| 【発明の名称】 |
生体信号検出装置および生体信号検出方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】藤井 徹
【氏名】志岐 尚仁
【氏名】加茂 正充
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| 【要約】 |
【課題】
【解決手段】 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 インピーダンスや脈波等の生体信号を測定する生体信号測定部と、前記生体信号測定部で測定した生体信号の低周波成分を取り出し、該低周波成分に基づいて前記生体信号測定部で測定した生体信号のピーク波形を検出し、ピーク高さ、ピーク幅、ピーク間隔等のピーク特徴量を算出する制御部と、を備えた生体信号検出装置。 【請求項2】 前記制御部は、前記生体信号の低周波成分に所定量のオフセット値を加えた値を閾値とし、この閾値を越える生体信号をピーク波形として検出する請求項1記載の生体信号検出装置。 【請求項3】 前記制御部は、検出した前記ピーク波形のピーク幅が所定の幅よりも小さければこのピーク波形をノイズとして処理する請求項1または2に記載の生体信号検出装置。 【請求項4】 測定されたインピーダンスや脈波等の生体信号の低周波成分を取り出し、該低周波成分に基づいて測定された生体信号からピーク波形を検出し、ピーク高さ、ピーク幅、ピーク間隔等のピーク特徴量を算出する生体信号検出方法。 【請求項5】 前記生体信号の低周波成分に所定量のオフセット値を加えた値を閾値とし、この閾値を越える生体信号をピーク波形として検出する請求項4記載の生体信号検出方法。 【請求項6】 検出した前記ピーク波形のピーク幅が所定の幅よりも小さければこのピーク波形をノイズとして処理する請求項4または5に記載の生体信号検出方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【産業上の利用分野】この発明は、被測定者から測定したインピーダンスや脈波等の生体信号からピーク高さ、ピーク幅、ピーク間隔等のピーク特徴量を算出する生体信号検出装置および生体信号検出方法に関する。 【0002】 【従来の技術】ゲーム機や学習支援装置等の人間が制御操作を行う装置では、操作する人間の精神的、肉体的状態が制御結果の適否や内容に影響を与える。例えば、ゲーム機における遊戯結果の良否は、遊戯者の精神的、肉体的状態によって変化する。このため、遊戯者の精神状態(心理状態)に合わせてゲームの難易度を変化させることにより、遊戯結果の平均化を図ることができるだけでなく、遊戯者に対して精神状態のコントロールを要求するような新たなゲーム内容を創作することも考えられる。掌の皮膚インピーダンスや脈波等の生体信号は被測定者の精神状態や肉体的状態によって変化することが知られている。したがって、生体信号に基づいて遊戯者等の精神状態や肉体的状態を検出できる。 【0003】例えば、人間の掌の皮膚は、体温を維持する恒常機能に基づく温熱発汗作用のみならず、外部刺激に対する反応としての精神発汗作用によっても発汗する。したがって、人間の掌における発汗量は、交感神経の機能状態、即ち、精神の安定状態を表す指標となり、発汗量の多少に応じて皮膚インピーダンスは低下または上昇するから、掌の皮膚インピーダンスを測定すれば精神の安定状態を検出できる。また、遊戯者の精神状態や肉体的状態は心拍数、心拍間隔(R−R interval(正のピーク間隔))、振幅等からも検出できる。即ち、脈波を測定すれば被測定者の精神状態や肉体的状態を検出できる。 【0004】そこで、従来より、操作者の心理状態を表す指標として皮膚インピーダンスや脈波等の生体信号を測定し、この測定結果に基づいて操作者が操作中の装置に対する制御信号を作成して出力する生体信号検出装置および生体信号検出方法が提案されている。 【0005】ところで、被測定者の精神状態や肉体的状態は、測定した生体信号のピーク間隔、ピーク幅、ピーク高さ等のピーク特徴量に基づいて検出されるものである。ピーク特徴量としては、例えば皮膚インピーダンスの場合ピーク間隔やピーク頻度といった所定時間内に現れるピークの発生頻度に関する情報であり、脈波の場合心拍数やR−Rインターバル(正のピーク間隔)等の情報である。したがって、被測定者の精神状態や肉体的状態を検出するためには、測定した生体信号のピーク波形を検出する処理が重要である。従来の手法は、予め閾値を設定し、この閾値を越える生体信号をピーク波形として検出し、ピーク特徴量を算出していた。 【0006】一方、掌の発汗量や脈波には、個人差だけでなく同一人における日内偏差も大きいため、上記閾値を一義的に設定すると、生体信号のピーク波形を正確に検出することができず、結果的に被測定者の精神状態や肉体的状態等を正確に検出できない。このため、最初にしばらくの間(数分程度)、被測定者の生体信号を測定する観測時間を設け、この観測結果に基づいて閾値を決定した後に測定した生体信号からピーク波形を検出して、ピーク特徴量を算出する処理を開始していた。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この方法では、例えばゲーム機に適用した場合、遊戯者に対応した閾値を設定するために、ゲーム開始前に遊戯者の生体信号を観測する観測時間が必要となる。したがって、ゲームの開始が遅れ、直ぐにゲームを開始したい遊戯者から敬遠されてしまうという問題があった。 【0008】また、体動等によって人体に接触させた電極の接触状態が変化すると、測定される生体信号の基線(生体信号の平均レベル等)も変化する。すなわち、従来の手法で設定した閾値によってピーク波形を検出する場合、体動等によって電極の接触状態が変化すると、それ以降ピーク波形を正確に検出できなくなるという問題もあった。 【0009】さらに、ノイズをピーク波形と認識してしまうという問題もあり、ノイズに対する対策が要求されている。 【0010】この発明の目的は、測定した生体信号の低周波成分からピーク波形を検出する基準となる閾値を設定することによって、生体信号の測定の開始後直ぐにピーク波形を正確に検出してピーク特徴量を算出でき、また、電極の接触状態の変化等による生体信号の基線の変化に影響されない生体信号検出装置および生体信号検出方法を提供することにある。 【0011】 【課題を解決するための手段】この発明の生体信号検出装置は、インピーダンスや脈波等の生体信号を測定する生体信号測定部と、前記生体信号測定部で測定した生体信号の低周波成分を取り出し、該低周波成分に基づいて前記生体信号測定部で測定した生体信号のピーク波形を検出し、ピーク高さ、ピーク幅、ピーク間隔等のピーク特徴量を算出する制御部と、を備えている。 【0012】この構成によれば、生体信号測定部において測定した皮膚インピーダンスや脈波等の生体信号から取り出した低周波成分に基づいて測定した生体信号のピーク波形が検出され、ピーク高さ、ピーク幅、ピーク間隔等のピーク特徴量が算出される。ここで、低周波成分に基づいて閾値を設定し、この閾値を越える生体信号をピーク波形とすれば、個人差や同一人における日内偏差等の影響を受けることなく、測定の開始後すぐにピーク波形を検出して、ピーク特徴量を算出することができる。このように、従来必要であった観測時間が不要となり、例えばゲーム機に適用した場合には、遊戯者が直ぐにゲームを開始することができる。また、生体信号はリアルタイムで測定されており、閾値はこの生体信号の低周波成分に基づいて設定されるため、体動等による電極の接触状態の変化によって生体信号の基線が変化しても、この変化に応じて閾値も変化することになる。よって、体動等による電極の接触状態の変化による影響を受けることなく、正確にピーク波形を検出してピーク特徴量を算出することができる。 【0013】また、前記制御部は、前記生体信号の低周波成分に所定量のオフセット値を加えた値を閾値とし、この閾値を越える生体信号をピーク波形として検出する。 【0014】生体信号が安定しているときには、低周波成分と生体信号とが略一致することになる。したがって、低周波成分に所定のオフセット値を加えた値を閾値にすることによって、生体信号が安定しているときにピーク波形が検出されることを防止できる。 【0015】さらに、前記制御部は、検出した前記ピーク波形のピーク幅が所定の幅よりも小さければこのピーク波形をノイズとして処理することによって、ノイズの影響を低減することができる。 【0016】 【発明の実施の形態】図1は、この発明の実施形態の一例である生体信号検出装置の構成を示すブロック図である。この実施形態の生体信号検出装置1は、生体信号として皮膚インピーダンス測定するものであり、従来必要であった固定閾値を設定するための観測時間を不要にし、測定開始後すぐにリアルタイムでピーク波形を検出してそのピーク特徴量を算出できる。生体信号検出装置1は、被測定者の皮膚インピーダンスを測定する生体信号測定部2と、前記生体信号測定部2で測定された生体信号を処理してピーク間隔、ピーク幅、ピーク高さ等のピーク特徴量を算出する信号処理部3と、前記信号処理部3で算出されたピーク特徴量をゲーム機等の外部装置に入力する出力部4と、を備えている。 【0017】生体信号測定部2は、周知のように被測定者の掌に複数の電極を接触させ、該電極に対して交流電源を印加して掌の皮膚インピーダンスの測定を行い、皮膚インピーダンスの等価直列抵抗成分に相当するSIL信号から直流成分を除去した変動成分のみのSIR信号を出力するものである。信号処理部3には、ROM及びRAMを備えたCPUを設けており、該CPUにはROMに予め書き込まれているか、または、CD−ROM等の記憶媒体を介して搭載された処理プログラムにしたがって生体信号測定部2において測定された生体信号(皮膚インピーダンス信号)に対して後述する処理を実行し、ピーク特徴量を算出するとともに、この結果に基づいて制御データを作成し、作成した制御データを出力部4を介してゲーム機等の外部装置に入力する。この処理においてCPUに入出力されるデータはRAMに割り当てられた所定のメモリエリアに格納される。 【0018】図2は、信号処理部の機能を示す機能ブロック図である。信号処理部3には、生体信号測定部2で測定された生体信号の低周波成分を取り出すLPF11と、前記低周波成分に基づいて測定された生体信号のピーク候補を検出するピーク候補検出部12と、ピーク候補検出部12で検出されたピーク候補の中からノイズの影響を受けているもの(判断手法については後述する。)を取り除いてピーク波形を確定するノイズ除去部13と、確定されたピーク波形からピーク特徴量を算出するピーク特徴量算出部14とを備えている。 【0019】以下、図3および図4を参照しながらこの実施形態の生体信号検出装置1の処理を詳細に説明する。図3は信号処理部の処理を示すフローチャートであり、図4は被測定者のSIR信号等の波形を示す図である。この実施形態の生体信号検出装置1では、信号処理部3にリアルタイムで生体信号測定部2で測定した被測定者の皮膚インピーダンスのSIR信号Diが入力される。SIR信号Diは、図4(A)に示すように正のピークのみを持つ(負のピークを持たない)生体信号であり、精神状態等の変化が起こったときにピークが現れる非定常な生体信号である。信号処理部3は、生体信号測定部2からSIR信号Diの入力があると、低周波成分Dliを算出する。図2に示したLPF11がこの処理を実行するための機能である。 【0020】周知のように入力信号の低周波成分を算出する方法は様々あるが、この実施形態では移動平均をとる方法を採用している。具体的には、以下の式から低周波成分を算出する。 【0021】 【数1】
【0022】n1で算出されるSIR信号の低周波成分Dliは、元の波形(SIR信号Di)の急激な変動成分が含まれないため、SIR信号Diに含まれるノイズの影響を受けないものである。信号処理部3は、SIR信号の低周波成分Dliに基づいて閾値を設定する(n2)。皮膚インピーダンスは、正のピークのみを持つ生体信号であるので、この実施形態では図4に示すようにn1で算出されたSIR信号の低周波成分Dliに所定のオフセット量を加えた値を閾値として設定する。 【0023】このように、測定したSIR信号の低周波成分Dliに基づいて閾値を設定するようにしたため、閾値はその時点における被測定者に適した値(個人差や日内偏差等を考慮した値)に設定できる。また、リアルタイムで測定されるSIR信号Diによって閾値を設定しているため、閾値も被測定者の体動等によって掌に接触させた電極の接触状態の変化に伴うSIR信号Diの基線の変化に対応して変化する。したがって、閾値は体動等による電極の接触状態の変化にも対応して、その時点で適当な値に設定される。さらに、低周波成分Dliには、周知のように元波形(SIR信号Di)の変動が時間的に遅れて現れるので、後述するように元波形のピークの立ち上がりを確実に検出できるとともに、生体信号ではよく現れる立ち下がり時のノイズの影響を除去することができる。 【0024】n2で閾値を設定すると、測定されたSIR信号Diが閾値を越えているかどうかを判定する(n3)。n3でSIR信号Diが閾値を越えていれば、n4に進んで1つ前に測定されたSIR信号Di−1が閾値を越えていたかどうかを判定する。SIR信号Di−1が閾値を越えていなければ、ピーク波形の立ち上がりであり(例えば図4(A)に示すA、C、E、G点)、ピーク幅Wdをカウントするカウンタを1にセットし(n5)、n8に進んでこのピーク波形のピーク高さWhをSIR信号Diにしてn1に戻る。一方、n4においてSIR信号Di−1も閾値を越えていれば(例えば図4(A)に示すA−B、C−D、E−F、G−H間)、ピーク幅Wdをカウントするカウンタを1カウントアップし(n6)、SIR信号Diとこの時点におけるピーク高さWhとを比較する(n7)。この比較において、SIR信号Diがピーク高さWhよりも大きければ、n8に進んでこのピーク波形のピーク高さWhをSIR信号Diに変更してn1に戻り、SIR信号Diがピーク高さWhよりも大きくなければ、n8の処理を行うことなくn1に戻る。 【0025】また、n3においてSIR信号Diが閾値を越えていなければ、n11に進んでSIR信号Di−1が閾値を越えていたかどうかを判定する。SIR信号Di−1も閾値を越えていなければ(例えば図4(A)に示すB−C、D−E、F−G間やH以降)、ピーク波形ではないと判定してn1に戻り、SIR信号Di−1が閾値を越えていれば、SIR信号Di−1がピーク波形の完了点(例えば図4(A)に示すB、D、F、H点)であり、このピーク波形のピーク幅Wdをカウンタの値に基づいて決定する(例えば、カウント値に定数を乗する。)(n12)。 【0026】上述したように、低周波成分Dliには、SIR信号Diの変動が時間的に遅れて現れるので、SIR信号Diの立ち上がり時点においては閾値が比較的小さい値となっているため、SIR信号Diの立ち上がりを確実に検出できる。また、SIR信号Diの立ち下がり時点においては閾値が比較的大きい値となるため、SIR信号Diの立ち下がり時によく現れるノイズの影響を受けることなく、確実にピーク波形の立ち下がりを検出できる。 【0027】図2に示したピーク候補検出部12がn3〜n8の処理およびn11〜n12の処理を実行する機能であり、上記の処理によってSIR信号Diのピーク候補が検出される。例えば、SIR信号Diが図4(A)に示す波形であった場合、図4(B)に示すように4つのピーク候補(P1h〜P4h)が検出される。 【0028】信号処理部3は、n12の処理に続いてピーク候補のピーク幅Wdと予め設定されている基準幅Wdaとを比較し(n13)、ピーク幅Wdが基準幅Wdaよりも大きくなければ、このピーク候補がノイズであるとして除去する(ノイズ処理を行う。)(n14)。例えば、図4(A)に示すG−H間で検出された図4(B)中に破線で示すピーク候補P4hがノイズとして除去される。一方、ピーク候補Wdが基準幅Wdaよりも大きければ、この波形をピーク波形Pihと確定し(n15)、n1に戻る。図2に示したノイズ除去部13がn13〜n15の処理を実行する機能である。 【0029】なお、信号処理部3は上記の処理において確定されたピーク波形Pihに基づいてピーク高さWhi、ピーク幅Wdi(なお、iはピーク波形の発生した順番である。)、図4(B)に示すピーク間隔Tiや所定時間内におけるピーク波形の発生頻度等のピーク特徴量を算出する。ここで、算出されたピーク特徴量は出力部4を介してゲーム機等の外部装置に入力する。 【0030】このように、この実施形態の生体信号検出装置1では、被測定者から測定したSIR信号Diの低周波成分に基づいて閾値を設定するようにしたため、個人差や日内差等の影響を受けることなく、測定開始後直ぐに閾値を設定することができる。また、測定されたSIR信号Diの変化に伴って閾値も変化するため、体動等によって掌に接触させた電極の接触状態の変化にも対応できる。よって、リアルタイムで正確にSIR信号Diのピーク特徴量を検出することができる。また、従来のような測定開始前の観測時間も不要になるため、ゲーム機に適用すれば遊戯者が直ぐにゲームを開始することができ、遊戯者から敬遠されないゲーム機を構成できる。さらに、SIR信号にノイズが入ったとしても、上記n13の処理でピーク波形でないとして除去するようにしているため、ノイズの影響を殆ど受けることがなく、一層正確にSIR信号Diのピーク特徴量を検出できる。 【0031】なお、SIR信号のような非定常な生体信号の場合、SIR信号Diが安定しているとき(例えば図4(A)に示すI以降)、測定されたSIR信号DiとSIR信号の低周波成分Dliとが略一致する。ここで、SIR信号の低周波成分Dliをそのまま閾値として設定していると、上記の処理において頻繁にピーク候補が検出されて、信号処理部3における負荷が増大し、処理時間が長くなるという問題が生じてしまう。そこで、本実施形態の生体信号検出装置1では上述のようにSIR信号の低周波成分Dliに所定のオフセット量を加えたものを閾値とし、このような問題が生じることを防止している。 【0032】次に、この発明の別の実施形態について説明する。この実施形態の生体信号検出装置1は、被測定者の脈波を生体信号として測定し、ピーク特徴量を算出するものである。この実施形態の生体信号検出装置1も図1および図2に示す構成と略同一であるが、生体信号測定部2が被測定者の脈波を測定するものである点で相違している。周知のように脈波は、指先、耳たぶまたは胸等に電極を接触させて測定することができる。 【0033】図5〜図7を参照しながらこの実施形態の生体信号検出装置1の処理を説明する。図5および図6はこの実施形態の生体信号処理装置の処理を示すフローチャートであり、図7は被測定者の脈波等の波形を示す図である。この実施形態の生体信号検出装置1も、生体信号測定部2がリアルタイムで測定した被測定者の脈波Diが信号処理部3に入力される。脈波Diは、上記の実施形態で説明したSIR信号と異なり、図7(A)に示すように正および負の両方にピークを持ち、また定常的にピーク波形が繰り返される定常的な生体信号である。 【0034】信号処理部3は、脈波Diが入力されるとこの脈波の低周波成分Dliを上記した実施形態と同様に上記(1)式から算出し(n21)、脈波の低周波成分Dliに基づいて閾値を設定する(n22)。脈波Diは、正および負のピークを持つ生体信号であることから、信号処理部3は図7(A)に示すように上側閾値(n21で算出された脈波の低周波成分Dliに所定のオフセット量を加えた値)および、下側閾値(n21で算出された脈波の低周波成分Dliから所定のオフセット量を引いた値)を設定する。信号処理部3は、測定された脈波Diが上側閾値と下側閾値との範囲内であるかどうかを判定する(n23、n24)。 【0035】脈波Diが上側閾値を越えていれば正のピーク候補であり、下側閾値よりも小さければ負のピーク候補である。正のピーク候補である場合、n25に進み上記した実施形態におけるn4〜n8と同様の処理を行う(n25〜n29)(ここでは説明を省略する。)。また、負のピーク候補である場合には、1つ前の脈波Di−1が下側閾値よりも小さかったかどうかを判定する(n31)。n31において、脈波Di−1が下側閾値よりも小さくなければ、下側ピーク波形の開始点であり(図7(A)に示すC、G、K・・・点)、ピーク幅Wdをカウントするカウンタを1にセットし(n32)、n35に進んでピーク高さWhを脈波Diにしてn21に戻る。 【0036】n31において、脈波Di−1も下側閾値より小さければ(図7(A)に示すC−D、G−H、・・・間)、カウンタを1カウントアップし(n33)、脈波Diとピーク高さWhとを比較する(n34)。脈波Diがピーク高さWhよりも小さければ、n35に進んでピーク高さWhを脈波Diにしてn21に戻り、脈波Diがピーク高さWhよりも小さくなければ、n35の処理を行うことなくn21に戻る。 【0037】一方、n23、n24において脈波Diが上側閾値と下側閾値との範囲内にあれば、1つ前の脈波Di−1が上側閾値と下側閾値との範囲内にあったかどうかを判定する(n41、n42)。脈波Di−1も上側閾値と下側閾値との範囲内にあれば(図7(A)に示すB−C、D−E、・・・間)、n21に戻る。 【0038】脈波Di−1が上側閾値を越えていれば、脈波Di−1が正のピーク候補の完了点(図7(A)に示すB、F、J・・・点)であると判定し、カウンタのカウント値に基づいてこのピーク候補のピーク幅Wdを算出し(n43)、このピーク幅Wdと予め設定されている基準幅Wdaとを比較する(n44)。ピーク幅Wdが基準幅Wdaよりも大きくなければ、ノイズであると判定し除去する(n45)。例えば、図7に示すM−N間に発生した正のピーク候補P4hをノイズとして除去する。一方、ピーク幅Wdが基準幅Wdaよりも大きければその前に検出されたピーク波形が正のピーク波形であったかどうかを判定する(正のピーク波形が連続したかどうかを判定する。)(n46)。 【0039】ここで、脈波Diは正、負のピーク波形が交互に現れる定常的な生体信号であるため、正のピーク波形(または負のピーク波形)が連続して現れることはない。したがって、ノイズ等の影響により連続した正のピーク波形間(または負のピーク波形間)に存在すべき負のピーク波形(または正のピーク波形)が検出されていない。信号処理部3はn46でその前に検出されたピーク波形も正のピーク波形であると判定すると、先に検出されている正のピーク波形(例えば図7に示すP5h)をノイズの影響を受けているものとして除去し(n47)、n48に進む。n46で先に検出されているピーク波形が下側ピーク波形であると判定すると、これを正のピーク波形Pihとして確定する(n48)。なお、ここで確定された正のピーク波形Pihは、上記n47の処理でノイズの影響を受けているものとして除去されることもある。 【0040】一方、n42において、脈波Di−1が下側閾値よりも小さければ、脈波Di−1が負のピーク波形の完了点(図7(A)に示すD、H、K、P点)であると判定し、カウンタのカウント値に基づいてピーク幅Wdを算出し(n51)、このピーク幅Wdと予め設定されている基準幅Wdaとを比較する(n52)。ピーク幅Wdが基準幅Wdaよりも大きくなければ、ノイズであるとしてこれを除去し(n53)(例えば、図7に示すP3l)、n21に戻る。ピーク幅Wdが基準幅Wdaよりも大きければ、負のピーク波形が連続したかどうかを判定する(n54)。負のピーク波形が連続している場合には、この連続している負のピーク波形間に存在すべき正のピーク波形がノイズ等の影響によって検出されていないので、ここで検出した負のピーク波形をノイズの影響を受けているものとして除去する(n55)。n54で先に検出されているピーク波形が正のピーク波形であれば、これを負のピーク波形Pilとして確定する(n56)。なお、ここで確定された負のピーク波形Pilは、上記の説明からも明らかなように除去される可能性はない。 【0041】信号処理部3は、この後正のピーク間隔やピーク高さ等のピーク特徴量を抽出するのであるが、検出されたピーク候補の中にノイズの影響を受けていたピーク候補があった箇所(図7(B)に示すP3h〜P6h間)については、その箇所のピーク特徴量(特に正のピーク間隔)を無効にする。この場合、便宜的にP3h〜P6h間の正のピーク間隔をP2h〜P3h間の正のピーク間隔と同じ値にしてもよいし、また正のピーク間隔が存在しない領域(無効領域)として処理してもよい。 【0042】このように、この実施形態の生体信号検出装置1も、被測定者の脈波の低周波成分Dliに基づいて閾値を設定するようにしたため、上記した実施形態のものと同様の効果を得ることができる。 【0043】なお、上記した実施形態では検出されたピーク候補のピーク幅が基準幅よりも大きいかどうかによって、ノイズの影響を受けているものであるかどうかを判定するとしたが、例えば検出されたピーク候補のピーク高さや他の情報からノイズの影響を受けているものかどうかを判定するようにしてもよい。 【0044】次に、上記生体信号検出装置を適用したゲーム機の例を説明する。図8は、ゲーム機の表示部に含まれるディスプレイの表示画面の一例を示す図である。ゲーム実行中のディスプレイ20には、複数のターゲット円21及び照準22が表示される。このゲームは、マウス等の操作により照準22を画面中を移動するターゲット円21に一致させて所定のキー操作を行うことにより加点されるゲームであり、またSIR信号Diまたは脈波Diにおけるピーク特徴量の検出結果に基づいてターゲット円21の大きさ及び移動範囲が変化するゲームである。例えば、測定された生体信号から遊戯者の精神状態が安定していると判定したときには、ターゲット円21を小さくしたり、移動範囲を広くする等してゲームの難易度を高くし、逆に遊戯者の精神状態が安定していなければターゲット円21を大きくしたり、移動範囲を狭くする等してゲームの難易度を低くする。このようにすれば、遊戯結果の平均化を図ったゲームを提供することができる。 【0045】また、逆に測定された生体信号から遊戯者の精神状態が安定していると判定したときには、ターゲット円21を大きくしたり、移動範囲を狭くする等してゲームの難易度を低くし、逆に遊戯者の精神状態が安定していなければターゲット円21を小さくしたり、移動範囲を広くする等してゲームの難易度を高くすると、遊戯者の精神状態によって遊戯結果が異なるゲームを提供することができる。 【0046】 【発明の効果】以上のように、この発明によれば、生体信号測定部において測定したインピーダンスや脈波等の生体信号から取り出した低周波成分に基づいて閾値を設定し、この閾値を越える生体信号をピーク波形として検出するようにしたため、個人差や同一人における日内偏差等の影響を受けることなく、測定の開始後すぐにピーク波形を検出して、ピーク特徴量を算出することができる。したがって、従来必要であった観測時間が不要となり、例えばゲーム機に適用した場合には、遊戯者が直ぐにゲームを開始することができる。しかも、生体信号はリアルタイムで測定されており、閾値はこの生体信号の低周波成分に基づいて設定されるため、体動等による電極の接触状態の変化によって生体信号の基線が変化しても、この変化に応じて閾値も変化する。よって、体動等による電極の接触状態の変化による影響を受けることなく、正確にピーク波形を検出してピーク特徴量を算出することができる。 【0047】また、前記制御部は、前記生体信号の低周波成分に所定量のオフセット値を加えた値を閾値としているので、生体信号が安定しているときの負荷が増大することもない。 【0048】さらに、前記制御部は、検出した前記ピーク波形のピーク幅が所定の幅よりも小さければこのピーク波形をノイズとして処理するため、ノイズの影響を低減することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002945 【氏名又は名称】オムロン株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)2月27日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】小森 久夫
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| 【公開番号】 |
特開平11−244250 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)9月14日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−46722 |
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