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【発明の名称】 脈管系の液体の流れを特徴づける量を決定する方法
【発明者】 【氏名】ヨハネス ルードビカス マリア マリヌス

【氏名】パウラス アントニウス コルネリウス ファン ドンゲン

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 その部分が入口管、貯蔵部及び出口管から構成されていると考えることが出来る脈管系のある部分内の液体の流れを特徴づける量を決定する方法であって、前記方法が、放射を透過させることによりサブトラクション像を得るために脈管系の当該部分を装置内に配置する工程、前記入口管に放射吸収造影剤を導入する工程、前記造影剤と混合された前記液体が前記入口管から前記貯蔵部を介して前記出口管に流れる間に一連のサブトラクション像を形成させる工程、及び前記造影剤の変位による連続するサブトラクション像の放射線密度TDの差から前記流れを特徴づける前記量を導出する工程を有している方法において、前記一連のサブトラクション像の内のnおよびn+1番目の連続するサブトラクション像に対し、TDg(n)をn番目のサブトラクション像の領域gの全放射線密度とし、ΔTDres(n)をΔTDres(n)=TDres(n+1)−TDres(n) (3)と定義した場合に、前記貯蔵部に隣接する前記入口管の部分と前記貯蔵部に隣接する前記出口管の部分とが、式ΔTDres(n)=TDin(n)−TDex(n+1) (2)を満足する(ここで、添字res、in および exは、各々、前記貯蔵部、前記入口管の当該部分、および前記出口管の当該部分を示す)様に、決定されることを特徴とする方法。
【請求項2】 TDinおよびTDexを決定する工程が、a) x軸及びy軸を有し、当該管が前記貯蔵部に移行する点にその原点が位置し、そのx軸が当該管の軸に一致しかつ前記貯蔵部から離れる方向に向いていて、前記y軸が前記管の軸に垂直でかつ前記サブトラクション像の面に平行に延在している、座標系を選択し、b) 前記貯蔵部に隣接しかつ当該管が延在する選択領域内の各ピクセルの局所的な放射線密度R(x,y)を決定し、c) 前記n番目のサブトラクション像に対しその表面が、【数1】

に等しい局所的密度曲線R=u(y)より下の表面ATDP(ここで、y1およびy2は、当該管の境界の外側に位置している)を、x=iの異なった値に対し決定し、d) 長さvを有する管の部分に対して、この部分によって囲まれている全放射線密度TDを、式【数2】

から決定し、e) 前記式(2)を満足するvinおよびvexが得られるまで前記入口管及び出口管に対してd)で行われた加算処理の上限vを階段状にインクリメントさせる、各工程を有している事を特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】 前記式(2)を満足する前記入口管及び前記出口管の前記部分を決定する工程が、a) x軸及びy軸を有し、当該管が前記貯蔵部に移行する点にその原点が位置し、そのx軸が当該管の軸に一致しかつ前記貯蔵部から離れる方向に向いていて、前記y軸が前記管の軸に垂直でかつ前記サブトラクション像の面に平行に延在している、座標系を選択し、b) 前記貯蔵部に隣接しかつ当該管が伸びている選択された領域内の各ピクセルの局所的な放射線密度R(x,y)を決定し、c) 前記n番目のサブトラクション像に対しその表面が、【数3】

に等しい局所的密度曲線R=u(y)より下の表面ATDP(ここで、y1およびy2は、当該管の境界の外側に位置している)を、x=iの異なった値に対し決定し、d) 前記貯蔵部に隣接しかつ長さdinおよび体積vを有する前記入口管の部分と、前記貯蔵部に隣接しかつ長さdexおよび体積vexを有する前記出口管の部分とを、vin=vexとなるように決定し、e) v=vin=vexおよびd=dinおよびd=dexとして、式【数4】

から、前記入口管及び前記出口管の前記選択された部分に対して、単位体積当りの前記平均放射線密度MTDin(n)及びMTDex(n+1)を決定し、f) 前記入口管の単位体積当りの前記平均放射線密度MTDin(n)および前記出口管のそれMTDex(n+1)とΔTDres(n)とから、ΔTDres(n)=f(n){MTDin(n)−MTDex(n+1)} (7)が満足されるように、ファクタf(n)を決定する、各工程を有している事を特徴とする請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、その部分が入口管、貯蔵部及び出口管から構成されていると考えることが出来るある脈管系の部分内の液体の流れを特徴づける量を決定する方法であって、前記方法が、放射を透過させることによりサブトラクション像を得るために脈管系の当該部分を装置内に配置する工程、前記入口管に放射吸収造影剤を導入する工程、前記造影剤と混合された前記液体が前記入口管から前記貯蔵部を介して前記出口管に流れる間に一連のサブトラクション像を形成する工程、及び前記造影剤の変位による連続するサブトラクション像の放射線密度TDの相違から前記流れを特徴づける前記量を導出する工程を有している方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えばヨーロッパ特許公開公報第96,941号には、透過する放射(この場合はX線)によってサブトラクション像を作る方法及び装置が、記載されている。放射は被検査物体を透過し、X線けい光増倍管によって、可視像、すなわちいわゆるX線像に変換される。この像は透過X線を示す。ここで使用されている減算技術によると、「造影剤がある」X線像が「造影剤の無い」X線像から減算(subtract)される。減算が実行される前に両方のX線像の対数が取られる。この様にして、対数微分像つまりサブトラクション像が得られる。このサブトラクション像の各ピクセルの密度は、(両方のX線像の)ピクセル上に投影される照射された被検査物体の基本体積内に存在する造影剤の量に比例する。原理的には当該密度から他の様々な値(例えば局所的造影剤濃度及び管の局所的照射厚さ)を計算することが出来る。この密度は放射線密度と呼ばれる。
【0003】この種の方法は、"Radiology" 161(1986) P.P.323-328 により知られている。この既知の方法においては、血管の中央部分が貯蔵部を構成し、それの近位の部分が入口管を構成しそれの遠位の部分が出口管を構成している。一連のサブトラクション像内のn及びn+1番目の2枚の連続するサブトラクション像を考察することにより、一番目の像nに於てその血管の中央部分の全放射線密度を計算することが出来る。二番目の像n+1に於ては、その全放射線密度が像nにおいて測定された値に等しい、遠位の部分に隣接する中央部分のある部分を捜すことが出来る。その部分の長さは中央部分の長さよりも短い。その長さの差は、2枚のX線像n及びn+1が形成される(これらの像からサブトラクション像n及びn+1が形成される)間の経過時間Δtに液体(血液)が移動する距離である。一番目の像nに於て造影剤が既に遠位の部分にまで侵入してしまっている場合には、期間Δtの間に中央部分から遠位の部分に流れ込んでしまった造影材料の量、つまり放射線密度、について補正がなされなければならい。前記文献はどの様にしてこれを補正する事が出来るかと言う点を開示している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この既知の方法は、その使用が限られる。何故ならば貯蔵部は一本の分岐していない血管の部分により構成されていなければならないからである。貯蔵部が、一端で一本の入口管につながっていて他端で一本の出口管につながっている分岐血管により形成されているような器官からの流れおよびそれへの流れを測定することは出来ない。この既知の方法の第二の欠点は、それが貯蔵部の造影材料の濃度が勾配を示す場合にしか使用することが出来ないことである。
【0005】本発明の目的は、放射線密度の空間変化および時間変化を考察しかつ貯蔵部の管の分岐状況または性質に関しまたは貯蔵部の造影材料の分布に関し特別な制限を課さない、前述したタイプの方法を提案することにある。にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的達成に対する本発明の方法の特徴は、前記一連のサブトラクション像の内のnおよびn+1番目の連続するサブトラクション像に対し、TDg(n)をn番目のサブトラクション像の領域gの全放射線密度とし、ΔTDres(n)をΔTDres(n)=TDres(n+1)−TDres(n) (3)と定義した場合に、前記貯蔵部に隣接する前記入口管の部分と前記貯蔵部に隣接する前記出口管の部分とが、式ΔTDres(n)=TDin(n)−TDex(n+1) (2)を満足する(ここで、添字res、in および exは、各々、前記貯蔵部、前記入口管の当該部分、および前記出口管の当該部分を示す)様に、決定する点にある。
【0007】本発明の方法は、放射線密度(造影材料の量)の位置依存変数(TD)および時間依存変数(ΔTD)を用いている。貯蔵部の全放射線密度の変化ΔTDresが決まるので、放射線密度、言い替えれば造影材料が貯蔵部内でどの様に分布しているかと言う事は重要なことではない。この結果、貯蔵部内の管の配置は、例えば検査される脈管系を含む体の動きによって、2枚のX線像の形成の間にそれが変化する場合ですら、影響を与えない。
【0008】
【実施例】図1に線図的に示される装置は、高電圧発生器1から電力が供給されかつX線けい光増倍管5に照射されるX線ビーム7を形成することが出来るX線管3を有し、人間又は動物の様な被測定体9を当該ビーム中に配置させることが出来る。既知のインジェクタ11(例えば、USP 4,006,736)を用いて、一定量のX線吸収造影剤を被測定体の脈管系の適切な場所に注入させる事が出来る。
【0009】X線ビーム7が被測定体9を照射し、その後、透過放射線がX線けい光増倍管5に入射し、その増倍管がその出力端に被測定体に存在する構造の可視像を発生させる(例えば、USP 4,536,790 参照)。この像を以後X線像と呼ぶ。撮像管13によって、X線像はビデオ信号に変換され、これは増幅器15による増幅の後、アナログ・デジタル・コンバータ17によってデジタル信号に変換される。X線像の各ピクセルのビデオレベルは、被測定体の基本体積を透過した、このピクセルに照射される放射線の量によって決まる。次いで、そのデジタル信号は、対数微分像の形成のために処理ユニット19で処理される。この処理では、造影剤の注入前に作られた被測定体のX線像が、造影剤の注入後につくられたX線像から、両方のX線像を微分した後に、減算される。これらの対数微分像(以後サブトラクション像と呼ぶ)は、被測定体9の他の構造からの影響を受けずに造影剤によって満たされている管のみを実質上示している。何故ならば、この影響は両方のX線像に同じ程度存在しているので、減算後には消滅しているからである。
【0010】サブトラクション像と元のX線像は、例えば第一ディスプレイユニット21のディスプレイスクリーン上に表示させることが出来る。ここまでに記載された装置は既知である。詳細については、例えばEPA 0,096,941を参照されたい。ここまでに記載された減算技術も又公知である(例えば、USP 4,456,926参照)。
【0011】前述の装置を用いて、造影剤の注入前、中、及び後に、脈管系またはその一部での造影剤の進行状況が見えるX線像を次々と即座に作ることが出来る。同様に、一連のサブトラクション像を造影材料の進行状況が被測定体の他の構造による影響無しに見えるように形成することが出来る。各サブトラクション像は、(造影剤により満たされている他のいかなる構造も、当該ピクセルには投影されていないとすると)その密度が管に局所的に存在している造影材料の量に依存する数多くのピクセルから構成されている。この事は図2を参照して後に説明される。
【0012】図2の参照番号a及びbは、血管23の構造を示す2種類の表示であり、参照番号cはディスプレイユニット21のディスプレイスクリーン上に表示することの出来る血管と同じもののX線像である。aの場合、血管23の投影は、そのX軸が血管の軸と一致している直交座標系のXY面に示される。bの場合にはXZ面の投影面が示される。X線ビーム7が(図1参照)Z軸方向にある場合、造影剤の注入後、造影剤により部分的に満たされている血管23のX-Y面のX線の投影面が、cで示されるようにディスプレイユニット21のディスプレイスクリーン上に得られる。このX線像においては、参照番号25によって示される造影剤が存在する領域が見える。次いで、造影剤の無いX線像と造影剤のあるX線像の間の対数微分を取ることによってサブトラクション像が形成される。Lambert-Beer則に基づくと、この様にして形成された減算画像の各ピクセルの密度は、造影剤があるX線像を検知した時点に於ける血管内に局所的に存在している造影材料の量に正比例する。この密度を、以後、放射線密度と呼ぶ。そしてこれは特に濃度像分析技術に使用される。濃度分析方法の例は数多く文献に記載されている。これ以降に示す方法は、サブトラクション画像の各ピクセル毎に即座に連続して決めることが出来、その結果造影剤の進行状態が検討出来る放射線密度を根拠にしている。
【0013】放射線密度と造影剤の局所的な量との線形関係を乱す現象は数多く文献に示されている。しかしながら、これらの現象に対し、補正を行って線形関係を回復させることは可能である。例えば、1986年 Plenum Publishing Corporation 刊 J.G. Kereiakes, S. R. Thomas 及び C. G. Orton (Eds.) 著の "Digital Radiography" の第5章には、数多くの乱れとそれに関連する補正が記載されている。
【0014】造影剤の流れが搬送液の流れを示していると仮定した場合、管の中の液体の流れを測定する方法は、基本的には2種類知られている。第1の方法では、時間依存情報(管の照射される厚さが一定であるとした場合の所定の場所での時間の函数としての放射線密度、つまり造影剤の濃度の変化)が使用される。他方の方法においては場所に依存する情報(規定の時点での放射線密度の場所による変化)が使用される。この両者の方法の数多くの例が文献に示されている。"Radiology"161 の第323頁から328頁の文献は、第2番目の方法の例を示している。
【0015】しかしながら、処理ユニット19によって供給される情報を適切に使用するためには、この2つの方法を適切な方法で結合させることが望ましい。この目的のために図1に線図的に示されている装置も又、処理ユニット19によって処理される、少なくとも2個の連続するX線像(サブトラクション像)のピクセルの放射線密度をストアするメモリユニット27を有し、又、後に詳細に説明される数多くの計算を実行するのに適している演算装置29を有している。これらの計算の結果は第二のディスプレイユニット31によって再現させることが出来る。このユニットは必要に応じて第一のディスプレイユニット21と結合させて一つのユニットを形成するようにすることもできる。この代わりに本装置によって得られる情報を更に次の処理またはストアするために別の装置(図示せず)に与える様にすることも出来ることは明らかであろう。メモリユニット27は常に処理ユニット19に接続させておく必要が無いことも明らかであろう。処理ユニット19から供給される情報がメモリユニット27に直接又は別の記録担体(図示せず)を介してストアされると、メモリユニットは演算装置29と(場合によっては第二ディスプレイユニット31も)共に独立して動作することが可能となり、これ以外の装置の部分が再び次の測定に入ることが可能となる。
【0016】次の考察によって、演算装置29により実行される計算が理解できるであろう。
【0017】脈管系(例えば、人間または動物の脈管系)は、液体(例えば、血液)が流れる管のネットワークからなる。インジェクタ11によりこの脈管系に注入される造影剤はこの液体と混合されて脈管系に拡がる。いくつかの領域においては、貯蔵部と呼ばれる中間領域を有する入口管と出口管とを区別することが可能な脈管系の部分を考えることが可能である。この貯蔵部においては管を任意な方法で、分岐させることが出来る。しかしそれを、近位の部分を入口管とし、遠位の部分を出口管とした1本の管の中央部分とすることも出来る。これの代りに、入口管及び/又は出口管が、ほぼ同じ方向に延びていて、かつそれらは一緒になって1本の管を形成するとみなすことが出来る様なかなり単純な構造を構成している、2本以上の管により構成しても良い。貯蔵部の造影剤の量を2つの時点で決める場合には、これらの2つの量の差は、これらの2つの時点の間に入口管を介して貯蔵部に流れ込んだ量と同じ期間の間に出口管を介して貯蔵部から流れ出た量との間の差に等しくなければならない。本発明は、脈管系のその様な部分での流れを特徴づける因子を決めるためにこの事実を認識したことによっている。
【0018】図3は、上記の条件を満足する脈管系の一部を示している。入口管は参照数字33により示され、出口管は参照数字35により示されていて、貯蔵部は参照番号37により示されている。液体は矢印39及び41で示されるように左から右へ流れる。造影剤は入口管33にまたはそれより上流の位置で注入され、その後一連のX線像又はサブトラクション像が図1に示される装置によって形成される。この処理の間造影剤が混合された液体は入口管から貯蔵部37を介して出口管35に流れる。これらの像はメモリユニット27にストアされる。そのシリーズのn番目及びn+1番目の2枚の連続したX線像が形成される時間の間、かなりの量の液体が入口管33から貯蔵部37に流れ込む。この量は、n番目の像が形成されるとき貯蔵部37に接している入口管33の部分に位置する液体柱43である。同じ時間に同じ量の液体が貯蔵部37から出口管35に流れる。この量は、n+1番目の像が形成されるとき貯蔵部37と隣接する出口管35の部分に存在する液体柱45を形成する。貯蔵部37の造影剤の量の変化は造影剤の流入する量及び流出する量の差に等しくなければならない。同じ事が造影剤の量に比例する放射線密度にも適用されることは明らかであろう。
【0019】図1の処理ユニット19によって供給されるような対数サブトラクション像においては、各ピクセルにおける放射線密度Rは造影剤の局所的な量に比例している。n番目の像で興味のある所定領域gにおいて測定される全放射線密度は、【数5】

のように定義される。ここでR(x,y,n)はサブトラクション像nにおける座標(x,y)を有するピクセルの局所的な放射線密度であり、加算は領域gの全てのピクセルについて行われる。
【0020】貯蔵部37の全放射線密度が2枚のサブトラクション像n及びn+1で決められる場合には、これらの値の差は流入及び流出する放射線密度の差、つまり、ΔTDres(n)=TDin(n)−TDex(n+1) (2)に等しくなければならない。
【0021】ここでres, in及びexは、貯蔵部37、貯蔵部に隣接し流入する液体柱43を含む入口管33の部分、及び貯蔵部に隣接し流出液体柱45を含む出口管35の部分を示す。更にΔTDres(n) は、ΔTDres(n)=TDres(n+1)−TDres(n) (3)の様に定義される。
【0022】貯蔵部37の寸法は一定であって、TDresは単純に領域47における局所的な放射線密度Rを加算することにより決定することが出来、これは破線によって示されていて、貯蔵部よりわずかに大きい。入口管33及び出口管35の考察されるべき部分の軸方向の寸法は予め決まってはいない。そしてこれらは式(2)を満足する様に決定されなければならない。この2本の各々がその幅全体について充分に考察される様に、放射線密度は、管に沿って横方向に延びていてかつ貯蔵部37に隣接する領域について考察される。これらの領域は図3において破線で示されており、入口管33と関する領域は参照数字49により示され、出口管35に関する領域は参照数字51によって示されている。TDin(n)及びTDex(n+1)の値が式(2)を満足するようになるまで、貯蔵部37に隣接する領域49及び51の増大するより大きな部分の全放射線密度が、演算装置29によって決定される。従って、この方法により(液体柱43及び45の)放射線密度の空間分布及び(貯蔵部37の)局所的分布の時間変化が考慮される。
【0023】TDin(n)及びTDex(n+1)を決めるためには、例えば次のような方法を用いることが出来る。
【0024】先ず第一に、入口管33と出口管35に対して座標系を、x軸及びy軸、及び当該管が貯蔵部に移行する点に位置する原点について選択する。x軸は当該管の軸に一致し(従ってもし管が1個以上の曲がりを示すならば、それを曲げる事が出来る)、かつ貯蔵部37から離れる方向に向いていて、y軸は管の軸に垂直でかつサブトラクション像の面に平行に伸びている。図3においてこれらの座標系は入口管33に対して参照番号53、出口管35に対して55で示されている。放射線密度Rが、貯蔵部37から所定距離離れた場所でyの函数としてプロットされると、x=iに対しては図4に示される局所的密度曲線R(i,y,n)=U(y)が得られる。この図において考察される領域49または51の境界は、参照記号y1およびy2によって示されている。管の外側では放射線密度はゼロとみなされ、そしてそれは軸方向で管の壁から徐々に増大する。iの異なった値に対し演算装置29は局所的密度曲線より下の表面ATDPを決定する:【数6】

それ故、これは、軸に垂直の領域x=iでのディスク形状領域の全放射線密度である。貯蔵部37に隣接し長さvの管の部分に対しては、この部分に含まれる全放射線密度TDは次式から決められる。
【数7】

【0025】貯蔵部の全密度TDresが異なっている2枚のn番目及びn+1番目の像毎に、TDin(vin, n) およびTDex(vex, n+1)が前述した方法で決められる。階段状にvin及びvexをインクリメントさせることによって、vin及びvexに対して究極的に与えられる値が式(2)を満足するように見い出す事が出来る。単位時間当りに貯蔵部に流入する液体の量と流出する液体の量とは等しいので、vin及びvexは常に、考察されている入口管及び出口管の体積が等しくなるように選択されなければならない。それ故、2本の管の直径が等しい場合は、vinはvexに等しくなる。直径が等しくない場合には、各段階で体積に同じ量が加えられる様に各繰り返し段階で補正を行わなければならない。これは式(5)における加算処理の上限の各階段状の増加量を、当該管の局所的体積により重みづけされなければならない事を意味する。その結果、各ATDPは式(5)の総計に部分的にしか関与しない。vin及びvexに対する結果の値は異なるであろうが、液柱43および45の体積は等しくなるであろう。
【0026】管の局所的体積を概算することが出来る場合には、上記補正を用いることが出来る。この体積は管の局所的断面積とピクセルの軸寸法の積により近似することが出来る。これらの局所的寸法は、管が造影剤によって一様に満たされている場合には、例えば像に見い出される局所的ATDPによって概算することが出来る。これに適した方法は "Medical Physics" Vol. 8, No. 5 (1981), P.P. 652-658に記載されている。
【0027】見い出された値vin及びvexを像n及びn+1を作る間の時間Δtで割る事によって、管33及び35の平均流量率が見い出される。液柱43及び45の内の一方の概算された体積をΔtで割ることによって体積流量が見いだされる。この方法は貯蔵部37の密度が異なっている、連続するサブトラクション像の如何なる対にも用いることが出来る。それ故、この方法は既に処理されたX線像の各々のサブトラクション像の対を処理することに基づいている。この方法で一連のサブトラクション像全体を取り扱うことによって時間の函数としての流量率もしくは体積流量が得られる。
【0028】如何なる時点においても造影材料が管(入口管33及び/又は出口管35)の所定の長さについて一様に分布していると言う仮定に基づく第二の方法を用いることも可能である。この仮定される単位体積当りの一定量は、長さdを有する管の予め決められた体積V内の実際の量の平均値から計算することが出来る。式(5)によってこの体積の全放射線密度TD(d,n)は次の式に等しくなる。
【数8】

単位体積当りの平均密度MTD(n)は次のようになる。
【数9】

【0029】各々考察されている入口管33及び出口管35の長さdin及びdexは、Vin=VexであってかつMTDin(n)及びMTDex(n+1)が次いで式(6)によって計算されるとき、式(2)がΔTDres(n)=f(n){MTDin(n)−MTDex(n+1)} (7)となるように、選択される。
【0030】ここでf(n)は、造影剤(又は放射線密度)の量を維持する法則を満足する必要がある、「体積」次元を有する係数である。それ故、式(2)を満足させるために、f(n)が式(7)を満足するように選択されなければならない。Δt(2枚の画面発生の間に経過する時間)によって割ったf(n)の値は、体積流量Q(n)(例えばm/secで)を直接与える。この体積流量を管の局所的断面積(これは第一の方法に関して述べた方法でエスティメートすることが出来る)で割ると、局所的流量率c(n)が得られる。
【0031】各々の像の対に関する値Q(n)及び/又はc(n)がこの様に一連のサブトラクション像の全ての像の対に対して決められると、時間の函数Q(t)またはc(t)として体積流量及び/または流量率の変化の適切な近似が得られる。
【0032】それ故、第二の方法によって体積流量Q(t)または流量率c(t)を決めるために、演算装置29は前述した計算を実行するのに適したものでなければならない。これらの計算は、例えば、適切にプログラムされたマイクロプロセッサーが実行することが出来る基本的な計算である。
【0033】本発明の方法の今までの説明においては、脈管系の血液の流れについて述べた。この方法は、他の如何なる脈管系、例えばダクトのネットワーク、に於ける流れを考察する場合も、そのシステムが1本の入口管、貯蔵部及び1本の出口管のみから構成されると考えることの出来る部分を有するシステムであれば、同様に適応することが出来ることは明らかであろう。
【0034】X線の使用に加えて、例えば超音波のような適切な造影剤によって吸収される他の透過放射も又サブトラクション像を作るのに使用することが出来る。
【出願人】 【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips Electronics N.V.
【住所又は居所原語表記】Groenewoudseweg 1,5621 BA Eindhoven, The Netherlands
【出願日】 平成1年(1989)8月2日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】沢田 雅男
【公開番号】 特開平11−267116
【公開日】 平成11年(1999)10月5日
【出願番号】 特願平10−367745