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【発明の名称】 三次元画像処理装置
【発明者】 【氏名】望月 剛

【要約】 【課題】超音波三次元画像処理装置等の三次元画像処理装置において、三次元データメモリへの三次元データの書き込みを高速に行う。

【解決手段】三次元データ取込空間104内における各三次元データの座標は、ビーム方向の深さr、ビーム回転角度θ及び走査面の回転角度φで特定される。二次元記憶空間106には、走査面単位で各エコーデータが格納される。その書き込みに当たっては、深さy及びビーム回転角度θから二次元座標x及びyへの座標変換が行われる。二次元記憶空間106から三次元記憶空間102への三次元データの転送に当たっては、二次元座標y及び走査面の回転角度φから三次元座標Y及びZの生成が実行される。この場合において、三次元座標Xは二次元座標xに一致している。したがって、三次元極座標から三次元直交座標への一括座標変換に比べて、2回の二次元座標変換によれば座標変換に関わる演算量を大幅に削減できる。三次元記憶空間102への三次元データの書き込みに先立って、ライン間補間処理及びフレーム間補間処理などが実行される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ビーム走査により走査面を順次形成する手段であって、ビーム方向深さr、走査面内におけるビーム回転角度θ及び走査面の回転角度φで特定される三次元データを取り込む三次元データ取込手段と、前記走査面ごとに前記ビーム方向深さr及び前記ビーム回転角度θを座標変換して二次元座標(x,y)を演算する二次元座標変換手段と、前記三次元データ取込手段から出力される三次元データを走査面単位で順次格納する手段であって、前記二次元座標(x,y)で特定されるアドレスに各三次元データが書き込まれる二次元記憶手段と、前記走査面の回転角度φ及び前記二次元座標(x,y)を座標変換して三次元座標(X,Y,Z)を演算する三次元座標変換手段と、前記二次元記憶手段から順次出力される各走査面の三次元データを格納する手段であって、前記三次元座標(X,Y,Z)で特定されるアドレスに各三次元データが書き込まれる三次元記憶手段と、前記三次元記憶手段から出力される三次元データに基づいて三次元画像を形成する三次元画像形成手段と、を含み、前記三次元座標Xに前記二次元座標xを対応させたことを特徴とする三次元画像処理装置。
【請求項2】 請求項1記載の装置において、前記三次元座標変換手段は、前記三次元座標Xについては前記二次元座標xをそのまま利用することを特徴とする三次元画像処理装置。
【請求項3】 請求項1記載の装置において前記走査面の中心軸が前記二次元座標のy軸と並行になるように前記二次元記憶手段へ各三次元データが書き込まれることを特徴とする三次元画像処理装置。
【請求項4】 請求項3記載の装置において、前記三次元データ取込手段は、送受波素子アレイと、前記送受波素子アレイを電子走査してビーム走査を行わせる手段と、前記送受波素子アレイと並行な仮想回転軸を中心に前記走査面を回転させる手段と、を含むことを特徴とする三次元画像処理装置。
【請求項5】 請求項1記載の装置において、前記走査面の中心軸が前記二次元座標のx軸と並行になるように前記二次元記憶手段へ各三次元データが書き込まれることを特徴とする三次元画像処理装置。
【請求項6】 請求項5記載の装置において、前記三次元データ取込手段は、送受波素子アレイと、前記送受波素子アレイを電子走査してビーム走査を行わせる手段と、前記走査面の中心軸を回転軸として前記走査面を回転させる手段と、を含むことを特徴とする三次元画像処理装置。
【請求項7】 請求項1記載の装置において、走査面内における隣接するビーム間に補間データを生成するビーム間補間手段を有することを特徴とする三次元画像処理装置。
【請求項8】 請求項1記載の装置において、隣接する走査面間に補間データを生成する走査面間補間手段を有することを特徴とする三次元画像処理装置。
【請求項9】 請求項1記載の装置において、前記三次元データは、超音波の送受波により得られる三次元エコーデータであることを特徴とする三次元画像処理装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は三次元画像処理装置に関し、特に三次元データに基づいて三次元画像を構成する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】三次元画像処理装置としては、超音波三次元画像処理装置やX線三次元画像処理装置などの各種の装置が挙げられる。超音波三次元画像処理装置は、三次元エコーデータの取込機能及びそれにより取得された三次元エコーデータの処理機能を有している。具体的には、複数の振動素子からなるアレイ振動子が電子走査されると走査面(二次元データ取込領域)が形成されるが、その走査面を回転(揺動)走査することで、三次元データ取込空間が形成される。その空間を構成する各三次元エコーデータは信号処理回路を経て三次元画像処理回路に送られ、各三次元エコーデータを再構成することにより超音波三次元画像が構成される。このような処理はX線三次元画像処理装置においても同様に行われる。
【0003】ところで、従来の超音波三次元画像処理装置においては、三次元エコーデータ取込空間内の各エコーデータは、当該空間に対応した三次元エコーデータ記憶部にいったん格納される。その際に、各エコーデータについて、超音波ビーム上の深さr、走査面内におけるビームの回転角度θ及び走査面の回転角度φといった三次元極座標を三次元直交座標(X,Y,Z)に変換する座標変換が行われる。つまり、各エコーデータは、後の再構成に備えて三次元直交座標で特定されるアドレスに格納される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、三次元極座標から三次元直交座標への変換に当たっては多くの演算が必要であり、そのような演算量の増大に伴いデータ書き込み時間が遅くなるという問題がある。データ取り込みから画像表示までの時間はできる限り短い方がよく、できればリアルタイムで三次元画像を表示することが望まれる。その一方、高速プロセッサなどを利用してデータの演算時間を削減することも可能であるが、その場合には装置コストが著しく上昇してしまう。
【0005】また、三次元超音波画像の形成に当たっては、ビーム間補間や走査面間補間を行う必要があるが、そのような補間処理を三次元座標空間で行うのは上述同様に演算負荷が大きく、高速化が困難である。
【0006】近年、二次元画像を形成する超音波診断装置に三次元画像形成機能を付加する試みがなされているが、三次元データ処理においても、既存の二次元データ処理機能(例えば二次元の走査変換器)を有効利用できれば装置コストを低減できる。
【0007】なお、上述の問題は、超音波三次元画像処理装置以外の他の三次元画像処理装置においても同様に指摘できる。
【0008】本発明は、上記従来の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、三次元画像処理装置において、三次元データメモリへの三次元データの書き込みを高速に行うことにある。
【0009】本発明の他の目的は、三次元画像処理装置において、三次元データの補間処理を高速に行うことにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明は、ビーム走査により走査面を順次形成する手段であって、ビーム方向深さr、走査面内におけるビーム回転角度θ及び走査面の回転角度φで特定される三次元データを取り込む三次元データ取込手段と、前記走査面ごとに前記ビーム方向深さr及び前記ビーム回転角度θを座標変換して二次元座標(x,y)を演算する二次元座標変換手段と、前記三次元データ取込手段から出力される三次元データを走査面単位で順次格納する手段であって、前記二次元座標(x,y)で特定されるアドレスに各三次元データが書き込まれる二次元記憶手段と、前記走査面の回転角度φ及び前記二次元座標(x,y)を座標変換して三次元座標(X,Y,Z)を演算する三次元座標変換手段と、前記二次元記憶手段から順次出力される各走査面の三次元データを格納する手段であって、前記三次元座標(X,Y,Z)で特定されるアドレスに各三次元データが書き込まれる三次元記憶手段と、前記三次元記憶手段から出力される三次元データに基づいて三次元画像を形成する三次元画像形成手段と、を含み、前記三次元座標Xに前記二次元座標xを対応させたことを特徴とする。
【0011】上記構成によれば、三次元データは、直ぐに三次元記憶手段へ書き込まれるのではなく、走査面単位で二次元記憶手段(中間記憶部)へいったん書き込まれる。その書き込みアドレスは、二次元座標変換手段によって発生される。二次元極座標から二次元直交座標への変換は、三次元極座標から三次元直交座標への変換よりも大幅に演算量が少なく、また、既存の走査変換器(例えばデジタル・スキャン・コンバータ(DSC))の機能を利用して達成することもできる。二次元記憶手段から読み出された三次元エコーデータは、三次元記憶手段へ書き込まれるが、その書き込みアドレスは三次元座標変換手段によって発生される。その座標変換は、二次元直交座標と走査面の回転角度から三次元直交座標を特定するものである。但し、二次元座標xが三次元座標Xに相当するので(必要に応じて線形変換をしてもよい)、実質的に二次元座標から二次元座標への変換を行うことになる。その演算量は上述同様に三次元座標変換よりも大幅に少ない。よって、トータルの演算量を従来の三次元演算よりも削減できる。また、後述の補間演算を行う場合でも、実質的に二次元座標上で補間を行えるのでその面でも高速処理を達成できる。更に、二次元座標変換は既存の装置で行われている処理であり、座標変換を行う部品を共用できる利点もある。
【0012】本発明の好適な態様では、前記走査面の中心軸が前記二次元座標のy軸と並行になるように前記二次元記憶手段へ各三次元データが書き込まれる。この場合、望ましくは、前記三次元データ取込手段は、送受波素子アレイと、前記送受波素子アレイを電子走査してビーム走査を行わせる手段と、前記送受波素子アレイと並行な仮想回転軸を中心に前記走査面を回転させる手段と、を含む。
【0013】本発明の好適な態様では、前記走査面の中心軸が前記二次元座標のx軸と並行になるように前記二次元記憶手段へ各三次元データが書き込まれる。この場合、望ましくは、前記三次元データ取込手段は、送受波素子アレイと、前記送受波素子アレイを電子走査してビーム走査を行わせる手段と、前記走査面の中心軸を回転軸として前記走査面を回転させる手段と、を含む。
【0014】勿論、本発明は、送受波装置(プローブ)に姿勢検出器又は位置検出器などのセンサを設け、それを傾けて走査面を傾斜、回転させるような場合においても適用でき、その場合には、センサからの信号に基づいて各エコーデータの三次元極座標が特定される。
【0015】本発明の好適な態様では、走査面内における隣接するビーム間に補間データを生成するビーム間補間手段を有する。また、本発明の好適な態様では、隣接する走査面間に補間データを生成する走査面間補間手段を有する。本発明の好適な態様では、前記三次元データは、超音波の送受波により得られる三次元エコーデータである。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
【0017】図1には、本発明に係る超音波診断装置の全体構成が示されている。この超音波診断装置は、超音波三次元画像の形成機能を有しており、すなわち超音波三次元画像処理装置に相当するものである。
【0018】図1において、三次元プローブ10は、三次元データ取込用超音波探触子であって、この三次元プローブ10によって超音波の送受波が行われる。具体的には、超音波ビームを走査することによって走査面を形成し、さらにその走査面を回転することにより、三次元エコーデータ取込み領域を形成するための探触子である。ちなみに、超音波ビーム方向の深さがrで示され、超音波ビームを走査することによって形成される走査面がSで示され、超音波ビームの走査角度すなわち回転角度がθで示されている。さらに、走査面の揺動角度すなわち回転角度がφで示されている。
【0019】三次元プローブ10は、この実施形態において、複数の振動素子を直線的にあるいは円弧状に配列して構成される振動子アレイを有する。この振動子アレイは電子走査され、これによって超音波ビームが走査される。その走査方式としては、例えば電子リニア走査方式や電子セクタ走査方式などを採用することができる。アレイ振動子は、例えば、その振動素子の配列方向と直交する方向に揺動される。そのような素子の回転駆動は本実施形態において走査面回転機構12によって実行される。すなわち、この走査面回転機構12によって三次元プローブ10にて形成された走査面が回転されることになる。その場合の回転方式としては各種の方式を適用することができる。例えば図2の(A)に示すように、三次元プローブ10内に設けられたアレイ振動子の素子配列方向を仮想的な回転軸として、三次元プローブ10を回転させるようにしてもよいし、図2(B)に示すように、走査面Sの中心軸100を回転軸として三次元プローブ10を回転させるようにしてもよい。何れにしても、このような三次元プローブ10あるいはアレイ振動子の回転により三次元エコーデータ取込空間が形成される。なお、本実施形態では、機械的な作用によって走査面Sの回転が行われているが、電子的な制御を利用して走査面Sの回転を行わせてもよい。あるいは、三次元プローブ10を手動で回転させてもよい。その場合においては、位置検出センサあるいは姿勢検出センサによって回転角度等を検出するのが望ましい。
【0020】三次元プローブ10には、送信回路14及び受信回路16が接続されている。それらの送信回路14及び受信回路16は送受信制御部18によって制御されている。この送受信制御部18の制御の下、送信回路14から三次元プローブ10へ送信信号が供給され、これによって三次元プローブ10にて超音波の送波が行われる。超音波プローブ10で超音波エコーが受波されると、受信信号が受信回路16に入力され、受信信号に対して増幅や検波などの処理が行われる。送信回路14では送信ビームを形成するため及び送信フォーカスを実行するため、各振動素子に供給する送信信号に対して所定の遅延制御が行われている。これと同様に、受信回路16においても、受信ビームを形成するため及び受信フォーカスを実行するために、各振動素子から出力される受信信号に対して所定の遅延加算制御が行われる。送受信制御部18は、制御部20によって制御されており、具体的には、制御部20から各種のパラメータが入力されている。そのパラメータの中には、ビームの回転角度θの情報が含まれる。また、制御部20は走査面回転機構12を制御しており、具体的には、制御部20から走査面の回転角度φの情報が走査面回転機構12に供給されている。ちなみに、受信信号中に含まれる各エコーデータの深さrは送信からの経過時間によって特定される。
【0021】受信回路16において受信信号が処理されると、これにより超音波ビーム上の各三次元エコーデータ(三次元データ)が時系列順でライン間補間部22に入力される。ライン間補間部22は、本実施形態において、超音波ビーム1本分の三次元データを格納するラインメモリを2つ備えている。そして、走査面S内において、隣接する2つの超音波ビーム間に仮想的に1又は複数の三次元データ(補間ビーム)を生成している。このようなライン間補間処理によって、見かけ上、超音波ビームの本数を増加させることができ、後述する三次元画像における分解能を向上できる。
【0022】ライン間補間部22から出力された三次元データは、走査面単位で二次元メモリ24上に格納される。二次元メモリ24におけるデータの書き込み及び読み出しは二次元メモリ制御部26によって制御されており、その二次元メモリ制御部26は、データ書き込み時において、二次元アドレス発生器28で発生された二次元アドレス(x,y)に相当するメモリアドレスに各三次元データを書き込む制御を行っている。制御部20は、二次元メモリ制御部26を制御すると共に、二次元アドレス発生器28に対して三次元データの深さr及び超音波ビームの回転角度θの情報を提供している。そのr及びθに基づいて二次元アドレス発生器28が二次元座標に相当するアドレス(x,y)を発生している。この二次元メモリ24への三次元データの書き込み制御については後に詳述する。
【0023】二次元メモリ24の後段にはフレーム間補間部30が設けられている。このフレーム間補間部30は、隣接する2つの走査面間に仮想的に1又は複数の走査面を補間演算によって生成する回路である。そのようなフレーム間補間演算を行わせるため、本実施形態においては、二次元メモリ24が2つ設けられているが、図1においてはそれが図示省略されている。なお、そのようなフレーム間補間処理を行わない場合には、必ずしも二次元メモリ24を2つ設ける必要はなく、1つ設ければ十分である。
【0024】なお、フレーム間補間処理後の三次元データを再び二次元メモリ24へ格納する処理などを行ってもよい。すなわちライン間補間やフレーム間補間は本実施形態において少なくとも三次元メモリ32への三次元データ格納前に行われていればよく、図1に示す構成例は一例である。
【0025】三次元メモリ32には三次元エコーデータ取込空間内の全ての三次元データが格納される。その格納概念が図3に示されている。図3において、三次元記憶空間102は、三次元メモリの記憶空間に相当するものである。その三次元記憶空間102内には、三次元データ取込空間104を構成する多数の三次元データが格納される。従来においても、図3に示すように各三次元エコーデータが三次元記憶空間102内に格納されていたが、本実施形態においてはその格納に先立って二次元メモリ24への三次元データの格納が行われており、これについては後に詳述する。
【0026】図1に戻って、三次元メモリ制御部34は、三次元メモリ32への三次元データの書き込み及び読み出しを制御する手段である。データの書き込みに当たっては、三次元アドレス発生器36で発生された三次元アドレス(X,Y,Z)で特定されるメモリアドレスに各三次元データが書き込まれる。
【0027】制御部20は三次元メモリ制御部34を制御すると共に、三次元アドレス発生器36に対して走査面の回転角度φの情報を提供している。また、三次元アドレス発生器36には、二次元アドレス発生器28で発生された二次元アドレス(x,y)が提供されている。三次元アドレス発生器36は、それらの情報x,y,φに基づいて、上述のように三次元アドレス(X,Y,Z)を算出している。ただし、本実施形態では、三次元座標Xが実質的に二次元座標xに相当しており、すなわちXに関しては実質的に座標変換は行われない。このような三次元座標と二次元座標との対応関係により、二次元メモリ24への中間的な格納とあいまって、後述のように三次元座標変換に係る演算処理量を大幅に削減することが可能となる。
【0028】図1に示す実施形態では、三次元アドレス発生器36に対して二次元アドレス発生器28から二次元座標xが供給されているが、その二次元座標xの情報を各三次元データのヘッダーとして付加することにより、三次元アドレス発生器36に供給するようにしてもよい。
【0029】三次元画像形成部38は、三次元メモリ32に格納された各三次元データに基づいて、三次元超音波画像を再構成する手段であり、その再構成に当たっては公知の各種の手法を適用することができる。それにより形成された超音波三次元画像は表示器40に表示される。
【0030】次に、本発明に係るデータ書き込み処理の概念について図4及び図5を用いて説明する。図4は、図2(A)に示した走査方式を行った場合におけるデータの書き込み概念を示しており、図5は、図2(B)に示した方式を適用した場合におけるデータの書き込み概念を示している。
【0031】図4において、三次元記憶空間102は、上述したように三次元メモリ32における記憶空間に相当する。その三次元記憶空間102内には三次元データ取込み空間104内の各三次元データが最終的に格納される。それに先立って、三次元データは、上記のように二次元メモリ24に格納され、その二次元メモリ24の記憶空間が二次元記憶空間106として示されている。この二次元記憶空間106には、各走査面単位で三次元データが格納される。すなわち走査面Sを構成する各三次元データが二次元記憶空間106上に格納される。各走査面内において各三次元データは深さrとビーム走査角度θとで特定されており、それらに基づいて二次元記憶空間106上における二次元座標(x,y)が演算される。すなわち、二次元極座標から二次元直交座標への座標変換が実行される。図4においては、二次元記憶空間106において水平方向がxで表され、垂直方向がyで表されている。その垂直方向のy軸と各走査面sの中心軸100は並行に設定されている。
【0032】二次元記憶空間106上に走査面S内の全ての三次元データが格納されると、その後、各三次元データはラスタースキャンによって読み出され、三次元記憶空間102上の対応アドレスに転送される。この場合、上述したように三次元アドレス発生器36において、二次元座標(x,y)及び走査面の回転角度φから三次元座標(X,Y,Z)が生成される。ただし、上述したように、三次元記憶空間102におけるXは二次元記憶空間106におけるxに一致しており、このような対応関係により、三次元座標の発生に当たっては、二次元座標y及び走査面の回転角度θから三次元座標y及びzを変換する処理のみが実行される。すなわち、この座標変換に当たっては、実質的に二次元変換の演算が行われ、従来のように三次元変換を行う必要はない。
【0033】上述のように、二次元記憶空間106には走査面単位で各三次元エコーデータが書き込まれ、二次元記憶空間106から三次元記憶空間102への転送も走査面単位で実行される。その場合には、上述したように、水平方向及び垂直方向に三次元データを順次読み出すラスタースキャンが実行される。そのラスタースキャンを各走査面ごとに実行すれば、結果として、三次元記憶空間102内に全ての走査面の三次元データを格納することができ、すなわち三次元データ取込空間104内の全てのエコーデータを三次元記憶空間102内に格納することが可能となる。
【0034】したがって、図1に示した三次元メモリ32には従来同様に三次元データが格納されるものの、それに先立って二次元メモリ24を有効に活用して二次元座標上での座標変換が前処理として行われているので、結果として、三次元極座標から三次元直交座標への一括変換に比べて、座標変換に係る演算量を大幅に削減することが可能になる。さらに、三次元メモリ32上に三次元データを格納した後にライン間補間やフレーム間補間を行うとその演算量が極めて増大するが、本実施形態によれば、受信回路16の後段においてライン間補間処理を実行し、さらに二次元メモリ24への格納後においてフレーム間補間を実行し、その後に三次元メモリへの三次元データの格納を行っているので、補間演算にかかる演算量を削減できるという利点がある。ちなみに、図4に示したy及びφからY及びZへの変換は、ycosφ及びysinφを実行すればよい。
【0035】二次元断層画像等を表示する従来の超音波診断装置においてもフレームメモリとして二次元メモリが用いられており、その際にr及びθからx及びyへの変換が行われている。したがって、本実施形態の装置はそのような既存の走査変換手段をそのまま利用してその後段に三次元メモリ32等の構成を付加することによって容易に実現可能である。したがって、既存の回路を有効利用して装置コストを低減できるという利点もある。
【0036】図5には、図2(B)に示した方式を適用した場合における三次元データの格納概念が示されている。基本的な原理は図4に示したものと同様であるが、この図5に示した格納方式では、走査面Sの中心軸100が二次元記憶空間106Aにおけるx方向と並行になるように走査面S内の各三次元データが書き込まれている。二次元記憶空間106Aにおけるxは、三次元記憶空間102AにおけるXに一致しており、その意味において両者間における座標変換は不要である。これは図4に示した実施形態と同様である。
【0037】二次元記憶空間106A上には、走査面単位で三次元データが格納され、その格納に当たっては、深さr及びビーム回転角度θから二次元座標x及びyが決定される。つまり、その二次元座標(x,y)で特定されるアドレスに各三次元データが書き込まれる。1つの走査面内における全ての三次元データの書き込みが完了すると、上述したように水平方向又は垂直方向のラスタースキャンが実行され、各エコーデータは三次元記憶空間102A上における対応座標へ転送される。その場合、図4に示した実施形態と同様、二次元座標y及び走査面の回転角度φから三次元座標Y及びZを生成する座標変換が実行される。ちなみに、上述したように二次元座標xは三次元座標Xに相当している。
【0038】したがって、図5に示すような方式を適用しても、2回の二次元座標変換を介して最終的に三次元記憶空間102Aへの三次元データの書き込みを行なうことができ、従来よりも大幅に演算量を削減することができる。
【0039】図6には、図1に示したフレーム間補間部30の構成例が示されている。このフレーム間補間部30は、例えば隣接する2つの走査面S1及びS2の間に6つの補間走査面P1〜P6を生成する回路であり、図6に示すように、段階的に複数の加算器41〜47が接続されている。各加算器41〜47の後段には1/2除算器51〜57が設けられている。
【0040】このようなフレーム間補間部30を設けることにより、補間処理において三次元座標を意識することなく従来同様の二次元座標上で補間処理を行うことができ、三次元メモリ32の格納の際に補間データも一緒に格納させることができる。
【0041】以上説明したように、本実施形態に係る装置によれば、走査面の回転軸を二次元記憶空間106上におけるx軸方向に設定し、そのx軸と三次元記憶空間におけるX軸とを一致させたので、2回の二次元変換を利用して、従来よりも演算量を削減し、その結果、迅速な画像処理を達成することができる。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、三次元画像処理装置において三次元データメモリへの三次元データの書き込みを高速に行なうことができる。また、本発明によれば、三次元データの補間処理を高速に行なうことができる。
【出願人】 【識別番号】390029791
【氏名又は名称】アロカ株式会社
【出願日】 平成10年(1998)3月20日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 研二 (外2名)
【公開番号】 特開平11−267126
【公開日】 平成11年(1999)10月5日
【出願番号】 特願平10−71774