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【発明の名称】 高周波処置具
【発明者】 【氏名】山内 幸治

【氏名】関野 直己

【要約】 【課題】操作部の一連の操作によって組織を簡単に凝固、切開でき、操作性に優れた高周波処置具を提供することにある。

【解決手段】挿入部2及び挿入部2の手元側に操作部4を有し、前記挿入部2の先端部に組織の凝固、切開を行うためのジョー8a,8bを有した高周波処置具において、前記操作部4のトリガー17の操作により組織の凝固、切開操作を行える切開突起10a,10bを前記ジョー8a,8bに設けたことを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 手元側に操作部を有し、先端部に組織の凝固、切開を行うためのジョーを有した高周波処置具において、前記操作部の操作により組織の凝固、切開操作を行える突起部を前記ジョーに設けたことを特徴とする高周波処置具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、生体の体腔内に挿入し、組織を把持、剥離、凝固及び切開することができる高周波処置具に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、生体組織を把持する一対の把持部材としてのジョーを備え、各ジョーに高周波通電用の電極が配設されたバイポーラ鉗子が知られている。そして、このバイポーラ鉗子の使用時には一対のジョー間に処置対象の生体組織を把持させた状態で、各ジョーの電極間に高周波電流を通電してジョー間の生体組織を凝固させるようになっている。
【0003】この種のバイポーラ鉗子は、通常、生体組織に含まれる血管の止血、生体組織の表層の病変部、出血点の焼灼、避妊を目的とした卵管の閉塞等の多種の症例に用いられる。そして、バイポーラ鉗子が血管の止血や、卵管の閉塞を目的として用いられ、患者の処置対象の生体組織を凝固できるようになっており、また凝固した生体組織を切開することができるようになっている。
【0004】従来、この種の内視鏡下高周波処置具としては、例えばEP598348 A1、DE4032471 C2、WO97/05829、WO97/10762、USP5,514,134、WO95/02365等で知られている。EP598348 A1は、バイポーラ高周波切除器において、先端の電極のうち一方が切除用ワイヤーを有し、他方が切除用ワイヤーを引き入れるU字部を有する。組織の切開操作は、組織を把持した後、各電極を管状軸方向に引き入れることにより行う。
【0005】DE4032471 C2は、挿入部の先端部に凝固電極と切開電極を有し、組織の凝固と切開を行うことができ、操作部には凝固と切開を切替える切替えスイッチを備えている。
【0006】WO97/05829は、挿入部の先端部に設けられたジョーにより組織を把持し、通電凝固を行った後、操作部に設けられたレバーを回転させることにより刃を前進させ組織を切開するようになっている。また、バイポーラ鉗子として、組織を凝固する電極の外側表面を絶縁材料によって被覆したものは、特開平9−108234号公報で知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述したEP 598348 A1は、組織の切開操作のみで凝固及びジョー先端での把持操作、特に細かい操作を行うことができない。同時に剥離操作を行うことができない。
【0008】DE4032471 C2は、凝固と切開とで操作部に設けられたスイッチを切り替える操作を行う必要があり、操作性が悪く、スイッチを設けるため操作部の構造が複雑になるという欠点がある。さらに、凝固、切開操作のみで剥離操作を行うことができない。また、電極先端での細かい把持、凝固の操作性が悪い。
【0009】WO 97/05829は、組織を凝固後、ナイフを押し出す操作により組織を切開するため、操作部の構造が複雑になり、また操作性が悪い。さらに、ナイフを用いて組織切開を行うが切れ味を維持するためにはナイフ交換を行う必要があり、メンテナンス性が良くない。
【0010】WO97/10762及びUSP5,514,134は、挿入軸に2つの分離管腔を有し、第1と第2の細長い押し棒が前記各分離管腔内を進退するようになっている。従って、挿入軸の構造が複雑となるとともに、押し棒が細いため再使用可能な耐性強度を確保できない。
【0011】WO95/02365は、片開き式バイポーラ鉗子であり、第1電極は挿入部外側のチューブで、第2電極は前記チューブ内に配置されたロッドで構成されている。従って、挿入部の構造及び操作部における電極の配置の取り方が複雑となる。
【0012】この発明は、前記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、組織の凝固及び切開を切り替えるための機械的な切り替えを行うことなく、操作部の一連の操作によって組織を簡単に凝固、切開でき、操作性に優れた高周波処置具を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明は、前記目的を達成するために、手元側に操作部を有し、先端部に組織の凝固、切開を行うためのジョーを有した高周波処置具において、前記操作部の操作により組織の凝固、切開操作を行える突起部を前記ジョーに設けたことを特徴とする。
【0014】そして、組織の凝固止血等の処置時にジョーによって組織を把持した状態でジョー間に凝固電流を流して組織を凝固させ、また、ジョー間に切開電流を流して組織を切開することができるようにしたものである。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、この発明の各実施の形態を図面に基づいて説明する。図1及び図2は第1の実施形態を示し、図1は内視鏡下手術器械としての高周波処置具の全体構成図である。図1に示すように、高周波処置具としてのバイポーラ鉗子1には患者の体腔内に挿入される細長い挿入部2と、この挿入部2の先端部に配置され、体腔内で生体組織を把持、凝固、切開するための通電可能な処置部3と、挿入部2の基端部に連結された操作部4とが設けられている。
【0016】挿入部2は、回転自在な外シース5を有し、この外シース5の内シース7は操作部4を構成するグリップ6の内部に挿通されている。処置部3には外シース5に内挿された細長いロッド(図示しない)が設けられている。このロッドの先端部には処置部3を構成する電極からなる一対のジョー8a,8bがこれらのジョー8a,8bを拡開させる方向に付勢する弾性部材9a,9bに固定されている。弾性部材9a,9bはばね鋼等によって形成され、その表面は絶縁材によって被覆されている。
【0017】図2に示すように、ジョー8a,8bは閉じたときに互いに噛合する鋸歯状部が形成され、生体組織Aを確実に把持できるように形成されている。ジョー8a,8bの噛合部における幅方向の略中間部には前後方向に亘って突起部としての切開突起10a,10bが一体に設けられている。
【0018】切開突起10a,10bは断面が略V字状で、先端部に鋭角部11及び先端部を挟んで両側部に斜面12を有している。ジョー8a側に設けられた切開突起10aはジョー8aの幅方向の中間部に設けられ、ジョー8b側に設けられた切開突起10bはジョー8bの幅方向の片側に偏倚して設けられている。そして、ジョー8aと8bとを閉じたとき、互いの鋭角部11が当接することなく、切開突起10aと切開突起10bとがラップして右側の斜面12と左側の斜面12が互いに接合するようになっている。
【0019】また、図1に示すように、処置部3のジョー8a,8bと接続する導電部材(図示ない)は挿入部2を構成する外シース5を貫通して操作部4に設けられたコネクタ受け13に接続されている。そして、このコネクタ受け13にはケーブル14を介して高周波焼灼電源装置15に接続され、高周波焼灼電源装置15にはフットスイッチ16が設けられている。
【0020】また、グリップ6には鉗子操作手段としてのトリガー17が設けられている。このトリガー17はグリップ6の上端部に回動ピン18を中心に回動自在に連結されている。さらに、このトリガー17には回動支点の上端部は前記内シース7の基端部に連結されている。
【0021】さらに、グリップ6には術者が親指を掛ける指掛け部6aが設けられ、トリガー17には人差し指と中指を掛ける指掛け部17a,17bが設けられている。そして、トリガー17を矢印a方向に開くと、内シース7が後退し、ジョー8a,8bが開き、トリガー17を矢印b方向に閉じると、内シース7が前進してジョー8a,8bが閉じるようになっている。
【0022】次に、第1の実施形態の作用について説明する。バイポーラ鉗子1のコネクタ受け13にケーブル14を接続し、バイポーラ鉗子1と高周波焼灼電源装置15とを電気的に接続する。初期状態では操作部4のトリガー17を矢印a方向に回動する。この状態では、図1(b)に示すように処置部3の一対の弾性部材9a,9bが内シース7から突出してジョー8a,8bが開いた状態にある。
【0023】そこで、トリガー17の手掛け部17a,17bをグリップ6内の付勢部材のばね力に抗してグリップ6側に引き込み操作することにより、内シース7が軸方向前方へ移動し、内シース7の前進に伴って弾性部材9a,9bが相対的に内シース7内に引き込まれた状態となり、図1(a)に示すように、ジョー8a,8bが閉じる。
【0024】この状態で、バイポーラ鉗子1の挿入部2を患者の体内に挿入され、この挿入部2の先端の処置部3が体内の処置対象の生体組織Aの近傍位置まで誘導する。トリガー17が解放されると、グリップ6内の付勢部材のばね力によって定位置に戻り、弾性部材9a,9bが相対的に内シース7から突出してジョー8a,8bは弾性部材9a,9bの弾性復元力によって開く。
【0025】続いて、拡開したジョー8a,8bの間に生体組織Aを挿入した後、トリガー17の手掛け部17a,17bをグリップ6側に引き込み操作することにより、内シース7が軸方向前方へ移動する。内シース7の前進に伴って弾性部材9a,9bが相対的に内シース7内に引き込まれた状態となり、ジョー8a,8bが閉じ、生体組織Aが図2(a)に示すように、一対のジョー8a,8b間に把持される。
【0026】このとき、ジョー8a,8bには閉じたときに互いに噛合する鋸歯状部に形成され、生体組織Aを確実に把持できる。この状態で、高周波焼灼電源装置15からケーブル14を介してコネクタ受け13に高周波電流が流れ、ジョー8aと8bとの間に凝固電流が流れ、生体組織Aの凝固が行われる。
【0027】続いてトリガー17の手掛け部17a,17bをさらにグリップ6側に引き込み操作することにより、ジョー8a,8bがさらに閉じるとともに、ジョー8aと8bとの間に切開電流が流れ、切開突起10a,10bが接近するが、切開突起10a,10bの互いの鋭角部11が当接することなく、切開突起10aと切開突起10bとがラップして互いの斜面12が接合するため、生体組織Aが図2(b)に示すように、一対のジョー8a,8bによって切開される。
【0028】前記凝固電流は、一般的には生体組織Aのインピーダンスが凝固に伴って上昇すると、図1(c)の破線で示すように、出力が低下する負荷特性を持つモードによる出力であるが、本実施形態においては、図1(c)の実線で示すように、インピーダンスが上昇しても出力が低下しない定電力出力モードにて電力制御を行っている。したがって、短時間に電力が集中でき、生体組織Aの切開ができる。つまり、凝固電流と切開電流との切替え操作を行うことなく、凝固と同時に切開ができる。
【0029】凝固、切開が完了した後、トリガー17を矢印a方向に回動すると、内シース7が後退し、弾性部材9a,9bが弾性復元力によって開き、ジョー8a,8bは生体組織Aから開放される。
【0030】また、生体組織Aを剥離する場合には、トリガー17によってジョー8a,8bを閉じた状態で、生体組織Aの剥離部位にジョー8a,8bの先端部を押し当てた状態で、トリガー17を矢印a方向に回動すると、内シース7が後退してジョー8a,8bは弾性部材9a,9bの弾性復元力によって開くため、このジョー8a,8bの開閉を繰り返すことにより生体組織Aの剥離を行うことができる。
【0031】本実施形態によれば、生体組織Aの把持、凝固、切開及び剥離が1つのバイポーラ鉗子1で行うことができ、手術時にバイポーラ鉗子1の交換を少なくして煩わしさを軽減でき、手術時間の短縮を図ることができ、また、組織の凝固及び切開を切り替えるための機械的な切り替えを行うことなく、操作部4の一連の操作によって組織を簡単に凝固、切開できる。
【0032】図3は第2の実施形態を示し、切開突起10a,10bの先端部をナイフエッジ状に形成し、先端部に鋭角部20及び片側に斜面21を形成し、ジョー8aと8bとを閉じたとき、互いの鋭角部20が当接することなく、切開突起10aと切開突起10bとがラップして右側の斜面21と左側の斜面21が互いに接合するようにしたものである。
【0033】図4は第3の実施形態を示し、一方の切開突起10aの先端部をナイフエッジ状に形成し、先端部に鋭角部20及び片側に斜面21を形成し、他方の切開突起10bの先端部を円弧状部22に形成したものである。そして、ジョー8aと8bとを閉じたとき、鋭角部20と円弧状部22が当接することなく、切開突起10aと切開突起10bとがラップして斜面21と円弧状部22が互いに接合するようにしたものである。
【0034】図5は第4の実施形態を示し、切開突起10a,10bは断面が略V字状で、先端部に鋭角部11及び先端部を挟んで両側部に斜面12を有している。切開突起10aと10bとは互いに対向しており、ジョー8aと8bとを閉じたとき、互いの鋭角部11が当接して組織の切開が行えるようになっている。本実施形態によれば、互いの鋭角部11が当接するため、薄膜等の切開に有効である。
【0035】図6は第5の実施形態を示し、一方の切開突起10aは断面が略V字状で、先端部に鋭角部11及び先端部を挟んで両側部に斜面12を有している。ジョー8bには広角V字状溝23及びこの広角V字状溝23の底部に連続して凹溝24が形成され、広角V字状溝23と凹溝24との間にはエッジ部25が形成されている。そして、ジョー8aと8bとを閉じたとき、一方の切開突起10aの鋭角部11が凹溝24に進入し、両斜面12がエッジ部25に同時に当接して組織の切開が行えるようになっている。
【0036】図7は第6の実施形態を示し、一方の切開突起10aは断面が略V字状で、先端部に鋭角部11及び先端部を挟んで両側部に斜面12を有している。ジョー8bには凹溝26が形成され、凹溝26の縁部にはエッジ部27が形成されている。そして、ジョー8aと8bとを閉じたとき、一方の切開突起10aの鋭角部11が凹溝26に進入し、両斜面12がエッジ部27に同時に当接して組織の切開が行えるようになっている。
【0037】第5及び第6の実施形態によれば、ジョー8bに凹溝24,26を設けることにより、組織との接触面積を少なくでき、電流密度を高めることができる。図8は第7の実施形態を示し、一方の切開突起10aは断面が略V字状で、先端部に鋭角部11及び先端部を挟んで両側部に斜面12を有している。ジョー8bには平坦面28が形成されている。そして、ジョー8aと8bとを閉じたとき、一方の切開突起10aの鋭角部11が平坦面28に当接して組織の切開が行えるようになっている。なお、平坦面28を凸円弧面に形成してもよい。
【0038】前記各実施形態によれば、次のような構成が得られる。
(付記1)挿入部及び挿入部の手元側に操作部を有し、前記挿入部の先端部に組織の凝固、切開を行うためのジョーを有した高周波処置具において、前記操作部の操作により組織の凝固、切開操作を行える突起部を前記ジョーに設けたことを特徴とする高周波処置具。
【0039】(付記2)挿入部及び挿入部の手元側に操作部を有し、前記挿入部の先端部にジョーを有した高周波処置具において、前記操作部の操作により組織の把持、剥離、凝固及び切開が行える突起部をジョーに設けたことを特徴とする高周波処置具。
【0040】(付記3)各ジョーの突起部には斜面を有しており、ジョーを閉じることにより、各斜面の近接または接合して組織を切開できることを特徴とする付記1記載の高周波処置具。
【0041】(付記4)一方のジョーの突起部には斜面を有し、他方の突起部には円弧面を有し、ジョーを閉じることにより、斜面と円弧面が接合して組織を切開できることを特徴とする付記1記載の高周波処置具。
【0042】(付記5)各ジョーの突起部には鋭角部と斜面を有しており、ジョーを閉じることにより、各鋭角部が当接して組織を切開できることを特徴とする付記1記載の高周波処置具。
【0043】(付記6)一方のジョーの突起部には斜面を有し、他方のジョーには凹溝を有し、ジョーを閉じることにより、斜面と凹溝のエッジ部が接触して組織を切開できることを特徴とする付記1記載の高周波処置具。
【0044】(付記7)一方のジョーの突起部には鋭角部を有し、他方のジョーには平坦面または円弧面を有し、ジョーを閉じることにより、鋭角部と平坦面または円弧面が接触して組織を切開できることを特徴とする付記1記載の高周波処置具。
【0045】(付記8)各ジョーの突起部には斜面を有しており、ジョーを閉じ、斜面を近付けることにより、組織を凝固できることを特徴とする付記1記載の高周波処置具。
【0046】付記1によれば、組織の凝固及び切開を切り替えるための機械的な切り替えを行うことなく、操作部の一連の操作によって組織を簡単に凝固、切開できる。付記2によれば、操作部の操作により組織の把持、剥離、凝固及び切開が行える。付記3によれば、組織の凝固と同時に切開突起相互の斜面により組織の切開ができる。
【0047】付記4によれば、組織の凝固と同時に切開突起の斜面と切開突起の円弧面により組織の切開ができる。付記5によれば、組織の凝固と同時に切開突起相互の鋭角部により組織の切開ができ、薄膜等の切開に特に有効である。付記6によれば、組織との接触面積を少なくでき、電流密度を高めることができる。付記7によれば、組織を安定させた状態で切開でき、操作性が向上する。付記8によれば、広範囲の凝固が可能となる。
【0048】図9は第8の実施形態を示し、リンク式の駆動方法からなる処置部を持った高周波処置具を示す。挿入部29の先端部には切開突起30を有したジョー31a,31bが設けられている。ジョー31a,31bは枢支軸32に回動自在に枢支されており、ジョー31a,31bの基端部はリンク33a,33bを介して挿入部29に進退自在に内挿された操作ロッド34と連結されている。
【0049】そして、操作ロッド34を前進させると、ジョー31a,31bが枢支軸32を中心として開き、後退させると、ジョー31a,31bが枢支軸32を中心として閉じるようになっている。
【0050】したがって、生体組織Aを剥離する場合には、ジョー31a,31bを閉じた状態で、生体組織Aの剥離部位にジョー31a,31bの先端部を押し当てた状態で、操作ロッド34を前進させてジョー31a,31bを枢支軸32を中心として開く。再び操作ロッド34を後退してジョー31a,31bを枢支軸32を中心として閉じる、ジョー31a,31bの開閉を繰り返すことにより生体組織Aの剥離を行うことができる。
【0051】図10は第9の実施形態を示し、カム式の処置部を持った高周波処置具を示す。挿入部29の先端部には切開突起30を有し、カム式に開閉するジョー31a,31bが設けられている。ジョー31a,31bは枢支軸32に回動自在に枢支されており、ジョー31a,31bの基端部はカム軸35a,35bが設けられている。一方、挿入部29に進退自在に内挿された操作ロッド36の先端部にはカム板37が設けられ、このカム板37にはカム軸35a,35bに係合するカム溝38a,38bが設けられている。
【0052】そして、操作ロッド36を前進させると、カム軸35a,35bがカム溝38a,38bに案内され、カム軸35aが押し下げられ、カム軸35bが押し上げられてジョー31a,31bが枢支軸32を中心として開き、後退させると、ジョー31a,31bが枢支軸32を中心として閉じるようになっている。
【0053】したがって、生体組織Aを剥離する場合には、ジョー31a,31bを閉じた状態で、生体組織Aの剥離部位にジョー31a,31bの先端部を押し当てた状態で、操作ロッド36を前進させてジョー31a,31bを枢支軸32を中心として開く。再び操作ロッド36を後退してジョー31a,31bを枢支軸32を中心として閉じる、ジョー31a,31bの開閉を繰り返すことにより生体組織Aの剥離を行うことができる。
【0054】なお、第9及び第10の実施形態において、切開突起30による生体組織Aの凝固、切開操作は、基本的に前述した実施形態と同一であるため、説明を省略する。
【0055】図11は第10の実施形態を示し、開腹手術用鉗子を示す。鉗子本体40は基本的には鋏形状で、同一形状の一対の鉗子部材41a,41bは略中間部が枢支軸42によって回動自在に連結されている。一対の鉗子部材41a,41bの先端部にはジョー42a,42bが設けられ、このジョー42a,42bは閉じたときに互いに噛合する鋸歯状部が形成され、生体組織Aを確実に把持できるように形成されている。さらに、ジョー42a,42bの噛合部における幅方向の略中間部には前後方向に亘って突起部としての切開突起43a,43bが一体に設けられている。
【0056】また、一対の鉗子部材41a,41bの基端部には指掛け部44a,44bが設けられ、この指掛け部44a,44bには高周波焼灼電源装置(図示しない)に接続されるケーブル45a,45bが接続されている。
【0057】さらに、一対の鉗子部材41a,41b及び枢支軸42は絶縁部材46によって被覆されており、ジョー42a,42bに設けられた突起部としての切開突起43a,43bのみが絶縁部材46から露出している。
【0058】したがって、術者が指掛け部44a,44bに指を掛け、開閉操作を行うことにより、ジョー42a,42bを開閉して生体組織を把持でき、またジョー42a,42bに設けられた切開突起43a,43bに凝固電流及び切開電流を流すことにより、生体組織の凝固、切開を行うことができる。
【0059】図12は第11の実施形態を示し、挿入部47の先端部にはカム式に開閉するジョー48a,48bが設けられている。ジョー48a,48bの互いに対向する面における幅方向の略中間部には前後方向に亘って突起部としての切開突起49a,49bが一体に設けられている。この切開突起49a,49bは断面が略V字状で、先端部に鋭角部50及び先端部を挟んで両側部に斜面51を有している。
【0060】さらに、前記切開突起49a,49bを除くジョー48a,48bの全面は絶縁層52によって被覆されている。この絶縁層52はテフロンコーティング、絶縁塗装、絶縁チューブによって覆ってもよく、またジョー48a,48b自体を絶縁性セラミックまたは合成樹脂で形成してもよい。
【0061】本実施形態によれば、ジョー48aと48bとを閉じたとき、互いの切開突起49a,49bが接近して生体組織Aを把持でき、ジョー48a,48bに凝固電流を流すことにより、生体組織Aを凝固でき、また切開電流を流すことにより、生体組織Aを切開できる。このとき、切開突起49a,49b以外のジョー48a,48bの全面は絶縁層52によって被覆されているため、切開突起49a,49bに切開電流が集中して切開が容易に行える。
【0062】図13は第12の実施形態を示し、第11の実施形態におけるジョー48a,48aの互いに対向する面における幅方向の両側縁部に切開突起49a,49bに沿って凹凸部を有する絶縁把持部52a,52bを設けたものである。
【0063】本実施形態によれば、凹凸部を有する絶縁把持部52a,52bによって生体組織Aを把持したときに滑るのを防止でき、目的部位を確実に把持できる。図14は第13の実施形態を示し、第11の実施形態におけるジョー48a,48bを先端部に向かって漸次狭幅に形成するとともに、ジョー48a,48bの先端部に同一方向に湾曲してケリータイプとしたものである。
【0064】本実施形態によれば、ジョー48a,48bの先端部が湾曲しているので、生体組織Aの剥離操作の操作性が向上するという効果がある。なお、切開突起49a,49bはジョー48a,48bの先端部の湾曲部分まで設けてもよい。
【0065】図15は第14の実施形態を示し、ジョー54a,54bを導電性の切開突起54と絶縁性の把持部55とに2分割し、導電性の切開突起54に対して絶縁性の把持部55を着脱可能に構成したものである。切開突起54は棒状で、把持部55には切開突起54に係合する係合溝56が設けられている。さらに、切開突起54の基端部には係合穴57aが設けられ、把持部55の基端部には係合穴56に係合する係合部57bが設けられている。
【0066】本実施形態によれば、形状、大きさ等が異なる複数種類の把持部55を用意することにより、ジョー54a,54bの形状、大きさを変えることができ、破損した場合の交換も容易である。さらに、把持部55が湾曲しているので、生体組織Aの剥離操作の操作性が向上するという効果がある。
【0067】図16は第15の実施形態を示し、第12の実施形態におけるジョー48a,48bの切開突起49a,49bの先端側端部に曲面部58を設けたものである。このように曲面部58を設けることにより、生体組織Aの凝固、切開時に、曲面部58では切開突起49a,49bが互いに接触しないため、切開に至らず、凝固のみとなり、切開突起49a,49bの基本部分での凝固・切開される領域59aと曲面部58での凝固のみの領域59bとに区分でき、切開端部からの出血を防止できる。
【0068】前記実施形態によれば、次のような構成が得られる。
(付記9)挿入部及び挿入部の手元側に操作部を有し、前記挿入部の先端部に組織の凝固、切開を行うためのジョーを有した高周波処置具において、前記ジョーの少なくとも一方に、組織の凝固、切開用の突起部を設けるとともに、前記突起部以外のジョーの表面を絶縁材料で形成したことを特徴とする高周波処置具。
【0069】(付記10)ジョーの突起部以外の把持部は絶縁材料で形成されていることを特徴とする付記9記載の高周波処置具。
(付記11)ジョーの把持部は先端部に湾曲部を有していることを特徴とする付記9記載の高周波処置具。
【0070】(付記12)ジョーの把持部は突起部に対して着脱可能であることを特徴とする付記9記載の高周波処置具。
(付記13)ジョーの突起部は、先端部が曲面形状の切開突起であることを特徴とする付記9記載の高周波処置具。
【0071】(付記14)手元側に操作部を有し、先端部に組織の凝固、切開を行うための凝固切開部を有した開腹手術用処置具において、前記操作部の操作により組織の凝固、切開を行える突起部を前記凝固切開部に設けたことを特徴とする開腹手術用処置具。
【0072】付記9、10によれば、突起部以外のジョーの表面が絶縁層によって被覆されているため、突起部に切開電流が集中して切開が容易に行える。付記11によれば、生体組織の剥離操作が容易に行える。付記12によれば、形状、大きさ等が異なる複数種類の把持部を用意することにより、ジョーの形状、大きさを変えることができ、破損した場合の交換も容易である。付記13によれば、凝固・切開される領域と凝固のみの領域とに区分でき、切開端部からの出血を防止できる。付記14によれば、操作部の操作により組織の凝固、切開を行なえる。
【0073】図17〜図19は第16の実施形態を示し、第1の実施形態と同一構成部分は同一番号を付して説明を省略する。図17は内視鏡下手術器械としての高周波処置具の全体構成図である。図17に示すように、高周波処置具としてのバイポーラ鉗子1には患者の体腔内に挿入される細長い挿入部2と、この挿入部2の先端部に配置され、体腔内で生体組織を把持、凝固、切開するための通電可能な処置部3と、挿入部2の基端部に連結された操作部4とが設けられている。
【0074】挿入部2は、回転自在な外シース5を有し、この外シース5の内部の内シース7は操作部4を構成するグリップ6の内部に挿通されている。処置部3には外シース5に内挿された細長いロッド(図示しない)が設けられている。このロッドの先端部には処置部3を構成する電極からなる一対のジョー60a,60bがこれらのジョー60a,60bを拡開させる方向に付勢する弾性部材9a,9bに固定されている。弾性部材9a,9bはばね鋼等によって形成され、その表面は絶縁チューブ61a,61bによって被覆されている。
【0075】図18に示すように、一対のジョー60a,60bのうち、上側のジョー60aは、直径dが0.5〜2.5mm、好ましくは、1〜2mmの針金状の電極で、生体組織Aの凝固と同時に切開を行えるようになっており、下側のジョー60bは平板状で、組織把持面の幅wは約5mmであり、組織把持面の略中央部には上側のジョー60aが嵌合可能な凹溝62が設けられている。
【0076】また、処置部3のジョー60a,60bと接続する導電部材(図示しない)は挿入部2を構成する外シース5を貫通して操作部4に設けられたコネクタ受け13に接続されている。そして、このコネクタ受け13にはケーブル14を介して高周波焼灼電源装置15に接続され、高周波焼灼電源装置15にはフットスイッチ16が設けられている。
【0077】また、グリップ6には鉗子操作手段としてのトリガー17が設けられている。このトリガー17はグリップ6の上端部に回動ピン18を中心に回動自在に連結されている。さらに、このトリガー17には回動支点の上端部は前記内シース7の基端部に連結されている。
【0078】さらに、グリップ6には術者が親指を掛ける指掛け部6aが設けられ、トリガー17には人差し指と中指を掛ける指掛け部17a,17bが設けられている。そして、トリガー17を矢印a方向に開くと、内シース8が後退し、ジョー60a,60bが開き、トリガー17を矢印b方向に閉じると、内シース7が前進してジョー60a,60bが閉じるようになっている。
【0079】次に、第16の実施形態の作用について説明する。バイポーラ鉗子1のコネクタ受け13にケーブル14を接続し、バイポーラ鉗子1と高周波焼灼電源装置15とを電気的に接続する。初期状態では操作部4のトリガー17を矢印a方向に回動する。この状態では、図17(b)に示すように処置部3の一対の弾性部材9a,9bが内シース7から突出してジョー60a,60bが開いた状態にある。
【0080】そこで、トリガー17の手掛け部17a,17bをグリップ6内の付勢部材のばね力に抗してグリップ6側に引き込み操作することにより、内シース7が軸方向前方へ移動し、内シース7の前進に伴って弾性部材9a,9bが相対的に内シース7内に引き込まれた状態となり、図17(a)に示すように、ジョー60a,60bが閉じる。
【0081】この状態で、バイポーラ鉗子1の挿入部2を患者の体内に挿入され、この挿入部2の先端の処置部3が体内の処置対象の生体組織Aの近傍位置まで誘導する。トリガー17が解放されると、グリップ6内の付勢部材のばね力によって定位置に戻り、弾性部材9a,9bが相対的に内シース7から突出してジョー60a,60bは弾性部材9a,9bの弾性復元力によって開く。
【0082】続いて、拡開したジョー60a,60bの間に生体組織Aを挿入した後、トリガー17の手掛け部17a,17bをグリップ6側に引き込み操作することにより、内シース7が軸方向前方へ移動する。内シース7の前進に伴って弾性部材9a,9bが相対的に内シース7内に引き込まれた状態となり、ジョー60a,60bが閉じ、生体組織Aが図19(a)に示すように、一対のジョー60a,60b間に把持される。
【0083】この状態で、高周波焼灼電源装置15からケーブル14を介してコネクタ受け13に高周波電流が流れ、ジョー60aと60bとの間に凝固電流が流れ、生体組織Aの凝固が行われる。
【0084】続いてトリガー17の手掛け部17a,17bをさらにグリップ6側に引き込み操作することにより、ジョー60a,60bがさらに閉じるとともに、ジョー60aと60bとの間に切開電流が流れ、生体組織Aが図19(b)に示すように、一対のジョー60a,60bによって切開される。
【0085】凝固、切開が完了した後、トリガー17を矢印a方向に回動すると、内シース7が後退し、弾性部材9a,9bが弾性復元力によって開き、ジョー60a,60bは生体組織Aから開放される。
【0086】この場合、インピーダンスの変化によって生体組織の凝固が確実に完了したことを判断して切開電流を流すようにしてもよい。すなわち、凝固電流は、図20(a)に示すように、インピーダンスが焼灼に伴って上昇すると、出力が低下する負荷特性を持つモードによる出力であるが、切開電流は、図20(b)に示すように、インピーダンスが上昇しても出力が低下しない定電力出力モードである。図20(c)に示すように、インピーダンス制御では、焼灼の時間経過とともに、一旦下がったインピーダンスが再度上昇する点aで凝固が完了したことをジェネレータが判断することにより、凝固が確実に完了した後に、切開電流を流して生体組織Aを切開できる。つまり、凝固電流と切開電流との切換えを自動的に行うことができる。
【0087】本発明者の実験によれば、各ジョー60a,60bの投影面の面積比は1:10から1:2(上側のジョー60aは、直径が0.5〜2.5mm、下側のジョーは、幅が5mm)の場合、組織を把持した後に高周波発振器の凝固出力を30Wで凝固を行い、その後、切開出力を30Wとして切開を行うことにより組織の凝固、切開を行うことができた。
【0088】図19に示す第16の実施形態は、凝固、切開を1回の把持操作で行っているが、図21に示すように、2回の操作で凝固、切開を行なってもよい。すなわち、トリガー17の手掛け部17a,17bをグリップ6側に引き込み操作することにより、ジョー60a,60bを閉じる。
【0089】この状態で、バイポーラ鉗子1の挿入部2を患者の体内に挿入され、この挿入部2の先端の処置部3が体内の処置対象の生体組織Aの近傍位置まで誘導する。トリガー17が解放されると、グリップ6内の付勢部材のばね力によって定位置に戻り、弾性部材9a,9bが相対的に内シース7から突出してジョー60a,60bは弾性部材9a,9bの弾性復元力によって開く。
【0090】続いて、拡開したジョー60a,60bの間に生体組織Aを挿入した後、トリガー17の手掛け部17a,17bをグリップ6側に引き込み操作することにより、内シース7が軸方向前方へ移動する。内シース7の前進に伴って弾性部材9a,9bが相対的に内シース7内に引き込まれた状態となり、ジョー60a,60bが閉じ、生体組織Aを図21(a)に示すように、一対のジョー60a,60b間に把持する。
【0091】この状態で、高周波焼灼電源装置15からケーブル14を介してコネクタ受け13に高周波電流が流れ、ジョー60aと60bとの間に凝固電流が流れ、生体組織Aの凝固が行われる。ここで、凝固に伴って生体組織Aの変化に応じて、トリガーの17に軽い把持力を加える。
【0092】次に、トリガー17を解放すると、グリップ6内の付勢部材のばね力によって定位置に戻り、弾性部材9a,9bが相対的に内シース7から突出してジョー60a,60bは弾性部材9a,9bの弾性復元力によって開き、図21(b)に示すように、ジョー60a,60bを拡開して生体組織Aから一旦離す。
【0093】続いてトリガー17の手掛け部17a,17bをさらにグリップ6側に引き込み操作することにより、ジョー60a,60bが接触するまで閉じるとともに、ジョー60aと60bとの間に切開電流を流し、生体組織Aが図21(c)に示すように、一対のジョー60a,60bによって切開される。
【0094】凝固、切開が完了した後、トリガー17を矢印a方向に回動すると、内シース7が後退し、弾性部材9a,9bが弾性復元力によって開き、ジョー60a,60bは生体組織Aから開放される。
【0095】図22及び図23は第17の実施形態を示し、第16の実施形態と同一構成部分は同一番号を付して説明を省略する。処置部3を構成する一対のジョー63a,63bのうち、上側のジョー63aを断面が三角形状の針金状の電極とし、下側のジョー63bを平板状で、その把持面にジョー63aと対向する凹溝64を形成するとともに、凹溝64の両側に鋸歯状部65を形成したものであり、他の構成は第16の実施形態と同じである。
【0096】本実施形態においては、上側のジョー63aが鋭利な刃部を有しているため、生体組織Aの切開能力に優れ、トリガー17の操作力量を軽減できるという効果がある。
【0097】図24は第18の実施形態を示し、第16の実施形態と同一構成部分は同一番号を付して説明を省略する。処置部3を構成する一対のジョー66a,66bのうち、上側のジョー66aを断面が三角形状のナイフ形で、鋭利部67を形成するとともに、中央部に肉抜き部68を形成した電極とし、下側のジョー66bを平板状で、その把持面に鋸歯状部65を形成したものであり、他の構成は第16の実施形態と同じである。
【0098】本実施形態においては、上側のジョー66aが鋭利部67を有しているため、生体組織Aの切開能力に優れ、トリガー17の操作力量を軽減できるという効果がある。
【0099】図25は第19の実施形態を示し、第16の実施形態と同一構成部分は同一番号を付して説明を省略する。処置部3を構成する一対のジョー69a,69bのうち、上側のジョー69aを断面が角柱状で、一側部に鋭利部70を形成した電極とし、下側のジョー69bを平板状で、その把持面にジョー69aに対向する凹溝71を形成したものであり、他の構成は第16の実施形態と同じである。
【0100】本実施形態においては、上側のジョー69aが鋭利部70を有しているため、生体組織Aの切開能力に優れ、トリガー17の操作力量を軽減できるという効果がある。
【0101】なお、第17〜第19の実施形態における一対のジョーは、いずれも第16の実施形態と同様に、上側のジョー63a,66a,69aは、電極幅が、1〜2mmの電極で、生体組織Aの凝固と同時に切開を行えるようになっており、下側のジョー63b,66b,69bは平板状で、組織把持面の幅は約5mmであり、1:10から1:2の関係になっている。
【0102】前記実施形態によれば、次のような構成が得られる。
(付記15)挿入部と、前記挿入部の手元側操作部と、前記挿入部の先端側にあって、前記操作部の操作に連動して開閉することにより組織の凝固、切開を行なうための一対の電極を有するジョーと、前記ジョーへ電力を供給する電力供給部とを備えた高周波処置具において、前記ジョーの少なくとも一方に設けた、他方のジョー側に突出した突起部と、前記電力供給部からの電力が、切開出力または凝固出力となるように電力を制御する電力制御部とを設け、組織の凝固と切開の両方の操作を可能にしたことを特徴とする高周波処置具。
【0103】(付記16)挿入部と、前記挿入部の手元側操作部と、前記挿入部の先端側にあって、前記操作部の操作に連動して開閉することにより組織の凝固、切開を行なうための一対の電極を有するジョーとを備えた高周波処置具において、前記組織と接触する前記ジョー部の横断面形状を、一方のジョーは前記組織と面接触し、他方のジョーは前記組織と線接触するように設定したことを特徴とする高周波処置具。
【0104】(付記17)挿入部と、前記挿入部の手元側操作部と、前記挿入部の先端側にあって、前記操作部の操作に連動して開閉することにより組織の凝固、切開を行なうための一対の電極を有するジョーとを備えた高周波処置具において、一対のジョーの各々が、把持した組織と接触する部分の面積の比が、1:10〜1:2の間となるように設定したことを特徴とする高周波処置具。
【0105】(付記18)前記手元側操作部の操作により一対のジョーを閉じたとき、一方のジョーにある突起部と、他方のジョーとが当接することを特徴とする付記15記載の高周波処置具。
【0106】付記15〜18によれば、一対のジョーによって組織の十分な凝固と切開が行なえ、またジョーの構成が簡単軽量で、メンテナンス及び取り扱いが容易であるという効果がある。
【0107】図26及び図27は第20の実施形態を示し、第1の実施形態と同一構成部分は同一番号を付して説明を省略する。図26は内視鏡下手術器械としての高周波処置具の全体構成図である。図26に示すように、高周波処置具としてのバイポーラ鉗子1には患者の体腔内に挿入される細長い挿入部2と、この挿入部2の先端部に配置され、体腔内で生体組織を把持、凝固、切開するための通電可能な処置部3と、挿入部2の基端部に連結された操作部4とが設けられている。
【0108】挿入部2は、回転自在な外シース5を有し、この外シース5の先端部には図27に示すように先端カバー80が取付けられ、この先端カバー80には処置部3を取付けるピン81が設けられている。また、外シース5の内部には基端部が操作部4を構成するグリップ6の内部に挿通され、先端部が処置部3に連結される操作ロッド82が内挿されている。
【0109】操作ロッド82は、断面形状が略半円形状の2本のそれぞれ電気的に独立した電極83a,83bと、断面が略長方形状の絶縁材84及びこれらを覆う絶縁チューブ85とから構成されている。電極83a,83bはピン89によって連結され、電極83a,83bの先端部はピン90を介してリンク86a,86bと連結されている。さらに、このリンク86a,86bは前記ピン81に枢支された一対のジョー8a,8bに連結されている。
【0110】そして、ピン81,89,90は絶縁部材81a,89a,90aによって絶縁されている。また、前記コネクタ受け13はケーブル14を介して高周波焼灼電源装置15に接続され、高周波焼灼電源装置15にはフットスイッチ16が設けられている。
【0111】また、操作部4の固定グリップ87には可動グリップ88が設けられている。可動グリップ88は固定グリップ87の上端部に回動ピン91を中心に回動自在に連結されている。さらに、この可動グリップ88の回動支点の上端部は前記操作ロッド82の基端部に連結されている。さらに、可動グリップ88には術者が親指を掛ける指掛け部88aが設けられ、固定グリップ87には人差し指と中指を掛ける指掛け部87a,87bが設けられている。そして、可動グリップ88を矢印a方向に閉じると、操作ロッド82が後退し、リンク86a,86bを介してジョー8a,8bが閉じ、可動グリップ88を矢印b方向に開くと、操作ロッド82が前進してジョー8a,8bが開くようになっている。
【0112】前記実施形態によれば、次のような構成が得られる。
(付記19)挿入部及び挿入部の手元側に操作部を有し、前記操作部の操作により組織を把持し、把持した組織に高周波通電することのできる一対の把持部材を有し、かつ前記操作部の操作によって前記挿入部内で進退し、前記ジョーの開閉を行なうための1本の駆動軸を有した高周波処置具において、前記1本の駆動軸を電気的に独立した二極に構成したことを特徴とする高周波処置具。
(付記20)前記駆動軸は、断面が半円形状の2本の電極からなり、両電極間に絶縁材が配置されていることを特徴とする付記20記載の高周波処置具。
【0113】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれば、操作部の操作により組織の凝固、切開操作を行える突起部をジョーに設けたことにより、組織の凝固及び切開を切り替えるための機械的な切り替えを行うことなく、操作部の一連の操作によって組織を簡単に凝固、切開でき、操作性に優れた高周波処置具を提供できる。
【出願人】 【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス光学工業株式会社
【出願日】 平成10年(1998)8月27日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦 (外4名)
【公開番号】 特開平11−267132
【公開日】 平成11年(1999)10月5日
【出願番号】 特願平10−241561