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【発明の名称】 連続血圧監視装置
【発明者】 【氏名】高屋 正美

【要約】 【課題】最適押圧力決定時における動脈の押圧状態を認識できる血圧監視装置を提供する。

【解決手段】最適押圧力決定手段84(SB2)における押圧力の変化過程での押圧装置54の押圧力とアクティブエレメントにより出力された圧脈波の関係のうち、押圧装置54の押圧力と上記圧脈波の振幅との関係を示す振幅変化曲線CA が振幅変化曲線表示手段92(SB3)により表示され、押圧装置54の押圧力と上記圧脈波の周期毎に発生する最低値PMminの信号強度との関係を示す信号強度変化曲線CS が信号強度変化曲線表示手段94(SB3)により表示されるので、連続血圧監視装置を操作する者が、最適押圧力決定時における撓骨動脈56の押圧状態を認識できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 生体の動脈から発生する圧脈波を検出するために該動脈の幅方向に配列された複数の圧力検出素子を押圧面に有する圧脈波センサと、該圧脈波センサを生体の皮膚上から動脈に向かって押圧する押圧装置と、該押圧装置による押圧力が、前記圧脈波センサの押圧面において配列された複数の圧力検出素子のうち、最大脈波振幅を出力する最適圧力検出素子を決定する最適圧力検出素子決定手段と、前記押圧装置の押圧力を変化させて前記最適圧力検出素子により検出される圧脈波に基づいて前記最適押圧力を決定する最適押圧力決定手段と、前記押圧装置の押圧力を該最適押圧力に維持する最適押圧力維持手段と、該最適押圧力維持手段により前記押圧装置の押圧力が最適押圧力に維持されている状態で、予め設定された関係から前記圧脈波センサの圧力検出素子により検出された圧脈波の大きさに基づいて該生体の推定血圧値を逐次決定する推定血圧値決定手段とを備え、前記推定血圧値によって前記生体の血圧値を連続的に監視する連続血圧監視装置であって、前記押圧装置の押圧力を示す押圧力軸と前記最適圧力検出素子により出力される圧脈波の振幅を示す振幅軸との二次元座標において、前記最適押圧力決定手段において求められた押圧力の変化過程での前記押圧装置の押圧力と前記最適圧力検出素子により出力された圧脈波の振幅との関係を示す振幅変化曲線を表示する振幅変化曲線表示手段を、含むことを特徴とする連続血圧監視装置。
【請求項2】 生体の動脈から発生する圧脈波を検出するために該動脈の幅方向に配列された複数の圧力検出素子を押圧面に有する圧脈波センサと、該圧脈波センサを生体の皮膚上から動脈に向かって押圧する押圧装置と、該押圧装置による押圧力が、前記圧脈波センサの押圧面において配列された複数の圧力検出素子のうち、最大脈波振幅を出力する最適圧力検出素子を決定する最適圧力検出素子決定手段と、前記押圧装置の押圧力を変化させて前記最適圧力検出素子により検出される圧脈波に基づいて前記最適押圧力を決定する最適押圧力決定手段と、前記押圧装置の押圧力を該最適押圧力に維持する最適押圧力維持手段と、該最適押圧力維持手段により前記押圧装置の押圧力が最適押圧力に維持されている状態で、予め設定された関係から前記圧脈波センサの圧力検出素子により検出された圧脈波の大きさに基づいて該生体の推定血圧値を逐次決定する推定血圧値決定手段とを備え、前記推定血圧値によって前記生体の血圧値を連続的に監視する連続血圧監視装置であって、前記押圧装置の押圧力を示す押圧力軸と前記最適圧力検出素子により出力される圧脈波の信号強度を示す信号強度軸との二次元座標において、前記最適押圧力決定手段において求められた押圧力の変化過程での前記押圧装置の押圧力と前記最適圧力検出素子により出力された圧脈波の周期毎に発生する所定部位の信号強度との関係を示す信号強度変化曲線を表示する信号強度変化曲線表示手段を、含むことを特徴とする連続血圧監視装置。
【請求項3】 前記振幅変化曲線が表示されている二次元座標に前記最適押圧力決定手段において決定された最適押圧力を示す印を表示する最適押圧力表示手段を含む請求項1の連続血圧監視装置。
【請求項4】 前記信号強度変化曲線が表示されている二次元座標に前記最適押圧力決定手段において決定された最適押圧力を示す印を表示する最適押圧力表示手段を含む請求項2の連続血圧監視装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧脈波センサにより得られる圧脈波に基づいて生体の血圧値を連続的に監視する連続血圧監視装置において、圧脈波センサを適切に装着するための補助手段に関するものである。
【0002】
【従来の技術】生体の動脈から発生する圧脈波を検出するために、その動脈の幅方向に配列された複数の圧力検出素子を押圧面に有する圧脈波センサと、その圧脈波センサを生体の皮膚上から動脈に向かって押圧する押圧装置と、その押圧装置による押圧力が、前記圧脈波センサの押圧面において配列された複数の圧力検出素子のうち、最大脈波振幅を出力する最適圧力検出素子を決定する最適圧力検出素子決定手段と、前記押圧装置の押圧力を変化させて前記最適圧力検出素子により検出される圧脈波に基づいて前記最適押圧力を決定する最適押圧力決定手段と、前記押圧装置の押圧力をその最適押圧力に維持する最適押圧力維持手段と、その最適押圧力維持手段により前記押圧装置の押圧力が最適押圧力に維持されている状態で、予め設定された関係から前記圧脈波センサの圧力検出素子により検出された圧脈波の大きさに基づいてその生体の推定血圧値を逐次決定する推定血圧値決定手段とを備え、前記推定血圧値によって前記生体の血圧値を連続的に監視する連続血圧監視装置が知られている。たとえば、特開平8−187230号公報などに記載された連続血圧監視装置がそれである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記連続血圧監視装置では、前記推定血圧値が実際の血圧値を正確に反映するためには、連続的に血圧が監視される際に、前記圧脈波センサにより前記動脈の血管壁の一部が略平坦となるよう適切に押圧されていることが重要である。ところが、上記のような従来の連続血圧監視装置では、前記最適押圧力決定手段により決定された前記押圧装置の最適押圧力値が表示されなかったり、表示されるにしてもその最適押圧力値のみが表示器に表示されていたので、前記連続血圧監視装置を操作する者にとって、安定的に血管壁の一部を平坦にした状態で最適押圧力が決定され、その動脈の押圧状態が長期間継続し得るものであるか、あるいは、動脈が比較的不安定に押圧された状態で最適押圧力が決定され、その動脈の押圧状態を長期間継続でき難いものであるかを判断することは困難であった。
【0004】本発明は以上の事情を背景として為されたものであって、その目的とするところは、最適押圧力決定時における動脈の押圧状態を認識できる血圧監視装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための第1の手段】かかる目的を達成するための第1発明の要旨とするところは、生体の動脈から発生する圧脈波を検出するためにその動脈の幅方向に配列された複数の圧力検出素子を押圧面に有する圧脈波センサと、その圧脈波センサを生体の皮膚上から動脈に向かって押圧する押圧装置と、その押圧装置による押圧力が、前記圧脈波センサの押圧面において配列された複数の圧力検出素子のうち、最大脈波振幅を出力する最適圧力検出素子を決定する最適圧力検出素子決定手段と、前記押圧装置の押圧力を変化させて前記最適圧力検出素子により検出される圧脈波に基づいて前記最適押圧力を決定する最適押圧力決定手段と、前記押圧装置の押圧力をその最適押圧力に維持する最適押圧力維持手段と、その最適押圧力維持手段により前記押圧装置の押圧力が最適押圧力に維持されている状態で、予め設定された関係から前記圧脈波センサの圧力検出素子により検出された圧脈波の大きさに基づいてその生体の推定血圧値を逐次決定する推定血圧値決定手段とを備え、前記推定血圧値によって前記生体の血圧値を連続的に監視する連続血圧監視装置であって、前記押圧装置の押圧力を示す押圧力軸と前記最適圧力検出素子により出力される圧脈波の振幅を示す振幅軸との二次元座標において、前記最適押圧力決定手段において求められた押圧力の変化過程での前記押圧装置の押圧力と前記最適圧力検出素子により出力された圧脈波の振幅との関係を示す振幅変化曲線を表示する振幅変化曲線表示手段を含むことにある。
【0006】
【第1発明の効果】このようにすれば、最適押圧力決定手段における押圧力の変化過程での前記押圧装置の押圧力と前記最適圧力検出素子により出力された圧脈波の振幅との関係を示す振幅変化曲線が振幅変化曲線表示手段により表示されるので、前記連続血圧監視装置を操作する者が、最適押圧力決定時における動脈の押圧状態を認識できる。
【0007】
【課題を解決するための第2の手段】かかる目的を達成するための第2発明の要旨とするところは、生体の動脈から発生する圧脈波を検出するためにその動脈の幅方向に配列された複数の圧力検出素子を押圧面に有する圧脈波センサと、その圧脈波センサを生体の皮膚上から動脈に向かって押圧する押圧装置と、その押圧装置による押圧力が、前記圧脈波センサの押圧面において配列された複数の圧力検出素子のうち、最大脈波振幅を出力する最適圧力検出素子を決定する最適圧力検出素子決定手段と、前記押圧装置の押圧力を変化させて前記最適圧力検出素子により検出される圧脈波に基づいて前記最適押圧力を決定する最適押圧力決定手段と、前記押圧装置の押圧力をその最適押圧力に維持する最適押圧力維持手段と、その最適押圧力維持手段により前記押圧装置の押圧力が最適押圧力に維持されている状態で、予め設定された関係から前記圧脈波センサの圧力検出素子により検出された圧脈波の大きさに基づいてその生体の推定血圧値を逐次決定する推定血圧値決定手段と、その推定血圧値を表示する表示器とを備え、前記推定血圧値によって前記生体の血圧値を連続的に監視する連続血圧監視装置であって、前記押圧装置の押圧力を示す押圧力軸と前記最適圧力検出素子により出力される圧脈波の信号強度を示す信号強度軸との二次元座標において、前記最適押圧力決定手段において求められた押圧力の変化過程での前記押圧装置の押圧力と前記最適圧力検出素子により出力された圧脈波の周期毎に発生する所定部位の信号強度との関係を示す信号強度変化曲線を表示する信号強度変化曲線表示手段を含むことにある。
【0008】
【第2発明の効果】このようにすれば、最適押圧力決定手段における押圧力の変化過程での前記押圧装置の押圧力と前記最適圧力検出素子により出力された圧脈波の周期毎に発生する所定部位の信号強度との関係を示す信号強度変化曲線が信号強度変化曲線表示手段により表示されるので、前記連続血圧監視装置を操作する者が、最適押圧力決定時における動脈の押圧状態を認識できる。
【0009】
【発明の他の形態】ここで、好適には、前記第1発明の血圧監視装置は、前記振幅変化曲線が表示される二次元座標に前記最適押圧力決定手段により決定された最適押圧力を示す印を表示する最適押圧力表示手段を含むものである。このようにすれば、最適押圧力が適切な押圧力に決定されているかを確認できる。
【0010】また、好適には、前記第2発明の血圧監視装置は、前記信号強度変化変化曲線が表示される二次元座標に前記最適押圧力決定手段により決定された最適押圧力を示す印を表示する最適押圧力表示手段を含むものである。このようにすれば、最適押圧力が適切な押圧力に決定されているかを確認できる。
【0011】また、好適には、前記連続血圧監視装置は、前記最適押圧力決定手段における押圧力の変化過程で得られる圧脈波に基づいて、前記動脈の押圧状態を判定する押圧状態判定手段を含むものである。このようにすれば、上記押圧状態判定手段により、前記動脈が体表面から浅い位置に存在しているために、前記最適押圧力決定手段において決定された最適押圧力が弱く、前記圧脈波センサと前記体表面との間に隙間ができてしまう押圧状態や、前記動脈が体表面から深い位置に存在しているために、前記最適押圧力決定手段において決定された最適押圧力では前記動脈を適切に押圧することができない押圧状態が判定されるので、前記連続血圧監視装置において、圧脈波センサによる動脈の押圧状態が適切であるかが自動的に判断される利点がある。
【0012】
【発明の好適な実施の形態】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0013】図1は、本発明の連続血圧監視装置の一構成例を示す図であって、たとえば手術中や手術後の患者の容態や、運動負荷試験中の生体などを監視するために用いられる。図において、10はゴム製袋を布製帯状袋内に有するカフであって、たとえば患者の上腕部12に巻回された状態で装着される。カフ10には、圧力センサ14、排気制御弁16、および空気ポンプ18が配管20を介してそれぞれ接続されている。排気制御弁16は、カフ10内への圧力の供給を許容する圧力供給状態、カフ10内を徐々に排圧する徐速排圧状態、およびカフ10内を急速に排圧する急速排圧状態の3つの状態に切り換えられるように構成されている。
【0014】圧力センサ14は、カフ10内の圧力を検出してその圧力を表す圧力信号SPを静圧弁別回路22および脈波弁別回路24にそれぞれ供給する。静圧弁別回路22はローパスフィルタを備えており、圧力信号SPに含まれる定常的な圧力を表すカフ圧信号SKを弁別してそのカフ圧信号SKをA/D変換器26を介して演算制御装置28へ供給する。脈波弁別回路24はバンドパスフィルタを備えており、圧力信号SPの振動成分である脈波信号SM1 を弁別してその脈波信号SM1 をA/D変換器30を介して演算制御装置28へ供給する。この脈波信号SM1 が表すカフ脈波は、患者の心拍に同期して図示しない上腕動脈から発生してカフ10に伝達される圧力振動波であり、上記脈波弁別回路24はカフ脈波検出手段として機能している。
【0015】上記演算制御装置28は、CPU29,ROM31,RAM33,および図示しないI/Oポート等を備えた所謂マイクロコンピュータにて構成されており、CPU29は、ROM31に予め記憶されたプログラムに従ってRAM33の記憶機能を利用しつつ信号処理を実行することにより、I/Oポートから駆動信号を出力して図示しない駆動回路を介して排気制御弁16および空気ポンプ18を制御する。カフ10を用いた血圧測定に際しては、たとえばカフ10内の圧力を所定の目標圧力まで急速昇圧させた後に3mmHg/sec程度の速度で徐速降圧させ、その徐速降圧過程で逐次採取される脈波信号SM1 が表す脈波の変化に基づいてオシロメトリック法により最高血圧値および最低血圧値などの血圧値(基準血圧値)を決定し、その決定した血圧値を表示器32に表示させる。
【0016】圧脈波検出プローブ34は、図2に示すように、容器状を成すセンサハウジング36を収容するケース37と、このセンサハウジング36を撓骨動脈56の幅方向に移動させるためにそのセンサハウジング36に螺合され且つケース37の駆動部39内に設けられた図示しないモータによって回転駆動されるねじ軸41とを備えている。上記ケース37には装着バンド40が取りつけられており、上記容器状を成すセンサハウジング36の開口端が人体の体表面38に対向する状態で装着バンド40によりカフ10が巻回されていない側たとえば左側の手首42に着脱可能に取り付けられるようになっている。
【0017】図1に詳しく示すように、上記センサハウジング36の内部には、ダイヤフラム44を介して圧脈波センサ46が相対移動可能かつセンサハウジング36の開口端からの突出し可能に設けられており、これらセンサハウジング36およびダイヤフラム44等によって第1圧力室48が形成されている。この第1圧力室48内には、空気ポンプ50から調圧弁52を経て圧力空気が供給されるようになっており、これにより、圧脈波センサ46は第1圧力室48内の圧力に応じた押圧力で前記体表面38に押圧される。なお、本実施例では、圧脈波センサ46の押圧力は第1圧力室48内の圧力(単位:mmHg)で示される。
【0018】上記センサハウジング36およびダイヤフラム44は、圧脈波センサ46を撓骨動脈56に向かって押圧する押圧装置54を構成しており、上記ねじ軸41および図示しないモータは、圧脈波センサ46が押圧される押圧位置をその撓骨動脈56の幅方向に移動させて変更する押圧位置変更装置すなわち幅方向移動装置58を構成している。
【0019】上記圧脈波センサ46は、ダイヤフラム44側とは反対側にセンサハウジング36の開口側へ突き出す凸部60を備えており、その凸部60の突出端の押圧面62には多数の半導体感圧素子(図示せず)が撓骨動脈56の幅方向すなわちねじ軸41と平行な圧脈波センサ46の移動方向に0.2mm程度の一定の間隔で配列されて構成されており、手首42の体表面38の撓骨動脈56上に押圧されることにより、撓骨動脈56から発生して体表面38に伝達される圧力振動波すなわち圧脈波を検出し、その圧脈波を表す圧脈波信号SM2 をA/D変換器58を介して演算制御装置28へ供給する。
【0020】上記圧脈波センサ46の凸部60外周側に位置し且つ体表面38と対向する面には、体表面38と接近離隔する方向において伸縮可能なジャバラゴム66が一体的に固着されており、このジャバラゴム66の内部に第2圧力室68が形成されているとともに、ジャバラゴム66の固定部側と反対側には環状の板材70が固着されている。第2圧力室68には、前記空気ポンプ50から調圧弁72およびゴム管74を経て圧力空気が供給されるようになっており、これにより、前記第1圧力室48へ圧力が供給されて圧脈波センサ46の凸部60が体表面38へ押圧される際には、凸部60の押圧面62と共に板材70の押圧面76が体表面38に押圧され、その第2圧力室68内の圧力に応じて、凸部60の押圧面62の、板材70の押圧面76からの突出し量が決定されることとなる。なお、ジャバラゴム66の外周壁および内周壁には、通常、第2圧力室68内へ圧力が供給されたときにジャバラゴム66が径方向において変形するのを抑制するために図示しない拘束リングが設けられる。
【0021】演算制御装置28のCPU29は、ROM31に予め記憶されたプログラムに従ってRAM33の記憶機能を利用しつつ信号処理を実行し、空気ポンプ50、調圧弁52および調圧弁72へ図示しない駆動回路を介して駆動信号を出力して第1圧力室48および第2圧力室68内の圧力を調節する。演算制御装置28は、たとえば連続血圧監視に際しては、第1圧力室48内の徐速圧力変化過程で逐次得られる圧脈波に基づいて撓骨動脈56の血管壁の一部を略平坦とするための圧脈波センサ46の最適押圧力PHDPOを決定し、その最適押圧力PHDPOを維持するように調圧弁52を制御する。また、演算制御装置28は、カフ10を用いて測定された最高血圧値BPSYS および最低血圧値BPDIA と、上記最適押圧力PHDPOが維持された状態で圧脈波センサ46の半導体感圧素子のうちの撓骨動脈56の真上に位置する中心位置圧力検出素子(アクティブエレメント)により検出された圧脈波の最高値PMmaxおよび最低値PMminとに基づいて、測定された血圧値BPと圧脈波の大きさPM (絶対値)との間の対応関係を求め、この対応関係から、圧脈波センサ46により逐次検出される圧脈波の大きさPM (mmHg)すなわち最高値(上ピーク値)PMmaxおよび最低値(下ピーク値)PMminに基づいて最高血圧値MBPSYS および最低血圧値MBPDIA (推定血圧値すなわち監視血圧値)を逐次決定し、表示器32においてその決定した最高血圧値MBPSYS および最低血圧値MBPDIA を1拍毎に数値表示させ、推定血圧値MBPを示す波形を連続的に表示させる。
【0022】上記対応関係は、たとえば図3に示すものであり、数式1により表される。この数式1において、Aは傾きを示す定数、Bは切片を示す定数である。
【0023】
【数1】MBP=A・PM +B【0024】図4は、上記のように構成された連続血圧監視装置における演算制御装置28の制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。図において、血圧測定に際して、カフ圧制御手段78により変化させられるカフ10の圧迫圧力が圧力センサ14により検出される。血圧値測定手段80は、カフ10による圧迫圧力を2〜3mmHg/sec程度の速度で徐々に変化させる過程で得られた脈拍同期信号、たとえば脈波振幅或いはコロトコフ音の変化に基づきオシロメトリック法或いはコロトコフ音法に従って生体の最高血圧値BPSYS 、平均血圧値BPMEAN、および最低血圧値BPDIA (基準血圧値)を測定する。
【0025】最適押圧位置制御手段82は、初回の装着時あるいは、押圧面62に配列された圧力検出素子のうちの最大振幅を検出するものが配列位置のうちの端部に位置する場合など、所定の押圧位置更新条件が成立した場合には、押圧装置54により圧脈波センサ46を後述の最適押圧力PHDPOよりも十分に小さい予め設定された比較的小さな第1押圧値P1 で押圧させ、その状態でその圧脈波センサ46の各圧力検出素子のうち最大脈波振幅を示すものが、その圧力検出素子の配列方向において予め設定された略中央部に位置するか否かを判断する。その判断が否定される場合、すなわち最大脈波振幅を示す素子が圧力検出素子の略中央部に位置しない場合には、圧脈波センサ46を体表面38から一旦離隔させるとともに、幅方向移動装置58により押圧装置54および圧脈波センサ46を移動させた後、再び上記の作動および判断を実行する。しかし、上記の判断が肯定さた場合、すなわち圧脈波センサ46の各圧力検出素子のうち最大脈波振幅を示すものが、その圧力検出素子の配列方向において予め設定された略中央部に位置する場合は、最適押圧位置が得られた状態であるので、上記最大脈波振幅を出力する圧力検出素子を最適圧力検出素子(アクティブエレメント)として設定し且つ記憶する。従って、最適押圧位置制御手段82は、最適圧力検出素子決定手段としても機能している。
【0026】最適押圧力決定手段84は、最適押圧位置制御手段82により最適押圧位置に位置させられた押圧装置54による圧脈波センサ46の押圧力を連続的に増加させ、その押圧力増加過程で得た圧脈波に基づいて最適押圧力PHDPOを決定する。上記最適押圧力決定手段84において変化させられる押圧力範囲のうち最小値すなわち押圧開始圧は、被測定者の個人差により最適押圧力PHDPOが変動しても、その最適押圧力PHDPOよりも十分低くなるような値として予め実験的に決定されている。また、その押圧力範囲のうち最大値は、後述の振幅変化曲線CA または信号強度変化曲線CS が押圧力の変化過程で連続的に算出され、その振幅変化曲線CA または信号強度変化曲線CS に基づいて最適押圧力PHDPOが決定された時点で押圧力の増加が終了するようにされてもよいし、上記押圧力範囲の最小値と同様に予め実験的に決定されているものであってもよい。
【0027】上記押圧力連続増加過程で圧脈波センサ46のアクティブエレメントから得られた圧脈波信号SM2 は、図5に例示されるように、通常、押圧力の増加と共に脈動しながら信号強度が増加する。上記圧脈波信号SM2 の周期毎に発生する所定部位の信号強度を示す信号強度変化曲線CS 、たとえば、上記圧脈波信号SM2 の一拍毎の下ピーク値SMminを結ぶ図5の破線で示される信号強度変化曲線CS は押圧力の増加と共に増加していく途中に略平坦な部分が存在する。これは、撓骨動脈56の血管壁の一部が略平坦となるまでの比較的低い押圧力では、押圧力の増加に伴い、圧脈波センサ46が撓骨動脈56の脈動をより大きく検出するようになるが、押圧力を増加していくと、脈動の振幅はそれ程変化しないが、撓骨によりバックアップされた撓骨動脈56の一部の管壁の潰れにより押圧力の反力の増加がなくなるためである。そして、さらに押圧力を増加してゆくと、押圧力の反力に相当する量の増加がある一方で、撓骨動脈56が潰れていき脈動が少なくなって、撓骨動脈56の脈動による圧脈波信号SM2 の上乗せ分が減少する。
【0028】また、図5に示されているように、上記押圧力連続増加過程での押圧装置54の押圧力とアクティブエレメントにより出力された圧脈波の振幅との関係を示す振幅変化曲線CA は、圧脈波信号SM2 の交流成分を抽出したものであり、押圧力が比較的低い段階では押圧力の増加に伴い増加し、押圧力が比較的大きくなると、撓骨動脈56が潰れていき脈動が少なくなるので減少に転ずる。最適押圧力決定手段84は、たとえば、上記振幅変化曲線CA の最大値を中心とする所定範囲の押圧力、および/または上記信号強度変化曲線CS の平坦部の中央を中心とする所定範囲内の押圧力を最適押圧力PHDPOとして決定する。
【0029】最適押圧力維持手段86は、調圧弁52を制御することにより、第1圧力室48内の圧力を上記最適押圧力決定手段84において決定された最適押圧力PHDPOに維持する。関係決定手段88は、最適押圧力PHDPOに維持されている圧脈波センサ46の押圧面62に配列された複数の圧力検出素子のうち撓骨動脈56の真上に位置する中心位置圧力検出素子(アクティブエレメント)により検出される圧脈波の大きさPM と血圧値測定手段80により測定された血圧値BPとの間の対応関係を、たとえば図3に示すように予め決定する。
【0030】推定血圧値決定手段90は、最適押圧力PHDPOに維持されている圧脈波センサ46の押圧面62に配列された複数の圧力検出素子のうち、たとえば上記アクティブエレメントにより検出される圧脈波の大きさに基づいて、前記関係決定手段88において決定された対応関係から、生体の推定血圧値MBPを連続的に決定する。
【0031】振幅変化曲線表示手段92は、押圧装置54の押圧力を示す押圧力軸と、前記アクティブエレメントにより出力される圧脈波の振幅を示す振幅軸との二次元座標において、前記最適押圧力決定手段84において最適押圧力PHDPOを決定する際に算出された振幅変化曲線CA を表示器32に表示させる。
【0032】信号強度変化曲線表示手段94は、押圧装置54の押圧力を示す押圧力軸と、前記アクティブエレメントにより出力される圧脈波の信号強度を示す信号強度軸との二次元座標において、前記最適押圧力決定手段84において最適押圧力PHDPOを決定する際に算出された信号強度変化曲線CS を表示器32に表示させる。
【0033】最適押圧力表示手段96は、最適押圧力決定手段84において決定された最適押圧力PHDPOを示す印を、押圧装置54の押圧力を示す押圧力軸と、前記アクティブエレメントにより出力される圧脈波の振幅を示す振幅軸との二次元座標において振幅変化曲線CA と共に、または、押圧装置54の押圧力を示す押圧力軸と、前記アクティブエレメントにより出力される圧脈波の信号強度を示す信号強度軸との二次元座標において信号強度分布曲線CS と共に表示する。
【0034】図6は、振幅変化曲線表示手段92により表示された振幅変化曲線CA および信号強度変化曲線表示手段94により表示された信号強度変化曲線CS が、表示器32において、共通の押圧力軸に示され、且つ最適押圧力PHDPOを示す直線97が押圧力軸に垂直に表示されている状態を示している。表示器32に振幅変化曲線CA または信号強度変化曲線CS が表示されることにより、前記連続血圧監視装置を操作する者が、最適押圧力決定時の圧脈波センサ46による押圧状態を認識できる。図6に示されているように、振幅変化曲線CA が、最大値を有し、押圧力の初期値から振幅の最大値を示す押圧力までは略増加傾向にあり、振幅の最大値を示す押圧力からは略減少傾向を示す曲線であり、最適押圧力PHDPOを表示する直線97が振幅の最大値を示す押圧力付近に示されている場合は、圧脈波センサ46による撓骨動脈56の押圧状態は適切であると判断できる。また、信号強度変化曲線CS が略平坦となる部分を有し、最適押圧力PHDPOを表示する直線97がその略平坦となる部分の中央付近に示されている場合も、圧脈波センサ46による撓骨動脈56の押圧状態は適切であると判断できる。
【0035】なお、図6に示されている振幅変化曲線CA は、押圧力軸が最適押圧力決定手段84において変化させられる押圧力範囲(押圧力変化幅)により正規化され、振幅軸が振幅の最大値により正規化された後の振幅変化曲線CA が表示され、信号強度変化曲線CS も、押圧力軸が最適押圧力決定手段84において変化させられる押圧力範囲(押圧力変化幅)により正規化され、信号強度軸が最大信号強度により正規化された後の信号強度変化曲線CS が表示されているので、被測定者の個人差により圧脈波信号SM2 の最大値あるいは最大振幅値が異なる場合や、最適押圧力決定手段84における押圧力範囲の最大押圧力値が異なる場合であっても、常に一定の大きさで振幅変化曲線CA および信号強度変化曲線CS が表示され、上記操作者が最適押圧力決定時における撓骨動脈56の押圧状態を容易に認識できるようになっている。
【0036】一方、図7は振幅変化曲線CA のみが示された場合の一例であるが、図7に示されているような、押圧力範囲の最小値における振幅値が既に比較的大きく、比較的低い押圧力において振幅強度が最大値を示す振幅変化曲線CA が得られるのは、被測定者が痩せていること等により撓骨動脈56が体表面38から比較的浅い位置にある場合である。この場合において、図1あるいは図2に示されている凸部60の押圧面62が板材70の押圧面76よりも比較的突き出ている状態であれば、板材70の押圧面76と体表面38との間に隙間ができてしまう比較的不安定な押圧状態で最適押圧力PHDPOが決定されたことになり、長時間にわたって撓骨動脈56の押圧状態を適切に維持することは困難であると判断できる。
【0037】上記のように、表示器32に表示された振幅変化曲線CA により圧脈波センサ46の押圧状態が適切でないと判断する場合、上記操作者は図示しない操作パネルを操作して、第2圧力室に圧力を供給することにより、図8に示されているように、板材70の押圧面76を凸部60の押圧面62と略等しい位置まで突き出させる。このようにすると、板材70の押圧面62と体表面38との間の隙間が無くなるので、撓骨動脈56が体表面38から比較的浅い位置にある場合でも長時間にわたって撓骨動脈56の血管壁の押圧状態を適切に維持することができる。
【0038】また、図9は信号強度変化曲線CS のみが示された場合の一例であるが、図9に示されているように、押圧力の増加に伴い、略平坦となる部分を有することなく増加する信号強度変化曲線CS が表示された場合は、上記操作者は圧脈波センサ46の押圧状態が適切でないと判断できる。このような信号強度変化曲線CSが得られるのは、被測定者の皮膚組織が厚く、撓骨動脈56が体表面38から比較的深い位置にあるにも拘らず、凸部60の押圧面62が板材70の押圧面76から余り突き出ていない場合である。すなわち、凸部60の押圧面62が板材70の押圧面76から余り突き出ていない状態で、体表面38から比較的深い位置にある撓骨動脈56を押圧しようとすれば、大きな押圧力を必要とするが、その必要とされる押圧力が、前記最適押圧力決定手段84において変化させられる押圧装置46の押圧力範囲を越えてしまう場合である。
【0039】上記のように、表示器32に表示された信号強度変化曲線CS により圧脈波センサ46の押圧状態が適切でないと判断する場合、上記操作者は図示しない操作パネルを操作して、第2圧力室68の圧力を排出することにより、図1に示されているように、板材70の押圧面76を凸部60の押圧面62よりも引っ込ませる、すなわち、凸部60の押圧面62を板材70の押圧面76よりも突き出させる。このようにすると、比較的低い押圧力で体表面38から比較的深い位置にある撓骨動脈38を押圧できるので、押圧装置54の押圧力範囲内で撓骨動脈56の血管壁の一部が略平坦となるように押圧できる。
【0040】押圧状態判定手段98は、最適押圧力決定手段84における押圧力の変化過程で得られる圧脈波に基づいて、圧脈波センサ46により押圧される動脈の押圧状態を判定する。すなわち、最適押圧力決定手段84において算出される振幅変化曲線CA および/または信号強度変化曲線CS に基づいて、圧脈波センサ46により押圧される動脈の押圧状態を判定する。たとえば、振幅変化曲線CA において、振幅の最大値を示す押圧力よりも低い押圧力範囲で、その振幅の最大値の所定割合(たとえば75%)以下の振幅を示す押圧力範囲が存在するかを判断する。上記判断が否定されるのは、圧脈波センサ46により押圧される動脈が体表面38から比較的浅い場合である。この判断が否定され、且つ凸部60の押圧面62が板材70の押圧面76から突き出ていると判断された場合は、圧脈波センサ46による動脈の押圧状態が不安定であると判定する。
【0041】または、信号強度変化曲線CS において、信号強度が押圧力の増加に伴い、略平坦となる部分を有するかどうかを判断する。たとえば、信号強度変化曲線CSが図9に示される状態である場合に上記判断が否定されるので、圧脈波センサ46により押圧される動脈が体表面38から比較的深い位置にあり、且つ、図8に示される凸部60の押圧面62と板材70の押圧面76の関係のように、凸部60の押圧面62が板材70の押圧面76に対してほとんど突き出ていない状態の場合に、押圧状態が適切でないと判定される。
【0042】突出し量調節手段100は、上記押圧状態判定手段98により圧脈波センサ46により押圧される動脈の押圧状態が適切でないと判断された場合、または、前記操作者が、表示器32に表示された振幅変化曲線CA あるいは信号強度変化曲線CS から、圧脈波センサ46により押圧される動脈の押圧状態が適切でないと判断し、図示しない操作パネルを操作した場合に、空気ポンプ50および調圧弁72に駆動指令信号を出力し、第2圧力室68の圧力を調節することにより、凸部60の押圧面62の板材70の押圧面76に対する突出し量を調節する。
【0043】図10、図11は、上記演算制御装置28の制御作動の要部を説明するフローチャートであって、図10はメインルーチンを示し、図11は初回の装着時に実行され、圧脈波センサ46により押圧される動脈の押圧状態を表示し、さらにその押圧状態を判定する押圧状態表示・判定ルーチンを示している。
【0044】図10のステップSA1(以下、ステップを省略する。)では、前回に対応関係が更新されてからの経過時間が十数分乃至数十分程度に予め設定されたキャリブレーション周期を超えたか否かが判断される。通常はそのSA1の判断が否定されるので、SA2において所定の押圧位置更新条件(APS起動条件)が成立したか否か、たとえば、圧脈波センサ46の押圧面62に配列された圧力検出素子のうちの最大振幅を検出するものが配列位置のうちの端部に位置する状態となったか否かなどが判断される。
【0045】撓骨動脈56に対する圧脈波センサ46の押圧位置が正常範囲であれば、上記SA2の判断が否定されるので、SA3において、たとえば図3の対応関係を変化させる程に圧脈波センサ46の押圧条件を変化させる体動が検出されたか否か、或いは監視血圧値MBPが前回のカフ10を用いて測定された血圧値BPに対して大幅に変化したか否かなどに基づいて、血圧監視のための対応関係を更新するための起動条件或いは最適押圧力決定起動条件(HDP起動条件)が成立したか否かが判断される。
【0046】圧脈波センサ46の押圧条件に変化がなく、図3の対応関係が変化していないと考えられる場合は上記SA3の判断が否定されるので、SA8において1つの圧脈波が発生したか否かが圧脈波信号SM2 に基づいて判断される。このSA8の判断が否定された場合はSA1、SA2、SA3、SA8が繰り返し実行させられることにより待機させられる。しかし、1つの圧脈波が発生し、SA8の判断が肯定されると、前記推定血圧値決定手段90に対応するSA9において、最適押圧力PHDPOにて押圧されている圧脈波センサ46のアクティブエレメントからの圧脈波信号SM2 から、その波動の最高値PMmaxおよび最低値PMminが決定され、図3の対応関係からその圧脈波の最高値PMmaxおよび最低値PMminに基づいて推定最高血圧値MBPSYS および推定最低血圧値MBPDIA が決定され、表示器32に一拍毎に逐次表示されるとともに、図3の対応関係と圧脈波信号SM2 から決定された推定血圧値の連続波形が表示器32に表示される。
【0047】以上のステップが繰り返し実行されるうち、前回に対応関係が決定されてからの経過時間が予め設定されたキャリブレーション周期を越えると前記SA1の判断が肯定されるので、SA6においてカフ10を用いた血圧測定が実行された後、SA7において対応関係が更新され、その後前記SA8以下が実行される。すなわち、先ず、前記血圧値測定手段80に対応するSA6では、排気制御弁16を圧力供給状態に切り換え且つ空気ポンプ18を作動させてカフ10内の圧力を患者の予想される最高血圧値よりも高い目標圧力(たとえば180mmHg)まで昇圧した後、空気ポンプ18を停止させ且つ排気制御弁16を徐速排圧状態に切り換えてカフ10内の圧力を3mmHg/sec程度に予め定められた徐速降圧速度で下降させることにより、この徐速降圧過程で逐次得られる脈波信号SM1 が表す圧脈波の振幅の変化に基づいて、良く知られたオシロメトリック方式の血圧値決定アルゴリズムに従って最高血圧値BPSYS 、平均血圧値BPMEAN、および最低血圧値BPDIA (基準血圧値)が測定されるとともに、脈波間隔に基づいて脈拍数などが決定される。そして、その測定された血圧値および脈拍数などが表示器32に表示されるとともに、排気制御弁16が急速排圧状態に切り換えられてカフ10内が急速に排圧される。
【0048】次に、前記関係決定手段88に対応するSA7では、圧脈波センサ46のアクティブエレメントからの圧脈波の大きさ(絶対値すなわち圧脈波信号SM2 の大きさ)と上記SA6において測定されたカフ10による血圧値BPSYS 、BPDIA との間の対応関係が求められ、更新される。すなわち、圧脈波センサ46のアクティブエレメントからの圧脈波が1拍読み込まれ且つその圧脈波の最高値PMmaxおよび最低値PMminが決定されるとともに、それら圧脈波の最高値PMmaxおよび最低値PMminとSA6にてカフ10により測定された最高血圧値BPSYS および最低血圧値BPDIA とに基づいて、図3に示す圧脈波の大きさと血圧値との間の対応関係が決定されるのである。
【0049】圧脈波センサ46の撓骨動脈56に対する押圧位置がずれ、所定の押圧位置変更条件(APS起動条件)が成立する場合には、前記SA2の判断が肯定されるので、前記最適押圧位置制御手段82に対応するSA4のAPS制御ルーチンが実行される。このAPS制御ル−チンは、前記最適押圧力PHDPOよりも十分低い予め設定された押圧力において、圧脈波センサ46の各圧力検出素子によりそれぞれ検出された圧脈波信号SM2 のうち最大振幅を検出する素子が、圧力検出素子の略中心位置になるような最適押圧位置が決定されるとともに、そのときの最大振幅を検出する素子を中心位置圧力検出素子すなわちアクティブエレメントとして設定し、且つ圧脈波センサ46がその最適押圧位置に位置決めされた後、SA5のHDP制御ルーチンにおいて、圧脈波センサ46の押圧力が連続的に高められる過程で、撓骨動脈56の真上に位置するアクティブエレメントにより検出される圧脈波の振幅が最大となるときの押圧力が最適押圧力PHDPOとして決定され且つ更新され、圧脈波センサ46の押圧力がその最適押圧力PHDPOにて保持される。従って上記SA5は、前記最適押圧力決定手段84および最適押圧力維持手段86に対応する。そして、圧脈波センサ46がその最適押圧力PHDPOにて押圧された状態で、以後のSA6以下が実行される。また、SA2において圧脈波センサ46の押圧位置が適切であると判断され、すなわちSA2の判断が否定され、連続的に血圧監視が実行されている状態で前記SA3の判断が肯定された場合には、上記SA5のHDP制御ルーチン以下が実行される。
【0050】次に、上記メインルーチンに先立って、初回の装着時に実行され、圧脈波センサ46により押圧される動脈の押圧状態を表示し、さらにその押圧状態を判定する押圧状態表示・判定ルーチンについて図11を用いて説明する。
【0051】図11において、最適押圧位置制御手段82に対応するSB1では、前記SA4と同様に、APS制御ルーチンが実行されることにより、圧脈波センサ46の圧力検出素子によりそれぞれ検出された圧脈波信号SM2 のうち最大振幅を検出する素子が、圧力検出素子の略中心位置になるように最適押圧位置を決定する。
【0052】続く最適押圧力決定手段84に対応するSB2では、押圧装置54による圧脈波センサ46の押圧力を連続的に増加させ、その押圧力連続増加過程で得られた圧脈波から前記振幅変化曲線CA および信号強度変化曲線CS を算出し、その振幅変化曲線CA の最大値を中心とする所定範囲の押圧力と、その信号強度変化曲線CS の平坦部の中央を中心とする所定範囲内の押圧力とが重複する範囲の中央の押圧力を最適押圧力PHDPOとして決定する。
【0053】続くSB3では、表示器32に、SB2において最適押圧力PHDPOを決定するに際して算出された振幅変化曲線CA および信号強度変化曲線CS が、それぞれ正規化されて、共通の押圧力軸と圧脈波の振幅を示す振幅軸または圧脈波の信号強度を示す信号強度軸との二次元座標において表示され、さらに、その共通の押圧力軸上に最適押圧力PHDPOを示す直線97が表示される。従って、上記SB3は振幅変化曲線表示手段92、信号強度変化曲線表示手段94および最適押圧力表示手段96に対応している。前述の図6は、圧脈波センサ46による撓骨動脈56の押圧状態が適切である場合にSB3において表示器32に表示される例を示している。
【0054】続く押圧状態判定手段98に対応するSB4では、図1に示されるように凸部60の押圧面62が板材70の押圧面76から突き出ている状態において、SB2で算出された振幅変化曲線CA が、振幅の最大値を示す押圧力よりも低い押圧力範囲に振幅の最大値の75%以下の振幅を示す押圧力範囲が存在するか、または、SB2において算出された信号強度変化曲線CS に略平坦となる部分が存在するかを判断し、それらの判断のいずれかの判断が否定された場合は圧脈波センサ46により押圧される撓骨動脈56の押圧状態が適切でないと判定する。
【0055】上記SB4の判断が否定された場合、すなわち、押圧状態が適切でないと判定された場合は、続く突出し量調節手段100に対応するSB6において、撓骨動脈56を適切に押圧するために、空気ポンプ50および調圧弁72に駆動指令信号を出力することにより、第2圧力室68に供給される圧力を調整し、凸部60の押圧面62の板材70の押圧面76に対する突出し量が調節され、前記SB1以下が繰り返し実行される。
【0056】上記SB4の判断が肯定された場合、すなわち、上記SB4における判断基準では押圧状態が適切であると判断される場合には、続くSB5において、前記操作者が押圧状態が適切でないと判断して凸部60の押圧面62の板材70の押圧面76に対する突出し量を調節する操作を行なったか否かが判断される。すなわち、上記SB4の判断が否定されるほどではない場合でも、前記操作者が前記SB3において表示器32に表示される振幅変化曲線CA 、信号強度変化曲線CSから圧脈波センサ46による撓骨動脈56の押圧状態が適切でないと判断する場合、図示しない操作パネルを操作することにより凸部60の押圧面62の板材70の押圧面76に対する突出し量を変更することができる。上記SB5の判断が肯定された場合には、続くSB6において、その操作に対応して上記突出し量が調節され、前記SB1以下が繰り返し実行される。しかし、表示器32に表示される振幅変化曲線CA および信号強度変化曲線CS から、撓骨動脈56の押圧状態が適切であると判断し、上記突出し量を変更する操作が行われない場合は、SB5の判断は否定され、この押圧状態判定ルーチンが終了し、前述の図10に示されるメインルーチンが実行される。
【0057】上述のように、本実施例によれば、最適押圧力決定手段84(SB2)における押圧力の変化過程での押圧装置54の押圧力とアクティブエレメントにより出力された圧脈波の振幅との関係を示す振幅変化曲線CA が振幅変化曲線表示手段92(SB3)により表示されるので、連続血圧監視装置を操作する者が、最適押圧力決定時における撓骨動脈56の押圧状態を認識できる。
【0058】また、本実施例によれば、最適押圧力決定手段84(SB2)における押圧力の変化過程での押圧装置54の押圧力とアクティブエレメントにより出力された圧脈波の周期毎に発生する最低値PMminの信号強度との関係を示す信号強度変化曲線CS が信号強度変化曲線表示手段94(SB3)により表示器32に表示されるので、前記連続血圧監視装置を操作する者が、最適押圧力決定時における撓骨動脈56の押圧状態が適切であるかを判断できる。
【0059】また、本実施例によれば、最適押圧力表示手段96により、振幅変化曲線CAまたは信号強度変化曲線CS が表示される二次元座標に最適押圧力PHDPOを示す直線97が表示されるので、最適押圧力PHDPOが適切な押圧力に決定されているかを確認できる。
【0060】また、本実施例によれば、押圧状態判定手段98(SB4)により、撓骨動脈が体表面38から浅い位置に存在しているために、最適押圧力決定手段84(SB2)において決定された最適押圧力が弱く、圧脈波センサ46と体表面38との間に隙間ができてしまう押圧状態や、撓骨動脈56が体表面38から深い位置に存在しているために、最適押圧力決定手段84(SB2)において決定された最適押圧力では、撓骨動脈56を適切に押圧することができない押圧状態が判定されるので、前記連続血圧監視装置において、圧脈波センサ46による撓骨動脈56の押圧状態が適切であるかが自動的に判断される利点がある。
【0061】以上、本発明の一実施例を図面に基づいて説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
【0062】たとえば、前述の実施例では、押圧状態判定手段98(SB4)において、圧脈波センサ46による撓骨動脈56の押圧状態が適切であるかが自動的に判断されていたが、押圧状態判定手段98(SB4)はなくてもよい。
【0063】また、前述の実施例では、圧脈波センサ46は、凸部60の押圧面62の板材70の押圧面76に対する突出し量を調節することにより、撓骨動脈56が体表面38から比較的深い位置にある場合であっても、体表面38から比較的浅い位置にある場合であっても、適切に撓骨動脈56を押圧できるようになっていたが、撓骨動脈56の体表面38からの深さに対応した突出し量を有する圧脈波センサ46が一種類用いられ、若しくは圧脈波検出プローブ34から着脱可能に構成された複数種類が択一的に用いられるものであってもよい。
【0064】また、前述の実施例では、最適押圧力表示手段96において、最適押圧力PHDPOを示す印は直線97で表示されていたが、押圧力軸上に三角形(△)を表示する等であってもよい。要するに、振幅分布曲線CA または信号強度分布曲線CSと共に表示され、最適押圧力PHDPOを示すものであればよいのである。
【0065】また、前述の実施例では、撓骨動脈56から圧脈波が検出されているが、頭骨動脈以外の他の動脈、たとえば、足背動脈から脈波を検出してもよい。
【0066】その他、本発明はその主旨を逸脱しない範囲において種々変更が加えられ得るものである。
【出願人】 【識別番号】390014362
【氏名又は名称】日本コーリン株式会社
【出願日】 平成10年(1998)3月6日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】池田 治幸 (外2名)
【公開番号】 特開平11−244247
【公開日】 平成11年(1999)9月14日
【出願番号】 特願平10−55144