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【発明の名称】 内視鏡用処置具
【発明者】 【氏名】大内 輝雄

【氏名】西村 幸

【要約】 【課題】密着巻きコイルパイプ製の可撓性シース中に撚り線製の操作ワイヤが挿通された構成の内視鏡用処置具において、先端近傍における操作ワイヤの膨らみを防止して良好な作動性を維持することができる内視鏡用処置具を提供すること。

【解決手段】操作ワイヤ12の先端近傍部分に、耐膨らみ強度を増加させるための被覆12cを施した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】内視鏡の処置具挿通チャンネルに挿脱される密着巻きコイルパイプからなる可撓性シース内に撚り線からなる操作ワイヤが軸線方向に進退自在に挿通配置され、上記可撓性シースの手元側から上記操作ワイヤを進退操作することにより、上記可撓性シースの先端部分に設けられた先端処置部材を作動させるようにした内視鏡用処置具において、上記操作ワイヤの先端近傍部分に、耐膨らみ強度を増加させるための被覆を施したことを特徴とする内視鏡用処置具。
【請求項2】上記被覆が、メッキ又は蒸着によって施された金属膜被覆である請求項1記載の内視鏡用処置具。
【請求項3】上記被覆が、合成樹脂チューブによる被覆である請求項1記載の内視鏡用処置具。
【請求項4】上記被覆が、コーティング処理又は含浸処理によって施された合成樹脂膜被覆である請求項1記載の内視鏡用処置具。
【請求項5】上記被覆が、上記操作ワイヤの先端から10〜150mm離れた位置まで施されている請求項1ないし4のいずれかの項に記載の内視鏡用処置具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、内視鏡の処置具挿通チャンネルに挿脱して使用される内視鏡用処置具に関する。
【0002】
【従来の技術】図3は、内視鏡用処置具として最も一般的な生検鉗子10が内視鏡1の処置具挿通チャンネルに挿通されて使用されている状態の一例を示している。2aは処置具挿通チャンネルの入口、2bは出口である。
【0003】生検鉗子10は、内視鏡1の処置具挿通チャンネルに挿脱される密着巻きコイルパイプからなる可撓性シース11内に、撚り線からなる操作ワイヤ12が軸線方向に進退自在に挿通配置されていて、可撓性シース11の手元側に連結された操作部13から操作ワイヤ12を進退操作することにより、可撓性シース11の先端部分に設けられた先端カップ14を開閉作動させるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図3に示されるように、内視鏡1の挿入部3は患者の体内において臓器の形状に沿って曲がりくねり、体外にある部分も空間中で自由に曲がった状態になる場合がしばしばあり、それに伴って、処置具挿通チャンネル内に挿通された可撓性シース11も曲がりくねることになる。
【0005】そのようにして、可撓性シース11に用いられる密着巻きコイルパイプが曲げられると、カーブの外縁側で素線間に隙間があいて、軸線方向の長さが延びたのと同じ状態になるが、その内部に挿通されている操作ワイヤ12は、曲げられても長さ変化が生じない。
【0006】そのため、可撓性シース11が曲がりくねった状態と比較的真っ直ぐな状態のどちらの状態でも操作部13から操作ワイヤ12を押し引きして先端カップ14を開閉作動させるためには、操作ワイヤ12の移動ストロークを非常に長くする必要がある。
【0007】その結果、可撓性シース11が比較的真っ直ぐな状態で使用される場合には、先端カップ14がいっぱいに開いて先端側では操作ワイヤ12が最大限に押し込まれた状態になっていても、手元側ではさらに操作ワイヤ12を押し込むことができる状態にあり、操作ワイヤ12が可撓性シース11内に無理やり押し込まれることになる。
【0008】すると、図4に示されるように、大きな圧縮力が加わる操作ワイヤ12の先端部分12aが膨らんで撚りが戻され、それによって操作ワイヤ12に発生する軸線周りの回転力が先端カップ14側に伝わり、作動不良の原因になってしまう。また、操作ワイヤ12の先端の近傍部分12bでも同様の膨らみが発生する場合がある。
【0009】そこで本発明は、密着巻きコイルパイプ製の可撓性シース中に撚り線製の操作ワイヤが挿通された構成の内視鏡用処置具において、先端近傍における操作ワイヤの膨らみを防止して良好な作動性を維持することができる内視鏡用処置具を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するため、本発明の内視鏡用処置具は、内視鏡の処置具挿通チャンネルに挿脱される密着巻きコイルパイプからなる可撓性シース内に撚り線からなる操作ワイヤが軸線方向に進退自在に挿通配置され、上記可撓性シースの手元側から上記操作ワイヤを進退操作することにより、上記可撓性シースの先端部分に設けられた先端処置部材を作動させるようにした内視鏡用処置具において、上記操作ワイヤの先端近傍部分に、耐膨らみ強度を増加させるための被覆を施したことを特徴とする。
【0011】なお、上記被覆が、メッキ又は蒸着によって施された金属膜被覆であってもよく、上記被覆が、合成樹脂チューブによる被覆、又は、上記被覆が、コーティング処理又は含浸処理によって施された合成樹脂膜被覆であってもよい。
【0012】そして、上記被覆が、上記操作ワイヤの先端から10〜150mm離れた位置まで施されていてもよい。
【0013】
【発明の実施の形態】図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明が適用された第1の実施の形態の内視鏡用生検鉗子の先端部分を示している。11は、例えばステンレス鋼線を一定の径で密着巻きして形成されたコイルパイプからなる可撓性シースであり、素線径は0.2〜0.7mm程度、全長は50cm〜300cm程度である。
【0014】可撓性シース11内には、例えば7〜49本の細いステンレス鋼線を撚って形成された撚り線からなる操作ワイヤ12が、軸線方向に進退自在に全長にわたって挿通されており、可撓性シース11の手元側端部に連結された操作部によって進退操作される。
【0015】操作ワイヤ12の先端に取り付けられた支持筒15には、一対の先端カップ14(先端処置部材)が開閉自在に軸支されており、その先端カップ14を開閉駆動するためのリンク機構16に、操作ワイヤ12の先端が銀ロー付け等によって連結固着されている。
【0016】したがって、操作ワイヤ12を手元側から進退操作することにより先端カップ14を開閉させることができ、可撓性シース11が曲がりくねった状態と比較的真っ直ぐな状態のどちらの状態でも先端カップ14を開閉作動させることができるように、操作ワイヤ12の移動ストロークが十分に長く確保されている。
【0017】操作ワイヤ12の先端近傍部分(例えば、先端から10〜150mm離れた位置までの範囲)には、金属メッキ12cが施されている。メッキ材としてはチタン、ニッケル、金又は白金等を用いることができ、メッキ処理に代えて金属蒸着を行ってもよい。また、操作ワイヤ12をリンク機構16に連結した後で(可撓性シース11に通す前)、それらにまとめてメッキ処理や蒸着処理を行ってもよい。
【0018】このような構成により、可撓性シース11が比較的真っ直ぐな状態で使用されて、操作ワイヤ12が手元側から可撓性シース11内に無理やり押し込まれるような場合であっても、操作ワイヤ12の先端部分の膨らみがメッキ12cによって抑えられ、撚り線の戻りに起因する作動不良が発生しない。
【0019】図2は、本発明が適用された第2の実施の形態の内視鏡用生検鉗子の先端部分を示しており、第1の実施の形態のメッキ処理に代えて、操作ワイヤ12の先端近傍部分に例えばフッ素樹脂やポリエチレン樹脂等の合成樹脂チューブ12dを被覆したものである。
【0020】このようにしても、操作ワイヤ12の先端部分の耐膨らみ強度を増加させることができ、フッ素樹脂やポリエチレン樹脂或いはエポキシ樹脂等の合成樹脂膜被覆を、コーティング処理又は含浸処理等によって施してもよい。
【0021】なお本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、例えば本発明は、生検鉗子に限らず、密着巻きコイルパイプからなる可撓性シース内に撚り線からなる操作ワイヤが挿通された構成をとる各種内視鏡用処置具に適用することができる。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、操作ワイヤの先端近傍部分に操作ワイヤの耐膨らみ強度を増加させるための被覆を施したことにより、可撓性シースが比較的真っ直ぐな状態で使用されて、操作ワイヤが手元側から可撓性シース内に無理やり押し込まれるような場合であっても、操作ワイヤの先端部分の膨らみが抑えられて撚り線の戻りに起因する作動不良が発生せず、良好な作動性を維持することができる。
【出願人】 【識別番号】000000527
【氏名又は名称】旭光学工業株式会社
【識別番号】597089576
【氏名又は名称】有限会社リバー精工
【出願日】 平成10年(1998)4月3日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】三井 和彦
【公開番号】 特開平11−285497
【公開日】 平成11年(1999)10月19日
【出願番号】 特願平10−90514