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【発明の名称】 X線診断装置
【発明者】 【氏名】竹本 隆之

【要約】 【課題】X線撮像部からのX線画像信号を電気ケーブルを用いることなく伝送する。

【解決手段】X線撮像部1で採取されたX線透過画像の電気的ディジタル信号を発光部2で光信号に変換し、その光信号をミラー3で反射して受光部4に導き、この受光部4において光信号を再び電気的ディジタル信号に変更する、という信号伝達を行うことで、電気ケーブルを用いることなくX線画像信号を伝送できるようにする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 X線画像を電気的ディジタル信号として出力するX線撮像部と、このX線撮像部の出力信号を光信号に変換する発光部と、その発光部から出力される光信号を反射するミラーと、このミラーで反射された光信号を受光して電気的ディジタル信号に変換する受光部とを備えていることを特徴とするX線診断装置。
【請求項2】 上記発光部からミラーを経て受光部に至る光経路上に少なくとも1つのレンズを設けるとともに、そのレンズ位置を、発光部から受光部までの光路長の変化に応じて変化させるレンズ移動機構を設けたことを特徴とする請求項1に記載のX線診断装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は医療用のX線診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】医療X線診断システムにおいて、被験者の所望の部位をX線撮影するために、X線検出部を被験者に対して左右水平方向に移動させ、X線検出部のみにX線を照射してX線透過像を得ている。そのX線検出部には、長年、フィルムカセットやイメージインテンシファイア(I.I)などが用いられてきたが、これに替わるものとして、特開平4−212458号公報、特開平4−212456号公報に示されるような平面型X線撮像装置が作られている。
【0003】平面型X線撮像装置には、平板上に多数のマトリクス状のスイッチング素子を配置し、その上に半導体層を設け、X線フォトンを半導体層において電気信号に変換することで、X線透過画像を電気的ディジタル信号で出力する直接変換方式のもの、また、半導体層上に蛍光体(シンチレータシート)を層状に重ね合わせ、その蛍光体へのX線の入射により発生する光を半導体層において電気信号に変換する間接変換方式のものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の平面型X線撮像装置においては、その出力信号(電気信号)や制御信号の伝送を電気ケーブルによって行っている。しかしながら、X線診断においては、前記したように、X線検出部(X線撮像部)は左右水平方向に移動させる必要があり、このため、ケーブルはX線撮像部の移動に対して冗長長さを確保しなけらばならず、またケーブルの冗長長さを吸収するための構造(スペース)が必要となる。さらにケーブルとして耐久性のあるものを用いる等、ケーブルを使用する上での処理を講じる必要がある。
【0005】本発明は、上記したケーブル処理に関する問題を解消したX線診断装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するため、本発明のX線診断装置は、X線画像を電気的ディジタル信号として出力するX線撮像部と、このX線撮像部の出力信号を光信号に変換する発光部と、その発光部から出力される光信号を反射するミラーと、このミラーで反射された光信号を受光して電気的ディジタル信号に変換する受光部とを備えていることによって特徴づけられる。
【0007】本発明のX線診断装置において、X線撮像部から出力されるディジタル出力信号は発光部で光信号に変換され、その光信号がミラーで反射され受光部に入射し、そこで電気的ディジタル信号に再び変換される、という経路で信号の伝達が行われる。従って、本発明のX線診断装置では、X線撮像部からの画像信号を、ケーブルを使用することなく伝送することができ、従来必要であったケーブル処理が不要になる。
【0008】ここで、本発明のX線診断装置において、発光部からミラーを経て受光部に至る光経路上に少なくとも1つのレンズを設けるとともに、そのレンズ位置を、発光部から受光部までの光路長の変化に応じて変化させるレンズ移動機構を設けておけば、X線撮像部が左右水平方向に移動した際に、発光部とミラーとの間の距離及びミラーと受光部との間の距離が変化しても、受光部4で受ける光の焦点を調節することが可能となるので、発光部からの光信号を常に良好な状態で電気信号に変換することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、以下、図面に基づいて説明する。
【0010】図1及び図2はそれぞれ本発明の実施の形態の構造を模式的に示す平面図及び側面図である。
【0011】本実施の形態のX線診断装置は、X線撮像部1と、このX線撮像部1の出力側に一体的に設けられた発光部2と、発光部2の光軸上(x軸)に置かれ発光部2の出力光を反射するミラー3と、ミラー3で反射された光を受光する受光部4とを備えており、それらX線撮像部1、発光部2及びミラー3はともに支持プレート5上に載置されている。
【0012】X線撮像部1には、先に述べた平面型X線撮像装置が用いられており、X線管(図示せず)から出射され被験者を透過したX線透過画像を電気的ディジタル信号に変換して出力する。
【0013】発光部2は、X線撮像部1からの電気的ディジタル信号を発光素子(例えば半導体レーザ)に印加し、その電気的ディジタル信号を光信号(ディジタル信号)に変換する。この発光部2の光軸はx軸に一致している。また、発光部2からの光信号を反射するミラー3はx軸に対して45°の傾きをもって配置されている。従って発光部2の出力光信号はミラー3で反射された後、y軸方向に進み受光部4に入射する。
【0014】受光部4は、発光部2からの光信号を受光素子で受光し、そのディジタル光信号を再び電気的ディジタル信号に変換する。この受光部4はミラー3からの反射光が進行する光路上に固定配置される。
【0015】そして、本実施の形態において、X線撮像部1及び発光部2は、支持プレート5に設けられたガイド51に沿ってx方向に移動可能となっており、それらX線撮像部1及び発光部2を移動するためのx軸移動機構6が設けられている。またX線撮像部1、発光部2及びミラー3を支持する支持プレート5は、y方向に延びるレール52に沿って移動可能となっており、この支持プレート5を移動するためのy軸移動機構7が設けられている。
【0016】従って、本実施の形態においては、x軸移動機構6及びy軸移動機構7の駆動により、X線撮像部1をx−y方向の任意の位置に移動させることができ、被験者の所望の位置にX線撮影部1を配置することができる。
【0017】また、本実施の形態では、X線撮像部1及び発光部2がx方向のみに移動し、X線撮像部1、発光部2及びミラー3を支持する支持プレート5がy方向のみに移動するので、X線撮像部1がx−y方向の任意の位置に移動しても、発光部2からミラー3を経て受光部4に至るまでの光経路が変わることがなく、発光部2からの光信号は常に受光部4の同じ位置に入射する。
【0018】なお、x軸移動機構6及びy軸移動機構7には、ラック・ピニオンやボールねじとモータを組み合わせた機構などの、一般に使用されている公知の移動機構が用いられる。また、x軸移動機構6及びy軸移動機構7は、X線診断システムに設けられるコントローラ等からの駆動信号によって制御される。
【0019】ここで、図1に示す構成において、X線撮像部1がx−y方向に移動すると、発光部2とミラー3との間の距離及びミラー3と受光部4との間の距離が変化するので、受光部4の受光面での焦点がぼける可能性がある。
【0020】これを解消する手段として、本実施の形態では、図3に示すように、発光部2の光軸上で発光部2に近い位置にレンズ11を配置し、またミラー3による反射光の光軸上で受光部4に近い位置にレンズ12を配置するとともに、発光部2側のレンズ11を光軸方向に平行移動するレンズ移動機構13を設けて、発光部2側のレンズ11の位置を、X線撮像部1の移動に伴って変化する光経路の長さに応じて変化させることで、受光部4で受ける光信号の焦点を調節するという構成を採用する。
【0021】このようなレンズ移動機構13も前記したコントローラ等からの駆動信号によって制御する。具体的には、発光部2がx−y方向に移動した距離と、発光部2、ミラー3及び受光部4の幾何学的位置との関係に基づいて、受光部4において焦点を合わせるためのレンズ11の位置を予め計算等によって求め、そのレンズの位置データをコントローラに設定しておき、それら位置データとx軸移動機構6及びy軸移動機構7に供給する駆動信号に応じて、コントローラがレンズ移動機構13の駆動を制御するという方法を採用する。
【0022】以上の図3の構成において、レンズ移動機構13には、乾式複写装置やCDピックアップ部分に用いられている種々の移動機構、すなわち、ボールねじ等を用いてレンズを機械的に動かす機構、あるいは圧電素子(ピエゾ素子)を用いて発光部近傍のレンズを微小移動させる方法を適用することができる。また、他の方法としてダイヤフラムと磁場を組み合わせてレンズを微小移動させる方法が考えられる。
【0023】なお、以上のような焦点合わせのためのレンズは、必ずしも2枚とする必要はなく、3枚以上のレンズを光軸上に配置してもよい。また、1枚であっても発光部の近傍または受光部の近傍にレンズを配置すれば焦点合わせは可能である。
【0024】ここで、以上の実施の形態では、X線撮像部1からの信号の伝送のみついて記載しているが、X線撮像部1に制御信号を送る場合も同様な光信号の受渡しによって行うことができる。この場合、制御信号を出力する側に、その制御信号(電気的ディジタル信号)を光信号に変換する発光部を設け、X線撮像部1側に光信号を受光してディジタル電信号に再変換する受光部を設けておけばよい。なお、このような制御信号の光伝送を行う場合、ミラー・レンズは専用のものを個別に設けておいてもよいし、X線画像信号の光伝送系に配置したミラー・レンズを共用することも可能である。
【0025】また、以上の実施の形態では、X線撮像部1に対して一対の発光部2と受光部4を設けた例を示しているが、これに限られることなく、例えばX線撮像部1の画素数が多くて1フレーム分の信号伝送量が多い場合には、1つのX線撮像部1に対して複数対の発光部・受光部を設けてもよい。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のX線診断装置によれば、X線撮像部の移動に対して従来必要であったケーブル処理が不要となり、画像信号の伝送系の構成が簡素化されるとともに、省スペース化をはかることができる。また、従来ではX線画像を収集する際にケーブルが邪魔となったり、ケーブルに足を引っ掛ける等の問題があったが、このような点も解消される。しかも、発光部に用いる半導体レーザや、受光部に用いる受光素子は一般に広く利用され安価であるので、上記したような効果をさほどのコストアップを招くことなく達成できる。
【0027】なお、本発明のX線診断装置において、発光部からミラーを経て受光部に至る光経路上に少なくとも1つのレンズを設けるとともに、そのレンズ位置を、発光部から受光部までの光路長の変化に応じて変化させるレンズ移動機構を設けておけば、X線撮像部が左右水平方向に移動しても、受光部4で受ける光の焦点を常に合わせることが可能となり、信号伝送の信頼性を高めることができる。
【出願人】 【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
【出願日】 平成10年(1998)4月22日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】倉内 義朗
【公開番号】 特開平11−299763
【公開日】 平成11年(1999)11月2日
【出願番号】 特願平10−111655