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【発明の名称】 超音波信号に対する感度測定装置及び感度測定方法
【発明者】 【氏名】ロバート エス. グリーン

【氏名】ジェイムズ ナンレイ

【氏名】アクセル エフ. ブリスケン

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 超音波周波数範囲で信号を発生させる段階と、前記信号を人間感覚信号に変換する段階と、前記人間感覚信号の周波数と感度とを変化させる段階と、変化後の前記信号の個人別知覚を記録する段階と、から成る、超音波信号に対する個人の感度を測定する方法。
【請求項2】 前記感度レベルを変化させる段階が前記人間感覚信号のデシベルを変化させることから成る、請求項1に記載の方法。
【請求項3】 前記感度レベルを変化させる段階が前記人間感覚信号の力を変化させることから成る、請求項1に記載の方法。
【請求項4】 前記感度レベルを変化させる段階が前記人間感覚信号の音圧レベルを変化させることから成る、請求項1に記載の方法。
【請求項5】 前記信号を人間感覚信号に変換させる前記段階が該信号を電気振動変換器に入力することと骨導により該変換器の出力を知覚できるように該変換器を個人の身体に装着させることとから成る、請求項1に記載の方法。
【請求項6】 超音波周波数範囲の信号を発生させる手段と、前記個人の被選択身体部分に前記信号を物理的に印加する手段と、前記信号に対する前記個人の知覚を記録する手段と、から成る、超音波刺激に対する個人の感度を測定する装置。
【請求項7】 前記発生手段が可聴周波数範囲の可聴信号を発生させる信号発生器と該可聴信号を前記超音波周波数範囲に移調する変調器とから成る、請求項6に記載の装置。
【請求項8】 前記可聴信号が純音信号である、請求項7に記載の装置。
【請求項9】 前記可聴信号が白色雑音信号である、請求項7に記載の装置。
【請求項10】 前記可聴信号が正弦波信号である、請求項7に記載の装置。
【請求項11】 前記可聴信号が方形波信号である、請求項7に記載の装置。
【請求項12】 前記可聴信号がトーンバーストである、請求項7に記載の装置。
【請求項13】 前記可聴信号が震音である、請求項7に記載の装置。
【請求項14】 前記発生手段が前記超音波周波数範囲の信号を発生させる信号発生器から成る、請求項6に記載の装置。
【請求項15】 前記可聴信号が純音信号である、請求項14に記載の装置。
【請求項16】 前記可聴信号が白色雑音信号である、請求項14に記載の装置。
【請求項17】 前記可聴信号が正弦波信号である、請求項14に記載の装置。
【請求項18】 前記可聴信号が方形波信号である、請求項14に記載の装置。
【請求項19】 前記可聴信号がトーンバーストである、請求項14に記載の装置。
【請求項20】 前記可聴信号が震音である、請求項14に記載の装置。
【請求項21】 前記印加手段が電気/振動変換器から成る、請求項6に記載の装置。
【請求項22】 前記発生手段が信号の周波数と感覚レベルとを変化させる手段を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項23】 前記記録手段が前記信号の前記周波数と感覚レベルとに関するマニュアル記録図から成る、請求項22に記載の装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の背景】本発明は概ね、超音波信号に対する個人の感度を測定するための方法と装置に関するものである。
【0002】通常の聴覚周波数が超音波範囲にシフトした後で骨導もしくは同様の人間感覚システムにより伝達されると、該周波数が知覚されることが証明されている。この事実を基礎として注目すべき発明がいくつか行なわれている。例えば、超音波骨導補聴器についてはすでに記載されている。
【0003】従来の補聴器は、マイクロホンが気導音をピックアップしてこれを増幅し、鼓膜への気導信号として耳管に送るという、気導増幅システムである。この種の装置は、可聴システムが著しく損傷していて増幅を利用できない強度難聴者にはほとんどもしくはまったく役に立たない。
【0004】骨導補聴器はまた、従来の補聴器では不充分な利用者のために開発されたものである。骨導装置は利用者の頭部に装着され、マイクロホンピックアップからの出力が増幅されこの装置に送られると、骨振動を生じる。この装置は狭い動的範囲で作動し、中耳を外科的に修復できない個人のために主として設計されたものである。このような骨導装置は現在あまり広く使用されていない。
【0005】通常聴力周波数のための骨導補聴器として超音波周波数を用いるのは、比較的新しい現象である。文献には超音波周波数の検出に関する記載はあるが、補聴器についてのものではない。周知のテキストすべてには、聴覚は2万ヘルツで停止すると記載されている。
【0006】Lenhardt等の米国特許第4,982,434 号には、従来のもしくは聴力範囲(約100から約1万ヘルツの周波数範囲)の気導音が超音速範囲(周波数が約20キロヘルツから約108 キロヘルツもしくはそれ以上)に変化した後で骨導もしくは同様の人間感覚システムによって伝達されるという発明が記載されている。
【0007】超音波骨導補聴器は気導に基づく通常の聴覚とまったく異なった聴覚システムに基づいていると仮説が成り立つ。該補聴器は骨導を用いた爬虫類の主な聴覚反応に匹敵するものである。爬虫類には気導聴覚はなく、聴覚は球形嚢の媒介により骨導によって伝達される。球形嚢は、人間では均衡と加速や運動の判断をつかさどる器官と考えられている。
【0008】魚類、両生類、爬虫類の聴覚は前室システムを介して作用する振動周波数により媒介される。両生類では骨導および気導による周波数はともに前室摂受体に衝突する。爬虫類では、渦巻管が存在しないため、第1聴覚機関である前室球形嚢に皮膚もしくは骨を介して伝達されないかぎり、気導聴覚は存在しない。進化の過程で、哺乳動物が爬虫類や獣弓類や両生類から進化したように、哺乳類と鳥類の渦巻管も、第1聴覚機関である球形嚢の役割を引き継いだ。内耳もしくは渦巻管は現在では、哺乳類にとって外部環境との主要な音響接点である。球形嚢は、音を確認する神経機能的な能力を備えているが、均衡と運動の検出を除いて、限定値についてのバックアップシステムとなった。生理学者が渦巻管の生理学および病理学的な面を臨床上重視して、我々は気導の役割を理解すべきだと詳説するにつれて、進化生物学において聴覚に関して前室の発達が果たした役割が認識されなくなってしまった。
【0009】超音波骨導補聴器は、球形嚢への直接的骨伝達を用いるものと考えられており、これにより、気導システムに統合されているが気導および内耳とは無関係なシステムを介して聴覚を維持できるのである。
【0010】本開示は、神経難聴者が聞こえるようにするための新規の装置を提供するものである。さらに、空気中を伝搬される音とは無関係な代わりの情報伝達源を提供する。音は頭骨に直接伝達され、内耳ではなく球形嚢によって知覚可能な周波数が使用される。前室(球形嚢)を聴覚機関として使用する長所は、聴神経における伝達の代わりとなるもしくはこれを増大させる前室神経を介して前室の反応が伝達されることである。
【0011】聴神経が損傷を受けた利用者の聴覚もしくは気導上の欠陥を持つ利用者の聴覚を向上させることの他に、Lenhardt等は、超音波骨導による聴覚に関する発明によって、現在開発中のものより優れた性能を追求すべき盲人用のエコーロケーション装置の完成が可能となることを開示している。この分野でさらに研究が進んだ結果、外部音源から発出されていないのに耳や頭部で感じられる響きという表現が最も適した状態である耳鳴りを遮断もしくは処理するのに超音波骨導を利用できることが明らかになった。
【0012】先行技術に欠けているのは、超音波骨導に基づいた本発明や今後の発明に超音波範囲の様々な周波数を使用した場合の効果についての議論である。超音波範囲ならばどのような周波数でも作用するのか、それとも一種類またはそれ以上の特定周波数が他の周波数より有効なのか?特定の周波数が有効ならば、超音波骨導刺激に対する個人の知覚に相違が見られるため利用者毎に超音波周波数を慎重に選択しなければならないのか?
【0013】骨導によって伝達される超音波信号に対する個人の知覚は実際には各個人によって変化すると、我々は判断した。超音波範囲のうち所定周波数の刺激のみを検出する人もいる。すなわち、ある個人は28キロヘルツの範囲の刺激のみを知覚し、例えば25キロヘルツや32キロヘルツ等の刺激をこの個人に与えてもこの刺激を知覚できないのである。また広範囲の周波数にわたって刺激を知覚する人もいる。広範囲の周波数を知覚できるが、特定の周波数範囲では知覚および理解が容易だという点で最も効果的に認知できる個人もいる。すなわち例えば25キロヘルツ、28キロヘルツ、32キロヘルツについて可聴だが、28キロヘルツが最も有効な周波数範囲であるという個人もいるのである。その結果、超音波骨導に基づくいかなる発明でもこれを有効とするためには、各利用者にとって最適の周波数を決定しなければならないのである。
【0014】したがって、超音波刺激に対する個人の感度を測定する効果的方法が当該技術には必要なのである。本発明により、各利用者に適した正確な超音波周波数を測定すれば超音波骨導聴覚に基づく既存および今後の発明を効果的に利用することが可能となる。
【0015】
【発明の要約】本発明は、超音波周波数信号に対する感度測定方法及び感度測定装置を提供することにより先行技術の欠点を克服するものである。本発明の一実施例では、超音波範囲の刺激が様々な周波数と様々な感覚レベルで人体に印加され、これに対する個人の感度が記録される。
【0016】詳しく述べると本発明は、超音波信号に対する個人の感度を測定する装置を提供するもので、様々な超音波周波数範囲と様々な感覚レベルとで信号を発生する手段と、該個人の被選択人体部分に該信号を物理的に印加してこれに対する該個人の感度を観察および記録する手段とから成る。
【0017】Lenhardt等の米国特許第4,932,434 号には、音響信号を可聴範囲から超音波周波数範囲(本特許では「超音波」周波数と呼ぶ)まで変化させ、該超音波信号を骨導を介して人体感覚システムに印加する補聴器システムが開示されている。このLenhardt等の特許の全体が本発明に参考として取り入れられている。
【0018】
【好適な実施例の詳細な説明】以下、本発明を図1から4を参考に詳細に説明することにする。コンピュータ制御装置10は、信号発生器12の振幅と周波数を制御する。信号発生器12は、適当な変換器(もしくは以下に言及する印加装置)に送られると可聴範囲の感覚刺激を起こす信号を発生させる。信号発生器12によって発生された信号には、純音、正弦波、方形波、白色雑音、トーンバースト、震音、クリックが含まれるが、これらに限定されるわけではない。このような様々な信号を、今後は総称して信号と呼ぶことにする。信号発生器12からの信号は、個人が最大限に知覚できるように選択される。
【0019】信号発生器12からの信号は、超音波変調器すなわち純音搬送器14に入力され、ここで信号は2万ヘルツを超え約10万ヘルツまで達する超音波周波数範囲に移調される。詳しくは2万から4万ヘルツの超音波搬送器が良好に作動することが分かっている。図1の装置の代わりに、信号発生器からの信号を超音波周波数範囲で発生させてもよく、この場合、超音波変調器は必要なくなる。超音波信号は、信号の振幅を適切に増大するための増幅器16に送られる。
【0020】増幅された信号は、増幅器16から、人体20に印加するための印加装置18に送られる。印加装置18は、骨導のため頭骨に装着もしくは付着される静電励磁機等の電気/振動変換器でよい。もしくは印加装置は空気中に物理的振動を発生させるスピーカの形でもよく、その振動は空気中を波形で伝達されて人体の所定部分に衝撃を与え、該部分は物理的印加振動に反応して脳で知覚が生じる。さらに印加装置18は、人体の被選択部分に直接電磁信号を印加する電極でもよい。
【0021】適当な印加装置の例はLenhardt等の米国特許第4,932,434 号と、該特許と同日に出願された同時係属米国特許出願である「聴覚障害診断・治療装置」に記載されている。後者の出願も参考として本発明に組み込まれている。
【0022】次に信号が周波数(超音波範囲内)と感覚レベルの両方において変化させられ、力、デシベル、ニュートン、音圧レベル、その他の方法でこの信号を測定すればよい。本発明の一実施例では、2万ヘルツから4万5,000 ヘルツまで5,000 ヘルツ間隔の周波数を個人に印加する。各間隔において、信号は最低感覚レベルで表され、その周波数と感覚レベルが記録される。データを記録するため、個人は信号を感知すると挙手する等、何らかの合図を送る。
【0023】図3は、データを表示する一つの形式を示している。同図には、特定の個人が特定周波数で最初に信号を感知した時点の力がデシベルマイクロニュートンで図示されている。このデータは、該個人に使用するのに最適な一種類の超音波周波数、複数の超音波周波数、もしくはある範囲の超音波周波数を選択する基礎となる。例えば、感覚のデシベルレベルが最低となる周波数を選択すればよい。
【0024】図3は超音波信号に対するある個人の感度を示している。該個人は約22キロヘルツの周波数の信号を、約155 デシベルマイクロニュートンで最初に感知している。この個人の最高感度周波数は、137 デシベルマイクロニュートンで約28キロヘルツである。したがってこの個人の超音波骨導装置は、約28キロヘルツの周波数を用いると効果的である。
【0025】図4は超音波信号に対する別の個人の感度を示す図である。この個人は、広範囲の周波数にわたって概ね同じ力で超音波刺激を知覚している。
【0026】本発明は、前室システムによって媒介されると我々が考える上述の骨導装置を用いても聞こえない患者の場合は前室に問題があるという理論に基づいて、患者の前室機能を検査するためにも用いることができる。本発明はまた、例えば動揺病を減少もしくは緩和する「前室遮断装置」として、前室機能障害の治療にも利用できる。
【0027】以上、本発明について説明したが、本発明の趣旨および範囲から逸脱しなければ本発明を多くの方法で変形できることは、当該技術の熟練者には明らかであろう。このような変形はすべていずれも以下の特許請求の範囲に包含されるものとする。
【出願人】 【識別番号】598164887
【氏名又は名称】ヒアリング イノヴェイションズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】HEARING INNOVATIONS INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】9040 South Rita Road,Suite 2250,Tucson,Arizona 85747 United States of America
【出願日】 平成10年(1998)10月22日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】清水 久義 (外2名)
【公開番号】 特開平11−262480
【公開日】 平成11年(1999)9月28日
【出願番号】 特願平10−340933