| 【発明の名称】 |
電子スピン共鳴3次元イメージング用コイル装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】土屋 忠彰
【氏名】本橋 元
【氏名】高橋 富士雄
【氏名】工藤 亮介
【氏名】大矢 博昭
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| 【要約】 |
【課題】所望の条件の磁場を円滑にかつ確実に発生させることができ、かつ装置の小型化を図ることができると共に、測定対象を中型の動植物にまで広げることができる電子スピン共鳴3次元イメージング用コイル装置の提供。
【解決手段】鞍型に形成された均一磁場発生コイル(主磁極コイル1、高速磁場掃引コイル4)と、磁場勾配コイル3と、磁場変調コイル2を同心円筒状に配置することにより、従来型のコイルに比べて効率的にかつ小さいスペース中に各コイルが配置され、小型化が図られる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 電子スピン共鳴現象を測定するために用いられる電子スピン共鳴用コイル装置であって、鞍型の均一磁場発生コイルと、鞍型の磁場勾配コイルと、鞍型の磁場変調コイルとから構成され、これらのコイルが同心円筒状に配置されたことを特徴とする電子スピン共鳴3次元イメージング用コイル装置。 【請求項2】 均一磁場発生コイルが、鞍型の主磁極コイルと鞍型の高速磁場掃引コイルと鞍型の磁場補正コイルとから構成され、これらのコイルが同心円筒状に配置されたことを特徴とする請求項1記載の電子スピン共鳴3次元イメージング用コイル装置。 【請求項3】 同心円筒状に配置されたコイル群が、この同心円筒の直径を中心として回転自在に設けられたことを特徴とする請求項1または2記載の電子スピン共鳴3次元イメージング用コイル装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、電子スピン共鳴現象を測定するために用いられる各種磁場、すなわち直線勾配磁場、変調磁場、均一磁場を発生させる電子スピン共鳴3次元イメージング用コイル装置に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、フリーラジカルの1種である活性酸素という物質が一般社会でも注目されるようになってきている。このフリーラジカルは、通常であれば対をなしているはずの電子が、何らかの原因によって単独で存在している物質で(この単独で存在している電子を不対電子という)、非常に強い酸化反応を示す特徴がある。そして、この物質は、動植物の体内でも生成され、免疫等の生体防御機構に貢献する一方で、DNA障害、発ガン、老化の原因の一つと考えられている。 【0003】この生体活動に大きく関与しているフリーラジカルを、生きたままの動植物中で観測するために研究、開発されているのが、電子スピン共鳴(以下ESRと略称する)装置である。 【0004】ここで、ESRの原理について簡単に説明する。空間に孤立した1個の電子を考える。電子はある軸を中心に自転運動をしている。この自転により電子は微細な磁石となる。そこに磁場を印加すると、上記電子は二つの状態をとり得る。一つは磁場の向きに平行な状態で、もう一つは反平行な状態である。 【0005】このように2つのエネルギー準位に分かれることをゼーマン分裂という。そして、反平行な状態はエネルギー準位の高い不安定な状態で、より安定した低いエネルギー準位である平行な状態になろうとする。そのため通常は低いエネルギー状態に電子は存在する。この時の磁場HとエネルギーEには、次の比例関係式がある。 E=μBH(gms) [J] μB=9.2741×10-24 [J/T] msは磁気量子数 [孤立電子の場合、ms=1/2(反平行)、ms=−1/2(平行)] gはほぼ2.0【0006】ここに外部から周波数νをもつマイクロ波を照射する。マイクロ波のエネルギーhν(hはプランク定数)が二つのエネルギー準位の間隔gμBHに等しくなると、平行のエネルギー準位にある電子はエネルギーhνを吸収し、反平行のエネルギー準位に飛び移る。この現象を電子スピン共鳴(ESR)といい、条件hν=gμBHを共鳴条件という。このマイクロ波の吸収をとらえ、フリーラジカルの存在を認識、画像化するのがESR装置である。 【0007】次に、ESR装置の概要について説明する。ESR装置は大きく分けて磁場発生部、マイクロ波発生部、検出部からなる。ESR測定は、マイクロ波発生部で一定周波数のマイクロ波を発生し、ESR共鳴条件から求められる磁場強度を中心に磁場の掃引を行い、磁場変調コイルを用いた磁場変調法によりESR信号を選択的に取り出し、検出部で検出することで行われる。 【0008】各部についてさらに説明する。磁場発生部は、磁場変調コイル、磁場勾配コイル、主磁極コイル、高速磁場掃引コイルから構成される。主磁極コイルはマイクロ波の周波数と共鳴条件から求められる均一な静磁場H0を発生させ、高速磁場掃引コイルは均一磁場HOを中心に磁場を掃引する。掃引する理由はESR信号が図22に示すように共鳴条件を満足する静磁場HOを中心に広がりをもっているからである。これは個々の不対電子の周りにある不対電子が発生する磁場の影響によるものである。 【0009】磁場掃引によりESR吸収は行われるが、出力の変位が小さいため検出は難しい。そこで磁場変調法を用いてESR信号を微分型信号として検出する。磁場変調法は、磁場変調コイルによって発生される周波数νMが100kHzの振動磁場を利用する。この振動磁場は均一磁場と同じ方向に図23に示すような正弦波形の磁場を発生する。高速磁場掃引コイルによって磁場を掃引しながら、磁場変調コイルによって周波数νMが100kHzの振動磁場を加えると、ESR信号は図24に示すように直流成分が重畳した交流信号になる。この信号から直流成分を除去すると、図25に示すような信号となり、この信号を周期1/νM毎の値を増幅検波する回路(PSD回路)を通過させると、図26に示すような1次微分波形が得られる。 【0010】次に磁場勾配コイルについて説明する。これまで述べてきた磁場変調コイル、高速磁場掃引コイル、主磁極コイルだけでもESR信号は観測できるが、空間的な位置情報は得られない。この位置情報を得るために磁場勾配コイルが用いられる。磁場勾配コイルにはX、Y、Z軸コイルがあり、各コイルがそれぞれの座標軸に沿って直線性の高い勾配磁場を発生させる。勾配磁場を用いて空間座標を求める原理についてZ軸コイルを例に説明する。 【0011】Z軸コイルはZ軸方向に直線性の高い勾配磁場を発生する(図27参照)。このコイルを、共鳴条件を満足する均一磁場H0を発生させる主磁極コイルの間に配置する。次にフリーラジカルの存在する点Z=0(原点)、Z1、Z2を考える。ただしZ1>0>Z2とする。Z軸コイルによる発生磁場をHz=δZ(δは勾配の大きさ)とすると、Z=0ではHz=0、Z=Z1ではHz=δZ1、Z=Z2ではHz=δZ2となり、均一磁場との合成磁場はそれぞれ、H0、H0+δZ1、H0+δZ2となる。磁場を掃引すると、掃引磁場強度Hrが、Hr=0の時はZ=0で、Hr=−δZ1の時はZ=Z1、Hr=−δZ2の時はZ=Z2でそれぞれ共鳴が起こる。δが既知数なので磁場の移動量から空間座標がわかる。 【0012】これらの構成の他に、マイクロ波から電界成分を取り除き磁界成分のみを均一磁場に対し垂直方向から試料に照射させるループギャップレゾネーター、コイルに電流を送る電源、データ処理及び画像化するためのコンピューターなどでESR装置は構成される。 【0013】生体を対象とするESR測定は、これまでのところラットほどの大きさまでの動物でしか行われてきていない。最終的な目標は人体の測定であるため、それに向けた大型コイルの開発が進められてきた。ESR測定装置には、測定領域内に勾配磁場を発生するコイルと均一磁場を発生するコイルが必要である。 【0014】これまで、勾配磁場を発生させるコイルとして、Anderson型コイル(図28参照)が主に使用されているが、大型化に伴う電力の増大が問題となっていた。そこで、Anderson型コイルに代わる、省電力円筒型磁場勾配コイル装置を開発すると共に、同時に小型軽量化を実現することができた(詳細については、特願平8ー284419号参照)。 【0015】一方、均一磁場を発生させるコイルとして、Helmholtz型コイル装置(図29参照)が主に使用されている。これは一対の環状コイルから構成されるもので、その径をコイル間距離の2倍にすれば、コイル間のある範囲内に均一磁場を発生させることができる。 【0016】現在、省電力円筒型磁場勾配コイルとHelmholtz型コイルから構成されたESRコイル装置で、ラットなどの小動物を対象とする測定が行われようとしている。この装置の場合、省電力円筒型磁場勾配コイルは大きさが約直径160mm×長さ250mmの円筒であるのに対し、Helmholtz型コイルの大きさは、外径688mmで厚さ50mmほどの円盤になる。いまのところ測定対象がラット位の小動物のため、この大きさの違いによる、試料挿入やその他の操作への支障はなかった。 【0017】 【発明が解決しようとする課題】現在ESR測定は、医学、薬学の分野ではより大きな動物での試験・研究の段階を迎えつつある。しかし、そのために必要な測定領域が広いコイル装置の開発には、いくつかの問題がある。たとえば、ウサギ位の大きさの動物が測定可能となるESR用コイル装置を、省電力型磁場勾配コイルと、Helmholtz型コイルで設計すると、Helmholtz型コイルは、コイル間距離約500mm、外径約1300mmほどの大きさになる。試験者はこの500mmの間に入り試料の挿入やその他の作業を行わなければならないため、作業性が悪いだけでなく、セッティングミスを誘発しかねない。さらに大型の動物や、最終目的である人体を測定するコイルでは外径が2mを越えるので、新たに設置場所等の問題が生じる。これらの問題を解決するためには、均一磁場発生コイルを小型化する必要がある。Helmholtz型コイルはHelmholtzの条件からその大きさがほぼ一意に定まる。それゆえコイルの小型化はコイル形状の変更を意味する。 【0018】そこで、上記問題を解決するために、本発明者等は、鋭意検討を重ねた結果、鞍型の均一磁場発生コイルの開発と、鞍型の磁場勾配コイルと磁場変調コイルと、鞍型の均一磁場発生コイルとを一体化した円筒型中動物測定用ESR装置の開発を行った。 【0019】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、所望の条件の磁場を円滑にかつ確実に発生させることができ、かつ装置の小型化を図ることができると共に、測定対象を中型の動植物にまで広げることができる電子スピン共鳴3次元イメージング用コイル装置を提供することにある。 【0020】 【課題を解決するための手段】本発明の請求項1は、電子スピン共鳴現象を測定するために用いられる電子スピン共鳴用コイル装置であって、鞍型の均一磁場発生コイルと、鞍型の磁場勾配コイルと、鞍型の磁場変調コイルとから構成され、これらのコイルが同心円筒状に配置されたものである。この請求項1にあっては、鞍型に形成された各コイルを同心円筒状に配置することにより、従来型のコイルに比べて効率的にかつ小さいスペース中に各コイルが配置され、小型化が図られる。 【0021】また、本発明の請求項2は、均一磁場発生コイルが、鞍型の主磁極コイルと鞍型の高速磁場掃引コイルと鞍型の磁場補正コイルとから構成され、これらのコイルが同心円筒状に配置されたものである。この請求項2にあっては、均一磁場発生コイルの磁場補正コイルによって、測定領域中の磁場を補正することにより、測定領域中の磁場の精度を向上させると共に、同心円筒状の均一磁場発生コイルの軸長を短くすることができる。 【0022】さらに、本発明の請求項3は、同心円筒状に配置されたコイル群が、この同心円筒の直径を中心として回転自在に設けられたものである。この請求項3にあっては、上記同心円筒状に配置されたコイル群をその同心円筒の直径を中心として回転させることにより、測定領域に対して任意の方向、例えば、水平方向あるいは鉛直方向から測定対象を挿入することができる。 【0023】 【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。まず、均一磁場発生コイルについて主磁極コイルを例に説明する。図1はほぼ正方形状の対をなす第1の主磁極コイル10を示すもの、図2は第1の主磁極コイル10よりX軸方向(図において上下方向)の寸法が小さい長方形状の対をなす第2の主磁極コイル11を示すもの、図3は第1、第2の主磁極コイル10、11を重ね合わせた状態を示すもの、図4は長方形状の2対の補正コイル12を示すもの、図5は第1、第2主磁極コイル10、11及び補正コイル12を重ね合わせたものである。これらの図において、(a)は概略正面図、(b)は概略側面図、(c)は概略平面図である。また、これらの概略側面図(b)において、上下方向がX軸方向、紙面に対して垂直方向がY軸方向、左右方向がZ軸方向をそれぞれ示しており、他の概略正面図(a)、概略平面図(c)のX、Y、Z軸は、それぞれ、上記概略側面図(b)の向きに準じるものである。 【0024】上記各主磁極コイル10、11及び補正コイル12は、それぞれ、円筒面に沿うように湾曲して形成された鞍型構造とされ、かつ各コイル10、11、12が互いに対をなして対向配置されると共に、図5に示すように、内から外にかけて補正コイル12、第1の主磁極コイル10、第2の主磁極コイル11の順に同心円筒状に配置されたものである。そして、上記各補正コイル12は、Y軸に沿って、その原点(測定領域の中心)から遠い部位の各主磁極コイル10、11の辺部に合わせて配置されている。 【0025】このように配置することにより、図3に示す第1、第2主磁極コイル10、11だけを重ね合わせた場合に比べて、Y軸方向の原点から遠い部位の磁場特性が改善されることになる。これを示すものが図6であり、図6は本実施形態の主磁極コイル群(10、11、12)により、中心磁場120(Gauss)の磁場を与えたときのY軸上の磁場特性を計算機シミュレーションした結果である。図6に示すように、主磁極コイル10、11だけの場合には、Y軸方向に原点から遠くなると磁場強度が減少している。そのため均一度の高い均一磁場を与える鞍型コイルは、軸方向に長くする必要がある。これに対して、本実施形態においては、図6に示すように、原点において最小値となるような磁場特性をもつ補正コイル12を主磁極コイル10、11に組み合わせた結果、上記磁場強度の減少分が補正され、所望の測定領域全域において均一な磁場特性が得られる。 【0026】さらに、磁場変調コイル、磁場勾配コイル、高速磁場掃引コイルについても、図7〜図11に示すように、鞍型のコイル構造とした。これらの図7〜図11においても、上記図1〜図5と同様に、(a)は概略正面図、(b)は概略側面図、(c)は概略平面図であり、これらの概略側面図(b)において、上下方向がX軸方向、紙面に対して垂直方向がY軸方向、左右方向がZ軸方向をそれぞれ示していると共に、他の概略正面図(a)、概略平面図(c)のX、Y、Z軸は、それぞれ、上記概略側面図(b)の向きに準じるものである。磁場変調コイルは、図7に示すように、大小2種類の長方形状の第1、第2の磁場変調コイル20、21が、それぞれ対をなして対向配置されたものである。そして、各磁場変調コイル20、21は、それぞれ、円筒面に沿うように湾曲して形成された鞍型構造とされている。 【0027】また、磁場勾配コイルのうちY軸コイルは、図8(a)に示すように、Y軸に沿って、原点から等距離の位置にY軸コイル30がそれぞれ配置され、かつ図8(b)に示すように、原点を含むX−Y平面に対して対称の位置に対向配置されたものである。Z軸コイルは、図9に示すように、大小2種類の長方形状の第1、第2のZ軸コイル32、33が、それぞれ対をなして対向配置されたものである。X軸コイルは、図10に示すように、YーZ平面、X−Y平面に対して対称な位置にそれぞれ長方形状のX軸コイル35が配置されている。そして、これらのコイル30、32、33、35は、それぞれ、円筒面に沿うように湾曲して形成された鞍型構造とされている。 【0028】上記高速磁場掃引コイルは、上記主磁極コイルとほぼ同様の構成を有しており、図11に示すように、長方形状の対をなす第1の高速磁場掃引コイル40と、この第1の高速磁場掃引コイル40よりX軸方向の寸法が小さい長方形状の対をなす第2の高速磁場掃引コイル41と、長方形状の2対の補正コイル42とを重ね合わせたものである。 【0029】上記各高速磁場掃引コイル40、41及び補正コイル42は、それぞれ、円筒面に沿うように湾曲して形成された鞍型構造とされ、かつ各コイル40、41、42が互いに対をなして対向配置されると共に、内から外にかけて第1の高速磁場掃引コイル40、補正コイル42、第2の高速磁場掃引コイル41の順に同心円筒状に配置されたものである。そして、上記各補正コイル42は、Y軸に沿って、その原点(測定領域の中心)から遠い部位の各高速磁場掃引コイル40、41の辺部に合わせて配置されている。 【0030】本実施の形態のコイル装置は、図13と図14に示すように、コイルユニット部5、フレーム部6及びコイルユニット回転部7から概略構成されている。そして、コイルユニット部5は、図12に示すように、大中小の3種類の大きさのアルミパイプ50、51、52中にコイルを収納する構造となっている。すなわち、小パイプ52の内側には、上記各コイル20、21からなる磁場変調コイル群2が収納されている。また、小パイプ52と中パイプ51との間には、各コイル30、32、33、35からなる磁場勾配コイル群3及び各コイル40、41、42からなる高速磁場掃引コイル群4が収納され、かつ中パイプ51と大パイプ50との間には、各コイル10、11、12からなる主磁極コイル群1が収納されている。 【0031】上記フレーム部6は、図13と図14に示すように、高さ調整用のアジャスタボルト60と移動用のキャスター61を有する土台フレーム62からなり、この土台フレーム62の上には、左右一対の支持台70、71を介して、コイルユニット回転部7の回転機構72とロック機構73が設けられている。このうち、回転機構72は、コイルユニット部5の外周中央部の一端をカップリング74を介して回転自在に支持しているウォームホイール75と、このウォームホイール75に噛み合わされているウォーム76と、このウォーム76に連結されているハンドル77とから概略構成されており、ハンドル77を回転操作することにより、上記コイルユニット部5を回転させるようになっている。 【0032】また、上記ロック機構73は、コイルユニット部5の外周中央部の他端を回転自在に支持しているロック用ディスク78と、このロック用ディスク78の外縁部に係合離脱可能に設けられたロックピン79と、このロックピン79を係脱操作するノブ80とから概略構成されており、上記ノブ80を操作することにより、上記コイルユニット部5を水平位置と、鉛直位置に固定し得るようになっている。 【0033】次に、さらに具体的に本実施の形態を説明するために、上述した円筒型の磁場変調コイル群2、磁場勾配コイル群3、高速磁場掃引コイル群4、主磁極コイル群1からなる中動物測定用ESRコイル装置を設計、製作した結果について説明する。 【0034】まず、各コイルの磁場仕様を表1に示す。 【表1】
【0035】次いで、上記のように構成された各コイルの磁場特性を測定した結果について、図15〜図20に示す。これらの図からも明らかなように、各コイルの磁場特性が、上記表1の磁場仕様を満たし、かつESRの3次元イメージングに必要な磁場特性を各コイルがもっていることが確認できた。 【0036】また、図21に、従来のAnderson-Helmholtz型コイル装置[図21の(c)が概略正面図、(d)が概略側面図]と、本実施の形態の円筒型コイル装置[図21の(a)が概略正面図、(b)が概略側面図]との寸法比較を示した。この図からも明らかなように、本実施の形態の円筒型コイル装置のほうが大幅に小型化できた。なお、図21(a)、(b)、(c)、(d)において二点鎖線で示す円は測定領域を表している。 【0037】 【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1によれば、鞍型に形成された各コイルを同心円筒状に配置することにより、従来型のコイルに比べて効率的にかつ小さいスペース中に各コイルを配置することができる。従って、所望の条件の磁場を円滑にかつ確実に発生させることができ、かつ装置の小型化を図ることができる。一方、測定対象を中型の動植物、特に、中型動物までに広げることができるから、中型動物でのESR測定により、ラットなどの小動物では小さくてわからなかった、疾病とフリーラジカルの関係や各器官のフリーラジカル消去のメカニズムがよりわかりやすくなることが期待される。 【0038】また、本発明の請求項2によれば、均一磁場発生コイルの磁場補正コイルによって、測定領域中の磁場を補正することにより、測定領域中の磁場の精度を向上させると共に、同心円筒状の均一磁場発生コイルの軸長を短くすることができる。従って、均一磁場発生コイルの小型化を図ることができる。 【0039】さらに、本発明の請求項3によれば、同心円筒状に配置されたコイル群をその同心円筒の直径を中心として回転させることにより、測定領域に対して任意の方向、例えば、水平方向あるいは鉛直方向から測定対象を挿入することができる。従って、動物のみならず、植物も自然な姿勢のまま測定対象とすることができ、例えば、植物にストレスを与えた時のフリーラジカルの変化等を円滑にかつ確実に測定することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】592053952 【氏名又は名称】米沢電線株式会社 【識別番号】593146486 【氏名又は名称】財団法人山形県テクノポリス財団
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)4月24日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】志賀 正武 (外9名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−299756 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)11月2日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−115758 |
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