| 【発明の名称】 |
磁気共鳴スペクトロスコピ―・イメ―ジング方法及び装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】ラルフ・イー・ハード
【氏名】ナパポン・セイラスタ
【氏名】ジェイムズ・エス・トロップ
【氏名】パトリック・エル・ル・ル
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| 【要約】 |
【課題】プロトン磁気共鳴スペクトロスコピーにおける化学シフト誤差を減少させる。
【解決手段】PRESSのような領域励起パルス・シーケンスと極めて高い選択性の領域外飽和パルスとを印加して、領域を、励起シーケンスに関連した位置ずれ誤差の存在しない関心領域に制限する。結果として得られる領域は、極めて高い選択性の飽和パルスの極く微小な化学シフト位置ずれによってのみ限定されるものとなる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 化学シフト誤差を減少させる磁気共鳴スペクトロスコピー・イメージング方法であって、(a)磁場内にイメージング対象の物体を置く工程と、(b)関心領域より外側の周波数に対して極めて高い選択性の領域外飽和パルスを印加し、これにより該関心領域より外側からの信号のあらゆる後続の発生を抑制する工程と、(c)前記関心領域が、すべての所望の化学シフト周波数に共通の通過帯域により励起されるように、前記関心領域よりも大きなスライス又は領域を選択的に励起するパルス・シーケンスを印加する工程と、(d)化学シフト不感受性の関心領域から信号を検出する工程と、を備えている磁気共鳴スペクトロスコピー・イメージング方法。 【請求項2】 前記関心領域は、1次元又は多次元の位相符号化により更に分解される請求項1に記載の磁気共鳴スペクトロスコピー・イメージング方法。 【請求項3】 前記関心領域は、位相符号化及び周波数符号化により更に分解される請求項1に記載の磁気共鳴スペクトロスコピー・イメージング方法。 【請求項4】 前記工程(c)は、ポイント分解スペクトロスコピー(PRESS)を含んでいる請求項1に記載の磁気共鳴スペクトロスコピー・イメージング方法。 【請求項5】 前記工程(c)は、誘導エコー取得モード(STEAM)を含んでいる請求項1に記載の磁気共鳴スペクトロスコピー・イメージング方法。 【請求項6】 前記工程(c)は、1次元スライス選択を含んでいる請求項1に記載の磁気共鳴スペクトロスコピー・イメージング方法。 【請求項7】 前記工程(c)は、2次元スライス選択を含んでいる請求項1に記載の磁気共鳴スペクトロスコピー・イメージング方法。 【請求項8】 前記工程(b)は、(i)所望のパルス・プロファイルを示すデータdes(ω)を入力する工程と、(ii)初期重み関数W(ω)を算出する工程と、(iii )重み付き最小平均自乗法と、前記所望のパルス・プロファイルdes(ω)と、前記初期重み関数W(ω)とを用いて、一組のSLR多項式を算出する工程と、(iv)算出された前記SLR多項式を用いて逆SRL変換を実行することにより、RFパルス包絡線R(t)を発生させる工程と、を含んでいる請求項2に記載の磁気共鳴スペクトロスコピー・イメージング方法。 【請求項9】 前記工程(c)は、(i)所望のパルス・プロファイルを示すデータdes(ω)を入力する工程と、(ii)初期重み関数W(ω)を算出する工程と、(iii )重み付き最小平均自乗法と、前記所望のパルス・プロファイルdes(ω)と、前記初期重み関数W(ω)とを用いて、一組のSLR多項式を算出する工程と、(iv)算出された前記SLR多項式を用いて逆SRL変換を実行することにより、RFパルス包絡線R(t)を発生させる工程と、を含んでいる請求項1に記載の磁気共鳴スペクトロスコピー・イメージング方法。 【請求項10】 前記工程(c)は、ポイント分解スペクトロスコピー(PRESS)を含んでいる請求項2に記載の磁気共鳴スペクトロスコピー・イメージング方法。 【請求項11】 前記工程(c)は、誘導エコー取得モード(STEAM)を含んでいる請求項2に記載の磁気共鳴スペクトロスコピー・イメージング方法。 【請求項12】 前記工程(c)は、1次元スライス選択を含んでいる請求項2に記載の磁気共鳴スペクトロスコピー・イメージング方法。 【請求項13】 前記工程(c)は、2次元スライス選択を含んでいる請求項2に記載の磁気共鳴スペクトロスコピー・イメージング方法。 【請求項14】 前記工程(c)は、ポイント分解スペクトロスコピー(PRESS)を含んでいる請求項3に記載の磁気共鳴スペクトロスコピー・イメージング方法。 【請求項15】 前記工程(c)は、誘導エコー収集モード(STEAM)を含んでいる請求項3に記載の磁気共鳴スペクトロスコピー・イメージング方法。 【請求項16】 前記工程(c)は、1次元スライス選択を含んでいる請求項3に記載の磁気共鳴スペクトロスコピー・イメージング方法。 【請求項17】 前記工程(c)は、2次元スライス選択を含んでいる請求項3に記載の磁気共鳴スペクトロスコピー・イメージング方法。 【請求項18】 化学シフト誤差を減少させる磁気共鳴スペクトロスコピー・イメージング装置であって、(a)磁場内にイメージング対象の物体を載置させる手段と、(b)関心領域より外側の周波数に対して極めて高い選択性の領域外飽和パルスを印加し、これにより該関心領域より外側からの信号のあらゆる後続の発生を抑制する手段と、(c)前記関心領域が、すべての所望の化学シフト周波数に共通の通過帯域により励起されるように、前記関心領域よりも大きなスライス又は領域を選択的に励起するパルス・シーケンスを印加する手段と、(d)化学シフト不感受性の関心領域から信号を検出する手段と、を備えている磁気共鳴スペクトロスコピー・イメージング装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は一般的には、磁気共鳴スペクトロスコピーに関し、より具体的には、化学シフト誤差が減少したボリューム・スペクトロスコピーに関する。 【0002】 【従来の技術】ボリューム局在化磁気共鳴スペクトロスコピーは、脳内の拡散的化学変化をもたらす異常の検出に特に有用なルーチン的な臨床ツールとなっている。関心領域(volume of interest)内のスピンを直接励起して、3次元の選択を実現する手法としては、誘導エコーの利用及びカー・パーセル(Carr-Purcell)エコーの利用を含めて様々なものが知られている。これらの手法は、1回の走査で局在化されたスペクトルを取得するものである。例えば、ポイント分解スペクトロスコピー(PRESS:point resolved spectroscopy ;米国特許第4,480,228を参照されたい。)は、各々が周波数選択性である3つのパルス・シーケンスを用いている。 【0003】プロトン磁気共鳴スペクトロスコピー・イメージング(MRSI)の多くの重要な臨床的応用は、限定された励起領域の位相エンコーディング(pahase encoding) に基づいている。典型的には、領域の励起は、PRESSを用いて行われており、この方法は、2重のスピン・エコーの形態で3つの直交するスライスを利用して、特定の関心領域を選択している。残念なことに、この手法の1つの弱点は、化学シフト周波数の範囲(1.5Tにおいてプロトンの場合で200Hzを上回る)が、殆どの励起パルス(1000Hz〜2000Hz)の限定された帯域幅に対して小さいものではないということである。その結果、送信器の周波数以外の周波数では化学シフト周波数のために関心領域の位置ずれ(misregistration )が起こる。このことを図1に示す。化学シフト誤差は、RFプロファイルの遷移帯域部分(f)によって励起される信号について最大の難点を生ずる。関心のある化学シフト周波数と共通の通過帯域の部分(c)を除いては、各々の共鳴が異なって励起されてしまう。従って、PRESS領域をMRSIによって分解すると、化学レベルが組織レベル、すなわちT1及びT2に依存するばかりでなく、関心領域内での位置にも依存することになる。唯一の例外は、共通通過帯域[RF通過帯域(a)−化学シフト誤差(d)」の限度内にある場合である。遷移帯域内では、誤差の大きさは化学シフト誤差及び遷移帯域の形状に依存する。評価尺度(figure of merit )の1つに、遷移帯域の90%にわたる所望の化学シフトの両極における励起の差、すなわち、最大誤差=(化学シフト帯域幅)×(遷移帯域の傾き)がある。これは、遷移帯域が比較的直線的であり、また励起がピーク値の5%から95%まで増大する範囲の遷移帯域を傾斜が表しているものと仮定している。これらの値は、PRESSで用いられる90°励起については40%を上回り、再収束(リフォーカシング)パルスについては60%を上回る可能性がある。 【0004】MRSIの限局的(focal )応用での組織レベル及びピーク比の測定における空間依存的な変化の不確定性を減少させるためには、選択度百分率(これは[通過帯域/(通過帯域+遷移帯域)]×100として定義される)を最大化すると共に、化学シフト誤差百分率(これは[化学シフト帯域幅/有効RF帯域幅」×100として定義される)を最小化することが重要である。典型的な臨床用スキャナの0.2ガウス程度のB1 磁場では、1.5Tにおいて3.4ppmの化学シフト範囲について、選択度を59%よりも高くすると共に化学シフト誤差を20%未満として、PRESSに要求される再集束パルスを設計することは困難である。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】限局的(focal) MRSI応用における選択度は、遷移帯域幅及び化学シフトの両方によって制限されるので、実際の選択度を、MRSI選択度百分率=[(通過帯域−化学シフト誤差)/(通過帯域+遷移帯域+化学シフト誤差)]×100として定義すると便利である。この定義によれば、上述のような典型的な選択度は、再集束パルスの場合には僅か46%に留まり、典型的な90°励起の場合には約52%となる。選択度が50%未満である場合には、この選択度部分より外側で分解されるボクセルは、無視するか、又は励起プロファイルについて補正するかしなければならない。しかしながら、最終的には、これらの補正及び付随する仮定を回避するために、限局的MRSI選択度を向上させることが好ましい。 【0006】米国特許第5,537,039号では、事実上この問題を取り扱っていて、位相符号化周波数を歪ませてスライス選択の位置ずれを整合させている。これは、各々の位相符号化増分に対して、展開時間符号化(evolution time encoding )を加えることにより達成されている。スペクトロスコピー・イメージング用としての短所の可能性としては、展開時間符号化が結合スピンに対して及ぼす影響、及び関心領域より外側の脂質等の大信号を励起してしまうことによる影響がある。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明によれば、PRESSのような領域励起を、極めて高い選択性の領域外(out of volume) 飽和パルスと組み合わせて、関心領域より外側からの信号を抑制すると共に、この領域内での化学シフト誤差を最小化する。関心領域の両側で極めて高い選択性の飽和帯域を用いることにより、関心のある位置/周波数帯域より外側でのPRESS励起及びこれに付随する化学シフトが除去される。次いで、関心領域から信号が検出される。 【0008】本発明、並びに本発明の目的及び特徴は、図面と併せて以下の詳細な記載及び特許請求の範囲からより容易に明らかとなろう。 【0009】 【発明の実施の形態】ここで、図面について説明する。図2(A)は、MRIシステムのコイル装置を部分的に断面で示す斜視図であり、図2(B)〜図2(D)は、図2(A)の装置内で発生させることのできる磁場勾配を示す図である。この装置は、"Proceedings of the IEEE" 誌、第71巻、第3号、1993年3月、第338頁〜第350頁に所載のHinshaw 及びLentによる論文「NMRイメージング入門:Bloch 方程式からイメージング方程式まで(An Introduction to NMR Imaging: Fromthe Bloch Equation to the Imaging Equation )」で議論されている。簡単に述べると、コイル対10を含んでいる磁石によって、一様な静磁場B0 が発生される。円筒12上に巻回することの可能な複合的な勾配コイル・セットによって、勾配磁場G(x)が発生される。RF磁場B1 が、RFコイル14によって発生される。被検サンプルが、RFコイル14の内部にZ軸に沿って配置される。 【0010】図2(B)では、X勾配磁場が示されており、X勾配磁場は、静磁場B0 に垂直で且つX軸に沿って距離と共に直線的に変化するが、Y軸又はZ軸に沿って距離と共に変化することはない。図2(C)及び図2(D)はそれぞれ、Y勾配磁場及びZ勾配磁場についての同様の図である。図3は、NMR装置の機能ブロック図である。コンピュータ20が、MRI装置の動作をプログラム制御すると共に、MRI装置から検出されるFID(自由誘導減衰)信号を処理する。勾配磁場は勾配増幅器22によってエネルギを与えられ、また、ラーモア周波数のB1 磁場を発生するためのRFコイル26は送信器24によって制御される。選択された核が励起された後に、RFコイル26を用いてFID信号が検出され、このFID信号は、受信器28へ伝送された後に、ディジタイザ30を介してコンピュータ20で処理される。 【0011】本発明によれば、PRESSのような領域励起パルスを、領域外飽和パルスと組み合わせて、関心領域より外側からの緩和信号回復を抑制する。1996年7月15日に出願された米国特許出願第08/683,589号、「NMR測定シーケンスのための実時間RFパルス構成(Real Time RF Pulse Construction for NMR Measurement Sequences )」には、このような領域外飽和パルスを構成する方法を開示している。 【0012】この米国特許出願に記載されているように、NMRパルス・シーケンスのためのRFパルスは、逆SLR変換法を用いてNMRシステムにおいて設計される。SLR変換に必要な多項式は、重み付き最小平均自乗(WLMS:weighted least mean squares )法を用いて算出され、この方法では、初期重み関数が、NMRシステムのオペレータによって入力される所望のパルス・プロファイルと共に用いられる。オペレータはまた、WLMS法に対する入力として位相プロファイルを指定することもできる。より詳しく述べると、所望のパルス・プロファイルdes(ω)が入力され、重み関数W(ω)が算出され、これら所望のパルス・プロファイルdes(ω)及び重み関数W(ω)を入力とする重み付き最小平均自乗法を用いて一組のSLR多項式が算出され、これらのSLR多項式を逆SLR法において用いて、RFパルス波形R(t)を発生させる。RFパルスを用いる走査の前にオペレータによって指定されているRFパルス・プロファイルに応答して、MRIシステム内でRFパルスを発生させることができる。 【0013】励起の大きさを周波数の関数として指定することに加えて、RFパルス・プロファイル指定はまた、位相指定を含むことができる。このような場合には、位相指定もまた重み付き最小平均自乗法の入力となり、この重み付き最小平均自乗法を1回又はそれよりも多い回数繰り返すと、所望の大きさ指定を満たすことができる。 【0014】遷移帯域幅が極めて小さいことに加えて、これらの飽和パルスは、極めて大きな有効RF帯域幅を有しており、従って、極めて小さな化学シフト誤差しか有さない。これらの飽和パルスを用いると、最大99%のMRSI選択度百分率で、局在化された領域を画定することが可能になる。領域外飽和のみを用いて領域を画定することに関連する問題点は、一旦所望の領域が全体の励起領域よりも大幅に小さくなると、選択度が低下し、飽和した信号の比較的穏やかな緩和回復ですら関心領域内の結果を損なう可能性があるということである。 【0015】本発明は、PRESSと、極めて高い選択性の領域外飽和パルスとの組み合わせを用いて、選択度を向上させると共に、限局的MRSIにおける化学シフト誤差を大幅に減少させる。この概念を図4に示す。この方法では、極めて高い選択性の飽和帯域(g)を用いて、共通通過帯域(c)より外側のPRESS励起領域を除去する。関心領域がそのMRSI選択度百分率について極めて高い選択性の飽和帯域にのみ依存するように、新たな規定部(j)が関心領域を制限する。飽和帯域の作用量を全遷移帯域(f)に制限することにより、飽和帯域の幅を制約することができ、飽和信号の緩和回復に関連した問題が最小限に抑えられる。図5は、従来の10cmのRx PRESS領域と、極めて高い選択性のPRESS領域を用いた場合の10cmのRx とを対比して、1cm単位のMRSI分解能における影響を示している。 【0016】以上、領域励起を領域外飽和パルスと組み合わせて関心領域より外側からの緩和信号回復を抑制することにより、磁気共鳴スペクトロスコピー・イメージングにおける化学シフト誤差を最小化する方法について述べた。特定の実施例を参照して本発明を記載したが、この記載は発明を説明するためのものであって、発明を限定するものと解釈してはならない。特許請求の範囲によって画定される本発明の要旨及び範囲から逸脱しない様々な改変及び応用が、当業者には想到されよう。
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| 【出願人】 |
【識別番号】390041542 【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ 【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
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| 【出願日】 |
平成11年(1999)2月17日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】生沼 徳二
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| 【公開番号】 |
特開平11−267113 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)10月5日 |
| 【出願番号】 |
特願平11−37963 |
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