| 【発明の名称】 |
ガイドワイヤー型血流計 |
| 【発明者】 |
【氏名】谷 和雄
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| 【要約】 |
【課題】経皮的血管形成術や経皮的冠状動脈形成術等のカテーテル治療において、特に冠状動脈等の微細血管の血流計測のできるガイドワイヤー型又は半導体型圧力センサ付き及び/又は心内心電図用電極付きのガイドワイヤー型血流計を提供する。
【解決手段】外径0.4乃至1.1mmで内腔を有するステンレス製ガイドワイヤーにおいて、その先端丸み部を含む長さ10乃至30mmがX線不透過の白金製ワイヤーから成る管状コイルで、そのガイドワイヤー内腔には外部機器とガイドワイヤー開口部に設けられた温度感知部材とを結ぶ微細配線を内在し、且つ開口部の温度感知部で、可撓性細管を通して注入された冷却食塩水によって熱希釈された血流温度を感知し、この血流温度が平衡になるまでの温度変化曲線から血流速度F=(C1Q1/C0T0 )ΔT/ΔS及び血流量Q=Σ(C1Q1/C0T0 )dTdSを計測するガイドワイヤー型血流計。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 外径が0.3乃至1.1mmで、内腔を有するステンレス製のガイドワイヤーにおいて、その先端の丸み部を含む長さ10乃至30mmがX線不透過の白金製微細ワイヤーを密に巻いて成る螺旋形の管状コイルであって、ガイドワイヤーの内腔には外部機器とガイドワイヤー開口部に設けられている温度感知部材とを結ぶ微細配線を内在し、且つ開口部の温度感知部で、可撓性の細管を通して注入された冷却生理食塩水によって熱希釈された血流の温度を感知し、外部機器に自記記録されたこの血流の温度変化曲線図から血流速度及び血流量を計測することを特徴とするガイドワイヤー型血流計。 【請求項2】 上記ガイドワイヤー型血流計において、外部シリンジに接続された可撓性の細管先端部の注射孔部位を微細血管内に挿入し、所定量の冷却食塩水を注入することを特徴とする請求項1記載のガイドワイヤー型血流計。 【請求項3】 上記可撓性の細管が、外径が0.3乃至1.5mmのプラスチックス管で、該プラスックス管の先の丸み部から1乃至3mm部位に横向きに注射孔1乃至4個を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のガイドワイヤー型血流計。 【請求項4】 上記プラスチックス管が血流計本体のガイドワイヤーに樹脂接着されていることを特徴とする請求項3記載のガイドワイヤー型血流計【請求項5】 上記食塩水の注入量が、0.5乃至3mlであることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のガイドワイヤー型血流計。 【請求項6】 上記血流速度及び血流量が下記式、 F=(C1Q1/C0T0)ΔT/ΔS ……………[1] C1、C0;それぞれ冷却生理食塩水、血液の比熱、T0、ΔT;それぞれ血液の温度、血液と生理食塩水の温度T1 との温度差(ΔT=T0−T1)、ただし、0≦T1≦20℃である)、Q1;冷却生理食塩水の注入量(ml/min)、ΔS;冷却生理食塩水が注入され、温度感知部の温度が最低値から血液温度T0に至るまでの時間(min)、及び Q=Σ(C1Q1/C0T0)dTdS ……………[2] で表される血流速度F(ml/min)及び血流量Q(ml)として計測されることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のガイドワイヤー型血流計。 【請求項7】 上記開口部がガイドワイヤー先端の丸み部に設けられ、且つ温度感知部材のアロメルークロメル型熱電対がエポキシ樹脂でその丸み部に係止されていることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載のガイドワイヤー型血流計。 【請求項8】 上記温度感知部材が白金測温抵抗体であることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載のガイドワイヤー型血流計。 【請求項9】 上記開口部が長さ2乃至20mmで、内腔を有するステンレス製外套管に設けられ、その外套管が上記X線不透過の管状コイルに隣接して溶接され、且つ温度感知部材がその外套管の開口部に面した内腔に台座としてエポキシ樹脂で係止されたシリコンチップ面に血流と接するように露出して設けられていることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載のガイドワイヤー型血流計。 【請求項10】 上記温度感知部材が血圧測定用の半導体型圧力センサのホイストンブリッジ回路に対の温度補償回路として設けられていることを特徴とする請求項9記載のガイドワイヤー型血流計。 【請求項11】 請求項7乃至10に記載する何れかのガイドワイヤー型血流計において、先端部のX線不透過部を除いて、ガイドワイヤー本体の外部がテフロン樹脂で被覆され、且つガイドワイヤー内腔には外部の測定機器とX線不透過部とを結ぶ微細配線が内在し、該X線不透過部が心内心電図用電極であることを特徴とするガイドワイヤー型血流計。 【請求項12】 上記温度感知部材がPtの薄膜温度センサであることを特徴とする請求項9乃至11の何れかに記載するガイドワイヤー型血流計。 【請求項13】 上記温度感知部材が、半導体の感温抵抗素子であることを特徴とする請求項9乃至11の何れかに記載するガイドワイヤー型血流計。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、臨床電気生理学的検査(EPS)、経皮的血管形成術(PTA)、経皮的冠状動脈形成術(PTCA)等における心内血管の血流を計測する血流計に関し、より詳細には血流計の本体がEPS臨床検査、PTA、PTCA治療においてカテーテルを目的の血管部位に挿入案内するガイドワイヤーから成り、そのガイドワイヤーの先端部に設けられている温度感知部材によって注入された冷却生理食塩水を介して心内血管、特に冠状動脈のような微細血管の血流速度及び血流量を測定するガイドワイヤー型血流計に関する。更にはまた本発明は、その本体が圧力センサ付きガイドワイヤー及び/又は心内心電図用の電極付きであって、心内血管部位での血圧測定及び/又は心電図測定に同期させて心内血管の血流速度及び血流量を測定するガイドワイヤー型血流計にも関する。 【0002】 【従来の技術】心臓に係わる臨床及び手術等の医療行為、すなわち心臓カテーテル検査中の監視及び計測又はカテーテル治療、即ちPTCAとかPTA等の医療行為中の監視には心電図、血圧等のパラメータが極めて重要であり、しかもこれらは心内血管の血流の挙動に深く係わっていることから、併せて心内各部位での血流速度又は血流量を同期させて計測させることもこのような医療行為にとっては極めて重要である。 【0003】このような心臓の臨床検査、治療には上述するように血流の計測は不可欠であることから、従来から一般的に実施されている血流計測には、間接法と直接法とがあり、その間接法の一つとしてスワンガンツ(Swan−Ganz)のサーモダイリューション(熱希釈)カテーテル法がある。この方法は、カテーテルより冷却生理食塩水を注入し、カテーテルに設けられている熱電対で熱希釈された血流の温度が平衡温度になるまでの温度変化から血流速度を算出する熱希釈法と言われているものである。また同じく間接法として超音波ドプラー血流計があり、これは生体外から超音波を血液に発射し、血液から反射波を受信しこの反射波の血流によるドップラー効果に基づく周波数の変化から血流量を求めるものである。 【0004】一方、直接法としては、手術中に切開されて引き出された血管をその周囲から挟んだプローブからの電磁誘導による電磁波を介して血流を計測する電磁血流方法があるが、他の直接法を含め直接法の何れもが、外科的切開手術においてのみ行える計測方法である。 【0005】これらの間接法、直接法の両者は、現在、医療現場で広く一般的に採用されているものであるが、両者にはそれぞれ一長一短があり、最近になって外科的手術を必要としない間接法の改良提案がなされている。 【0006】例えば特開平5−137725号公報には、複数の超音波振動子を設けてなるカテーテルを介して、この振動子による超音波ドプラ法血流量測定部で連続して血流量を測定し、この計測値を検量するために別個に設けてなる生理食塩水を注入させて血流量を測定する熱希釈法測定部との両者から血流量を連続して監視する計測法が記載されている。 【0007】更には、従来のカテーテル法では測定が不可能であった微細な血管部位での血流を計測する目的から、カテーテルを目的部位に挿入案内させるに使用されているガイドワイヤーを介して血流を計測しようとする試みがなされている。 【0008】例えば、特開平2−279132号公報には、微細な血管においての操作性に優れているガイドワイヤーに着目したガイドワイヤー型血流計が記載されている。即ちガイドワイヤーの内腔に血管断面積と冠状動脈の血液流量を測定するための電極を有し、ガイドワイヤーの先端部に絶縁体で隔絶された基部電極と末端電極との2個の電極を設け、外部の測定機器と微細配線で電気的に結び、電極を介して電圧を印荷させた後、血流速度と電流の流れとの直線関係に基づく両電極間の電流挙動から血流速度を測定しようとするものである。 【0009】更にはまた特開平5−329119号公報には、カテーテルの内腔に挿入されているガイドワイヤーに設けた熱電対を高周波で加熱させて一定量の熱量を血流に伝播させ、先端部に設けた温度感知チップの温度変化を電気的に計測して血流量を求める提案がなされている。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】上記するように心臓疾患に対するカテーテル治療が急速に普及し、特に冠動脈狭窄に対するバルーンカテーテルを用いて行われる経皮的冠状動脈形成術(PTCA)は、心臓治療に多く実施され、また大血管や末梢血管の拡張術として行われる経皮的血管成形術(PTA)等の治療にもカテーテル法が多く実施されている。 【0011】しかしながら、これらの治療は常に患者の容体の監視下に実施され、従来から心電図(体表面心電図、または心内心電図)、血圧監視等が必須であり、場合によっては血流計測も必要であり、且つこれらの監視は極めて重要である。特に冠状動脈のような微細な血管におけるPTCAやPTA術後の成果の検証を含め、微細血管における正確な血流計測及び外科的手術を要しない間接法の改良が強く切望されているものである。 【0012】しかしながら上記した間接法、直接法のそれぞれ代表的血流計である血管挿入式のスワンガンツの間接法熱希釈カテーテル法又は外科手術などで切開して引き出された血管をプローブで挟んで計測する直接法の電磁血流計を含め、間接法、直接法両者にはそれぞれ一長一短がある。 【0013】すなわち、現在最も信頼性の高い直接法の電磁血流量計は、外科的な手術の時にしか使えないし、間接法の中心である超音波血流量計は、生体中のどこの血流量を測っているのか明確ではなく、しかも超音波センサと演算用のコンピュータを組合わせた装置は高価であって、またそのセンサをカテーテルに設けたとしてもカテーテルが太すぎて微細血管では測れない。 【0014】さらには、一般的な熱式流量計として医療用に用いられているスワンガンツの熱希釈カテーテル法は、組込まれている熱電対やサーミスターで温度変化を感知し、得られる熱希釈曲線図の積分から血流量を求めるが、そのために低温の食塩水を注入させるとか又は組込まれた抵抗発熱体に電流を流して電熱によって加熱させるにしても、血流量の測定には大量の熱量変化を必要とし、前者の冷却食塩水を注入させる方法は複雑で、誤差が大きくて正確な測定が得られなかったり、また後者の電熱による熱供給にしても血流を60乃至70℃に加熱させることから種々危険を伴う。しかも従来のカテーテル法では、冠動脈のような微細な血管での血流を測ることができないという問題があった。 【0015】そこで本発明者は、上記する課題に鑑み、従来の間接法の熱希釈カテーテル法を改良するため鋭意検討した結果、本願出願人がすでに特願平9ー190307号特許明細書に記載した微細な細部への挿入性、操作性に優れた半導体型圧力センサ付きガイドワイヤーに着目し、この圧力センサに組まれている温度補償回線を利用して血流の温度感知をすれば、従来のスワンガンツ式の熱希釈カテーテル法のようにして血流を計測されるという知見に基づき本発明に至った。 【0016】従って、本発明の目的は血流を計測するために外科的手術を要せず、血流計を血管に挿入するタイプであって、しかも従来のようなカテーテルを用いるスワンガンツの熱希釈法では測定が不可能であった冠状動脈のような微細血管の血流計測を可能にさせるガイドワイヤー型血流計を提供するものである。 【0017】また本発明の他の目的は、熱希釈法の測定精度を向上させるため、改良された食塩水注入法を組合わせてなるガイドワイヤー型血流計を提供するものである。 【0018】また本発明の他の目的は、心内血管部位での血流計測を単独に測定する以外に、本願出願人がすでに特願平9ー190307号、特願平9ー190308号特許明細書に記載したガイドワイヤーが圧力センサ付き及び/又は心電図用電極付きガイドワイヤーを介することにより、心臓の各部位における正確な血圧測定及び心電図測定に同期させて血流を計測させるガイドワイヤー型血流計を提供するものである。 【0019】 【課題を解決するための手段】本発明によれば、心臓にカテーテルを挿入案内する外径が0.3乃至1.1mmのステンレス製のガイドワイヤーにおいて、その先端部の長さ10乃至30mmがX線不透過の白金製ワイヤーから成る管状コイルであって、その先端丸み部又は該管状コイルに隣接して溶接されているステンレス外套管に血流と接触する開口部を有し、ガイドワイヤーの内腔には外部機器と前記開口部に設けられている温度感知部材とを結ぶ微細配線を内在し、且つ開口部の温度感知部で、可撓性の細管を通して注入した冷却生理食塩水によって熱希釈された血流の温度を感知し、外部機器に自記記録した血流の熱希釈曲線図から下記式、F=C1Q1ΔT/C0T0ΔS ……………[1] C1、C0 ;それぞれ冷却生理食塩水、血液の比熱、T0、ΔT;それぞれ血液の温度、血液と生理食塩水の温度T1 との温度差(ΔT=T0−T1)、(ただし、0≦T1≦20℃である)、Q1;冷却生理食塩水の注入量(ml/min)、ΔS;冷却生理食塩水が注入され、温度感知部の温度が最低値から血液温度T0に至るまでの時間(min)、及び Q=Σ(C1Q1/C0T0)dTdS ……………[2] で表される血流速度F(ml/min)及び血流量Q(ml)を計測することを特徴とするガイドワイヤー型血流計が提供される。 【0020】上記血流計においては、その温度感知部材として、アロメルークロメル型熱電対、白金測温抵抗体、半導体の感温抵抗素子又はSiC、ZrN、Pt等の薄膜温度センサが好ましい。 【0021】また本発明において、血圧及び/又は心電図に同期させて血流を計測できるガイドワイヤー型血流計においては、血流を計測する温度感知部が血圧測定用の半導体型圧力センサのシリコンチップ面にホイストンブリッジ回路と対の温度補償回路として設けられていることにより、心内の血圧測定及び/又は心電図に同期させて、血管内の血流を計測することを特徴とするガイドワイヤー型血流計が提供される。 【0022】本発明による圧力センサ付き及び/又は心内心電図用電極付きガイドワイヤー型血流計において、その温度補償回路に組まれる温度感知部材としては、SiC、ZrN、Pt等の薄膜温度センサが好ましい。 【0023】更にまた本発明においては、特に冠状動脈のような微細血管において、少量の熱変化量で正確な測定値を得るため、開口部の温度感知部で冷却生理食塩水で熱希釈された血流温度を感知するに、外部シリンジに接続された可撓性の細管先端部の注射孔部位を直接微細血管内に挿入させ、該食塩水の所定量を注入し、外部機器に血流温度が平衡になるまでの温度変化の熱希釈曲線図を自記記録させるに、1.上記可撓性の細管(微細注射管)が、外径0.3乃至1.5mmのプラスチックス管であること、2.該プラスチックス管の先の丸み部から1乃至3mm部位に横向きに1乃至4個の注射孔を有すること、3.上記食塩水の注入量が、0.5乃至3mlであること、4.上記プラスチックス管が血流計本体のガイドワイヤーに樹脂接着されていること、が好ましい。 【0024】 【発明の実施形態】(作用)本発明によるガイドワイヤー型血流計は、その本体がガイドワイヤーであって、すでに上述したように微細なステンレスワイヤーを密に巻いて成る螺旋形の微細径の管状ワイヤーであって、その先端の白金製管状コイルがX線透視下にX線不透過の暗部としてマーカ役を果たすことから、本血流計は挿入性、操作性に著しく優れ、その挿入部位が心臓の微細血管内であっても容易に挿入され、また血流の測定部位を明確にできる特徴を有しているものである。その微細血管径が4mm以下、特に3mm以下、例えば大動脈の付け根から心臓を包むように右と左に分岐している冠状動脈内であっても血流計としてその先端部に設けられている温度感知部を容易に目的部位に安定挿入させられるのである。 【0025】本発明の血流計は、熱希釈法であるから従来のスワンガンツの熱希釈カテーテル法と同じく、冷却生理食塩水を注入させることから、その注入用に可撓性細管を併用するものである。本発明では、その細管としてプラスチックス製の可撓性細管が好適に使用され、例えば従来からスワンガンツ法で使用されているサイドポート付き食塩水注入用カテーテルが使用され、しかも本発明の血流計本体がガイドワイヤーであることから血流計自体を通じて挿入される。 【0026】通常の熱希釈法において注入する生理食塩水の温度は、温度感知部で感知される人体の血液温度が、ほぼ体温37℃と見なせ、血流に明確な温度変化を与える必要から、少なくとも血液温度より10℃程低く、好適には0〜20℃、更に好ましくは4〜10℃に冷却された生理食塩水をサイドポートから注入する。 【0027】本発明によるガイドワイヤー型血流計は、計測部位が微細血管にあっては、その注入量は0.5〜4ml、好ましくは1〜2.5mlの範囲で適宜に選んで計測できる特徴を有している(後述する実施例を参照)。また熱希釈法においては、注入をできるだけ素早くするほど正確な計測が期待されることから、後述する実施例のように注入量を減少させられたことは極めて望ましいことである。 【0028】その微細血管が、大動脈部から心臓を包むように分岐している冠状動脈であれば、上記カテーテルのメインポート先端口は、ガイドワイヤーでもある本血流計を通じて測定部位の血流上方の冠状動脈入口に挿入される(図2参照)。これによって冠状動脈内の測定部位には、大動脈から送り込まれる冷却生理食塩水で熱希釈された温度の低下した血流が流れ、この熱希釈された血流が流れ終わって血流が血液温度と平衡になるまでの温度変化を経時的に本発明のガイドワイヤー型血流計の温度感知部材で計測し、外部に接続されている測定機器に図4に示すような温度変化の熱希釈曲線図が自記記録される。 【0029】そこで図4の熱希釈曲線図を参照しながら本発明によるガイドワイヤー型血流計によって計測される血流速度、血流量について説明すると、前者の血流速度はこの熱希釈曲線図において昇温時間に相当する曲線部を微分することによって得られる値であって、注入した冷却食塩水による熱変化量の全てが血流計の温度感知部を通過したとして求めた下記[1]式で表される血流速度F(ml/min)に相当する。 F=(C1Q1/C0T0 )ΔT/ΔS ……………[1] 式[1]において、C1、C0 は、それぞれ注入する冷却生理食塩水、血液の比熱を表し、T0、ΔTは、それぞれ血液の温度、血液と注入時の生理食塩水の温度T1 との温度差(ΔT=T0−T1)を表し、またQ1 は冷却生理食塩水の注入量(ml/min)で、ΔSは冷却生理食塩水が注入され、温度感知部の温度が最低値に達してから血液温度T0 に至るまでの時間(min)である。また後述するようにT1 は、血流に明確な熱変化を与えるためから、少なくとも0≦T1 ≦20℃の範囲にあることが好ましく、より好ましくは4〜10℃であり、また計測の誤差を少なくするためから、食塩水の注入を素早く行うことが好ましく、本発明では後述する実施例においては1〜3秒で注入させた。 【0030】また後者の血流量は図4において、その熱希釈曲線の上昇時間に相当する曲線部の面積が図4に示す△S時間に流れた血流量Q(ml)に相当し、その曲線相当部を積分することにより、下記[2]式として得られるものである。 Q=Σ(C1Q1/C0T0 )dTdS ……………[2] なお、本発明においてはC1、C0はC1=C0と見なせる。以上から、本発明による血流計を介して外部機器に自記計測された熱希釈曲線図から、[1]式、[2]式に相当する血流速度F(ml/min)及び血流量Q(ml)が得られる。 【0031】前述したように、本発明による血流計は、例えば血管造影用カテーテルや各種心臓のカテーテル治療法に用いられるカテーテルを心内の血管内に挿入する際に、挿入案内するために使用されるガイドワイヤーに血流計測の温度感知部材を設けたものであり、特に本願出願人がすでに特許出願している血圧測定のできる圧力センサ付きガイドワイヤーを使用する場合(図1の概念図(A)参照)には、同時に挿入された先端部位の心内血圧に同期させて血流を計測でき、これは本発明のガイドワイヤー型血流計の顕著な特徴である。 【0032】また本発明の血流計が、同じく本願出願人がすでに特許出願しているガイドワイヤー型心内心電図用電極を有する場合(図1の概念図(B)参照)には、この外部の測定機器に微細配線で接続されている先端白金部が心電図用の電極となっていることから、従来のカテーテル法では得られなかった心臓内の冠状動脈において、正確な血圧測定、更には心内心電図に同期させて、その部位での血流を併せて計測され、これらのことは従来の血流計では考えられない本発明の特徴である。 【0033】しかも、上記したように血流計の本体が微細で挿入性及び操作性に優れた金属製のガイドワイヤーであることから、従来のカテーテル型血流計では計測が不可能であった冠状動脈のような微細な心臓の末梢血管においても、血流監視が可能であり、本発明の顕著な特徴と言える。 【0034】(ガイドワイヤー型血流計)そこで本発明によるガイドワヤー型の血流計は、熱式流量計であって、血流計を直接微細な血管内に挿入し、その先端部の温度感知部材で挿入された所定量の冷却生理食塩水で熱希釈された血流の温度変化を感知する。従って本発明の血流計で血流計測するためには、冷却食塩水を血管に注入させて血流を熱希釈させる注入操作を必要とするものである。しかもこの注入方法が測定精度を左右させることから、本発明はこの注入方法を改良し、従来より極端に少量の注入量(熱希釈量)で、しかもスポット注入させることにより微細血管の血流計測を可能にさせたものである。 【0035】その改良注入法とは、血流計本体として微細はガイドワイヤーを使用していることから、本発明が測定対象とする微細血管であっても、食塩水注入用の注射管として外径0.5〜1.5mmのプラスチックス微細管を使用することができ、その結果上記したように目的血管内に直接食塩水を注入させ、しかも微細注射管の注射孔を工夫させてスポット注入をさせたものである。 【0036】その結果、上記するように目的血管に食塩水を直接スポット注入させることから、後述する参考例に記載するように、従来の測定方法のように注入した食塩水を心臓活動の血流の循環に乗せる必要がないことから、熱希釈法として血流に与える熱変化量(冷却食塩水量)を従来に比べて極端に減少さても明確な温度変化を血流に与えられるからである(後述の実施例参照)。 【0037】また、この注入用微細管を血流計本体のガイドワイヤーに接着させて一体化させて使用することにより、注射管としての微細管を目的血管内への挿入、また食塩水のスポット注入をより容易にさせる。 【0038】以上のことから、温度変化させるに必要とする食塩水の注入量を従来の間接法のカテーテル法に比べて極端に減少させられ、且つ注入させた熱変化量の全てを血流計の先端部の温度感知部材に接触させられ、その結果、後述する実施例から明らかなように、従来の間接法ー熱希釈法に比べて測定の精度を向上させて血流計測することができたと思われる。 【0039】そこで、その詳細は不明であるが、上記する測定事実から本発明の血流計は、血管挿入型の微細径のガイドワイヤー型であって、下記する(1)乃至(4)の特徴及び作用効果が生かされて、微細血管での血流計測を可能にしているものと奏される。すなわち、(1)ガイドワイヤー型の血流計が、外径0.3乃至1.1mmで内腔を有するステンレス製ガイドワイヤー型であって、その先端の丸み部を含む長さ10乃至30mmがX線不透過の白金製微細ワイヤーを密に巻いて成る螺旋形の管状コイルである。これによって、X線透視下においてX線不透過部をマーカとして、体外部でガイドワイヤーの先端を左右に回転操作させることにより、その動きがガイドワイヤーの螺旋形状にそって容易に血管内のガイドワイヤーに動作され、前進または方向変更をさせることができる。 (2)その内腔には外部機器とガイドワイヤー開口部に設けられている温度感知部材とを結ぶ微細配線を内在し、温度感知部材を設ける開口部の部位が上記X線不透過部に隣接して溶接されているステンレス製の長さ2乃至30mmの外套管に設けられているか、または上記X線不透過部の先の丸み部に設けられている。これによって本血流計の温度感知材は、血流に極めて接触し易に部位に設けられている。 (3)血流を熱希釈させるに注入する冷却生理食塩水は、外部シリンジに接続された外径0.5〜1.5mm、長さ50〜200cmの可撓性の微細注射管を通して挿入される。また上記注射管の先端の丸み部から1〜3mm部位に、横方向に該管にそって1〜4個、好ましくは2〜3個の注射孔を有し、注入時の注射孔部位は微細血管内に位置するように挿入する。本発明ではこの微細管を血流計本体のガイドワイヤーと別個に挿入させてもよいが、その管径が微細であることからガイドワイヤーに一体にすることで、挿入の煩雑さを軽減されるばかりでなく、微細血管内での食塩水を的確にスポット注入させられる。 (4)熱希釈させて血流に明確な温度変化を与えるに注入される冷却生理食塩水量が0.5〜3ml、好ましくは1〜1.5mlでよい。この注入量は従来のスワンガンツのカテーテル法では、子供で5ml、成人で10mlとされているが、本発明においても微細血管以外の通常の血管においては、5〜10mlの範囲で注入量を適宜に変えればよいが、上記した本発明のガイドワイヤー型血流計の特徴が生かされて、その計測の対照が微細血管にあっては、上記するようにその注入量は0.5〜3ml、好ましくは1〜1.5mlの範囲で適宜に選んで注入される。また人体の血液温度が、ほぼ体温37℃と見なせ、少なくとも血液温度より10℃程低く、好ましくは0〜20℃、更に好ましくは4〜10℃に冷却された生理食塩水を注入する。 【0040】従って、本発明による血流計及びこれに併せて使用する微細注射管により、従来法に比べて著しく注入量を減少させられること、またその注入をスポット的に速やかに注入させることにより、熱希釈法の測定精度を向上させるれたのであって、後述する使用例のように注入量を減少させられた事実と符合しているものである。 【0041】また本発明によるガイドワイヤー型血流計は、上記するように極めて微細な管状ワイヤーであって、図1の概念図(A)に示すように本体のガイドワイヤーは、相互に固着された外部の測定機器に接続する延長部3と温度感知部材等のセンサを開口部に面して装着しているステンレス製の外套管2、更にはX線不透過の先端部1、その先端部1の先には、合金製の先の丸められたチップが固着されている。 【0042】さらには図1の概念図(C)から明らかなように、温度感知部材を設ける開口部がX線不透過の先端部7の丸み部にあってもよく、例えば図に例示するような形で温度感知部材の熱電対8を樹脂で固定装着することもできる。従って本発明の血流計が、この両者の何れの形式であっても、その温度感知部材が血流に十分に接触するように設けられていることが図からよく理解される。 【0043】そこで本発明の血流計を図1を参照してより詳細に説明すると、その本体が外径0.3〜1.1mmの内腔を有する管状ワイヤーであって、先端部1又は7は、X線不透過の長さが10乃至30mmの白金製ワイヤーを密に詰めて成る管状コイルであり、その先端には先の丸められた錫ー銀系合金のチップが溶接されており、図1(A)の圧力センサ付きガイドワイヤーにあっては、この先端部1はステンレス製の外套管2に溶接され、この外套管2に圧力センサ及び温度感知部材が設けられている。 【0044】このX線不透過部1、または7の先の丸みは、血流計を挿入する際に血管壁を損傷させないためからである。また心臓血管への挿入がX線透視下で操作されることから、このX線不透過部はシャド(影絵)となって確認され、上記のカテーテルの挿入を容易にさせるばかりでなく、血流計のマーカとして血流等の測定部位を明確に監視することができるものである。 【0045】また外套管2(センサ部)は、長さが2乃至20mm、好ましくは3乃至10mmの内腔を有するステンレス製であって、その開口部に面した外套管内腔内にシリコンチップ5を台座に半導体型圧力センサ又は温度感知部材が血流に接触するように感知面を露出させてエポキシ樹脂で固定され、且つセンサ等の端子は、外部の測定機器に樹脂被覆された導電性の微細配線6で接続されている。更には、図1(B)は、先端部1を除きガイドワイヤー外表面が樹脂被覆され、金属面が露出している先端部1の白金製X線不透過部が心内心電図用の単極電極である心電図用電極付きガイドワイヤー型血流計であり、内在する微細配線6´は先端部1に溶接され外部の機器に接続されている。 【0046】その長さは使用する目的により異なるが、一般的には30乃至250cmのものを適宜に使用され、また必要に応じて、使用するに際しては体外部に露出する端部に外部の測定機器と接続するための長さが100乃至200cmのステンレス製の延長管状ワイヤーを着脱式に接続させ、簡単に延長させて使用される。 【0047】(血流)本発明の血流計が対象とする心臓の微細血管の一つである冠状動脈は、心臓自体に酸素と栄養を与える心臓の栄養管と言われ、血管径が3mm程度の微細血管であり、大動脈の付け根のところから右と左に枝分かれして、心臓を表面から包むように末梢血管が分布している。このような心臓の微細血管において、最近はバイパス手術に代わる虚心症の治療法であるPTCA(経皮的冠状動脈形成術)等において、バルーン付きカテーテルを使って、狭窄部を拡張させる治療法が施行されており、患者を監視するために、少なくとも血圧及び心電図等を併行させてモニターすることは必須と言われている。 【0048】そこで本発明者は、すでに特許出願している半導体型圧力センサ付きガイドワイヤーによって、PTCA術中における狭窄部前後の血圧を正確に測定、モニタすることに成功しているが、更に今回の発明によるガイドワイヤー型血流計によって血流を計測することによって、PTCA術後の確実な検証を可能にさせ、これによって例えば、不整脈、心筋障害、心房及び心室肥大、肺循環障害等の循環器系についての治療情報が得られることも期待されるものである。 【0049】そこで心臓の拡張期及び収縮期の一拍動に対応して血圧が変化し、通常大動脈においては、収縮期圧として90〜130mmHg(拡張期圧;60〜90mmHg)、肺動脈圧にあっては、収縮期圧として15〜35mmHg(拡張期圧;5〜10mmHg)である。また右室においては、収縮期圧としては25mmHg以下(拡張末期圧;5〜7mmHg)、左室においては収縮期圧として80〜120mmHg(拡張末期圧;5〜12mmHg)であり、これらの心臓活動の拡張期及び収縮期の一拍動に対応して血液が循環して血流が生じている。 【0050】従って血圧波形及び心電図に同期させて本発明によるガイドワイヤー型血流計によって、心臓活動の証として血流が計測されることは心臓疾患の診断又は治療にとって極めて有意義であることが理解される。 【0051】実際に血流の計測が重視される心臓疾患として冠動脈の狭窄や閉塞による虚血性疾患が挙げられ、組織に必要な血液が十分に供給されなくなり、心臓病のなかでも頻度が高く、狭心症(労作性狭心症、異型狭心症)や心筋梗塞など死亡率の高く、最も重要な心臓疾患であり、その他、無痛性心筋虚血、心不全、不整脈、弁膜症などを挙げることができる。 【0052】そこでより詳細に本発明のガイドワイヤー型血流計の使用例を挙げると、例えば狭心症や心筋梗塞の診断に欠かすことのできない冠状動脈造影法において、左右の冠状動脈の起始部よりカテーテルを介して造影剤を注入して冠状動脈の像をシネフィルムに撮影する方法がとられ、造影剤を注入する前に本発明の血流計は、いわいるガイドワイヤーとして使用され、造影剤注入後に再度挿入して目的部位での血圧測定及び/又は挿入部位の血流を計測するのに好適に使用される。 【0053】また虚血性心疾患の治療法として普及している経皮的冠状動脈形成術(PTCA)において、閉塞冠状動脈にガイドワイヤ型心内電極を通し、これに沿ってバルーン付きカテーテルを閉塞官部に挿入し、バルーンを膨らませることにより、閉塞部血管を機械的に広げ、再開通をはかり、素早くその狭窄部の前後の圧測定又は血流を計測することに好適に使用される。 【0054】更にはまた、心臓カテーテル治療法として、動脈、静脈からカテーテルを挿入し、心房、心室内の圧及び血流を測定する際に好適に使用される。 【0055】また既に上記したようにPTCA、PTA等のカテーテル治療の事前の診断として実施されるEPS等の臨床検査においても、心電図をモニタリングし、同時に血圧のチェックに併せて血流を計測するのにも好適に使用されるだけでなく、心臓以外の生体内の微細血管、例えば脳の血管においても使用される。 【0056】本発明は次の実施例でさらに説明する。 【0057】(温度感知部材)本発明によるガイドワイヤー型血流計に設けられる温度感知部材としては、以下に記載する熱電対、測温抵抗体、サーミスター、薄膜温度センサ等を挙げることができ、本発明の血流計の種類によって、好ましくは熱電対、サーミスター、薄膜温度センサから適宜に選ぶことができる。 【0058】熱電対としては、K型のアロメル−クロメル(AC)はNiを主成分とする合金であり、低温で耐食性が良く、温度の直線性もよい。 【0059】測温抵抗体としては、抵抗値が温度のみにより変化し、温度と抵抗値が直線性がよく、例えば、白金測温体抵抗0℃で100Ωの抵抗体は、1℃当たりの抵抗値変化は、約0.4Ωで、これに1mAの電流を流すと400μVの出力変化となり、感度が高く、K型熱電対の1℃当たりの起電力40μVよりは大きく、抵抗の温度係数が大きく、測温抵抗体としてJIS化されている。 【0060】サーミスターとしては、、半導体の感温抵抗素子で、温度と共に抵抗値が小さくなる負の抵抗温度係数(NTC)を持っ通常の半導体であり、上記する白金測温抵抗体に比べて、電気抵抗が大きいのでリード線を長くでき、また抵抗の温度係数が1桁大きく、また熱電対のように補償導線や基準点を必要としない。上記するように抵抗がkΩと大きいので電子回路との組み合わせが容易で、−50〜350℃の低中温の温度センサとして最も広く計測に利用されNTCサーミスターとしてJISで規格化されている。 【0061】更には、上記の3種の他、SiC、ZrN、Pt等の薄膜温度センサがあり、ZrNが低温用温度センサで、室温付近の好感度センサとして好適であり、SiC、Pt薄膜サンサは、白金測温体の特徴を生かして、その弱点の機械的強度の補強と小型化ができる。またIC温度センサとして、トランジスタのベース/エミッタ間電圧の−2mV/℃の温度変化を利用することによりー50〜150℃範囲で±0、1℃の精度で測定され、好適にしようされる。 【0062】(半導体型圧力センサ、温度補償回路)また本発明のガイドワイヤーに装着される半導体型圧力センサとしては、形式がダイヤフラムタイプの静電容量型、半導体拡散抵抗型、半導体静電容量型、電磁誘導式、圧電素子型、力平衡型、ストレンゲージ型、薄膜歪センサ型を挙げることができる。センサを固定する基盤上のホイートストンブリッジを備えたピエゾ抵抗圧センサにより圧変化を電気抵抗に変換させる半導体センサにより、計測した電気抵抗を増幅し、本体内の大気圧センサによる大気下の電圧抵抗によって補正し、電圧に変換することにより、血圧の測定を行う。すなわち、ホイートストンブリッジ回路に励磁電圧を供給すると、シリコンメンブレンが受圧することにより、抵抗が変化する。一方、温度補償回路に設けている、温度抵抗素子により変化を受け、この両者の抵抗差を電圧に変化し、圧換算する。またこの温度抵抗素子により血流の温度を感知する。 【0063】(微細配線)また温度感知部材及び半導体センサに結線されている導電性の微細配線は、通常の極細な導電線にフッ素樹脂で被覆したマイクロケーブルが好適に使用されるが、例えば本発明においは通常の導電線の他に、フレキシブルプリント配線基板を適宜に使用することができる。即ち、ポリエステルフイルム、フッ素樹脂フイルム、ポリイミドフイルム、ポリエステルフイルム、ポリ塩化ビニルフイルム等のフイルムに銅箔、又はリボン状の銅芯を貼り合わせたフレキシブルプリント配線材料であり、更にはフレキシブルフラットケーブル、フレキシブルプリント回路、低損失プリント板、スルーホールメッキ印刷配線板、非スルーホールプリント印刷配線板、フレキシブル印刷配線板、シリコン基板にフォトレジストによるマイクロリソグラフィ等を挙げることができる。 【0064】また、本発明の血流計本体のガイドワイヤーは、その主材が耐食性のステンレスや白金であることから腐蝕、毒性、溶出等の問題はないが、特に生体内に挿入することから、安全性の面から部材材質の溶出、毒性、腐食等に特に配慮し、且つ挿入性を向上させることから樹脂コーテングしたものを使用する。 【0065】(実施例)本発明に使用されるガイドワイヤー型血流計又は圧力センサー付き及び/又は心内心電図用電極付きガイドワイヤー型血流計により血流計測を単独、或いは血圧及び/又は心電図計測に同期させて血流速度を測定することについて図2乃至5を参照しながら、以下に説明する。 【0066】(使用例1;圧力センサ付きガイドワイヤー型血流計)冠状動脈狭窄部の症例において、まず半導体型圧力センサ付きガイドワイヤー型血流計を使用し、血管が狭窄している部位をガイデングカテーテルを通してバルーンカテーテルで血管が狭窄している部位をPTCAバルーン拡張させ、その処置の前後における狭窄部手前または狭窄部先の血圧を測定した。図5のAは、狭窄部手前のバルーン拡張術前の圧波形で、Bはバルーン拡張術後の圧波形を表し、図中のPG曲線は本発明による圧センサー付きガイドワイヤー型血流計による血圧波で、GC曲線は比較のためのガイデングカテーテルによる圧波形である。図6には狭窄部手前の血圧を測定後、本血流計を狭窄部を越えて進め、PTCA術中の狭窄部先の圧波形を測定した。図中のA曲線は狭窄部手前の圧波形で、B曲線はPTCA術中の狭窄部先の圧波形である。 【0067】両波形を比較するとPTCA術後の波形から狭窄部拡張の効果を確認されるが、狭窄部前後の圧Pa、Pdの比として求められる血流予備比(Fractional Flow Reserve;FFR=Pd/Pa)からも評価できるものであり、これも本発明の血流計が、圧力センサ付きのガイドワイヤー型であることによる特徴である。 【0068】(使用例2;圧力センサ付きガイドワイヤー型血流計)そこで圧力センサ付きガイドワイヤ型血流計を使用し、微細管としてカテーテルを使用して食塩水を注入した測定例について図1、図2、図4に基づいて説明をする。上記したように、本発明の血流計を用いて、バイパス手術に代わって普及している経皮的冠状動脈形成術(PTCA)において、閉塞冠状動脈に半導体型圧力センサ付きガイドワイヤー型血流計を通し、これに沿ってバルーン付きカテーテルを閉塞官部に挿入し、バルーンを膨らませることにより、閉塞部血管を機械的に広げ、再開通をはかる方法において、素早くその狭窄部の前後の圧測定を行った後、これに同期させて血流を計測して例である。 【0069】図2において、大動脈13から分岐している冠状動脈14にそって本発明によるガイドワイヤー型血流計16を挿入する。この冠状動脈14の斜線部17がPTCA術によって18のような閉塞患部を再開通させた冠状動脈であり、上述したようにこのガイドワイヤー型血流計の本体が半導体型の圧力センサ付きであるから、前記したようにPTCA術前後の明白に改善された血圧波形が測定され、これに同期させて術後の血流を計測したものである。即ち、本願血流計の先端部(温度感知部)を斜線部17を越えて挿入させ、次いで血流計であるガイドワイヤー16を通して、サイドポート12付きカテーテル11を挿入させその先端口を図2の冠状動脈入り口15に到達するように挿入する。 【0070】このカテーテルの挿入に当たっては、カテーテル内の血流面が少なくともサイドポートの口12′よりも上位になるようにする。次いで図2において、同時にサイドポート12には冷却生理食塩水を注入するシリンジを接続し、このシリンジは特殊な注入器であって常に定温に冷却された生理食塩水が循環されている。この循環冷却されている食塩水の温度は、シリンジへの供給口で温度計で測定するようにし、食塩水を注入する時には、この循環系をコックし、且つ必要に応じてカテーテルのメインポート11をもクリックしてから素早く所定量の冷却生理食塩水を注入させる。 【0071】冷却食塩水として5.4℃の生理食塩水3.6mlを約2秒で注入させ、同時に外部の測定器でガイドワイヤー16先端部の温度感知部で感知される温度が、注入された生理食塩水で熱希釈されるので、注入された感知部上方の血流温度は通常の血液温度T0(37℃)より低下し、感知部へ流れる。感知部で測定される血流温度が再度通常の血液温度T0 になるまでの温度変化を経時的に自記記録されて熱希釈曲線図(図4を参照)が得られた。なお、この計測を同様な条件で2回行い、ほぼ同様の熱希釈曲線図を得ることができた。 【0072】その結果、本発明によるガイドワイヤー型心内血流計は、カテーテルを挿入案内するガイドワイヤーとしても使用されるし、そのガイドワイヤーが血圧測定用の半導体型圧力センサを装着している場合には、挿入案内、血圧測定、血流計測等の機能を果たし、この血流計によってPTCA術後の血流を計測することにより、上記した目安値としてのFFRよりも確実な術後の検証をすることができるものである。更に、血流計がガイドワイヤー型の心内心電図用電極付(図1の(B)参照)きでは、本発明の目的である挿入部位での血流計測(血流速度、血流量)を心電図の波形に同期させて実施させることができるものである。 【0073】(使用例3;圧力センサ付きガイドワイヤー型血流計)圧力センサ付きガイドワイヤ型血流計を使用し、冷却食塩水を注入するに可撓性の外径1mmの微細注射管19を使用し、使用例2と同様の血管部位である冠状動脈14の斜線部17を越えて挿入させ、PTCA術前後の明白に改善された血圧に同期させて正常に流れている血流を計測した例を図3に基づいて説明する。 【0074】図3において、大動脈13から分岐している冠状動脈14にそって本発明によるガイドワイヤー型血流計16の先端部(温度感知部)を図2に示す斜線部17を越えて挿入させ、次いでガイドワイヤー型血流計16を通して、サイドポート12付きカテーテル11を挿入させその先端口を図3の冠状動脈入り口15に到達するように挿入する。 【0075】このカテーテルの挿入に当たっては、カテーテル内の血流面が少なくともサイドポートの口12′よりも上位になるようにする。次いで図3において、同時にサイドポート12から冷却水注入用シリンジ20が接続されている微細注射管19を挿入し、その先端部の注射孔21を冠状動脈入り口15を越えて、図3に示すように多少冠状動脈内に入るように挿入する。 【0076】注入に際しては、先端から2〜3mm部位に横向きに3個設けられている注射孔から、4.8℃の生理食塩水1.6mlを約1.5秒で注入させた。同時に外部の測定器でガイドワイヤー16先端部の温度感知部で感知され温度が、注入された冷却生理食塩水によって、血流温度は通常の血液温度T0 (37℃)より低下し、感知部で測定される血流温度が再度通常の血液温度T0 になるまでの温度変化を経時的に自記記録して熱希釈曲線図を得た。なお、この計測を同様な条件で2回行い、ほぼ同様の熱希釈曲線図を得ることができた。 【0077】(使用例4;ガイドワヤー型血流計)血流計として図1(C)に示すガイドワイヤー型血流計であって、温度感知部材にアロメルークロメルのK型熱電対が装着されている。この血流計を正常な冠動脈内に挿入させ、次いで6℃の生理食塩水を使用例1と同様にして3.2ml及び3.6mlをそれぞれ2秒及び3秒で注入させ、それぞれ図4に示すような熱希釈曲線図を得た。 【0078】(参考例1;従来法のサワンガンツの間接法)例えば、熱希釈カテーテル法で、心臓内の肺動脈内の血流量を計測するに、カテーテルの先端部にバルーンが設けられ、その後方にサーミスターが装着されており、右手脇静脈よりカテーテルを挿入し、カテーテルの先端を心臓の右房に入る。この右房でバルーンを膨らませると、血流によりこのバルーンが右室から肺動脈に入り、ここでバルーンを縮めてカテーテルを固定し、肺動脈先端の温度変化を以下のように測定して、その部位での血流量を測定する。 【0079】すなわち、バルーンの後方約30cm部位のカテーテル側面の注入孔が右室に位置するので、次いで例えば4℃に冷却さえた食塩水10mlを注入すると、右室に噴き出て右室内の血液と混ざり、熱希釈されて温度が下がった血流が次の心泊で右室から出て、冷却された血流がサーミスターで感知されて図4と同様の熱希釈曲線図が得られ、これより血流量を求める。このような従来のカテーテル法では、大量の熱変化量が必要であり、注入が煩雑であり、血流の経路が長く誤差を生じ易く、血流量を正確に測定できない。しかもこのような注入方法及び測定方法であるから本発明のように微細な血管での計測は不可能である。 【0080】 【発明の効果】本発明による金属製のガイドワイヤー型血流計又は圧力センサ付き及び/心電図用電極付きガイドワイヤー型血流計によって、EPS等の臨床検査、PTA(経皮的血管成形術)、PTCA(経皮的冠状動脈形成術)等のカテーテル治療において、本血流計はガイドワイヤーとしての役務を果たすと同時に、これらの検査、治療時に必須とされている挿入部位での血圧測定及び/又は心表面に近い心腔内部位での心電図測定ができ、これに同期させて血流計測することのできるガイドワイヤー型又は半導体型圧力センサ付き及び/又は心電図用電極付きのガイドワイヤー型血流計を提供することができた。 【0081】本発明によるガイドワイヤー型血流計は、血流計本体のガイドワイヤーが微細で、挿入、操作性に著しく優れていることから従来の熱希釈法では不可能であった、例えば冠状動脈のような微細血管内の血流を計測できる血流計である。 【0082】しかも本発明の血流計ひ組合わせる生理食塩水の注入法を検討することにより熱希釈に必要とする生理食塩水の注入量を従来の熱希釈カテーテル法に比べて、大幅に減少させることができ、その結果、食塩水の注入をスポット的、瞬時に済ませられ、測定ぶれの少ない安定した熱希釈曲線図を得ることができた。更には、PTCA治療の検証として、従来のFFRの血流予備比に代わって直接血流量を測定すればよい。
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| 【出願人】 |
【識別番号】591131408 【氏名又は名称】日本ビー・エックス・アイ株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)2月27日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】鈴木 郁男
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| 【公開番号】 |
特開平11−244248 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)9月14日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−47242 |
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