| 【発明の名称】 |
臓器圧排法並びに装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】大矢 正俊
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| 【要約】 |
【課題】従来、手術に際し、手術に邪魔な臓器を側方へ押圧排除し、その押圧排除位置を維持するために、圧排鈎をその担当者がその把持杆を把持し、その圧排鈎を患者の開腹部内に所要深さ挿入し且つ引っ張り、邪魔な臓器を側方へ押圧排除し、手術が終わるまで長時間牽引し続けることによりその圧排板をその押圧排除位置に維持する人手と人力を要する臓器圧排法を改善し、かゝる人手と人力を要せず而も不動に且つ高能率に圧排板を所定の押圧排除位置に維持できる臓器圧排法と装置を提供する。
【解決手段】手術に当たり、手術に邪魔になる臓器を圧排板1により側方へ押圧排除した位置に在る圧排板1を、手術台11にその幅方向を跨いで取り付けた架橋枠7の中間杆部7aに着脱自在に取り付けた連結固定具5により保持される保持杆2に保持せしめた。これにより、手術中、所望時間、圧排板1の押圧排除状態を手術が終わるまで長時間不動に維持することができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 所定の臓器を側方へ押圧排除した位置に在る圧排板を、手術台にその幅方向を跨いで取り付けられた架橋枠の中間枠に着脱自在に固設した連結固定具に連結固定した保持枠により該圧排板をその押圧排除位置に固定保持するようにしたことを特徴とする臓器圧排法。 【請求項2】 所定の臓器を側方へ押圧排除する圧排板と該圧排板に一体に或いは着脱自在に設ける保持枠と、手術台にその幅方向を跨いで取り付けられる架橋枠と、該保持枠を該架橋枠の該中間枠に着脱自在に取り付けられ且つ該保持枠を連結固定する連結固定具とから成ることを特徴とする臓器圧排装置。 【請求項3】 該圧排板は、幅方向に円弧状に弯曲した所望寸法の長矩形板に保持杆の前後動自在の係止用軸を挿通自在の貫通孔と該貫通孔に連通し垂直方向に延びる深さ調整用長孔とを穿設されて成り、該保持杆は、所望長さの外筒と該外筒内に設けた前進動自在の係止用軸とから成り、該架橋枠は、手術台の両側のレールに着脱自在に所望位置に取り付けられる左右の脚とその両足と一体に又は着脱自在に取り付けられる中間枠とから成り、該連結固定具は、該架橋枠の該中間枠に着脱自在にその所望位置に取り付けられる保持枠を保持する連結固定具であることを特徴とする請求項2記載の臓器圧排装置。 【請求項4】 該保持杆は、先端に係止用端部を設けた外筒と該外筒内に回転自在に設けた内筒と該内筒に螺合し該内筒の1方向又は他方向への回動操作により前進後退自在であり、且つ先端に係止用端部を設けた前後動自在の係止用軸とから成る請求項2又は3記載の臓器圧排装置。 【請求項5】 該連結固定具は、上面に上方に垂直に延びる螺杆を設け、側面に前記の架橋枠の中間杆部を受け入れる開口部を有し、且つ水平方向に貫通する中間杆部保持孔を設けた中間杆部保持用ブロックと、上面に該螺杆を挿通する上下方向の貫通孔を有し、下端縁に架橋枠の中間杆部と係合する切欠孔を形成された該中間杆部係合用キャップと、中心に該螺杆を挿通する上下方向の貫通孔と両側面を水平方向に貫通する該保持杆挿通保持用貫通孔と該保持杆挿通保持用貫通孔に連通し且つ他端に開口して上下に遊動板を離隔形成したスペースとを設けられ、該キャップの上面に載置される割り板と、該螺杆に螺合され、該割り板の上面から締付けを行う締付け用ネジとから成る請求項3又は4記載の臓器圧排装置。 【請求項6】 該架橋枠の該中間枠は、手術台に対し平行であり且つアーチ状、コ字状などの屈曲した囲枠に形成したことを特徴とする請求項3又は4記載の臓器圧排装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、直腸癌などの所要の個所の手術に当たり、その手術の邪魔になる臓器を側方へ押圧排除した後、手術の終わるまでこれをその位置で押圧排除状態を維持するに用いられる臓器圧排法並びに装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、直腸癌の手術に当たり、担当者がその手術に邪魔になる部位の腸や膀胱などの臓器を側方へ押圧排除し、更に、手術の終わるまでこれをその位置で押圧排除状態を維持するために把持し続ける図11に示す通常、骨盤鈎と称する圧排鈎Aが使用されていた。該圧排鈎は、幅方向に円弧状に弯曲した所定の寸法を有する長矩形状のステンレス鋼製の圧排鈎板a1と該圧排鈎板a1の凸面側に一体に設けたステンレス鋼製の把持杆a2とから成る。該骨盤鈎Aは、該直腸癌の手術に当たり、担当者は、該圧排鈎Aの把持杆a2を把持し、その圧排鈎板a1を該腹部内に所要深さ挿入した後、手術台上に横臥した患者の切開された下腹部内のその患部の手術の邪魔となる上位或いは周辺の臓器を側方へ引っ張り押圧排除し、更に、手術の終了までそのまゝの位置でその押圧排除位置を維持するように牽引し続けていた。尚、骨盤鈎板a1の下端に、その凸面側に水平に突出する鈎端板a3は、臓器を牽引押圧排除に当たり、その下面から掬い上げて側方へ押圧排除作用を更に良好にするに役立つ。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】このように、従来は、手術に当たり、邪魔になる臓器を該圧排鈎を把持し、人力を用いて押圧排除位置を維持していた。従って、手術の終了までその担当者が不可欠であった。また、その担当者は、手術中長時間に亘りその位置を維持するために牽引保持する相当な労力を要し、疲労により当初の所定の位置を手術終了まで維持することが困難であり、また、その所要の位置が疲労により変動し、手術の邪魔となり、手術が円滑にできないなど、人力によっては、執刃医の望む個所の適正な押圧排除を長時間に亘り維持することができず、手術時間が長びくなどの不都合が回避できなかった。また、一方、患者の、例えば、直腸癌の手術用として、開腹部へ挿入する所望の深さに応じて高さが10cmから20cmまでの範囲で2cm毎相異する6種類の圧排鈎を用意しておき、これから適当な寸法のものを選択使用しなければならない不便と不経済な面があった。従って、従来の圧排鈎の不都合を解消するため、従来不可欠であった担当者を不要とし、人件費の節約をもたらし、而も執刃医が望む通りに適正に邪魔な臓器の側方への押圧排除状態を長時間に亘り維持でき、直腸癌、その他の患部の手術を円滑且つ高能率に行うことができ、また、必要に応じ、1つの圧排鈎を用いて手術に応じてその所要の深さ位置や押圧排除個所を自由に変えることができる臓器の圧排法及び圧排装置の開発が望まれる。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明は、所定の臓器を側方へ押圧排除した位置に在る圧排板を、手術台にその幅方向を跨いで取り付けられた架橋枠の中間枠に着脱自在に固設した連結固定具に連結固定した保持枠により該圧排板をその押圧排除位置に固定保持するようにしたことを特徴とする臓器圧排法を提供する。更に本発明は、所定の臓器を側方へ押圧排除する圧排板と該圧排板に一体に或いは着脱自在に設ける保持枠と、手術台にその幅方向を跨いで取り付けられる架橋枠と、該保持枠を該架橋枠の該中間枠に着脱自在に取り付けられ且つ該保持枠を連結固定する連結固定具とから成ることを特徴とする臓器圧排装置を提供する。更に本発明は、好ましい臓器圧排装置を提供するもので、該圧排板は、幅方向に円弧状に弯曲した所望寸法の長矩形板に保持杆の前後動自在の係止用軸を挿通自在の貫通孔と該貫通孔に連通し垂直方向に延びる深さ調整用長孔とを穿設されて成り、該保持杆は、所望長さの外筒と該外筒内に設けた前進動自在の係止用軸とから成り、該架橋枠は、手術台の両側のレールに着脱自在に所望位置に取り付けられる左右の脚とその両足と一体に又は着脱自在に取り付けられる中間枠とから成り、該連結固定具は、該架橋枠の該中間枠に着脱自在にその所望位置に取り付けられる保持枠を保持する連結固定具であることを特徴とする。更に本発明によれば、この場合、該保持杆は、先端に係止用端部を設けた外筒と該外筒内に回転自在に設けた内筒と該内筒に螺合し該内筒の1方向又は他方向への回動操作により前進後退自在であり、且つ先端に係止用端部を設けた前後動自在の係止用軸とから成るものに構成すること好ましい。更に本発明によれば、該連結固定具は、上面に上方に垂直に延びる螺杆を設け、側面に前記の架橋枠の中間杆部を受け入れる開口部を有し、且つ水平方向に貫通する中間杆部保持孔を設けた中間杆部保持用ブロックと、上面に該螺杆を挿通する上下方向の貫通孔を有し、下端縁に架橋枠の中間杆部と係合保持する切欠孔を形成された該中間杆部係合用キャップと、中心に該螺杆を挿通する上下方向の貫通孔と両側面を水平方向に貫通する該保持杆挿通保持用貫通孔と該保持杆挿通保持用貫通孔に連通し且つ一端に開口して上下に遊動板を離隔形成したスペースとを設けられ、該キャップの上面に載置される割り板と、該螺杆に螺合され、該割り板の上面から締付けを行う締付け用ネジとから成るものに構成することが好ましい。 【0005】 【発明の実施の形態】本発明は、手術に際し、手術に邪魔となる臓器を側方へ押圧排除した位置を手術が終了するまで維持することを人手によらずに而も不動に維持する臓器の圧排法を提案したもので、初めは圧排板を保持して手術台上に仰臥した患者の患部の手術、例えば直腸癌の手術に当たって、その下腹部を切開したその開腹部に所要深さまで挿し込み、手術に邪魔な臓器を側方に押圧排除した後は、予め手術台にその幅方向を跨いで取り付けられた架橋枠の中間枠に着脱自在に取り付けた連結固定具に固定した保持杆に前記の押圧排除位置にある該圧排板をその押圧排除位置に固定保持するようにし、これにより、人力によることなく手術が終了するまで不動にその位置に該圧排板を維持することができ、従来不可欠であった担当者を不要とし、且つ押圧排除位置を維持するために牽引し続ける労働作業の煩わしさを解消することができ、また、手術中、上記の該圧排板による固定保持する位置を変える必要があるときは、該連結固定具を該架橋枠の所要の位置に移動、固定し、その位置で前記と同様の圧排法を行えばよい。従って、好ましくは、該架橋枠は、後記に詳述するように、その中間枠をアーチ状、コ字状などの屈曲した囲枠に形成することが好ましい。本法は勿論、直腸癌の手術に限定されず、胃、十二指腸、その他の開腹して手術すべき所望の患部の手術に当たり使用できる。 【0006】また、本発明は、本発明の臓器圧排法を実施する圧排装置を提供するもので、所定の臓器を側方へ押圧排除する圧排板と該圧排板に一体に或いは着脱自在に設ける保持枠と、手術台にその幅方向を跨いで取り付けられる架橋枠と、該保持枠を該架橋枠の該中間枠に着脱自在に取り付けられ且つ該保持枠を連結固定する連結固定具とから成る。 【0007】次に、本発明の上記の方法並びに装置について添付図面に基づいて説明する。図1(a)、(b)において、1は手術に邪魔な臓器を側方へ押圧排除するための圧排板を示す。該圧排板1は、幅方向に円弧状に弯曲した所望寸法の長矩形状板1aに、その幅方向の中央の中心軸線上に、下部に図2に示す保持杆2が挿通自在の貫通孔3と該貫通孔3に連通し、且つこれより狭幅で該保持杆2の後記する前後動自在の係止用軸2aを挿通し案内する垂直方向に上方に延びる深さ調整用の長孔4とを穿設して成るものに形成する。尚、図面では該圧排板1の下端は、従来と同様にその凸面側から水平に突出する水平端板1bを設けて圧排鈎板1bに形成したが、必ずしも設ける必要はない。また、圧排板1を円弧状に弯曲することにより、臓器に対する当たりを柔らかくして円滑な押圧排除を行うに好ましいことは、従来と変わりがない。かくして、本発明の圧排板1は、その垂直方向に長孔4を形成してあるので、その長孔4の所定位置で、後記するように保持杆2を着脱自在に取り付けて1つの該圧排板1で患者の切開した腹内へ挿入すべき該圧排板1の深さを調節することができ、従来のように、所要の深さに適した寸法の圧排鈎に取り換える必要がなく、所要の圧排板の数を減らすことができると共に共通一本の保持杆で足り、経済的である。 【0008】該圧排板1の寸法は、手術の個所、腹部に挿入する所要の深さの相異などにより異なるが、例えば、直腸癌の手術においては、例えば縦15〜25cm程度、横3〜10cm程度、該貫通孔3の径は1〜3cm程度、該長孔4は長さ10〜20cm程度とし、該保持杆2の外径は該貫通孔3に対し抜き差し自在であれば足り、該保持杆2の該係止用軸2aの径は、該長孔4の幅よりは小径であれば足り、その先端の係止用端板2a1は、該長孔4の幅よりは大きく、その長孔4の両側縁板部に係合当接係合する広幅であれば足りる。 【0009】該保持杆2は、図2に例示のように、先端に係止用端部2b1を設けた所望の長さの外筒2bと該外筒2b内に設けた先端に係止用端部2a1を設けた前後動自在の係止用軸2aとから成る。該係止用端部2b1は鍔状とし、且つ前記の圧排板1の凸面に当接するに適した幅方向に円弧状の凹面を有するものに形成し、該係止用端部2a1は、前記の圧排板1の凹面に当接するに適した幅方向に円弧状の凹面を有する矩形状板に形成することが好ましい。 【0010】該保持杆2の該係止用軸2aの前進、後退動は、例えば次のように構成することにより達成できる。即ち、図2に示すように、前記の外筒2b内に内筒2cを回転自在に設け、該内筒2cの先端から所望の長さに亘りその中心軸に沿って設けた螺孔2c1に前記の係止用軸2aの後部の外周面に設けた螺条部2a2を螺合して、該内筒2cの一方向又は他方向へ回動操作により該係止用軸2aが図2の矢示のように所望の長さ前進又は後退するようにした。この場合、該内筒2cの回動操作を外部から行えるようにするため、その後端部2c2を該外筒2bの後端面より所望の長さ後方に突出させてその突出部を手で操作できる操作部2c3とし、この部分を把持して、該内筒2cの回動操作が行えるようにした。該内筒2cの周面には、環状の係止用凹溝2eを設け、該外筒2bの螺孔に螺入したビス2fの先端を該環状凹溝2dに挿入し、これにより該内筒2cの前後動を阻止するようにした。かくして、該保持杆2は、前記の圧排板1の所望の高さ位置に、着脱自在に取り付けられる。即ち、該保持杆2の該内筒2cを回動して該係止用軸2aを該外筒2bの先端よりも前方へ前進させ、この状態で該圧排板1の下部の貫通孔3を通してその係止用端板2a1を該圧排板1の前面、即ち凹面側に突き出させ、この状態でその係止用軸2aを該長孔4に導入し、その長孔4の所望位置において即ち、該圧排板4の患者の腹部に挿入する所要の深さ位置において、該内筒2cを以前とは反対方向に回動せしめて該係止用軸2aを後退させてその係止用端板2a1が該圧排板1の凹面、即ち前面に当接せしめると共に、その外筒2bの先端の係止用端板2b1を該圧排板1の凸面、即ち後面に当接させ、これらの係止用端板2a1及び2b1とで該圧排板1を挟持せしめる。このように、該保持杆2を該圧排板1に所望の深さ位置において着脱自在に取り付けることができる。(図3参照)。 【0011】本発明によれば、この保持杆2の該圧排板1への取り付け作業は、患者の患部を手術するに当たり、例えば、直腸癌の手術に当たり、執刃医が患者の下腹部を切開した後、前記の圧排板1を把持してその腹部内に所要の深さ挿入する一方、該保持杆2の係止用軸2aを前記のように圧排板1の長孔4に挿入し、この状態で圧排板1を側方へ所望位置まで側方に押圧排除し、その位置で係止用軸2aを後退させて該保持杆2により該圧排板1をその排除位置に挟持するのであるが、その挟持固定挟持は、後述するように、手術台に架設した架橋枠の中間枠に設けた連結固定具に連結固定された前記の保持杆2により臓器の押圧排除位置に在る該圧排板1を人力によることなく、手術が終わるまでその位置を維持するようにする。手術終了後は、該保持杆2の該内筒2cを回動して、該係止用軸2aを前進させれば、前記の挟持は解かれ、該係止用軸2aを該貫通孔3から引き抜くことにより、該圧排板1は自由となるので、腹部から上方へ除去すれば良い。 【0012】尚、因みに、図示の例では、該保持杆2の長さは10〜20cm、その先端の外筒2bの鍔状の係止用端板2b1の径は3cm、該係止用軸2aの先端の円板状の係止用端板2a1は、縦1cm、横1.5cmとし、前記の圧排鈎板1の該貫通孔3に対し抜き差し自在とした。 【0013】該連結固定具の1例は、図4及び図5に示す。同図において、5は連結固定具を示し、図4は連結固定具5を分解した状態、図5はこれを組み立てた状態を示す。該連結固定具5は、上面に上方に垂直に延びる螺杆6aを設け、側面に図6に示す架橋枠7の中間杆部7aを受け入れる開口部6bを有し、且つ水平方向に貫通する中間杆部保持用孔6cを設けた中間杆部保持用ブロック6と、上面に該螺杆6aを挿通する上下方向の貫通孔8aを有し、下端縁に前記の架橋枠7の該中間杆部7aを係合する切欠孔8aを形成された中間杆部係合用キャップ8と、中心に該螺杆6aを挿通する上下方向の貫通孔9aと両側面に水平方向に貫通する該保持杆2を挿通保持する貫通孔9bと該保持杆挿通保持用貫通孔9bに連通し且つ一端に開口し、上下に遊動板9c,9cを離隔形成せしめたスペース9dとから成り、前記の該キャップ8の上面に載置される割り板9と、つまみ用頭部10aの下面に突出する螺筒10bを該螺杆6aに螺合し、該割り板9の上面を押圧して全体の締付けを行う締付け用ネジ10とから成る。該中間杆部保持用ブロック6の外周面形状は、円柱状又は角柱状とし、該中間杆部係合用キャップ8の形状は、該ブロック6の上記の外周面形状に応じてこれに丁度嵌合する円筒状又は角筒状とする。図4及び図5に示す実施例では、該中間杆部保持用ブロック6は円柱状とし、これに円筒状の中間杆部係合用キャップ8を嵌合するものである。該中間杆部係合用キャップ8が、該円柱状の中間杆部保持用ブロック6に嵌合した状態において、該キャップ8が該中間杆部保持用ブロック6に対し円周方向に回動することを阻止し、安定した嵌着状態とすることが好ましい。そのためには、例えば該円柱状ブロック6の円側面に垂直方向に係止用溝6dを設ける一方、該円筒状キャップ8の筒状壁の内周面に係止用突起8cを設けておき、該円筒状キャップ8を該円柱状ブロック6に嵌合するとき、該係止用突起8cを該係止用溝6dに挿入案内して嵌合することにより安定した嵌着状態が得られる。該連結固定具5を構成する各部材の寸法は、例えば次の通りである。該中間杆部保持用ブロック6は、角柱状の場合は、一辺が約2〜3cmの立方体であり、円柱状の場合は、径、高さとも約2〜3cmである。また、その中間杆部保持孔6cの径は、該架橋枠7の該中間杆部7aの太さ、形状と略同一とする。その上面の螺杆6aの高さは35〜40cmである。該中間杆部保持用キャップ8は、前記の方形ブロック6に丁度嵌合する方形筐体である。該割り板9は、一般に前記のブロック6の上面と略同じ形状と面積を有するものに形成する。該保持杆挿通用保持用貫通孔9bは、該保持杆2と略同じ径と形状とし、該保持杆2を摺接挿通せしめるものとする。 【0014】該連結固定具5を図5に示すように組み立てるには、該中間杆保持用ブロック6の該螺杆6aに、該中間杆部係合用キャップ8と該割り板9とを順次嵌合し、その螺杆6aの上端部に締付け用ネジ10を螺合することにより得られる。この場合、該割り板9は、その保持杆挿通保持用貫通孔9bを該ブロック6の架橋枠7の該中間杆部保持用貫通孔6cに対し所望の角度関係で配向せしめて該ブロック6の上面に載置せしめることができる。該連結固定具5は、使用に際し、該架橋枠7の該中間枠部7aに取り付けると同時に、保持杆2を連結固定するに次のように使用される。即ち、そのブロック6の側面の開口部6bを介してその貫通孔6c内に図6示の手術台11に予め所望位置において架設した該架橋枠7の該中間枠部7aを嵌合する一方、該割り板9の該貫通孔9bに前記の保持杆2を挿通し適当な位置に保持した状態で、頂部の締付け用ネジ10を捻回し締付ける。この締付けにより、該キャップ8は下方へ押され、その下縁の切欠孔8b内に収容された該中間枠部7aの上部周面と係合押圧し、該ブロック6の該貫通孔6bの底面に圧着せしめ、該ブロック6と該キャップ8との間に該中間杆部7aを挟圧することにより、該連結固定部材5は、該中間杆部7に固定されることと、該割り板9の上部の遊動板9cは下部の遊動板9cに圧着されるので、該貫通孔9b内の該保持杆2は圧締され、その位置に連結固定されることを同時に一挙に行うことができる。(図7参照)。 【0015】図6は、手術台11にその幅方向に跨り、その長さ方向の所定の手術に適する所定位置に、例えば、直腸癌の手術に適した位置に着脱自在に取り付けられた架橋枠7を示す。更に詳細には、該架橋枠7は、左右一対の脚7b,7bと両脚7b,7b間を連結する中間杆部7aとから成る。両脚7b,7bと中間杆部7aとは1本の丸棒や角棒を折り曲げて形成したものでもよいが、図示のように、各別に作られたものを連結して形成してもよい。図示の例は、一対の脚7b,7bの夫々は、長矩形の側板とその頂面に螺杆7c,7cを設けたものに構成し、該中間杆部7aは、スリット7d,7dを形成して成る両腕杆7a1,7a1と両腕杆7a1,7a1の内端に両側端部を溶接されたアーチ状に屈曲して形成された中間囲枠7a2とから成るものに構成した。該手術台11の両側にこれに沿って連結されている左右のレール12,12に挿通され且つこれに沿い摺動自在の取付筐13,13を該レール12,12の所定位置に移動し、その位置において、図示の例では、直腸癌の手術に適した位置において、前記の脚7b,7bを上下方向に貫通する取付孔13a,13aに挿入し、所要の高さ位置に、例えば、該手術台11の面より15〜25cmの範囲の所望高さ位置において、その取付筐13,13に設けた螺孔13b,13bに螺入した締付けネジ14,14により、該脚7b,7bを該レール12,12の外面に締め付け固定し、その直立した両足7b,7bの頂面の螺杆7c,7cに前記の架橋枠7の両腕7a1,7a1のそのスリット7d,7dを嵌合し、その上面から袋ナット15,15を螺挿し、該両腕7a1,7a1を固定する。然るときは、その中間のアーチ状囲枠7a2が手術台11の中央で且つこれに平行した水平状態で配置されたものが得られる。かくして、該架橋枠7が手術台11にその幅方向を跨いだ状態で着脱自在に取り付けられたものが準備される。 【0016】本発明によれば、上記のように手術台11に該架橋枠7を所定位置に架設した後、該架橋枠7のアーチ状中間囲枠7a2の所定位置に前記の連結固定具5を固定すると共に、該連結固定具5に着脱自在に前記の保持杆2を取り付けて、このように該架橋枠7に固定された該保持杆2に所定深さ調節自在に取り付けた該圧排板1をその所要の深さと所定の臓器押圧排除位置に不動に且ついつまでも手術に要する時間中、人手と人力を煩わすことなく維持するようにした臓器圧排法を実現したものである。その詳細を図7〜図10に基づいて説明する。図7は、本発明の臓器圧排装置16を具備した手術台の平面図、図8はその前面図、図9はその側面図、図10は図7の装置の要部の一部縦断面図である。該連結固定具5をその側面の開口部6を介して該貫通孔6c内に該架橋枠7の中間杆部7aのアーチ状中間囲枠7a2の例えばその中心部に嵌合すると共に、該割り板9の貫通孔9bが手術台11の中心軸線上に向くように配合し、これに前記の保持杆2を挿通しておく。一方、患者Kを該手術台11上に、その下腹部が該架橋枠7の該アーチ状中間囲枠7a2に囲まれる空間の下方に位置するように仰向けに横臥させ、執刃者の執刃により開腹した状態において、助手又は看護婦が図1に示す圧排板1の上端部を把持し乍ら、前記の連結固定具5に挿着された該保持杆2の内筒2cを回動して前方へ大きく前進させた該係止用軸2aを該圧排板1の貫通孔3に挿入した後、該深さ調整用孔4内に導入し乍ら該圧排板1を所望の深さ該開腹部内に、図示のように、患者Kの中心軸線に対し直交し且つ該その圧排板1の弯曲凸面側を側方へ排除すべき内臓側に向けた状態で所要深さまで下降挿入した後、該内臓を中心軸線に沿い前記の連結固定具5の方向へ押圧し、所要の位置まで押圧排除した後、その位置で該保持杆2の内筒2cを前とは反対方向に回動し、該係止用軸2aを後退させ、その先端の係止用端板2aを該圧排板1の前面に当接させ、該係止用端板2aとその背面に当接する該外筒2bの先端の係止用端板2b1とにより該圧排板1を所定の深さ位置で該保持杆2に連結せしめる。この段階で、該連結固定具5の頂部の締付けネジ10を捻回し締付ければ、該中間杆部係合用キャップ8は下動しその切欠孔8bは、該中間杆部係合用ブロック6の貫通孔6c内の該アーチ状中間囲枠7a2を上方から押圧し、該ブロック6との間で挟持され、かくして、該連結固定具5は、アーチ状中間囲枠7a2、即ち、架橋枠7の所定位置に押圧固定されると同時に該割り板9も上方から締付けられることにより、該保持杆2は該連結固定具5により固定保持される。かくして、該連結固定具5に固定保持された該保持杆2により臓器押圧排除位置に在る該圧排板1は、手術中の所要時間もその位置に不動に維持せしめられる。かくして、従来のような人手と人力により臓器を排除位置に牽引し続ける労力を省くことができる。 【0017】該架橋枠7のアーチ状中間囲枠7a2は、手術中にその圧排板1の位置を変える必要があれば、該締付けネジ10を緩めてアーチ状中間囲枠7a2の所望の位置に該連結固定具5を移動し再び締付ければよい。また、圧排板1の厚さを変える必要がある場合は、保持杆2の係止用軸2aを一旦前進させ、該圧排板1を所要の深さに上方又は下方に移動させた後再び後退させ維持すればよい。また、圧排板1の向きを中心軸線に対する角度を微調整する必要があるときは、該締付けネジ10を緩め、該割り板9を中心軸線に対し所要角度回転し、その位置で再び締め付けることにより可能である。尚また、図示しないが、前記の中間杆部7aは、両腕杆7a1,7a1とアーチ状の中間囲枠7a2とを各別の形状のものに形成したが、これらを一本の角棒又は丸棒の杆としたものでもよく、その両端を高さ調節可能に手術台に取り付けた適宜に形成した左右一対の脚に着脱自在に取り付けるようにしてもよく、また、手術台を横切る一直線状の杆とし、必ずしもアーチ状の中間囲枠を必要としない。尚、前記の連続固定具5が取り付けられるその中間杆部7aやアーチ状の中間囲枠7a2が丸棒や角棒の場合、5〜15mmの範囲が一般であるが、勿論、この寸法に限定されない。また、上記から明らかなように、圧排板1は、深さ調製用長孔4を有するので、例えば直腸癌の手術に用いる高さの異なる6種類の従来の圧排板を作製する必要はなく1種類で足りる。しかし乍ら、1種類では高さが高すぎて取り扱いが不便となる場合を考慮し、例えばこれを2分し、高さの異なる2種又は3種類に分けて作製しておいてもよい。 【0018】 【発明の効果】このように本発明によるときは、手術の際に邪魔になる臓器を側方へ押圧排除した圧排板を、手術台に架設した架橋枠に取り付けた連結固定具に固定した保持杆により保持するようにしたので、その圧排板による臓器の押圧排除状態を、人手や人力を煩わすことなく、手術に必要な長時間に亘り、いつでも不動且つ確実に維持することができ、手術に要するコストを低減でき、且つ手術を円滑且つ高能率に行うことができる。また、本発明の臓器圧排装置の構成部材として、圧排板と保持杆とを各別に作製し、且つ該圧排板に該保持杆の係止用軸を抜き差しできる貫通孔と該貫通孔に連通する上下方向に延びる深さ調整用の長孔とを設けたので、該圧排板を所望の深さ位置で該保持杆を着脱自在に取り付けることができ、従来のように、圧排板と保持材とが一体に形成された圧排鈎を圧排板の高さ寸法を何種類にも予め作製しておく無駄を省くことができ、また、その用意しておく圧排板の数を減少できる。また、連結固定具として、請求項5に記載の構成とするときは、締め付けネジの締め付けにより、一挙に連結固定具の該架橋枠への連結固定と該保持杆の固定保持を一挙に行うことができる。また、その割り板の保持杆保持用貫通孔を所望の角度位置に配向して設置固定できるので、該保持材により保持される圧排板の向きを調節することができる。また、その架橋枠の中間杆部の中央をアーチ状などの屈曲囲枠に形成するときは、該連結固定具を手術個所の変更に応じてその所望の位置に設置し得る。
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| 【出願人】 |
【識別番号】598043548 【氏名又は名称】株式会社ヘリオ
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)3月18日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】北村 和男
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| 【公開番号】 |
特開平11−262493 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)9月28日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−89236 |
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