| 【発明の名称】 |
磁場勾配コイル |
| 【発明者】 |
【氏名】長谷川 憲一
【氏名】石川 彦成
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| 【要約】 |
【課題】ソレノイド型検出器を用いてマイクロNMRイメージ測定を行う場合に好適な磁場勾配コイルを提供する。
【解決手段】試料4は加熱ガス用配管9の内部に収容されており、その加熱ガス用配管9の試料4が収容されている部分の外側を取り囲むように検出器1のソレノイドコイルが配置されている。そして、加熱用ガス配管9及び検出器1を挟むように、二つの平板状の磁場勾配コイル7、8が配置されている。磁場勾配コイル7、8はX−Z平面に対して対称に配置されている。磁場勾配コイル7、8には、それぞれ、X軸方向の磁場勾配コイル、Y軸方向の磁場勾配コイル、及びZ軸方向の磁場勾配コイルが設けられる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 静磁場方向に平板状の磁場勾配コイルが対向して配置されてなることを特徴とする磁場勾配コイル。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、NMRの磁場勾配コイルに係り、特に、ソレノイド型検出器を用いてマイクロNMRイメージ測定を行う場合に好適な磁場勾配コイルに関する。 【0002】 【従来の技術】従来、生体についてマイクロNMRイメージ測定を行う場合には、検出器としてサドル型検出器が広く用いられていたが、マイクロNMRイメージ測定によって高分子材料等の材料の評価を行う場合にはソレノイド型検出器が用いられている。これは、ソレノイド型検出器の発生する高周波磁場の強度分布が均一であるために、広い範囲で検出感度を一定とすることができるからである。 【0003】図11にソレノイド型検出器(以下、単に検出器と称す)の周辺の構造を示す。図中、1は検出器、2は磁場勾配コイル、3はカバー、4は試料を示す。また、X,Y,Zは3次元の直交座標系を示している。ただし、Z軸はカバー3の中心軸と一致するようにとられ、Z軸と直交する方向にX軸及びY軸がとられている。座標系に関しては以下同様である。 【0004】試料4は検出器1のコイルの内部に配置されている。そして、検出器1を覆って円筒形の磁場勾配コイル2が配置され、磁場勾配コイル2の外側にはカバー3が配置されている。なお、磁場勾配コイル2の内部の空間には、超電導コイル等からなる主コイル(図示せず)によって強度B0 の静磁場がZ方向に発生されている。 【0005】図12に他の構造例を示す。図12に示す構造はキャラハン教授が提案したものであり(例えば、Paul T. Callaghan (1991) Principles of Nuclear Magnetic Resonance Microscopy ,OXFORD SCIENCE PUBLICATIONS 参照)、図11では磁場勾配コイル2の軸はZ方向になされているのに対して、図12では円筒形の磁場勾配コイル2の軸はX方向になされていることが特徴である。そして、磁場勾配コイル2の内部に検出器1及び試料4が配置されている。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述したような従来の構造は次のような点で問題がある。第1には、ソレノイド型検出器を使用することが難しいことが挙げられる。つまり、ソレノイド型検出器を用いた場合、検出器の検出感度はソレノイドコイルが長い程均一になるが、そのためには磁場勾配コイル2の内径を大きくする必要がある。しかし、検出器の外径は静磁場B0 を発生させる主コイルの大きさによって制限されているので、検出器のソレノイドコイルを長くすることには限界がある。 【0007】また、例え磁場勾配コイル2の内径を大きくすることができたとしても、磁場勾配コイル2の内径を大きくすると必要な空間分解能が得られない場合があるという問題が生じる。即ち、マイクロNMRイメージ測定を行う場合、必要な空間分解能を得るためには磁場勾配の強度を大きくする必要があるが、磁場勾配コイル2の内径が大きくなると磁場勾配の強度は小さくなってしまうのである。 【0008】このようなことから、従来の構造ではソレノイド型検出器を使用することが難しいのである。 【0009】第2には、試料4の温度を可変させるために加熱ガスを流すための配管が難しいことが挙げられる。即ち、マイクロNMRイメージ測定によって高分子材料等の材料の評価を行う場合には、試料の温度を可変することが要求される。そのためには窒素ガス等の不活性ガスを加熱し、その加熱ガスを配管で試料近傍に導いて試料に吹き付けるようになされるが、そのための配管が困難なのである。例えば、図11に示す構造において試料4に加熱ガスを吹き付けるためには、図13に示すように試料4の下側に加熱ガスを導く配管5を配置することになるが、このような構造では検出器1のソレノイドコイルも加熱ガスによって加熱され、その結果ソレノイドコイルに錆が生じたりして寿命が短くなってしまう。 【0010】また、図12に示す構造においては、試料4に加熱ガスを吹き付けようとすると、磁場勾配コイル2とカバー3との間隙は実際には非常に狭いので、加熱ガスを導くための配管を配置するのは難しいものである。 【0011】第3には、検出器の配線が難しいことが挙げられる。即ち、ソレノイド型検出器を用いることは望ましいことなのではあるが、磁場勾配のリニアリティを得るためには、磁場勾配コイルの長さを内径に対して長くする必要がある。しかし、磁場勾配のリニアリティを得ようとして電気配線を長くすると、検出性能が低下するという問題が生じてしまうのである。また、特に、図12に示す構造においては、磁場勾配コイル2とカバー3との間隙は実際は非常に狭いので、検出器1から電気配線を引き出すのは難しいものである。 【0012】本発明は、上記の課題を解決するものであって、ソレノイド型検出器を使用し易くし、試料温度を可変するための加熱ガスの配管が容易であり、しかもソレノイド型検出器からの引出線の電気配線の実装も容易である磁場勾配コイルを提供することを目的とするものである。 【0013】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために、本発明の磁場勾配コイルは、静磁場方向に平板状の磁場勾配コイルが対向して配置されてなることを特徴とする。 【0014】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ実施の形態について説明する。図1は本発明に係る磁場勾配コイルの一実施形態を示す図であり、図中、7、8は磁場勾配コイル、9は加熱ガス用配管を示す。 【0015】試料4は加熱ガス用配管9の内部に収容されており、その加熱ガス用配管9の試料4が収容されている部分の外側を取り囲むように検出器1のソレノイドコイルが配置されている。 【0016】そして、加熱用ガス配管9及び検出器1を挟むように、二つの平板状の磁場勾配コイル7、8が配置されている。磁場勾配コイル7、8はX−Z平面に対して対称に、静磁場B0 方向に並行に配置されている。なお、図1(b)は磁場勾配コイル8を外した状態を磁場勾配コイル8側から見た図である。 【0017】磁場勾配コイル7、8には、それぞれ、X軸方向の磁場勾配コイル、Y軸方向の磁場勾配コイル、及びZ軸方向の磁場勾配コイルが設けられるが、以下、その具体例について説明する。 【0018】まず、X軸方向の磁場勾配コイルの例を図2(a)〜(c)に示す。X軸方向の磁場勾配コイルは、8個の四角形のコイル11〜18で構成されている。コイル11〜14は磁場勾配コイル7に設けられ、コイル15〜18は磁場勾配コイル8に設けられる。そして、各コイル11〜18には図2(a)の矢印で示す方向に電流が流される。 【0019】コイル11とコイル13、コイル12とコイル14、コイル15とコイル17、及びコイル16とコイル18は、それぞれY−Z平面に関して対称に配置されている。また、コイル11とコイル12、コイル13とコイル14、コイル15とコイル16、及びコイル17とコイル18は、それぞれX−Y平面に関して対称に設けられる。 【0020】更に、コイル11とコイル15、コイル12とコイル16、コイル13とコイル17、及びコイル14とコイル18は、それぞれX−Z平面に関して対称に設けられている。なお、図2(b)、(c)において、例えば「13,14」と二つの符号が記載されているのは、図の方向から見たとき、二つのコイル13、14が重なっていることを意味している。以下、同様である。 【0021】このようなコイル11〜18は導線を用いて構成できることは当然であるが、プリント基板を使用して構成することも可能であることは当業者に明らかである。この点については以下同様である。 【0022】このようなコイル11〜18を用い、各コイルに図2(a)の矢印方向に電流を流すと、コイル11〜18の中心近傍では図5(a)に示すような磁力線が発生し、X軸に沿って磁場強度がリニアに変化する磁場勾配が発生する。 【0023】次に、Y軸方向の磁場勾配コイルの例を図3(a)〜(c)に示す。Y軸方向の磁場勾配コイルは、8個の四角形のコイル21〜28で構成されている。コイル21〜24は磁場勾配コイル7に設けられ、コイル25〜28は磁場勾配コイル8に設けられる。そして、各コイル21〜28には図3(a)の矢印で示す方向に電流が流される。 【0024】コイル21とコイル23、コイル22とコイル24、コイル25とコイル27、及びコイル26とコイル28は、それぞれY−Z平面に関して対称に配置されている。また、コイル21とコイル22、コイル23とコイル24、コイル25とコイル26、及びコイル27とコイル28は、それぞれX−Y平面に関して対称に設けられる。 【0025】更に、コイル21とコイル25、コイル22とコイル26、コイル23とコイル27、及びコイル24とコイル28は、それぞれX−Z平面に関して対称に設けられている。 【0026】このようなコイル21〜28を用い、各コイルに図3(a)の矢印方向に電流を流すと、コイル21〜28の中心近傍では図5(b)に示すような磁力線が発生し、Y軸に沿って磁場強度がリニアに変化する磁場勾配が発生する。 【0027】次に、Z軸方向の磁場勾配コイルの例を図4(a)〜(c)に示す。Z軸方向の磁場勾配コイルは、4個の四角形のコイル31〜34で構成されている。コイル31、32は磁場勾配コイル7に設けられ、コイル33、34は磁場勾配コイル8に設けられる。そして、各コイル31〜34には図4(a)の矢印で示す方向に電流が流される。 【0028】コイル31とコイル32、及びコイル33とコイル34は、それぞれY−Z平面に関して対称に配置されている。また、コイル31とコイル33、及びコイル32とコイル34は、それぞれX−Z平面に関して対称に設けられている。 【0029】このようなコイル31〜34を用い、各コイルに図4(a)の矢印方向に電流を流すと、コイル31〜34の中心近傍では図5(c)に示すような磁力線が発生し、Z軸に沿って磁場強度がリニアに変化する磁場勾配が発生する。 【0030】以上のように、磁場勾配コイル7、8を平板状とし、それを対向させた構造であるので、検出器としてソレノイド型検出器を使用するのが容易となる。即ち、磁場勾配コイル7、8はX軸に平行な方向に対向して配置されているだけであるので、検出器1のソレノイドコイルを長くすることに対して妨害とはならない。同様に、加熱ガス用配管9の配置を行うこと、及び検出器1の電気配線を行うことに対しても磁場勾配コイル7、8は妨害とはならない。従って、加熱ガスを導くための配管、及び検出器1の引出線の電気配線を容易に行うことが可能となるのである。また、検出器1のソレノイドコイルを長くしても、磁場勾配コイル7、8の間の距離はどこでも同じであるので、大きい強度の磁場勾配を発生させることが可能である。 【0031】以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。 【0032】例えば、上述した実施形態ではX軸方向の磁場勾配コイル及びY軸方向の磁場勾配コイルはそれぞれ8個の四角形のコイルで構成し、Z軸方向の磁場勾配コイルは4個の四角形のコイルで構成するものとしたが、X軸方向の磁場勾配コイル及びY軸方向の磁場勾配コイルはそれぞれ4個の四角形のコイルで構成し、Z軸方向の磁場勾配コイルは2個の四角形のコイルで構成することも可能である。その例を図6に示す。図6(a)はY軸方向の磁場勾配コイルの例であり、4個のコイル41〜44で構成される。コイル41、42は磁場勾配コイル7に設けられ、コイル43、44は磁場勾配コイル8に設けられる。そして、各コイル41〜44には図6(a)の矢印で示す方向に電流が流される。このようにすれば、コイル41〜44の中心近傍では図5(b)に示すと同様な磁力線が発生するので、Y軸方向の磁場勾配を発生することができる。 【0033】X軸方向の磁場勾配コイルについても同様にすることができる。ただし、各コイルに流す電流は、図5(a)に示すと同様の磁力線が発生するようにしなければならないことは当然である。 【0034】また、図6(b)はZ軸方向の磁場勾配コイルの例であり、2個のコイル51、52で構成される。コイル51は磁場勾配コイル7に設けられ、コイル52は磁場勾配コイル8に設けられる。そして、各コイル51、52には図6(b)の矢印で示す方向に電流が流される。このようにすれば、コイル51、52の中心近傍では図5(c)に示すと同様な磁力線が発生するので、Z軸方向の磁場勾配を発生することができる。 【0035】また、磁場勾配コイル7、8のそれぞれに設ける各軸方向の磁場勾配コイルの数は4個より多くすることも可能である。図7にその例を示す。図7では磁場勾配コイル7に設けられる、ある軸方向の磁場勾配コイルは8個のコイルで構成されている。磁場勾配コイル8についても同様である。更に、各コイルは図8に示すように、長方形状としてもよい。なお、図8は、磁場勾配コイル7に設けられる、ある軸方向の磁場勾配コイルは4個のコイルで構成される例を示している。磁場勾配コイル8についても同様である。 【0036】また、磁場勾配コイル7、8が発生する磁場が外部に漏れて、カバー3や、主コイルに渦電流が発生することを防止するために、図9に示すように、磁場勾配コイル7、8の外側に、それぞれ磁気遮蔽コイル61、62を設けてもよい。 【0037】また更に、X軸方向の磁場勾配のリニアリティを向上させるために、図10に示すように、磁場勾配コイル7、8のX軸方向に沿った両端部を内側に折り曲げたり、湾曲させることも可能である。 【0038】更に、静磁場B0 方向の間隙を利用して、光照射、加圧等、試料の状態を変化させる機構を組み込むことも可能である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004271 【氏名又は名称】日本電子株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)2月27日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】菅井 英雄 (外7名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−244254 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)9月14日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−47110 |
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