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【発明の名称】 皮膚の測定方法及びこの方法に用いる蛍光色素浸潤用組成物
【発明者】 【氏名】山下 豊信

【氏名】高橋 元次

【氏名】藤田 哲也

【氏名】安田 ゐう子

【要約】 【課題】皮膚角質層の内部の状態を、直接的に観察及び把握する手段を提供すること。

【解決手段】好ましくは、皮膚角質層への色素浸潤手段により、蛍光色素を浸潤させた皮膚角質層を、皮膚平面に対して縦軸方向の情報と、同じく横軸方向の情報とから把握することにより、この課題を解決し得ることを見出した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】蛍光色素を皮膚内に浸潤させた後に、励起光の照射により、この蛍光色素が発する蛍光で皮膚角質層を測定する、皮膚の測定方法。
【請求項2】以下のように皮膚角質層を測定する、皮膚の測定方法:一次的には、逐次的に皮膚角質層の特定深度に焦点を合わせた励起光の照射によって、皮膚角質層内に浸潤させた蛍光色素が発する蛍光を基にして、皮膚角質層を深度毎の皮膚平面方向に測定し;二次的には、このようにして把握された特定深度毎の皮膚角質層の皮膚平面方向の状態についての情報を、皮膚深度方向に向けて合成処理することにより、皮膚角質層を皮膚深度方向に向けて測定する。
【請求項3】陽イオン性界面活性剤及び陰イオン性界面活性剤を含む、蛍光色素を皮膚内に浸潤させる蛍光色素浸潤用組成物。
【請求項4】陽イオン性界面活性剤がN,N- ジメチルドデシルアミンオキシドであり、かつ陰イオン性界面活性剤が硫酸ドデシルナトリウムである、請求項3記載の蛍光色素浸潤用組成物。
【請求項5】請求項3又は請求項4記載の蛍光色素浸潤用組成物に、さらに皮膚内に浸潤させる蛍光色素が配合されている蛍光色素浸潤用組成物。
【請求項6】皮膚内に浸潤させる蛍光色素が油溶性の蛍光色素である、請求項3乃至5のいずれかの請求項記載の蛍光色素浸潤用組成物。
【請求項7】油溶性の蛍光色素が、アニリノナフタレン系蛍光色素,インドカルボシアニン系蛍光色素及びアミノスチリル系蛍光色素からなる群の油溶性の蛍光色素から選ばれる1種又は2種以上の蛍光色素である、請求項6記載の蛍光色素浸潤用組成物。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、皮膚の測定方法及びこの方法において用いることができる蛍光色素浸潤用組成物に関する技術分野の発明である。
【0002】
【従来の技術】皮膚角質層(以下,角質層ともいう)は、人体の最外層の器官である表皮の中でも、最も外側を占める組織である。この角質層は、医薬品や化粧品が直接触れる部位であり、医学的及び美容的な観点での肌の性質とも極めて深く関わっている。よって、この角質層の状態を正確に把握することは、皮膚医学的,さらには美容的な観点から極めて重要なことである。
【0003】この角質層の状態を把握するための指標として、例えば角質層を含めて皮膚の表面状態を把握するための「レプリカ法」による評価,角質層における水分量を把握するための「コンダクタンスの測定」による評価,角質層のバリア機能の指標として用いられる「TWL:経皮水分損失」による評価,本来あるはずのない角質細肪の核を有する不全角化細胞についての指標である「不全角化度」による評価等が挙げられる。
【0004】しかしながら、これらの指標はいずれも、あくまで角質層の状態を間接的にしか測定することが出来ず、角質層の状態を直接的に把握し得る指標とは言い難かった。これに対して、角質層に取り込んだ蛍光物質からの情報を捉えることで、皮膚の活性度を把握するための手段が既に提供されている(特開昭62−44220号公報)。この方法は、確かに皮膚の状態を直接的に把握し得る方法であるが、把握し得るのは、あくまで皮膚表面の状態のみであり、角質層の内部の状態を直接的に把握するには至っていない。
【0005】
【発明が解決すべき課題】よって、本発明が解決すべき課題は、角質層の内部の状態を、直接的に観察及び把握する手段を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、この課題の解決に向けて鋭意検討を行った。その結果、好ましくは、角質層への色素浸潤手段により、蛍光色素を浸潤させた角質層を、皮膚平面に対して縦軸方向の情報と、同じく横軸方向の情報とから把握することにより、この課題を解決し得ることを見出した。
【0007】すなわち、本発明者は、以下の発明を本願において提供する。請求項1において、蛍光色素を皮膚内に浸潤させた後に、励起光の照射により、この蛍光色素が発する蛍光で皮膚角質層を測定する、皮膚の測定方法を提供する。
【0008】請求項2において、以下のように皮膚角質層を測定する、皮膚の測定方法を提供する。一次的には、逐次的に皮膚角質層の特定深度に焦点を合わせた励起光の照射によって、皮膚角質層内に浸潤させた蛍光色素が発する蛍光を基にして、皮膚角質層を深度毎の皮膚平面方向に測定し;二次的には、このようにして把握された特定深度毎の皮膚角質層の皮膚平面方向の状態についての情報を、皮膚深度方向に向けて合成処理することにより、皮膚角質層を皮膚深度方向に向けて測定する。
【0009】請求項3において、陽イオン性界面活性剤及び陰イオン性界面活性剤を含む、蛍光色素を皮膚内に浸潤させる蛍光色素浸潤用組成物を提供する。
【0010】請求項4において、陽イオン性界面活性剤がN,N- ジメチルドデシルアミンオキシドであり、かつ陰イオン性界面活性剤が硫酸ドデシルナトリウムである、前記請求項3記載の蛍光色素浸潤用組成物を提供する。
【0011】請求項5において、前記請求項3又は請求項4記載の蛍光色素浸潤用組成物に、さらに皮膚内に浸潤させる蛍光色素が配合されている蛍光色素浸潤用組成物を提供する。
【0012】請求項6において、皮膚内に浸潤させる蛍光色素が油溶性の蛍光色素である、前記請求項3乃至5のいずれかの請求項記載の蛍光色素浸潤用組成物を提供する。
【0013】請求項7において、油溶性の蛍光色素が、アニリノナフタレン系蛍光色素,インドカルボシアニン系蛍光色素及びアミノスチリル系蛍光色素からなる群の油溶性の蛍光色素から選ばれる1種又は2種以上の蛍光色素である、前記請求項6記載の蛍光色素浸潤用組成物を提供する。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について説明する。まず、本発明に係わる皮膚の測定方法(以下、本発明測定方法という)は、蛍光色素を角質内に浸潤させた後に、励起光の照射により、この蛍光色素が発する蛍光で角質層の状態を把握する、皮膚の測定方法である。
【0015】この本発明測定方法の具体的な態様としては、例えば、逐次的に角質層の特定深度に焦点を合わせた励起光の照射によって、角質層内に浸潤させた蛍光色素が発する蛍光を基にして、角質層の深度毎の皮膚平面方向における状態を把握し、さらに、このようにして把握される特定深度毎の角質層の皮膚平面方向の状態についての情報を、皮膚深度方向に向けて合成処理することにより、角質層の皮膚深度方向の状態を把握する方法が挙げられる。
【0016】すなわち、蛍光色素が浸潤した角質層に、その蛍光色素から蛍光を生じさせ得る励起光、例えばレーザー光や紫外線等を逐次的に角質層の特定深度に焦点を合わせて照射し、この励起光の照射により、角質層の深度毎に発生する蛍光を捕捉して解析することによって、角質層の深度毎の皮膚平面方向の状態を把握することができる。
【0017】さらに、このようにして把握された特定深度毎の角質層の、皮膚平面方向の状態についての情報を、皮膚深度方向に向けて合成処理することにより、角質層の皮膚深度方向の状態をも把握することができる。
【0018】この本発明測定方法の実施に際しては、例えば、皮膚平面方向の状態を把握するべき角質層の深度に、自在に励起光を合焦して、この励起光により発生した角質層の、その深度における蛍光を容易に捕捉して解析することができる「共焦点顕微鏡」(「細胞工学」Vol.14,No.9,pp1081〜1089(1995)、「蛋白質,核酸,酵素」Vol.39,No.11,pp1911 〜1919(1994)、「日経サイエンス」1994年6月号,pp100〜106 等を参照のこと)を用いるのが有利である。
【0019】なお、これらの文献には、共焦点顕微鏡を培養細胞や組織片等の観察に供すること等については記載されているが、本発明のように、皮膚の測定に用いることについては、記載も示唆もされていない。
【0020】本発明測定方法は、人間,動物等、その測定対象は限定されないが、現実的には人間に適用する機会が多い。また、その目的も、医療目的,美容目的等、特に限定されるものではない。上述した本発明測定方法において、蛍光色素を角質層内に浸潤させるために、蛍光色素が角質層内に浸潤することを促進する蛍光色素浸潤用組成物を用いることが好ましい。本発明では、この蛍光色素浸潤用組成物(以下、本発明浸潤用組成物という)も提供する。
【0021】本発明浸潤用組成物は、特に人間において用いる機会が多い。よって、「安全性」の面を考慮すると、本発明浸潤用組成物は、蛍光色素の角質層への、すなわち角質細胞への浸潤を、効果的に促進することが可能であると同時に、安全性にも優れることが必要である。
【0022】本発明者は、このような課題を、陽イオン性界面活性剤と陰イオン性界面活性剤とを組み合わせて配合した蛍光色素浸潤用組成物を提供することにより解決し得ることを見出した。本発明浸潤用組成物に配合される陽イオン性界面活性剤は特に限定されるものではなく、脂肪酸アミン誘導体,アルキル四級アンモニウム塩,芳香族四級アンモニウム塩,ピリジウム塩,イミダゾリウム塩等を広く例示することができる。
【0023】また、本発明浸潤用組成物に配合される陰イオン性界面活性剤も特に限定されるものではなく、例えばカルボン酸基,スルホン酸基,硫酸エステル基又はリン酸エステル基をその分子内に1種若しくは2種以上有する陰イオン性界面活性剤である。ここでカルボン酸基を有するものとしては、脂肪酸石鹸,エーテルカルボン酸若しくはその塩,アミノ酸と脂肪酸との縮合物等のカルボン酸塩等を;スルホン酸基を有するものとしては、アルキルスルホン酸塩,スルホコハク酸塩,エステルスルホン酸塩,アルキルアリル及びアルキルナフタレンスルホン酸塩,N−アシルスルホン酸塩,ホルマリン縮合系スルホン酸塩等を;硫酸エステル基を有するものとしては、硫酸化油,アルキル硫酸エステル塩,アルキル硫酸塩,エーテル硫酸塩,アルキルアリルエーテル硫酸塩,アミド硫酸塩等を;リン酸エステル基を有するものとしては、アルキルリン酸塩,エーテルリン酸塩,アルキルアリルエーテルリン酸塩,アミドリン酸塩等を挙げることができる。
【0024】上記の陽イオン性界面活性剤及び陰イオン性界面活性剤のうち、陽イオン性界面活性剤として脂肪酸アミン誘導体、特にN,N- ジメチルドデシルアミンオキシドを選択し、かつ陰イオン性界面活性剤としてアルキル硫酸エステル塩、特に硫酸ドデシルナトリウムを選択することが好ましい。
【0025】本発明浸潤用組成物における陽イオン性界面活性剤と陰イオン性界面活性剤の配合比は、具体的に選択するこれらの界面活性剤同士の組み合わせによっても異なるが、上記の好適例である脂肪酸アミン誘導体(陽イオン性界面活性剤)とアルキル硫酸エステル塩(陰イオン性界面活性剤)とを選択する場合には、分子比で20:1(脂肪酸アミン誘導体:アルキル硫酸エステル塩、以下この段落で同様である)〜1:20、好ましくは20:1〜10:1である。
【0026】さらに、本発明浸潤用組成物における、これらの陽イオン性界面活性剤と陰イオン性界面活性剤の濃度は、両界面活性剤を合わせて0.1mM〜1Mの範囲であることが好ましく、さらに同1.0mM〜100mMの範囲であることが特に好ましい。
【0027】最好適例であるN,N- ジメチルドデシルアミンオキシド(陽イオン性界面活性剤)と硫酸ドデシルナトリウム(陰イオン性界面活性剤)を選択する場合にも、上記の配合量の範囲と濃度範囲で好ましく配合の形態を設定し得る。上記のように陽イオン性界面活性剤と陰イオン性界面活性剤とが組み合わせて配合されている本発明浸潤用組成物によって、蛍光色素の角質層内への浸潤、より具体的には角質細胞への浸潤を促進させることができる。
【0028】本発明浸潤用組成物において、角質層への浸潤が促進され得る蛍光色素は特に限定されないが、特に油溶性の蛍光色素を選択することが好ましい。この油溶性の蛍光色素としては、例えば1-アニリノナフタレン-8- スルホン酸、2-アニリノナフタレン-6- スルホン酸等のアニリノナフタレン系蛍光色素;1,1'- ジドデシル-3,3,3',3'- テトラメチル- インドカルボシアニン過塩素酸塩、1,1'- ジヘキサデシル-3,3,3',3'- テトラメチル- インドカルボシアニン過塩素酸塩、1,1'- ジオクタデシル-3,3,3',3'- テトラメチル- インドカルボシアニン過塩素酸塩、1,1'- ジデリノレイル-3,3,3',3'- テトラメチル- インドカルボシアニン過塩素酸塩、1,1'- ジオクタデシル-3,3,3',3'- テトラメチル- インドジカルボシアニン過塩素酸塩、3,3'- ジヘキサデシルオキサインドカルボシアニン過塩素酸塩、3,3'- ジオクタデシルオキサインドカルボシアニン過塩素酸塩等のインドカルボシアニン系蛍光色素;4-(4- ジヘキサデシルアミノスチリル)-N-メチルピリジウムヨウ素塩、4-(p- ジヘキサデシルアミノスチリル)-N-メチルキノリニウムヨウ素塩、N-4-(4- ジデリノレイルアミノスチリル)-N-メチルキノリニウムヨウ素塩等のアミノスチリル系蛍光色素等を例示することができる。
【0029】これらの油溶性蛍光色素の中でも、角質細胞の細胞膜への親和性が高く、角質細胞の配向状態を観察するのに適している、という理由から、3,3'- ジオクタデシルオキサインドカルボシアニン過塩素酸塩及び1,1'- ジオクタデシル-3,3,3',3'- テトラメチル- インドカルボシアニン過塩素酸塩を、角質層に浸潤させる蛍光色素として選択することが好ましい。
【0030】なお、これらの蛍光色素は、上記の態様の本発明浸潤用組成物(蛍光色素を含まない態様の本発明浸潤用組成物)と別個に用いて、すなわち上記の態様の本発明浸潤用組成物と使用前に混合して又は互いに重層させて用いることも可能である。また、本発明浸潤用組成物は、予め組成物中に蛍光色素が配合された浸潤用組成物としての態様を採ることも可能である。
【0031】この意味で本発明は、上記の態様の蛍光色素浸潤用組成物に、さらに角質層に浸潤させる蛍光色素が配合されている蛍光色素浸潤用組成物をも提供するものである。かかる場合の本発明浸潤用組成物における蛍光色素の配合量は、配合する陽イオン性界面活性剤及び陰イオン性界面活性剤と選択した蛍光色素等により適宜選択されるべきもので、特に限定されるものではないが、組成物における蛍光色素の濃度は、好ましくは10nM〜1Mであり、特に好ましくは1mM〜100mMの範囲である。
【0032】上記の本発明浸潤用組成物は、肌上に塗布することにより蛍光色素の角質層、すなわち角質細胞への蛍光色素の浸潤を促進することができる。この結果、角質層へ浸潤した蛍光色素が発する蛍光を利用して、角質層の状態を従来より詳細に把握することができる。すなわち、従来は蛍光色素を用いても皮膚の活性度の把握に止まっていたのに対し、本発明浸潤用組成物を用いて角質層に蛍光色素を浸潤させることにより、角質層の厚みと配向状態を正確に把握することが可能である。
【0033】また、本発明浸潤用組成物によって蛍光色素は安全性においても優れている。本発明浸潤用組成物は、上述の本発明測定方法において、蛍光色素を角質内に浸潤させる手段として用い、人間や動物の角質層の状態を的確に把握して、この結果を、医療や美容、さらには新たな医薬品や化粧品の開発に活用することが非常に好ましい。
【0034】すなわち、本発明は、上述の本発明浸潤用組成物の同本発明測定方法における使用をも提供するものである。なお、蛍光色素を角質内に浸潤させること自体は、グリセリン,ワセリン、さらにはアセトンやエタノール等の有機溶剤を、蛍光色素の角質内への浸潤手段として用いることによってもなし得るが、これらの手段における蛍光色素の角質内への浸潤性は、上述の本発明浸潤用組成物には及ばない。例えば、これらの浸潤手段によっては、蛍光色素が角質内に十分に浸潤するまでは時間がかかり、肌上での浸潤処置後に、その上でラップ等で被覆する等が必要である等、さらに補助手段を施す必要性もあり得る。
【0035】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、この実施例により本発明が限定されるべきではない。
共焦点顕微鏡を用いたin vivo における角質層の状態の把握【0036】1.本発明浸潤用組成物その濃度が100mMのアニオン・カチオン界面活性剤〔N,N- ドデシルアミンオキシド(C12DNAOともいう)/硫酸ドデシルナトリウム(SDSともいう)=8/2(重量比)〕の水溶液に、さらに3,3'- ジオクタデシルオキサインドカルボシアニン過塩素酸塩(DIOともいう)を1μg/mL溶解した液状組成物を、本発明浸潤用組成物として用いた。
【0037】2.角質層の状態の把握ヘアレスマウス(雌)(Hairless mouse 系統:HR-1)と、ワックスで脱毛処理を行ったモルモット(雌)(guinca pig 系統:Hartley )の背部の皮膚に、、上記の本発明浸潤組成物を30分間接触させて、DIOを上記ヘアレスマウスとモルモットの背部皮膚に浸潤させた。
【0038】その後、これらの背部皮膚を、共焦点顕微鏡(Fluoview:オリンパス製)を用いて、皮膚表面より2μm ずつ深部に焦点をずらせながら、XY断面を撮影後、XZ断面を作成した。第1図〜第4図は、それぞれの共焦点顕微鏡像を表した写真である〔第1図は、マウスの皮膚のXY断面像(複数の像はそれぞれ異なる深度でのXY断面像を示している)を示す写真であり、第2図は、マウスの皮膚のXZ断面像を示す写真である。また、第3図は、モルモットの皮膚のXY断面像(複数の像はそれぞれ異なる深度でのXY断面像を示している)を示す写真であり、第2図は、モルモットの皮膚のXZ断面像を示す写真である。〕。
【0039】また、対照として、上記のヘアレスマウスとモルモットの背部の皮膚を一部採取して、背部皮膚のXZ断面を表すパラフィン包埋切片と凍結切片を用意した。
【0040】パラフィン包埋切片には、HE染色を施し、凍結切片には角質膨潤処理を施し、光学顕微鏡による観察(通常の光学顕微鏡による観察と、ノマルスキー微分干渉観察)を行った。第5図〜第8図は、それぞれの顕微鏡像を示した写真である〔第5図は、マウスの皮膚のXZ断面のH・E染色像(光学顕微鏡観察像)を示す写真であり、第6図は、角質膨潤処理したマウスの皮膚のXZ断面の光学顕微鏡像を示す写真であり、第7図は、角質膨潤処理したマウスの皮膚のXZ断面のノマルスキー微分干渉観察像を示す写真である。また、第8図は、角質膨潤処理したモルモットの皮膚のXZ断面のノマルスキー微分干渉観察像を示す写真である。〕。
【0041】第1表に、上記の共焦点顕微鏡による観察と光学顕微鏡による観察から明らかになった、ヘアレスマウスとモルモットの背部の皮膚の厚さを示す。
【表1】

【0042】共焦点顕微鏡による観察においては、モルモットの背部の皮膚の厚さは、ヘアレスマウスの厚さに比べて際立って厚いことが明らかになり、公知の事実と合致していた。これに対して、光学顕微鏡による観察では、標本作成の際、角質層が膨潤又は収縮してしまうために、正確な角質層の厚みを特定することが出来なかった〔よって、第1表においては、角質細胞の総数(角質層の下の層から最表面までの総数)で示している〕。このように、本発明測定方法は、侵襲を伴わずに、角質層の内部の状態を直接的に明らかにすることができるということが判明した。
【0043】
【発明の効果】本発明により、皮膚角質層の内部の状態を、直接に観察及び把握する手段が提供される。
【出願人】 【識別番号】000001959
【氏名又は名称】株式会社資生堂
【識別番号】598045667
【氏名又は名称】藤田 哲也
【識別番号】598045678
【氏名又は名称】安田 ゐう子
【出願日】 平成10年(1998)3月23日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】志村 光春
【公開番号】 特開平11−267105
【公開日】 平成11年(1999)10月5日
【出願番号】 特願平10−93953