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【発明の名称】 非観血連続血圧計
【発明者】 【氏名】長谷川 欣也

【氏名】西村 有史

【氏名】萩原 尚

【要約】 【課題】血管を伝播する振動を解析して非観血に連続血圧を測定する血圧計において、血管を振動させる励振器の発振周波数と振幅を任意に設定することにより、連続血圧の測定精度を向上させる。

【解決手段】振動発振器1は、任意の周波数および振幅で発振し、励振器2により動脈血管を振動させる。非観血センサ3は、被検体の動脈血管を伝わった励振器2からの振動を電気信号に変換する。キャリブレーション用血圧計4は、被検体の最高血圧および最低血圧を測定する。血圧算出手段5は、振動発振器1で発生された信号を基準とし、血圧算出手段5は、非観血センサ3から出力される電気信号と、キャリブレーション用血圧計4から出力される最高血圧および最低血圧の絶対値から連続血圧を算出する。被検体に対して最も有効となる任意の周波数および振幅で血圧を測定でき、高信頼性で高精度な非観血連続血圧計が実現できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 被検体に対して最も有効となる周波数および振幅の信号を任意に発振させることができる振動発振器と、前記振動発振器によって発生された信号により体表から生体内の動脈を振動させる励振器と、前記励振器により与えられ動脈上を伝搬した振動を電気信号に変換する非観血センサと、最高血圧と最低血圧の絶対値を測定するキャリブレーション用血圧計と、前記振動発振器で発振した信号を基準として前記非観血センサにより検出した信号の位相変化により算出した動圧波形と前記キャリブレーション用血圧計からの測定値により非観血で連続的に生体内の血圧を算出する血圧算出手段と、前記血圧算出手段で算出した連続血圧波形を表示する血圧波形表示部とを備えたことを特徴とする非観血連続血圧計。
【請求項2】 前記振動発振器として、所望の周波数で発振させるためのデータを演算するプロセッサと、前記プロセッサの演算結果を記録するメモリーと、前記プロセッサがデータを出力するタイミングの基準を前記プロセッサに与える基準発振器と、前記プロセッサから出力されたデータをアナログ信号に変換して励振器信号を発生させるD/A変換器と、前記励振器信号から不要な周波数成分を除去するフィルターとを備えたことを特徴とする請求項1記載の非観血連続血圧計。
【請求項3】 前記振動発振器として、数値制御発振器と、前記数値制御発振器に基準クロックを与える基準発振器と、前記数値制御発振器に周波数データを設定するプロセッサと、前記数値制御発振器から出力されたデータをアナログ信号に変換して励振器信号を発生させるD/A変換器と、前記励振器信号から不要な周波数成分を除去するフィルターとを備えたことを特徴とする請求項1記載の非観血連続血圧計。
【請求項4】 前記振動発振器として、所望の周波数で発振させるためのデータを演算するプロセッサと、前記プロセッサの演算結果をルックアップテーブルとして格納するメモリーと、前記プロセッサからのデータを出力するタイミングの基準を前記プロセッサに与える基準発振器と、前記メモリーからデータを出力するために、前記メモリーのアドレスを自動的に発生させるアドレス発生器と、前記メモリーから出力されたデータをアナログ信号に変換して励振器信号を発生させるD/A変換器と、前記励振器信号から不要な周波数成分を除去するフィルターとを備えたことを特徴とする請求項1記載の非観血連続血圧計。
【請求項5】 前記振動発振器として、PLLの基準信号を発生する基準発振器と、励振器信号を発生させる電圧制御発振器と、前記励振器信号を分周する分周器と、前記分周器に与える分周比を設定するプロセッサと、前記基準信号と前記分周器で分周された信号の位相比較する位相比較器と、前記位相比較器から出力された信号を積分する積分器と、前記励振器信号から不要な周波数成分を除去するフィルターとを備えたことを特徴とする請求項1記載の非観血連続血圧計。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非観血連続血圧計に関し、特に、生体内血管に振動を与えて、血管内を伝搬した振動を検出し解析することにより、血圧を非侵襲で連続的に測定する非観血連続血圧計に関する。
【0002】
【従来の技術】非侵襲で連続に血圧を測定する方法として、特表平9-506024号公報に開示された「誘発された摂動を測定して生理学的パラメータを測定するための装置および方法」が知られている。この装置の外観を図7に示す。この装置は、血圧をはじめ、血管壁コンプライアンス、心室収縮強度、血管抵抗、血液量、心拍出量、心筋収縮性およびその他多くの生理学的パラメータを分析したり追跡するものである。この装置では、患者の生理学的パラメータを連続的に測定するために、患者の生理学的パラメータを表す定期的な較正測定値を得る。患者の動脈上に励振器を配置して、動脈血液中に振動波を誘起する。動脈上に非観血センサを配置して振動波を検知し、血液パラメータを表す信号を得る。プロセッサは、較正測定値と非観血センサの信号を処理して、患者の生理学的パラメータを連続的に測定する。この血圧測定方法では、血圧の変化に応じて血管の弾性が変化することを利用し、血管を伝搬する音波の音速を測定して血管の弾性を算出し、その血管の弾性値から血圧を測定している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特表平9-506024号公報には、励振器の振動周波数については、すべての周波数で有効であると記載されているのみで、その具体的な発振方法と周波数の制御方法については述べられていない。非観血連続血圧計では、周波数と振幅を最適値に設定する必要があり、さらに、周波数と振幅を精度よく安定に保つ必要がある。従来の非観血連続血圧計では、周波数と振幅を最適値に設定して、安定に保つことは困難であるという問題があった。
【0004】本発明は、上記従来の問題を解決するもので、周波数と振幅を任意に制御でき、高信頼性で高精度な非観血連続血圧計を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するために、本発明では、非観血連続血圧計を、プロセッサによる演算または数値制御発振器また電圧制御発振器を用いた振動発振器と、振動発振器によって発生された信号により体表から生体内の動脈を振動させる励振器と、励振器により与えられ動脈上を伝搬した振動を電気信号に変換する非観血センサと、最高血圧と最低血圧の絶対値を測定するキャリブレーション用血圧計と、振動発振器で発振した信号を基準として非観血センサにより検出した信号の位相変化から算出した動圧波形とキャリブレーション用血圧計からの測定値により非観血で連続的に生体内の血圧を算出する血圧算出手段と、血圧算出手段で算出した連続血圧波形を表示する血圧波形表示部を備えた構成とした。
【0006】このように構成したことにより、被検体に対して最も有効となる任意の周波数および振幅で制御でき、高信頼性で高精度な非観血連続血圧計が実現できる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明は、被検体に対して最も有効となる周波数および振幅の信号を任意に発振させることができる振動発振器と、前記振動発振器によって発生された信号により体表から生体内の動脈を振動させる励振器と、前記励振器により与えられ動脈上を伝搬した振動を電気信号に変換する非観血センサと、最高血圧と最低血圧の絶対値を測定するキャリブレーション用血圧計と、前記振動発振器で発振した信号を基準として前記非観血センサにより検出した信号の位相変化により算出した動圧波形と前記キャリブレーション用血圧計からの測定値により非観血で連続的に生体内の血圧を算出する血圧算出手段と、前記血圧算出手段で算出した連続血圧波形を表示する血圧波形表示部とを備えた非観血連続血圧計であり、振動発振器の発振周波数を任意に設定することができ、被検体に対して最も有効となる任意の周波数および振幅で励振器を振動させることができるので、励振器振動源と血圧算出手段に用いられる位相変化検出用の信号を同時に発生させることができ、最小の回路構成で高信頼性、高精度な血圧測定を可能にするという作用を有する。
【0008】また、請求項2に記載の発明は、請求項1記載の非観血連続血圧計において、前記振動発振器として、所望の周波数で発振させるためのデータを演算するプロセッサと、前記プロセッサの演算結果を記録するメモリーと、前記プロセッサがデータを出力するタイミングの基準を前記プロセッサに与える基準発振器と、前記プロセッサから出力されたデータをアナログ信号に変換して励振器信号を発生させるD/A変換器と、前記励振器信号から不要な周波数成分を除去するフィルターとを備えたものであり、任意の周波数、任意の振幅でスプリアスが少なく精度の高いの振動源を得ることができ、かつ、プロセッサの演算によって振動源を制御できるため、被検体の差異に柔軟に対応できるという作用を有する。
【0009】また、請求項3に記載の発明は、請求項1記載の非観血連続血圧計において、前記振動発振器として、数値制御発振器と、前記数値制御発振器に基準クロックを与える基準発振器と、前記数値制御発振器に周波数データを設定するプロセッサと、前記数値制御発振器から出力されたデータをアナログ信号に変換して励振器信号を発生させるD/A変換器と、前記励振器信号から不要な周波数成分を除去するフィルターとを備えたものであり、任意の周波数、任意の振幅でスプリアスが少なく精度の高いの振動源を得ることができ、また、数値制御発振器を用いることにより高精度の発振源を得ることができ、かつ、プロセッサの演算負荷を軽くすることができるので、血圧測定を高速に行なうことを可能とするという作用を有する。
【0010】また、請求項4に記載の発明は、請求項1記載の非観血連続血圧計において、前記振動発振器として、所望の周波数で発振させるためのデータを演算するプロセッサと、前記プロセッサの演算結果をルックアップテーブルとして格納するメモリーと、前記プロセッサからのデータを出力するタイミングの基準を前記プロセッサに与える基準発振器と、前記メモリーからデータを出力するために、前記メモリーのアドレスを自動的に発生させるアドレス発生器と、前記メモリーから出力されたデータをアナログ信号に変換して励振器信号を発生させるD/A変換器と、前記励振器信号から不要な周波数成分を除去するフィルターとを備えたものであり、任意の周波数、任意の振幅でスプリアスが少なく精度の高いの振動源を得ることができ、かつ、プロセッサの演算はリアルタイムに実行されるのではなく、あらかじめ演算しルックアップメモリーに書き込まれているので、測定時のプロセッサの負荷が軽くでき、被検体の差異に対し柔軟でかつ高速な血圧測定を可能とするという作用を有する。
【0011】また、請求項5に記載の発明は、請求項1記載の非観血連続血圧計において、前記振動発振器として、PLLの基準信号を発生する基準発振器と、励振器信号を発生させる電圧制御発振器と、前記励振器信号を分周する分周器と、前記分周器に与える分周比を設定するプロセッサと、前記基準信号と前記分周器で分周された信号の位相比較する位相比較器と、前記位相比較器から出力された信号を積分する積分器と、前記励振器信号から不要な周波数成分を除去するフィルターとを備えたものであり、任意の周波数、任意の振幅でスプリアスが少なく精度の高い振動源を得ることができ、また、電圧制御発振器を用いることにより高精度の発振源を得ることができ、かつ、プロセッサの演算負荷を軽くすることができるので、血圧測定を高速に行なうことができるという作用を有する。
【0012】以下、本発明の実施の形態について、図1〜図6を参照して詳細に説明する。
【0013】(第1の実施の形態)本発明の第1の実施の形態は、被検体に対して最も有効となる周波数および振幅の信号を任意に発振させることができる振動発振器と、振動発振器によって発生された信号により体表から生体内の動脈を振動させる励振器と、励振器により与えられ動脈上を伝搬した振動を電気信号に変換する非観血センサと、最高血圧と最低血圧の絶対値を測定するキャリブレーション用血圧計と、振動発振器で発振した信号を基準として非観血センサにより検出した信号の位相変化により算出した動圧波形とキャリブレーション用血圧計からの測定値により非観血で連続的に生体内の血圧を算出する血圧算出手段と、血圧算出手段で算出した連続血圧波形を表示する血圧波形表示部とを備えた非観血連続血圧計である。
【0014】図1は、本発明の第1の実施の形態の非観血連続血圧計の構成を示すブロック図である。図1において、振動発振器1は、数Hzから数1000Hzまでの、被検体に対して最も有効となる任意の周波数および振幅で発振できる発振器である。振動発振器1で発振した振動は、励振器2により被検体の動脈血管を振動させる。非観血センサ3は、被検体の動脈血管を伝わった励振器2からの振動を電気信号に変換するセンサである。キャリブレーション用血圧計4は、被検体の最高血圧および最低血圧の絶対値を測定するために、適当な時間間隔または任意の時に作動する血圧計である。血圧算出手段5は、振動発振器1で発生された信号を基準とし、非観血センサ3から出力される電気信号と、キャリブレーション用血圧計4から出力される最高血圧および最低血圧の絶対値から、周知の方法により、例えば特表平9-506024号公報に開示されている方法により、連続血圧を算出する。血圧波形表示部6は、血圧算出手段5から出力された連続血圧波形を表示する。
【0015】上記のように、本発明の第1の実施の形態では、非観血連続血圧計を、プロセッサによる演算または数値制御発振器また電圧制御発振器を用いた振動発振器と、振動発振器によって発生された信号により体表から生体内の動脈を振動させる励振器と、励振器により与えられ動脈上を伝搬した振動を電気信号に変換する非観血センサと、最高血圧と最低血圧の絶対値を測定するキャリブレーション用血圧計と、振動発振器で発振した信号を基準として非観血センサにより検出した信号の位相変化から算出した動圧波形とキャリブレーション用血圧計からの測定値により非観血で連続的に生体内の血圧を算出する血圧算出手段と、血圧算出手段で算出した連続血圧波形を表示する血圧波形表示部を備えた構成としたので、被検体に対して最も有効となる任意の周波数および振幅で制御でき、高信頼性で高精度な非観血連続血圧計が実現できる。
【0016】(第2の実施の形態)本発明の第2の実施の形態は、振動発振器として、所望の周波数で発振させるためのデータを演算するプロセッサと、プロセッサの演算結果を記録するメモリーと、プロセッサがデータを出力するタイミングの基準をプロセッサに与える基準発振器と、プロセッサから出力されたデータをアナログ信号に変換して励振器信号を発生させるD/A変換器と、励振器信号から不要な周波数成分を除去するフィルターとを備えた非観血連続血圧計である。
【0017】図2は、本発明の第2の実施の形態の非観血連続血圧計の構成を示すブロック図である。図2において、励振器2、非観血センサ3、キャリブレーション用血圧計4、血圧算出手段6および血圧表示部6は、第1の実施の形態で述べたものと同様の機能を持つものである。
【0018】以下、プロセッサの演算による発振方法を用いた振動発振器1について説明する。プロセッサ10は、基準発振器12で発生される割り込み信号をタイミングとして、発振データを演算よって算出する。メモリー11は、プロセッサ10の演算結果およびワークメモリーとして使用される。基準発振器12は、一定間隔でプロセッサに割り込みを発生させる基準信号15と、D/A変換器13へ変換のタイミングを制御する変換タイミング信号16を発生する。D/A変換器13は、プロセッサ10で算出された発振データをディジタル/アナログ変換する。フィルター14は、D/A変換器13のアナログ出力の不要な周波数成分を取り除き、スプリアスの少ない信号を励振器2へ与えることにより、精度の高い血圧測定が可能となる。
【0019】また、フィルター14からの出力を血圧算出手段5へ入力し、血圧算出のための検波の基準信号として使用する。プロセッサ10と血圧算出手段5は同一デバイスであってもよい。
【0020】プロセッサ10における発振データ演算の好適な方式として、二重積分方式がある。二重積分方式は公知の手法であるが、第2の実施の形態においての好適な一方式として、図6を用いて説明する。基準発振器12は、図2で示した基準発振器に対応するもので、発振の基準信号15を発生させる。基準信号15をトリガとして処理が開始される。
【0021】第1積分器50と第2積分器52との2種の積分器と、利得が1である反転増幅器51を直列に接続し、ループを形成するように構成する。第1積分器50は、遅延器56と乗算器57と加算器53で構成され、遅延器56は、1サンプリング分だけデータを遅延させ、加算器53は、第2積分器52内の乗算器60の出力と、遅延器56の出力と基準信号15を加算する。加算器53で加算されたデータは、cos出力55として出力される。乗算器57は、cos出力55と任意の係数aとを掛け合わせる。また、第2積分器52は、遅延器59と乗算器60と加算器58で構成され、遅延器59は、1サンプリング分だけデータを遅延させ、加算器58は、遅延器59の出力と反転増幅器51の出力を加算し、sin出力54として出力する。乗算器60は、遅延器59の出力と任意の係数aとを掛け合わせる。図2で示した基準発振器12は、発振の基準信号15を発生させる。基準信号15の周波数で演算回路が動作する。トリガ発生器61は、発振開始のトリガパルスを発生し、このトリガパルスにより発振が開始される。
【0022】このような構成により、乗算器の係数aを変化させて、任意周波数の正弦波を得ることができる。その周波数fは、f=(a×T)/(2×π)(ただし、π:円周率(3.1415・・・)、T:基準発振器12で作られる基準信号15の周波数で演算回路が動作する周波数)で算出される。
【0023】以上に示した処理を行なうことにより、乗算器の係数aを変更することにより、容易に振動発振器の発振周波数を変更できる。かつ、血圧演算手段5において位相変化の検出に必要な、90度位相の異なるsin出力54とcos出力55を同時に得ることができる。
【0024】上記のように、本発明の第2の実施の形態では、非観血連続血圧計を、振動発振器として、所望の周波数で発振させるためのデータを演算するプロセッサと、プロセッサの演算結果を記録するメモリーと、プロセッサがデータを出力するタイミングの基準をプロセッサに与える基準発振器と、プロセッサから出力されたデータをアナログ信号に変換して励振器信号を発生させるD/A変換器と、励振器信号から不要な周波数成分を除去するフィルターとを備えた構成としたので、高精度で容易に発振周波数を変更できるsinとcosの2つの基準信号が同時に得られる。
【0025】(第3の実施の形態)本発明の第3の実施の形態は、振動発振器として、数値制御発振器と、数値制御発振器に基準クロックを与える基準発振器と、数値制御発振器に周波数データを設定するプロセッサと、数値制御発振器から出力されたデータをアナログ信号に変換して励振器信号を発生させるD/A変換器と、励振器信号から不要な周波数成分を除去するフィルターとを備えた非観血連続血圧計である。
【0026】図3は、本発明の第3の実施の形態の非観血連続血圧計の構成を示すブロック図である。図3において、 励振器2、非観血センサ3、キャリブレーション用血圧計4、血圧算出手段5および血圧表示部6は、第1の実施の形態で述べたものと同様の機能を持つものである。
【0027】以下、数値制御発振器を用いた振動発振器1について説明する。プロセッサ20は、数値制御発振器21に発振させるべき周波数に対応したデータを与える。数値制御発振器21は、基準発振器22からの信号を基準とし、プロセッサ20から与えられたデータに対応したsinのディジタルデータと、90度位相のずれたcosのディジタルデータを出力する。D/A変換器23は、数値制御発振器21から出力されたデータをアナログ/ディジタル変換する。フィルター24は、D/Aまたフィルター24からの出力を血圧算出手段5へ入力し、血圧算出のための検波の基準信号として使用する。プロセッサ20と血圧算出手段5は同一デバイスであってもよい。
【0028】以上述べた方法により、任意の周波数と任意の振幅で発振でき、スプリアスが少なく精度の高い振動源を得ることができる。また、数値制御発振器を用いることにより、高精度の発振源を得ることができ、かつ、プロセッサの演算負荷を軽くすることができるので、血圧測定を高速に行なうことができる。
【0029】上記のように、本発明の第3の実施の形態では、非観血連続血圧計を、振動発振器として、数値制御発振器と、数値制御発振器に基準クロックを与える基準発振器と、数値制御発振器に周波数データを設定するプロセッサと、数値制御発振器から出力されたデータをアナログ信号に変換して励振器信号を発生させるD/A変換器と、励振器信号から不要な周波数成分を除去するフィルターとを備えた構成としたので、任意の周波数と振幅でスプリアスが少なく精度の高い振動を得ることができる。また、プロセッサの演算負荷を軽くすることができるので、血圧測定を高速に行なうことができる。
【0030】(第4の実施の形態)本発明の第4の実施の形態は、振動発振器として、所望の周波数で発振させるためのデータを演算するプロセッサと、プロセッサの演算結果をルックアップテーブルとして格納するメモリーと、プロセッサからのデータを出力するタイミングの基準をプロセッサに与える基準発振器と、メモリーからデータを出力するために、メモリーのアドレスを自動的に発生させるアドレス発生器と、メモリーから出力されたデータをアナログ信号に変換して励振器信号を発生させるD/A変換器と、励振器信号から不要な周波数成分を除去するフィルターとを備えた非観血連続血圧計である。
【0031】図4は、本発明の第4の実施の形態の非観血連続血圧計の構成を示すブロック図である。図4において、励振器2、非観血センサ3、キャリブレーション用血圧計4、血圧算出手段5および血圧表示部6は、第1の実施の形態で述べたものと同様の機能を持つものである。
【0032】ここでは、振動発振器1において、ルックアップテーブルを用いた発振方法について述べる。プロセッサ30は、あらかじめ発振すべき周波数・振幅に対応したデータを算出し、結果をルックアップテーブルメモリ31に書き込む。基準発振器32は、アドレス発生器23ヘアドレス発生の基準となる基準信号を発生する。アドレス発生器23は、基準発生器32から出力される基準信号をもとにルックアップテーブルメモリのアドレスを発生する。このアドレスに従い、ルックアップメモリー31から発振データが順次読み出される。D/A変換器34は、ルックアップメモリー31から出力された発振データをディジタル/アナログ変換する。フィルター35は、D/A変換器34のアナログ出力の不要な周波数成分を取り除き、スプリアスの少ない信号を励振器2へ与えることにより、精度の高い血圧測定が可能となる。
【0033】また、フィルター35からの出力を血圧算出手段5へ入力し、血圧算出のための検波の基準信号として使用する。プロセッサ30と血圧算出手段5は同一デバイスであってもよい。
【0034】以上述べた方法により、任意の周波数、任意の振幅でスプリアスが少なく精度の高いの振動源を得ることができ、かつプロセッサの演算はリアルタイムに実行されるのではなく、あらかじめ演算しルックアップメモリーに書き込まれているので測定時のプロセッサの負荷が軽くできる。よって被検体の差異に対し柔軟でかつ高速に血圧測定が可能となる。
【0035】上記のように、本発明の第4の実施の形態では、非観血連続血圧計を、振動発振器として、所望の周波数で発振させるためのデータを演算するプロセッサと、プロセッサの演算結果をルックアップテーブルとして格納するメモリーと、プロセッサからのデータを出力するタイミングの基準をプロセッサに与える基準発振器と、メモリーからデータを出力するために、メモリーのアドレスを自動的に発生させるアドレス発生器と、メモリーから出力されたデータをアナログ信号に変換して励振器信号を発生させるD/A変換器と、励振器信号から不要な周波数成分を除去するフィルターとを備えた構成としたので、任意の周波数と振幅でスプリアスが少なく精度の高い振動を得ることができ、かつ、測定時のプロセッサの負荷が軽くできるので、被検体の差異に対し柔軟でかつ高速な血圧測定ができる。
【0036】(第5の実施の形態)本発明の第5の実施の形態は、振動発振器として、PLLの基準信号を発生する基準発振器と、励振器信号を発生させる電圧制御発振器と、励振器信号を分周する分周器と、分周器に与える分周比を設定するプロセッサと、基準信号と分周器で分周された信号の位相比較する位相比較器と、位相比較器から出力された信号を積分する積分器と、励振器信号から不要な周波数成分を除去するフィルターとを備えた非観血連続血圧計である。
【0037】図5は、本発明の第5の実施の形態の非観血連続血圧計の構成を示すブロック図である。図5において、励振器2、非観血センサ3、キャリプレーション用血圧計4、血圧算出手段5および血圧表示部6は、第1の実施の形態で述べたものと同様の機能を持つものである。
【0038】ここでは、振動発振器1において、フェーズロックループ(PLL)を用いた発振方法について述べる。基準発振器40は、PLLの基準信号を発生する。電圧制御発振器45は、積分器43から出力される位相差に対応した電圧により発振する。位相比較器42は、基準発振器40からの基準信号と分周器44からの分周信号との位相差を検出する。積分器43は、位相比較器42からの位相差信号を積分する。分周器44は、プロセッサ41から任意に設定される分周比に従って、電圧制御発振器45の発振信号を分周する。フィルター46は、電圧制御発振器45のアナログ出力の不要な周波数成分を取り除き、スプリアスの少ない信号を励振器2へ与えることにより、精度の高い血圧測定が可能となる。
【0039】また、フィルター14からの出力を血圧算出手段5へ入力し、血圧算出のための検波の基準信号として使用する。プロセッサ10と血圧算出手段5は同一デバイスであってもよい。
【0040】以上述べた方法により、プロセッサ41から分周器44に与えるデータを変更することにより容易に任意の周波数を発振でき、任意の振幅でスプリアスが少なく精度の高いの振動源を得ることができる。また電圧制御発振器を用いることにより高精度の発振源を得ることができ、かつプロセッサの演算負荷を軽くすることができるので血圧測定を高速に行なうことができる。
【0041】上記のように、本発明の第5の実施の形態では、非観血連続血圧計を、振動発振器として、PLLの基準信号を発生する基準発振器と、励振器信号を発生させる電圧制御発振器と、励振器信号を分周する分周器と、分周器に与える分周比を設定するプロセッサと、基準信号と分周器で分周された信号の位相比較する位相比較器と、位相比較器から出力された信号を積分する積分器と、励振器信号から不要な周波数成分を除去するフィルターとを備えた構成としたので、容易に任意の周波数と振幅でスプリアスが少なく精度の高い振動を得ることができ、プロセッサの演算負荷も軽くできるので、血圧測定を高速に行なうことができる。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、非観血連続血圧計を、プロセッサによる演算または数値制御発振器また電圧制御発振器を用いた振動発振器と、振動発振器によって発生された信号により体表から生体内の動脈を振動させる励振器と、励振器により与えられ動脈上を伝搬した振動を電気信号に変換する非観血センサと、最高血圧と最低血圧の絶対値を測定するキャリブレーション用血圧計と、振動発振器で発振した信号を基準として非観血センサにより検出した信号の位相変化から算出した動圧波形とキャリブレーション用血圧計からの測定値により非観血で連続的に生体内の血圧を算出する血圧算出手段と、血圧算出手段で算出した連続血圧波形を表示する血圧波形表示部を備えた構成としたので、被検体に対して最も有効となる任意の周波数および振幅で制御でき、高信頼性で高精度な非観血連続血圧計が実現できるという効果が得られる。
【0043】また、非侵襲で連続的に測定する血圧計における励振器信号の発振器を、プロセッサによる演算または数値制御発振器または電圧制御発振器を用いて構成し、励振器の発振周波数および振幅を任意に設定し、スプリアスの少ない発振信号を出力することにより、被検体に最適な周波数で励振器を振動させることができ、かつ、発振した信号を血圧算出の位相変化検出のための基準信号としても使用することができるので、最小の構成で血圧測定の精度と信頼性を著しく向上することができるという効果が得られる。
【出願人】 【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【出願日】 平成10年(1998)4月20日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】役 昌明 (外3名)
【公開番号】 特開平11−299747
【公開日】 平成11年(1999)11月2日
【出願番号】 特願平10−123892