| 【発明の名称】 |
超音波診断装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】馬場 達朗
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| 【要約】 |
【課題】本発明の目的は、観察者の要望にできる限り沿って周波数分解能や時間分解能を調整できる超音波診断装置を提供することにある。
【解決手段】本発明は、被検体に対して超音波を送信し、得られたエコー信号を周波数解析して、周波数スペクトラムを生成し、この周波数スペクトラムを時間波形として縦軸を周波数軸、横軸を時間軸として表示する超音波診断装置において、周波数スペクトラムの時間波形の表示に関する周波数分解能と時間分解能とを両者の比を一定に保ったままで変えるモードと、時間分解能を固定したままで周波数分解能を変えるモードと、周波数分解能を固定したままで時間分解能を変えるモードとを任意に選択することができるように構成されている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 被検体に対して超音波を送信し、得られたエコー信号を周波数解析して、周波数スペクトラムを生成し、この周波数スペクトラムを時間波形として縦軸を周波数軸、横軸を時間軸として表示する超音波診断装置において、前記周波数スペクトラムの周波数分解能と時間分解能とを両者の比を一定に保ったままで変化させる比一定モードと、時間分解能を固定したままで周波数分解能を変化させる時間分解能優先モードと、周波数分解能を固定したままで時間分解能を変化させる周波数分解能優先モードとを選択することができるように構成されていることを特徴とする超音波診断装置。 【請求項2】 前記時間分解能ΔXと、前記周波数分解能ΔYはそれぞれ、ΔX=(DX ×N×K×M)/(fPRF ×S) ΔY=DY /(N×Ww ) DX ;ピリオドグラムの表示範囲の横軸(時間軸)方向の画素数DY ;ピリオドグラムの表示範囲の縦軸(周波数軸)方向の画素数N;周波数解析のデータ数K;交互段数M;間引き率fPRF ;レート周波数S;スクロール速度Ww ;窓重みにより定義されることを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。 【請求項3】 前記時間分解能優先モードでは、周波数分解能に関わるピリオドグラムの表示範囲の周波数軸方向の画素数DY 、周波数解析のデータ数N、窓重みWw のうち、少なくとも1つが変わって、周波数分解能が変動しても、データ数N以外のピリオドグラムの表示範囲の時間軸方向の画素数DX 、交互段数K、間引き率M、レート周波数fPRF 、スクロール速度Sのうち少なくとも1つを変えて、時間分解能を所定値に維持することを特徴とする請求項2記載の超音波診断装置。 【請求項4】 前記周波数分解能優先モードでは、時間分解能に関わるピリオドグラムの表示範囲の時間軸方向の画素数DX 、交互段数K、間引き率M、レート周波数fPRF 、スクロール速度Sのうち少なくとも1つが変わって、時間分解能が変動しても、ピリオドグラムの表示範囲の周波数軸方向の画素数DY 、データ数N及び窓重みWw は変えないで、また両分解能に関わるデータ数Nが変わった場合には、ピリオドグラムの表示範囲の周波数軸方向の画素数DY と窓重みWw との少なくとも一方を変えて周波数分解能を一定値に維持することを特徴とする請求項2記載の超音波診断装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ドプラ効果により偏移した周波数のスペクトラムを時間波形(ピリオドグラム)として表示する超音波診断装置に関する。 【0002】 【従来の技術】上述の周波数スペクトラムの描画性、つまりピリオドグラムの表示の細かさを定義する周波数分解能と時間分解能により評価され得る。これら周波数分解能と時間分解能は、レート周波数fPRF やFFTのデータ数N、さらにはスクロール速度S等のパラメータにより決まるもので、従来では、例えばレート周波数fPRF が変えられたときには、時間分解能が変動するので、ピリオドグラムとしては非常に見難いという問題があった。 【0003】この問題を解決するために、あるパラメータが変わった或いは変えられたときには、FFTのデータ数Nや窓重みWw を調整して、時間分解能ΔXに対する周波数分解能ΔYの比(縦横比;ΔY/ΔX)を一定に維持して、ピリオドグラムの表示の安定化を図るような技術が開発され、現在では主流派になっている。 【0004】しかし、この縦横比一定化技術では、例えば低流速検出能を向上して腹部等の比較的遅い血流を精度よく観測するために、レート周波数fPRF を下げると、時間分解能が大きくなってしまうが、それに伴ってFFTのデータ数Nや窓重みWw を変えて周波数分解能を大きくするように機能するため、ピリオドグラムを構成する最小単位(縦方向の画素数が周波数分解能、横方向の画素数が時間分解能で定義される)が非常に大きく粗くなって、微妙な速度変化や時間的な細かな応答等が捉えにくくなってしまうという問題があった。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、観察者の要望にできる限り沿って周波数分解能や時間分解能を調整できる超音波診断装置を提供することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明は、被検体に対して超音波を送信し、得られたエコー信号を周波数解析して、周波数スペクトラムを生成し、この周波数スペクトラムを時間波形として縦軸を周波数軸、横軸を時間軸として表示する超音波診断装置において、前記周波数スペクトラムの周波数分解能と時間分解能とを両者の比を一定に保ったままで変化させるモードと、時間分解能を固定したままで周波数分解能を変化させるモードと、周波数分解能を固定したままで時間分解能を変化させるモードとを選択することができるように構成されていることを特徴とする。 【0007】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明による超音波診断装置を好ましい実施形態により説明する。図1に本実施形態に係る超音波診断装置の構成を示す。超音波プローブ1の先端部分には、電気信号と音響信号とを相互変換するための複数の圧電素子が配列されている。この超音波プローブ1には、送受信回路(T&R)2が接続されている。この送受信回路2は、送信部分と受信部分と直交検波部分とからなり、送信部分では、まず、クロック発生器からのクロックを分周して、4kHz乃至50kHz程度のレートパルスを生成する。このレートパルスの周波数は、レート周波数とかパルス繰り返し周波数とか呼ばれている。ここでは、レート周波数と称するものとし、記号“fPRF ”で表すものとする。このレートパルスを適当に遅延させた後、これをトリガとしてパルサからプローブ1の圧電素子に電圧パルスが印加されるようになっている。この印加によりプローブ2の圧電素子は機械的に振動し、超音波パルスを発生する。 【0008】この超音波は被検体内部を伝播し、その途中にある音響インピーダンスの不連続面で反射し、プローブ1に返ってきて、圧電素子を機械的に振動する。これにより、圧電素子からは微弱な電気信号が発生する。この電気信号は、受信部分に取り込まれ、プリアンプで増幅され、アナログディジタル変換器でディジタル信号に変換されて、いわゆるディジタルビームフォーマで遅延相当の処理を経て加算される。この受信部分からの出力信号には、血球等の移動体のドプラ効果により偏移した周波数成分が含まれており、これを直交検波部分で検波する。 【0009】この送受信回路2の出力信号、つまりドプラ直交検波信号には、主に血球等の速い移動体での反射により周波数偏移を受けた高周波成分と、主に心臓壁等の遅い移動体での反射により周波数偏移を受けた低周波成分、一般的にはクラッタ成分とが含まれているので、高域通過型のクラッタフィルタ3で低周波成分を減衰し、高周波成分を抽出し、このクラッタフィルタ3で抽出された高周波成分をオーディオ回路6でオーディオ処理して、スピーカ7からドプラ音として観察者が聞けるようになっている。 【0010】また、このクラッタフィルタ3で抽出された高周波成分を高速フーリエ変換プロセッサ(FFT)4で周波数分析し、その周波数スペクトラムを表示装置5で時間波形、つまりピリオドグラムとして表示するようになっている。 【0011】ところで制御装置(CPU)8は、周波数分解能や時間分解能を、3種類のモードで選択的に調整することができるようになっている。この3種類のモードとは、図2(a)に示すような時間分解能に対する周波数分解能の比を一定に維持したままでこれら分解能を調整することのできる縦横比一定モードと、図2(b)に示すような時間分解能を所定値に保ったままで、周波数分解能を調整できる時間分解能優先モードと、図2(c)に示すような周波数分解能を所定値に保ったままで、時間分解能を調整できる周波数分解能優先モードとがある。 【0012】これら各モードについて順番に説明する。まず、時間分解能ΔX、周波数分解能ΔYの計算方法について説明する。時間分解能ΔX、周波数分解能ΔYは、次の式(1),(2)により計算される。 【0013】 ΔX=(DX ×N×K×M)/(fPRF ×S) …(1) ΔY=DY /(N×Ww ) …(2) DX ;ピリオドグラムの表示範囲の横軸(時間軸)方向の画素数DY ;ピリオドグラムの表示範囲の縦軸(周波数軸)方向の画素数N;FFTのデータ数K;交互段数M;間引き率fPRF ;レート周波数S;スクロール速度Ww ;窓重みなお、窓重みWw とは、次の通りである。周知の通り、FFTのデータ数Nは、2のべき乗という制約があるが、多くの場合、目的の周波数分解能を実現するための計算上のデータ数は2のべき乗にはならない。そこで、FFTのデータ数Nには、計算上のデータ数以上でそれに最も近い2のべき乗を選び、その選んだFFTのデータ数Nと、計算上のデータ数との不一致を、FFTの窓をかけることで埋めるようにしているが、この窓の大きさ(窓幅)を決めるパラメータが、窓重みWw である。例えば、計算上のデータ数が、320であるとき、FFTのデータ数Nとしては、512が選ばれ、この場合、窓重みWw は、5/8に設定される図3には、縦横比一定モードを実現するための制御方法の概念を示しており、レート周波数fPRF 、スクロール速度S、交互段数K、間引き計数M、DY が与えられると、観察者の所望の縦横比Pr に維持するためのFFTのデータ数Nと窓重みWw を計算するようになっている。つまり、例えばレート周波数fPRF が変わったとき(時間分解能が変わったとき)、それに応じてFFTのデータ数AA を調整して周波数分解能を変えて、縦横比を一定にするようにることになる。このデータ数AA は、次の式(3)により、求められる。 【0014】 AA =(fPRF ×DY ×S)/(Pr ×K×M×DX ) …(3) こうして計算されたFFTのデータ数AA は、上述したように、FFTで扱える2のべき乗には必ずしもならない。そこで、上述したように、計算上のデータ数AA 以上でそれに最も近い2のべき乗を選び、その選んだFFTのデータ数Nと、両者間の不一致を埋めるための窓重みWw とを選択する。この処理は、実際には、ROMテーブルにより実現されていることが多い。 【0015】このような処理で、レート周波数等のパラメータが変わっても、時間分解能ΔXに対する周波数分解能ΔYの比を一定に保つことができる。次に、時間分解能優先モードでは、周波数分解能に関わるパラメータ、つまりピリオドグラムの表示範囲の縦軸(周波数軸)方向の画素数DY 、FFTのデータ数N、窓重みWw のうち、少なくとも1つが変わって、周波数分解能が変動しても、時間分解能を、観察者が所望する一定値に固定するような処理が行われ、つまり、両分解能に関わるデータ数Nが変わったとき、上記式(1)において、データ数N以外のパラメータ、つまりピリオドグラムの表示範囲の横軸(時間軸)方向の画素数DX 、交互段数K、間引き率M、レート周波数fPRF 、スクロール速度Sのうち少なくとも1つ、例えばスクロール速度Sを変えて、時間分解能を一定値に維持するものである。 【0016】また、周波数分解能優先モードでは、時間分解能に関わるパラメータ、つまり両分解能に関わるデータ数N以外のピリオドグラムの表示範囲の横軸(時間軸)方向の画素数DX 、交互段数K、間引き率M、レート周波数fPRF 、スクロール速度Sのうち少なくとも1つが変わって、時間分解能が変動しても、周波数分解能を、観察者が所望する一定値に固定するように、ピリオドグラムの表示範囲の縦軸(周波数軸)方向の画素数DY 、データ数N及び窓重みWw は変えないで固定したままにして、また両分解能に関わるデータ数Nが変わった場合には、ピリオドグラムの表示範囲の周波数軸方向の画素数DY と窓重みWw との少なくとも一方を変えて周波数分解能を一定値に維持するものである。 【0017】図4には、真のピリオドグラムに対して、実際に表示されるピリオドグラムがモードによって見え方がどのように変化するかについて示している。このような3種類のモードが用意されているので、例えば当初、縦横比一定モードを使っていて、時間分解能が拡大又は縮小過多で観測し難いときには、時間分解能優先モードを選択し、また周波数分解能が拡大又は縮小過多で観測し難いときには、周波数分解能優先モードを選択することができるので、微妙な速度変化を観測し難くなったり、また逆に単位領域が細か過ぎて時間的な応答を観測し難くなったといった問題を解決することができる。本発明は、上述してきたような実施形態に限定されることなく、種々変形して実施可能であることは言うまでもない。 【0018】 【発明の効果】本発明によれば、3種類のモードを使い分けて、例えば縦横比一定モードでは、ピリオドグラムが見え難い、例えば微妙な速度変化を観測し難くなった場合には時間分解能を固定するモードや周波数分解能を固定するモードを選択して、ピリオドグラムを観察し易くすることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003078 【氏名又は名称】株式会社東芝
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)4月1日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】鈴江 武彦 (外6名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−285495 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)10月19日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−88782 |
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