| 【発明の名称】 |
脳活動計測装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】柳浦 真美子
【氏名】中島 道夫
【氏名】谷藤 学
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| 【要約】 |
【課題】撮像画像の静的バックグラウンドノイズを除去して、脳活動を反映する信号だけを精度良く計測できる脳活動計測装置を得る。
【解決手段】脳表面1に光を照射する光源2、光照射による反射散乱光を受光する対物レンズ4、結像レンズ5、受光した反射散乱光の光路を複数の光路に分割する光路分割器6、分割された光路のそれぞれに設置され特定の波長の光のみを透過させる帯域フィルタ7a、7b、帯域フィルタを透過した光を検出して画像信号を生成するCCDカメラ8a、8b、CCDカメラで生成されたそれぞれの画像信号の時間変化信号を出力する時間差分増幅器14a、14b、時間差分増幅器の出力である時間変化信号間の差動信号を出力する差動増幅器10を備えた。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 脳表面に光を照射する光照射手段、光照射による反射散乱光を受光する受光手段、受光した反射散乱光の光路を複数の光路に分割する光路分割手段、分割された光路のそれぞれに設置され特定の波長の光のみを透過させる複数の光透過手段、この複数の光透過手段を透過した光を検出して画像信号を生成する複数の画像信号生成手段、この複数の画像信号生成手段で生成されたそれぞれの画像信号の時間変化信号を出力する複数の時間差分増幅手段、この複数の時間差分増幅手段で出力された各時間変化信号間の差動信号を出力する差動増幅手段を備えたことを特徴とする脳活動計測装置。 【請求項2】 複数の光透過手段のうち少なくとも一つはヘモグロビンに対して吸収がある光を透過することを特徴とする請求項1記載の脳活動計測装置。 【請求項3】 複数の光透過手段のうち少なくとも一つは近赤外光を透過することを特徴とする請求項1記載の脳活動計測装置。 【請求項4】 各画像信号と各画像時間差分信号からヘモグロビン濃度を計算する演算手段を備えたことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の脳活動計測装置。 【請求項5】 差動増幅手段から出力された差動信号と、複数の画像信号生成手段で生成された画像信号のいずれか一つの画像信号とを重ね合わせる手段を備えたことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の脳活動計測装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、光による生体計測の技術分野に属し、詳しくは脳活動に伴う内因性ヘモグロビン変化を光量変化として計測するもので、脳における情報処理メカニズムの研究や脳外科手術の支援に利用できる脳活動計測装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】脳活動の変化を示す指標となり得るものとしてヘモグロビン濃度変化がある。脳活動が活発になれば、その場所での代謝が活発になり酸素消費が増えるため、酸素を供給するために血流量が増大しヘモグロビン濃度が増加する。ヘモグロビンは光を吸収するため、ヘモグロビン濃度変化を光の吸収で計測することができ、脳活動を知ることができる。 【0003】図9は、例えば、特開平8−38460号公報に示された従来の脳活動計測装置を示す構成図である。図において、1は人間を含む脳表面、2は脳表面1に光を照射する光源、3は鏡筒、4は対物レンズ、5は脳表面1からの反射散乱光を結像する結像レンズであり、光源2により照射された光の反射散乱光を脳表面1から受光する受光手段が対物レンズ4及び結像レンズ5から構成されている。6は結像レンズ5により結像された反射散乱光を2つの光路に分割する光路分割器、7a、7bは光路分割器6により分割された各光路にそれぞれ設置された帯域フィルタで、7aは570nm近傍の波長のみを透過させる帯域フィルタ、7bは630nm近傍の波長のみを透過させる帯域フィルタである。8a、8bは帯域フィルタ7a及び7bを透過した光を検出して画像信号を生成するCCDカメラ、9a、9bはCCDカメラ8a及び8bにより生成された各画像信号間の輝度やコントラストを一致させる画像調整器、10は画像調整器9a及び9bから出力された画像信号間の差動処理を画素単位で行いその差動信号を出力する差動増幅器、11は差動増幅器10から出力された差動信号を増幅するゲイン調整器、12はゲイン調整器11から出力された信号を表示するテレビモニタ、13はゲイン調整器11から出力された信号を記憶するビデオテープレコーダである。 【0004】また図10は、酸化型ヘモグロビン(HbO2)及び脱酸素型ヘモグロビン(Hb)の吸収スペクトルを示す図である。 【0005】次に動作について説明する。まず、光源2が脳表面1に光を照射すると、その光による反射散乱光を対物レンズ4が受光し、結像レンズ5がその反射散乱光を結像する。そしてかかる反射散乱光は、光路分割器6に受光されると2つの光路に分割され、各光路に置かれている570nm近傍の波長のみを透過させる帯域フィルタ7a及び630nm近傍の波長のみを透過させる帯域フィルタ7bにそれぞれ入射される。 【0006】上記図10に示すように、帯域フィルタ7aで透過される570nm近傍の波長では、酸化型ヘモグロビン及び脱酸素型ヘモグロビンとも光の吸収が大きい。一方、帯域フィルタ7bで透過される630nm近傍の波長では、酸化型ヘモグロビン及び脱酸素型ヘモグロビンとも570nm近傍の波長に比べてヘモグロビンによる光の吸収はかなり小さい。従って、脳でヘモグロビン濃度変化が起きると、570nm近傍の波長ではヘモグロビンに起因する反射散乱光量変化は大きくなり、630nm近傍の波長では小さくなる。 【0007】こうして、脳活動に伴うヘモグロビン濃度変化の情報を多く含んだ570nm近傍の波長の光のみを透過させる帯域フィルタ7aに入射された反射散乱光はCCDカメラ8aに結像され、ヘモグロビン濃度変化の情報をあまり含まない630nm近傍の波長の光のみを透過させる帯域フィルタ7bに入射された反射散乱光はCCDカメラ8bに結像される。CCDカメラ8a及び8bは、その反射散乱光から脳表面1の2次元の画像信号をそれぞれ生成する。そして、各画像信号は画像調整器9a及び9bでそれぞれの輝度とコントラストを調整後、差動増幅器10に入力される。そして、各画像信号を入力すると差動増幅器10は、画像調整器9a及び9bより出力された各画像信号間の差動処理を画素単位で行い両者の差動信号を出力する。 【0008】ここで、各画像信号間の差動処理を行う理由は、570nm近傍の波長の光による画像信号は、脳活動を反映する信号と、脳の活動を反映する信号以外のバックグラウンド(例えば脳の血管の画像など)とから構成されるのに対して、630nm近傍の波長の光による画像信号は、バックグラウンドのみで構成されるため、570nm近傍の波長の光による画像信号から630nm近傍の波長の光による画像信号を差し引けば、バックグラウンドが除去されて、脳活動を反映する信号のみを計測することができるからである。 【0009】差動増幅器10から出力された脳活動を反映する差動信号は、ゲイン調整器11で増幅された後、テレビモニタ12に入力され、テレビモニタ12が差動信号に基づいてヘモグロビン濃度を含む脳活動を反映した画像を表示する。一方、差動信号はビデオテープレコーダ13にも入力され、ビデオテープレコーダ13が脳活動を反映した画像を記憶して一連の処理を完了する。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、バックラウンド画像には、血管などにより脳表面の明暗度が異なることに起因する静的バックグラウンドノイズと、心拍や呼吸に基づく脳表面の振動などに起因する動的バックグラウンドノイズの2種類のノイズが含まれている。従来の脳活動計測装置は、波長の異なる光から各画像信号を生成するので、生成された画像のバックグラウンドが両画像間で同一ではなく、この画像間のバックグラウンド差を輝度とコントラストの調整器9a、9bで調整しても完全には同一のバックグラウンド画像とは成らず、その結果差動増幅器10から出力される差動信号から、特に上述した静的バックグラウンドノイズが除去しきれないという問題点があった。そのため、得られた脳活動を反映する差動信号がノイズにより不正確であり、またこのノイズによって差動信号がばらつくため増幅率をあまりあげれなかった。 【0011】この発明は以上のような問題点を解決するためになされたもので、画像の静的バックグラウンドノイズを除去して、脳活動を反映する信号だけを精度良く計測できる脳活動計測装置を得ることを目的とする。 【0012】 【課題を解決するための手段】この発明に係る脳活動計測装置は、脳表面に光を照射する光照射手段、光照射による反射散乱光を受光する受光手段、受光した反射散乱光の光路を複数の光路に分割する光路分割手段、分割された光路のそれぞれに設置され特定の波長の光のみを透過させる複数の光透過手段、この複数の光透過手段を透過した光を生成して画像信号を出力する複数の画像信号生成手段、この複数の画像信号生成手段で生成されたそれぞれの画像信号の時間変化信号を出力する複数の時間差分増幅手段、この複数の時間差分増幅手段で出力された各時間変化信号間の差動信号を出力する差動増幅手段とを備えたものである。 【0013】また、複数の光透過手段のうち少なくとも一つはヘモグロビンに対して吸収がある光を透過するものである。 【0014】また、複数の光透過手段のうち少なくとも一つは近赤外光を透過するものである。 【0015】また、各画像信号と各画像時間差分信号からヘモグロビン濃度を計算する演算手段を備えたものである。 【0016】また、差動増幅手段から出力された差動信号と、複数の画像信号生成手段で生成された画像信号のいずれか一つの画像信号とを重ね合わせる手段を備えたものである。 【0017】 【発明の実施の形態】実施の形態1.以下、この発明の実施の一形態を図を用いて説明する。図1は、この発明の実施の形態1による脳活動計測装置を示す構成図である。 【0018】図において、1は人間を含む脳表面、2は脳表面1に光を照射する光源(光照射手段)、3は鏡筒、4は対物レンズ、5は脳表面1からの反射散乱光を結像する結像レンズであり、光源2により照射された光の反射散乱光を脳表面1から受光する受光手段が対物レンズ4及び結像レンズ5から構成されている。6は結像レンズ5により結像された反射散乱光を2つの光路に分割する光路分割器(光路分割手段)、7a、7bは光路分割器6により分割された各光路にそれぞれ設置された帯域フィルタ(光透過手段)で、7aは570nm近傍の波長のみを透過させる帯域フィルタ、7bは630nm近傍の波長のみを透過させる帯域フィルタである。8a、8bは帯域フィルタ7a及び7bを透過した光を検出して画像信号を生成するCCDカメラ(画像信号生成手段)、9a、9bはCCDカメラ8a及び8bにより生成された画像信号間の輝度やコントラストを一致させる画像調整器である。14a、14bはCCDカメラ8a及び8bで画像信号に生成された脳表面1からの反射散乱光の時間変化信号を出力する時間差分増幅器(時間差分増幅手段)である。10は時間差分増幅器14a及び14bから出力された画像信号間の差動処理を画素単位で行いその差動信号を出力する差動増幅器(差動増幅手段)、11は差動増幅器10から出力された差動信号を増幅するゲイン調整器、12はゲイン調整器11から出力された信号を表示するテレビモニタ、13はゲイン調整器11から出力された信号を記憶するビデオテープレコーダである。なお、図示はしていないが、各フィルタとCCDカメラの間には色収差による焦点距離のずれを補正し画像の大きさを合わせるためのレンズを備えている。 【0019】次に動作について説明する。まず、光源2が脳表面1に光を照射すると、その光による反射散乱光を脳表面1から対物レンズ4が受光し、結像レンズ5がその反射散乱光を結像する。そしてかかる反射散乱光は、光路分割器6に受光されると2つの光路に分割され、各光路に置かれている570nm近傍の波長のみを透過させる帯域フィルタ7a及び630nm近傍の波長のみを透過させる帯域フィルタ7bにそれぞれ入射される。 【0020】570nm近傍の波長の光のみを透過させる帯域フィルタ7aに入射された反射散乱光は、CCDカメラ8aに結像されて脳表面1の2次元の画像信号に生成され、画像調整器9aで調整される。そしてかかる反射散乱光は、時間差分増幅器14aに入力され、、画素単位の時間差動処理により、血管などにより脳表面の明暗度が異なることに起因する静的バックグラウンドノイズがキャンセルされ、脳活動に伴うヘモグロビン濃度変化に起因する光変化が出力される。 【0021】ここで、時間差分増幅器14aによる時間差動処理とは、まず、脳活動計測の初期に入力される一定時間の画像(例えば、n+1、n+2、n+3の3枚)の平均画像(コントロール画像:N)を求める。次いで、その後に入力される画像信号(例えばn+4)とコントロール画像(N)の差分処理を行い出力するものである。 【0022】一方、630nm近傍の波長の光のみを透過させる帯域フィルタ7bに入射された反射散乱光は、CCDカメラ8bに結像されて脳表面1の2次元の画像信号に生成され、画像調整器9bで調整される。そしてかかる反射散乱光は、時間差分増幅器14bに入力され、上述したような画素単位の時間差動処理により静的バックグラウンドノイズがキャンセルされ、脳活動に伴うヘモグロビン濃度変化に起因する光変化が出力される。なお、時間差分増幅器14a及び14bの処理は同じタイミングで連動して行われる。 【0023】時間差分増幅器14a及び14bから出力されたそれぞれの時間差分信号は差動増幅器10に入力され、各時間差分信号間の差動処理を画素単位で行い両者の差動信号を出力することでバックグラウンドが除去され、動的バックグラウンドノイズの除去もされる。 【0024】そして、差動増幅器10から出力された脳活動を反映する差動信号は、ゲイン調整器11で増幅された後、テレビモニタ12に入力され、テレビモニタ12が差動信号に基づいてヘモグロビンの濃度を含む脳活動を反映した画像情報を表示する。一方、差動信号はビデオテープレコーダ13にも入力され、ビデオテープレコーダ13が脳活動を反映した画像情報を記憶して一連の処理を完了する。 【0025】以上のように、この実施の形態1によれば、時間差分増幅器14a及び14bで静的バックグラウンドノイズを除去し、さらに差動増幅器10で動的バックグラウンドノイズも除去して、脳活動を反映する信号だけを精度良く計測できる効果が得られる。 【0026】なお、上記実施の形態1では、帯域フィルタ7a及び7bとして、570nm近傍の波長と630nm近傍の波長を透過させる帯域フィルタを使用したが、少なくとも1つの波長がヘモグロビンに対して吸収がある波長であれば、他の波長の光透過手段を用いても良く、同様の効果が得られる。 【0027】また、画像調整器9a及び9bは、時間差分増幅器14a及び14bの前にそれぞれ設置していたが、時間差分増幅器14a及び14bの後ろに画像調整器9a及び9bをそれぞれ設置しても良く、同様の効果が得られる。 【0028】また、光路は2つに分割したが、光路を2つ以上に分割し、それぞれに光透過手段、画像信号生成手段、画像調整手段、時間差分増幅器を設けても良く、ヘモグロビン以外の物質、例えば400nm近傍の波長を透過させる帯域フィルタを使用して赤血球を同時計測できるようにしても良い。 【0029】実施の形態2.図2は、この発明の実施の形態2による脳活動計測装置を示す構成図である。本実施の形態では、上記実施の形態1のような、異なる2波長で脳表面の同一場所を画像化して信号処理を行うセットを2セット備え、それぞれのセットで焦点が異なるように設定した例である。焦点の設定は、脳表面からCCDカメラまでの光路長の調節と、各フィルタとCCDカメラの間に設置する色収差による焦点距離のずれを補正し画像の大きさを合わせるためのレンズで行う。各焦点の確認は、計測装置の鏡筒3の位置を上下させるか、あるいは脳表面1の位置を上下させるかして脳表面に焦点を合わせ、そのときの光路長の変化で確認することができる。 【0030】以上のように、本実施の形態2によれば、焦点をずらした計測のセットを2つ設けることで、得られた差動信号は脳内のそれぞれの焦点深度のところの信号を一番多く捉えているため、脳の2次元情報に加え、深さ方向のヘモグロビン変化の計測も同時に行うことができる。 【0031】なお、上記実施の形態2では、光路を4つに分割したが、光路を6つ以上に分割し、それぞれに光透過手段、画像信号生成手段、画像調整手段、時間差分増幅器を設けても良く、深さ方向の計測が詳しくできる。 【0032】また、帯域フィルタ7aとして570nm近傍の波長を透過させる帯域フィルタ、帯域フィルタ7bとして630nm近傍の波長を透過させる帯域フィルタを使用したが、少なくとも1つの波長がヘモグロビンに対して吸収がある波長であれば、他の波長の光透過手段を用いても良く、同様の効果が得られる。 【0033】また、画像調整器9a及び9bは、時間差分増幅器14a及び14bの前にそれぞれ設置していたが、時間差分増幅器14a及び14bの後ろに画像調整器9a及び9bをそれぞれ設置しても良く、同様の効果が得られる。 【0034】実施の形態3.図3は、この発明の実施の形態3による脳活動計測装置を示す構成図である。ここで帯域フィルタ7は、全て570nm近傍の波長のみを透過させる帯域フィルタである。本実施の形態では、上記実施の形態2に比べ計測を簡略化し、2波長の差分による、動的バックグラウンドノイズの除去を行わないで、1波長で焦点をずらした4光路で計測し、各CCD画像の時間差分による静的バックグラウンドノイズの除去のみを行う。焦点の設定は、上記実施の形態2と同様に行う。 【0035】以上のように、本実施の形態3によれば、上記実施の形態2と同様に、脳の2次元情報に加え、深さ方向のヘモグロビン濃度の計測を行うことができるが、振動などの動的バックグラウンドノイズの除去はできないため、振動の影響が小さいときに有効である。 【0036】なお、上記実施の形態3では、光路を4つに分割したが、光路の分割は4つ以外でも良く、それぞれに光透過手段、画像信号生成手段、時間差分増幅器を設けても良い。 【0037】また、光透過手段である帯域フィルタに570nm近傍の波長を透過させる帯域フィルタを使用したが、ヘモグロビンに対して吸収がある波長であれば、他の波長の光透過手段を用いても良く、同様の効果が得られる。 【0038】実施の形態4.図4は、この発明の実施の形態4による脳活動計測装置を示す構成図である。図において、15はCCDカメラ8a、8bの出力と時間差分増幅器14a、14bの出力からヘモグロビン濃度を計算する演算器である。なお、図には記していないが、各フィルタとCCDカメラの間には色収差による焦点距離のずれを補正し画像の大きさを合わせるためのレンズを備えている。 【0039】次に動作について説明する。脳表面1からの反射散乱光は、上記実施の形態1と同様に、透過波長領域の異なる帯域フィルタ7a及び7bを介してCCDカメラ8a及び8bで画像信号に生成され、時間差分増幅器14a、14bで時間差動処理される。次に、演算器15にCCDカメラ8a及び8bの出力と時間差分増幅器14a及び14bの出力が入力され、ヘモグロビン濃度が演算される。 【0040】次に、演算器15でのヘモグロビン濃度の演算方法について説明する。複数の波長計測値からヘモグロビン濃度を求める方法は、すでにランバート・ベア則の方程式を解く方法などが広く知られている。酸化型ヘモグロビンの濃度変化量をΔ[HbO2]、脱酸素型ヘモグロビンの濃度変化量をΔ[Hb]、散乱成分などによる平行移動量をS、ある波長の酸化型ヘモグロビンの分子吸光度をa、脱酸素型ヘモグロビンの分子吸光度をb、反射散乱光をI、反射散乱光変化をΔIとすると、光変化は、 log{(I+ΔI)/I}=aΔ[HbO2]+bΔ[Hb]+S (1) と書き表すことができる。また、式(1)の左辺は式(2)のように近似できる。 log{(I+ΔI)/I}=ΔI/I (2) ここで、ヘモグロビンの分子吸光度a、bは既知であるため、複数の波長で反射散乱光Iと反射散乱光変化をΔIを計測することで、方程式を解き、酸化型ヘモグロビンと脱酸素型ヘモグロビンの濃度変化を求めることができる。 【0041】従って、時間差分増幅器14a、14bから出力された反射散乱光の時間変化信号ΔIと、CCDカメラ8a、8bの出力Iを演算器15に入力し計算することで精度良くヘモグロビン濃度が計算できる。但し、2波長の計測結果からの計算では、二つの方程式で二つの未知数しか解けないため、散乱光変化Sが無視できるほど小さい場合はヘモグロビン濃度を求めることができ、散乱光変化Sが無視できない場合はヘモグロビンの相対的な濃度を求めることができる。 【0042】以上のように、実施の形態4によれば、上記実施の形態1による精度良いヘモグロビン濃度の画像情報を、具体的な数値情報として出力することができる。 【0043】なお、演算器15から出力されるヘモグロビン濃度を表す信号は、酸化型ヘモグロビンと脱酸素型ヘモグロビンとを足し合わせた総ヘモグロビン量である。演算器15から出力された信号は、ゲイン調整器14で増幅された後、テレビモニタ15にヘモグロビン濃度の数値として表示され、さらにビデオテープレコーダ16に記憶され、一連の処理を完了する。 【0044】演算器15から出力する信号は、酸化型または脱酸素型ヘモグロビンのそれぞれに対してでも良い。この場合、テレビモニタ等を信号の数だけ複数個備え、同時にモニタできるようにしても良い。また複数の画像を1つの画面に重ね合わせて表示しても良い。 【0045】また、光透過手段である帯域フィルタ7a、7bに570nm近傍の波長と630nm近傍の波長を透過させる帯域フィルタを使用したが、ヘモグロビンに対して吸収がある波長であれば、他の波長の光透過手段を用いても良い。 【0046】実施の形態5.図5は、この発明の実施の形態5による脳活動計測装置を示す構成図である。本実施の形態では、ヘモグロビンに対して吸収がある2波長と、ヘモグロビンに対してあまり吸収がない1波長の計3波長の帯域フィルタを用いるものである。図において、7cはヘモグロビンに対して吸収がある540nm近傍の波長のみを透過させる帯域フィルタである。なお、図には記していないが、各フィルタとCCDの間には色収差による焦点距離のずれを補正し画像の大きさを合わせるためのレンズを備えている。 【0047】次に動作について説明する。まず、光源2が脳表面1に光を照射すると、その光による反射散乱光を脳表面1から対物レンズ4が受光し、結像レンズ5がその反射散乱光を結像する。そしてかかる反射散乱光は、光路分割器6に受光されると3つの光路に分割され、各光路に置かれている570nm近傍、630nm近傍、540nm近傍のそれぞれ波長のみを透過させる帯域フィルタ7a、7b及び7cにそれぞれ入射される。次いで、CCDカメラ9a、9b及び9cでそれぞれ画像信号に生成され、時間差分増幅器14a、14b及び14cでそれぞれ時間差動処理される。次に、演算器15にCCDカメラ9a、9b、9cの出力と時間差分増幅器14a、14b、14cの出力が入力され、ヘモグロビン濃度が演算される。 【0048】以上のように、本実施の形態5によれば、ヘモグロビン濃度は3波長の計測結果から計算するため、上記実施の形態4における2波長計測より正確に演算でき、さらに3つの方程式で3つの未知数を解くことができるので、散乱光変化Sも計算することができる。その結果、演算器15では、上記実施の形態4と同様に出力される各ヘモグロビン信号に加え、散乱光変化の信号も出力できる。 【0049】なお、上記実施の形態5では、光路を3つに分割したが、光路を4つ以上に分割し、それぞれに光透過手段、画像信号生成手段、時間差分増幅器を設けても良く、さらに精度の良い計算ができる。 【0050】また、光透過手段である帯域フィルタ7a、7b、7cに570nm近傍の波長と630nm近傍の波長と540nm近傍の波長を透過させる帯域フィルタを使用したが、少なくともその二つがヘモグロビンに対して吸収がある波長であれば、他の波長の光透過手段を用いても良い。 【0051】実施の形態6.図6は、本発明の実施の形態6による脳活動計測装置で計測する対象の模式図である。図において、100は脳表面1の上にある生体組織で、頭骨や筋肉組織、頭皮等である。また図7は、上記図10における酸化型ヘモグロビン及び脱酸素型ヘモグロビンの吸収スペクトルの近赤外領域を拡大した図である。 【0052】光源2から光が生体組織100に照射されると、可視光領域の光は生体組織100を透過できないが、近赤外領域(約750nm以上)の光は生体組織100を透過し脳表面1に入射される。脳表面1で反射散乱された光は、生体組織100を透過し上記の各実施の形態と同様に受光手段により受光される。図7に示すように、ヘモグロビンは、可視光領域ほどではないにしても近赤外領域の光にも吸収される。そこで、上記の各実施の形態において、ヘモグロビンの吸収がある近赤外光領域の光を透過させるフィルタを光透過手段として使用すると、生体組織100ごしに脳活動を計測でき、上記の各実施の形態と同様の効果が得られる。 【0053】実施の形態7.図8は、この発明の実施の形態7による脳活動計測装置を示す構成図である。図において、16はゲイン調整器11からの出力画像にCCDカメラ8aの出力画像を重ね合わせるスーパーインポーズ用アンプである。 【0054】脳表面1からの反射散乱光は、上記実施の形態1と同様に、透過波長領域の異なる帯域フィルタ7a及び7bを介してCCDカメラ8a及び8bで画像信号に生成され、時間差分増幅器14a、14bで時間差動処理される。次に、差動増幅器10から出力された脳活動を反映する差動信号をゲイン調整器11で増幅した後、CCDカメラ8aで撮像された脳表面の形状を表す画像を、スーパーインポーズ用アンプで重ね合わせて、テレビモニタ12で表示する。こうすることによって、脳表面の場所とヘモグロビンの濃度の関係を示すことができ、脳活動を分かり易く表示することができる。 【0055】なお、本実施の形態7は、上記各実施の形態に適用できる。また、本実施の形態7では重ね合わせる画像として、CCDカメラ8aの画像を用いたが、脳表面の形状が鮮明であればどのCCDカメラの画像を使っても良い。 【0056】なお、上記各実施の形態では、時間差分増幅器14a及び14bによる時間差動処理で、一定時間の平均画像をコントロール画像として使用したが、コントロール画像に1つ前に入力された画像を使用して、その次に入力された画像との差分処理を行っても静的バックグラウンドノイズの除去を行うことができ、同様の効果が得られる。 【0057】また、上記各実施の形態では、画像信号生成手段としてCCDカメラを用いたが、ホトダイオードなどの他の画像信号生成手段を用いても良く、同様の効果が得られる。 【0058】また、上記各実施の形態では、光照射手段を、2ヶ所からの光源で照射したが、1ヶ所や3ヶ所以上の複数光源にしても良く、さらにリング照明にしても良い。また光源と測定対象との距離を短く、あるいは密着して光の表面反射の影響を小さくしても良い。 【0059】また、上記各実施の形態では反射散乱光を受光手段で受光したが、光照射手段で口腔内や頭部側面から光照射して、その透過光を受光手段で受光しても良く、同様の効果が得られる。 【0060】 【発明の効果】以上のように請求項1記載の発明によれば、脳表面に光を照射する光照射手段、光照射による反射散乱光を受光する受光手段、受光した反射散乱光の光路を複数の光路に分割する光路分割手段、分割された光路のそれぞれに設置され特定の波長の光のみを透過させる複数の光透過手段、この複数の光透過手段を透過した光を検出して画像信号を生成する複数の画像信号生成手段、この複数の画像信号生成手段で生成されたそれぞれの画像信号の時間変化信号を出力する複数の時間差分増幅手段、この複数の時間差分増幅手段で出力された各時間変化信号間の差動信号を出力する差動増幅手段を備えたので、画像の静的バックグラウンドノイズを除去し、脳活動を反映する信号だけを精度良く計測できる効果が得られる。 【0061】また、請求項2記載の発明によれば、複数の光透過手段のうち少なくとも一つはヘモグロビンに対して吸収がある光を透過するので、画像の静的バックグラウンドノイズを除去し、脳活動を反映するヘモグロビン変化信号だけを精度良く計測できる効果が得られる。 【0062】また、請求項3記載の発明によれば、複数の光透過手段のうち少なくとも一つは近赤外光を透過するので、頭骨や頭皮などの生体組織上から脳活動を計測できる効果が得られる。 【0063】また、請求項4記載の発明によれば、各画像信号と各画像時間差分信号からヘモグロビン濃度を計算する演算手段を備えたので、ヘモグロビン濃度を精度良く算出できる効果が得られる。 【0064】また、請求項5記載の発明によれば、差動増幅手段から出力された差動信号と、複数の画像信号生成手段で生成された画像信号のいずれか一つの画像信号とを重ね合わせる手段を備えたので、脳活動を分かり易く表示できる効果が得られる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006013 【氏名又は名称】三菱電機株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)4月17日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】宮田 金雄 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−299760 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)11月2日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−108030 |
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