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【発明の名称】 画像読取装置
【発明者】 【氏名】酒向 司

【要約】 【課題】グリッドの方向と固体撮像素子の画素の並び方向とのずれ、特に回転方角のずれの影響を抑制した撮影を行う。

【解決手段】画像読取装置はゲイン補正取得用画像を収集した後に、グリッド方向算出工程において、ゲイン補正取得用画像からグリット方向と固体撮像素子の画素並び方向に対する回転方向のずれを算出し、グリッドの位置補正手段により、ゲイン補正取得用画像におけるグリッド方向を画素並び方向に対して一定の関係で精度良く揃える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数の画素を有する撮像素子を用いて、被検体及び散乱線除去用グリッドを透過した放射線の強度分布を画像情報として読み取る放射線画像読取装置において、前記撮像素子を用いて前記被検体を介さずにかつ散乱線除去用グリッドを介して放射線強度分布を得るグリッド画像取得手段と、該画像取得手段により得られた放射線強度分布の情報から前記散乱線除去用グリッドに起因するパターンに関する情報を検出するパターン検出手段とを有することを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】 前記パターン検出手段は前記グリッド画像取得手段で得られた放射線強度分布に基づいて前記散乱線除去用グリッドの方向に関する情報を得る請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】 複数の画素を有する撮像素子を用いて、被検体及び散乱線除去用グリッドを透過した放射線の強度分布を画像情報として読み取る放射線画像読取装置において、前記撮像素子を用いて前記被検体を介さずにかつ前記散乱線除去用グリッドを介する放射線強度分布を初期化用画像情報として得るための初期化用画像読取手段と、該初期化用画像情報から前記散乱線除去グリッドに起因するパターンを検出するパターン検出手段と、該パターン検出手段の検出結果に基づいてローパスフィルタを作成するローパスフィルタ作成手段と、該ローパスフィルタ作成手段により作成したローパスフィルタにより前記初期化用画像情報をフィルタリングして得た画像情報及び前記初期化用画像情報に基づいて前記撮像素子の変換効率のばらつきを補正するための補正係数を算出する補正係数算出手段とを有することを特徴とする画像読取装置。
【請求項4】 前記補正係数算出手段は、前記初期化用画像情報の各ピクセル値を、前記ローパスフィルタにより前記初期化用画像情報をフィルタリングして得た前記画像情報の各ピクセル値によって除算することにより前記補正係数を算出するようにした請求項3に記載の放射線画像読取装置。
【請求項5】 前記パターン検出手段は、前記散乱線除去グリッドに起因するパターンを検出する際に、画像領域内において所定方向への積算画素情報を求め、該積算画素情報を求める方向を変化させて該積算画素情報の標準偏差を最大とする方向を算出するグリッド方向算出手段と、前記方向における前記積算画素情報をフーリエ変換することによりグリッドの周波数を算出するグリッド周波数算出手段とを有する請求項3に記載の放射線画像読取装置。
【請求項6】 グリッドと撮像素子を用いて被検体を介さずに得られた放射線強度分布を初期化用画像情報として記憶する記憶手段と、該記憶手段に記憶された初期化用画像情報より前記グリッドに起因するパターンに基づいたローパスフィルタを作成し、該ローパスフィルタを用いて前記初期化用画像情報を処理することにより前記撮像素子の各画像毎のゲイン補正用情報を得る信号処理手段とを有することを特徴とする画像読取装置。
【請求項7】 前記グリッドと前記撮像素子を用いて被写体を介して得られた前記放射線強度分布を前記ゲイン補正用情報を用いて補正処理するようにした請求項6に記載の放射線画像読取装置。
【請求項8】 複数の画素を有する撮像素子を用いて、被検体及び散乱線除去用グリッドを透過した放射線の強度分布を画像情報として読み取る放射線画像読取装置において、前記撮像素子を用いて前記被検体を介さずにかつ散乱線除去用グリッドを介する放射線強度分布を初期化用画像情報として得るための初期化用画像読取手段と、該初期化用画像情報から前記散乱線除去グリッドに起因するパターンを検出するパターン検出手段と、該パターン検出手段の出力結果に基づいて前記散乱線除去用グリットを変位する散乱線除去用グリット変位手段とを有することを特徴とする画像読取装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、X線放射分布を画像化して読み取る画像読取装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の放射線機影装置は、放射線源から被検査媒体である被写体に向けて放射線を出射し、放射線と被写体の相互作用によって、被写体の内部構造に応じて放射線が強度変調され、かつ散乱されて、固体撮像素子に放射像画像が形成される。このとき、散乱放射線を除去して放射線画像のコントラストを向上するために、固体操像素子の前面にグリッドを配置して撮影を行っている。
【0003】また、予め幾つかの撮影条件で補正撮影を行い、実際に撮影したときに最も近い条件の補正撮影像を用いて補正を行う装置が、特開平5−237277号公報に開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上述の従来例においては、固体撮像素子と被写体との問に配置したグリッドの方向性は考慮されていない。二次元ローパスフィルタを用いた方法によりグリッドを通して画像撮影を行う場合に、グリッドの方向を考慮しないと、グリッドと固体撮像素子の相対的位置関係がずれた場合に問題が生ずる。即ち、グリッドが存在するときに、二次元ローパスフィルタを用いて変換効率のばらつき分布であるゲイン補正係数データを計算すると、この中にグリッドによる出力データも含まれてしまう。
【0005】図9において、ゲイン補正係数データを得るために、被写体を入れずに撮影を実行して得た補正データ取得用画像に対して、センサSの断面Aにおけるセンサ出力Sijとローパスフィルタ出力Lijをグラフ化している。センサ出力Sijをローパスフィルタ通過後の出力Lijで除算したものを、固体撮像素子1の変換効率を示すゲイン補正係数データ(Cij)とすると、ゲイン補正係数Cijにはグリッド2の影響も含まれてしまう。
【0006】即ち、ローパスフィルタ出力LijはローパスフィルタによるX線放射量を少な目に算出するために、センサ出力Sijのプラスのピークに対応した点Pは実際の点Pにおける固体撮像素子1の変換効率以上に見掛け上の変換効率が良くなり、センサ出力Sijのマイナスのピークに対応した点Qは実際の点Qにおける固体撮像素子1の変換効率以上に見掛け上の変換効率が悪くなる。このように、実際の被写体撮影時においてグリッド2とセンサSの相対位置関係がずれると、ゲイン補正係数Cijとの対応がつかなくなり、一方、グリッド2とセンサSの相対位置関係はゲイン補正係数データと1対1の関係であるとして計算を行っているために、このゲイン補正係数データを用いて補正した画像は、正しくゲインを補正した画像ではなくなる。
【0007】固体撮像素子1の画素毎にゲイン補正を行う場合は、そのためのゲイン補正係数データが撮影時に必要となるが、画像取得時に収集する時の回体撮像素子1とグリッド2の相対位置関係と、実際に被写体を撮影するときの固体撮像素子lとグリッド2の相対位置関係がずれていると、正しい補正を行うことができない。
【0008】通常、X線技師は固体撮像素子1とグリッド2との相関関係が常に平行であることを前提としており、ゲイン補正係数データを得る前段階又はゲイン補正係数データを得る段階において、固体撮像素子1とグリッド2の相対位置関係を常に所望の方向に自動的に揃える必要がある。このとき、より汎用的に装置を利用できるようにするためには、固体撮像素子1とグリッド2の画素並び方向との相関関係を平行にするだけでなく、直角方向やその他の方向にも微調整した後に、正確なゲイン補正係数データを得ることが必要となる。
【0009】また、前述の特開平5−237277号公報においては、複数の撮影条件で補正のための撮影を行う必要があるので、記憶メモリが非常に多くなるという問題がある。
【0010】本発明の目的は、上述の問題点を解消し、グリッドの方向と固体撮像素子の画素の並び方向とのずれ、特に回転方角のずれの影響を抑制した撮影を行うことを可能とする画像読取装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するための本発明に係る画像読取装置は、複数の画素を有する撮像素子を用いて、被検体及び散乱線除去用グリッドを透過した放射線の強度分布を画像情報として読み取る放射線画像読取装置において、前記撮像素子を用いて前記被検体を介さずにかつ散乱線除去用グリッドを介して放射線強度分布を得るグリッド画像取得手段と、該画像取得手段により得られた放射線強度分布の情報から前記散乱線除去用グリッドに起因するパターンに関する情報を検出するパターン検出手段とを有することを特徴とする。
【0012】また、本発明に係る画像読取装置は、複数の画素を有する撮像素子を用いて、被検体及び散乱線除去用グリッドを透過した放射線の強度分布を画像情報として読み取る放射線画像読取装置において、前記撮像素子を用いて前記被検体を介さずにかつ前記散乱線除去用グリッドを介する放射線強度分布を初期化用画像情報として得るための初期化用画像読取手段と、該初期化用画像情報から前記散乱線除去グリッドに起因するパターンを検出するパターン検出手段と、該パターン検出手段の検出結果に基づいてローパスフィルタを作成するローパスフィルタ作成手段と、該ローパスフィルタ作成手段により作成したローパスフィルタにより前記初期化用画像情報をフィルタリングして得た画像情報及び前記初期化用画像情報に基づいて前記撮像素子の変換効率のばらつきを補正するための補正係数を算出する補正係数算出手段とを有することを特徴とする。
【0013】更に、本発明に係る画像読取装置は、グリッドと撮像素子を用いて被検体を介さずに得られた放射線強度分布を初期化用画像情報として記憶する記憶手段と、該記憶手段に記憶された初期化用画像情報より前記グリッドに起因するパターンに基づいたローパスフィルタを作成し、該ローパスフィルタを用いて前記初期化用画像情報を処理することにより前記撮像素子の各画像毎のゲイン補正用情報を得る信号処理手段とを有することを特徴とする。
【0014】本発明に係る画像読取装置は、複数の画素を有する撮像素子を用いて、被検体及び散乱線除去用グリッドを透過した放射線の強度分布を画像情報として読み取る放射線画像読取装置において、前記撮像素子を用いて前記被検体を介さずにかつ散乱線除去用グリッドを介する放射線強度分布を初期化用画像情報として得るための初期化用画像読取手段と、該初期化用画像情報から前記散乱線除去グリッドに起因するパターンを検出するパターン検出手段と、該パターン検出手段の出力結果に基づいて前記散乱線除去用グリットを変位する散乱線除去用グリット変位手段とを有することを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明を図1〜図8に図示の実施例に基づいて詳細に説明する。図1は実施形態における画像読取装置のブロック回路の構成図である。X線発生手段10とグリッド11及びシンチレータ12aを有する固体撮像素子12との間に、被写体Tが配置されるようになっており、固体撮像素子12の出力は、A/D変換器13、ルックアップテーブル14、加算器15、ルックアップテーブル16に順次に接続されている。また、クロック発生器17の出力が制御回路18に接続され、制御回路18の出力は位置補正手段19を介してグリッド11に接続され、また、制御回路18の出力はA/D変換器13、ルックアップテーブル14、及び補正メモリ手段20を介して加算器15、ルックアップテーブル16にそれぞれ接続されている。
【0016】そして、ルックアップテーブル16、制御回路18、補正メモリ手段20の出力はバス21に接続され、バス21にはCPU22、ROM23、RAM24、ハードディスク25、ネットワークデバイス26の出力がそれぞれ接続され、ネットワークデバイス26の出力は外部装置27に接続されている。
【0017】図2は位置補正手段19の斜視図を示し、設置台30の側面に平行移動用アクチュエータ31を介して平行移動台32が設けられている。平行移動台32上には支持部材33と回転用アクチュエータ34が載置されており、グリッド11は一方の側面下方で支持部材33に設けられた支点33aに回転自在に支持され、他方の側面上方で回転用アクチュエータ34に取り付けられている。アクチュエータ31、34には例えばソレノイドやモータ又はピエゾ素子等が用いられ、CPU22により制御される制御回路18からの信号により、グリッド11を矢印B方向に平行移動し、また矢印θ方向に回転移動するようになっている。そして、グリッド11の背後には固体撮影素子12が配置されている。
【0018】画像読取装置はゲイン補正取得用画像を収集した後に、グリッド方向算出工程において、ゲイン補正取得用画像からグリッド方向と固体撮像素子12の画素の並び方向との回転方向のずれを算出し、位置補正手段19によりゲイン補正取得用画像におけるグリッド方向を揃える機能を有する。CPU22、ROM23、RAM24、ハードディスク25によってシステム全体が制御され、撮影はCPU22から与えられる命令が制御回路18に出力されることにより行われ、制御回路18はクロック発生器17に同期して作動するようになっている。
【0019】先ず、補正データ取得用画像の撮影は通常撮影の前に行われる。補正データ取得用画像のデータを得るための撮影手順は、CPU22によりルックアップテーブル14、16に線形テーブルをロードしておき、補正メモリ手段20に全て0の値を与える。この方法で得られるデータは、A/D変換器13から出力された補正データ取得用画像をデジタルデータとしてそのまま収集可能である。補正取得用画像のデータは、以下に述べる方法を用いてゲイン補正係数の算出に利用され、算出されたゲイン補正係数はハードディスク等の不揮発性媒体に記憶されている。
【0020】図3は収集された補正データ取得用画像からゲイン補正データを生成する工程を示しており、グリッド方向算出工程、ローパスフィルタマトリックス生成工程、ゲイン補正係数算出工程から構成されている。
【0021】図4はグリッド方向算出工程の処理を説明する図である。半径ベクトルVrとこの半径ベクトルVrに直交するベクトルVwからベクトルVを求める。次式により、ベクトルVは半径ベクトルVrを回転角度θの関数として変化させながら演算する。
V=Vr+Vw【0022】ただし、Vwは収集幅ベクトルであり、ベクトルVrとVwは直交している。従って、半径ベクトルVrが回転角度θに従い変化すると、収集幅ベクトルVwは直交関係を保つために、半径ベクトルVrの変化に合わせて従属的に変化する。
【0023】回転角度θを例えば0ラジアン〜1ラジアンまで、0.1ラジアン単位で増加してゆき、それぞれ増加単位毎に半径ベクトルの絶対値|Vr|を例えば0〜32に1画素単位ずつ変化させ、それぞれの場合において収集幅ベクトルの絶対値|Vw|を例えば0〜64に1画素単位ずつ変化させ、それに伴ってベクトルVが示す位置を近似する画素の画素値を算出し、その画素値をVr方向に積算してゆくと、|Vw|の大きさ65点の積算画素情報を収集することができる。
【0024】図5は回転角度θ=0ラジアン(rad)の場合において、|Vr|に関する0〜32の画素(i方向)と、|Vw|に関する0〜64の画素(j方向)から成る平面を示す説明図である。画素の位置を特定するための位置ベクトルは前述の半径ベクトルと、収集幅ベクトルとの関係を用いて次のように示すことができる。
V(i、j)=Vr(i)+Vw(j)
【0025】ベクトルV(i,J)が示す位置に対応する画素の画素値をAijとすると、j=1とした場合に、i=0〜32の画素に対応した画素値Aij(i=0〜32)は、図3の補正用画像入力工程で収集された画像に基づいて求めることができる。同様に、全てのj、即ちj=0〜64までについても各画素に対応した画素値Aij(i=0〜32,i=0〜64)を求めることができる。
【0026】グリッド方向の角度は画素値の積算を求め、その最大の標準偏差値を与える角度となる。積算はjを一定とし、可変パラメータを1とした列の要素を考える。j=1の場合を例とすると、列方向の画素値はA0 、A1 、A2 、A3・・・ 、A32となり、その積算値はM(1,θ)=A0 +A1 +A2 +A3 ・・・ +A32となる。
【0027】J=1以外の場合も同様に積算値M(j,θ)(j=0〜64)を算出することができる。回転角度θを変化させ、各回転角度θにおいて積算値M(j,θ)をjが0〜64まで65点求め、かつこれらの標準偏差値D(θ)を求める。このD(θ)が最大となるラジアン値θ0 が固体撮像素子12の画素の並び方向に対するグリッド方向のずれ角度となる。
【0028】また、ラジアン値θ0 のときの得られた65点の画素情報を基にフーリエ変換することにより、グリッド11の周波数成分を算出することができる。即ち、予めグリッド11として可能性のある波長範囲を指定しておき、この範囲からフーリエ変換時のデータの振幅の最大となる波長W0 を求めると、固体撮像素子12の画素を1単位としたグリッド11の波長W0 を算出することができる。
【0029】図6はずれ角度のラジアン値θ0 とグリッド1lの波長W0 を用いて、ローパスフィルタマトリックスを生成する工程を示している。本実施例では、前工程で得られたラジアン値θ0 に対して、ベクトルVx、Vyを可変としてローパスフィルタマトリックスを生成する。グリッド11の波長W0 の例えば1/16から半分の大きさW0 /16〜W0 /2で、ベクトルVxが最大絶対値となるようにベクトルVxを変化させて、ベクトル和(Vy+Vx)の指すポジションに対して、マトリックス内に1を記録すると共に、ベクトルVyをマトリックス全てを1で埋め尽すように変化させることにより、グリッド方向に沿ったグリッド幅の1/16から半分の領域のみを平均化するローパスフィルタマトリックスを生成することができる。このローパスフィルタマトリックスで平均化したデータはマトリックス内の1の合計量で除算する。
【0030】図7は前工程で得られたローパスフィルタマトリックスを、次に示すゲイン補正用係数算出式で演算しながら、補正データ取得用画像Sにカーネル移動する工程の説明図である。Sijをセンサ出力、Lijをローパス出力、Cijを求めるゲイン補正係数とすると次式が得られる。
Sij/Lij=Cij【0031】本実施例においては、対数変換を利用して次のように減算によりlog(Cij)を算出する。
log(Cij)=log(Sij/Lij)=log(Sij)−log(Lij)
【0032】図7に示すように、ゲイン補正係数Cijはローパスフィルタ出力がグリッドの存在による出力の増減成分と同期しているので、グリッド11の影響は現れないので、ゲイン補正係数データlog(Cij)をハードディスク25又はRAM24に保存しておき、後段の通常撮影時に利用する。通常撮影の場合には、被写体TをX線発生手段10と固体撮像素子12の間に配置し、ルックアツプテーブル14には線形から対数へ変換する線形−対数変換テーブルをロードしておき、ルックアップテーブル16には対数から線形へ変換する対数−線形変換テーブルをロードしておく。次に、補正メモリ手段20には本実施例で算出したlog(Cij)のゲイン補正係数データを与え、次式の演算を行う。なお、Oijはゲイン補正後の画素値、Iijは入力画素値である。
Oij=Iij/(Sij/Lij)
【0033】これらをハードウエアで実現し易いように、本実施例では対数計算によりハードウエア処理されて、各ピクセルのゲインのばらつきを次の計算式で補正したデータが出力される。
【0034】log(Oij)=log(Iij/Sij/Lij)=log(Iij)−log(Sij/Lij)=log(Iij)−log(Cij)
【0035】グリッド11と固体撮像素子12との相対位置関係をより正しく調整する目的で、この結果を撮影時に利用する。本実施例においては、グリッド11の影響を最終出力画像として打ち消すものではないので、技師又は医師にはグリッド11の存在が画像の上で明瞭に見ることができる。このとき、グリッド11の方向が固体操像素子12のピクセル並び方向とずれていない方が好ましいので、本実施例ではグリッド11と固体撮像素子12との相対位置関係を、ユーザが設定する方向と常に同じになるように制御することにより、ユーザが希望するグリッド方向を正しく微調整することができる。
【0036】図8は同様な方法で、ゲイン補正時におけるグリッド11と固体撮像素子12との角度値θxを算出する工程を示している。この値θxとユーザが指定するグリッド方向θuとの差Δを、Δ=θx−θuで算出して位置補正手段19に与える。CPU22は与えられた回転角Δを、適切な変換閲数θa=f(Δ)によって回転用アクチュエータ34の移動により回転角に変換して、回転用アクチュエータ34を制御する。一方、平行移動用アクチュエータ31はグリッド11全体を左右方向に微調整するために利用される。これによって、グリッド方向をユーザの措定する方向に正しく微調整することができる。
【0037】グリッド11と固体撮像素子12の相対位置関係の変動がないような場合でも、X線発生手段l0と固体撮像素子l2及びグリッド11との相対位置関係に変動があれば同様の問題が発生するが、本実施例によってこの問題を解決することができる。X線発生手段10と固体撮像素子12及びグリッド11との相対位置関係に変動があっても正しい補正を行えるので、常に固体撮像素子の画素毎のゲイン補正を行って画像を撮影することができ、画像を観察する医師や技師はモアレ画像に悩まされることがなくなり、また記憶メモリもゲイン補正用の係数データのみを記憶する容量の小さいもので済む。
【0038】更に、その相対位置関係は積極的に変動させてもよく、ユーザがグリッド方向を固体撮像素子の画素の並び方向に対して一定の関係で揃えることができるので、技師や医師がより精度良く揃ったグリッド方向で画像を参照することができる。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る画像読取装置は、グリッドの方向と固体撮像素子の画素の並び方向とのずれ、特に回転方角のずれの影響を抑制した撮影を行うことを可能とする。
【出願人】 【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
【出願日】 平成10年(1998)12月18日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】日比谷 征彦
【公開番号】 特開平11−285493
【公開日】 平成11年(1999)10月19日
【出願番号】 特願平10−375983