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【発明の名称】 電子内視鏡装置
【発明者】 【氏名】樋口 充

【氏名】竹内 信次

【氏名】山中 一浩

【要約】 【課題】動画においては動きを忠実に再現し、静止画においてはぼけのない鮮明な画像を得る。

【解決手段】CCD12を駆動するCCD駆動回路16、マイコン18、絞り20を駆動する絞り駆動回路22、輝度信号を形成するDVP27等を設け、上記DVP27で得られた輝度信号に基づき、上記絞り駆動回路22では絞り20の開口量を制御する装置で、フリーズスイッチ15が押された時、上記絞り20を全開又は全開に近い固定値に駆動し、かつ上記CCD駆動回路16によって速い電子シャッタ速度へ切り替える。これによれば、上記絞り20の開動作による光量増加に対応する受光量を短い時間の露光で減らすので、適正な光量が維持された状態でブレ等のない鮮明な静止画が得られる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 光源部から出力された光を照射し、撮像素子で得られた画像信号から動画を形成すると共に、フリーズスイッチの操作に基づいて静止画を形成する電子内視鏡装置において、上記画像信号から明るさを検出し、画像の明るさが一定となるように上記光源部の出力光を絞りにより可変制御する光源絞り制御機構と、上記撮像素子での受光量を電子シャッタ速度で制御する電子シャッタ機能と、これら光源絞り制御機構及び電子シャッタ機能を制御し、上記フリーズスイッチが押されたときには、上記絞りを全開又は全開に近い固定値に駆動し、かつこの絞りの開動作による光量増加に対応する受光量を減らすために、電子シャッタ速度を速くする制御手段と、を備えた電子内視鏡装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子内視鏡装置、特に被観察体への出射光量を絞りを用いて制御するもので、動画と静止画で良好な画像を得るための光量調整のための構成に関する。
【0002】
【従来の技術】電子内視鏡装置では、固体撮像素子として例えばCCD(Charge Coupled Device)が用いられており、このCCDにおいては光電変換素子により画素単位で蓄積される電荷を読み出すことにより、画像信号(ビデオ信号)が得られるように構成される。また、被観察体内へ照明光を供給するために、光源部(又は別体装置)が設けられ、この光源部では絞り制御機構により最適な光量が得られるようになっている。
【0003】即ち、上記CCDから出力された画像信号は、例えばデジタルビデオプロセッサ(DVP)等に供給され、ここで色差信号、輝度信号等が形成されており、この輝度信号は輝度調整の制御信号として絞り駆動回路へ供給される。この絞り駆動回路では、輝度信号が一定となるように絞りを駆動することになり、輝度信号が基準値より小さい場合は絞りを開く方向、輝度信号が基準値より大きい場合は絞りを閉じる方向に制御される。この絞り開口量の可変制御により、先端部からの照射光量が変化することになり、これによって画像の明るさを一定に維持することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来の電子内視鏡装置においては、例えば垂直同期期間(1フィールド期間)である1/60秒よりもやや短い時間が固定した露光時間となり、この固定の露光時間でCCDに蓄積した電荷に基づいて画像を形成しているため、動画の場合はよいが、静止画の場合は画質が低下するという問題がある。即ち、動画の場合は、長い露光時間により被写体の動き等を忠実に再現する方がよいことが多いが、静止画の場合は、この間に内視鏡自体のブレや被観察体の動き等があると、画像の解像度、色ずれ等が低下して、不鮮明な画像となってしまう。
【0005】本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、動画においては動きを忠実に再現し、静止画においてはぼけのない鮮明な画像を得ることができる電子内視鏡装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明は、光源部から出力された光を照射し、撮像素子で得られた画像信号から動画を形成すると共に、フリーズスイッチの操作に基づいて静止画を形成する電子内視鏡装置において、上記画像信号から明るさを検出し、画像の明るさが一定となるように上記光源部の出力光を絞りにより可変制御する光源絞り制御機構と、上記撮像素子での受光量を電子シャッタ速度で制御する電子シャッタ機能と、これら光源絞り制御機構及び電子シャッタ機能を制御し、上記フリーズスイッチが押されたときには、上記絞りを全開又は全開に近い固定値に駆動し、かつこの絞りの開動作による光量増加に対応する受光量を減らすために、電子シャッタ速度を速くする制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】上記の構成によれば、通常の動画形成時では、輝度制御信号を入力した光源絞り制御機構により絞り値が可変駆動され、画像の明るさが一定となるように制御される。このとき、電子シャッタ機能は原則として機能していない。そして、フリーズスイッチが押されたときには、絞りが全開(又は全開に近い固定値)となると同時に、直前に設定されていた絞り値に対応して高速の電子シャッタ速度となるように電子シャッタ機能が働くことになる。
【0008】即ち、フリーズ時に固定される全開の絞り値(光量)との比較において、各絞り値(光量)からの光量増加分を減らすのに適切な速さの電子シャッタ速度を予め演算設定すれば、フリーズスイッチが押される直前の絞り値から速い(短い)シャッタ速度を自動的に選択して機能させることができる。この短い時間の露光により、ブレ等のない鮮明な静止画が得られる。
【0009】
【発明の実施の形態】図1には、実施形態例としての電子内視鏡装置の回路構成が示されており、この電子内視鏡装置はスコープ(電子内視鏡)10を、画像処理回路を有するプロセッサ装置や光源装置(光源部)に接続する構成となる。このスコープ10には、その先端部に撮像素子であるCCD12が設けられると共に、光源光を先端部まで導くためのライトガイド14が配設される。また、スコープ10の操作部には、静止画表示のためのフリーズスイッチ15が設けられる。
【0010】上記CCD12には、これを駆動すると共に電子シャッタ機能を有するCCD駆動回路16が接続され、この駆動回路16にはタイミングジュネレータ17、後述する絞り制御、電子シャッタ制御を含めた各種の制御をするマイコン(マイクロコンピュータ)18が接続され、このマイコン18には上記フリーズスイッチ15の動作信号が入力される。上記CCD駆動回路16は、マイコン18の制御に基づきタイミング信号を入力し、動画又は静止画のために画素混合読出し(色差線順次混合読出し方式)の駆動制御を行う。即ち、CCD12の上下の水平ライン(2ライン)の画素を混合しながら読み出し、この混合読出しのラインの位置をずらすことにより、奇数フィールドと偶数フィールドの画像信号が順次得られるようになっている。
【0011】また、このCCD駆動回路16は、静止画形成時に、詳細は後述するがCCD12の電荷の掃出し時間を調整して電荷蓄積時間を可変することにより、異なるシャッタ速度(露光時間)、例えば約1/60秒から最高1/100000秒までのシャッタ速度を設定することができる。
【0012】一方、上記ライトガイド14には、光源部において集光レンズ等を介して絞り(可動絞り)20及びハロゲンランプ等のランプ21が設けられ、この光源部では、上記絞り20を駆動する絞り駆動回路22と、上記ランプ21を点灯制御するランプ駆動回路23が配置される。上記絞り20及び絞り駆動回路22としては、絞り20の開口量(絞り値)を限られた複数段(段階的)に切り替えるものでもよいし、連続的に可変するものでもよい。
【0013】上記CCD12の後段には、A/D変換器26を介して、画像信号処理回路としてのDVP(デジタルビデオプロセッサ)27が接続されており、このDVP27には、赤(R),緑(G),青(B)マトリクス回路、RGBゲイン回路、色差マトリクス回路、ガンマ補正回路等を設けることができ、ここで、輝度信号(Y)と色差信号(C)を形成することになる。そして、この輝度信号はマイコン18へ入力され、このマイコン18から、動画形成時では輝度信号の制御信号が絞り駆動回路22へ供給されており、この絞り駆動回路22ではこの輝度制御信号を受けて絞り20の開口量を可変制御することになる。
【0014】更に、上記マイコン18では、フリーズスイッチ15が押された時、上記絞り20を全開(又は全開に近い固定値)に制御すると共に、上記CCD駆動回路16によって電子シャッタ機能を働かせる。この電子シャッタ機能の速度を、例えばS2 〜Sn[S2 >Sn(秒),S1 :最低速]とすると、絞り20の絞り値[開口量An-1 〜A1 (An-1 >A1 ,An:全開)]に対応して上記シャッタ速度S2 〜Snを設定することができ、フリーズスイッチ15が押される直前に絞り開口量A1 であるときは、シャッタ速度Sn(A2 のときSn-2 ,A3 のときSn-3 ,…An-1 のときS2 というように)が設定される。
【0015】上記のDVP27の後段には、奇数フィールド及び偶数フィールドのデータを記憶する第1メモリ28及び第2メモリ29、この第1メモリ28側端子と第2メモリ29側端子を切り替える切替え回路30、D/A変換器31が設けられる。
【0016】当該例は以上の構成からなり、その作用を図2を参照しながら説明する。図2(B)に示されるように、フィールドO(Odd)/E(Even)信号として、従来と同様に、1/60秒(垂直同期期間)で1フィールド画像を形成するタイミング信号が用いられる。通常状態では動画処理、即ちCCD出力時画素混合読出し方式を実行するように設定されており、図1のランプ21からの光は絞り20、ライトガイド14を介して先端部から被観察体内へ照射される。
【0017】この光照射により、先端部のCCD12では被観察体内の動画像が捉えられ、この像光に対応した電荷が蓄積される。この蓄積電荷は、CCD駆動回路16からの駆動パルスにより上下ライン間の画素が加算されて読み出され、1/60秒の期間毎に奇数フィールドと偶数フィールドの画素混合信号が出力される。この動画信号は、A/D変換器26からDVP27へ供給され、ここで、輝度信号が形成される。この輝度信号に基づき、マイコン18は輝度調整の制御信号を絞り駆動回路22へ供給するので、絞り20は画像が暗い場合は開く方向へ、画像が明るい場合は閉じる方向へ駆動される。
【0018】上記のDVP27の出力は、第1及び第2メモリ28,29、そして切替え回路30及びD/A変換器31を介してモニタへ供給されることになり、奇数フィールド信号と偶数フィールド信号に基づいてインターレース走査される。このようにして、最適な明るさの被観察体内の動画が表示されることになる。
【0019】一方、図1のスコープ10のフリーズスイッチ15が押されると、マイコン18により、静止画のための光量制御が行われる。例えば、図2(A)に示されるように、上記フリーズスイッチ15によるトリガーTr1(又はTr2)が与えられたとすると、次のO/E信号の立上がり時t1 からt3 までの2フィールド期間だけ、図2(C)に示されるように、全開の絞り制御信号(電圧)が出力され、絞り駆動回路22によって絞り20が全開(An)とされる。従って、図(D)に示されるように、光が絞り全開で出力される。
【0020】これと同時に、マイコン18の制御に基づいてCCD駆動回路16は、図2(E)に示される電子シャッタ動作を実行する。即ち、当該例では、動画形成時には電子シャッタ機能を動作させておらず、図示のように瞬間的な立上がりの掃出しパルスP1 が用いられるため、1フィールド期間よりもやや短い約1/60秒のTS1の露光時間で電荷が蓄積されるが、静止画に切り替えられたときは、例えば図示のThの時間の掃出しパルスP2 が用いられることになり、TS2の短い露光時間(TS1>TS2)、即ち速いシャッタ速度で電荷が蓄積される。
【0021】上記の掃出し時間Thで設定される露光時間(シャッタ速度)TS2は、上記フリーズスイッチ15が押される直前の絞り値(開口量An-1 〜A1 )によって決定される。例えば、全開時の1/3程度の開口量Amが設定されていたときに、フリーズスイッチ15が押されたとすると、絞り20が全開(An)とされて、電子シャッタ速度が約1/60秒から1/180秒に設定される。即ち、全開で光量が約3倍となるので、シャッタ速度を約1/3にすることにより、最適な光量を維持しながら、露光時間の短縮が達成できる。
【0022】その後は、図2(F)に示されるように、O/E信号のt2 からt3 の間に、CCD12から得られた奇数フィールドの信号(画素混合信号)が第1メモリ28に記憶され、図2(G)に示されるように、t3 〜t4 の間に偶数フィールドの信号が第2メモリ29に記憶される。そして、図2(H),(I)に示されるように、奇数及び偶数のフィールド信号が各メモリ28,29から交互に読み出されることにより、モニタに被観察体内の画像が表示される。
【0023】この結果、静止画については、絞り20を全開とすることにより、速いシャッタ速度で形成することができ、高画質の画像が得られる。従って、内視鏡自体のブレ、或いは被観察体に動きがあったとしても、その影響が小さい鮮明な静止画の観察が可能となる。
【0024】上記実施形態例では、CCD出力時画素混合方式で画像を形成するようにしたが、1回の露光で上記CCD12に蓄積された全画素の信号を遮光手段で設定された遮光期間を利用して読み出す全画素読出し方式を静止画選択時にのみ採用することもできる。即ち、フリーズスイッチが押されて全画素読出し方式を実行すると、所定(1番目とする)の1/60秒の期間(例えば図2のt1 〜t2 の間)内での露光により蓄積された電荷につき、2番目の期間(1/60秒)でCCD12の奇数ラインが読み出されて(転送ラインから読み出す)所定のメモリに記憶され、3番目(次の露光時)の期間で残りの偶数ラインが読み出され、これも所定メモリに記憶される。
【0025】ここで、上記の偶数ラインを読み出せるようにするために、上記2番目の期間の光源光が遮光手段により遮蔽される。即ち、上記奇数ラインの蓄積電荷を順次読み出す2番目の期間に、従来のように次の露光の電荷が蓄積されると、残りの偶数ラインの読出しができない。そのため、2番目の期間内での光出力をなくして、3番目の期間で偶数ラインの蓄積電荷を読み出す。これにより、1回の露光で得られた撮像素子の全画素分の信号を読み出すことができる。
【0026】次に、上記のメモリに最初に記憶された例えば奇数ラインのビデオ信号は、更に位相調整メモリに格納されて、1/60秒だけ遅延され、その後に、混合回路により、奇数ラインと偶数ラインのデータとの間で画素混合処理が行われる。例えば、0ライン+1ライン,2ライン+3ライン,4ライン+5ライン…の加算データが奇数フィールドデータとして、1ライン+2ライン,3ライン+4ライン,5ライン+6ライン…の加算データが偶数フィールドデータとなる。この画素混合処理は、結果としては撮像素子からの信号出力時に行われる撮像素子出力時画素混合読出し方式と同等の信号を形成するが、1回の露光で得られたデータに基づいて画素混合を行うという点で、撮像素子出力時画素混合読出し方式と区別される。
【0027】そして、この画素混合信号により奇数及び偶数のフィールド信号が形成され、これらのビデオ信号に基づいて静止画が表示される。従って、静止画は1回の露光で得られた全画素の信号に基づいて形成され、高画質の画像となる。このような全画素読出し方式で静止画を形成する装置においても、本発明を同様に適用することができる。この場合は、1回の露光で画像信号が得られるため、図2(C)の絞り制御信号はt1 〜t2 の1フィールド期間のみ出力し、図2(D)に示される絞り全開となる期間もt1 〜t2 の期間だけでよいことになる。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、光源絞り制御機構及び電子シャッタ機能を制御し、フリーズスイッチが押されたときには、絞りを全開又は全開に近い固定値に駆動し、かつ電子シャッタ速度を速くして、上記の絞りの開動作による光量増加に対応する受光量を減らすようにしたので、動画においては動きを忠実に再現し、静止画においてはぼけのない鮮明な画像を得ることができるという利点がある。
【出願人】 【識別番号】000005430
【氏名又は名称】富士写真光機株式会社
【出願日】 平成10年(1998)2月27日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 保人
【公開番号】 特開平11−244229
【公開日】 平成11年(1999)9月14日
【出願番号】 特願平10−64840