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【発明の名称】 三次元再構成のための像再構成方法
【発明者】 【氏名】カール バルト

【氏名】カール ウィーゼント

【要約】 【課題】コンピュータトモグラフィのための像再構成方法を、畳み込みの加速、またそれによって平面検出器を有する1つのC形湾曲体装置の際の迅速な像発生が行われるように最適化する。

【解決手段】種々の方向のもとにピラミッド状または円錐状のX線放射束により測定領域7を透視するため変位可能な保持装置14、15に支えられているX線放射器12および平面検出器4を有し、平面検出器4から供給された信号から像再構成をするための計算機18が設けられているX線装置、特にコンピュータトモグラフの検出器データからの三次元再構成のための像再構成方法において、対象物3の三次元の部分体積の再構成がフィルタリング付き逆投影により行われ、零コンポーネントの外側の畳み込みコアのコンポーネント構成要素が指数関数に相当する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 種々の方向のもとにピラミッド状または円錐状のX線放射束により測定領域(7)を透視するために変位可能な保持装置(14、15)に支えられているX線放射器(12)および平面検出器(4)を有し、平面検出器(4)から供給された信号から像再構成をするための計算機(18)が設けられているX線装置、特にコンピュータトモグラフの検出器データからの三次元再構成のための像再構成方法において、対象物(3)の三次元の部分体積の再構成がフィルタリング付き逆投影により行われ、零コンポーネントの外側の畳み込みコアのコンポーネントが指数関数に相当することを特徴とする三次元再構成のための像再構成方法。
【請求項2】 フィルタリングが再帰形フィルタにより実現されていることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】 フィルタリングが、両側からの入力データが次数1の再帰形フィルタリングを受け、結果の和が2倍にされた原データから差し引かれることにより実現されていることを特徴とする請求項1または2記載の方法。
【請求項4】 フィルタリングのために任意の次数の再帰形フィルタが使用されることを特徴とする請求項1ないし3の1つに記載の方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は三次元再構成のための像再構成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】コンピュータトモグラフィは医用技術および材料検査の分野で広く普及している方法である。二次元の実施例ではたとえばX線源から出発して種々の位置から対象物の断層が透視される。減弱された強度は次いで対象物の後で一次元の検出器アレイにより測定され、ディスプレイ形態で計算機に供給される。透視された対象物断層のなかの減弱値の分布が次いで数学的再構成方法により計算機で求められる。最も広く普及している方法はフィルタ付き逆投影である。その一般的形態でそれは下記のステップにより特徴付けられる。
1.測定値の前処理(重み付け)
2.測定値の畳み込み(=フィルタリング)
3.畳み込まれたデータの重み付け4.逆投影5.結果のスケーリング【0003】高い計算能力を必要とし、従って時間臨界的なのはその際になかんずく畳み込みおよび逆投影である。
【0004】畳み込みを省略すると、詳細を認識し得ない非常に不明確な像、いわゆるレイヤーグラム(Layergram )が生ずる。
【0005】一般に離散的な畳み込みは下記の式により記述される。
【数1】

ここで、x(n)は測定値の列を示し、h(n)はいわゆる畳み込みコアであり、結果y(n)は畳み込まれた(フィルタされた)データである。
【0006】畳み込み結果の値y(n)はそれによってすべての入力値x(n)の重み付けされた和である。測定値セットx(n)は実際には有限の多く(一般にN)の値から成っているので、上記の式は有限の和に減ずる。個々の畳み込まれた値を計算するためにはこうして一般にNの乗算およびNの加算が必要である。使用される畳み込みコアh(n)においてMのコンポーネントのみが零からずれており、M<Nであれば、このことは計算費用の一層の低減に通ずる。フィルタされた値y(n)の計算のためにその場合には最大Mの乗算および加算のみが必要である。
【0007】コンピュータトモグラフィで通常使用されるコアは完全な長さすなわちM=2N−1を有する。算術的演算の数はこうしてN、測定値領域x(n)の長さにより決定される。これらのコアはいわゆるランプフィルタから導き出されるバリアントである。2つの最もよく知られているコアはRamachandranおよびLakshminarayananのコアおよびSheppおよびLoganのコアである。
【0008】使用されるCTコアは通常下記の特性を有する。
1.対称性、すなわちh(n)=h(−n)。従って、たとえばそれぞれ中央コンポーネントh(0)および右半分h(n)、ここでn=1,2,…,のみを示せば十分である。
2.直流成分がないこと、すなわちすべてのコアコンポーネントの和が零であること。これは、フーリエ空間のなかでランプフィルタH(s)が零点で消滅する事実に相当する。
3.中央コンポーネントh(0)が単一の正のコンポーネントであり、すべての他のコンポーネントは負または零である。続いてすべての再構成結果のスケーリングが行われるので、畳み込みコアは一般性の制限なしに、中央コンポーネントが値h(0)=1を有するように正規化され得る。n→∞に対してコアコンポーネントの絶対値は零に向かう。
【0009】位置空間のなかでの上記の畳み込みはフーリエ空間のなかでのコンポーネントごとの乗算に等価である。特定のコア長さから、また完全な長さのコアを使用する際には、フィルタリングを乗算的にフーリエ空間のなかで実行すること、すなわち2回速いフーリエ変換(FET)を、その間に非常に効率のよい乗算的なフィルタリングを応用することが数値的に有効であり得る。
【数2】FET(往): x(n)→X(s)
Y(s)=X(s)・H(s)
FET(復): T(s)→y(n)
【0010】零と異なるコンポーネントh(n)の数Mが測定領域の長さNよりも明らかに小さいならば、このことは位置空間バリアントの際にのみ計算労力を減少させ、フーリエ方法の際には計算労力を減少させない。
【0011】医用工学における傾向は可能なかぎり短い時間中に全体積の測定および再構成を行うことにある。これは一次元検出器アレイの代わりに平面検出器を使用することにより行われる。回転アンギオグラフィの測定データからの体積再構成も可能である。図1はこのような装置の原理的な構成を示す。このような装置は、ただ1つの平らな扇状部分が絞られる断層像トモグラフよりもはるかに良好にX線放射を利用する。この発明に対する実施例としてこのようなアンギオグラフィ装置(C形湾曲体装置)が役に立つ。
【0012】X線源1はその際に対象物3の周りの円弧2の上を走る。その際に対象物3のそれぞれ全部分体積が透視される。対象物3の後の減弱された強度は平面検出器4、たいていX線像増幅器(RBV)により測定される。この形式のジオメトリに対してFeldkamp,LA、David LCおよびKress JW著「実際的なコーン‐ビーム‐アルゴリズム」(刊行物「J.Opt.Soc.Am」1、第1612頁〜第1619頁、1984年)は効率的な近似的な三次元再構成アルゴリズムを提案している。このアルゴリズムはタイプによってフィルタされた逆投影でもあり、また強く上記の二次元アルゴリズムに類似している。特にFeldkampアルゴリズムの際には平面検出器の測定値のフィルタリングは二次元で行われずに、行ごとにのみ、すなわち1列の検出器を有する古典的な断層像トモグラフィの際のように一次元で行われる。最初の段落で畳み込みについて述べたことはすべて不変に有効にとどまる。X線源1から出発するピラミッド状のX線放射束のうち扇状部分5のみが、平面検出器4に1列の検出器要素から成る検出器列6のみが示されている。
【0013】このようなC形湾曲体装置に対する典型的なデータはそれぞれ1024×1024個の測定値を有する約50の投影である。Feldkampアルゴリズムの際にはそれによって50000を越える一次元の畳み込みがそのつどの長さN=1024の測定値領域x(n)にわたって生ずる。たとえばSheppおよびLoganのCTコアのような完全な長さの標準的なCTコアを使用する際には、これは多くの応用、たとえば介入の間の使用に対して禁止的な長い計算時間に通ずる異常な計算労力である。
【0014】多くの実際的な場合には対象物3は検出器よりも幅が広い、すなわち再構成すべきVOI(関心のある体積)は確かにそれぞれX線放射路のなかにあるが、対象物断面積全体はそのなかにない。図2はこの事実を示す。ここで測定領域は参照符号7を付されている。測定値プロフィルはその場合にもはや縁において零に向かって減少する図3のような形態を有しておらずに、それは図4に示されているような跳躍個所を有する。これらの不自然な跳躍個所は、広げられたコアを使用する際にすべてのデータy(n)に伝搬する測定データx(n)のなかの誤り個所である。理論的にはこのような断片的な投影から正確な再構成は可能でない。しかし実際にはそれにもかかわらず使用可能な結果が得られる。主として、この問題に取り組む2つの方法が知られている。
測定値の外挿ローカルな畳み込みコアへの移行【0015】ローカルなコアの極端な例は、二重微分に相当するいわゆるラプラスコアである。
【数3】h(0)=1h(1)=h(−1)=−1/2h(n)=0 その他【0016】このコアを使用すると、元の対象物f(x)ではなく、モディファイされた分布λf(x)が再構成される。これは、f(x)のように、等しい縁を有し、それらは一層高められているが、もはや均一な範囲のなかの真の値に関して情報を与えない。対象物がたとえば均一な円筒であれば、再構成された値は中央で、図5aに概要を示されているように、垂れ下がる。たとえばSheppおよびLoganコアを有する通常のCT再構成と比較して、短いラプラスコアにより強められてノイズが像中心のなかに伝達される。この効果を緩和するため、この微分コアの平滑化されたバリアントもたとえば次のように使用される。
…,0,−1/4,−1/4,1−1/4,−1/4,0,…または…,0,−1/6,−1/3,1−1/3,−1/6,0,…【0017】畳み込みを省略すると、図5bに示されているようなプロフィルを有する前記のレイヤーグラム、が生ずる。数学的な理由からレイヤーグラムはλ-1とも呼ばれる。畳み込みの省略は「h(0)=1」および「h(n)=0 その他」により定義されているいわゆるユニットコアによる畳み込みと等価である。ユニットコアは、すべてのコンポーネントにわたる和が例であるというCTコアの典型的な特性を有していない。図5cには均一な円筒の正確に再構成されたプロフィルが示されている。
【0018】これらの両方のバリアントからの線形組み合わせは一般的なλ再構成と呼ばれる。数学的な理論はケンナン T.スミスおよびF.カイナート著「コンピュータトモグラフィの数学的基礎」(刊行物「Appl.Optics」第24巻、第23号、1985年12月1日、第3950〜3957頁)に基づく。基本アイディアは、元の均一な対象物範囲のなかの重み付けされた重なりのなかで両方の個別バリアントの凹および凸の特性が少なくとも部分的に補償され、それにもかかわらず縁情報は保たれていることである。
【0019】別の可能性は、完全な長さの標準CTコア、たとえばSheppおよびLoganコアを零点に対して対称にそれぞれL<Nコンポーネントの後で切断し、選択的に残留するコンポーネントを零への移行が滑らかに行われるようにモディファイすることである。
【0020】ここではっきり述べておくべきこととして、再構成の目的はX線減弱係数の可能なかぎり正確な計算ではなく、医師に対する有意義な情報の表示である。従って医学コンピュータトモグラフィでは課題に応じて種々の畳み込みコアが使用される。回転アンギオグラフィからのデータの三次元再構成の際には大事なのは微細かつ高コントラストな血管ツリーおよび血管異常の表示である。図6はコア最適化のためのテンションフィールド(Spannungsfeld )(畳み込み最適化の範囲)を示す。目標量は1.結果の質、および従属的に2.数値的効率である。
【0021】長さM≪Nの短いコアは下記の特性を有する:1.それらはそれらの作用がローカルである、すなわち切断された投影の際のような場合によっては起こり得る擾乱個所の作用がローカルにとどまる。
2.それらは数値的に効率的である。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、コンピュータトモグラフィのための像再構成方法を、畳み込みの加速、それによって平面検出器を有するC形湾曲体装置の際の迅速な像発生が行われるように最適化することである。
【0023】
【課題を解決するための手段】この課題は、本発明によれば、対象物の三次元の部分体積の再構成がフィルタリング付き逆投影により行われ、零コンポーネントの外側の畳み込みコアのコンポーネントが指数関数に相当することにより解決される。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、図7に示されている実施例により本発明を一層詳細に説明する。
【0025】図7には患者9が横たわっている寝台8が示され、この寝台8は台架10により検査室の天井11に吊るされている。寝台8は本来のC形湾曲体装置から独立して、たとえば検査室の床の上に取付けられていてもよい。X線像を作り上げるためX線放射器12および平面検出器4が設けられている。X線放射器12および平面検出器4は台座15に変位可能に支持されているC形支持枠に固定されている。像再現は吊下げモニター16上で行われる。三次元の像を発生するための体積データは、X線放射器12および平面検出器4が対称軸線17の周りを回転されるときに、取得される。
【0026】平面検出器4はたとえば、それぞれ受信された放射強度に相当する出力信号をディジタル化して選ばれた体積を再構成する計算機18に供給する検出器要素のマトリックスから成っている。
【0027】提案されるのは、フィルタとしてその係数が中央コンポーネントの外側で大きさに関して指数関数のように振る舞うフィルタを用いるCT再構成である。
【0028】例は下記の係数を有するフィルタh(k)である。
【数4】h(0)=1h(1)=−(1−a)/2h(k)=h(1)・ak-1k>1に対して、及びh(k)=h(−k) k<0に対して【0029】パラメータaはその際に自由に間隔〔0,1〕から選ばれ得る。それは結果を最適化するための役割をする。このフィルタはa<1に対してすべて第1セクションで述べたCTコアの特性を有する。特にすべての係数の和は零である。
【0030】a=0に対してラプラスフィルタは…0,−1/2,1,−1/2,…を、従って純粋なλ再構成を生ずる。
【0031】限界の場合a=1に対してはユニットコア…0,1,0,…が、従ってレイヤーグラムが得られる。
【0032】フィルタは確かに完全な長さを有するが、指数関数的に、従って最後に非常に速く零に向かって低下する。SheppおよびLoganの標準フィルタ(たとえばハインツ モルネブルグ著「医学診断用の像発生システム」Publicis MCD出版、1995を参照)はそれに対して1/k2 によってのみ低下する。指数関数フィルタはそれによって特定のローカル特性を有する。aの変更により、どのように速く中央部分の値が低下すべきか、たとえばSheppおよびLoganのフィルタよりも速く低下すべきか、または最初はより遅く低下すべきか、が制御され得る。図8および図9による図にはそれぞれaの種々の占有(Belegung) に対する最初の10の値があげられている。各行の最初の数は通し見出しであり、SheppーLoganコアおよびパラメータaに属するそのつどの指数関数フィルタのそのつどのコンポーネントの大きさにより続かれている。両方の最後の段は両方のコアへの部分和、すなわち最初の見出しから現在の見出しまでのそのつどのコンポーネントの和を含んでいる。中央コンポーネントの1への正規化および対称性のゆえに0.5に向かっての収束は零和特性に等価である。
【0033】回転アンギオグラフィにより測定された患者データから血管ツリーを再構成する際にはこのような指数関数コアにより、完全な長さのSheppおよびLoganコアの像質に相当し、またはこれを越える像質が達成され得る。
【0034】再帰型フィルタは通信技術でよく知られている。それらは本性的にそれらの作用が強く非対称である。しかし、フィルタリングを左から右へ(上昇)かつ右から左へ(低下)行い、両方の結果を平均化することによって、対称化が達成される。
【0035】以下には、上に定義された指数関数フィルタによる畳み込みの結果が、原データから次数1の平均化された再帰型フィルタリングの結果を差し引くことによっても得られることを示す。
【0036】次数1の再帰型フィルタは規則は次の数5により定義されている。
【数5】y(n)=a・y(n−1)+b・x(n)
【0037】これは次の数6に書き換えられ得る。
【数6】

【0038】上昇方向の結果に対してu(n)を、また低下方向の結果に対してv(n)を書くことにより、次の数7が得られる。
【数7】

【0039】これはh(0)=2・(1−b)およびh(i)=−b・ai により定義される対称なコアを用いての通常の畳み込みの結果と同一である。
【0040】中央コンポーネントを1に正規化し、b=1−aとおくと、上述したフィルタクラスが得られる。
【0041】再帰型フィルタリングは数値的に非常に効率的である。たとえば値u(n)を計算するため、乗算および加算のみが必要である。広げられた指数関数コアを用いての畳み込みを通常のように実行しようとしたとすれば、値y(n)を計算するために、第1セクションで説明したように、Nの乗算および加算が必要であったであろうが、再帰型フィルタリングを介しての実現の際にはただ2つの乗算および3つの加算が必要である。
【0042】すなわち、広げられた指数関数コアを用いての畳み込みが、短いラプラスコアを用いての畳み込みと等しい効率で実現され得る。
【0043】実施例では回転アンギオグラフィはN=1024であり、新しい方法によりオーダーとして100倍の畳み込みの加速を生ずる。
【0044】本発明による方法は説明された実施例では計算機18でソフトウェアにより実現されている。このことは特に再帰型フィルタに対して当てはまる。しかしこれはハードウェアによっても実現され得る。
【0045】データ取得は図7と結び付けて、すなわちC形湾曲体装置と結び付けて説明されている。X線放射器および平面検出器に対する保持リングを有する通常のコンピュータトモグラフも応用可能である。
【出願人】 【識別番号】390039413
【氏名又は名称】シーメンス アクチエンゲゼルシヤフト
【氏名又は名称原語表記】SIEMENS AKTIENGESELLSCHAFT
【出願日】 平成11年(1999)1月25日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】山口 巖
【公開番号】 特開平11−267117
【公開日】 平成11年(1999)10月5日
【出願番号】 特願平11−16010