| 【発明の名称】 |
髄液吸収測定システム、髄液吸収測定方法、記憶媒体、および、髄液圧の吸収を測定するために用いられる穿刺針 |
| 【発明者】 |
【氏名】和智 明彦
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| 【要約】 |
【課題】オペレータによる煩雑な操作を必要とすることなく、かつ、客観的で適切な髄液吸収の指標を求めることができる髄液吸収測定システムを提供する。
【解決手段】システム10は、二連腔腰椎穿刺針12の一方の腔から負荷液を注入するとともに、他方の腔を介して髄液圧を測定し、当該髄液圧に対応するデータを収集し、髄液吸収抵抗値を求める。このシステムは、収集されたデータのうち、負荷液を注入する前のデータの平均値を求める平均値算出部66、データのうち、負荷液を注入し終わってから、所定の期間が経過するまでのデータ値に基づき、近似曲線を求める曲線近似部68、並びに、平均値、近似曲線およびある任意の時刻における近似曲線上の値に基づき、髄液吸収抵抗値を求める抵抗値算出部70を有する圧解析部22と、圧解析部22を制御する制御部26とを備えている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 腰椎穿刺針からの髄液圧に対応するデータを収集し、髄液吸収の指標を得る髄液吸収測定システムであって、前記データのうち、負荷液を注入する前のデータの平均値を求める平均値算出手段と、前記データのうち、負荷液を注入し終わってから、所定の期間が経過するまでのデータ値に基づき、近似曲線を求める曲線近似手段と、前記平均値と、近似曲線と、ある任意の時刻における近似曲線上の値とに基づき、髄液吸収抵抗値を求める抵抗値算出手段とを備えたことを特徴とする髄液吸収測定システム。 【請求項2】 前記負荷液を注入するためのシリンジと、シリンジを駆動するためのシリンジ駆動手段とを備え、前記平均値算出手段が、前記シリンジが駆動されるまでのデータに基づき、そのデータ値の平均値を算出し、前記曲線近似手段が、前記シリンジの駆動が終了してからのデータに基づき、近似曲線を求めるように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の髄液吸収測定システム。 【請求項3】 前記平均値算出手段が、前記データ値に基づき、その大局的変動が所定範囲となる水平部を検出して、当該水平部にあるデータ値の平均値を算出するように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の髄液吸収測定システム。 【請求項4】 前記曲線近似手段が、前記データ値の最高値を検出し、前記最高値に対応する時刻からのデータに基づき、近似曲線を求めるように構成されたことを特徴とする請求項1または3に記載の髄液吸収測定システム。 【請求項5】 さらに、腰椎に穿刺するための穿刺針であって、貫通する二つの腔を有する二連腔穿刺針と、上記二連腔穿刺針の一方の腔と取り外し可能に連結される耐圧チューブを有する圧トランスデューサであって、前記耐圧チューブを介して前記一方の腔と連通可能な圧トランスデューサと、前記二連腔穿刺針の他方の腔と取り外し可能に連結される耐圧チューブを有するシリンジであって、その内部に予め負荷液が充填され、前記耐圧チューブを介して前記他方の腔と連通可能なシリンジと、前記シリンジを駆動するシリンジ駆動機構と、前記圧トランスデューサからの電気信号をディジタルデータに変換し、前記平均値算出手段および前記曲線近似部にて使用するデータを提供するA/D変換器とを備えたことを特徴とする請求項1ないし4の何れか一項に記載の髄液吸収測定システム。 【請求項6】 腰椎穿刺針からの髄液圧に対応するデータを収集し、髄液吸収の指標を得る髄液吸収測定方法であって、収集された前記データのうち、負荷液を注入する前のデータの平均値を求めるステップと、前記データのうち、負荷液を注入し終わってから、所定の期間が経過するまでのデータ値に基づき、近似曲線を求めるステップと、前記平均値と、近似曲線と、ある任意の時刻における近似曲線上の値とに基づき、髄液吸収抵抗値を求めるステップとを備えたことを特徴とする髄液吸収測定方法。 【請求項7】 さらに、シリンジを駆動するステップを備え、前記平均値を算出するステップが、シリンジの駆動を開始するまでのデータに基づき、そのデータ値の平均値を算出し、前記近似曲線を得るステップが、シリンジの駆動が終了してからのデータに基づき、近似曲線を求めるように構成されたことを特徴とする請求項6に記載の髄液吸収測定方法。 【請求項8】 前記平均値を算出するステップが、前記データ値に基づき、その大局的変動が所定範囲となる水平部を検出して、当該水平部にあるデータ値の平均値を算出し、かつ、前記近似曲線を得るステップが、前記データ値の最高値を検出し、前記最高値に対応する時刻からのデータに基づき、近似曲線を求めるように構成されたことを特徴とする請求項6に記載の髄液吸収測定方法。 【請求項9】 腰椎穿刺針からの髄液圧に対応するデータを収集し、髄液吸収の指標を得る髄液吸収測定方法を実現するためのプログラムを記憶した、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、収集された前記データのうち、負荷液を注入する前のデータの平均値を求めるステップと、前記データのうち、負荷液を注入し終わってから、所定の期間が経過するまでのデータ値に基づき、近似曲線を求めるステップと、前記平均値と、近似曲線と、ある任意の時刻における近似曲線上の値とに基づき、髄液吸収抵抗値を求めるステップとを備えたことを特徴とするプログラムを記憶した記憶媒体。 【請求項10】 さらに、シリンジを駆動するステップを備え、前記平均値を算出するステップが、シリンジの駆動を開始するまでのデータに基づき、そのデータ値の平均値を算出し、前記近似曲線を得るステップが、シリンジの駆動が終了してからのデータに基づき、近似曲線を求めるように構成されたことを特徴とするプログラフを記憶した請求項9に記載の記憶媒体。 【請求項11】 前記平均値を算出するステップが、前記データ値に基づき、その大局的変動が所定範囲となる水平部を検出して、当該水平部にあるデータ値の平均値を算出し、かつ、前記近似曲線を得るステップが、前記データ値の最高値を検出し、前記最高値に対応する時刻からのデータに基づき、近似曲線を求めるように構成されたことを特徴とするプログラフを記憶した請求項9に記載の記憶媒体。 【請求項12】 腰椎クモ膜下腔に穿刺し、負荷液を注入するとともに、髄液液の吸収を測定するために用いられる穿刺針であって、負荷液注入のための第1の腔と、前記第1の腔と略平行に配置され、圧トランスデューサに連通して髄液圧を測定するための第2の腔とを備えたことを特徴とする穿刺針。 【請求項13】 前記第1の腔と第2の腔とが平行に配置された金属製の針本体と、前記針本体の先尖部の反対側に取り付けられた、略Y字状の樹脂製のアダプタであって、二つの脚部の各々に、耐圧チューブと取り外し可能に連結するための係止部材が配置されたアダプタとを備えたことを特徴とする請求項12に記載の穿刺針。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、生体内髄液循環における髄液の吸収抵抗値を測定するシステム、測定方法、および、これに用いる穿刺針に関し、より詳細には、髄液循環障害をきたす疾患(たとえば、水頭症、正常圧水頭症など)の診断に有用な、髄液吸収測定システム、測定方法、および、これに用いる穿刺針に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、髄液循環における髄液吸収抵抗値を測定する場合には、下記の部材を用意して、これらを接続する必要があった。すなわち、図12に示すように、従来の測定システム100は、腰椎穿刺針102、三方括栓104、耐圧チューブ106、108、信号線110、シリンジ112、インフュージョンポンプ114、圧トランスデューサ116および圧記録用ポリグラフ118から構成されている。 【0003】三方括栓104は、腰椎穿刺針102と、シリンジ側の耐圧チューブ106或いは圧トランスデューサ116側の耐圧チューブ108の何れか一方とを連結するようになっている。また、シリンジ112には、減菌生理的食塩水が充填され、インフュージョンポンプ114の作動により、シリンジ112が移動し、充填された減菌生理的食塩水を注入できるようになっている。これら部材のうち、腰椎穿刺針102〜圧トランスデューサ116には、消毒減菌を施す必要がある。 【0004】測定の先立って、上記部材を連結して、システム100を組み立てる必要が或る。すなわち、オペレータは、まず、(1)腰椎穿刺針102を、三方括栓104の一方の側にねじ込んで、これらを連結する。 (2)次いで、二つの耐圧チューブ106、108を、三方括栓104の残りの二つの側に、それぞれねじ込んでこれらを連結する。 (3)さらに、一方の耐圧チューブ106の他端と、減菌生理的食塩水が充填されたシリンジ112とを連結するとともに、(4)耐圧チューブ108を圧トランスデューサ116と連結する。 (5)このようにして、耐圧チューブ108の連結が終了すると、圧トランスデューサ116とポリグラフ118とを、信号線110を用いて連結する。 (6)また、オペレータは、シリンジ112をインフュージョンポンプ114に装着する。 【0005】さて、このような従来の測定システム100において、オペレータは、通常の腰痛穿刺手順(すなわち、患者を側臥位として、穿刺部を十分消毒した後、第3−4腰椎間に穿刺する)にて、腰椎穿刺針102を腰椎クモ膜下腔に挿入する。次いで、オペレータは、三方括栓104を、圧トランスデューサ104の側に開く。これにより、ポリグラフ118には、初期髄液圧P0(mmHg)が記録される。その後、オペレータは、三方括栓104を一時的にシリンジ112の側に開き、人為的に髄液圧を上昇させる目的で、インフュージョンポンプ114を作動して、毎秒1mlの速度で、シリンジ112ないの減菌生理的食塩水を、1〜5mlだけ髄液腔内に注入する。注入終了直後に、オペレータは、三方括栓104を、再度、圧トランスデューサ104の側に開く。これにより、圧トランスデューサ104により注入終了直後の髄液圧Pp(mmHg)が検出され、当該髄液圧に対応する伝黄信号がポリグラフ118に与えられて、ポリグラフ118により髄液圧が記録される。これ以後、髄液は系時的に体内に吸収され、髄液圧は下降する。Marmarouの式に基づき、この下降曲線上の注入終了時間後t分における髄液圧Pt(mmHg)を求めることにより、髄液吸収抵抗値を求めることができる。上記Marmarouの式は、たとえば、Marmarou A, Shulman K, LaMorgese Jによる「Compartmental analysis of compliance and outflow resistance of the cerebrospinal fluid system (Journal of Neurosurg 43 第523頁〜第534頁、1975年)に開示されている。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来の髄液吸収測定システムにおいては、以下の問題点があった。 (1)一つの腰椎穿刺針にて、生理的食塩水の注入と、圧の測定とを行う必要があるため、オペレータによる三方括栓の開閉操作が必要である。 (2)生理的食塩水注入中の髄液圧をリアルタイムで把握することができないため、過剰な液の注入による髄液圧の過度の上昇を招き、たとえば、頭蓋内圧亢進症などを起こす危険性がある。 (3)従来のシステムでは、腰椎穿刺針102と三方括栓104との間、三方括栓104と、耐圧チューブ106、108との間、耐圧チューブ106とシリンジ112との間、および、耐圧チューブ108と圧トランスデューサの間を連結する必要がある。連結部分が多いと、組み立て作業に多くの時間を必要とし、また、それだけ雑菌に汚染されるおそれも大きい。また、これら部材の規格が不統一であると、測定結果に対する信頼性が問題となる可能性もある。 (4)実際には、髄液圧は、呼吸性や血管反応性などによる変動が大きい。したがって、オペレータが、ポリグラフに記憶されたアナログの圧データを読み取る際に、オペレータの主観などに起因する誤差が生じる可能性が高く、得られた結果に客観性が乏しくなるおそれがある。 【0007】本発明の目的は、オペレータによる煩雑な操作を必要とすることなく、かつ、客観的で適切な髄液吸収の指標を求めることができる髄液吸収測定システムおよび測定方法を提供することにある。また、本発明の他の目的は、組み立て、分解や廃棄が容易で、かつ、雑菌に汚染される危険性が小さい髄液吸収測定システムを提供することにある。本発明のさらに他の目的は、髄液圧の常時監視が可能な穿刺針を提供することにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明の目的は、腰椎穿刺針からの髄液圧に対応するデータを収集し、髄液吸収の指標を得る髄液吸収測定システムであって、前記データのうち、負荷液を注入する前のデータの平均値を求める平均値算出手段と、前記データのうち、負荷液を注入し終わってから、所定の期間が経過するまでのデータ値に基づき、近似曲線を求める曲線近似手段と、前記平均値と、近似曲線と、ある任意の時刻における近似曲線上の値とに基づき、髄液吸収抵抗値を求める抵抗値算出手段とを備えたことを特徴とする髄液吸収測定システムにより達成される。 【0009】本発明によれば、生理的食塩水などの負荷液を注入する前の髄液圧の平均値を、髄液圧の初期値と決定し、かつ、負荷液注入が完了してから所定の時間が経過するまでの髄液圧の圧波形に基づき近似曲線を求め、この近似曲線上の値を用いて、任意の時刻における髄液圧を算出している。したがって、オペレータの主観が入らない、適切かつ客観的な髄液吸収抵抗値を得ることが可能となる。 【0010】本発明の好ましい実施態様においては、前記負荷液を注入するためのシリンジと、シリンジを駆動するためのシリンジ駆動手段とを備え、前記平均値算出手段が、前記シリンジが駆動されるまでのデータに基づき、そのデータ値の平均値を算出し、前記曲線近似手段が、前記シリンジの駆動が終了してからのデータに基づき、近似曲線を求めるように構成されている。この実施態様によれば、平均値算出のためのデータの範囲や、近似曲線算出のためのデータの範囲を、負荷液を注入するシリンジの動作と関連付けているため、略自動的に、所望の髄液吸収抵抗値を得ることが可能となる。なお、この実施態様においては、データを、シリンジの動作時刻と関連付けて、メモリに一時的に記憶し、その後に、記憶されたデータに基づき、平均値などを算出しても良いし、或いは、シリンジの動作に応答して、リアルタイムに、平均値などを算出しても良い。 【0011】本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記平均値算出手段が、前記データ値に基づき、その大局的変動が所定範囲となる水平部を検出して、当該水平部にあるデータ値の平均値を算出するように構成されている。また、前記曲線近似手段が、前記データ値の最高値を検出し、前記最高値に対応する時刻からのデータに基づき、近似曲線を求めるように構成されても良い。この実施態様においては、データ自体に基づき、平均値(初期圧)や近似曲線を算出している。したがって、ポリグラフをスキャンすることにより得られたデータを用いても、適切で客観的な髄液圧吸収抵抗値を得ることが可能となる。 【0012】また、本発明の目的は、上記システムにて実行される測定方法、および、測定方法のプログラムを記憶した記憶媒体によっても達成される。 【0013】本発明の別の実施態様においては、さらに、腰椎に穿刺するための穿刺針であって、貫通する二つの腔を有する二連腔穿刺針と、上記二連腔穿刺針の一方の腔と取り外し可能に連結される耐圧チューブを有する圧トランスデューサであって、前記耐圧チューブを介して前記一方の腔と連通可能な圧トランスデューサと、前記二連腔穿刺針の他方の腔と取り外し可能に連結される耐圧チューブを有するシリンジであって、その内部に予め負荷液が充填され、前記耐圧チューブを介して前記他方の腔と連通可能なシリンジと、前記シリンジを駆動するシリンジ駆動機構と、前記圧トランスデューサからの電気信号をディジタルデータに変換し、前記平均値算出手段および前記曲線近似部にて使用するデータを提供するA/D変換器とを備えている。すなわち、この態様では、二連腔穿刺針と、耐圧チューブ付きの圧トランスデューサと、耐圧チューブ付きのシリンジと、その他電気および機構部品(たとえば、A/D変換器、シリンジ駆動機構、平均値算出手段、曲線近似手段、抵抗値算出手段)とから、システムが構成されるようになっている。 【0014】したがって、上記電気および機構部品を、単一のキャビネットに収容し、かつ、キャビネットにシリンジを取り外し可能に装着できるように構成すれば、シリンジと二連腔穿刺針との連結、圧トランスデューサと二連腔穿刺針との連結、および、圧トランスデューサとキャビネット内のA/D変換器との連結をなせば、システムを完成させることができる。したがって、組み立て手順を簡単にすることができる。また、オペレータの手で連結される部分を少なくすることができるため、雑菌に汚染される危険性を減じることが可能となる。また、測定後には、二連腔穿刺針、圧トランスデューサ、シリンジを廃棄すれば良いため、極めて使いやすいシステムを提供することが可能となる。 【0015】さらに、本発明の別の実施態様においては、腰椎クモ膜下腔に穿刺し、負荷液を注入するとともに、髄液液の吸収を測定するために用いられる穿刺針は、負荷液注入のための第1の腔と、前記第1の腔と略平行に配置され、圧トランスデューサに連通して髄液圧を測定するための第2の腔とを備えている。この実施態様によれば、一方の腔(第2の腔)は常に圧トランスデューサと連通されているため、圧トランスデューサにより常に髄液圧の検出が可能となる。これにより、オペレータにより、常時、髄液圧の監視ができ、測定中(注入中)に髄液圧が過度に高まる危険性を減じることが可能となる。上記穿刺針は、前記第1の腔と第2の腔とが平行に配置された金属製の針本体と、前記針本体の先尖部の反対側に取り付けられた、略Y字状の樹脂製のアダプタであって、二つの脚部の各々に、耐圧チューブと取り外し可能に連結するための係止部材が配置されたアダプタとを備えているのが好ましい。 【0016】 【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態につき説明を加える。図1は、本発明の第1の実施の形態にかかる髄液吸収測定システムの概略構成を示すブロックダイヤグラムである。図1に示すように、髄液吸収測定システム10は、二連腔腰椎穿刺針12と、耐圧チューブ16と一体に形成された圧トランスデューサ14と、耐圧チューブ20と一体に形成され、その内部に滅菌された生理的食塩水が充填されたシリンジ18と、圧トランスデューサからの電気信号をディジタルデータに変換して、当該ディジタルデータに所定の処理を施す解析部22と、シリンジ18を駆動するシリンジ駆動部24と、圧解析部22やシリンジ駆動部24を制御する制御部26とを備えている。後に詳述するように、上記圧解析部22、シリンジ駆動部24および制御部26は、本体30に収容され、かつ、シリンジ18は本体30に装着できるようになっている。この実施の形態においては、システムは、髄液吸収の指標として、髄液吸収抵抗値を算出するようになっている。 【0017】図2は、本実施の形態にかかる二連腔腰椎穿刺針12の概略を示す図である。図2に示すように、二連腔腰椎穿刺針12は、ステンレスなど金属製の針本体32と、ポリウレタンなどの樹脂製のアダプタ部34からなる。針本体32には、長手方向に二つの貫通孔36、38が設けられている。その一方36は、髄液の圧を測定するために使用され、他方は、後述する負荷液(生理的食塩水)を体内に注入するために使用される。アダプタ部34にも、上記貫通孔36、38とそれぞれ連通する貫通孔40、42が設けられている。また、図2(b)に示すように、アダプタ部34の針本体32と連結されていない側は、二股に分かれ、それぞれの先端部44、46に、耐圧チューブと係合するための係合部材が設けられている。たとえば、この実施の形態においては、先端部44、46の外周に雄ネジが形成され、耐圧チューブと螺合することにより、アダプタ部34と耐圧チューブとを液密に固定することができるようになっている。なお、先端部の内周に、雌ネジを形成しても良い。或いは、係合部材として、上記先端部と耐圧チューブとをスナップ嵌合させるための部材を用いても良い。 【0018】本実施の形態においては、圧トランスデューサ14から所定長さの樹脂製の耐圧チューブ16が延びている。圧トランスデューサ14の本体と耐圧チューブ16とは、一体に成形されている必要はなく、予めこれらの間の連結部が雑菌にさらされていない構造であれば良い。耐圧チューブ16の先端(図1の符号50参照)には、二連腔腰椎穿刺針12のアダプタ部34と液密に係合し、かつ、その一方の貫通孔40と、耐圧チューブ16の貫通孔とが連通するような構造となっている。たとえば、アダプタ部34が、図2(b)に示す構造である場合に、耐圧チューブの先端50の内周面には雌ネジが形成されている。 【0019】また、シリンジ18からも所定長さの樹脂製の耐圧チューブ20が延びている。圧トランスデューサ14の本体と耐圧チューブ16とは、一体に成形されている必要はなく、予めこれらの間の連結部が雑菌にさらされていない構造であれば良い。また、耐圧チューブ20の先端52も、耐圧チューブ16の先端50と同様の構造となっている。シリンジ18の内部には、予め所定量の滅菌された生理的食塩水が充填されているのが好ましい。すなわち、耐圧チューブ20と一体に作られたシリンジ18を、本体30に装着し、シリンジ駆動部24によりシリンジを駆動することにより、耐圧チューブ20の先端から生理的食塩水が送出されるようになっている。これにより、シリンジ18が雑菌に汚染されるおそれを小さくすることができる。 【0020】図3に示すように、圧解析部22は、圧トランスデューサ14から電気信号を受け入れて、これをディジタルデータに変換するA/D変換器60と、A/D変換器60からのデータを一時的に記憶するメモリ62と、メモリ62に記憶されたデータの値に基づき、所定区間の平均値を算出する平均値算出部66と、他の所定区間のデータ値から近似曲線を得る曲線近似部58と、平均値算出部66および曲線近似部68により求められたデータに基づき、本実施の形態にかかる髄液吸収の指標である髄液吸収抵抗値を算出する抵抗値算出部70と、CRTやLCDなどの表示装置72および/またはプリンタ74とを備えている。 【0021】本実施の形態においては、圧解析部22および制御部26を、パーソナルコンピュータにて実現することができる。なお、後述するように、本体30に、圧解析部22、シリンジ駆動部24、制御部26を収容し、かつ、シリンジ18も、本体30に装着できるのが好ましいため、これら圧解析部22ないし制御部26は、キャビネットに収容されているのが好ましい。また、本実施の形態においては、圧解析部22は、制御部26の指示により作動するようになっている。 【0022】シリンジ駆動部24は、モータ(図示せず)およびモータの回転により、シリンジを押し出すためのインフュージョンポンプ(図示せず)を備えている。また、シリンジ駆動部24は、制御部26の指示に応答して作動し、これによりシリンジ18が押し出されて内部に充填された生理的食塩水が注入され、或いは、押し出しを停止して生理的食塩水の注入が中断するようになっている。また、制御部26は、以下に説明する処理(たとえば、図4、図5に示す処理)を実行するためのプログラムを格納したメモリ(図示せず)を有している。なお、上記プログラムは、CD−ROMやフロッピーディスクなど可搬記憶媒体に格納され、制御部26により可搬記憶媒体に記憶されたプログラムが読みだされても良い。 【0023】このように構成された髄液吸収測定システム10での測定手順につき、以下に説明を加える。まず、オペレータは、各構成部分を連結させて、システムを組み立てる。より具体的には、オペレータは、二連腔腰椎穿刺針12のアダプタ部34の一方の貫通孔(圧測定腔)40に、圧トランスデューサ14の耐圧チューブ16を連結させる。次いで、アダプタ部34の他方の貫通孔42(負荷液注入部)に、本体30に収容されたシリンジ18から延びる耐圧チューブ20を連結させる。また、オペレータは、圧トランスデューサ14と本体30の圧解析部22とを信号線で接続する。このようにしてシステムの組み立てが終了した後に、オペレータは、通常の腰椎穿刺手順にて、二連腔腰椎穿刺針12を、腰椎クモ膜下腔に挿入する。これにより、二連腔穿刺針12の圧測定用腔および耐圧チューブ16を介して、生体内の髄液圧が圧トランスデューサ14に与えられる。 【0024】その後、オペレータは、所定のスイッチないしキー(図示せず)を作動して、システム10を作動させる。図4は、この実施の形態にかかる髄液吸収測定システム10のデータ収集処理を示すフローチャートである。図4に示すように、スイッチないしキーの作動に応答して、制御部26は、A/D変換器60を作動させる(ステップ401)。たとえば、A/D変換器60は、10ポイント/秒程度にて、受け入れた圧トランスデューサ14からの電気信号をサンプリングする。これにより、得られたディジタルデータは、メモリ62の所定の領域に記憶される。 【0025】次いで、所定時間t0が経過した後に、制御部22は、シリンジ駆動部24にシリンジの駆動を指示する。これにより、シリンジ18が駆動されて、シリンジ18内部の生理的食塩水が、耐圧チューブ20および二連腔腰椎穿刺針12の負荷液注入部を介して、体内に注入される(ステップ402)。本実施の形態においては、生理的食塩水を毎秒1mlの速度で注入するように、シリンジ18が動かされる。なお、シリンジ18の移動中(すなわち、生理的食塩水の注入中)の髄液圧が、表示装置72などに表示され、オペレータがこれを監視できるのが好ましい。より具体的には、二連腔腰椎穿刺針12の圧測定用腔および耐圧チューブ16を介して、圧トランスデューサ14に与えられ、さらに、A/D変換器60にてディジタル化された髄液圧のデータ値が、少なくとも、シリンジ18の作動中には、表示装置72などに表示されているのが好ましい。たとえば、髄液圧が必要以上に上昇している場合には、オペレータは、所定のスイッチを操作して、シリンジの駆動を停止することが可能である。また、予め設定した閾値以上に髄液圧が上昇した場合には、制御部26からの指示に従って、シリンジ駆動部24が停止し、負荷液(生理的食塩水)の注入を中止するように構成しても良い。これにより、髄液圧が過度に上昇して、人体に悪影響を与える危険を減じることが可能となる。 【0026】所定量ΔVだけ生理的食塩水が体内に注入されると、制御部26によりシリンジ18の駆動が停止される(ステップ403)。或いは、上述したようにオペレータの指示によりシリンジ18の駆動が停止されても良い。なお、シリンジ停止時刻t1は、後の測定のために利用される。その後、所定の時間teが経過すると、制御部26は、A/D変換器60を停止する。たとえば、上記時間teは、2〜3分であるが、これに限定されるものではない。このようにして、メモリ62には、体内に二連腔腰椎穿刺針12が挿入されてから、生理的食塩水が体内に注入され、その後、所定の時間が経過するまでの、髄液圧のデータ値が記憶される。 【0027】次いで、オペレータが解析の開始を示すスイッチないしキー(図示せず)を操作すると、制御部26は、これに応答して、図5に示す処理を開始する。まず、制御部26は、平均値算出部66を起動して、図4の処理にてメモリ62に記憶されたデータのうち、時刻0〜時刻t0に対応するデータを読み出し、これら値の平均を求めるように指示する(ステップ501)。また、制御部26は、曲線近似部68を起動して、メモリ62に記憶されたデータのうち、時刻t1〜teに対応するデータを読み出し、これらデータ値に基づき、近似曲線を得るように指示する(ステップ502)。たとえば、曲線近似部68は、既知の回帰近似(たとえば、(1)式に示すような多項式(五次式)のPolynomial Curve Fit)を利用して、近似曲線を算出する。 Pt=A+Bt+Ct2+D(e−2)・t3+E(e−4)・t4+F(e−7)・t5(ただし、A、B、C、D、E、Fは正または負の定数)・・・・・(1) なお、近似曲線を得る手法は、上記手法に限定されず、指数関数を用いても良いし、最小二乗法などを用いても良い。また、多項式も五次式に限定されないことは言うまでもない。また、ステップ501およびステップ502は、図5に示すように逐次的に実行しても良いし、可能であれば、並列的に略同時に実行しても良い。 【0028】図6(a)は、上記実施の形態において、A/D変換器60にてサンプルされたデータ値の一例を示す図である。図6(a)において、時刻0から時刻t0までのデータ値の平均値が、ステップ501において得られ、得られた平均値が、髄液の初期圧P0(mmHg)となる。また、時刻t1から時刻teまでのデータ値に基づき得られた近似曲線(図6(b)の曲線601参照)が、ステップ502にて得られた曲線Ptに対応する。 【0029】その後に、制御部26は、抵抗値算出部70を起動する。抵抗値算出部70はこれに応答して、近似曲線に基づき、時刻t1における値Ppおよび任意の時刻tt(t1<tt<te)における値Ptを求める。上記時刻t1における値が、髄液の最高圧Pp(mmHg)に対応する。さらに、抵抗値算出部70は、初期圧P0、最高圧Ppおよび時刻ttにおける髄液圧Ptに基づき、Marmarouの式(2式参照)に基づき、髄液吸収抵抗値Rを算出する(ステップ503)。 【数1】
ここで、ΔVは、負荷生理的食塩水の量である。 【0030】このようにして、髄液吸収抵抗値Rが求められると、制御部26は、抵抗値Rを表示装置72やプリンタ70に出力するように指示する。これにより、表示装置72の画面上に、抵抗値Rが表示され、或いは、プリンタ70により、グラフなどに抵抗値Rが記載された印刷物が出力される(ステップ504)。 【0031】本実施の形態によれば、二連腔腰椎穿刺針12を利用することにより、髄液圧を常に監視することができる。したがって、過度に髄液圧が高くなることに起因して人体に損傷を与える危険性を著しく減じることができる。また、本実施の形態によれば、初期圧P0および最高圧Ppからの減衰する圧波形を求め、これらに基づき、抵抗値Rを算出するため、客観的な抵抗値Rを得ることが可能となる。特に、本実施の形態においては、シリンジの作動に着目し、シリンジの移動が始まるまでに得られたデータ値の平均値を初期圧P0とし、また、シリンジの移動が終了してから、所定の時間が経過するまでのデータ値に基づき、減衰する圧波形を、多次回帰曲線を用いて近似している。したがって、オペレータの煩雑な操作の必要なく、適切な抵抗値Rを求めることが可能となる。 【0032】次に、本発明の第2の実施の形態につき説明を加える。この実施の形態にかかる髄液吸収測定システム10の構成は、図1および図3に示すものと同様である。なお、この実施の形態においては、得られたデータ値から変動の少ない水平な部分を切り出して、この水平な部分のデータ値の平均値を算出してこれを初期圧P0と決定し、かつ、データ値の最高値を最高圧Ppとして決定し、最高圧Ppから減衰する圧波形に基づき、近似曲線を得るように構成されている。したがって、第2の実施の形態においては、第1の実施の形態のように、シリンジの作動のタイミングと、データ値とを関連つけていなくても良い。 【0033】図7は、この実施の形態にかかる解析処理を示すフローチャートである。オペレータが解析の開始を示すスイッチないしキー(図示せず)を操作すると、制御部26は、まず、平均値算出部66を起動する。平均値算出部66は、これに応答して、データ値の初期的な水平部を検出して、水平部の平均値を算出する(ステップ701)。たとえば、高域ノイズを除去した後の値が、所定の閾値を超えた場合に、水平部が終了すると判断し、データの初期値から水平部の終了時の値までの平均値を算出する。 【0034】次いで、制御部26は、曲線近似部68を起動する。曲線近似部68は、水平部の終了時点からのデータを走査して、最高値Ppを検出するとともに、当該最高値Ppが検出された時点t1以後、時刻teまでの所定の期間のデータ値に基づき、近似曲線を算出する(ステップ702)。この近似曲線の算出は、第1の実施の形態のものと同様の手法を用いることができる。その後に、抵抗値算出部70が、得られた初期圧P0、最高圧Ppおよび任意の時刻tt(t1<tt<te)における髄液圧Ptに基づき、Marmarouの式(2式参照)に基づき、髄液吸収抵抗値Rを算出する(ステップ703)。ステップ703の処理の後に、表示装置72の画面上に、抵抗値Rが表示され、或いは、プリンタ70により、グラフなどに抵抗値Rが記載された印刷物が出力される(ステップ704)。 【0035】第2の実施の形態によれば、初期圧P0および最高圧Ppからの減衰する圧波形を求め、これらに基づき、抵抗値Rを算出するため、客観的な抵抗値Rを得ることが可能となる。特に、第2の実施の形態においては、得られた圧波形の形状に着目し、水平部を検出するとともに、最高値Ppが得られた時点以後の圧波形に基づく近似曲線を算出している。したがって、シリンジの移動時刻を検出することなく、かつ、オペレータの煩雑な操作の必要なく、適切な抵抗値Rを求めることが可能となる。 【0036】図8は、上記第2の実施の形態において得られる信号やデータの一例を示す図である。図8(a)は、圧トランスデューサに与えられるアナログ信号、図8(b)は、A/D変換器60にてサンプルされたデータをそれぞれ示している。この実施の形態では、水平部(図8(b)参照)を検出して、その間のデータ値の平均値をとり、これを初期圧としている。また、最高圧Ppを検出して、それ以後の減衰する圧波形(図8(b)の減衰部参照)に基づき、図8(c)に示す近似曲線を得ている。図8(c)の例では、任意の時刻は、最高圧となった時刻の2分後に設定されている。 【0037】なお、第2の実施の形態において、A/D変換器60により得られたデータを表示装置72に表示し、オペレータがマウスなどの入力装置(図示せず)を操作することにより、水平部や、近似曲線を求める圧波形の始点および終点を指定できるように構成しても良い。 【0038】次に、本発明の第3の実施の形態につき説明を加える。この実施の形態にかかる髄液吸収測定システムの概略は図1に示すものと同様である。また、図9は、圧解析装置22の構成を示すブロックダイヤグラムである。図9においては、A/D変換器60からのデータを一時的に記憶するメモリ62が省略され、データが、平均値算出部66および曲線近似部68に直接与えられて、リアルタイムに演算が実行されるようになっている。図10は、この実施の形態にかかる制御部、平均値算出部、曲線近似部、抵抗値算出部の処理を示すフローチャートである。 図10のステップ1001〜ステップ1004の処理は、図4のステップ401〜ステップ404に略対応する。 【0039】たとえば、A/D変換器60が起動して(ステップ1001)、圧トランスデューサからの信号をディジタル化すると、このディジタル化されたデータは、平均値算出部66に与えられて、バッファ(図示せず)に一時的に保持される。制御部26の指示によりシリンジ18の駆動が開始されると(ステップ1002)、平均値算出部66は、A/D変換器60が起動してから、シリンジが駆動する時点までにA/D変換器60から与えられたデータ値の平均値を算出する(ステップ1005)。なお、A/D変換器60から与えられたデータを保持するのではなく、これを逐次加算しておき、最終的に全サンプル数で割り算することにより平均値を求めても良い。 【0040】なお、少なくともシリンジ駆動開始(ステップ1002)から、シリンジが停止する(ステップ1003)までの髄液圧は、表示装置72などによりモニター可能であるのが好ましい。 【0041】シリンジが停止すると(ステップ1003)、A/D変換器60からのデータは、曲線近似部68に与えられる。曲線近似部68は、シリンジ停止からA/D変換器60が停止するまでのデータを、バッファ(図示せず)に保持する。A/D変換器60が停止すると、これに応答して、バッファに保持したデータのデータ値に基づき、曲線近似部68は、圧波形の近似曲線を求める(ステップ1006)。このようにして、平均値、近時曲線が求められた後に、これら値に基づき、任意の時刻ttにおける髄液圧を求め、さらに、Marmarouの式(2式参照)に基づき、髄液吸収抵抗値Rを算出し、結果を出力する(ステップ1007)。ステップ1007の処理は、図5のステップ503およびステップ504の処理に対応する。 【0042】本実施の形態によれば、A/D変換器60からの出力を直接演算に用いているので、より迅速に適切な抵抗値を求めることが可能となる。また、必要なメモリ容量を小さくすることが可能となる。 【0043】次に、上記実施の形態にかかる髄液吸収測定システム10を収容する本体30(キャビネット)につき説明を加える。図11は、髄液吸収測定システム10の外観の一例を示す図である。図11において、本体30には、圧解析部22、シリンジ駆動部24、制御部26が収容されている。また、本体30は、圧トランスデューサからの信号線201の先端にあるコネクタ202と接続できるようになっている。さらに、図11に示すように、本体30には、シリンジ18を収容するための収容部204を備え、シリンジ18を収容できるとともに、オペレータが操作するためのスイッチやキー群206、208が、その上面に配置されている。また、シリンジ18には予め耐圧チューブ20が取り付けられ、かつ、圧トランスデューサ14にも、予め耐圧チューブ16が取り付けられている。なお、圧トランスデューサ14と、信号線201との間は、予め固定されていても良いし、コネクタなどを介して、取り外し可能に接続できるようになっていても良い。 【0044】このように構成された髄液吸収測定システム10にあっては、オペレータは、生理的食塩水が充填されたシリンジ18を本体30に収容して、耐圧チューブ20の先端を、二連腔腰椎穿刺針12のアダプタ部34の負荷液注入部と連結し、かつ、圧トランスデューサ14を、コネクタ202を介して本体30と接続するとともに、圧トランスデューサ14に取り付けられた耐圧チューブの先端を、二連腔腰椎穿刺針12のアダプタ部34の圧測定用腔と連結すれば、システムを完成させることができる。 【0045】測定が終了した後に、オペレータは、これらを取り外し、二連腔腰椎穿刺針12と、耐圧チューブ20およびシリンジ18と、耐圧チューブ16および圧トランスデューサ14とを廃棄する。したがって、オペレータは、煩雑な手順を要することなく、システムを組み立て、或いは、システムの廃棄物を取り外しすることが可能となる。また、オペレータにより接続される部分が少ないため、システムが雑菌に汚染される危険性を減じることが可能となる。 【0046】本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。たとえば、前記第2の実施の形態においては、圧トランスデューサからの信号(アナログ信号)をA/D変換器にてディジタル化しているが、たとえば、アナログのポリグラフに出力された結果(グラフ)をスキャンすることによりディジタルデータを得て、得られたディジタルデータを解析して、水平部や圧波形を算出するように構成しても良い。 【0047】また、前記実施の形態においては、髄液吸収測定システムを、本体30、つまり、キャビネット内に収容しているが、これに限定されるものではなく、圧解析部や制御部26などがパーソナルコンピュータにより構成され、シリンジ18を収容する別体のインフュージョンポンプがパーソナルコンピュータの制御部26により制御されても良い。 【0048】さらに、前記実施の形態においては、二連腔穿刺針を用いているが、必ずしもこれに限定されるものではなく、圧トランスデューサに接続された耐圧チューブに連通する単腔の穿刺針と、シリンジに接続された耐圧チューブと連通する単腔の穿刺針を用いても良い。さらに、本明細書において、手段とは必ずしも物理的手段を意味するものではなく、各手段の機能が、ソフトウェアによって実現される場合も包含する。さらに、一つの手段の機能が、二つ以上の物理的手段により実現されても、若しくは、二つ以上の手段の機能が、一つの物理的手段により実現されてもよい。 【0049】 【発明の効果】本発明によれば、オペレータによる煩雑な操作を必要とすることなく、かつ、客観的で適切な髄液吸収の指標を求めることができる髄液吸収測定システムおよび測定方法を提供することが可能となる。また、本発明によれば、組み立て、分解や廃棄が容易で、かつ、雑菌に汚染される危険性が小さい髄液吸収測定システムを提供することができる。さらに、本発明によれば、髄液圧の常時監視が可能な穿刺針を提供することが可能となる。 【0050】このように、本発明によれば、客観的で適切な髄液吸収の指標(抵抗値)を求めることができるため、髄液循環障害をきたす疾患(たとえば、水頭症や正常圧水頭症)の診断をより適切になすことが可能となる。また、上記髄液吸収の指標を参考にして、外科的治療の適応や、髄液短絡術に用いるシャントシステムの圧設定の選択をより適切になすことが可能となる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】592135948 【氏名又は名称】和智 明彦
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)4月27日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】窪田 英一郎 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−299742 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)11月2日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−116366 |
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