パネル7の仮止めに用いたように、カバーパネル5の縁にタブを設け、中間パネル9の対応位置にスリットを設けることによってもよい。恒久的に固定する場合には、接着その他慣用の手段を用いてよく、また例えば、カバーパネル5とベースパネル3とを跨ぐようにしてラベルやテープを貼ってもよい。カバーパネル5がベースパネル3上にテープ等で固定される場合、縫合糸のはみ出し等を防止できる中間パネル9は省くことも可能であり、また中間パネル9の代わりに、ベースパネルの縁にカバーパネルと当接する折り返し部分を設けてもよい。
【0028】図4は、蓋パネル7の仮止めに用いた切り込み31、33の働きを具体的に示す。分図Aは、蓋パネル7をベースパネル3上に閉じる寸前の状態を示す、パッケージ1の先端側からの斜視図である。図1に示したフラップ11にあるスリット33は、フラップ11をベースパネル3表面上に折り返すことにより重なり合って、分図Aに33で示した直線的スリットを形成している。分図Bは、蓋パネル7とベースパネル(間のフラップ11を含む)とを重ね合わせた状態の、同じ角度から見た拡大図である。このように重ね合せた状態で、切り込み31より右側において蓋パネル7をベースパネル3側へ相対的に一旦ずらすことにより、2つの切り込み31、33の間に位置する両パネル部分が一時的に反り返って相互に滑りながら通過し、分図Cに示した、相互に入り組んだ状態へと移行して相互に係止される。これは両パネルに仮止めを提供する。こうして係止された両パネルは、それらを剥がす方向の軽い外力により、相互に入り組んだ領域の一時的変形を経て容易に脱係止させることができる。
【0029】上記第1実施例は、このような構造であるため、図5に示したように片手で保持して、親指を、蓋パネル7の下へ差し込み、蓋パネル7とベースパネル3との連結部41側へとカバーパネル上で滑らせるだけで、蓋パネル7を容易に開くことができる。
【0030】尚、上記第1実施例の図2〜4は、左右を逆にしたものであってもよく、また図5における蓋パネルの開放は、右手によっても同様に可能である。
【0031】図6は、本発明の第2実施例を示し、第1実施例とは蓋パネルの下側の縁39の形状においてのみ異なっている。他の参照番号は第1実施例の図3と対応している。本実施例においては、蓋パネル7の手前側の縁39は、ベースパネル3との連結部41から離れるにつれてパッケージ1の先端方向すなわち図面上方へと後退し、パッケージ1の長手方向に対し斜めの角度を提供している。縁39は直線的であってもよいが、特に好ましいのは、図にあるように斜めに曲線的に窪むような形状である。斜めの縁39は蓋パネル7の下への親指の挿入を一層楽にする。また、図7に示したようにパッケージを持ったとき、蓋パネル7の縁39とベースパネル3との接合部が蓋パネル7の縁39の中間部より手前側に、即ち親指側に深く入り込むことになるため、蓋パネルを開放した後に該両パネルの折り目付近を親指で押さえて開放状態を維持するのに極めて楽である。本実施例も、第1実施例と同様、左右を逆にしてもよい。但し、手術に際し持針器は通常右手に持つことが多く、従って本発明のパッケージは縫合糸取出しに際して左手で保持されることが多いから、より好ましいのは図6と左右が同一の方向のものである。また、そのようなパッケージは、たとえ左手に持針器を持つ者が右手でパッケージを持った場合であっても、縁39の付け根が図3に比して手前側にくるため、親指で蓋パネル7を開くのに一層楽である。
【0032】図8は、上記以外の仮止め手段の一例を示すための、パッケージ1の平面図である。図において、50は蓋パネル7の延長部分であり、破線で示した折り目52に沿ってベースパネル3の裏面へと単に折り畳まれることにより、蓋パネル7を閉じた状態に保持する。この場合も、蓋パネルは、図5に示したのと同様にして容易に開くことができる。
【0033】
【発明の効果】本発明のパッケージは、一方の手で持針器を持ったまま、他方の手のみでパッケージを保持して蓋を開け縫合糸末端を露出できるため、手術に際した縫合糸の取出しを容易にする。
【出願人】 【識別番号】000231394
【氏名又は名称】株式会社アズウェル
【出願日】 平成10年(1998)4月15日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】早坂 巧
【公開番号】 特開平11−299797
【公開日】 平成11年(1999)11月2日
【出願番号】 特願平10−121819