| 【発明の名称】 |
肌年齢の推定方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】橿淵 暢夫
【氏名】平井 義和
【氏名】藤原 典雄
【氏名】宮澤 雅一
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| 【要約】 |
【課題】本発明は、簡便に、且つ、精度良く肌の実質的な加齢状態、即ち、肌年齢を推定しうる技術を提供することを課題とする。
【解決手段】表皮の角質細胞の平均面積と季節とを指標とすることを特徴とする、肌年齢の推定方法を提供する。本発明によれば、簡便に、且つ、精度良く肌の実質的な加齢状態、即ち、肌年齢を推定しうる技術を提供することができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 表皮の角質細胞の平均面積と季節とを指標とすることを特徴とする、肌年齢の推定方法。 【請求項2】 表皮の角質細胞が頬の角質細胞であることを特徴とする、請求項1に記載の肌年齢の推定方法。 【請求項3】 季節が春、夏、秋、冬の4つの因子で構成されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の推定方法。 【請求項4】 細胞面積をY、推定肌年齢をXとした場合、春に於けるYが次の式1で算出されることを特徴とする、請求項1〜3の何れか一項に記載の肌年齢の推定方法。 (式1)Y=661.65+4.46X【請求項5】 細胞面積をY、推定肌年齢をXとした場合、夏に於けるYが次の式2で算出されることを特徴とする、請求項1〜3の何れか一項に記載の肌年齢の推定方法。 (式2)Y=678.67+3.78X【請求項6】 細胞面積をY、推定肌年齢をXとした場合、秋に於けるYが次の式3で算出されることを特徴とする、請求項1〜3の何れか一項に記載の肌年齢の推定方法。 (式3)Y=630.37+4.77X【請求項7】 細胞面積をY、推定肌年齢をXとした場合、秋に於けるYが次の式4で算出されることを特徴とする、請求項1〜3の何れか一項に記載の肌年齢の推定方法。 (式4)Y=636.22+5.24X |
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、肌の状態や肌質の鑑別に好適な、肌年齢の推定方法に関する。 【0002】 【従来の技術】人間の加齢変化は個体群に於いて一様に起こるものではなく、個人差が大きい。従って、加齢変化に対する化粧等の処置を、個体群をグロースに捉えて行うことは、かかる個人差に対処できない場合が多く存在する。従って、この様な不都合を解決するために種々のパラメータを設定して、肌分類を行って、この分類群に適した化粧料を選択するなどの対処が為されている。しかしながら、この様な分類のためのパラメータは多岐に亘ることが多く、測定すべき物性値も決して少なくなく、非常に労力の多いものであった。この様な加齢変化を簡便に推定する方法が望まれていた。 【0003】一方。加齢変化と角質細胞の細胞面積の間には、加齢に従って細胞面積が増大する傾向にあることは既に知られていることであったが、年齢と細胞面積の間に明確な相関関係は見いだせず、細胞面積のみから肌の加齢状態、即ち、肌年齢を推定することは不可能であった。又、細胞面積が気温、天候により異なることは既に知られていることであったが、具体的な細胞面積への寄与状況は全く知られていなかった。更に、季節と細胞面積を指標として処理する事により、極めて精度良く肌の実質的加齢状態即ち肌年齢を推定しうることは、全く知られていなかった。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、この様な状況下為されたものであって、簡便に、且つ、精度良く肌の実質的な加齢状態、即ち、肌年齢を推定しうる技術を提供することを課題とする。 【0005】 【課題の解決手段】本発明者らはこの様な状況に鑑みて、簡便に、且つ、精度良く肌の実質的な加齢状態、即ち、肌年齢を推定しうる技術を求めて鋭意研究努力を重ねた結果、表皮の角質細胞の平均面積と季節とを指標とすることにより、この様な推定が可能になることを見いだし、発明を完成するに至った。 【0006】 【発明の実施の形態】(1)表皮の角質細胞の細胞面積と年齢との関係本発明の指標の一つである、角質細胞の細胞面積は、テープなどで皮膚より、上部角質細胞を剥離させ、これを染色し、細胞の境界を明確にし、しかる後にこの面積を計測し平均することにより求めることが出来る。この場合の角質細胞標本は、通常知られているテープストリッピング法、テープストリップ・テープ転写法等の方法で採取することができるが、特に好ましい方法は形態維持性のあるディスクの片面に粘着剤を塗布し、これを採取部位に貼付して剥離し、これを粘着テープ状に転写する方法である。これは、一様に押しつけられるため、ムラ無く剥離できるからである。又、採取部位としては、後記実施例に示す如く、上腕内側部などの非露出部よりも顔の頬などの露出部の方が好ましい。露出部としては、ある程度の面積の角質細胞が採集しうることから頬が特に好ましい。かくして得られた標本は、通常知られている方法に従って、細胞の境界面明確にするために染色すればよい。かかる染色法法としては、例えば、ヘマトキシリン・エオシン染色やゲンチアナバイオレット染色、ブリリアントグリーン染色などが好ましく例示できる。これらの内、特に好ましいものはゲンチアナバイオレット染色及びブリリアントグリーン染色から選ばれる1種乃至は2種である。かかる標本を顕微鏡などで観察したり、顕微鏡写真を画像としてコンピューターに取り込み画像解析等を行い、面積を測定すればよい。この際、顕微鏡観察では計数板などを用いて面積測定を行えばよいし、画像解析ではプログラムに従って面積を測定することが出来る。細胞面積は数点を測定して平均値を求めるのが好ましい。かくして得られた角質細胞の面積と年齢とは、年齢が高くなるに従って角質細胞面積が増大する傾向にあることを示すが、相関係数としては相関関係ありといえるものでは無かった。 【0007】(2)季節と角質細胞の細胞面積上記の如く求めた角質細胞面積に対する、季節の要因の影響は、次に示す表1の如く、夏、秋に比べ春、冬にばらつきが大きくなる傾向にあることを本発明者らは見いだした。このことは、即ち、季節により角質細胞面積が変化することを物語っている。本発明者らは、この事実に着目し、この因子を年齢因子に加えて、角質細胞面積を解析すると、優れた、相関関係が存在することを見いだした。即ち、このことは、肌年齢が季節毎に角質細胞の面積を変数とする関数で表されることを意味する。尚、表1の角質細胞面積は115名の平均データであり、細胞の採取部位は頬部、測定法は、粘着剤を塗布したディスクを頬部に貼付、剥離した後、粘着テープ上に転写し、ゲンチアナバイオレット染色とブリリアントグリーン染色を行い、その顕微鏡像をビデオ画像に取り込み画像解析したものである。 【0008】 【表1】
【0009】(3)本発明の肌年齢の推定方法本発明の肌の加齢変化、即ち、肌年齢の推定方法は、表皮の角質細胞の平均面積と季節とを指標とすることを特徴とする。即ち、上記の如く、肌年齢が季節毎に角質細胞の面積を変数とする関数で表されることを利用し、人より頬の角質細胞を採取し、この面積を上記の如く測定し、この測定値を用いて、測定時期に合わせて、次の式より適切な式を選択し、肌年齢を推定するものである。これらの式は、何れも優れた相関関係を有する。 <春:3月〜5月>角質細胞面積=661.65+4.46×肌年齢肌年齢=(661.65−角質細胞面積)/4.46<夏:7月〜9月>角質細胞面積=678.67+3.78×肌年齢肌年齢=(678.67−角質細胞面積)/3.78<秋:10月〜11月>角質細胞面積=630.37+4.77×肌年齢肌年齢=(630.37−角質細胞面積)/4.77<冬:12月〜2月>角質細胞面積=636.22+5.24×肌年齢肌年齢=(636.22−角質細胞面積)/5.24【0010】 【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明について更に詳細に説明を加えるが、本発明がこれら実施例にのみ限定を受けないことは言うまでもない。 【0011】<実施例1>任意に選択した女性パネラー115名について一年間に亘って、角質細胞の細胞面積を追跡調査した。角質細胞は、粘着剤を塗布したディスクを頬部及び上腕内側部に貼付、剥離した後、粘着テープ上に転写し、ゲンチアナバイオレット染色とブリリアントグリーン染色を行い、その顕微鏡像をビデオ画像に取り込み画像解析した。これを春、夏、秋、冬の季節毎に年齢との関係を調べた。結果は次に示すとおりである。尚、採取時期は、春が4月、夏が8月、秋が10月、冬が1月であった。以下のデータが示すとおり、季節毎に分けることにより、年齢と細胞面積に如実な相関関係が現れ、以て、細胞面積により肌年齢の推定が可能であることが判明した。更に、細胞の採取場所は頬部が好ましいこともわかる。 <春>(頬部) 角質細胞面積=661.65+4.46×肌年齢肌年齢=(661.65−角質細胞面積)/4.46相関係数0.520(上腕内側部) 角質細胞面積=1004.97+3.29×肌年齢肌年齢=(1004.97−角質細胞面積)/3.29相関係数0.377<夏>(頬部) 角質細胞面積=678.67+3.78×肌年齢肌年齢=(678.67−角質細胞面積)/3.78相関係数0.422(上腕内側部) 角質細胞面積=946.84+5.19×肌年齢肌年齢=(946.84−角質細胞面積)/5.19相関係数0.553<秋>(頬部) 角質細胞面積=630.37+4.77×肌年齢肌年齢=(630.37−角質細胞面積)/4.77相関係数0.564(上腕内側部) 角質細胞面積=1041.98+4.54×肌年齢肌年齢=(1041.98−角質細胞面積)/4.54相関係数0.501<冬>(頬部) 角質細胞面積=636.22+5.24×肌年齢肌年齢=(636.22−角質細胞面積)/5.24相関係数0.560(上腕内側部) 角質細胞面積=1025.73+2.99×肌年齢肌年齢=(1025.73−角質細胞面積)/2.99相関係数0.323【0012】<実施例2>任意に選び出した、13名の10代のパネラー(平均年齢15.3歳)に対して、春、夏、秋、冬に頬部より角質細胞を採取し、この面積より年齢を推定した。結果を表2に示す。これより、本発明の推定法によれば一年を通じて正確に肌年齢を推定しうることがわかる。 【0013】 【表2】
【0014】<実施例3>実施例2と同様に11名の50代のパネラー(平均年齢54.6歳)についても推定を行った。結果を表3に示す。ここに於いても正確に肌年齢が推定されることがわかった。即ち、年齢にかかわり無く本発明で平均年齢が推定できることがわかる。 【0015】 【表3】
【0016】 【発明の効果】本発明によれば、簡便に、且つ、精度良く肌の実質的な加齢状態、即ち、肌年齢を推定しうる技術を提供することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000113470 【氏名又は名称】ポーラ化成工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)4月21日 |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開平11−299792 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)11月2日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−126695 |
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