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【発明の名称】 内視鏡の挿入部
【発明者】 【氏名】小見 修二

【要約】 【課題】本体ブロックの側面側にカバー部材を接合させ、この接合部の少なくとも一部に保形リングを嵌合させることにより、カバー部材に外力が作用しても、このカバー部材が変形したすることがなく、この部位からの気密漏れ等が発生するのを防止する。

【解決手段】先端構成部2cを構成する先端部本体10には、少なくとも観察ユニット6を収容する収容空間14が形成され、かつ側面に開口しており、この開口13はカバー部材16で覆われて、接着剤等を用いて固着するが、この接合部の大半の部位は先端キャップ11で覆われる。本体ブロック15とカバー部材16との接合部の先端キャップ11に覆われないアングル部2bの外皮層30で覆われている部位には保形リング32が嵌合されており、この保形リング32を設けた部位に外皮層30の糸巻きによる固着部31が形成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 軟性部の先端にアングル部を設け、このアングル部の先端に硬質部材からなる先端構成部を設けた内視鏡の挿入部において、前記先端構成部には、先端に開口する複数の透孔が穿設され、かつこれら透孔に連なり、少なくとも照明ユニット及び観察ユニットが配置される収納凹部を形成した本体ブロックと、この本体ブロックに対して前記先端構成部の側面となる部位に接合されるカバー部材とから構成し、さらにこのカバー部材と前記本体ブロックとの接合部の少なくとも一部に保形リングを嵌合させる構成としたことを特徴とする内視鏡の挿入部。
【請求項2】 前記先端構成部には、さらに前記本体ブロックと、カバー部材との少なくとも一部を覆う先端キャップを装着する構成としたことを特徴とする請求項1記載の内視鏡の挿入部。
【請求項3】 前記アングル部の外皮層を前記先端構成部における前記先端キャップの端部と接合する位置にまで延在させて設け、この外皮層の先端部分を、前記保形リングを設けた部位に糸巻き部を設けることにより固定する構成としたことを特徴とする請求項1記載の内視鏡の挿入部。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医療用等として用いられる内視鏡の挿入部に関するものであり、特に先端構成部に照明ユニットや観察ユニット等を容易に組み込めるようにした挿入部に関するものである。
【0002】
【従来の技術】医療用等として用いられる内視鏡は、本体操作部に体腔内等への挿入部を連結して設ける構成としたものであるが、挿入部は体腔内等のように曲がった挿入経路に沿って挿入されることから、その大半の長さは可撓性を有する軟性部からなり、この軟性部の先端にアングル部が連設される。そして、アングル部の先端部分は硬質部材からなる先端構成部として、挿入部内に挿通させた種々の機能部材がこの先端構成部に固定される。この機能部材としては、少なくとも照明ユニットと観察ユニットとから構成される。照明ユニットは体腔内等で照明光を照射するためのものであり、観察ユニットを介して体内の観察を行うことができるようになっている。また、観察結果により患部等が発見された時には、鉗子等の処置具を挿通させて、患部の摘出等の処置を施すことができるように構成したものもあり、このためには挿入部の先端に前述した照明ユニット及び観察ユニットに加えて処置具導出部も設けられ、さらに観察ユニットを構成するレンズ面が汚損された時にそれを洗浄するための洗浄ノズルも設けられている。
【0003】以上のように、先端構成部には種々の機能部材が装着されるが、照明ユニットは照明光を伝送するためのライトガイドを、このライトガイドの先端に照明用レンズを装着したものから構成される。ライトガイドは光学繊維束からなり、その大半の長さ分は可撓性があり、先端側における照明用レンズとの連結部分は硬性化されている。また、観察ユニットとしては、体腔内等の映像を光学像のまま取り出すか、電気信号に変換した上で取り出すかにより光学式内視鏡と電子内視鏡とに分かれるが、いずれにしろ複数のレンズをレンズ鏡胴に装着した対物光学系を備えている。そして、光学式内視鏡の場合には対物光学系の結像位置に、ライトガイドと同様、光学繊維束からなるイメージガイドの入射端を配置するように構成する。一方、電子内視鏡の場合には、対物光学系の結像位置に固体撮像素子を設けるように構成し、固体撮像素子は回路基板に接続し、この回路基板には信号ケーブルが接続されている。また、対物光学系としては、光軸を90°曲げるためにプリズムを設けるようにしたものもある。
【0004】前述した各機能部材は、可撓性があり、軟性部からアングル部内に挿通される可撓性のある部位と、先端構成部に固定的に装着される硬性の部位とからなり、前者は可撓性挿通部で、後者は硬性部とから構成される。即ち、照明ユニットにあっては、照明用レンズとライトガイドの硬性部分の一部が硬性部であり、観察ユニットにおいては、対物光学系及び固体撮像素子とその基板が硬性部である。さらに、処置具挿通チャンネルや流体供給チューブに連結されている接続パイプも硬性部である。硬性部は先端構成部乃至先端構成部からアングル部への移行部に配置され、アングル部から軟性部内の部位には可撓性挿通部が位置させるようにする。従って、各機能部材の挿入部への組み付けは、先端構成部に硬性部の少なくとも一部を固定的に装着した後に、可撓性挿通部をアングル部から軟性部に向けて挿通させるか、または軟性部からアングル部を経て各可撓性挿通部を導出させて、その先端の硬性部を先端構成部に固定的に装着するかにより行われる。ただし、これら各機能部材における硬性部は先端構成部に一体的に組み込まれるのではなく、損傷した時等に修理や交換を行えるようにするために、着脱可能に組み付けられる。
【0005】このために、先端構成部には各機能部材の硬性部を装着するための透孔を所要数穿設した円柱状の部材から構成される。ここで、処置具チャンネル及び流体供給チューブから接続パイプは多少の段差があるものの、ほぼ軸線方向に均等な外径を有するものであり、またライトガイドから照明用レンズについても、全体が断面円形のものからなり、硬性部は多少太径となっている。従って、先端構成部に設けた透孔が挿入部の軸線方向に設けられている場合には、アングル部側から真直ぐ引き出して、格別支障を来すことなく挿通することができる。しかしながら、観察ユニットにおいて、特に電子内視鏡として構成した場合には対物光学系に連結される固体撮像素子及びその回路基板は異形のものであり、先端構成部に軸線方向に透孔を穿設しただけでは必ずしも円滑に装着できない場合がある。さらに、プリズムを用いて光路を90°曲げるようにした場合には、この観察ユニットの先端構成部への装着はより面倒になる。
【0006】また、内視鏡の観察ユニットによる観察視野の方向としては、挿入部の軸線方向、即ち前方に向いた直視内視鏡と、視野の中心が挿入部の軸線に対してほぼ直交する方向、即ち側方に向けた側視内視鏡とがあり、さらに直視内視鏡と側視内視鏡との中間の方向、即ち斜め前方に視野を向けた斜視内視鏡も用いられる。側視内視鏡及び斜視内視鏡のように、視野の方向が挿入部の軸線に対して所定の角度を持ったものとなっている場合には、各機能部材における可撓性挿通部は挿入部の軸線方向から延在させるのに対して、硬性部はこの可撓性挿通部は所定角度曲げて先端構成部に設けた透孔に挿通しなければならない。従って、機能部材を透孔に挿脱するには、挿入部の軸線に対して斜めまたは直交する方向に向けて移動させなければならない。従って、先端構成部に全ての機能部材を装着できるようにするには、かなり先端構成部には広いスペースを必要とする。
【0007】挿入部は体腔内等に挿入される関係から、挿入操作を容易に行い、また患者の苦痛軽減を図るために、その細径化が必要となる。従って、先端構成部内で各機能部材を方向転換させるためのスペースを確保するために多少太径になるのはやむを得ないとして、これら各機能部材における硬性部を挿入部と直交する方向または斜め方向に向けて挿脱できるように構成したものは、例えば実公昭63−48241号公報に示されている。この公知技術においては、挿入部の先端構成部における照明ユニットを構成するライトガイドをこの先端構成部に対して斜め方向に設けた透孔に挿通させるが、先端構成部の側面におけるこの透孔の延長方向を開口させて、この開口部にカバー部材を設けるように構成している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、内視鏡の挿入部は、その内部に種々の機能部材が設けられていることから、これら各機能部材が汚損されたり、劣化したりしないようにするために、密閉状態に保持されていなければならない。従って、カバー部材と先端構成部との接合部をシールする必要があるが、このためにはこの接合部に接着剤やシール材等を介在させるようにする。しかしながら、内部の空間を広く取るためには、カバー部材は薄肉化しなければならず、そうすると外力がこのカバー部材に作用した時には、容易に変形することから、この部位における密閉性が失われるおそれがある。従来技術のように、ライトガイドを挿通できるようにするという程度の開口を設ける場合には、この開口はさほど大きいものではないので、カバー部材をある程度薄肉化しても、外力による変形に対する強度はある程度高いものとなるが、観察ユニット、特に固体撮像素子を用いる場合には、この固体撮像素子及びその基板の外形はライトガイドよりかなり大きなものとなるので、先端構成部には大きな開口を設けなければならないことから、カバー部材の変形に対する強度が低下する。しかも、これら固体撮像素子及びその回路基板を収納するためのスペースを広く確保しようとすると、カバー部材をさらに薄肉化する必要があり、外力による変形の可能性が極めて高くなる結果、内部の気密漏れが発生する可能性が極めて高くなるといった問題点がある。
【0009】本発明は以上の点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、先端構成部において、側面部に開口する部位をカバー部材で覆った状態で、このカバー部材の装着部の気密性を高めることができるようにすることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成するために、本発明は、軟性部の先端にアングル部を設け、このアングル部の先端に硬質部材からなる先端構成部を設けた内視鏡の挿入部において、前記先端構成部には、先端に開口する複数の透孔が穿設され、かつこれら透孔に連なり、少なくとも照明ユニット及び観察ユニットが配置される収納凹部を形成した本体ブロックと、この本体ブロックに対して前記先端構成部の側面となる部位に接合されるカバー部材とから構成し、さらにこのカバー部材と前記本体ブロックとの接合部の少なくとも一部に保形リングを嵌合させる構成としたことをその特徴とするものである。
【0011】ここで、先端構成部は、さらに本体ブロックと、カバー部材との少なくとも一部を覆う先端キャップを設けるように構成することができる。そして、アングル部の外皮層の先端を先端構成部側に延在させて固定する場合には、アングル部の外皮層を先端構成部における先端キャップの端部と接合する位置にまで延在させて設け、この外皮層の先端部分を、保形リングを設けた部位に糸巻き部を設けることにより固定するように構成することができ、これにより糸巻きによる締め付け力が直接カバー部材に作用するのを防止できる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、この実施の形態としては、斜視内視鏡として構成したものを示すが、本発明は必ずしもこれに限定されるものではなく、側視内視鏡や直視内視鏡にも適用することができる。
【0013】而して、図1に内視鏡の全体構成を示す。この図から明らかなように、内視鏡は本体操作部1に患者の体腔等の内部に挿入する挿入部2を連設すると共に、この本体操作部1からユニバーサルコード3を引き出すようにしたものである。挿入部2は、本体操作部1への連設側から大半の長さ部分は挿入経路に沿って任意の方向に曲がる軟性部2aで構成され、この軟性部2aの先端には遠隔操作により所望の方向に湾曲させることができるアングル部2bが連設されている。さらに、アングル部2bの先端には先端構成部2cが連設されており、このアングル部2bを湾曲操作することによって、先端構成部2cの方向を遠隔操作で制御できるようになっている。
【0014】次に、図2及び図3に挿入部2の先端部分の構成を示す。図2に示したように、挿入部2における先端構成部2cの先端部分には、挿入部2の中心軸線A1 に対して所定角度αだけ傾斜した傾斜平面部4が設けられている。この傾斜平面部4には、その下部側の左右両側部に照明ユニット5,5が配置されており、これら照明ユニット5,5間の位置に中央に観察ユニット6が装着される。また、傾斜平面部4の上部側には処置具導出部7が設けられるが、この処置具導出部7は傾斜平面部4から上部側の外周面部分にかけて開口している。さらに、処置具導出部7の開口部の側部位置から観察ユニット6の方向に向けて延在するように洗浄用ノズル8が装着されている。従って、前述した各部材により挿入部2内に設けられる機能部材が構成される。
【0015】ここで、先端構成部2cは先端部本体10と先端キャップ11とから構成される。このように、先端構成部2cを機能的に異なる2部材で形成するのは、次の理由からである。即ち、先端部本体10には挿入部2内に挿通させた各種の部材における先端部分を挿入固定するために、複数の透孔や凹部等が形成されているので、これら透孔や凹部等を形成する加工が容易で、しかも複数の透孔等が形成された状態でなお十分な強度を持たせるためにステンレス等の金属材で形成する。そして、先端構成部2cは体腔内壁と直接接触するものであり、また処置具導出部7から導出されて処置を行う処置具としては、高周波処置具等もあることから、先端部本体10が直接体腔内壁に触れた状態で通電される処置具を作動させた時の安全を確保するために、金属からなる先端部本体10を電気絶縁性部材として、所定の厚みを有する硬質プラスチック等からなる先端キャップ11が嵌着されている。従って、先端キャップ11の表面の一部が傾斜平面部4となる。
【0016】ここで、観察ユニット6としては、対物光学系と固体撮像手段及びこの固体撮像手段に接続したケーブルとから構成される。対物光学系は、レンズ鏡胴20に装着した複数のレンズからなる対物レンズ群21を有し、このレンズ鏡胴20はプリズム枠22に挿嵌されて、光軸方向に所定の間隔だけ移動可能となっている。プリズム枠22はプリズム23に固着して設けられており、このプリズム23は対物レンズ群21の光軸を90°曲げるためのものである。従って、プリズム23の後端面23aは対物レンズ群21の光軸に対して45°の角度傾斜している。そして、プリズム23にはCCD等からなる固体撮像素子24の撮像面が接合されており、さらにこの固体撮像素子24は回路基板25に搭載されており、これら固体撮像素子24と回路基板25とで固体撮像手段が構成される。回路基板25にはケーブル26が接続されるが、このケーブル26は回路基板25の裏面側から引き出されて、挿入部2から本体操作部1を経てユニバーサルコード3内に延在される。このように、対物レンズ群21と固体撮像素子24との間にプリズム23を介在させて、対物光学系の光軸を90°曲げることにより、固体撮像素子24及び基板が対物レンズ群21と平行に配列された状態で、単一のユニットを構成するようになっている。従って、レンズ鏡胴20から固体撮像素子24が搭載されている回路基板25までの部位が硬性部であり、ケーブル26が可撓性挿通部となる。
【0017】以上のように構成される観察ユニット6を先端構成部2cに装着するために、図2から明らかなように、先端部本体10には透孔12が穿設されており、また先端キャップ11にも透孔12とほぼ同じ直径の開口13が形成されている。従って、観察ユニット6は、内部に対物レンズ群21を装着したレンズ鏡胴20が、透孔12を貫通して、先端キャップ11に形成した開口13内に延在されて、この先端キャップ11の表面である傾斜平面部4に臨むように装着され、接着剤等を用いて固定されている。そして、観察視野の方向を斜め前方に向けるようにするために、これら透孔12及び開口13の軸線A2 は、挿入部2の中心軸線A1 に対して所定の角度θ、即ち30°〜45°傾ける。従って、この軸線A2 は対物レンズ群21の光軸と一致するので、以下においては、光軸A2 という。
【0018】透孔12から開口13内に挿嵌されるのは、レンズ鏡胴20の先端側の一部分であり、このレンズ鏡胴20と共に硬性部を構成するプリズム枠22及びプリズム23、さらに固体撮像素子24とその回路基板25は先端部本体10の内部に収容させるようにしている。このために、先端部本体10には収容空間14が形成されており、この収容空間14と透孔12及び開口13とで観察ユニット装着部が構成される。ここで、観察ユニット6は先端構成部2cに組み込まれ、また必要に応じて取り外すことができるようになっており、従って収容空間14は完全に閉鎖された空間ではなく開放可能な空間とする必要がある。このために、図4に示したように、先端部本体10を本体ブロック15とカバー部材16との2部材で形成し、観察ユニット6を構成する硬性部だけでなく、照明ユニット5を構成するライトガイドの先端側の硬性部分と照明用レンズや、洗浄用ノズル8がこの本体ブロック15に連結して設けられ、また処置具導出部7も本体ブロック15に形成されている。
【0019】本体ブロック15には、その下方側に凹部を形成することにより観察ユニット6の収容空間14を形成し、この凹部をカバー部材16で覆うようにしている。ここで、図2において、紙面の上下方向を高さ方向とし、紙面と直交する方向を幅方向とした時に、本体ブロック15に装着される観察ユニット6のうち、最も幅が広いのは回路基板25であるから、この回路基板25が上側に向くように配置し、それより幅の狭いプリズム23のコーナ部を下側、即ち外周側に位置させる。これによって、機能部材のうちの最も大型の部材である観察ユニット6の硬性部を狭いスペースに有効に収納できるようになる。そして、回路基板25を着脱可能に装着するために、収容空間14の下部側を大きく開口させなければならない。このために、図5に示したように、先端構成部2cにおける下方側の側面部分を半円に近い開口を形成して、収容空間14内に回路基板25を余裕をもって配置できるようにしている。また、収容空間14を形成する本体ブロック15における収容空間14を構成する壁面のうち、回路基板25が対面する壁面15aは、光軸A2 とほぼ平行な角度を有する傾斜面となし、さらにこの壁面15aと回路基板25との間にケーブル26を引き出せる間隔を設ける。なお、収容空間14の幅方向においては、回路基板25の幅より大きければ良いが、観察ユニット6の左右の両側に照明ユニット5が配置されており、これら照明ユニット5は光学繊維束を含むものであるから、これら光学繊維束を通過できる幅を持たせるようにするのが好ましい。
【0020】さらに、傾斜平面部4には処置具導出部7が形成されているが、この処置具導出部7は先端部本体10における本体ブロック15の上部位置に形成した凹部7aと、それに連なる基端側の通路7bの部分とから構成される。そして、通路7bには硬質の連結パイプ17が接続されており、この連結パイプ17には可撓性を有するチューブ材からなる処置具挿通チャンネル18が接続されている。ここで、処置具挿通チャンネル18は挿入部2の中心軸線A1 とほぼ平行な方向に延在されているが、連結パイプ17及び通路7bをこの中心軸線A1 に対して光軸A2 と同じ方向でこの光軸A2 より小さな角度で傾斜させるようにしている。従って、処置具は斜め上方にガイドされて、凹部7aに至るようになり、この凹部7aには処置具起立台19が設けられており、この処置具起立台19により処置具はさらに起き上がるようになり、光軸A2 とほぼ同じ方向に導出されるようになっている。処置具起立台19は遠隔操作により起立するが、このために処置具起立台19の先端側には図示しない操作ワイヤが連結して設けられており、基端側には回動軸19aに連結される。
【0021】このように、処置具導出部7の傾斜平面部4における開口位置はより上方に配置されるので、レンズ鏡胴20が装着される透孔12及び開口13の位置をさらに上方に配置できるようになる。この結果、観察ユニット6の装着部におけるスペース的な余裕がさらに増大して、先端構成部2cの外径の小型化及び軸線方向の長さの短縮がより図られるようにもなる。また、通路7bは傾斜しているものの、この通路7bと光軸A2 との間には角度差があることから、この角度差により回路基板25の上部位置に余裕のスペースが形成されれているので、この部位に処置具起立台19の回動軸19aを配置することができる。
【0022】従って、先端硬質部2cの外径を太くしたり、硬質部分の軸線方向の長さを長くすることがなく、大型の機能部材である観察ユニット6を、その観察視野の中心、即ち光軸A2 に斜視内視鏡として必要な角度を持たせた状態にして先端構成部2cに設けることができるようになる。従って、体腔内等のように、大きく曲がったり、分岐したりし、また途中に狭窄な部位が存在している等の挿入経路に沿って挿入部2を挿入する操作を極めて円滑に行うことができ、また挿入部2が挿入されて、内視鏡検査を受ける患者の苦痛軽減も図られる。
【0023】ところで、観察ユニット6の装着は、挿入部2の中心軸線A1 に対して45°乃至その近傍の角度を持った光軸A2 方向となることから、レンズ鏡胴20の透孔12から開口13への挿脱方向はこの光軸A2 方向となる。従って、観察ユニット6の挿脱を可能にするために、本体ブロック15に形成した収容空間14はこの光軸A2 方向の基端側が開口しており、この開口した部位がカバー部材16で覆われている。そして、観察ユニット6は回路基板25を有し、この回路基板25は最基端側に位置するものであり、この回路基板25も円滑に外部に導出できるようにするために、開口13は本体ブロック15の基端部まで及んでいる。従って、収容区間14は、図5から明らかなように、その断面がほぼ半円に近い形状で開口しており、この開口を覆うカバー部材16はほぼ半円に近い形状に湾曲した板体から構成される。しかも、収容空間14におけるスペースをできるだけ広くするために、カバー部材16はかなり薄肉の部材で形成される。
【0024】この開口13を覆うカバー部材16は、その端面を本体ブロック15に接合させた状態にした上で、接着剤等を用いて固着するが、さらにこの部位を密閉するために、この接合部の大半の部位は先端キャップ11で覆われており、先端キャップ11は硬質部材で形成されるから、この先端キャップ11で覆われている部位にはカバー部材16に直接外力が作用することはない。ただし、先端構成部2cはアングル部2bに連設されており、アングル部2bは外皮層30で覆うことにより内部を密閉している。そして、先端構成部2cとアングル部2bとの連設部を密閉するために、外皮層30は先端構成部2c側に延在されており、この外皮層30の先端部は先端キャップ11の基端部と突き合わされて、糸巻き及び接着剤を用いて固着される。この固着部は図2において31で示した箇所である。従って、固着部31の位置は本体ブロック15とカバー部材16との接合部を含み、しかもこの部位には先端キャップ11は位置していない。糸巻きによる固着部31が確実に固定されるためには、糸巻きは強い締め付け力で巻着されることになり、この締め付け力によりカバー部材16は常時圧縮する方向の力が作用するようになり、またこの部位にさらに押圧力が加わることもある。この結果、本体ブロック15とカバー部材16との接合部位に段差や隙間等が生じたりすると、挿入部2の内部の気密を確保できず、汚損物等が入り込むおそれがある。
【0025】以上のことから、この固着部31が設けられる部位における気密を確保するために、本体ブロック15とカバー部材16との接合部には、金属等からなる比較的幅の狭い硬質部材からなる保形リング32を嵌合させて設け、この部位を固着部31としている。これによって、固着部31を構成する糸巻きにより圧縮方向の力が加わっても、確実に外形が円形の状態に保つようになる。この結果、この接合部における気密の保持が図られる。ただし、この保形リング32を装着することにより外径部分が膨出する段差が生じるのは好ましくはない。本体ブロック15には、その基端側の外周面に段差15bを形成して、アングル部2bを構成する最先端のアングルリング33を嵌合させるようになっており、従ってこの段差15bを保形リング32の幅分だけ先端側に延在するようになし、またカバー部材16の基端側に同じ幅と深さとを有する段差16aを形成する。これによって、保形リング32の嵌合部分に膨出部が形成されることはない。
【0026】以上のように構成した斜視内視鏡は、その挿入部2を患者の体内等に挿入して検査や観察等を行うが、照明ユニット5及び観察ユニット6は先端構成部2cにおける傾斜平面部4に設けられているから、その観察視野は斜め前方となる。そして、観察ユニット6からの視野の方向は、レンズ鏡胴20に装着した対物レンズ群21の光軸A2 方向であり、この光軸A2 を含む所定の範囲を視野に入れることができるが、対物レンズ群21としては、一般に広角レンズが用いられることから、極めて広い範囲を視野に入れることができる。この視野範囲は、挿入部2の軸線方向を含み、しかも軸線と直交する方向をも視野に入れることができるようになる。
【0027】従って、食道等の体腔管内において、その管壁を観察しながら挿入を進めるという操作が可能になり、挿入部2の挿入経路に沿って挿入する操作を容易に、しかも安全かつ確実に行うことができる。また、挿入部2を軸回りに回動させるように操作すれば、体腔管内壁の全周を隈なく検査することもできるようになる。さらに、例えば胃内検査を行うに当って、胃角部というように、部分的に突出して狭窄になった部位を観察視野に入れるに当っては、直視内視鏡ではアングル部を大きく湾曲させなければ視野に入れることができず、また空間が狭いために視野に入る程度にまでアングル部を湾曲操作できない場合があるが、斜視内視鏡を用いることにより、図6に示したように、アングル部2bを僅かな角度湾曲させるだけで確実に視野に捉えることができる。
【0028】また、内視鏡による検査の結果、患部等が発見されると、処置具を用いて患部の摘出その他の処置が行われる。処置具は処置具挿通チャンネル18から連結パイプ17を経て処置具導出部7に導かれる。そして、この処置具導出部7は、傾斜平面部4から上部側の側面にかけて開口しており、かつその内部に処置具起立台19が設けられているので、この処置具起立台19を起立操作することによって、処置具を患部等の方向に向けることができる。このように、処置具を用いて処置を施す際には、処置具は常時観察ユニット6による観察視野の範囲内に位置させなければならないが、処置具起立台19の最大起立角を光軸A2 とほぼ同じ角度とすれば、処置具は常に観察視野の範囲内に位置させることができる。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、先端構成部を、観察ユニットを対物レンズ及びこの対物レンズを装着した本体ブロックと、この本体ブロックに対して先端構成部の側面となる部位に接合されるカバー部材とから構成し、さらにこのカバー部材と本体ブロックとの接合部の少なくとも一部に保形リングを嵌合させるようにしたので、カバー部材に外力が作用しても、このカバー部材が変形したすることがなく、この部位からの気密漏れ等が発生するのを確実に防止できる等の効果を奏する。
【出願人】 【識別番号】000005430
【氏名又は名称】富士写真光機株式会社
【出願日】 平成10年(1998)3月20日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】影井 俊次
【公開番号】 特開平11−267088
【公開日】 平成11年(1999)10月5日
【出願番号】 特願平10−90627