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【発明の名称】 眼科用診断支援システム
【発明者】 【氏名】桜井 明男

【氏名】塚田 央

【氏名】森山 拓哉

【氏名】小幡 信輔

【要約】 【課題】被検者の眼科計測値のデータを画面上にグラフ化し、臨床の場において、画面上に表示されたグラフを見やすくすることにより、より一層有効に活用できるようにした眼科用診断支援システムを提供する。

【解決手段】本発明の眼科用診断支援システムは、異なる日時に検査された被検者の眼科計測値を記録保存する記憶手段と、該記憶手段に記録保存されている眼科計測値を演算する演算手段と、眼科計測値又はその演算結果をグラフ化して横軸に時間を取り、縦軸に計測値を取り画面上に表示するグラフ化表示手段と、該グラフ化表示手段によって画面上に表示されるグラフの変動が小さいときには大きく拡大しかつグラフの変動が画面をはみ出す程度に大きいときには画面内にグラフがおさまるようにスケールを変更して表示するための表示スケール変更手段とから構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 異なる日時に検査された被検者の眼科計測値を記録保存する記憶手段と、該記憶手段に記録保存されている眼科計測値を演算する演算手段と、眼科計測値又はその演算結果をグラフ化して横軸に時間を取り、縦軸に計測値を取り画面上に表示するグラフ化表示手段と、該グラフ化表示手段によって画面上に表示されるグラフの変動が小さいときには大きく拡大しかつグラフの変動が画面をはみ出す程度に大きいときには画面内にグラフがおさまるようにスケールを変更して表示するための表示スケール変更手段とからなることを特徴とする眼科用診断支援システム。
【請求項2】 前記表示スケール変更手段は、眼科計測値の日内変動、月内変動又は年内変動の種類によって表示スケールを変更することを特徴とする請求項1記載の眼科用診断支援システム。
【請求項3】 前記表示スケール変更手段は、グラフをスタンダードの大きさに設定するスタンダードスケールを有し、スタンダードスケールに対してグラフを拡大する拡大スケールとスタンダードスケールに対してグラフを縮小する縮小スケールとを有することを特徴とする請求項1記載の眼科用診断支援システム。
【請求項4】 最小眼圧値と最大眼圧値とを記憶するメモリを備え、前記表示スケール変更手段は、前記メモリに記憶された最小眼圧値と最大眼圧値とに基づき画面上に適正な大きさでグラフを表示することを特徴とする請求項1記載の眼科用診断支援システム。
【請求項5】 異なる日時に検査された被検者の眼科計測値を記録保存する記憶手段と、該記憶手段に記録保存されている複数の眼科計測値を所定期間毎に眼科計測値群として分割し、該眼科計測値群毎に平均値を演算する演算手段と、該平均値を時系列的に画面上にグラフとして表示するグラフ化表示手段と、前記平均値の一つを指定した場合には、前記眼科計測値群の個々の眼科計測値を表示する計測値表示手段とを備えることを特徴とする眼科用診断支援システム。
【請求項6】 前記複数の眼科計測値は、時間単位、日単位、週単位または月単位で眼科計測値群として分割されることを特徴とする請求項5に記載の眼科用診断支援システム。
【請求項7】 前記グラフ化表示手段は、症例や被検者毎に設定された所定の安全値範囲をグラフ上に表示することを特徴とする請求項5に記載の眼科用診断支援システム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、眼科用診断支援システムに関するものであり、詳しくは眼科計測値のデータ処理に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近時、医療分野では、電子カルテ診療支援システムが注目されており、これとの関連で、臨床の場においても、患者の各種計測値のデータを有効利用するシステムが望まれている。つまり、臨床の場において、患者の各種計測値のデータを、特にその変動がよくわかるように表示して、病名の判断等に役立つようにすることが望ましい。また、患者に病状を説明する際にも、患者がよく理解できるように、視覚的に工夫された形のデータ表示がなされることが望ましい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】眼科一般検査の一つとしての眼圧検査は、広く定着されている。そして、その眼圧検査により測定された眼圧値は、緑内障等の各種診断上、不可欠な検査項目とされている。しかしながら、眼圧値は、日常の生活リズムと関連した日内変動があることが知られている。また、眼圧値は、日によって変動する日々変動も認められている。そして、測定された一つの眼圧値についての診断の際には、これらの変動に対して常に考慮が払われなければならず、これが診断の妨げになっている場合がある。このように、眼圧値を一例とする眼科計測値には、常時かなりな変動を伴い、測定されたデータとしての眼科計測値を基に診断者が診断を行う際にはこれが妨げになる場合があった。
【0004】そこで、この発明は、被検者の眼科計測値のデータを画面上にグラフ化し、臨床の場において、画面上に表示されたグラフを見やすくすることにより、より一層有効に活用できるようにした眼科用診断支援システムを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、請求項1の発明は、異なる日時に検査された被検者の眼科計測値を記録保存する記憶手段と、該記憶手段に記録保存されている眼科計測値を演算する演算手段と、眼科計測値又はその演算結果をグラフ化して横軸に時間を取り、縦軸に計測値を取り画面上に表示するグラフ化表示手段と、該グラフ化表示手段によって画面上に表示されるグラフの変動が小さいときには大きく拡大しかつグラフの変動が画面をはみ出す程度に大きいときには画面内にグラフがおさまるようにスケールを変更して表示するための表示スケール変更手段とからなることを特徴とする眼科用診断支援システムである。
【0006】請求項1の発明によれば、グラフ化された眼科計測値のデータの表示スケールを適宜変更して表示できるので、眼科計測値の小さな変動も拡大して見ることができ、病状の進行等の的確な判断に役立つ。
【0007】また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記表示スケール変更手段は、眼科計測値の日内変動、月内変動又は年内変動の種類によって表示スケールを変更することを特徴とする眼科用診断支援システムである。
【0008】請求項2の発明によれば、眼科計測値のデータの日内変動、月内変動又は年内変動をそれぞれ見たい場合に、適宜スケール幅を変更して見ることができるので、経時的な小さな変動であっても確実に発見でき、的確な診断に役立つ。
【0009】また、請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記表示スケール変更手段は、グラフをスタンダードの大きさに設定するスタンダードスケールを有し、スタンダードスケールに対してグラフを拡大する拡大スケールとスタンダードスケールに対してグラフを縮小する縮小スケールとを有することを特徴とする眼科用診断支援システムである。
【0010】請求項3の発明によれば、グラフ化表示された眼科計測値を見やすいスケールを選択して見ることができる。
【0011】また、請求項4の発明は、請求項1の発明において、最小眼圧値と最大眼圧値とを記憶するメモリを備え、前記表示スケール変更手段は、前記メモリに記憶された最小眼圧値と最大眼圧値とに基づき画面上に適正な大きさでグラフを表示することを特徴とする眼科用診断支援システムである。
【0012】請求項4の発明によれば、眼科計測値のうち最小眼圧値と最大眼圧値とに基づき適正なスケールの大きさで眼圧値のデータをグラフで表示することができる。
【0013】請求項5の発明は、異なる日時に検査された被検者の眼科計測値を記録保存する記憶手段と、該記憶手段に記録保存されている複数の眼科計測値を所定期間毎に眼科計測値群として分割し、該眼科計測値群毎に平均値を演算する演算手段と、該平均値を時系列的に画面上にグラフとして表示するグラフ化表示手段と、前記平均値の一つを指定した場合には、前記眼科計測値群の個々の眼科計測値を表示する計測値表示手段とを備えることを特徴とする眼科用診断支援システムである。
【0014】請求項5の発明によれば、所定期間毎の眼科計測値群が平均値として演算され、眼科計測値は推計学的に処理されてグラフとして時系列的に表示される。また、この平均値を指定することにより、眼科計測値の個々の値が併せて表示される。
【0015】これにより、この眼科用診断支援システムを利用すれば、推計学的に処理され、グラフとして表示された眼科計測値と、個々の眼科計測値とが表示できるので、症例の判断やその症例に基づく病状の進行等の判断を的確にする場合の支援が行える。
【0016】請求項6の発明は、前記複数の眼科計測値は、時間単位、日単位、週単位または月単位で眼科計測値群として分割されることを特徴とする請求項5に記載の眼科用診断支援システムである。
【0017】この請求項6の発明によれば、日内変動、月内変動、年内変動などの変動が時間単位、日単位、週単位または月単位で平均化された値によりグラフ表示される。
【0018】請求項7の発明は、前記グラフ化表示手段は、症例や被検者毎に設定された所定の安全値範囲をグラフ上に表示することを特徴とする請求項5に記載の眼科用診断支援システムである。
【0019】請求項7の発明によれば、症例や個人差に対応して安全値範囲がグラフに表示されるので、症例や被検者が異なっても、それぞれに対応して眼科用診断支援システムを利用することができる。これにより、診断のきめ細やかな支援が行える。
【0020】
【発明の実施の形態1】以下、本発明の具体的な実施の形態1について図面を参照しながら詳しく説明する。
【0021】図1に示すように、本発明の眼科用診断支援システム1は、マイクロコンピュータ2と、このマイクロコンピュータ2に接続された、表示手段としてのモニター画面3と、各種の情報を入力する入力手段又はボタン操作手段としてのマウス4、キーボード5と、被検者の眼圧を計測する眼圧計6とから大略構成されている。このマイクロコンピュータ2は、異なる日時に検査された被検者の眼圧計測データ等を記録保存する記憶手段と、その記憶手段に記録保存されている眼圧計測データ等を演算する演算手段と、眼圧計測データ又はその演算結果をグラフ化して横軸に時間を取り、縦軸に眼圧値を取り画面上に表示するグラフ化表示手段と、そのグラフ化表示手段によって画面上に表示されるグラフの表示スケールを変更して表示するための表示スケール変更手段として機能している。
【0022】この記憶手段は例えば、ハードデイスク、フロッピーデイスクなどのデータ記録媒体であり、これには、被検者を識別するID番号、患者名、検査日、検査眼、眼圧計測データなどの眼圧計測に関連した各種データ、病名とその病名毎に設定された例えば、眼圧の安全値範囲Sなどの眼圧の上限の値と下限の値とが記録保存されている。
【0023】これらのデータは、眼圧計6から直接マイクロコンピュータ2に送られ、その記憶手段にてデータベース化されて記録保存される。また、被検者を識別するID番号、患者名、検査日、検査眼などのうち眼圧計6から直接入力できないデータや、また、眼圧計6から直接入力されない過去のデータ、病名とその病名毎に設定された眼圧の安全値範囲S等は、キーボード5等の他の入力手段により入力される。
【0024】マウス4又はキーボード5を操作して患者一覧表を呼び出すと、モニター画面3にID番号と患者名とが図2に示すように表示される。各患者のいずれかを指定すると、その患者の眼圧計測データが例えば図3に示すように表示される。
【0025】図3は、ある患者の1997年の7月から10月までの眼圧データを月単位で眼圧計測値群として分割してその眼圧計測値群毎に平均化して表示したものでる。これによりその患者の年内変動が月単位に平均化された値として視認することができる。何年の何月から何月までのデータが見たいのかは、画面上に表示された月毎ボタン9を選択した上で、キーボード5から入力して所望の期間を指定する。
【0026】また、ある年のある月の月内変動を見たい場合には、日毎ボタン8を選択した上で、所望の期日を入力することにより、例えば図4に示すように表示される。ここで、この例では、患者の眼圧値が毎週の特定の曜日に測定されている。この特定の曜日に測定されたた患者の眼圧データは、その日付けで平均化されて表示されている。
【0027】図4と同様な画面表示は、例えば、不特定日に眼圧が測定されていても、週単位で眼圧測定値を群として分割し、その週単位の眼圧測定値群を平均してその平均値をグラフ化することにより同様に表示される。
【0028】ある年のある日の日内変動を見たい場合には、時間毎ボタン7を選択した上で、所望の期日、時間を入力することにより、例えば図5に示すように表示される。この図5では、2時間単位で眼圧測定データが分割され、それぞれに対応した平均値が表示されている。もちろん、計測データが少ない場合には、個々の測定データを平均値とせずにグラフに直接表現してもよい。
【0029】つまり、時間毎ボタン7,日毎ボタン8あるいは月毎ボタン9を選択することにより、データの表示方法を随時変更することができる。
【0030】このように、ボタン7〜9の切り替えによって表示方法を変更することができるが、同時に縦軸の眼圧値の表示スケールを変更することができる。例えば、ある表示スケールでは、ほぼ一直線状で眼圧値の変動がないように見える場合であっても、表示スケールを拡大することによって眼圧値の変動を観測できる場合がある。したがって、適宜表示スケールを変更することによってわずかの変動も見られないのかどうかを容易に確認することができ、的確な診断を行える。
【0031】なお、縦軸の表示スケールを変更、特に拡大する場合には、モニター画面上に表せない場合が生じるので、縦軸の表示スケールを変更すると同時に、縦軸の目盛りを変更(移動)させることにより、眼圧データのグラフが出来るだけ画面の中央に現れるようにして見やすくする必要がある。つまり、表示スケール変更手段は、表示スケールの変更と同時に縦軸の目盛りの変更も適宜行える手段である。
【0032】また、モニター画面の右上部にある症例ボタン10は、あらかじめ病名毎の眼圧値の上限の値UPと下限の値LOが設定されている。この上限の値UPと下限の値LOとで表現された眼圧値幅は例えば、症例による眼圧の安全値範囲Sである。
【0033】また、この症例ボタン10を切り替えることによって、その安全値範囲Sを色を変えるとか、模様を付けるとかして表示することにより、診断の目安として利用することができる。眼圧の正常値は個人差があるので、個人毎に設定することも可能である。
【0034】なお、図3には、一例として、正常眼圧値の被検者の上限ラインUPLと下限ラインLOLとの範囲が安全値範囲Sとして斜線部で表示されているが、眼圧値が20mmHg〜35mmHgの範囲にある高眼圧症の人の場合には、上限ラインUPLを35mmHgに設定し、下限ラインLOLを20mmHgに設定すれば、高眼圧の症状が落ち着いているのか、悪化しているのか、あるいは、症状が回復傾向にあるのか等を一目で認識でき、患者に症状を理解させる手助けとなる。このように、症例によって帯状の安全値範囲Sの表示がなされると、診断の目安となるだけでなく、患者に症状を説明する場合にもわかりやすいので好都合である。また、症例ボタン10の切り替えによって縦軸の表示スケールを変更するようにしてもよい。
【0035】また、画面上のカーソル(図中の矢印)を図4に示すように任意の測定値(その測定点での複数のデータがある場合にはその平均値が表示される)上に移動することにより、その測定点での詳細なデータ(上記の複数のデータ)が画面上に表示されることにより、詳細なデータの検討が可能である。
【0036】以上、本発明の実施の形態1について説明したが、本発明はこれに限らず以下のものを含むものである。
【0037】上記表示スケール変更手段における具体的な変更手段としては、グラフをスタンダードの大きさに設定するスタンダードスケールと、さらに該スタンダードスケールに対してグラフを拡大する拡大スケールとスタンダードスケールに対してグラフを縮小する縮小スケールとを有することにより、これらのスケールの切り替えによって表示スケールを変更することができる。
【0038】また、上記表示スケール変更手段は、記憶された眼圧データのうち、最小眼圧値と最大眼圧値とに基づき、画面上にその最小値と最大値とがおさまるような適正な大きさでグラフを表示することができる。
【0039】また、マイクロコンピュータの入力手段、ボタン操作手段などとしては、音声入力手段など、他の入力手段を用いてもよい。また、眼圧計6とマイクロコンピュータ2との間には、バッファ等が介されていてもよく、また、記憶手段への器ロック保存には、他の記録媒体などに記録されたデータを複写してもよい。
【0040】
【発明の実施の形態2】本発明の実施の形態2について、図6〜図10を参照しつつ説明する。なお、実施の形態1と同一乃至均等な部分については同一符号を付して詳細な説明は省略して説明する。
【0041】この実施の形態2の眼科用診断支援システム1は、実施の形態1の眼科用診断支援システム1(図1)と略同様な構成である。
【0042】この実施の形態2のモニター画面3には、実施の形態1の患者一覧表に変えて、図6に示すように、患者ウインドウが表示される。この患者ウインドウは、症例ボタン10と患者名を特定するための患者指定枠11と、その特定された患者に関する眼圧値等を示す眼圧測定データ枠12とから大略構成される。
【0043】患者指定枠11は、名前欄11aおよびID番号欄11bとから構成される。名前欄11aには患者の名前が表記され、ID番号欄11bにはその患者のID番号が表記されている。患者指定枠11のいずれかにより患者名が特定されると、記憶手段に記憶されたその患者についてのデータが眼圧測定データ枠12に表示される。
【0044】この測定データ枠12には、検査日12a、検査時刻12b、検査眼12c、検査データ(眼圧計測データ)12d、眼圧計機種などの検査タイプ12e、備考12fなどの各種データが時系列的に表示されている。これらのデータは、図示を略す入力画面において、実施の形態1と同様に、マウス4、キーボード5、眼圧計6などから入力されたデータが、コンピュータ2により、時系列的に並び替えられて表示されたものである。
【0045】また、症例ボタン10には、一つの症例名(病名)が表示されている。この症例ボタン10をマウス4によりクリックすると、モニター画面3には、図7に示すように、症例選択ボックス10aが表示される。この症例選択ボックス10aでは、症例名(病名)と眼圧値幅が併記されて表示されている。この眼圧値幅は、その症例名に対応して、例えば安全値範囲Sを示す眼圧値の上限の値UPと下限の値LOとで表現されている。この症例選択ボックス10aにおいて必要な症例名を選択すると、記憶手段にその選択された症例名が記憶・保存されると共に、その選択された症例名が症例ボタン10に表示されて症例選択ボックス10aは閉鎖される。
【0046】これらの症例名と眼圧値幅(値UP、値LO)は、それぞれボタン操作などによる追加、削除と共に、初期設定値の変更が可能とされ、これにより記憶手段への記録が更新されて保存される。
【0047】次に、眼圧計測データを示す図である実施の形態1の図3〜図5は、この実施の形態2では、図8に示すように、ボタン7〜9、症例ボタン10に加えグラフの縦軸の縮尺を変更させるためのスケール変更ボタン13及び画面3を状況に応じて必要な画面に変更させるための戻るボタン14が表示されている。また、この症例ボタン10の詳細は、図6で示した患者ウインドウにおける症例ボタン10と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0048】また、スケール変更ボタン13および戻るボタン14は、マウス4によりクリックすると、モニター画面3には、図9に示すようなプルダウンメニュウによりそれぞれに対応したスケール変更選択ボックス13a、画面選択ボックス14aが表示される(図9においては、簡略化のためにそれぞれのボックス10a、13a、14aが同時に表示されているが、これらは同時に表示されることはない。)。
【0049】スケール変更選択ボックス13aには、標準スケール、拡大スケール、縮小スケール、自動スケールなどのスケール変更画面が選択可能に表示されている。初期設定では標準スケールにて表示されているが、この選択画面から所望のスケールを選択すればグラフの縦スケールが所望のスケールに拡大または縮小されて、その選択されたスケールが記憶手段に記憶されると共に、その選択されたスケールがスケール変更ボタン14に表示されてスケール変更選択ボックス13aは閉鎖される。
【0050】この実施の形態2では、縮小スケールを選択すればグラフの縦スケールが予め設定された縮小スケール(例えば70%)に縮小される。また、拡大スケールを選択すれば、グラフの縦スケールが予め設定された拡大スケール(例えば150%)に拡大される。また、自動スケールを選択すれば、選択された範囲R内において記憶されていた眼圧値の中で、最小となる最小眼圧値LOR及び最大となる最大眼圧値UPRのいずれもが、適正な大きさでグラフを表示されるように、変更手段によりグラフの縦スケールが自動的に変更されるように設定されている。これらのいずれのスケールにおいても的確な診断が行えるように、帯状で示された安全値範囲Sは変更手段により画面3の中央に位置されている。
【0051】このように構成すれば、眼科計測値の最小眼圧値と最大眼圧値ともに画面に表示することができると共に、適正なスケールの大きさで眼圧値のデータをグラフで表示することができる。
【0052】また、画面選択ボックス14aには、データ入力、患者ウインドウ、データの選択などの表示がなされ、それぞれを選択することによりそれぞれを示す画面が表示される。
【0053】以上のように構成された実施の形態2の眼科用診断支援システム1について、図10に示すフロー図に基づき説明する。
【0054】図10において符号s.1は、各種のデータを眼圧計6から直接にコンピュータ2へ記憶するための入力行程である。また、s.2は、キーボード5などを用いたコンピュータ2の記憶手段への入力行程を示し、これにより、眼圧計6から直接入力できない、過去のデータやその他の情報が入力可能とされる。これらの各種データの入力は、図示を略すデータ入力画面において操作される。また、これにより入力されたデータは、s.3において、記憶手段により保存されてデータベース化される。
【0055】ついで、マウス4又はキーボード5などを操作して患者ウインドウを呼び出すと、s.4により患者の一覧表が患者指定枠11内に表示される(図6)。この状態で、症例ボタン10は通常、初期設定値としての「正常」が表示されている。検者は、s.5において、患者の選択を名前欄11aまたはID番号欄11bのいずれかをクリックすることにより行う。この状態で、症例ボタン10はその患者に対して前回入力された症例名が表示される。この実施の形態では、図6に示すように、POAG:○○○○緑内障が表示されている。これと共に、s.6に移行されてその選択された患者に関するデータリストが眼圧測定データ枠12内に表示される。この患者ウインドウ画面で症例名を変更したい場合は、症例ボタン10を選択して、症例選択ボックス10aから適切な症例名を選択することにより変更できる。
【0056】検者は、s.7において、この測定データ枠12から、必要とするデータを選択するために、例えば期間を選択する。この実施の形態2では、眼圧関連計測データが時系列的に表示されているので、期間の特定は範囲Rを選択することにより容易に行われる。
【0057】これにより、s.8に移行されて、選択された範囲のデータを基にコンピュータ2の演算手段により演算されて、データの数と変動状態により横軸に時間を表示した時系列的なグラフ作成が行われる。通常は、グラフのスケールは、スタンダードスケールに設定されているので、s.9に移行されてスタンダードスケールのグラフ表示がモニター画面3に表示される(例えば図8)。
【0058】検者は、表示されたグラフを観察して診断を行う。検者は、必要に応じて、s.10において時間毎ボタン7,日毎ボタン8、月毎ボタン9から必要な横スケールを選択して、実施の形態1と同様に日内変動、月内変動などを見ることができる。
【0059】また、s.12において、スケール変更ボタン13を選択して、所望の縦スケールを選択することにより、スタンダード(標準)、拡大、縮小、自動に応じて変更された縦スケールにて表示される。
【0060】また、検者は、図面上の各点の詳細なデータがほしい場合には、s.11において、グラフ上のデータにカーソルを移動させる。すると、s.13に移行されて、画面上のカーソルで示された測定点のデータが表示される。そのデータに複数のデータがある場合には、その複数のデータが画面上に表示される(図9)。この例では、7月に矢印で示されたカーソルが移動され、7月の平均値約15mmHgの基礎となった各データが、日単位で平均化されて表示されている。個々のデータを全て表示することように構成してもよい。
【0061】検者が戻るボタン14をクリックして画面選択ボックス14aを開くとデータ入力、患者ウインドウ、データの選択から適当な表示画面を選択することが可能となる。データ入力を選択するとs.2のキーボードによる入力が可能な入力画面(図示せず)に戻される。また、患者ウインドウを選択すると、患者ウインドウ(図6)が開かれ、s.5の患者の選択、症例名の選択が行える。また、データの選択を選択すると、s.7のデータの選択が行える(図6)。このように、随意変更ボタン14により、状況に応じて必要な箇所に戻ることができる。
【0062】診断が終了すれば、s.14に移行されて終了される。
【0063】他の構成及び作用については、前記実施の形態1と略同様であるので、詳細な記載を省略する。
【0064】なお、以上の実施の形態2では、選択画面は、プルダウンメニュウやボックスが開く構成とされていたが、ダイアログボックス表示、ツリー表示など自由に設定できる。
【0065】また、眼圧値は測定に付される眼圧計の種類による変動があるので、安全範囲を示す初期設定値は、用いられる眼圧計の種類毎に分類して記憶手段に記憶保存されてもよい。また、眼圧値には個人差があるので、この初期設定値は、被検者(個人)毎に分類して記憶手段に記憶保存されてもよい。このようにすれば、眼圧計の種類や個人を選択することにより、これらの選択に合わせた安全値範囲Sを呼び出し、グラフに表示すことができる。
【0066】また、この安全値範囲Sは、上限の値UPと下限の値LOを数段階に分けてもよい。例えば、上限の値UPを二つに分け、それぞれラインUPL1、UPL2として示してもよい。このラインUPL1、UPL2、LOLにて区画された領域は、それぞれその領域を現すに適切な色、模様により、安全値範囲Sを数段階に分けて設定できる。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に係る眼科用診断支援システムによれば、グラフ化された眼科計測値のデータの表示スケールを適宜変更して表示できるので、眼科計測値の小さな変動も拡大して見ることができ、病状の進行等の的確な判断に役立つという優れた効果を奏する。
【0068】また、請求項2の発明に係る眼科用診断支援システムによれば、眼科計測値のデータの日内変動、月内変動又は年内変動をそれぞれ見たい場合に、適宜スケール幅を変更して見ることができるので、経時的な小さな変動であっても確実に発見でき、的確な診断に役立つという優れた効果を奏する。
【0069】また、請求項3の発明に係る眼科用診断支援システムによれば、グラフ化表示された眼科計測値を見やすいスケールを選択して見ることができるという優れた効果を奏する。
【0070】また、請求項4の発明に係る眼科用診断支援システムによれば、眼科計測値のうち最小眼圧値と最大眼圧値とに基づき適正なスケールの大きさで眼圧値のデータをグラフで表示することができる。
【0071】請求項5の発明に係る眼科用診断支援システムによれば、推計学的に処理され、グラフとして表示された眼科計測値と、個々の眼科計測値とが表示できるので、症例の判断やその症例に基づく病状の進行等の判断を的確にする場合の支援が行える。
【0072】請求項6の発明に係る眼科用診断支援システムによれば、日内変動、月内変動、年内変動などの変動が時間単位、日単位、週単位または月単位で平均化された値によりグラフ表示される。
【0073】請求項7の発明に係る眼科用診断支援システムによれば、症例や個人差に対応して安全値範囲がグラフに表示されるので、症例や被検者が異なっても、それぞれに対応して眼科用診断支援システムを利用することができる。これにより、診断のきめ細やかな支援が行える、という優れた効果を奏する。
【出願人】 【識別番号】000220343
【氏名又は名称】株式会社トプコン
【出願日】 平成10年(1998)2月27日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】西脇 民雄
【公開番号】 特開平11−244245
【公開日】 平成11年(1999)9月14日
【出願番号】 特願平10−47431