| 【発明の名称】 |
撮像装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】広谷 純
|
| 【要約】 |
【課題】固体撮像素子と固定部材との固定強度を向上させて、接続部における断線や接着部の剥離を防止する。
【解決手段】対物光学系11と前記固体撮像素子12とはお互いの光軸を一致させて固定され、最終対物レンズ14eの後端面と前記撮像素子12の前面とを接着し、固定枠20の基端部及び外周面の一部と前記撮像素子12及び保護ガラス16を固定している第1接着剤21の外周部とに第3接着剤23を塗布して強固に固定する。前記撮像素子12及び固定枠20の上側外周面と下側外周面とに2つの補強板25を配設し、これら固定枠20及び撮像素子12と補強板25とを熱収縮チューブ26で被覆し、熱収縮チューブ26の基端部を前記信号ケーブル13に外嵌させて、この熱収縮チューブ26の内部に前記第3接着剤23を充填してTABテープ18、信号線、電気部品24を一体的に固定する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】固体撮像素子とその固体撮像素子を固定する固定部材とを有する撮像装置において、前記固体撮像素子と固定部材間の取付け強度を補強する補強部材を配設したことを特徴とする撮像装置。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、固体撮像素子と固定部材との取付け強度を強固にする撮像装置に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、内視鏡挿入部の先端部内に対物光学系、固体撮像素子及び回路基板などで構成した撮像装置を内蔵させて、前記対物光学系でとらえた観察像を固体撮像素子で光電変換し、この光電変換した電気信号を信号ケーブルを介して内視鏡外部装置である画像処理装置に伝送して画像信号を生成し、この画像信号をモニタ画面上に表示して内視鏡像の観察を行える電子内視鏡装置が広く利用されている。 【0003】図10(a)に示すように固体撮像素子1と、複数の対物レンズ2,…,2を対物レンズ枠3に配設した対物光学系4とは、この固体撮像素子1の前面に配置された撮像素子保護ガラス5と前記対物レンズ枠3の基端面とを固定する接着固定部6を設けて一体的に固定されたり、同図(b)に示すように前記固体撮像素子保護ガラス5と、対物レンズ枠3の基端面及びこの対物レンズ枠3の基端部に設けた最終対物レンズ2eとを固定する接着固定部6を設けて一体的に固定されていた。 【0004】前記固体撮像素子から延出する外部リード1aには信号ケーブル内に配設されている信号線あるいは撮像装置を構成する回路基板上に設けた信号線接地用ランドが半田等で接続されるようになっており、撮像装置の入出力信号である撮像装置駆動信号、撮像装置出力信号及び撮像装置駆動電源などが前記外部リード1aや回路基板に接続されて、内視鏡挿入部内を挿通する信号ケーブルを介して内視鏡の外部装置である画像処理装置などに伝送されるようになっている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】このため、内視鏡挿入部に設けられている湾曲部が例えば上下左右に湾曲操作された際、内視鏡挿入部内を挿通している上述した信号ケーブルがこの湾曲動作に伴って煽られたり、引っ張られたりすると、前記外部リードと、回路基板又は信号線との電気的な接続部に応力が働いて断線が生じたり、撮像素子と固定枠との接着部に剥離や割れが生じるなどの不具合が発生するおそれがあった。 【0006】本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、撮像素子と固定枠との接着部に剥離や割れが生じることを防止する撮像装置を提供することを目的にしている。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明の撮像装置は、固体撮像素子とその固体撮像素子を固定する固定部材とを有する撮像装置であって、前記固体撮像素子と固定部材間の取付け強度を補強する補強部材を配設している。 【0008】この構成によれば、撮像装置に応力がかかったとき、固体撮像素子と固定部材との双方にかかる応力が補強部材で分散されて、固体撮像素子と固定部材との接着部に剥離や割れが生じない。 【0009】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1ないし図3は本発明の第1実施形態に係り、図1は撮像装置の構成を示す説明図、図2はレンズ枠とレンズとの固定例を示す図、図3はバンプ接合部を説明する拡大図である。図1に示すように本実施形態の撮像装置10は、内視鏡挿入部の先端部分を構成する図示しない先端構成部材に形成されている観察用透孔に配置されるものであり、この撮像装置10は、先端側に配置されて被検査部位の観察像を撮らえる対物光学系11と、この対物光学系11で撮らえた光学像を電気信号に変換する固体撮像素子12と、この固体撮像素子12に入出力信号である駆動信号や、出力信号及び駆動電源などを伝送する信号ケーブル13とで主に構成されている。 【0010】前記対物光学系11は、複数の対物レンズ14,…,14を内設した例えばステンレス鋼などで形成された金属製の対物レンズ枠15と、この対物レンズ枠15に外嵌固定されて最終対物レンズ14eを内設した前記固体撮像素子12の固定部材及び前記金属製の対物レンズ枠15からの静電気の流れを防止する絶縁部材枠を兼ねる非導電性部材である例えばセラミックや高分子材料で形成した固定枠20とを接着固定して形成されている。前記対物レンズ枠15の先端側からは第1対物レンズ14a,第2対物レンズ14b,…,14が順次配置されており、前記第1対物レンズ14aと第2対物レンズ14bとの間には薄板状の絞り11aが配設されている。更に、最終対物レンズ14eが、保護ガラス16に接合されている。 【0011】また、図2(a)に示すように前記対物レンズ14a,14bと対物レンズ枠15との接着部の形状が円形である場合、円形の第2対物レンズ14bに破線に示すように上下左右に面取り部Aを設けて、第2対物レンズ14bと対物レンズ枠15との接着代を少なく形成している。このことによって、第2対物レンズ14bと絞り11aと第1対物レンズ14aとを先端側に落とし込んだ後、この第1対物レンズ14aを対物レンズ枠15に接着固定するために塗布した接着剤が、前記第2対物レンズ14b側に流れ込んで外周面に付着した場合でも、対物レンズ枠15と第2対物レンズ14bとの接着代がわずかであるとともに、面取り部Aにピンセットなどの工具を配置させて作業を容易に行えるので、対物レンズ枠15の先端側部に設けたレンズの交換作業を手短に行うことができるようになる。 【0012】なお、同図(b)に示すように前記対物レンズ14a,14bと対物レンズ枠15との接着部の形状が四角形である場合には、四角形の第2対物レンズ14bの四隅に面取り部Aを設けることによって上述した円形の第2対物レンズ14bに面取り部Aを形成した場合と同様の作用及び効果を得られる。 【0013】一方、前記図1に示した固体撮像素子12の前面には固体撮像素子保護ガラス(以下保護ガラスと略記する)16の後端面が接着によって一体的に固定されている。このとき、前記対物光学系11と前記固体撮像素子12とはお互いの光軸を一致させて固定されるものであり、光軸の位置ずれを防止するため固体撮像素子12と保護ガラス16の外周面及び固体撮像素子12の基端面に非導電性の第1接着剤21をさらに塗布して前記固体撮像素子12と前記保護ガラス16とを強固に固定している。 【0014】また、図3に示すように前記固体撮像素子12の前面に設けられている電極部(不図示)にはバンプ接合部17を介してTABテープ18のインナーリード19が電気的に接続されており、これらバンプ接合部17及びインナーリード19,TABテープ18の先端部分を非導電性の第2接着剤22で覆って、前記インナーリード19と固体撮像素子12の電極部とをより強固に固定して断線の発生を防止している。なお、前記TABテープ18は、前記固体撮像素子12の基端よりさらに後方側に延出しており、このTABテープ18上にはICやコンデンサーなどの電気部品24が搭載されている。そして、これら電気部品24の電極(不図示)及びTABテープ18のケーブル配線用ランド18aには信号ケーブル13に内蔵されている信号線が接続されている。前記信号ケーブル13内には信号線として例えば7芯ケーブルと1芯ケーブルと1芯ケーブルとが挿通しており、それら信号線が熱収縮チューブ13aによって一体的に束ねられている。 【0015】前記撮像素子12と固定枠20との固定を更に強固にするため、前記固定枠20の基端部及び外周面の一部及び前記撮像素子12及び保護ガラス16を固定している第1接着剤21の外周部に第3接着剤23を塗布するとともに、前記第3接着剤23を塗布した前記撮像素子12及び固定枠20の上側外周面と下側外周面とに両部材12,20にかかる補強部材として平板状の2つの補強板25を配設し、これら固定枠20及び撮像素子12と補強板25とを熱収縮チューブ26で被覆して一体的に固定している。そして、この熱収縮チューブ26の内部に前記第3接着剤23を充填してTABテープ18、信号線、電気部品24を一体的に固定して基端部を前記信号ケーブル13に外嵌させて撮像装置10を構成している。 【0016】なお、前記TABテープ18は、前記固体撮像素子12の後方側に突出した状態で内側方向に折り曲げられて撮像装置10の外径寸法を細径にしている。また、前記最終対物レンズ14eは平行平板ガラスであっててもよい。 【0017】このように、固体撮像素子に密着固定させた保護ガラスと、固定枠の基端面側に設けた最終対物レンズとを接着して一体的に固定する際、固体撮像素子及び保護ガラスの側面に第1接着剤を塗布して固定強度を向上させるとともに、この第1接着剤及び固定枠の周囲に第3接着剤を塗布した上で更に、前記固体撮像素子と前記固定枠との双方にかかるように補強板を配設して撮像装置を構成することにより、固体撮像素子及び保護ガラスと固定枠との接続部の接続強度を大幅に向上させることができる。このことによって、湾曲操作などによって信号ケーブルが引っ張られたり、煽られたりして発生する応力が撮像素子方向に働くとき、固体撮像素子と固定枠との双方にかかるように配設された補強板によって応力が分散されるので、固体撮像素子及び保護ガラスと固定枠との接続部に剥離や割れが生じることが防止される。 【0018】また、TABテープのインナーリードと固体撮像素子の電極部とをバンプ接合部を設けて電気的に接続する際、バンプ接合部及びインナーリード,TABテープの先端部分を第2接着剤で覆って固定したことにより、固定強度が向上して信号ケーブルが引っ張られたり、煽られたりすることによって発生する応力による断線を防止することができる。 【0019】なお、本実施形態においては補強板25を上・下2つの辺に配設した構成例を示したが、前記補強板25を配設する位置は上・下の2辺に限定されるものではなく、上・右,上・左など、どの2辺に配設する構成であってもよい。また、固体撮像素子の後方側のTABテープ18を内側に折り曲げて撮像装置の外径寸法を小径にしているが、折り曲げる位置は上述したTABテープ18の部分に限定されるものではなくインナーリード19部分であってもよい。 【0020】図4及び図5は本発明の第2実施形態に係り、図4は撮像装置の他の構成を示す説明図、図5は図4のX-X断面図である。 【0021】図4及び図5に示すように本実施形態の撮像装置10Aにおいては、固体撮像素子12及び保護ガラス16と固定枠20との両部材にかかるように略コ字形状に形成した補強部材であるコの字板25Aを外嵌固定した上で、その周囲に熱収縮チューブ26を被覆して一体的に固定して接着剤23を充填して撮像装置10Aを構成している。このとき、前記固定枠20には前記コの字板25Aの厚み寸法と略同様な段部20aが形成されており、この段部20aに前記コの字板25Aを配置固定することによって、前記コの字板25Aが前記固定枠20の外周面より突出して説像装置10Aが太径になることを防止している。その他の構成は前記第1実施形態と同様であり、同部材には同符号を付して説明を省略する。 【0022】このように、コ字形状に形成した補強部材であるコの字板を、固体撮像素子及び固定枠にかかるように配設したことにより、このコの字板が固体撮像素子及び固定枠の3辺方向に一体的に配設されるので、固体撮像素子及び保護ガラスと固定枠との接続部の接続強度がさらに向上して、湾曲操作などによって信号ケーブルが引っ張られたり、煽られたりしたときに発生する応力によって、固体撮像素子及び保護ガラスと固定枠との接続部に剥離や割れが生じることをより確実に防止することができる。その他の作用及び効果は前記第1実施形態と同様である。 【0023】ところで、複数の視野方向を有する従来の内視鏡においては各視野方向毎に固体撮像素子を配置する構成になっていたので、内視鏡の先端部が太径化するとともに内視鏡が高価になるという問題があった。このため、複数の視野方向を有する内視鏡の先端部を太径にすることなく、かつ安価な構成の内視鏡が望まれていた。 【0024】図6に示すように本実施形態の内視鏡40は、先端部に例えば3つの観察用窓41,42,43を有し、これらの観察用窓41,42,43に対して1つの撮像装置44を備えている。この撮像装置44には操作用ケーブル45が装着されており、例えば内視鏡操作部(不図示)に設けられている操作部レバーを操作することによって前記操作用ケーブル45を進退移動させて、撮像装置44の視野方向を、それぞれの観察用窓41,42,43に向けられるようにしている。 【0025】このように、内視鏡内に設けた1つの撮像装置を、操作用ケーブルを操作することによって移動させて、所望の観察用窓に対向させて視野方向を変化させて、所望の方向の観察を行えるようにしたことによって、多方向の観察が可能な内視鏡を、先端部を細径にすることなく安価に提供することができる。このことによって、挿入性が良好で、オリエンテーションのつけ易い内視鏡の提供が可能になる。 【0026】なお、撮像装置の視野方向を変化させるために図6に示した操作用ケーブル45を使用する代わりに図7に示すように撮像装置44を起上台46に配置し、この起上台46を起上ワイヤ47を牽引操作して回動させることにより、撮像装置44の視野方向を変える構成であってもよい。 【0027】ところで、内視鏡においては挿入性の向上及びオリエンテーションのつけ易さが望まれていた。図8及び図9に示すように本実施形態の内視鏡50は、先端部51の断面形状を楕円形状に構成し、その楕円形の長軸上に2つの斜視対物光学系52,53を配置している。このことによって、視野角を大きくして観察がし易くなるとともに、挿入性が向上するして、オリエンテーションの内視鏡を提供することが可能になる。 【0028】なお、本発明は、以上述べた実施形態のみに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。 【0029】[付記]以上詳述したような本発明の上記実施形態によれば、以下の如き構成を得ることができる。 【0030】(1)固体撮像素子とその固体撮像素子を固定する固定部材とを有する撮像装置において、前記固体撮像素子と固定部材間の取付け強度を補強する補強部材を配設した撮像装置。 【0031】(2)前記補強部材は、平板状部材である付記1記載の撮像装置。 【0032】(3)前記補強部材は、コの字形状部材である付記1記載の撮像装置。 【0033】 【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、撮像素子と固定枠との接着部に剥離や割れが生じることを防止する撮像装置を提供することができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000000376 【氏名又は名称】オリンパス光学工業株式会社
|
| 【出願日】 |
平成10年(1998)3月17日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】伊藤 進
|
| 【公開番号】 |
特開平11−262467 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)9月28日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−67216 |
|