トップ :: A 生活必需品 :: A61 医学または獣医学;衛生学




【発明の名称】 血圧監視装置
【発明者】 【氏名】犬飼 英克

【要約】 【課題】生体にそれほど負担を強いることなく且つ生体への装着の制限なく、連続的に血圧の変動を監視することが可能な血圧監視装置を提供する。

【解決手段】心拍の変動による脈波面積Aの変動が脈波面積補正手段78において心拍数PRにより補正され、心拍の変動による下降期間TRの変動が末梢抵抗情報補正手段82において心拍数PRにより補正され、その補正された補正脈波面積A’および補正下降期間TR’のうち少なくとも一方が予め設定された判断基準範囲を越えた場合に血圧測定起動手段84により血圧測定手段70による血圧測定が起動させられる。従って、血圧の変動がカフを用いないで連続的に監視されて、カフによる血圧測定の起動時期が正確且つ確実に判断されることから、血圧監視の遅れを少なくするためにカフによる血圧測定が短い周期で実行されることが解消されるので、生体に対する負担が軽減される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 生体の一部への圧迫圧力を変化させるカフを用いて該生体の血圧値を測定する血圧測定手段を備え、前記生体の脈波の変動が予め設定された判断基準範囲を越えたことに基づいて前記血圧測定手段による血圧測定を起動させる形式の血圧監視装置であって、前記生体の末梢部の容積脈波を検出する容積脈波検出装置と、該容積脈波検出装置により検出された容積脈波の面積を算出する脈波面積算出手段と、該脈波面積算出手段により算出される脈波面積の変動に基づいて前記血圧測定手段による血圧測定を起動させる血圧測定起動手段とを、含むことを特徴とする血圧監視装置。
【請求項2】 生体の一部への圧迫圧力を変化させるカフを用いて該生体の血圧値を測定する血圧測定手段を備え、前記生体の脈波の変動が予め設定された判断基準範囲を越えたことに基づいて前記血圧測定手段による血圧測定を起動させる形式の血圧監視装置であって、前記生体の末梢部の容積脈波を検出する容積脈波検出装置と、該容積脈波検出装置により検出された容積脈波から末梢血管抵抗に関連して変動する末梢抵抗情報を算出する末梢抵抗情報算出手段と、該末梢抵抗情報算出手段により算出される末梢抵抗情報の変動に基づいて前記血圧測定手段による血圧測定を起動させる血圧測定起動手段とを、含むことを特徴とする血圧監視装置。
【請求項3】 前記生体の心拍情報を算出する心拍情報算出手段と、前記脈波面積を該心拍情報に基づいて補正する脈波面積補正手段とを含み、前記血圧測定起動手段は、該脈波面積補正手段により補正された補正脈波面積またはその変化値が変動したことに基づいて前記血圧測定手段による血圧測定を起動させるものである請求項1の血圧監視装置。
【請求項4】 前記生体の心拍情報を算出する心拍情報算出手段と、前記末梢抵抗情報を該心拍情報に基づいて補正する末梢抵抗情報補正手段とを含み、前記血圧測定起動手段は、該末梢抵抗情報補正手段により補正された補正末梢抵抗情報またはその変化値が変動したことに基づいて前記血圧測定手段による血圧測定を起動させるものである請求項2の血圧監視装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生体の脈波の変動に基づいて、連続的に生体の血圧を監視する血圧監視装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】生体の血圧値を比較的長期にわたって監視する血圧監視装置には、生体の一部に巻回されるカフを有して、そのカフによる圧迫圧力を変化させることによりその生体の血圧値を測定する血圧測定手段が所定の周期で自動的に起動させられるのが一般的である。この血圧測定手段によりカフを用いて測定される血圧測定値は比較的信頼性が得られるからである。
【0003】しかしながら、このような自動血圧監視装置による場合には、血圧監視の遅れを解消しようとして自動起動周期を短くすると、カフの生体に対する圧迫頻度が高くなるので大きな負担を生体に強いる欠点がある。また、カフによる圧迫頻度が極端に高くなると、鬱血が生じて正確な血圧値が得られなくなる場合もある。
【0004】これに対し、生体に装着されたカフの圧迫圧力を変化させ、その圧迫圧力の変化過程において発生する脈拍同期波の変化に基づいて生体の血圧値を測定する血圧測定手段と、前記生体の動脈に押圧されてその動脈から発生する圧脈波を検出する圧脈波センサと、前記血圧測定手段を所定の周期で起動させることにより、その圧脈波センサによって検出された圧脈波の大きさと上記血圧測定手段によって測定された血圧値との圧脈波血圧対応関係を決定する圧脈波血圧対応関係決定手段と、その圧脈波血圧対応関係から、実際の圧脈波に基づいて監視血圧値を逐次決定する監視血圧値決定手段とを備えた血圧監視装置が提案されている。これによれば、1拍毎に監視血圧値が得られて血圧監視の遅れが解消される利点がある。たとえば、特開平2−177937号公報に記載された血圧モニタ装置がその一例である。
【0005】
【発明が解決すべき課題】しかしながら、上記血圧モニタ装置によれば、生体の動脈から発生する圧脈波を検出するために圧脈波センサを表皮上から動脈に向かって安定的に押圧することが必要であることから、圧脈波センサを押圧する場所が手首などの表皮直下に動脈が位置する場所に限定されるため、生体の疾患の部位によっては使用できない場合があったり、バンドなどを用いて圧脈波センサを生体に固定したとしてもその生体の体動などにより押圧状態が変化して圧脈波信号がずれるので、正確な監視ができないおそれがあるなどの不都合があった。
【0006】本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、生体にそれほど負担を強いることなく且つ生体への装着の制限なく、連続的に血圧の変動を監視することが可能な血圧監視装置を提供することにある。
【0007】本発明者は、以上の事情を背景として種々研究を重ねるうち、生体の末梢部の血液流量が生体の血圧値の変化と密接に関連して変化する事実を見いだした。本発明は、このような知見に基づいて為されたものであり、上記末梢部の血液容積の周期的変化を示す容積脈波から求められる末梢部の血液流量(末梢血流量)または末梢血管の抵抗に基づいて生体の血圧値の変動を監視し、カフによる血圧測定を可及的に回避するようにしたものである。
【0008】
【課題を解決するための第1の手段】すなわち、上記目的を達成するための第1の発明の要旨とするところは、生体の一部への圧迫圧力を変化させるカフを用いてその生体の血圧値を測定する血圧測定手段を備え、前記生体の脈波の変動が予め設定された判断基準範囲を越えたことに基づいて前記血圧測定手段による血圧測定を起動させる形式の血圧監視装置であって、(a)前記生体の末梢部の容積脈波を検出する容積脈波検出装置と、(b)その容積脈波検出装置により検出された容積脈波の面積を算出する脈波面積算出手段と、(c)その脈波面積算出手段により算出される脈波面積の変動に基づいて前記血圧測定手段による血圧測定を起動させる血圧測定起動手段とを、含むことにある。
【0009】
【第1発明の効果】このようにすれば、血圧の変動に対応して変動する末梢血流量が容積脈波の面積を算出することにより求められ、その脈波面積が変動したことに基づいて、血圧測定起動手段により前記血圧測定手段による血圧測定が起動させられる。従って、血圧の変動がカフを用いないで連続的に監視されることから、血圧監視の遅れを少なくするためにカフによる血圧測定が短い周期で実行されることが解消されるので、生体に対する負担が軽減される。また、容積脈波検出装置は生体の表皮上においてそれほど制約なく装着され得る利点がある。
【0010】
【課題を解決するための第2の手段】また、前記目的を達成するための第2の発明の要旨とするところは、生体の一部への圧迫圧力を変化させるカフを用いてその生体の血圧値を測定する血圧測定手段を備え、前記生体の脈波の変動が予め設定された判断基準範囲を越えたことに基づいて前記血圧測定手段による血圧測定を起動させる形式の血圧監視装置であって、(a)前記生体の末梢部の容積脈波を検出する容積脈波検出装置と、(b)その容積脈波検出装置により検出された容積脈波から末梢血管抵抗に関連して変動する末梢抵抗情報を算出する末梢抵抗情報算出手段と、(c)その末梢抵抗情報算出手段により算出される末梢抵抗情報の変動に基づいて前記血圧測定手段による血圧測定を起動させる血圧測定起動手段とを、含むことにある。
【0011】
【第2発明の効果】このようにすれば、血圧の変動に対応して変動する末梢血管抵抗が容積脈波から末梢抵抗情報を算出することにより求められ、その末梢抵抗情報が変動したことに基づいて、血圧測定起動手段により前記血圧測定手段による血圧測定が起動させられる。従って、血圧の変動がカフを用いないで連続的に監視されることから、血圧監視の遅れを少なくするためにカフによる血圧測定が短い周期で実行されることが解消されるので、生体に対する負担が軽減される。また、容積脈波検出装置は生体の表皮上においてそれほど制約なく装着され得る利点がある。
【0012】ここで、好適には、前記血圧監視装置は、前記生体の心拍情報を算出する心拍情報算出手段と、前記脈波面積をその心拍情報に基づいて補正する脈波面積補正手段とを含み、前記血圧測定起動手段は、その脈波面積補正手段により補正された補正脈波面積またはその変化値が変動したことに基づいて前記血圧測定手段による血圧測定を起動させるものである。このようにすれば、心拍の変動による脈波面積の変動が脈波面積補正手段において補正されて、その補正脈波面積またはその変化値が変動したことに基づいて血圧測定の起動が判断されるので、一層正確にカフによる血圧測定を起動させる時期を判断できる利点がある。
【0013】また、好適には、前記生体の心拍情報を算出する心拍情報算出手段と、前記末梢抵抗情報をその心拍情報に基づいて補正する末梢抵抗情報補正手段とを含み、前記血圧測定起動手段は、その末梢抵抗情報補正手段により補正された補正末梢抵抗情報またはその変化値が変動したことに基づいて前記血圧測定手段による血圧測定を起動させるものである。このようにすれば、心拍の変動による末梢抵抗情報の変動が末梢抵抗情報補正手段により補正されて、その補正末梢抵抗情報またはその変化値が変動したことに基づいて血圧測定の起動が判断されるので、一層正確にカフによる血圧測定を起動させる時期を判断できる利点がある。
【0014】また、好適には、前記血圧測定起動手段は、前記補正脈波面積、前記補正脈波面積の変化値、前記補正末梢抵抗情報または前記末梢抵抗情報の変化値の少なくとも一つが変動したと判断されたことに基づいて前記血圧測定手段による血圧測定を起動させるものである。このようにすれば、前記補正脈波面積あるいはその変化値または前記補正末梢抵抗情報あるいはその変化値のうち一つでも変動したと判断された場合に、血圧測定が起動されるので、血圧測定がより確実に起動される利点がある。
【0015】
【発明の好適な実施の形態】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明が適用された血圧監視装置8の構成を説明するブロック図である。
【0016】図1において、血圧監視装置8は、ゴム製袋を布製帯状袋内に有してたとえば患者の上腕部12に巻回されるカフ10と、このカフ10に配管20を介してそれぞれ接続された圧力センサ14、切換弁16、および空気ポンプ18とを備えている。この切換弁16は、カフ10内への圧力の供給を許容する圧力供給状態、カフ10内を徐々に排圧する徐速排圧状態、およびカフ10内を急速に排圧する急速排圧状態の3つの状態に切り換えられるように構成されている。
【0017】圧力センサ14は、カフ10内の圧力を検出してその圧力を表す圧力信号SPを静圧弁別回路22および脈波弁別回路24にそれぞれ供給する。静圧弁別回路22はローパスフィルタを備え、圧力信号SPに含まれる定常的な圧力すなわちカフ圧PC を表すカフ圧信号SKを弁別してそのカフ圧信号SKをA/D変換器26を介して電子制御装置28へ供給する。
【0018】上記脈波弁別回路24はバンドパスフィルタを備え、圧力信号SPの振動成分である脈波信号SM1 を周波数的に弁別してその脈波信号SM1 をA/D変換器29を介して電子制御装置28へ供給する。この脈波信号SM1 が表すカフ脈波は、患者の心拍に同期して図示しない上腕動脈から発生してカフ10に伝達される圧力振動波すなわちカフ脈波であり、上記カフ10、圧力センサ14、および脈波弁別回路24は、カフ脈波センサとして機能している。
【0019】上記電子制御装置28は、CPU30,ROM32,RAM34,および図示しないI/Oポート等を備えた所謂マイクロコンピュータにて構成されており、CPU30は、ROM32に予め記憶されたプログラムに従ってRAM34の記憶機能を利用しつつ信号処理を実行することにより、I/Oポートから駆動信号を出力して切換弁16および空気ポンプ18を制御するとともに、表示器36の表示内容を制御する。
【0020】容積脈波検出装置として機能する光電脈波センサ40は、生体の末梢血管の容積脈波(プレシスモグラフ)を検出するために、たとえば脈拍検出などに用いるものと同様に構成されており、指尖部などの生体の一部を収容可能なハウジング42内には、ヘモグロビンによって反射可能な波長帯の赤色光或いは赤外光、好ましくは酸素飽和度によって影響を受けない800nm程度の波長、を生体の表皮に向かって照射する光源である発光素子44と、ハウジング42の発光素子44に対向する側に設けられ、上記生体の一部を透過してきた光を検出する受光素子46とを備え、毛細血管内の血液容積に対応する光電脈波信号SM2 を出力し、A/D変換器48を介して電子制御装置28へ供給する。この光電脈波信号SM2 は、末梢部の毛細血管内のヘモグロビンの量すなわち血液量に対応して一拍毎に脈動する信号であるので、光電脈波センサ40は生体の心拍信号を検出する心拍信号検出装置としても機能している。
【0021】図2は、上記血圧監視装置8における電子制御装置28の制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。図2において、血圧測定手段70は、予め設定された血圧測定周期毎に血圧測定が起動され、カフ圧制御手段72によってたとえば生体の上腕部に巻回されたカフ10の圧迫圧力を所定の目標圧力値PCM(たとえば、180mmHg程度の圧力値)まで急速昇圧させたあとに3mmHg/sec 程度の速度で徐速降圧させられる徐速降圧期間内において、順次採取される脈波信号SM1 が表す脈波の振幅の変化に基づきよく知られたオシロメトリック法を用いて最高血圧値BPSYS 、平均血圧値BPMEAN、および最低血圧値BPDIA などを決定し、その決定された最高血圧値BPSYS 、平均血圧値BPMEAN、および最低血圧値BPDIA などを表示器36に表示させる。
【0022】脈波面積算出手段74は、光電脈波センサ40により検出された末梢血管の容積脈波の面積を算出する。前記光電脈波センサ40から出力される脈波信号SM2 は、図3に示されるように一拍毎に脈動しているので、脈波面積算出手段74では、たとえば、その脈波信号SM2 の強度を一拍毎、あるいは二拍以上の所定拍数毎に積分することにより末梢血流量を表す脈波面積Aを算出する。あるいは、予め設定された破線Bで示される一定の基準値を越えた部分の面積や、一点鎖線Cで示されるピークの立ち上がり点から次のピークの立ち上がり点までを結ぶ線と脈波で囲まれる範囲の面積が一拍毎あるいは二拍以上の所定拍数毎に算出されること等により脈波の変動成分の面積が主として算出されてもよい。上記末梢血流量は血圧変動に対応して変化するため、上記脈波面積Aは血圧変動に対応して変化する。
【0023】心拍情報算出手段76は、心拍信号検出装置により検出された心拍信号から生体の心拍に関する心拍情報すなわち心拍周期TP、心拍数PR、脈拍周期TM、脈拍数MR等を算出する。たとえば、脈波センサ40により検出された光電脈波信号SM2 から得られる脈波の所定部位間の間隔たとえばピーク間隔を計測し、そのピーク間隔の逆数すなわち心拍周期TPの逆数(1/TP)を求めることにより1分間の心拍数PR(回/分)を算出する。
【0024】脈波面積補正手段78は、脈波面積算出手段74により算出された末梢部の脈波面積Aを前記心拍情報算出手段76により算出された心拍情報に基づいて、単位時間当たりの血流量を表すように正規化すなわち補正する。たとえば、脈波面積算出手段74において算出される脈波信号SM2 の一拍分の脈波面積Aと心拍情報算出手段76において算出される心拍数PRとの積を補正脈波面積A’として決定する。前記脈波面積Aは血圧変動に対応して変動するが、心拍が変動した場合にも変動する。たとえば、心拍数PRが多くなる、すなわち心拍周期TPが短くなると、一拍毎の脈波面積Aは減少する。しかし、心拍数PRが増加しているので、末梢血管の血流量は減少しているとは限らない。末梢血管の血流量が減少していないのであれば、血液の循環量も低下していないと予想できるので、カフ10による血圧測定を要しない。そこで、脈波面積Aと心拍数PRとの積を求めることにより1分当たりの血流量を表す補正脈波面積A’を算出する。
【0025】図3に示されているように、一般に一脈波中にはノッチと称される極小値Dがあり、その極小値Dの前に第1ピークトップP1 が、その極小値Dの後に第2ピークトップP2 がある。第2ピークトップP2 のある山は血管内の障害(抵抗)による反射波であり、末梢血管抵抗が大きいほどその反射波は大きくなる、すなわち第2ピークトップP2 のある山が大きくなる。そのため、第1ピークトップP1 から極小値Dへ至るまでの期間として定義されるR_timeすなわち下降期間TRは、末梢血管抵抗Rが大きくなるほど短くなり、末梢血管抵抗Rが小さくなるほど長くなる。なお、末梢血管抵抗Rは血圧の変動に対応して変動するため、上記下降期間TRも血圧の変動を反映する。末梢抵抗情報算出手段80は、前記容積脈波検出装置(光電脈波センサ40)により検出された末梢部の容積脈波から末梢血管抵抗Rに関連して変動する末梢抵抗情報たとえば上記下降期間TRを測定する。すなわち、光電脈波センサ40から出力される光電脈波信号SM2 の一脈波毎の上記第1ピークトップP1 から上記極小値Dまでの下降期間TRを測定する。
【0026】末梢抵抗情報補正手段82は、上記末梢抵抗情報算出手段80により算出された下降期間TR等の末梢抵抗情報を前記心拍信号検出装置(光電脈波センサ40)により検出された心拍信号に基づいて補正すなわち正規化する。たとえば、下降期間TRと心拍情報算出手段76により算出される心拍数PRとの積を補正下降期間TR’として決定する。前記下降期間TRは血圧の変動に対応して変動するものであるが、心拍が変動した場合にも変動する。たとえば、心拍数PRが多くなる、すなわち心拍周期TPが短くなると、一拍毎の下降期間TRは短くなる。この場合は、末梢血管抵抗Rの増加とは直接関係なく下降期間TRが短くなる。そこで、下降期間TRと心拍数PRとの積を求めることにより心拍数PRの変動の影響を除いた補正下降期間TR’を算出する。
【0027】血圧測定起動手段84は、上記補正脈波面積A’および補正下降期間TR’の少なくとも一方が変動したと判断されたことに基づいて前記血圧測定手段70による血圧測定を起動させる。すなわち、血圧測定起動手段84は、脈波面積補正手段78により補正された補正脈波面積A’が予め設定された判断基準範囲たとえば補正脈波面積A’の移動平均値A’AV〔=(A’i-n +・・・+A’i-1 +A’i )/(n+1)〕或いは前回のカフによる血圧測定時を基準としてそれから所定値或いは所定割合変化したことを以て異常判定する補正脈波面積異常判定手段86と、末梢抵抗情報補正手段82により補正された補正下降期間TR’が予め設定された判断基準範囲たとえば補正下降期間TR’の移動平均値TR’AV〔=(TR’i-n +・・・+TR’i-1 +TR’i )/(n+1)〕或いは前回のカフによる血圧測定時を基準としてそれから所定値或いは所定割合変化したことを以て異常判定する補正末梢抵抗情報異常判定手段88を備え、上記補正脈波面積異常判定手段86により補正脈波面積A’の異常が判定されるか、或いは、補正末梢抵抗情報異常判定手段88により補正下降期間TR’の異常が判定された場合に、前記血圧測定手段70による血圧測定を起動させる。
【0028】図4は、上記電子制御装置28の制御作動の要部を説明するフローチャートである。図のステップSA1(以下、ステップを省略する。)において図示しないカウンタやレジスタをクリアする初期処理が実行された後、脈波面積算出手段74に対応するSA2では、光電脈波センサ40から出力された光電脈波信号SM2 の強度を積分して一拍毎の脈波面積Aが算出され、続く末梢抵抗情報算出手段80に対応するSA3では、光電脈波信号SM2 から得られる脈波の前記第1ピークトップP1 から前記極小値Dまでの下降期間TRが一拍毎に測定される。
【0029】続く心拍情報算出手段76に対応するSA4では、脈波センサ40により検出された脈波のピーク間隔が計測され、そのピーク間隔の逆数すなわち心拍周期TPの逆数(1/TP)を求めることにより1分間の心拍数PRが算出される。
【0030】続く脈波面積補正手段78に対応するSA5では、心拍情報の影響を受ける脈波面積Aを正規化するために、SA2において算出された一拍毎の脈波面積AとSA4において算出された心拍数PRとの積(A×PR)を求めることにより、1分当たりの血流量を表す補正脈波面積A’が決定される。
【0031】次いで、末梢抵抗情報補正手段82に対応するSA6では、SA3において測定された一脈波毎の下降期間TRとSA4において算出された心拍数PRとの積(TR×PR)が求められることにより、心拍数PRの変動の影響が除かれた補正下降期間TR’が決定される。
【0032】続いて、血圧測定起動手段84に対応するSA7乃至SA8が実行される。すなわち、補正脈波面積異常判定手段86に対応するSA7では、SA5で決定された補正脈波面積A’が異常であるか否かが、たとえば前回のカフによる血圧測定時を基準としてそれから所定値あるいは所定割合(たとえば上下へ5%)以上変化した状態が所定の拍数たとえば20拍以上連続して越えたことを以て判定される。
【0033】上記SA7の判断が否定された場合には、補正末梢抵抗情報異常判定手段88に対応するSA8が実行される。すなわち、SA6で決定された補正下降期間TR’が異常であるか否かが、たとえば前回のカフによる血圧測定時を基準としてそれから所定値あるいは所定割合(たとえば上下へ10%)以上変化した状態が所定の拍数たとえば20拍以上連続して越えたことを以て判定される。
【0034】上記SA8の判断が否定された場合は、続くSA9において、前回カフ10による血圧測定が行われてからの経過時間が予め設定された20分程度の設定周期すなわちキャリブレーション周期を経過したか否かが判断される。このSA9の判断が否定された場合はSA2以降が繰り返し実行される。
【0035】上記SA7あるいはSA8の判断が肯定された場合には、血圧変動に対応して変動する補正脈波面積A’あるいは補正下降期間TR’が異常な値であるので、血圧の異常を示す文字或いは記号が表示器36に表示された後に、SA10においてカフ10を用いた血圧測定が起動され、その測定された血圧値が表示器36に表示される。また、SA9の判断が肯定された場合、すなわち、キャリブレーション周期が経過した場合にも上記SA10が実行される。SA10が実行された後は、前記SA2以降が繰り返し実行される。
【0036】上述のように、本実施例によれば、血圧の変動に対応して変動する末梢部の脈波面積Aおよび脈波の下降期間TRのうち少なくとも一方が変動したことに基づいて、血圧測定起動手段84により血圧測定手段70による血圧測定が起動させられる。すなわち、心拍の変動による脈波面積Aの変動が脈波面積補正手段78(SA5)において心拍数PRにより補正され、心拍の変動による下降期間TRの変動が末梢抵抗情報補正手段82(SA6)において心拍数PRにより補正され、その補正された補正脈波面積A’および補正下降期間TR’のうち少なくとも一方が予め設定された判断基準範囲を越えた場合に血圧測定起動手段84(SA7、SA8)により血圧測定手段70(SA10)による血圧測定が起動させられる。従って、血圧の変動がカフを用いないで連続的に監視されて、カフによる血圧測定の起動時期が正確且つ確実に判断されることから、血圧監視の遅れを少なくするためにカフによる血圧測定が短い周期で実行されることが解消されるので、生体に対する負担が軽減される。また、光電脈波センサ40は生体の表皮上においてそれほど制約なく装着され得る利点がある。
【0037】次に本発明の他の実施例について図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施例において前述の実施例と共通する部分は同一の符号を付して説明を省略する。
【0038】図5は、本発明が適用された血圧監視装置89の回路構成を説明するブロック図である。上記血圧監視装置89では、カフを用いて血圧を測定する部分は前述の実施例の血圧監視装置8と共通するが、容積脈波を検出するための装置が異なる。以下、その相違点を中心に説明する。
【0039】パルスオキシメータ用光電脈波検出プローブ90(以下、単にプローブという)は、毛細血管の容積脈波を検出する容積脈波検出装置として機能するものである。このプローブ90は、例えば、患者の額などの体表面38に図示しない装着バンド等により密着した状態で装着されている。プローブ90は、一方向において開口する容器状のハウジング92と、そのハウジング92の底部内面の外周側に位置する部分に設けられ、LED等から成る複数の第1発光素子94aおよび第2発光素子94b(以下、特に区別しない場合は単に発光素子94という)と、ハウジング92の底部内面の中央部分に設けられ、フォトダイオードやフォトトランジスタ等から成る受光素子96と、ハウジング92内に一体的に設けられて発光素子94および受光素子96を覆う透明な樹脂98と、ハウジング92内において発光素子94と受光素子96との間に設けられ、発光素子94から前記体表面38に向かって照射された光のその体表面38から受光素子96に向かう反射光を遮光する環状の遮蔽部材100とを備えて構成されている。
【0040】上記第1発光素子94aは、例えば660nm程度の波長の赤色光を発光し、第2発光素子94bは、例えば800nm程度の波長の赤外光をそれぞれ発光するものである。これら第1発光素子94aおよび第2発光素子94bは、駆動回路101からの駆動電流にしたがって一定時間づつ所定周波数で交互に発光させられると共に、それら発光素子94から前記体表面38に向かって照射された光の体内の毛細血管が密集している部位からの反射光は共通の受光素子96によりそれぞれ受光される。なお、発光素子44の発光する光の波長は上記の値に限られず、第1発光素子94aは酸素化ヘモグロビンと無酸素化ヘモグロビンとの吸光係数が大きく異なる波長の光を、第2発光素子94bはそれらの吸光係数が略同じとなる波長、すなわち酸素化ヘモグロビンと無酸素化ヘモグロビンとにより反射される波長の光をそれぞれ発光するものであればよい。
【0041】受光素子96は、その受光量に対応した大きさの光電脈波信号SM3 をローパスフィルタ102を介して出力する。受光素子96とローパスフィルタ102との間には、増幅器等が適宜設けられる。ローパスフィルタ102は、入力された光電脈波信号SM3 から脈波の周波数よりも高い周波数を有するノイズを除去し、そのノイズが除去された信号SM3 をデマルチプレクサ104に出力する。この光電脈波信号SM3 が表す光電脈波は、生体の脈波に同期して発生する容積脈波であるので、上記プローブ90は生体の心拍信号を検出する心拍信号検出装置としても機能している。
【0042】デマルチプレクサ104は、電子制御装置28からの信号に従って第1発光素子94aおよび第2発光素子94bの発光に同期して切り換えられることにより、赤色光による電気信号SMR をサンプルホールド回路106およびA/D変換器109を介して、赤外光による電気信号SMIRをサンプルホールド回路108およびA/D変換器110を介して、それぞれ酸素飽和度測定用電子制御装置112の図示しないI/Oポートに逐次供給する。サンプルホールド回路106,108は、入力された電気信号SMR ,SMIRをA/D変換器109,110へ逐次出力する際に、前回出力した電気信号SMR ,SMIRについてのA/D変換器109,110における変換作動が終了するまで次に出力する電気信号SMR,SMIRをそれぞれ保持するためのものである。
【0043】電子制御装置28のCPU30は、RAM34の記憶機能を利用しつつROM32に予め記憶されたプログラムに従って測定動作を実行し、駆動回路101に制御信号SLVを出力して発光素子94a、94bを順次所定の周波数で一定時間づつ発光させる一方、それら発光素子94a、94bの発光に同期して切換信号SCを出力してデマルチプレクサ104を切り換えることにより、前記電気信号SMR をサンプルホールド回路106に、電気信号SMIRをサンプルホールド回路108にそれぞれ振り分ける。
【0044】上記電子制御装置28の図示しないI/Oポートから電気信号SMR 、SMIR逐次供給されると、上記CPU30は、血中酸素飽和度を算出するために予め記憶された演算式から上記電気信号SMR 、SMIRの振幅値に基づいて生体の血中酸素飽和度を算出して表示器36に表示させる一方、上記電気信号SMR 、SMIRが表す図3に示されるような容積脈波に基づいて血圧の変動が監視される。なお、上記酸素飽和度の決定方法としては、例えば、本出願人が先に出願して公開された特開平3−15440号公報に記載された決定方法が利用される。
【0045】図6は、上記血圧監視装置89に適用された場合の電子制御装置28の血圧監視制御作動の要部を説明する機能ブロック線図である。図6に示された機能ブロック線図は、前述の図2に示された機能ブロック線図と、光電脈波センサ40が光電脈波検出プローブ90に置き換えられている点、補正脈波面積変化値算出手段120および補正末梢抵抗情報変化値算出手段122が付加されている点、および血圧測定起動手段124が補正脈波面積変化値異常判定手段126および補正末梢抵抗情報変化値異常判定手段128とにより構成されている点において異なる。以下、その相違点を中心に説明する。
【0046】補正脈波面積変化値算出手段120は、脈波面積補正手段78において補正された補正脈波面積A’の変化値ΔA’を算出する。この変化値ΔA’は、たとえば前記補正脈波面積の移動平均値A’AV或いは所定拍数前の脈波に基づいて決定された補正脈波面積A’に対する変化率或いは変化量である。補正末梢抵抗情報変化値算出手段122は、末梢抵抗情報補正手段82において補正された下降期間TR’の変化値ΔTR’を算出する。この変化値ΔTR’は、たとえば前記補正下降期間の移動平均値TR’AV或いは所定拍数前の脈波に基づいて決定された補正下降期間TR’に対する変化率或いは変化量である。
【0047】血圧測定起動手段124は、上記補正脈波面積変化値ΔA’および補正下降期間変化値ΔTR’の少なくとも一方が予め設定された判断基準範囲を越えたことに基づいて前記血圧測定手段70による血圧測定を起動させる。すなわち、血圧測定起動手段124は、補正脈波面積変化値算出手段120において算出された補正脈波面積変化値ΔA’が予め実験的に設定された判断基準範囲を越えたことを以て異常判定する補正脈波面積変化値異常判定手段126と、補正末梢抵抗情報変化値算出手段122において算出された補正下降期間変化値ΔTR’が予め実験的に設定された判断基準範囲を越えたことを以て異常判定する補正末梢抵抗情報変化値異常判定手段128とを備え、上記補正脈波面積変化値異常判定手段126により補正脈波面積変化値ΔA’の異常が判定されるか、或いは、補正末梢抵抗情報変化値異常判定手段128により補正下降期間変化値ΔTR’の異常が判定された場合に、前記血圧測定手段70による血圧測定を起動させる。
【0048】図7は、本実施例の電子制御装置28の血圧監視作動の要部を説明するフローチャートである。図において、SB1乃至SB6では前述の実施例のSA1乃至SA6と同様の処理が行なわれることにより、補正脈波面積A’、補正下降期間TR’等が一拍毎に決定される。
【0049】続く補正脈波面積変化値算出手段120に対応するSB7ではSB5において算出された補正脈波面積A’の変化値ΔA’が算出される。この補正脈波面積変化値ΔA’としては、前記補正脈波面積の移動平均値A’AVに対する変化量(=A’i −A’AV)、或いは変化率〔=(A’i −A’AV)/A’AV)、または、所定拍数前に算出された補正脈波面積A’に対する変化率或いは変化量などが用いられる。続く補正末梢抵抗情報変化値算出手段122に対応するSB8ではSB6において算出された補正下降期間TR’の変化値ΔTR’が算出される。この補正下降期間変化値ΔTR’としては、前記補正下降期間の移動平均値TR’AVに対する変化量(=TR’i −TR’AV)、或いは変化率〔=(TR’i −TR’AV)/TR’AV)、または、所定拍数前に算出された補正下降期間TR’に対する変化率或いは変化量などが用いられる。
【0050】続いて、血圧測定起動手段124に対応するSB9乃至SB10が実行される。すなわち、補正脈波面積変化値異常判定手段126に対応するSB9では、SB7で算出された補正脈波面積変化値ΔA’が異常であるか否かが、患者の血圧値が生体の容体監視の上で問題となる程に変化したか否かを判断するために予め実験的に決定された判断基準範囲を越えた状態が所定の拍数たとえば5拍以上連続していることを以て判定される。
【0051】上記SB9の判断が否定された場合には、補正末梢抵抗情報変化値異常判定手段128に対応するSB10が実行される。すなわち、SB8で決定された補正下降期間変化値ΔTR’が異常であるか否かが、患者の血圧値が生体の容体監視の上で問題となる程に変化したか否かを判断するために予め実験的に決定された判断基準範囲を越えた状態が所定の拍数たとえば5拍以上連続していることを以て判定される。
【0052】上記SB10の判断が否定された場合は、続くSB11において、前回カフ10による血圧測定が行われてからの経過時間が予め設定された20分程度の設定周期すなわちキャリブレーション周期を経過したか否かが判断される。このSB11の判断が否定された場合はSB2以降が繰り返し実行される。
【0053】上記SB9あるいはSB10の判断が肯定された場合には、補正脈波面積変化値ΔA’あるいは補正下降期間変化値ΔTR’が異常な値である、すなわち、血圧変動に対応して変動する補正脈波面積A’あるいは補正下降期間TR’が急激に変化した場合であるので、SB12においてカフ10を用いた血圧測定が起動され、血圧の異常を示す文字或いは記号とカフ10を用いて測定された血圧値とが表示器36に表示される。従って、血圧値が異常値に達していなくても、血圧値が急激に変化した場合は、上記補正脈波面積変化値ΔA’および補正下降期間変化値ΔTR’が異常であると判断されてSB12が実行される。また、SB11の判断が肯定された場合、すなわち、キャリブレーション周期が経過した場合にも上記SB12が実行される。SB12が実行された後は、前記S2以降が繰り返し実行される。
【0054】上述のように、本実施例によれば、血圧の変動に対応して変動する末梢部の脈波面積Aおよび脈波の下降期間TRのうち少なくとも一方が変動したことに基づいて、血圧測定起動手段124により血圧測定手段70による血圧測定が起動させられる。すなわち、補正脈波面積変化値算出手段120(SB7)において、心拍数PRにより補正された補正脈波面積A’の変化値ΔA’が算出され、補正末梢抵抗情報変化値算出手段122(SB8)において、心拍数PRにより補正された補正下降期間TR’の変化値ΔTR’が算出され、その補正脈波面積変化値ΔA’および補正下降期間変化値ΔTR’のうち少なくとも一方が予め設定された判断基準範囲を越えた場合に血圧測定起動手段124(SB9、SB10)により血圧測定手段70(SB12)による血圧測定が起動させられる。従って、血圧の変動がカフを用いないで連続的に監視されて、カフによる血圧測定の起動時期が正確且つ確実に判断されることから、血圧監視の遅れを少なくするためにカフによる血圧測定が短い周期で実行されることが解消されるので、生体に対する負担が軽減される。また、光電脈波検出プローブ90は生体の表皮上においてそれほど制約なく装着され得る利点がある。
【0055】以上、本発明の一実施例を図面に基づいて説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
【0056】たとえば、前述の実施例では、容積脈波検出装置として、光電脈波センサ40或いは酸素飽和度測定用の光電脈波検出用プローブ90が用いられていたが、インピーダンス脈波センサが用いられてもよい。このインピーダンス脈波センサは、生体の表皮に所定間隔を隔てて接触させられる少なくとも2個の電極を備え、それら2個の電極間に位置する生体組織の血液容積に対応するインピーダンス脈波を出力するように構成される。
【0057】また、前述の実施例では、容積脈波検出装置として機能する光電脈波センサ40および光電脈波検出プローブ90が心拍信号検出装置としても機能していたが、生体の上腕部12に巻回されるカフ10に上記上腕部12を僅かに圧迫するように圧力が供給されることにより、カフ脈波が連続的に検出され、そのカフ脈波が心拍信号として用いられてもよいし、心電誘導装置や心音マイクロホン等が心拍信号検出装置として備えられてもよい。
【0058】また、前述の実施例の血圧測定手段70では、予め設定された血圧測定周期毎および血圧測定起動手段84、124において血圧測定の起動が判断された場合に血圧測定を実行していたが、上記血圧測定周期毎の血圧測定の実行は行われず、血圧測定起動手段84、124において血圧測定の起動が判断された場合にのみ血圧測定を実行するものであってもよい。
【0059】また、前述の実施例の血圧測定手段70は、所謂オシロメトリック法に従い、カフ10の圧迫圧力に伴って変化する圧脈波の大きさの変化状態に基づいて血圧値を決定するように構成されていたが、所謂コロトコフ音法に従い、カフ10の圧迫圧力に伴って発生および消滅するコロトコフ音に基づいて血圧値を決定するように構成されてもよい。
【0060】また、前述の実施例では、心拍情報算出手段76において単位時間当たりの心拍数PRが算出され、その心拍数PRにより脈波面積Aおよび下降期間TRが補正されていたが、心拍数PRと一対一に対応する心拍周期TPで上記脈波面積或いは下降期間TRを割ることにより脈波面積Aおよび下降期間TRが補正されてもよい。なお、本発明では、心拍と脈拍は等価なものとして扱うことができるため、心拍周期TPに代えて脈拍周期TMまたは心拍数PRに代えて脈波数MRが用いられてもよい。
【0061】また、前述の実施例では、末梢抵抗情報算出手段80において、下降期間TRが算出されていたが、前記第2ピークトップP2 からの脈波の下降の程度すなわち第2ピークトップP2 以降の脈波の振幅強度の変化率或いは変化量も末梢抵抗に対応するので、上記第2ピークトップ以降の脈波の振幅強度の変化率或いは変化値が末梢抵抗情報として算出されてもよい。
【0062】また、前述の実施例では、血圧測定起動手段84、124において、補正された脈波面積Aおよび下降期間TR(補正脈波面積A’、補正下降期間TR’)、またはそれらの変化値(補正脈波面積変化値ΔA’、補正下降期間変化値ΔTR’)の変動に基づいて血圧測定の起動が判定されていたが、心拍に基づいて補正されていない脈波面積Aおよび下降期間TR、またはそれらの変化値も血圧の変動を反映するものであるので、血圧測定起動手段は、脈波面積Aおよび下降期間TR、またはそれらの変化値のうち少なくとも一つの変動が監視され、その監視されているもののうち少なくとも一つが予め設定された判断基準範囲を越えたことに基づいて血圧測定手段70による血圧測定を起動させるものであってもよい。
【0063】その他、本発明はその主旨を逸脱しない範囲において種々変更が加えられ得るものである。
【出願人】 【識別番号】390014362
【氏名又は名称】日本コーリン株式会社
【出願日】 平成10年(1998)4月24日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】池田 治幸 (外2名)
【公開番号】 特開平11−299750
【公開日】 平成11年(1999)11月2日
【出願番号】 特願平10−115376