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【発明の名称】 磁気共鳴像形成システム用グラジエントコイルアセンブリ
【発明者】 【氏名】ラブロス エス ペトロポウロス

【氏名】ユンシャオ リン

【要約】 【課題】磁気共鳴像形成システム用末広がり一次コイルを有するシールドされたグラジエントコイルアセンブリの設計方法を提供する。

【解決手段】反転アプローチを使用して一次コイルのための第1の連続電流分布を生成する。第1の電流分布は3つの次元によって限定される所定の有限の幾何学的境界内に閉じ込められ、像形成領域を横切る磁気グラジエントの場を生成する。この場は、像形成領域内の指定された空間的位置で所定の値に制約される。電流分布及び磁場は蓄積エネルギ及び磁場ドメインに変換され、有限要素解析が遂行されてシールディングコイルのための第2の連続電流分布が生成される。第2の電流分布は、一次コイルを取り巻く表面の所定の有限の幾何学的境界内に閉じ込められる。第2の電流分布は、シールディングコイルが限定する領域の外側の領域内の、第1の電流分布が生成する周縁磁場を実質的に打ち消す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 磁気共鳴像形成システムのためのシールドされたグラジエントコイルアセンブリを設計する方法であって、(a)第1の連続電流分布を三次元構造の所定の有限の幾何学的境界内に閉じ込め、像形成領域を横切り且つ上記像形成領域内の指定された空間的位置において所定の値に制限された磁気グラジエントの場を生成させるように、反転アプローチを使用して上記三次元構造のための上記第1の連続電流分布を計算するステップと、(b)第2の連続電流分布をシールディングコイルの所定の有限の幾何学的境界内に閉じ込め、上記シールディングコイルによって限定される領域の外側の領域において上記第1の連続電流密度によって生成される周縁磁場を実質的に打ち消す磁場を上記第2の連続電流分布に生成させるように、有限要素解析を使用してシールディングコイルのための上記第2の連続電流分布を計算するステップと、を含んでいることを特徴とする方法。
【請求項2】 第1及び第2の巻線パターンを生成するために上記第1及び第2の連続電流分布を離散化するステップと、上記第1の巻線パターンを三次元一次コイルに適用するステップと、上記第2の巻線パターンを上記シールディングコイルに適用するステップとを更に含んでいる請求項1に記載の方法。
【請求項3】 上記第1の巻線パターンは、外向きに末広がりの両端を有する円筒形表面上に位置し、上記第2の巻線パターンは円筒形表面上に位置している請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】 上記シールディングコイルは、上記一次コイルの軸方向長さと実質的に等しいか、またはそれよりも短い軸方向長さを有している請求項3に記載の方法。
【請求項5】 上記シールディングコイルは導電性材料で作られ、上記第2の連続電流分布を得るために高周波数において調和解析が遂行される請求項1乃至4の何れか1つに記載の方法。
【請求項6】 磁気共鳴スキャナ内に使用するためのグラジエントコイルアセンブリであって、検査領域(14)を限定するジオメトリに配列され、上記検査領域(14)を通る主磁場を生成する主磁石(12)と、検査する対象物を上記検査領域(14)内に支持するクーチと、上記検査領域(14)に近接して配置され、上記検査領域(14)へ無線周波数信号を送信してその中に配置されているダイポールを選択的に励振する無線周波数コイル(26)と、上記無線周波数コイル(26)を駆動する無線周波数送信機(24)と、上記検査領域(14)内の共鳴するダイポールからの磁気共鳴信号を受信する受信機(30)と、上記受信した磁気共鳴信号から像表現を再構成し、人が可読のディスプレイ(54)上に表示させる像プロセッサ(50)と、上記主磁場を横切る実質的に線形の磁気グラジエントを生成するのに適するグラジエントコイルアセンブリ(22)と、を備え、上記グラジエントコイルアセンブリ(22)は、上記検査領域(14)の周囲に配置されている末広がりの両端を有する少なくとも1つの円筒形一次コイルアセンブリ(60)を含み、上記一次コイルアセンブリ(60)は有限のフォーマ上に配列されている導電性コイルループのアレイを含み、その上を流れる電流密度が上記実質的に線形の磁気グラジエントを生成するようになっており、上記グラジエントコイルアセンブリ(22)は、上記一次コイルアセンブリ(60)と上記主磁石(12)との間の上記一次コイルアセンブリ(60)の周囲に配置されている少なくとも1つの二次コイルアセンブリ(62)を含み、上記二次コイルアセンブリ(62)は、有限のフォーマ上に配列されている導電性コイルループのアレイを含み、その上を流れる電流密度が上記二次コイルアセンブリ(62)によって限定される領域の外側の磁束密度を実質的に打ち消すようになっている、ことを特徴とするグラジエントコイルアセンブリ。
【請求項7】 上記フォーマは中空の円筒形の管であり、上記検査領域(14)は末広がりの両端を有する上記一次コイルアセンブリ(60)のためのフォーマの内側に限定され、上記一次コイルアセンブリ(60)のためのフォーマは上記二次コイルアセンブリ(62)のためのフォーマの内側に位置決めされ、上記二次コイルアセンブリ(62)の軸方向長さは上記一次コイルアセンブリ(60)の軸方向長さに実質的に等しいか、またはそれよりも短い請求項6に記載のグラジエントコイルアセンブリ。
【請求項8】 上記二次コイルアセンブリ(62)によって限定される領域の外側の最大磁束密度は、 50 μTより小さい請求項6または請求項7に記載のグラジエントコイルアセンブリ。
【請求項9】 上記円筒形二次コイルアセンブリ(62)の軸方向の両端における電流密度は、その中心における電流密度よりも大きい請求項6乃至8の何れか1つに記載のグラジエントコイルアセンブリ。
【請求項10】 上記グラジエントコイルアセンブリ(22)は、3つの相互に直交する軸に沿って実質的に線形の磁気グラジエントを生成するために、3対の一次コイルアセンブリ(60)/二次コイルアセンブリ(62)を含んでいる請求項6乃至9の何れか1つに記載のグラジエントコイルアセンブリ。
【請求項11】 上記二次コイルアセンブリ(62)の上記電流密度は、上記一次コイルアセンブリ(60)によって上記二次コイルアセンブリ(62)内に生成される渦電流に対抗するように配列されている請求項6乃至10の何れか1つに記載のグラジエントコイルアセンブリ。
【請求項12】 上記請求項6乃至11の何れか1つに記載のグラジエントコイルアセンブリを有する磁気共鳴スキャナ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁シールディングに関する。本発明は、磁気共鳴像形成装置用グラジエントコイルとの特定的な応用を有しており、以下にこの特定的な応用に関して説明する。しかしながら、本発明はグラジエント磁場を使用するシステムとの応用、及び電磁シールディングが望まれる他の応用をも有している。
【0002】
【従来の技術】磁気共鳴像形成システムにおいては、一般的に、電流パルスによってグラジエントコイルアセンブリがパルス駆動され、像形成領域の近傍の主磁場を横切る磁気グラジエントを発生させている。不要な副作用として磁場グラジエントが発生し、これが磁石コールドシールド、磁石デュワー、等のような外部金属構造と相互作用する。この相互作用によって、影響を受けた構造内に渦電流が生成される。今度はこれらの渦電流が、像形成領域の近傍の磁場の時間的、及び空間的品質に、従って得られる像の品質に不都合な効果を有する渦磁場を生成する。
【0003】渦電流問題には、一次グラジエントコイルと、影響を受ける構造との間に能動シールディングコイルを配置することによって対処することが多い。シールディングコイルは、それ自体の外部の磁場を実質的にゼロにする、または打ち消すように設計されており、それによって潜在的に無防備な構造内に渦電流が形成されるのを防いでいる。
【0004】磁気共鳴像形成システム内に磁気グラジエントを発生させる従来の方法は、電気的に絶縁された中空の円筒形フォーマ( former )上にバンチされた、または分布された形状に離散したコイルを巻き、これらのコイルを電圧が制限されている電流源で駆動することからなる。普通のバンチされたコイル設計は、zグラジエントを発生させるためのマックスウェル及び変形マックスウェル対と、x及び/またはyグラジエントを発生させるためのゴーレイ( Golay ) または変形ゴーレイ(マルチアーク)サドルコイルとを含んでいる。典型的には、これらの方法は、所望のグラジエント強度、グラジエントの均一性、及びインダクタンス(蓄積されるエネルギに関係する)が達成されるまで、コイルループまたはアークを円筒形の形成器上に繰り返し配置することからなる。これらの従来設計は、一般的に「順方向(フォワードア)プローチ」で開発されており、1組の初期コイル位置が限定され(即ち、初期コイル分布)、場及びインダクタンス/エネルギが計算され、もし特定の設計パラメータ内になければ、コイル位置を移動させ(統計的に、またはその他)て結果を再評価するようになっている。この繰り返し手順は、適当な設計が得られるまで続けられる。
【0005】磁気共鳴像形成システム内に磁場を生成するためのより最近の方法は、「反転(インバース)アプローチ」を使用する。「反転アプローチ」方法では、グラジエント磁場は像形成容積の内側の指定された空間的位置において所定の値に合わされ、このような場を発生することができる連続電流密度が計算される。「反転アプローチ」方法は、一次グラジエントコイルは有限の寸法を有しているが、二次、即ちシールドコイルの寸法は制約されていない(無限の)ままであるものとしている。一次及びシールドの両コイルのための連続電流分布を生成した後に、シールドコイルを望ましい寸法に抑えるためにシールドコイルの連続電流密度に対してアポディゼーションアルゴリズムが遂行される。シールディングコイルの連続電流の変更に続いて、両コイルのための離散電流パターンを得るために「ストリーム関数」技術が使用される。離散電流パターンにビオ・サバールの法則を適用して、離散化手順が適切であったことを保証する。このアプローチにより、「順方向アプローチ」方法に比して、より高いグラジエント強度及びより速いスルーレートを有し、一般的にエネルギ効率の高いグラジエントコイルアセンブリが得られる。例えば、頭の像形成のような若干の応用においては、グラジエントコイルアセンブリのスウィートスポットを、特定の関心アナトミに対応する所定位置に維持することが望ましい。しかしながら、患者の周囲アナトミ(この場合には、患者の肩)のために、グラジエントコイルアセンブリを適切に心合わせすることができない。換言すれば、グラジエントコイルアセンブリの直径が患者の肩を包み込むのに充分に大きい場合には、それは患者の頭から半径方向に離れ過ぎており、反対に、直径が頭に充分に密着する場合には、肩がコイルの端を妨害してグラジエントコイルのアイソセンター( isocentre ) が頭の関心領域と適切に整列しなくなる。患者の肩に当たらないようにグラジエントコイルの長さを短縮すると、使用可能な像形成容積が減少し、直線性が劣化する。非対称コイルアセンブリによってコイルのスウィートスポットを調整する試みがなされているが、主磁場とグラジエントコイルアセンブリとの相互作用によって生成される高いトルクが掛かり合って所望のグラジエントの場から程遠くなる。この問題に対処するために使用される1つのアプローチは、患者の肩を受入れることができる末広がりの端を有する対称円筒形グラジエントコイルアセンブリを使用することである。末広がり設計の付加的な利点は、患者へのアクセスが増加し、閉所恐怖感が減少することである。しかしながら、従来はこの末広がり設計のためのシールディングはなされていなかった。
【0006】Lampman らの米国特許第 5,497,089号に開示されている1つの特定のアプローチでは、円筒形に成形された挿入可能なグラジエントコイルアセンブリが、末広がりの端に適用される。しかしながら、このグラジエントコイルアセンブリはシールドされていない。この場合、シールディングによる抑圧がなされていない渦電流効果が、それに特に鋭敏な高速像形成シーケンスの使用を妨げている。
【0007】別の特定のグラジエントコイルアセンブリが、1997年4月の “ Design Criteria for a Folded Gradient Coil ", 5th ISMRM(カナダ、バンクーバー)の 1468 ページに所載の Schenckらの論文に記載されている。この論文は、「順方向アプローチ」を使用する末広がりのシールドされたグラジエントコイルのための設計方法を示している。提案された設計モデルは、一次及びシールドコイルが同一電流を共用するように、これらのコイルを直列に接続してある。この設計においては、伝統的なシールドされた設計に比して不十分なシールディングしか得られない。
【0008】Barberらの米国特許第 5,378,989号には、開いた磁石システムと共に使用する更に別の末広がりのグラジエントコイルアセンブリが開示されている。しかしながら、末広がりの部分は円筒形コイルの両端にはない。そうではなく、末広がりの部分はアイソセンター付近にある。これは、アセンブリを閉じた環状磁石と共に使用するのを妨げている。更に、この設計は 90 °まで末広がりにすることが制限され、性能を低下させる「順方向アプローチ」に基づいている。
【0009】患者へのアクセスが望ましい介入手順、及び同じような応用にとっては、グラジエントシールディングコイルの寸法が末広がりの一次グラディエントコイルの寸法を越えないように、グラジエントシールディングコイルを設計すると有利である。このようにすると、患者へのアクセスが最大になり、開放感が患者の閉所恐怖感を低下させることができる。しかしながら、一般的に言えば、従来の方法及び技術は、シールディングコイルの長さが一次コイルの長さに近づくにつれて像形成領域内の渦電流効果のレベルが増加し、像の品質を劣化させる。反対に、充分なシールディングを達成するとシールディングコイルの寸法が一次コイルの寸法よりも実質的に大きくなり、患者へのアクセスのレベルが低下し、患者の閉所恐怖感のレベルが増加するようになる。
【0010】
【発明の要旨】本発明の一面によれば、磁気共鳴像形成システム用のシールドされたグラジエントコイルアセンブリの設計方法が提供される。本方法は、反転( inverse ) アプローチを使用して三次元構造のための第1の連続電流分布を計算することを含む。この第1の連続電流分布は、三次元構造の所定の有限の幾何学的境界内に閉じ込められ、像形成領域を横切る磁気グラジエントの場を生成する。この磁気グラジエントの場は、像形成領域内の指定された空間位置における所定の値に抑えられる。次に、有限要素解析を使用して、シールディングコイルのための第2の連続電流分布が計算される。第2の連続電流分布は、シールディングコイルの所定の有限の幾何学的境界内に閉じ込められる。第2の連続電流分布は、シールディングコイルによって限定される領域の外側の領域において、第1の連続電流密度によって生成される周縁磁場を実質的に打ち消す磁場を生成する。
【0011】本発明の別の面によれば、磁気共鳴スキャナは検査領域を通る主磁場を生成するための主磁石を含んでいる。主磁石は、そのジオメトリが検査領域を限定するように配列されている。クーチが被検査患者を検査領域内に支持する。無線周波数コイルが検査領域に接して配置され、無線周波数信号を検査領域内に送信し、その中に配置されているダイポールを選択的に励振する。無線周波数送信機が無線周波数コイルを駆動する。受信機が、検査領域内の共鳴ダイポールから磁気共鳴信号を受信する。像プロセッサは受信した磁気共鳴信号から像表現を再構成し、人が可読のディスプレイ上に表示する。スキャナは、主磁場を横切る実質的に線形の磁気グラジエントを生成するためのグラジエントコイルアセンブリをも含んでいる。グラジエントコイルアセンブリは、少なくとも1つの円筒形一次コイルアセンブリを含んでいる。一次コイルアセンブリの末広がりの両端は検査領域の周囲に配置され、有限のフォーマ上に配列された導電性コイルループのアレイを含み、それを流れる電流密度が実質的に線形の磁気グラジエントを生成するようになっている。グラジエントコイルアセンブリは、一次コイルアセンブリの周囲の、一次コイルアセンブリと主磁石との間に配置されている少なくとも1つの円筒形二次コイルアセンブリを更に含んでいる。二次コイルアセンブリは有限のフォーマ上に配列された導電性コイルループのアレイを含み、それを流れる電流密度が二次コイルアセンブリによって限定される領域の外側の磁束密度を実質的に打ち消すようになっている。二次コイルアセンブリの電流密度は、一次コイルアセンブリによって二次コイルアセンブリ内に生成される渦電流に対抗する。
【0012】以下に本発明を遂行する方法を、例示の目的で、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
【実施例】図1を参照する。主磁場コントロール10は超電導、または抵抗性磁石12を制御し、検査領域14を通るz軸に沿って実質的に均一な、時間的に一定の主磁場を発生させる。クーチ(図示してない)が、検査される患者を検査領域14内に懸垂する。磁気共鳴エコー手段が一連の無線周波数(RF)及び磁場グラジエントパルスを印加して磁気スピンを反転、または励振して磁気共鳴を誘起させ、磁気共鳴をリフォーカスし、磁気共鳴を処理し、磁気共鳴を空間的に、その他でエンコードし、スピンを飽和させる等で磁気共鳴像形成及びスペクトログラフィシーケンスを生成させる。詳しく述べれば、グラジエントパルス増幅器20は、グラジエントコイルアセンブリ22の選択されたもの、または対へ電流パルスを印加して検査領域14のx、y、及びz軸に沿う磁場グラジエントを発生させる。ディジタル無線周波数送信機24は無線周波数パルスまたはパルスパケットを全身RFコイル26へ伝送し、RFパルスを検査領域へ送信させる。典型的な無線周波数パルスは、隣合う短い持続時間のパルスセグメントのパケットからなり、これらは互いに、及び何等かの印加されたグラジエントと共に、選択された磁気共鳴操作を達成する。全身応用の場合、共鳴信号は全身RFコイル26によってピックアップされるのが一般である。
【0014】患者の局部領域の像を生成するために、選択された領域に隣接して特殊な無線周波数コイルが配置される。例えば、挿入可能なRFコイルを、穴のアイソセンターにおいて選択された領域を取り囲むように挿入することができる。挿入可能なRFコイルは、磁気共鳴を励振し、検査されている領域内の患者から放出される磁気共鳴信号を受信するために使用される。代替として、挿入可能なRFコイルは、全身コイルRF送信によって誘導された共鳴信号を受信するだけに使用することができる。得られた無線周波数信号は全身RFコイル26、挿入可能なRFコイルまたは他の特殊なRFコイルによってピックアップされ、受信機30、好ましくはディジタル受信機によって復調される。
【0015】シーケンスコントロール回路40は、グラジエントパルス増幅器20及び送信機24を制御し、エコー平面像形成、エコーボリューム像形成、グラジエント及びスピンエコー像形成、高速スピンエコー像形成、等々のような複数の多重エコーシーケンスの何れかを生成する。選択されたシーケンスに対して、受信機30は、各RF励振パルスに続く急速な連続内の複数のデータラインを受信する。最終的には、受信された無線周波数信号は、二次元フーリエ変換または他の適切な再構成アルゴリズムを適用する再構成プロセッサ50によって復調され、像表現に再構成される。像は、患者を通る平面スライス、平行平面スライスのアレイ、三次元ボリューム、等々を表すことができる。次いで、像は像メモリ52内に格納される。像メモリ52内の得られた像は、人が可読のディスプレイを発生するビデオモニタ54のようなディスプレイによってアクセスすることができる。
【0016】従来、シールドされたグラジエントコイルアセンブリのための普通の設計は、一般に、シールディングコイルの合計長が制約されず、従ってその電流密度が無限に拡張されるとの仮定に基づいていた。「無限」シールディングコイルは実際の応用にとって使用不能であるので、適切な有限長の要素に適合させるために電流密度をその後にアポダイズするか、または切捨てていた。一方、本発明に使用される技術は、シールディングコイルのための電流が、初めから有限長を有するシールディングコイルの境界内に制約されているシールドされたグラジエントコイル形態の設計を含んでいる。
【0017】図2A及び2Bには、電流密度が初めからシールディングコイルの有限の境界内に含まれるように設計されたシールドされたグラジエントコイルアセンブリ22の幾何学的形態が示されている。この形態の場合、一次コイル60の長さはLa であり、末広がりの部分の軸方向長さはLf で示され、末広がりの部分の表面に沿う長さはLc として定義され、そして二次コイル62の長さはLb で表されている。一次コイル60の円筒形部分の半径はaで表され、シールディングコイル62の半径はbで示されている。一次コイルの末広がりの部分は、半径aから始まって、最終の半径がa+εの円錐形表面である。Lc 、Lf 、及びεを組合せるといろいろな円錐形表面が限定される。
【0018】磁場のz成分がx方向に沿って実質的に線形に変化するようなグラジエントコイル(横方向グラジエントコイルまたはxグラジエントコイル)の設計は、初めに、反転アプローチ方法に基づいて一次コイル60を設計することを含む。初めに、一次コイルの電流が2D円筒形表面上に位置するようにモデル化される。このxグラジエントコイルの場合、グラジエント磁場は、コイルの幾何学的中心の周囲のx方向においては反対称であり、y及びz方向に沿って対称である。このようなグラジエント磁場を生成するためには、一次コイルの電流の解析的表現は以下のように書くことができる。

【0019】ここに、δ(ρ−a)は半径aを有する円筒形表面上に電流を閉じ込める制約である。一次コイル長La に対する制約、電流密度の円筒形表面上への閉じ込め、
せるという要求から、コイルの幾何学的中心の周囲の電流密度の両成分について以下のようなフーリエ級数展開が得られる。



両電流成分は、|z|>La /2の場合には0である。
【0020】磁場Bz のz成分、及び蓄積された磁気エネルギWm を電流密度の2つの成分の何れか一方で表せば、Wm 及びBz で表した汎関数εは以下のように示される。



【0021】ここに、ラグランジュ乗数の評価は、制約方程式によってなされる。行列式を反
の式を、蓄積されたエネルギ及び磁場公式に戻して置換すると、蓄積された磁気エネルギ及び磁場のための最終式が、制約点及びシステムのジオメトリの表現で得られる。このようにして、一次コイル60のための方位方向及び軸方向に沿う連続電流分布の形状が生成される。一次xグラジエントコイルを設計するための一実施例では、円筒の半径は0.342138 mに等しく、その合計長La は 1.32700mに制約されている。電流密度の挙動を指定するために、4つのフーリエ係数を使用した。更に 45 cmの像形成容積の内側の場の挙動を制御するために、3つの制約点を使用した。以下の表1は、一次グラジエントコイル60を設計するために使用した制約の集合を示している。
【0022】表 1:一次グラジエントコイルを設計するために使用した制約の集合
【0023】ρ及びzの単位はメートル、BzS(2n)の単位はテスラ(T)
第1制約点は一次コイル60のためのグラジエント強度を 32.7 mT/mに限定し、第2制約点はグラジエントの場のアイソセンターから 22.5 cmの距離(45 cmの像形成容積の半径方向距離)までのグラジエントx軸に沿うグラジエントの場の直線性を5%に指定し、そして第3制約点は 45 cmの像形成容積の内側のグラジエントの場の均一性を 20 %に指定するものである。
【0024】これらの制約を使用し、反転アプローチ方法を適用することによって、一次コイル60の連続電流分布を決定する一次コイル60の電流密度のためのフーリエ係数の値が求められる。次に、連続電流分布を離散化し、離散電流パターンにビオ・サバールの法則を適用して先の最小化の有効性を確認する。
【0025】次いで先の解析方法から生成された連続電流分布を、図2A及び2Bに示す末広がり表面に適用した。一次コイル60を開発した後の次のステップは、それによって生成される磁場を、「有限要素解析」を使用する有限長電流分布を用いてシールドすることである。条件が対称であるから、一次及びシールディングコイルのための正しい電流挙動を保証する適切な境界条件を用いて一方の部分だけをモデル化すればよい。図3に、グラジエントコイルアセンブリの3D有限要素モデルを示す。この場合も対称性であるために、z軸方向長さの半分、即ち0からLa /2までと、角度φの 1/4セクタ、即ち0°から 90 °までだけを示してある。更に、グラジエントコイル構造の内側及び外側の両方の磁場を正しく挙動させるために、有限要素モデルを軸方向に 5.0mまで、及び半径方向に 2.5mまで拡張した。これらの位置においてベクトルポテンシャルを0にセットした。一次コイル60は、円筒形部分の内径が 0.34096mで、外径が 0.343320 mである層と見做される。これから平均半径は 0.342138 mであり、これは一次コイル60の円筒形部分のために先に決定された半径に一致する。従って、一次コイル60の厚みは 0.00236mに等しく、半分の長さLa /2は 0.6635 mである。末広がりの部分は、軸方向長さがLf = 0.2mで、円錐の表面に沿う長さがLc = 0.211mである円錐によって限定されている。円錐の始まりの平均半径は 0.342138mにセットされ、これは一次コイル60の円筒形区分の半径に一致している。終わりの平均半径はa+ε= 0.410818 mであり、円錐形の末広がり部分内の導体の厚みは 0.002364 mにセットされている。
【0026】二次コイルは、 0.432354 mの内径と、 0.433354 mの外径とを有し、その半分の長さLa /2は 0.663504 mである。この実施例では、一次及び二次コイルの半分の長さは実質的に同一に選択されている。しかしながら、有限要素解析コードは、一次及び二次コイルの寸法を所望の設計パラメータに適合するように変化させることができる媒介変数法でセットされている。
【0027】一次コイル60に対応する層の寸法が与えられると、先に導出されたフーリエ係数展開を使用して電流負荷がそれに印加される。図4は、一次コイルの電流パターン挙動を示している。一次コイルの磁場をシールドし、且つ二次コイルの層の境界内を流れる適切な電流パターンを見出すために、渦電流問題として有限要素問題にアプローチする。シールディングコイルの層のための材料は、25°Cにおいて 1.76 ×10-8Ω・mの固有抵抗を有する銅であるとしている。0.1 MHzの周波数、または他の適切な高周波数を用いて調和解析を遂行することにより、図5に示すようなシールディングコイルの電流パターンの解が得られる。この高周波数は表皮深さ効果を避けるために選択されていることに注目されたい。このように、シールディングコイル62は、二次コイル62によって限定される領域の外側の領域において、一次コイル60によって生成される周縁磁場を実質的に打ち消すように設計される。次に、グラジエント磁場の品質を保証するために、一次コイル60によって限定される領域の内側のグラジエントx方向に沿う磁場のz成分が評価される。図6は、グラジエント磁場のz成分によって生成された結果的な合計グラジエント(シールディングコイルの貢献を含む)対一次コイル60の内側の領域内のx軸に沿う距離のプロットである。得られた合計グラジエント強度は 19.3 mT/mであり、コイルのアイソセンターから半径方向に 0.2386 mの位置における直線性は 8.8%であり、アイソセンターにおけるグラジエント強度は 21 mT/mであると計算されている。図7には、シールディングコイルの外側の領域のρ= 0.485mの半径方向位置におけるシールドされたグラジエントコイルアセンブリ22のシールディング挙動が評価されている。図7に示すように、正味の周縁磁場の最大はコイルのアイソセンターで発生しており、ほぼ 12.4 μTの値を有している。
【0028】図8は、前述した切捨てた無限シールド電流を有し、一次コイルに末広がり端を設けてない、普通に設計されたコイルのためのシールディングコイルの外側の周縁磁場の評価を示している。この場合のシールディングコイルは、寸法的には上述した有限要素解析を使用して設計されたもとの類似しているが、無限に拡張された電流は軸方向に半分の長さの 0.8mに適合するように切捨てられている。コイルは、半径方向にρ= 0.485mの位置において、切捨てられた無限に拡大された電流が最大 1.05 mT(これはコイルのアイソセンターから軸方向に 0.68mの距離に発生する)を有するように設計されている。一次コイルが末広がり端を有する場合には、切捨て方法から得られたシールディング特性は更に悪化する。上述した反転方法及び有限要素解析を組合せたハイブリッド技術の使用と、普通の無限拡張シールディング電流の切捨ての使用とを比較すると、グラジエントコイルの合計周縁磁場は約 100分の1に減少している。
【0029】yグラジエントシールドされたグラジエントコイルアセンブリの設計は、xグラジエントコイルの設計を、中心軸を中心として単に 90 °回転させて同じ処理を行うだけである。同様に、zグラジエントコイルも、僅かな変化はあるが同じような処理する。更に、シールドされたグラジエントコイルアセンブリを特定の幾何学的境界及びパラメータに関連して説明したが、多くの応用の制約に合致させるためにシールドされたグラジエントコイルアセンブリのいろいろなサイズ、長さ、及び幾何学的形態を設計できることは理解されよう。例えば、効率を犠牲にして直線性を向上させるか、または直線性を犠牲にして効率を向上させるように指定された電流パターンを変化させることができる。円筒形グラジエントコイルの寸法は、好ましい応用に従ってより大きく、またはより小さく変化させることができる。別の代替実施例は、シールディングコイルの長さが一次コイルの長さよりも短いシールディングコイルの設計を含む。同様に、グラジエントコイルアセンブリは、主磁場内の不均一性と、グラジエントコイルアセンブリを通って流れる電流との相互作用の結果として生成される正味のスラスト力を、一次及びシールディングの各コイルセット毎に平衡させるように設計することができる。更に、中央ボア型の検査領域を有する磁気共鳴像形成システムに関連して説明したが、この設計技術は軸方向及び/または垂直に向けられた場を有する開いた型の磁気共鳴像形成装置にも適用できることを理解されたい。
【0030】本発明の一つの長所は、患者へのアクセスが改善され、患者の閉所恐怖感を減少させた短い磁石ジオメトリのためのシールドされたグラジデントコイルアセンブリを設計できることである。本発明の別の長所は、三次元電流分布のための電磁シールディングを提供することである。本発明の別の長所は、像形成領域の近傍における渦電流を減少させることにある。本発明の別の長所は、比較的高強度の、そしてスルーレートを高めた実質的に線形の磁気グラジエントを発生させることである。本発明の別の長所は、電流切捨てまたはアポディゼーションメカニズムを使用することなく、有限のシールディングコイルのための電流パターンを計算できることである。
【出願人】 【識別番号】596177467
【氏名又は名称】ピッカー インターナショナル インコーポレイテッド
【出願日】 平成11年(1999)1月5日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】中村 稔 (外6名)
【公開番号】 特開平11−267112
【公開日】 平成11年(1999)10月5日
【出願番号】 特願平11−36178