| 【発明の名称】 |
内視鏡装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】工藤 正宏
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| 【要約】 |
【課題】本発明は、ズーム動作時における観察対象の位置ずれを補正するための撮像素子の移動を、簡単な処理で、専用のICを使用することなしに実現することができる内視鏡装置を提供することを最も主要な特徴とする。
【解決手段】TVカメラ4のズームレンズ7に、その焦点距離の変化が画角の変化速度を一定とするように構成された画角変化制御手段34を設け、視野変換制御装置11に、ズームレンズ7の1回の移動操作時におけるズーム機構42およびCCD移動機構8のそれぞれの動作を複数に分割し、各分割動作毎にズームレンズ7の変倍率に応じてCCD移動機構8の移動量と移動速度とを算出して制御する中央制御回路75を設けたものである。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 患者の体腔内に挿入される内視鏡と、上記内視鏡に連結されるTVカメラとを具備し、上記TVカメラに、上記内視鏡の観察像を撮像する撮像手段と、上記観察像の変倍を行なう変倍光学系と、上記撮像手段の撮像範囲を移動させる撮像範囲移動手段と、上記変倍光学系を移動させる変倍光学系移動手段とが設けられ、かつ上記変倍光学系移動手段および上記撮像範囲移動手段の動作を制御する視野移動制御手段と、上記変倍光学系移動手段と上記撮像範囲移動手段の動作指令を行なう動作指令入力手段とを備えた内視鏡装置において、上記TVカメラの変倍光学系に、その焦点距離の変化が画角の変化速度を一定とするように構成された画角変化制御手段を設けるとともに、上記視野移動制御手段に、上記変倍光学系の1回の移動操作時における上記変倍光学系移動手段および上記撮像範囲移動手段のそれぞれの動作を複数に分割し、各分割動作毎に上記変倍光学系の変倍率に応じて上記撮像範囲移動手段の移動量と移動速度とを算出して制御する動作分割手段を設けたことを特徴とする内視鏡装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は内視鏡下の手術で使用される内視鏡装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来から、処置具と内視鏡とが、それぞれ個別に患者の体腔内に挿入され、体腔内に挿入された処置具の先端部分の画像を内視鏡の観察視野内に捉え、処置具による患部の処置状態を内視鏡によって観察しながらその処置作業を行なう内視鏡下の手術が知られている。この手術では、術者は両手に処置具を持って処置を行なうため、助手が内視鏡を持ち、術者の指示に従って手術のしやすい視野が得られるように、内視鏡の保持位置を変更している。 【0003】しかし、この内視鏡の操作には習熟が必要であるため、なかなか術者の望む視野が得られず、手術が円滑に進行しないという問題がある。これを解決するものとして、本出願人は特開平9−28663号公報の内視鏡装置を出願している。この内視鏡装置は、内視鏡の撮像光学系の一部分をアクチュエータで移動することによって、内視鏡の画像の撮像範囲を変更する構成にしたものである。このアクチュエータの移動は、術者の手元にあるスイッチ等によって可能であり、術者は自分の操作で思い通りの視野を得ることができる。 【0004】また、同じ目的を持つものとして、特開平6−30896号公報に開示された装置がある。こちらは内視鏡をロボットアームで保持し、移動することにより、内視鏡の視野方向を変換する構成にしたものである。しかしながら、この装置ではロボットアームに術者や、患者や、周辺機器などが干渉する恐れがある。また、ロボットアームの意図しない動作によって、内視鏡の動きが不安定になる恐れがある。さらに、ロボットおよびその周辺機器等の大型な装置を内視鏡の外部に配置する必要があるため、装置全体の運搬、滅菌等の作業が不便である。 【0005】なお、本出願人が出願した上記構成の内視鏡装置では、内視鏡を支持アームに固定したままの状態で内視鏡の視野方向の変換を行なうことが可能である。また、内視鏡の視野変換のための機構も特開平6−30896号公報の装置に比べてコンパクトであり、上記のような問題点はない。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】特開平9−28663号公報の装置では、内視鏡で得られた画像をTVカメラ内のズームレンズによって拡大し、その一部分を撮像素子によって捕らえ、撮像素子をその平面方向に移動させて撮像部位を変えることでモニタに表示される内視鏡像の視野を変換している。さらに、ズームレンズを移動させることにより、観察像の変倍、すなわち内視鏡像の拡大/縮小観察を行なうことができる。 【0007】しかしながら、この機構においては、TVカメラ内のズームレンズのみを駆動して内視鏡像のズームを行なうようにしているので、撮像素子の中心位置が撮像光学系の中心位置に配置されていない場合には、ズーム動作前には画面の中心位置に配置されていた観察対象がズーム動作中に徐々にずれてしまう問題がある。 【0008】すなわち、撮像光学系と観察対象とが静止している状態において、撮像光学系中心を基準とした座標系を考えたとき、ズーム動作後の観察対象の座標値はズーム動作前の座標値にズームの変化率を掛けたものになる。よって、ズーム動作の前後で同じ観察対象をモニタ画面の中心位置に捕らえるためには、ズーム動作と同時に撮像素子も動作させることが必要である。 【0009】なお、画像のズーム動作は、画角の変化速度が一定であると人間のズーミングの感覚とより合致する。ここで、画角の変化速度が一定であるということは、具体的にはズーム倍率が1倍から2倍になる時間と、2倍から4倍になる時間が同じということである。 【0010】上述のように画角の変化速度を一定にする光学系では、焦点距離(ズーム倍率)とズームレンズ位置(ズームレンズ駆動用外筒部材の回転角)との関係は図5(A)の如く非線型となる。この画角変化速度を一定にするためには、ズームレンズを一定速度で移動することが必要である。そして、その時の撮像素子の移動は、この非線型なズーム倍率に対応した軌跡をたどることが必要である。すなわち、この非線型軌跡を実現するためには撮像素子の移動の加減速動作が必要である。 【0011】しかし、ズームレンズのズーム動作は決まった位置(ズーム倍率)の間の反復動作ではなく、スイッチ操作で任意の位置で動作を停止させることができる。ここで、ズーム動作範囲の中の任意の位置で動作が停止した場合、再度ズーム動作を開始する際には、その都度、撮像素子の移動の非線型軌跡動作を実現するための加減速パターンを算出する必要がある。この処理は複雑であることから時間がかかる上、この加減速パターンを実現するための専用ICが必要となり、コスト高になる問題がある。 【0012】本発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的は、撮像光学系の一部を移動させて視野変換を行なうことのできる内視鏡装置において、ズーム動作時における観察対象の位置ずれを補正するための撮像素子の移動を、簡単な処理で、専用のICを使用することなしに実現することができる内視鏡装置を提供することにある。 【0013】 【課題を解決するための手段】本発明は患者の体腔内に挿入される内視鏡と、上記内視鏡に連結されるTVカメラとを具備し、上記TVカメラに、上記内視鏡の観察像を撮像する撮像手段と、上記観察像の変倍を行なう変倍光学系と、上記撮像手段の撮像範囲を移動させる撮像範囲移動手段と、上記変倍光学系を移動させる変倍光学系移動手段とが設けられ、かつ上記変倍光学系移動手段および上記撮像範囲移動手段の動作を制御する視野移動制御手段と、上記変倍光学系移動手段と上記撮像範囲移動手段の動作指令を行なう動作指令入力手段とを備えた内視鏡装置において、上記TVカメラの変倍光学系に、その焦点距離の変化が画角の変化速度を一定とするように構成された画角変化制御手段を設けるとともに、上記視野移動制御手段に、上記変倍光学系の1回の移動操作時における上記変倍光学系移動手段および上記撮像範囲移動手段のそれぞれの動作を複数に分割し、各分割動作毎に上記変倍光学系の変倍率に応じて上記撮像範囲移動手段の移動量と移動速度とを算出して制御する動作分割手段を設けたことを特徴とする内視鏡装置である。そして、TVカメラの変倍光学系の画角変化制御手段によってその焦点距離の変化が画角の変化速度を一定とするとともに、視野移動制御手段の動作分割手段によって変倍光学系の1回の移動操作時における変倍光学系移動手段および撮像範囲移動手段のそれぞれの動作を複数に分割し、各分割動作毎に変倍光学系の変倍率に応じて撮像範囲移動手段の移動量と移動速度とを算出して制御するようにしたものである。 【0014】 【発明の実施の形態】以下、本発明の第1の実施の形態を図1(A),(B)乃至図12を参照して説明する。図1(A)は本実施の形態の内視鏡装置全体の概略構成を示すものである。図1(A)中で、1は患者の体腔内に挿入される硬性内視鏡としてのスコープ、2はこのスコープ1を移動可能に保持する関節構造のスコープ保持具である。 【0015】ここで、スコープ1には細長い挿入部1aと、この挿入部1aの基端部に連結された接眼部5とが設けられている。そして、スコープ1の挿入部1aは予め患者の体腔内に刺入されたトラカール3に挿通され、体腔内を観察するように体腔内に挿入されている。なお、スコープ1の光学系には歪み除去レンズ(図示せず)が設けられている。 【0016】また、スコープ1の接眼部5にはTVカメラ4が取り付けられている。このTVカメラ4の内部には、固体撮像素子であるCCD(撮像手段)6と、ズームレンズ(変倍光学系)7と、CCD6をズームレンズ7の光軸方向とは直交する方向に移動するCCD移動機構(撮像範囲移動手段)8とが内蔵されている。さらに、TVカメラ4のケーシング4aの外面には、原点復帰スイッチ9、視野拡大(TELE)スイッチ10a、広角観察(WIDE)スイッチ10bが設けられている。 【0017】またTVカメラ4には、視野変換制御装置(視野移動制御手段)11およびCCU(カメラコントロールユニット)12が接続されている。ここで、視野変換制御装置11には、上下左右方向への視野変換と、視野拡大・広角観察の切換え操作を行なう操作スイッチが接続される。この操作スイッチには患者の体腔内にスコープ1とは別の場所から挿入される鉗子14のハンドル部14aに取り付けられるハンドスイッチ15や、図示しないフットスイッチや、リモコンなどがある。また、操作スイッチと同様の機能を有する音声認識装置(図示せず)も、視野変換制御装置11に接続される。なお、鉗子14の代わりにレーザープローブ、縫合器、電気メス、持針器、超音波吸引器等の処置具が挿入されても、何等作用に変わりはない。 【0018】また、図2に示すように、視野変換制御装置11のフロントパネル部16には、上下左右の視野変換スイッチ17a,17b,17c,17dと、視野拡大(TELE)、広角観察(WIDE)を行なうスイッチ18a,18bと、原点復帰スイッチ19が設けられている。 【0019】さらに、このフロントパネル部16には、これらのスイッチの他にTVカメラ4との接続を行なうためのモータケーブルレセプタクル20と、操作スイッチとの接続を行なうためのスイッチケーブルレセプタクル21a,21b,21cが設けられている。 【0020】また、CCU12には、例えばTVモニタ、HMD(HEAD MOUNTED DISPLAY:頭部装着型ディスプレイ)等の表示モニタ13が接続されている。 【0021】また、図3はTVカメラ4の内部構成を示すものである。このTVカメラ4にはスコープ1の接眼部5が着脱可能に連結されるスコープ着脱部22が設けられている。このスコープ着脱部22にはスコープ1の接眼部5が嵌合される略円筒状の嵌合部23が設けられている。この嵌合部23の筒内にはスコープ1の接眼部5が嵌合され、これによってスコープ1の光軸とTVカメラ4の光軸とを正確に合わせることができるようになっている。 【0022】また、TVカメラ4のケーシング4a内にはフォーカス機構41と、ズームレンズ7の駆動機構であるズーム機構(変倍光学系移動手段)42と、CCD移動機構8とが装着されている。ここで、フォーカス機構41には、フォーカスリング26と、カム溝27を有する円筒カム28と、フォーカシングレンズ29と、このフォーカシングレンズ29のレンズ枠29aに取り付けられたフォーカスピン30とが設けられている。そして、このフォーカス機構41はフォーカスリング26を回転させることにより、円筒カム28のカム溝27によってフォーカスピン30がTVカメラ4の光軸方向に沿って前後に移動され、フォーカシングレンズ29がTVカメラ4の光軸方向に沿って前後に移動される構成になっている。 【0023】また、ズーム機構42には、円筒状の外筒部材42aと、この外筒部材42aの内部に配設された内筒部材42bと、大径な第1のレンズ枠42cと、小径な第2のレンズ枠42dとが設けられている。ここで、外筒部材42aの後端部には外方向に突出されたフランジ状の屈曲部31が形成されている。この屈曲部31の外周面には歯車32が形成されている。この歯車32には、遮光板33が図4に示す様に取り付けられている。 【0024】また、内筒部材42bには2つのカム溝34a,34bが形成されている。ここで、一方のカム溝34aには第1のレンズ枠42cの外周面に突設されたカムピン36aが係合され、他方のカム溝34bには第2のレンズ枠42dの外周面に突設されたカムピン36bが係合されている。 【0025】さらに、第1のレンズ枠42cの前端部には複数のレンズからなる前部レンズ群35aが装着されている。また、第2のレンズ枠42dには複数のレンズからなる後部レンズ群35bが装着されている。そして、TVカメラ4のズームレンズ7はこれらの前部レンズ群35aと後部レンズ群35bとによって構成されている。 【0026】また、TVカメラ4の内部にはズーム機構42の電動回転機構42eが設けられている。この電動回転機構42eには図4に示すようにステッピングモータ38と、このモータ38のモータ軸に固定されたピニオンギア39と、減速ギア37とが設けられている。ここで、減速ギア37には同軸上に大径ギア37aと、小径ギア37bとが固定されている。そして、この減速ギア37の大径ギア37aはピニオンギア39に噛合され、小径ギア37bは外筒部材42aの歯車32に噛合されている。なお、歯車32に取り付けられた遮光板33によって規制される外筒部材42aの回転範囲の端部にフォトインタラプタ40が配設されている。 【0027】そして、ズーム機構42の動作時には電動回転機構42eのステッピングモータ38の回転が減速ギア37により減速された状態で歯車32に伝わり、外筒部材42aが回転駆動される。このときの外筒部材42aの回転により、カムピン36a,36bがカム溝34a,34bにガイドされながらそれぞれTVカメラ4の光軸方向に沿って進退動作する。これにより、第1のレンズ枠42cの前部レンズ群35aと、第2のレンズ枠42dの後部レンズ群35bとの相対的な位置が変化し、TVカメラ4のズーム倍率が可変される。 【0028】この外筒部材42aの回転角と、TVカメラ4のズーム倍率との関係は、図5(A)に示すような曲線となるように、カム溝34a,34bが形成されている。この曲線は、ズーミング動作時における人間の操作感覚と合致するものである。その操作感覚とは、画角の変化速度が一定ということ、すなわち、ズーム倍率が1倍から2倍になる時間と、2倍から4倍になる時間とが同じということである。よって、外筒部材42aを一定速度で回転させることで、違和感のないズーム動作が得られる。これにより、TVカメラ4のズーム機構42に、その焦点距離の変化が画角の変化速度を一定とするように構成された画角変化制御手段34が形成されている。 【0029】さらに、初期化動作時には歯車32に取り付けられた遮光板33の位置をフォトインタラプタ40で検出することで、ズーム機構42の基準位置が検出され、ズームの動作範囲を設定する。その後、ステッピングモータ38に送られるパルス数によってズーム機構42の外筒部材42aの回転角および対応するズーム倍率が設定される。 【0030】また、図6(A),(B)および図7はTVカメラ4に設けられたCCD移動機構8を示すものである。このCCD移動機構8には略矩形枠状のベース板43が設けられている。 【0031】このベース板43上にはTVカメラ4の光軸に対し垂直面内でX方向(図6(A)中で、左右方向)に移動可能に支持されたRLプレート46aと、このRLプレート46aの移動方向(X方向)と直交するY方向(図6(A)中で、上下方向)に移動可能に支持されたUDプレート46bと、これらのRLプレート46aおよびUDプレート46bによってX方向およびY方向にそれぞれ移動可能に支持されたCCD台座52とが設けられている。ここで、CCD台座52には、図6(B)に示すようにCCD6と、赤外カットフィルタ53とが離間対向配置された状態で取付けられている。 【0032】また、ベース板43上には図6(A)中で、上下1組の平行なガイド軸60aと、左右1組の平行なガイド軸60bとが設置されている。これらの上下1組のガイド軸60aおよび左右1組のガイド軸60bは固定ピン44とねじ45でベース板43上に固定されている。そして、RLプレート46aはガイド軸60aに沿って図6(A)中で、左右方向に移動可能に支持されている。同様に、UDプレート46bはガイド軸60bに沿って図6(A)中で、上下方向に移動可能に支持されている。 【0033】また、RLプレート46aの中央には図7に示すようにX方向に延設された角穴47aが設けられている。さらに、UDプレート46bの中央には図7に示すようにY方向に延設された角穴47bが設けられている。 【0034】また、CCD移動機構8のベース板43にはRLプレート46aの駆動モータであるRLステッピングモータ48aおよびUDプレート46bの駆動モータであるUDステッピングモータ48bがステッピングモータ台62a,62bを介してそれぞれ固定されている。ここで、RLステッピングモータ48aには送りねじ49aの一端部が固定されている。さらに、UDステッピングモータ48bには送りねじ49bの一端部が固定されている。 【0035】また、RLプレート46aには一方のガイド軸60aとの係合部側にナット部材取付け溝61が形成されている。このナット部材取付け溝61にはナット部材50aがはめ込まれている。このナット部材50aには送りねじ49aが螺挿されるねじ穴と、棒状のナットガイド120aの挿入孔とがそれぞれ形成されている。ここで、ナットガイド120aは送りねじ49aよりもベース板43から離れた位置に固定されている。そして、このナットガイド120aによってナット部材50aがベース板43に対して傾くことを規制するようになっている。 【0036】また、RLステッピングモータ48aにより送りねじ49aが回転駆動された場合にはこの送りねじ49aの回転にともない送りねじ49aとナット部材50aとの螺合部を介してRLステッピングモータ48aの回転運動が直動運動に変換され、RLプレート46aが図6(A)中で、左右方向に移動されるようになっている。 【0037】また、UDプレート46bの一方のガイド軸60bとの係合部側にはピン51が固定されている。このピン51はナット部材50bの溝にはめ込まれている。このナット部材50bには送りねじ49bが螺挿されるねじ穴と、棒状のナットガイド120bの挿入孔とがそれぞれ形成されている。ここで、ナットガイド120bは送りねじ49bよりもベース板43から離れた位置に固定されている。そして、このナットガイド120bによってナット部材50bがベース板43に対して傾くことを規制するようになっている。 【0038】また、UDステッピングモータ48bにより送りねじ49bが回転駆動された場合にはこの送りねじ49bの回転にともない送りねじ49bとナット部材50bとの螺合部を介してUDステッピングモータ48bの回転運動が直動運動に変換され、UDプレート46bが図6(A)中で、上下方向に移動されるようになっている。 【0039】また、CCD台座52の下面には図6(B)に示すように角状の突起部55が突設されている。この突起部55はRLプレート46aの角穴47aおよびUDプレート46bの角穴47b内に挿入され、下から台座ドメ54がねじ止め固定されている。そして、CCD台座52と台座ドメ54との間でUDプレート46bとRLプレート46aとをはさみ込むことにより、UDプレート46bおよびRLプレート46aがガイド軸60a,60bにそれぞれ摺動可能に押しつけられている。 【0040】これにより、本実施の形態のCCD移動機構8ではUDプレート46bがY方向に移動する動作に連動してCCD台座52の突起部55はRLプレート46aの角穴47aに沿ってY方向に摺動するとともに、RLプレート46aがX方向に移動する動作に連動してCCD台座52の突起部55はUDプレート46bの角穴47bに沿ってX方向に摺動するようになっているので、RLプレート46aおよびUDプレート46bと連動してCCD台座52が上下左右に移動するようになっている。その結果、ステッピングモータ48aの動作によりCCD6はX方向に移動し、ステッピングモータ48bの動作によりCCD6はY方向に移動するようになっている。 【0041】また、RLプレート46aのナット部材50aには遮光板56a、UDプレート46bのナット部材50bには遮光板56bがそれぞれ設けられている。さらに、ステッピングモータ台62a,62bにはフォトインタラプタ57a,57bがそれぞれ設けられている。そして、初期化動作時にはフォトインタラプタ57a,57bで遮光板56a,56bの位置を検出することで、CCD移動機構8の基準位置が検出される。その後、ステッピングモータ48a,48bに送られるパルス数によってCCD6の上下・左右の位置が設定されるようになっている。ここでのCCD6の位置とは、CCD6の撮像領域の中心点のことである。 【0042】また、CCD6にはフレキシブル基板58の一端が接続されている。このフレキシブル基板58の他端はTVカメラ4内のコネクタ59に接続されている。なお、フレキシブル基板58はCCD6の移動に対応できるよう中間部が折り返されている。 【0043】なお、ステッピングモータ48a,48bは、ベース板43に対してCCD6と反対側の面に固定されているため、同じ面に固定される場合に比べてCCD移動機構8全体が小型に構成される。 【0044】また、TVカメラ4には図8(A),(B)に示す同軸ケーブル構造のカメラケーブル63の一端部が連結されている。このカメラケーブル63の内部には、図8(B)に示すようにCCDケーブル64と、モーターケーブル65とが並設されている。 【0045】ここで、CCDケーブル64にはCCD6からの映像信号・制御信号を送受信する複数のケーブル配線64aが配設されている。さらに、CCDケーブル64の複数のケーブル配線64aの周囲にはチューブ状のシールド線66aおよび樹脂製の外皮チューブ67aが順次被覆されている。同様に、モーターケーブル65にはモーター制御およびTVカメラ4のケーシング4aの表面にある操作スイッチの信号を伝送する複数のケーブル配線65aが配設されている。さらに、モーターケーブル65の複数のケーブル配線65aの周囲にはチューブ状のシールド線66bおよび樹脂製の外皮チューブ67bが順次被覆されている。そして、この2系統のケーブル64,65は並設された状態で樹脂製の総合外皮チューブ68に被覆されている。 【0046】また、カメラケーブル63の他端部では、図8(A)に示すように2系統のケーブル64,65が分岐されている。ここで、その一方の分岐ケーブルであるモーターケーブル65の端末部にはモーターケーブルコネクタ69が連結されている。そして、モーターケーブル65はモーターケーブルコネクタ69を介して視野変換制御装置11のフロントパネル部16に設けられたモーターケーブルレセプタクル20に着脱可能に接続される。 【0047】また、カメラケーブル63の他方の分岐ケーブルであるCCDケーブル64の端末部にはCCDケーブルコネクタ70が連結されている。そして、CCDケーブル64はCCDケーブルコネクタ70を介してCCU12に着脱自在に接続される。 【0048】なお、CCDケーブル64は微弱な高周波を伝送するため、長さやインピーダンスを整合する必要があるが、カメラケーブル63が分岐してもCCDケーブル64の電気的な接続は一本のケーブルを用いた場合と同じなので、従来のTVカメラと互換性を保つことができる。 【0049】また、鉗子14のハンドル部14aに着脱自在に取り付けられたハンドスイッチ15には、図9(A),(B)に示すように上下左右方向に視野を変換するためのスティックスイッチ71と、視野の拡大(TELE)、広角観察(WIDE)を行なうTELEスイッチ72a、WIDEスイッチ72bとが設けられている。そして、ハンドスイッチ15にはスイッチの情報を伝送するためのハンドスイッチケーブル73の一端が連結されており、その他端部にはハンドスイッチコネクタ74が連結されている。このハンドスイッチコネクタ74は、視野変換制御装置11のフロントパネル部16に設けられているスイッチケーブルレセプタクル21a,21b,21cのいずれかに着脱自在に接続される。 【0050】また、視野変換制御装置11は、図10に示すように中央制御回路(動作分割手段)75と、3つのモータ制御回路76a,76b,76cと、スイッチ入力回路(動作指令入力手段)77とから構成される。ここで、第1のモータ制御回路76aは、TVカメラ4の内部のRLステッピングモータ48aに、第2のモータ制御回路76bはUDステッピングモータ48bに、第3のモータ制御回路76cはステッピングモータ38にそれぞれ接続されている。 【0051】また、スイッチ入力回路77には、TVカメラ4に備えられた操作スイッチと、ハンドスイッチ15、フットスイッチ等のようにスイッチケーブルレセプタクル21a,21b,21cを介して接続される操作スイッチと、視野変換制御装置11のフロントパネル部16に備えられた操作スイッチからの信号が入力される。これらのスイッチのON/OFFの情報は、中央制御回路75に入力され、さらに、中央制御回路75はONとなっているスイッチの種類に応じてモータ制御回路76a,76b,76cに制御信号を出力する。 【0052】また、中央制御回路75はズームレンズ7の1回のズーム操作時におけるズーム機構42およびCCD移動機構8のそれぞれの動作を複数に分割し、各分割動作毎にズームレンズ7の変倍率に応じてCCD移動機構8の移動量と移動速度とを算出して制御するものである。 【0053】次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態の内視鏡装置の使用時には図1(A)に示すようにスコープ1の挿入部1aは予め患者の体腔内に刺入されたトラカール3に挿通され、体腔内を観察するように体腔内に挿入される。さらに、患者の体腔内にはスコープ1の挿入場所とは別の場所から鉗子14が挿入される。 【0054】また、スコープ1の観察像はTVカメラ4によって撮像され、表示モニタ13に表示される。なお、図1(B)はスコープ1の接眼部5に表示される観察像の視野範囲R1を示すものである。ここで、TVカメラ4のズームレンズ7を経てCCD6に撮像されるスコープ1の観察像の視野範囲R2はスコープ1の接眼部5による視野範囲R1より小さくなっている。そして、スコープ1の接眼部5による視野範囲R1の観察像の一部(視野範囲R2)がCCD6によって撮像され、この視野範囲R2の観察像が表示モニタ13に表示される。そのため、スコープ1の接眼部5による視野範囲R1内で、CCD6を移動することにより、CCD6に投射される視野範囲R2の位置が変化し、視野変換が行なえる。 【0055】また、TVカメラ4のズーム機構42を動作させることにより、CCD6に投射される観察像の大きさを変化させることができる。すなわち、拡大・広角観察を行なうことができる。 【0056】ここで、CCD6を移動させるCCD移動機構8は視野変換制御装置11により制御される。このCCD6の移動は、ハンドスイッチ15に備えられたスティックスイッチ71、視野変換制御装置11のフロントパネル部16に設けられた上下左右の視野変換スイッチ17a,17b,17c,17d等の操作スイッチを操作することにより行われる。 【0057】例えば、ハンドスイッチ15にスティックスイッチ71を上(U方向)に倒した場合、ハンドスイッチ15内部の上方向への視野変換に対応したスイッチ接点が閉じる。この状態は視野変換制御装置11内のスイッチ入力回路77によって検出され、さらに中央制御回路75に送られる。このとき、中央制御回路75は、このハンドスイッチ15の操作情報に応じて視野を上方向に変換するための制御信号を、UDステッピングモータ48bを駆動制御するモータ制御回路76bに出力する。このとき出力される制御信号は具体的には、ステッピングモータ48bを駆動するパルス数と、モータ48bの回転方向(移動方向)の情報である。 【0058】さらに、モータ制御回路77bはこの情報を入力し、上下方向に視野変換を行なうための駆動源であるUDステッピングモータ48bに駆動パルスを出力する。これによりCCD6は上方向に視野変換を行なうように動く。 【0059】また、CCD6の動作中に操作スイッチをOFFした場合には、スイッチ入力回路77はその状態を検出して中央制御回路75に出力し、中央制御回路75は駆動パルス出力を停止する信号をモータ制御回路76bに出力する。この時、中央制御回路75は実際に出力されたパルス数をカウントし、CCD6の現在位置を記憶する。 【0060】本実施の形態では、アクチュエータにステッピングモータを用いており、駆動パルス数を変位として考えられるため、パルスのカウントにより位置が求まる。また、操作スイッチがONでも設定されたパルス数の出力が終了し、視野変換の限界位置に達した場合にも、中央制御回路75は出力パルス数をカウントし、CCD6の現在位置を記憶する。 【0061】これと同様に、ハンドスイッチ15のスティックスイッチ71を左(L方向)に倒した場合は、左右方向への視野変換の駆動源であるRLステッピングモータ48aにモータ制御回路76aから駆動パルスが出力され、CCD6は左方向に視野変換を行なうように移動する。 【0062】さらに、フットスイッチ、リモコン等の他の機器に備えられた上下左右の視野変換スイッチの場合も同じ作用が行われる。よって、操作者が見たい方向のスイッチをONすることにより、意図した方向への視野変換が行なえる。 【0063】次に、TVカメラ4のズーム動作について図11のフローチャートを参照して説明する。このTVカメラ4のズーム動作は、ハンドスイッチ15のTELEスイッチ72a・WIDEスイッチ72bや、視野変換制御装置11のフロントパネル部16に設けられたTELEスイッチ18a・WIDEスイッチ18b等の操作スイッチを操作することで行なう。 【0064】例えば、ハンドスイッチ15のWIDEスイッチ72bをONする(ステップS1)と、このスイッチの状態は視野変換制御装置11のスイッチ入力回路77によって検出され、さらに中央制御回路75に送られる。さらに、中央制御回路75は、このWIDEスイッチ72bのON情報が入力されると、ズーム機構42を動作させるための制御信号をモータ制御回路76cに出力する。またこれと同時に、CCD移動機構8の動作が必要であればその制御信号をモータ制御回路76a,76bに出力する。 【0065】この作用をさらに詳しく説明する。中央制御回路75は、WIDEスイッチ72bのONの情報入力により、まずズーム機構42の現在位置を認識する(ステップS2)。続いて、ズーム機構42のステッピングモータ38を駆動制御するための駆動パルス数と回転方向のデータを設定する(ステップS3)。 【0066】次に、CCD6の現在位置を認識し、その位置がCCD移動機構8の原点位置、すなわちTVカメラ4に内蔵されている光学系の中心位置と一致するか否かが判断される(ステップS4)。ここで、CCD6の現在位置がCCD移動機構8の原点位置にない場合は次のステップS5に進む。このステップS5ではCCD6の移動量を算出する。 【0067】このときのCCD6の移動量の算出方法は次の通りである。まず、ズーム機構42の現在位置と検出された操作スイッチの情報から、現在のTVカメラ4のズーム倍率と、ズーム動作後の到達点のズーム倍率とを確認する。このズーム倍率の情報と、CCD6の現在位置の情報とから次の式1によりCCD移動機構8を移動させる位置を算出する。ここで、ズーム動作前のCCD6の座標値がX1,Y1、CCD6の移動先の座標値がX2,Y2、ズーム動作前のズーム倍率がk1、ズーム動作後のズーム倍率がk2とすると、 X2=X1・(k2/k1)、Y2=Y1・(k2/k1) ・・・(1) となる。 【0068】なお、図12はこのときのズーム動作前後のCCD6の位置関係を示すもので、同図中で、F1はズーム倍率k1の内視鏡画像、F2はズーム倍率k2の内視鏡画像、RはCCD6の撮像領域である。 【0069】このズーム動作は、ズーム機構42の動作範囲を複数の区間に分割して行われる。ここでは一例として例えば、図5(B)に示すように、ズーム機構42の動作範囲を4区間に分割した場合を考える。ここで、最低ズーム倍率はP1、最大ズーム倍率はP5である。 【0070】そして、現在のTVカメラ4のズームレンズ7のズーム倍率がP1とP2の間の区間にある状態で、TELEスイッチ72aがONされた場合、ズームレンズ7の1回目の移動先はズーム倍率がP2の位置である。その時のズーム機構42のズーム動作スピードは一定である。 【0071】さらに、ズーム機構42のズーム動作の各区切り位置P1、P2、P3、P4、P5におけるズーム倍率は、図5(A)の曲線からあらかじめ計算しておき、視野変換制御装置11の中央制御回路75に記憶してあるため、到達先のズーム倍率は上記の処理で認識できる。 【0072】このとき、CCD移動機構8の移動速度は、算出したCCD移動機構8の移動位置をズーム機構42の移動時間で割ることで算出する(ステップS6)。そして、中央制御回路75は設定したズーム機構42の移動量(移動パルス)と移動速度をモータ制御回路76cに、算出したCCD移動機構8の移動量(移動パルス)と移動速度をモータ制御回路76a,76bに出力する(ステップS7)。 【0073】また、1回目のズーム機構42の移動により、ズーム機構42がP2の位置に達した場合、2回目のズーム機構42の移動先はズーム倍率P3の位置である。このとき、CCD移動機構8の移動位置は上記と同様に次の式2により算出される。ここで、P2でのCCD6の座標値がX2,Y2、CCD6の移動先の座標値がX3,Y3、P2でのズーム倍率がk2、P3でのズーム倍率がk3とすると、 X3=X2・(k3/k2) 、Y3=Y2・(k3/k2) ・・・(2) となる。 【0074】また、CCD移動機構8の移動速度も、上記と同様に算出したCCD移動機構8の移動位置をズーム機構42の移動時間で割ることで算出する。そして、中央制御回路75は算出した各移動機構の移動量(移動パルス)と移動速度をモータ制御回路76a,76b,76cに出力する。 【0075】この結果、CCD移動機構8は、ズーム機構42の分割動作の区間内では一定速度で動作するが、ズーム動作全体を通してみると複数の分割区間毎に段階的に移動速度が変化する。また、この動作は、WIDEスイッチ72bをONした場合も同様である。 【0076】このCCD移動機構8の段階的な移動速度変化と、移動位置算出により、図5(A)に示すような特性であるズーム光学系において、ズーム動作時にCCD6の撮像中心位置に配置されている観察対象を一定位置にとどめることが可能となる。なお、この場合にはズーム動作時に、移動速度が滑らかに変化する加減速駆動に比べ、若干ステップ的な動きになるが、ズーム動作の分割数を増加することで滑らかに変化する加減速駆動の動きに近づけることが可能である。 【0077】また、本実施例の形態においては、視野変換制御装置11に備えられた中央制御回路75は、装置の電源投入後の初期動作として、各移動機構を動作させ、ズーム機構42に設けられたフォトインタラプタ40、CCD移動機構8に設けられたフォトインタラプタ57a,57bの状態変化を検出することで各移動機構の動作基準位置を求め、さらに各移動機構を初期位置に移動させるという制御を行なう。この初期位置とは、CCD移動機構8がCCD6の撮像領域中心位置(TVカメラ4の撮像光学系の光軸中心位置)、ズーム機構42が最低ズーム倍率である。 【0078】また、視野変換制御装置11のフロントパネル部16に設けられている原点復帰スイッチ19、或いはTVカメラ4のケーシング4aの外面に設けられている原点復帰スイッチ9をONすると、中央制御回路75は上記初期位置に各移動機構を移動させる制御を行なう。 【0079】よって、上記構成のものは次の効果を有する。すなわち、本実施の形態ではTVカメラ4のズームレンズ7に、その焦点距離の変化が画角の変化速度を一定とするように構成された画角変化制御手段34を設け、視野変換制御装置11に、ズームレンズ7の1回の移動操作時におけるズーム機構42およびCCD移動機構8のそれぞれの動作を複数に分割し、各分割動作毎にズームレンズ7の変倍率に応じてCCD移動機構8の移動量と移動速度とを算出して制御する中央制御回路75を設けたものである。そのため、ズームレンズ7のズーム倍率と、ズーム機構42の外筒部材42aの回転角との関係が図5(A)のような非線型の関係であるズーム光学系の場合にも、ズーム動作の前後で同じ観察対象をCCD6の撮像中心に捕らえるためのCCD6の移動を階段的な定速動作という簡単な処理で達成できる。また、ズーム動作も一定速度であり、人間のズーミング感覚を損なうことがない。 【0080】次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態は、第1の実施の形態の構成の内視鏡装置における、TVカメラ4のズーム倍率と、ズーム機構42の外筒部材42aの回転角との関係が、図13に示すように直線的な関係となるように、カム溝34a,34bを形成したものである。 【0081】本実施の形態では、ズーム機構42の移動速度を一定とした場合、ズーム移動時間と焦点距離(ズーム倍率)との関係は線形であることから、ズーム機構42の動作時のCCD移動機構8は、常に一定速度の動作で狙いとする補正動作、すなわちズーム倍率によらず、CCD6の撮像中心で同一の観察対象を捕らえる動作を達成することができる。 【0082】さらに、CCD移動機構8のズーム動作による移動位置は、前述した式(1)と同様にズーム動作前のCCD6の位置にズーム倍率の変化率を掛けたものである。また、中央制御回路75は、ズーム動作を行なう操作スイッチがONされた場合、ズーム動作を行なうための制御信号をモータ制御回路76cに出力すると同時に、CCD移動機構8を移動させるための移動位置を算出し、その移動位置と設定されている移動速度をモータ制御回路76a,76bに出力する。 【0083】よって、本実施の形態では、ズーム機構42もCCD移動機構8も一定速度で動作するため、加減速動作のための複雑な処理や、専用ICが不要であり、また補正動作のためにズーム機構42や、CCD移動機構8を分割駆動する必要もなく、簡単な処理・構成にて補正動作が可能である。 【0084】また、図14は本発明の第3の実施の形態を示すものである。本実施の形態は、第1および第2の実施の形態の構成の内視鏡装置において、ズーム倍率に応じたCCD移動機構8の移動範囲を規制する手段を設けたものである。 【0085】すなわち、本実施の形態では視野変換制御装置11のフロントパネル16や、ハンドスイッチ15に設けられている上下左右の視野変換するためのスティックスイッチ71をONすると、中央制御回路75はその状態を検出し、ONされたスイッチに対応した移動機構を動作させる制御信号を出力する。この制御信号の一つである移動信号(移動パルス)は、中央制御回路75内に設けられた動作限界設定回路(図示せず)で算出される動作限界位置から現在位置を引いたものである。 【0086】この動作限界位置の絶対値の算出式を次の式(3)に示す。ここで、CCD移動機構8の動作限界位置の座標値がXL,YL、CCD移動機構8の現在位置の座標値がXp,Yp、現在位置のズーム倍率がkp、CDD移動機構8の動作限界係数がLIMITとすると、 XL=LIMIT・kp・Xp、YL=LIMIT・kp・Yp ・・(3) となる。 【0087】また、視野移動範囲は、図14に示すように、この式によって求められる値で定まる四角形Mの内部である。なお、図14中で、F3はズーム倍率kpの内視鏡画像である。さらに、LIMITは異なるズーム倍率において、CCD6が動作限界に位置した時でも、CCD6の撮像領域Rに十分な範囲の内視鏡画像が捕らえられるように考慮して任意に決定される。 【0088】したがって、本実施の形態では上下左右の視野変換用のスティックスイッチ71をONした場合のCCD移動機構8は、図14で示される動作限界位置の四角形Mの内側でのみ移動可能であり、観察・処置を行なうに十分な範囲を撮像できる。 【0089】なお、このLIMITの値は、CCD移動機構8の上下移動軸と、左右移動軸で変化させてもよい。ここで、CCD6のアスペクト比(画面の縦横比)を考慮した係数の決め方をすれば、上下移動軸と左右移動軸とがそれぞれ動作限界位置に達したときの内視鏡画像の撮像視野に占める割合を合わせることができる。 【0090】また、図15に示す第3の実施の形態(図14参照)の変形例のようにCCD移動機構8の動作限界を8角形Nにする構成にしてもよい。この場合、CCD移動機構8の移動範囲を図15のように9個の領域N1〜N9に分けて、視野変換動作前のCCD6の位置と、操作スイッチによる動作指令情報とを組み合わせて動作限界位置の算出を行なう。 【0091】例えば、CCD6が図15のN4の領域に位置している状態で、上方向への視野移動を行なう操作スイッチがONされた場合、上方向の動作限界位置は図15に示すように動作限界の8角形Nの一辺である直線Aを表す式から算出される。 【0092】よって、上記構成のものは以下の効果を有する。すなわち、本変形例ではTVカメラ4に備えられているズーム機構42の動作によるズーム倍率の変化に応じてCCD6の動作限界位置を算出するため、ズーム倍率が変化しても常に観察・処置を行なうに十分な内視鏡画像を得ることができる。 【0093】また、図16は本発明の第4の実施の形態を示すものである。本実施の形態は、第1、2および第3の実施の形態の構成の内視鏡装置において、各移動機構の動作範囲に達したことを音によって告知する手段を設けたものである。 【0094】本実施の形態においては、図16に示すように、視野変換制御装置11には、動作限界告知制御回路78が設けられ、この動作限界告知制御回路78には、中央制御回路75と、圧電ブザー、電磁スピーカーなどの発音器79が接続されている。この動作限界告知制御回路78には、中央制御回路75から視野変換制御装置11に接続されている操作スイッチのON/OFFの情報と、CCD6の位置情報が入力される。 【0095】そして、各移動機構が設定された動作限界にまで達した状態で、さらに操作スイッチがある時間継続してONされている場合に、発音器79に動作限界を知らせる告知音を出力するための信号を出力する。 【0096】この構成のものは、以下の効果を有する。すなわち、本実施の形態では各移動機構が動作限界位置まで達して、視野移動をしなくなった場合に、動作限界であることを告知することにより、装置の故障等のトラブルではないことを操作者に知らしめることができる。また、この告知により操作者が操作スイッチに無用な力を加えることを回避できる。 【0097】さらに、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施できることは勿論である。次に、本出願の他の特徴的な技術事項を下記の通り付記する。 記(付記項1) 患者の体腔内に挿入される内視鏡と、内視鏡の観察像を撮像する撮像手段と、観察像の変倍を行なう変倍光学系と、撮像手段の撮像範囲を移動させる撮像範囲移動手段と、変倍光学系を移動させる変倍光学系移動手段とを備えたTVカメラと、変倍光学系移動手段と撮像範囲移動手段の動作を制御する視野移動制御手段と、変倍光学系移動手段と撮像範囲移動手段の動作指令を行なう動作指令入力手段とを備えた内視鏡装置において、TVカメラに備えられた変倍光学系は、その焦点距離の変化が画角の変化速度を一定とするように構成され、視野移動制御手段は、変倍光学系移動手段と撮像範囲移動手段を複数回に分割して動作させ、各動作毎に変倍光学系の変倍率に応じて撮像範囲移動手段の移動量と移動速度を算出することを特徴とする内視鏡装置。 【0098】(付記項2) 付記項1において、動作指令手段は、患者の体腔内の処置を行なう処置具に取り付けられたハンドスイッチであることを特徴とする内視鏡装置。 【0099】(付記項3) 付記項1において、視野移動制御手段に、変倍光学系の変倍率に応じて撮像素子の移動範囲を規制する移動範囲規制手段を設けたことを特徴とする内視鏡装置。 【0100】(付記項4) 付記項1において、移動範囲規制手段により設定される視野移動範囲は、四角形であることを特徴とする内視鏡装置。 (付記項5) 付記項1において、移動範囲規制手段により設定される視野移動範囲は、八角形であることを特徴とする内視鏡装置。 【0101】(付記項1〜5の従来技術) 処置具と内視鏡が、それぞれ個別に患者の体腔内に挿入され、体腔内に挿入された処置具の先端部分の画像を内視鏡の観察視野内に捉え、処置具による患部の処置状態を内視鏡によって観察しながらその処置作業を行なう内視鏡下の手術が知られている。この手術では、患者は両手に処置具を持って処置を行なうため、助手が内視鏡を持ち術者の指示に従って手術のしやすい視野が得られるように、内視鏡の保持位置を変更している。しかし、この内視鏡の操作には習熟が必要であるため、なかなか術者の望む視野が得られず、手術が円滑に進行しないという問題がある。これを解決するものとして、本出願人は特開平9−28663の内視鏡装置を開示している。この内視鏡装置は、内視鏡の撮像光学系の1部分をアクチュエータで移動することによって、内視鏡の画像の撮像範囲を変更するようにしたものである。このアクチュエータの移動は、術者の手元にあるスイッチ等によって可能であり、術者は自分の操作で思い通りの視野を得ることができる。 【0102】また、同じ目的を持つものとして、特開平6−30896に開示された装置がある。こちらは内視鏡をロボットアームで保持し、移動するものであるが、このロボットアームに術者や患者や周辺機器が干渉する恐れがある。また、ロボットアームの意図しない動作によって、内視鏡の動きが不安定になる恐れがある。さらに、ロボットおよびその周辺機器等の大型な装置を内視鏡の外部に配置する必要があるため、装置全体の運搬、滅菌等の作業が不便である。本出願人の開示している内視鏡装置は、内視鏡を支持アームに固定した状態で視野変換を行なうことが可能である。また、視野変換のための機構もコンパクトであり、上記のような問題点はない。 【0103】(付記項1〜3が解決しようとする課題) 特開平9−28663の装置は、図1に示す如くズームレンズによって内視鏡で得られた画像を拡大し、その一部分を撮像素子によって捕らえ、撮像素子をその平面方向に移動させ撮像部位を変えることで視野を変換している。さらに、ズームレンズを移動させることにより、拡大/縮小観察を行なうことができる。 【0104】この機構においては、ズームレンズのみを駆動してズームを行なうと、撮像素子の中心位置が撮像光学系の中心にない場合には、ズーム動作前には画面の中心にあった観察対象が動作中に徐々にずれてしまう。これを、図12を用いて説明する。撮像光学系と観察対象が静止している状態において、撮像光学系中心を基準とした座標系を考えたとき、ズーム動作後の観察対象の座標値はズーム動作前の座標値にズームの変化率を掛けたものになる。よって、ズーム動作前後で同じ観察対象を画面中心に捕らえるためには、ズーム動作と同時に撮像素子も動作させることが必要である。ズーム動作は、画角の変化速度が一定であると人間のズーミングの感覚とより合致する。画角の変化速度が一定であるということは、具体的にはズーム倍率が1倍から2倍になる時間と2倍から4倍になる時間が同じということである。上述のように画角の変化速度を一定にする光学系は、焦点距離(ズーム倍率)とズームレンズ位置(ズームレンズ駆動用外筒部材の回転角)との関係は図5(A)の如く非線型となる。この画角変化速度を一定にするためには、ズームレンズを一定速度で移動することが必要である。その時の撮像素子の移動は、この非線型なズーム倍率に対応した軌跡をたどることが必要である。すなわち、この非線型軌跡を実現するための加減速動作が必要である。しかし、ズーム動作は決まった位置の間の反復動作ではなく、スイッチ操作で動作が停止する。 【0105】ズーム動作範囲の中で動作が停止した場合、再度ズーム動作を開始する際には、その都度非線型軌跡動作を実現するための加減速パターンを算出する必要がある。この処理は複雑であることから時間がかかる上、この加減速パターンを実現するための専用ICが必要となってしまう。 【0106】(付記項1〜3の目的) 撮像光学系の一部を移動させて視野変換を行なうことのできる内視鏡装置において、ズーム動作の観察対象のずれを補正するための撮像素子の移動を、簡単な処理で専用ICを使用することなしに実現すること。 【0107】(付記項4、5が解決しようとする課題) 特開平9−28663の装置において、撮像素子を移動させていくと内視鏡で捕らえられる観察視野の外が撮像される。この撮像素子に投影される観察画像の大きさはズームレンズの移動により変わるために、ズーム倍率によって撮像素子の移動範囲を変化させないと、内視鏡の観察視野以外の部分が大きく撮像されてしまうことが起こり、観察・処置がしずらくなるという問題があった。 【0108】(付記項4、5の目的) ズーム倍率が変化した場合でも、観察・処置が十分可能なレベルの観察視野を得ること。 (付記項1〜5の効果) 焦点距離の変化が画角の変化速度を一定とするように構成された変倍光学系が移動する場合に、撮像手段の撮像範囲中心で同一の観察対象を撮像するために、変倍光学系移動手段と撮像範囲移動手段を複数回に分割して動作させ、各動作毎に変倍光学系の変倍率に応じて撮像範囲移動手段の移動量と移動速度を算出することにより、変倍光学系動作時に複雑な処理と専用ICを必要とする加減速動作を行なわずに、撮像範囲の中心に同じ観察対象を捕らえることができる。 【0109】 【発明の効果】本発明によればTVカメラの変倍光学系に、その焦点距離の変化が画角の変化速度を一定とするように構成された画角変化制御手段を設け、視野移動制御手段に、変倍光学系の1回の移動操作時における変倍光学系移動手段および撮像範囲移動手段のそれぞれの動作を複数に分割し、各分割動作毎に変倍光学系の変倍率に応じて撮像範囲移動手段の移動量と移動速度とを算出して制御する動作分割手段を設けたので、焦点距離の変化が画角の変化速度を一定とするように構成された変倍光学系が移動する場合に、撮像手段の撮像範囲中心で同一の観察対象を撮像するために、変倍光学系移動手段と撮像範囲移動手段を複数回に分割して動作させ、各動作毎に変倍光学系の変倍率に応じて撮像範囲移動手段の移動量と移動速度を算出することにより、変倍光学系動作時に複雑な処理と専用ICを必要とする加減速動作を行なわずに、撮像範囲の中心に同じ観察対象を捕らえることができる。そのため、撮像光学系の一部を移動させて視野変換を行なうことのできる内視鏡装置において、ズーム動作時における観察対象の位置ずれを補正するための撮像素子の移動を、簡単な処理で、専用のICを使用することなしに実現することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000376 【氏名又は名称】オリンパス光学工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)4月24日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】鈴江 武彦 (外4名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−299727 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)11月2日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−115322 |
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