| 【発明の名称】 |
自覚式検眼装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】田村 正明
|
| 【要約】 |
【課題】レンズ室を小径化し、かつ不要なレンズ等の省略を可能としてコスト低減を図ることのできる自覚式検眼装置を提供する。
【解決手段】レンズ室1の視野窓内に複数の光学素子を重合配置して被検眼の屈折力を自覚的に測定する自覚式検眼装置において、レンズ室1には、複数のターレット板と10〜30と、検眼の補助に用いる光学素子を保持する第1のレコス板40と、測定光軸上で回動自在に保持された、絶対値が等しく符号が逆の2枚のシリンダレンズ50、51とを備え、複数のターレット板10〜30それぞれは、少なくとも一枚の0Dの球面レンズ又は一つの開口と、球面レンズとを保持可能な最大8つの開口部を有し、複数のターレット板10〜30のうちの一つは、少なくとも一枚の0Dの球面レンズ又は一つの開口と、0.125D間隔の複数の球面レンズとを保持する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】左右のレンズ室の視野窓内に複数の光学素子を重合配置して被検眼の屈折力を自覚的に測定する自覚式検眼装置において、前記左右のレンズ室の各々には、複数のターレット板と、検眼の補助に用いる光学素子を保持する第1のレコス板と、測定光軸上で回動自在に保持された、絶対値が等しく符号が逆の2枚のシリンダレンズとを備え、前記複数のターレット板それぞれは、少なくとも一枚の0Dの球面レンズ又は一つの開口と、球面レンズとを保持可能な最大8つの開口部を有し、前記複数のターレット板のうちの一つは、少なくとも一枚の0Dの球面レンズ又は一つの開口と、0.125D間隔の複数の球面レンズとを保持すること、を特徴とする自覚式検眼装置。 【請求項2】前記複数のターレット板のうちの一つは、少なくとも一つの0Dの球面レンズ又は一つの開口と、1D間隔の複数の球面レンズとを保持すること、を特徴とする請求項1に記載の自覚式検眼装置。 【請求項3】前記複数のターレット板は、少なくとも一つの0Dの球面レンズ又は一つの開口と、8D間隔の複数の球面レンズとを保持する第1のターレット板、少なくとも一つの0Dの球面レンズ又は一つの開口と、1D間隔の複数の球面レンズとを保持する第2のターレット板、及び、少なくとも一つの0Dの球面レンズ又は一つの開口と、0.125D間隔の複数の球面レンズとを保持する第3のターレット板であること、を特徴とする請求項1又は2に記載の自覚式検眼装置。 【請求項4】前記第1のレコス板は、一つの0Dの球面レンズ又は一つの開口と、視野遮蔽のための遮蔽板、45°偏光板、135°偏光板、赤のマドックスレンズ、赤/緑フィルター、ピンホール及び6プリズム/10プリズムを保持することを特徴とする請求項1乃至3に記載の自覚式検眼装置。 【請求項5】前記左右のレンズ室の各々には、少なくとも一つの0Dの球面レンズ又は一つの開口と、ロータリープリズム及びオートクロスレンズとを保持する第2のレコス板を備えることを特徴とする請求項1乃至4に記載の自覚式検眼装置。 【請求項6】前記第2のレコス板を前記左右のレンズ室に対して着脱自在とすることを特徴とする請求項5に記載の自覚式検眼装置。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、左右のレンズ室の視野窓内に複数の光学素子を配置して被検眼の屈折力を自覚的に測定する自覚式検眼装置に関し、特に光学素子の配置に特徴を有する自覚式検眼装置に関する。 【0002】 【従来の技術】被検眼の屈折力を自覚的に測定する自覚式検眼装置として、複数のレンズ、プリズムあるいは視野遮蔽のための遮蔽板等(レンズ、プリズム、遮蔽板等の被検眼の検眼に用いるための光学的な素子を以下必要に応じて「光学素子」と総称する)を有する複数の保持板を左右のレンズ室内に回転可能に配置し、各保持板を回転させることによって任意の光学素子を各レンズ室の視野窓内に重ねて配置するものが提案されている。このような自覚式検眼装置における乱視度数の生成方法としては、本件出願人による特開昭64−32838に記載されているように、絶対値がほぼ等しく符号が逆の2枚のシリンダレンズを組合わせる方式や、特表平9−505209に記載されているように、乱視レンズを光軸上に切替え回動可能に配置し、球面補正を必要としない方式が提案されていた。このうち前者のシリンダレンズを組合わせて乱視度数を生成する方式は、乱視レンズの枚数が少なくてよいうえ、複雑な乱視レンズ切換え回転機構がないのでコスト的に有利であるために有望視されている。 【0003】このシリンダレンズを組合わせて乱視度数を生成する方式を採用した自覚式検眼装置における、各レンズ室内の光学素子の配置を図5に示す。この図5に示すように、従来の自覚式検眼装置においては、各レンズ室に第1のターレット板、第2のターレット板、第1のレコス板、2枚のロータリーシリンダ、第2のレコス板を順次配置していた。そして第1のターレット板、第2のターレット板及び第1のレコス板それぞれには12の開口部を設け、第2のレコス板には6つの開口部を設けていた。そして第1及び第2のターレット板の開口部にて主に球面レンズを保持し、第1及び第2のレコス板の開口部にて検眼の補助に用いる光学素子を保持していた(なおレコス板はターレット板と同様に構成される回転可能な円板であるが、検眼の補助に用いる光学素子を保持する点で異なる。以下同じ)。 【0004】このような自覚式検眼において例えば、図5に示すように、第1のターレット板に3D間隔の複数の球面レンズ、第2のターレット板に0.25D間隔の複数の球面レンズ、第2のレコス板に−10Dの球面レンズ及び+10Dの球面レンズをそれぞれ配置し、これらを適宜組み合わせることによって必要なレンズ度数を生成していた(図5の場合、−29D〜+26.875Dの範囲でレンズ度数の生成が可能であり、すなわち球面度数SPHの測定範囲が−29D〜+26.875Dである)。 【0005】また従来は、2つの理由から、図5に示すように、第1及び第2のレコス板に+0.125Dの球面レンズを配置していた。1つ目の理由は、球面度数の微調整を行うためである。また2つ目の理由は、シリンダレンズを組合わせて乱視度数を生成する方式を採用する場合、生成しようとする乱視度数の半分の球面レンズを用いることによって、レンズ度数の球面成分を補正する必要があるからである。ここで一般に、乱視度数の最小度数は+0.25Dなので、その半分の+0.125Dの球面レンズを球面成分補正用に設けている。なお第1及び第2のレコス板の両方に+0.125Dの球面レンズを配置するのは、該+0.125Dの球面レンズと、第1及び第2のレコス板に配置された他のレンズとを併用可能とするためである。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかしながらこのような従来の自覚式検眼装置においては、3D間隔の球面レンズや、0.25D間隔の複数の球面レンズを用いて所定範囲のレンズ度数の生成を行っていたので、図5に示すように、第1及び第2のターレット板それぞれに11枚の球面レンズを配置する必要があり、このことが各ターレット板の小型化を妨げる原因となっていた。また上記のように第1及び第2のレコス板に+0.125Dの球面レンズを重複して設けていたので、やはり第1及び第2のレコス板の小型化を妨げる原因となっていた。 【0007】そしてこのようにターレット板やレコス板を小型化することができなかったので、レンズ室全体の径が大きくなり、検者が被検者の表情を観察することが困難となったり、被検者に圧迫感を与えたりする原因となっていた。したがってターレット板やレコス板に配置するレンズ等の数を減らし、レンズを小型化することのできる自覚式検眼装置が要望されていた。 【0008】さらに上記のように第1及び第2のレコス板に+0.125Dの球面レンズを重複して設けることは、コスト的にも好ましくなかった。また眼位測定等のプリズム測定を行わない検者も存在しており、この様な検者にはロータリープリズムが不要であるが、このロータリープリズムは−10Dのレンズ、+10Dのレンズ及び+0.125Dの球面レンズと共に第2のレコス板に配置されているため、省略することが困難であった。したがって+0.125Dの球面レンズの重複配置を解消し、また不要なレンズ等を容易に省略可能として、コストの低減化を図ることのできる自覚式検眼装置が要望されていた。 【0009】本発明は、従来の自覚式検眼装置におけるこのような問題点に鑑みてなされたもので、レンズ室を小径化するものであり、かつ不要なレンズ等の省略を可能とすることでコスト低減を図ることのできる自覚式検眼装置を提供することを目的とする。 【0010】 【課題を解決するための手段】このような従来の自覚式検眼装置における問題点を解決するために請求項1に記載の本発明は、左右のレンズ室の視野窓内に複数の光学素子を重合配置して被検眼の屈折力を自覚的に測定する自覚式検眼装置において、前記左右のレンズ室の各々には、複数のターレット板と、検眼の補助に用いる光学素子を保持する第1のレコス板と、測定光軸上で回動自在に保持された、絶対値が等しく符号が逆の2枚のシリンダレンズとを備え、前記複数のターレット板それぞれは、少なくとも一枚の0Dの球面レンズ又は一つの開口と、球面レンズとを保持可能な最大8つの開口部を有し、前記複数のターレット板のうちの一つは、少なくとも一枚の0Dの球面レンズ又は一つの開口と、0.125D間隔の複数の球面レンズとを保持することを特徴として構成されている。 【0011】また請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の本発明において、前記複数のターレット板のうちの一つは、少なくとも一つの0Dの球面レンズ又は一つの開口と、1D間隔の複数の球面レンズとを保持することを特徴として構成されている。 【0012】また請求項3に記載の本発明は、請求項1又は2に記載の本発明において、前記複数のターレット板は、少なくとも一つの0Dの球面レンズ又は一つの開口と、8D間隔の複数の球面レンズとを保持する第1のターレット板、少なくとも一つの0Dの球面レンズ又は一つの開口と、1D間隔の複数の球面レンズとを保持する第2のターレット板、及び、少なくとも一つの0Dの球面レンズ又は一つの開口と、0.125D間隔の複数の球面レンズとを保持する第3のターレット板であることを特徴として構成されている。 【0013】また請求項4に記載の本発明は、請求項1乃至3に記載の本発明において、前記第1のレコス板は、一つの0Dの球面レンズ又は一つの開口と、視野遮蔽のための遮蔽板、45°偏光板、135°偏光板、赤のマドックスレンズ、赤/緑フィルター、ピンホール及び6プリズム/10プリズムを保持することを特徴として構成されている。 【0014】また請求項5に記載の本発明は、請求項1乃至4に記載の本発明において、前記左右のレンズ室の各々には、少なくとも一つの0Dの球面レンズ又は一つの開口と、ロータリープリズム及びオートクロスレンズとを保持する第2のレコス板を備えることを特徴として構成されている。 【0015】また請求項6に記載の本発明は、請求項5に記載の本発明において、前記第2のレコス板を前記左右のレンズ室に対して着脱自在とすることを特徴として構成されている。 【0016】 【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は本実施形態における検眼装置の側面図でありその一部を破断して示す図、図2は検眼装置全体の正面図、図3は第1のターレット板10の正面図、図4は本実施形態における検眼装置の光学素子の配置を示す図である。 【0017】図2に示すように、検眼装置は、左右のレンズ室1、2と図示しない操作盤とをコード3にて接続して構成されている。各レンズ室1、2には視野窓4が設けられており、本検眼装置から所定距離隔てて配置した図示しない視表を、視野窓4内に重ねて配置した光学素子を通して被検者に見せ、視表が最もよく見える光学素子を選定すること等によって被検眼の屈折力等を測定するものである。ここで左右のレンズ室1、2は相互に対象構造をなしており、以下実施形態においては一方のレンズ室1(以下、単に「レンズ室1」とする)についてのみ説明する。 【0018】レンズ室1には、図1に示すように、被検者に近い順に(被検眼を符号Eにて示す)、第1のターレット板10、第2のターレット板20、第3のターレット板30、第1のレコス板40、2枚のロータリシリンダレンズ50、51、第2のレコス板60が並設されている。このうち第1〜第3のターレット板10〜30、第1及び第2のレコス板40、60の周縁には複数の開口部が互いに均等間隔で設けられており、各開口部にて種々の光学素子等が保持されている。これら第1〜第3のターレット板10〜30、第1及び第2のレコス板40、60は回転軸5を中心として回転可能とされており、この回転によってそれぞれに保持されている光学素子のうち任意の光学素子が視野窓4内に配置される。 【0019】また2枚のロータリシリンダレンズ50、51は、互いに絶対値が等しく正負の異なる度数(本実施形態においては−3.5Dと+3.5D)を有するもので、枠6、7にてそれぞれ保持されると共に、その光軸上で回転自在に固定されて、両者でいわゆるストークスのクロスシリンダを構成している。これら第1〜第3のターレット板10〜30、第1及び第2のレコス板40、60、及びロータリシリンダレンズ50、51の回転機構及びその制御は、本件出願人による特開平8−66361に開示されているものと同様であり、それぞれの側方に配置した図示なきモータを検者が操作盤を介して操作すること等により行われる。 【0020】次に、各ターレット板に配置された光学素子について詳細に説明する。第1のターレット板10は比較的強度のレンズ度数の球面レンズを主に保持するもので、図3に示すように、その周縁には開口部11が8つ形成されている。そして図4に示すように、2つの開口部11は視野開放のために開放されて「開口」12を構成し(なお開口部11に0Dの球面レンズを入れても「開口」12を構成することができる)、他の6つの開口部には「−24D」から「+24D」までの8D間隔の6つの球面レンズ13が保持されている。 【0021】また第2のターレット板20は比較的中度のレンズ度数の球面レンズを主に保持するもので、その周縁には図示なき8つの開口部11が形成されている。そして図4に示すように、1つの開口部は視野開放のために開放されて「開口」を構成し、他の7つの開口部には「−4D」から「+3D」までの1D間隔の7つの球面レンズが保持されている。 【0022】第3のターレット板30は比較的弱度のレンズ度数の球面レンズを主に保持するもので、その周縁には図示なき8つの開口部が形成されている。そして図4に示すように、1つの開口部は視野開放のために開放されて「開口」を構成し、他の7つの開口部には「−0.375D」から「+0.5D」までの「0.125D」間隔の7つの球面レンズが保持されている。 【0023】第1のレコス板40は検眼の補助に用いる光学素子を主に保持するもので、その周縁には図示なき8つの開口部が形成されている。そして図4に示すように、1つの開口部は視野開放のために開放されて「開口」を構成し、他の7つの開口部には視野遮蔽のための「遮光板」、両眼視用偏光チャートに対応した「45°偏光板」、同じく両眼視用偏光チャートに対応した「135°偏光板」、斜位テスト等に用いる「赤のマドックスレンズ」、抑視や複視検査に用いる「赤/緑フィルター」、絞り効果によって矯正視力の目安を探るための「ピンホール」、複視検査に用いる「6Uプリズムレンズ/10Iプリズムレンズ」(「U」はディオプターUP方向、「I」はディオプターIN方向であり、以下同じ)がそれぞれ保持されている。 【0024】また第2のレコス板60は、第1のレコス板40と同様、検眼の補助に用いる光学素子を主に保持するもので、その周縁には図示なき3つの開口部が形成されている。そして図4に示すように、1つの開口部は視野開放のために開放されて「開口」を構成し、他の2つの開口部には「ロータリープリズム」と、「オートクロスレンズ」がそれぞれ保持されている。 【0025】次に、本検眼装置における光学素子の配置と、従来の検眼装置における光学素子の配置との相違について説明する。まず球面レンズに関し、従来の検眼装置においては前記のように、−29D〜+26.875Dの範囲のレンズ度数の生成が可能であった。これに対し本検眼装置においては、上述のように、球面レンズを第1〜第3のターレット板10〜30の3つの保持板に配置しており、これらから−28.375D〜+27.5Dの範囲のレンズ度数の生成が可能である(「−24D」+「−4D」+「−0.375D」=「−28.375D」、「+24D」+「+3D」+「+0.5D」=「+27.5D」)。 【0026】すなわち本検眼装置においては、マイナス側においては従来の検眼装置とほぼ同程度、プラス側においては従来の検眼装置を上回る測定のレンズ度数の生成が可能である。この一方、従来の検眼装置においては前記レンズの配置から各ターレット板に11枚もの球面レンズを配置する必要があるが、本検眼装置においては第1〜第3のターレット板10〜30に最高でも7枚の球面レンズを配置すればよい。したがって、その差4枚分の球面レンズを配置する必要がなくなり、ターレット板10〜30を小径化することができる。 【0027】また第3のターレット板30には、0.125間隔の球面レンズを配置しているので、この球面レンズによって度数の微調整及び乱視度数に対する球面成分の補正を行うことができる。またこのことから第1及び第2のレコス板40、60に0.125Dの球面レンズを設ける必要がない。したがって従来のように0.125Dの球面レンズを重複して配置する必要がないため、第1及び第2のレコス板40、60の小径化及びコスト低減化を図ることができる。また従来と異なり、−10D、+10D及び0.125Dの球面レンズを第2のレコス板60に設けていないので、「ロータリープリズム」及び「オートクロスレンズ」が不要な場合には第2のレコス板60を省略しても支障がない。したがって第2のレコス板60は、ユーザの希望時にのみオプション装備する等して基本的に省略し、コストの低減化を図ることができる。また本検眼装置においては第2のレコス板60が図示しない周知の構造によってレンズ室に対して着脱自在とされているので、第2のレコス板60を装着した検眼装置と、第2のレコス板60を省略した検眼装置とを、第2のレコス板60の着脱だけで容易に製造等でき、製造工程の共通化等を図ることができて、製造コストの低減化等を図ることができる。 【0028】次に、本検眼装置の第1及び第2のレコス板40、60に配置した光学素子と、従来の検眼装置のレコス板に配置した光学素子との相違について説明する。本検眼装置の第1又は第2のレコス板40、60に配置した光学素子は上述の通りであるが、ここでは従来の検眼装置の第1又は第2のレコス板に配置されていた光学素子のうち、ターレット板の光学素子で代用できるもの等が省略されており、レコス板の小径化及びコスト低減化が図られている。 【0029】まず図4に示すように、「開口」、「遮蔽板」、「ピンホール」、「45°偏光板」「135°偏光板」、「赤のマドックスレンズ」及び「赤/緑フィルター」は、第1〜第3のターレット板10〜30の光学素子等では代用できないため、本検眼装置においても省略されることなく第1のレコス板40に配置されている。 【0030】また図4に示すように、「6△BU/10△BI」も第1のレコス板40に配置されている。これは、「6△BU/10△BI」を第2のレコス板60のロータリープリズムで代用することも可能であるが、この場合にはプリズム測定のレンジが減る。すなわちロータリープリズムは10△のレンズ2枚を重ねて構成されており0〜20△の範囲でプリズム測定が可能であるが、例えば補助レンズの10△BIをロータリープリズムで代用すると、BI方向の測定範囲は0〜10△BIとなってしまう。またロータリープリズムを省略した場合には補助レンズの6△BU/10△BIも使えなくなってしまう。これらを避けるため、「6△BU/10△BI」を省略することなく配置している。なおロータリープリズムのプリズム測定の範囲に予め余裕を設けておけば、「6△BU/10△BI」を省略してもよい。 【0031】次に、従来の手動式の検眼装置においては「レチノスコープ用のレンズ」を第1又は第2のレコス板に配置していた。この「レチノスコープ用のレンズ」は、一般に+1.5D又は+2.0Dのレンズでありレチノスコープを用いた検眼の際に用いられるが、本実施形態のように電動式の検眼装置においては+1.5Dのレンズは中度レンズ及び弱度レンズによって容易に生成でき、また+2.0Dのレンズは中度レンズによって代用できるため省略している。 【0032】また従来は、「45°偏光板+0.125D」及び「135°偏光板+0.125D」を第1のレコス板に配置していた。これは上述のように乱視度数生成時において0.125Dの球面レンズが必要であるためこれを第2のレコス板にも設けていたが、第2のレコス板の他の光学素子を用いる場合には0.125Dの球面レンズを用いることができなくなるため、特に球面度数の最終確認に用いる偏光板に0.125Dの球面レンズ度数を付加していたものである。しかし本検眼装置においては、上述のように第3のターレット板30によって0.125Dの球面レンズを常時生成可能であるため、偏光板に0.125Dの球面レンズ度数を付加する必要がない。したがって本検眼装置においては、「45°偏光板+0.125D」及び「135°偏光板+0.125D」を省略している。 【0033】また従来は、「赤のマドックスレンズ」を透明にした「白のマドックスレンズ」を配置する場合があったが、この「白のマドックスレンズ」は、あまり使用されておらず装備しない自覚式検眼装置も多いので、本検眼装置においても省略している。 【0034】また従来は、「老視用クロスシリンダーレンズ」を配置する場合があった。この「老視用クロスシリンダーレンズ」は、±0.5Dのクロスシリンダーレンズで、近用十字視標を併用して老視検査を行うものである。しかしこの「老視用クロスシリンダーレンズ」の乱視度数は、ロータリシリンダレンズ50、51と第1〜第3のターレット板10〜30の球面レンズで生成できる。また「老視用クロスシリンダーレンズ」は老視測定時にのみ用いられるものであり、乱視測定時には用いられないので、ロータリシリンダレンズ50、51等にて生成しても乱視測定範囲を狭めるおそれがない。したがって本検眼装置においては「老視用クロスシリンダーレンズ」省略している。 【0035】さらに「十字線」も省略されている。この「十字線」は被検眼瞳孔間距離を測定する際に用いるものであり、該十字線を被検眼の瞳孔中心に合うようにレンズ室を移動させることによって被検眼に対するレンズ室の上下左右方向のアライメント状態を調整するものである。この被検眼に対するレンズ室の上下左右方向のアライメント状態は、検者がレンズ室の視野窓を介して被検眼を観察することで調整可能である。すなわち、視野窓の上下左右の概略中心位置に被検眼が位置することを検者が目視で確認すればよいので、本検眼装置では「十字線」を省略している。 【0036】また従来の検眼装置においては、上述のように「S+0.125D」、「S+10D」及び「S−10D」を設けていた。しかしこれらS+0.125D」、「S+10D」及び「S−10D」のレンズは、レコス板40、60に配置した他の検眼補助のための光学素子と併用したいので、第1〜第3のターレット板10〜30の球面レンズで代用する。したがって本検眼装置においては、これら「S+0.125D」、「S+10D」及び「S−10D」のレンズは省略されいている。 【0037】このようにレコス板40、60に配置する光学素子を減らした結果、レコス板40、60を小径化できる。またレコス板40、60の径をターレット板10〜30の径に対応させることができたので、これらターレット板10〜30及びレコス板40、60の径を全て従来より小さくして、レンズ室全体を小さくすることができる。 【0038】 【発明の効果】上記したように請求項1〜3に記載の本発明は、左右のレンズ室の各々には、複数のターレット板と、検眼の補助に用いる光学素子を保持する第1のレコス板と、測定光軸上で回動自在に保持された、絶対値が等しく符号が逆の2枚のシリンダレンズとを備え、複数のターレット板それぞれは、少なくとも一枚の0Dの球面レンズ又は一つの開口と、球面レンズとを保持可能な最大8つの開口部を有し、複数のターレット板のうちの一つは、少なくとも一枚の0Dの球面レンズ又は一つの開口と、0.125D間隔の複数の球面レンズとを保持すること等により、従来とほぼ同様の測定範囲を維持しつつ各ターレット板に配置するレンズ枚数を減らすことができ、ターレット板を小径化することができる。したがってレンズ室を小さくできて、被検者に与える圧迫感を小さくでき、また検者が被検者の様子を容易に観察することができる。また第3のターレット板には、0.125間隔の球面レンズを配置しているので、レコス板に0.125Dの球面レンズを設ける必要がない。したがって従来のように0.125Dの球面レンズを重複して配置する必要がないため、第1及び第2のレコス板の小径化及びコスト低減化を図ることができる。 【0039】さらに請求項4、5に記載の本発明は、第1のレコス板は、一つの0Dの球面レンズ又は一つの開口と、視野遮蔽のための遮蔽板、45°偏光板、135°偏光板、赤のマドックスレンズ、赤/緑フィルター、ピンホール及び6プリズム/10プリズムを保持すること等により、ターレット板等にて保持された光学素子にて代用できない必要不可欠の光学素子のみをレコス板に配置することになり、レコス板を小径化することができる。またレコス板の径をターレット板の径に対応させることができ、これらターレット板及びレコス板の径を全て従来より小さくして、レンズ室全体の小型化を達成することができる。 【0040】しかも請求項6に記載の本発明は、第2のレコス板を左右のレンズ室に対して着脱自在とすることにより、第2のレコス板を装着した検眼装置と第2のレコス板を省略した検眼装置とを、第2のレコス板の着脱だけで容易に製造等でき、製造工程の共通化等を図ることができて、製造コストの低減化等を図ることができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000004112 【氏名又は名称】株式会社ニコン
|
| 【出願日】 |
平成10年(1998)3月23日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】村田 幹雄 (外1名)
|
| 【公開番号】 |
特開平11−267100 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)10月5日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−93942 |
|