トップ :: A 生活必需品 :: A61 医学または獣医学;衛生学




【発明の名称】 デフェコグラフィ用の放射線撮影装置
【発明者】 【氏名】大砂 和男

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 排便障害症の診断用として便座に腰掛けた患者の下腹部側面を放射線撮影するに当って、撮影される患者の恥骨部分の外側と尾骨および肛門管部分の外側に撮影用放射線透過率を漸次外強にて減弱する補償フィルターを回動および移動調整且つ取外し自在に取付け、撮影写真より恥骨と尾骨および肛門管部分のハレーションを防止するようにしたことを特徴とするデフェコグラフィ用の放射線撮影装置。
【請求項2】 恥骨の外側の補償フィルターは正面視内角に円曲面を有す四角形状にて撮影用放射線の照射口の一側上角部分に、また尾骨および肛門管の外側の補償フィルターは正面視L形形状にて他側下角を挟む縦横2辺の部分にそれぞれ取付けられる請求項1記載の装置。
【請求項3】 2個の補償フィルターは撮影用放射線の照射口の前面に取外し自在に取付ける膜体に回動および移動調整自在に取付ける請求項1または2記載の装置。
【請求項4】 2個の補償フィルターは放射線の減弱に適したアルミニウム,銅材などの単体またはアルミニウムと銅,錫・亜鉛合金などの複合体にてなり、それぞれ外側を漸次増厚するウェッジタイプにて形成して撮影用放射線の減弱率を漸次外強とする請求項1乃至3のいずれかに記載の装置。
【請求項5】 2個の補償フィルターはリモートコントロールにより回動および移動調整自在とする請求項1乃至4のいずれかに記載の装置。
【請求項6】 便座は撮影用放射線の透過を妨げない硬質ウレタン樹脂等にて大,中,小の大きさ別にていずれも怒責によって肛門管部分が沈降しても撮影可能な厚みをもって形成し、且つ回転撮影台の拡大されたフットレスト上に横向きにて交換および取外し自在に取付けられる請求項1記載の装置。
【請求項7】 便座の前方に回転撮影台を支点にして把手用のハンドグリップを取外し自在に取付けた請求項1記載の装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】この発明はデフェコグラフィ用の放射線撮影装置、詳しくは撮影写真(静画,動画)より恥骨,尾骨および肛門管部分のハレーションを防止するとともに肛門管部分の沈降による撮影不能を解消したデフェコグラフィ用の放射線撮影装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、排便障害症として直腸脱,肛門管機能不全,会陰裂傷,肛門外傷,Rectoceleなどの疾病患者は便座に腰掛けさせたた状態で下腹部側面を安静時(rest)と怒責時(strain、排便しようとしてりきんだ状態)とおよび収縮時(squeeze、肛門を締め閉じした状態)の3態にて放射線撮影して、その比較により膨張突出し部の個所,方向,大きさ等を含む症状を診断して手術を含む治療を行ってきたものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、排便障害症は撮影される恥骨,尾骨および肛門管部分をもとに例えば症状としての膨張突出し部の個所,方向,大きさ等を診断するにかかわらず、汎用の放射線撮影装置ではこの恥骨,尾骨および肛門管部分にハレーションが生じて不鮮明となるために、正確な診断ができないという課題があった。
【0004】また患者の肛門管部分は怒責時に便座下に沈降して撮影用放射線を透過しにくい支骨などの金属材の内側にかくれて撮影することができない場合が生じていたという課題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は排便障害症の診断用として便座に腰掛けた患者の下腹部側面を放射線撮影(デフェコグラフィ)するに当って、撮影される患者の恥骨部分の外側と尾骨および肛門管部分の外側に撮影用放射線透過率を漸次外強にて減弱する補償フィルターを回動および移動調整且つ取外し自在に取付け、撮影写真より恥骨と尾骨および肛門管部分のハレーションを防止するとともに、便座を撮影用放射線の透過を妨げない硬質ウレタン樹脂等にて大,中,小の大きさ別にていずれも怒責によって肛門管部分が沈降しても撮影可能な厚みをもって形成し、且つ回転撮影台の拡大されたフットレスト上に横向きにて交換および取外し自在に取付けるように構成して、かかる課題を解決するようにしたのである。
【0006】
【発明の実施の形態】汎用の放射線撮影装置に設けられる多重絞り機構付の四角形をした放射線照射口1の外縁に上面開放の嵌付枠2を設けて、該照射口1の前面を覆う四角形状をしたアルミニウム板製の膜体3を出入れ自在に取付ける。2aは抜出し防止用のストッパーである。前記膜体3は中間に適当な大きさの開口部3aを設けていて、該開口部3a内の一側上角3b近くに位置する患者恥骨の撮影個所の外側と、他側下角3cを挟む縦横2辺3d,3e近くに位置する患者尾骨および肛門管の撮影個所の外側に大小の補償フィルター4a,4bを回動および移動調整且つ取外し自在に取付けて、放射線照射口1より照射される撮影用放射線を漸次外強にて減弱するようにする。なお、補償フィルター4a,4bはそれぞれ膜体3に設けた取付用の長孔3fの裏側から螺子5止めされており、この螺子5を支点として図4に示すように患者の体格や姿勢などに合わせて回動および移動調整自在にしている。また6は各補償フィルター4a,4bに設けたストッパー機構で、スプリングばね6aにて付勢されたパッド6bが膜体3の表面に圧接して補償フィルターの調整位置を維持するようにしている。6cはパッド6bの押圧を解くための操作つまみである【0007】補償フィルター4aはアルミニウム材にて外厚内薄の斜面4cを前面に付し且つ内角に円曲面を設けて正面視四角台形をしたウェッジタイプにてなり、また他側下角3c部分を挟んで取付ける補償フィルター4bは正面視L形で前面に外厚内薄の斜面4cを付したアルミニウム板の裏面に図5(a)に示すように内薄外厚の段差を付した薄銅板4dを重着取付けした複合板にて形成し、撮影用放射線をさらに強く減弱するようにしている。補償フィルター4aに較べて補償フィルター4bの放射線透過率の減弱を高めるのは、患者恥骨部分の周囲には脂肪が多く、これにより既に放射線透過率が減弱されているのでこの分の差を調整するためである。
【0008】この調整手段は図5(b)に示すように1枚の銅板4eに内薄外厚の傾斜を設けてアルミニウム板の裏面に付けたり、または図5(c)のようにアルミニウム板内に内挿したり、または図5(d)に示すように銅材単独にて内薄外厚の傾斜を付して減弱量を調整してもよい。また銅材は亜鉛・錫合金など放射線の透過率を減弱する適宜の材料にてかえることもできる。
【0009】なおこれらの補償フィルター4a,4bはリモートコントロール装置とサーボモータ等(図示してない)の組合わせにより遠隔操作できるようにすることも可能である。
【0010】このようにして汎用の放射線撮影装置は排便障害症の診断用撮影装置に適用することができるものとなる。
【0011】次に放射線照射口1の前方に設置される汎用の回動撮影台7は撮影用放射線を透過可能の素材にて形成されており、垂直回動時に放射線照射口1側に向いた面の下端に便座8を載着可能とする拡大したフットレスト7aを取外し自在に取付けて、該フットレスト7aの中間上に横向きにて便座を取外し自在に取付ける。8aは金属製の支骨でフットレスト7aの裏側からネジ8b止めされる。また8cは支骨8aの上面に設けた便座8の取付板で、取付板8bの上面と便座8の下面に対の平面ファスナー8dを取付けている。該便座8は撮影用放射線の透過を妨げない例えば硬質ウレタン樹脂等にて形成するとともに腰掛けた患者が医師等の指示により怒責して肛門管部分が下方に沈降しても放射線不透過の支骨8aの内側にかくれない150mm程に部厚な厚みを有して平面視U形にて且つ大,中,小の各種にて形成して患者の大小体型に合わせて交換取付けるようにする。また便座8は向きをかえて取付けることもできるので患者の症状によっては側面撮影用だけでなく正面からの補償フィルターを使用しない撮影用に用いることもできる。
【0012】便座8の前方には回動撮影台7を支点にしてハンドグリップ9を取外し自在に取付けて便座8に腰掛けた患者が握って腰掛け状態を支えるようにしている。9aは取付けネジである。
【0013】撮影に際しては先づ回動撮影台7を水平にして患者を横向きに寝かせ、患者の肛門より造影剤(疑似便)を注入して後、回動撮影台7を回動立てして受袋(図示してない)を挟んで患者を便座7に座らせる。2個の補償フィルター4a,4bを患者に最適な位置角度に回動および移動調整して放射線照射口1より撮影用放射線を絞り照射して患者の下腹部側面を安静時(rest)と怒責時(strain)および収縮時(squeeze)の状態にて放射線撮影をするのである。補償フィルター4a,4bにより恥骨,尾骨および肛門管部分の外側の撮影用放射線を漸次外強にて減弱することにより、撮影しにくい恥骨,尾骨および肛門管部分もハレーションを生ぜずして鮮明に撮影し得て排便障害症患者の直腸壁の障害や肛門機能不全,会陰裂傷,肛門外傷,Rectocele等の症状を正確に撮影して診断,治療に供すこととなる。
【0014】なお、放射線撮影装置を他病患者の撮影に使用するときは不要となる膜体3,便座8等を取外すのである。
【0015】
【発明の効果】本発明は以上のようにして、デフェコグラフィを放射線撮影するに当って患者の恥骨,尾骨,肛門管の部分にハレーションを生じないようにするとともに、肛門管部分が怒責によって沈降しても撮影不能を生じないようにしたから、排便障害症としての直腸脱,肛門機能不全,会陰裂傷,肛門外傷,Rectoceleなどの症状を患者別に正確に放射線撮影して診断治療に供すことができるという効果を生ずる。
【0016】補償フィルターおよび便座等は取外し自在にて取付けたので、取外すことによって他病患者の放射線撮影を妨げることがないという効果を生ずる。
【出願人】 【識別番号】598050708
【氏名又は名称】大砂 和男
【出願日】 平成10年(1998)4月2日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】永島 郁二
【公開番号】 特開平11−285487
【公開日】 平成11年(1999)10月19日
【出願番号】 特願平10−105329