| 【発明の名称】 |
斜視内視鏡の処置具挿通チャンネル |
| 【発明者】 |
【氏名】小見 修二
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| 【要約】 |
【課題】処置具挿通チャンネルから処置具通路にかけて複数段階で角度変化させて処置具を対物レンズの光軸とほぼ平行な方向に向けることにより、この処置具通路内に処置具起立手段を設ける必要がなく、処置具通路の構成を簡略化すると共に、使用の都度行われる洗浄等を容易かつ迅速に行うようにする。
【解決手段】先端構成部2cに形成され、連結パイプ21で処置具挿通チャンネル20と接続される処置具通路19は部分開放通路部19aとトンネル状通路部19bとからなり、連結パイプ21は挿入部2の中心軸線A1 に対して角度θ1 傾斜して、第1段階目の角度変化部が形成され、処置具通路19に角度θ2 を有する第1の傾斜ガイド面23が形成されて第2段階目の角度変化部となり、絶縁カバー11の開口22に角度θ3 傾斜した第2の傾斜ガイド面24が形成される。処置具としての鉗子30はこれら3段階の角度変化部を順次通過して、対物レンズ15のほぼ光軸A2 方向に導出させる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 挿入部の先端構成部に、この挿入部の軸線に対して所定角度を有する傾斜平面部を形成し、この傾斜平面部に照明部及び観察部を設けて、この観察部に装着した対物レンズの光軸を挿入部の中心軸線に対して所定の角度傾けると共に、前記挿入部の軸線方向に延在させた可撓性を有する処置具挿通チャンネルに接続した処置具通路をこの傾斜平面部に開口させた斜視内視鏡において、前記処置具挿通チャンネルから処置具通路の先端開口までの間に、複数箇所の角度変化部を設けることにより、この処置具通路から導出される処置具を前記対物レンズの光軸とほぼ平行な方向に向ける構成としたことを特徴とする斜視内視鏡の処置具挿通チャンネル。 【請求項2】 前記処置具通路は前記処置具挿通チャンネルの軸線に対して浅い角度で立ち上がる方向に形成し、この処置具通路と処置具挿通チャンネルとの接続部に、第1段階目の角度変化部である通路間角度変化部を形成する構成としたことを特徴とする請求項1記載の斜視内視鏡の処置具挿通チャンネル。 【請求項3】 前記処置具通路を前記処置具挿通チャンネルへの接続側に円環状の内周面を有するトンネル状通路部と、このトンネル状通路部の先端側に設けられ、一部が開放された部分開放通路部とから構成し、この部分開放通路部に1乃至複数段階の通路内角度変化部を設ける構成としたことを特徴とする請求項1記載の斜視内視鏡の処置具挿通チャンネル。 【請求項4】 前記先端構成部は、先端部本体と、この先端部本体を覆う絶縁カバーとから構成され、この絶縁カバーに形成した開口に最終段の通路内角度変化部を形成する構成としたことを特徴とする請求項3記載の斜視内視鏡の処置具挿通チャンネル。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、観察視野を斜め前方に向けた斜視内視鏡に設けられ、鉗子その他の処置具を導出ガイドするための処置具挿通チャンネルに関するものである。 【0002】 【従来の技術】医療用等として用いられる内視鏡は、本体操作部に体腔内等への挿入部を連結して設ける構成としたものであるが、挿入部は体腔内等のように曲がった挿入経路に沿って挿入されることから、その大半の長さは軟性の部材からなるが、先端部は、照明部及び観察部が設けられるので、硬質部材からなる先端構成部となっている。この挿入部は患者の体内等における所定の観察対象部にまで導くことによって、照明部からの照明光の照射下で、観察部を介して体内の観察を行うことができるようになっている。また、観察結果により患部等が発見された時には、鉗子等の処置具を挿通させて、患部の摘出等の処置を施すことができるようになっており、このために挿入部の先端には前述した照明部及び観察部に加えて処置具導出部も設けられる。 【0003】ここで、内視鏡の観察部による観察視野の方向としては、挿入部の軸線方向、即ち前方に向いた直視内視鏡と、視野の中心が挿入部の軸線に対してほぼ直交する方向、即ち側方に向けた側視内視鏡とがあり、さらに直視内視鏡と側視内視鏡との中間の方向、即ち斜め前方に視野を向けた斜視内視鏡も用いられる。この斜視内視鏡は、挿入部の先端構成部に、この挿入部の軸線に対して所定の角度を持った傾斜平面部を形成して、この傾斜平面部に照明部及び観察部を設けるようにしたものである。観察部には対物レンズが設けられ、この対物レンズにより観察視野を確保するが、一般に内視鏡の観察部に装着される対物レンズは広角のものが用いられ、従って斜視内視鏡にあっては、その観察視野は挿入部の軸線方向を含み、しかもこの軸線と直交する方向も視野に入れることができ、例えば細い体腔管内で、挿入部を軸線方向に動かしながら体腔管壁の観察を行う場合や、胃内検査時における胃角部を視野に入れる等、臓器内の凹凸のある部位を観察する場合等に用いられる。 【0004】内視鏡には処置具挿通チャンネルが設けられ、この処置具挿通チャンネルには鉗子その他の処置具が挿通されるようになっている。処置具挿通チャンネルは可撓性のあるチューブ材から構成されるが、先端構成部においては、処置具導出部が設けられ、処置具挿通チャンネルの先端はこの処置具導出部に接続されている。そして、処置具を用いた処置を施すに当っては、内視鏡の観察部による監視下で行う必要がある。このために、処置具挿通チャンネルに接続した処置具導出部は先端構成部において照明部及び観察部に近接した位置に開口させるようにしている。 【0005】また、処置具導出部から処置具を導出させた時に、観察部による観察視野において、処置具を真直ぐ前方に導出できるようにする必要がある。しかしながら、対物レンズの光軸は挿入部の軸線に対して所定角度傾斜しているので、処置具を処置具導出部から導出させる際に、光軸方向に向くように方向転換させる必要がある。このために、処置具導出部には処置具起立手段が設けられており、この処置具起立手段により処置具を導出する際に、それを起立させることができるようになっている。ここで、処置具起立手段としては、処置具導出部内に基端側を枢支させた処置具起立台を設けることにより構成され、この処置具起立台の表面に処置具を所望の方向に案内する案内面が形成されている。そして、遠隔操作により処置具起立台の角度を制御するために、この処置具起立台に操作ワイヤの一端を連結して設け、この操作ワイヤの他端を本体操作部内にまで延在させて、本体操作部に設けた起立レバーに連結するようにしている。従って、起立レバーを操作することによって、処置具の先端部分を対物レンズの光軸とほぼ平行な方向に向くように曲げることができるようにしている。また、このように処置具の起立操作を可能にするために、処置具導出部を構成する先端の開口部は傾斜平面部から上側外周面にかけて大きく開くように構成している。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】前述したように、処置具起立手段を構成する処置具起立台は支軸を中心として回動する可動部材であることから、その構成が複雑であって、狭い通路からなる処置具導出部に組み付けるのは著しく面倒である。また、内視鏡は、患者の体内に挿入される関係から、使用の都度洗浄する必要があるが、処置具導出部に設けた処置具起立手段が装着されている部位は外部に露出しているので、体内の汚損物が付着することになるために、この処置具起立手段も洗浄しなければならない。この洗浄は、処置具起立台の表面全体はもとより、処置具起立台と支軸との間の摺動部等も汚損される可能性があることから、このような隙間に入り込んだ汚損物も完全に除去し、また滅菌するのは困難である。従って、この部位の洗浄効率は極めて悪く、完全な洗浄を期するのは極めて困難であり、また長時間の滅菌処理が必要になる等といった問題点がある。 【0007】ところで、内視鏡のうち、側視内視鏡にも処置具起立手段が設けられるが、この側視内視鏡に設けられる処置具起立手段は、処置具を所望の方向に送り出すために、即ち処置具を患部や細い体腔管等に向けて狙撃するためのものである。しかしながら、斜視内視鏡に設けられる処置具起立手段は患部等への狙撃性というより、むしろ観察部を構成する対物レンズの光軸とほぼ平行な方向に処置具を向け、真直ぐ導出させるためのものである。従って、処置具起立台は非起立位置と起立位置との2つの位置に変位するようになっておれば良いものであり、処置具が処置具導出部から対物レンズの光軸とほぼ平行に導出されるようになっておれば、起立操作する必要もない。 【0008】以上のことから、処置具導出部からの処置具の導出方向を調整すれば、処置具起立手段を装着する必要はない。このためには、処置具導出部を構成する処置具通路を湾曲させるようにするが、挿入部の軸線方向に延在させた処置具挿通チャンネルから処置具導出部に処置具が移行した後に、この処置具導出部内で対物レンズの光軸に対してほぼ平行な方向に方向転換させることができる。ここで、内視鏡に挿通される処置具としては、体内組織を把持したり、切除したりするための鉗子があり、また高周波処置を行うために、高周波スネアや電気メス等も用いられる。さらに、薬液散布チューブ等といったカテーテルも挿通される。これら各種の処置具のうち、全長が可撓性を有するものであれば、処置具導出部を構成する通路を曲げても、円滑に挿通させることができるが、例えば鉗子のように、先端に取付リングを設けて、この取付リングにリンク機構等により開閉可能な把持爪を設けるようにするが、取付リングの基端側から把持爪の先端部までの長さ部分は硬質部材となる。このように、先端側に硬質部分がある処置具を用いる場合には、その挿通経路としてはできるだけ真直ぐなものとなし、挿通経路の途中で曲げるにしても、角度は極めて緩やかにしなければならない。 【0009】処置具挿通路の曲げ角度を緩やかにするには、処置具通路をその軸線方向に向けて長くしなければならない。また、処置具通路の内径をより大きくすることによっても、曲げ角度を緩やかにすることができる。このために、挿入部としては、先端構成部の軸線方向の長さを長くするか、または外径寸法を大きくしなければならないことになる。 【0010】しかしながら、内視鏡の挿入部は患者の体内等に挿入されるものであり、この挿入経路には曲がった部分があり、また狭窄な部位も存在する。従って、挿入部を体腔内に円滑かつ迅速に挿入できるようになし、また挿入時における患者の苦痛軽減を図る等のために、その外径寸法をできるだけ細く、しかも硬質部分である先端構成部の軸線方向の長さを短縮する要請が極めて大きいことから、挿入部の中心軸線に対する傾斜平面部の角度をどのように設定するかにもよるが、視野の方向を直視内視鏡と側視内視鏡とのほぼ中間の角度、即ちほぼ45°として設定されている場合には、処置具通路を曲げると、先端に硬質部分のある処置具を実質的に挿入できなくなる等といった問題点がある。 【0011】本発明は以上の点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、処置具起立手段を設けずに、また挿入部を太径化させたり、先端の硬質部分の軸線方向の長さを長くしたりすることなく、鉗子等のように先端に所定長さの硬質部分がある処置具を確実に対物レンズの光軸とほぼ平行な方向から導出できるようにすることができるようにすることにある。 【0012】 【課題を解決するための手段】前述した目的を達成するために、本発明は、挿入部の先端構成部に、この挿入部の軸線に対して所定角度を有する傾斜平面部を形成し、この傾斜平面部に照明部及び観察部を設けて、この観察部に装着した対物レンズの光軸を挿入部の中心軸線に対して所定の角度傾けると共に、前記挿入部の軸線方向に延在させた可撓性を有する処置具挿通チャンネルに接続した処置具通路をこの傾斜平面部に開口させた斜視内視鏡であって、前記処置具挿通チャンネルから処置具通路の先端までの間に複数箇所の角度変化部を設けることにより、この処置具通路から導出される処置具を前記対物レンズの光軸とほぼ平行な方向に向ける構成としたことをその特徴とするものである。 【0013】ここで、処置具通路には挿入部の軸線方向に延在させた可撓性チューブからなる処置具挿通チャンネルが接続されるが、処置具通路をこの処置具挿通チャンネルの軸線に対して浅い角度で立ち上がる方向に接続することにより第1段階目の角度変化部である通路間角度変化部を構成できる。また、処置具導出部を構成する処置具通路としては、処置具挿通チャンネルへの接続側に円環状の内周面を有するトンネル状通路部と、このトンネル状通路部の先端側に設けられ、一部が開放された部分開放通路部とから構成するように構成した場合には、この部分開放通路部に1または複数の通路内角度変化部を設けることができる。さらに、先端部本体と、この先端部本体を覆う絶縁カバーとで先端構成部を構成した場合には、この絶縁カバーに最終段の通路内角度変化部を形成する構成とすれば良い。 【0014】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。而して、図1に内視鏡の全体構成を示す。この図から明らかなように、内視鏡は本体操作部1に患者の体腔等の内部に挿入する挿入部2を連設すると共に、この本体操作部1からユニバーサルコード3を引き出すようにしたものである。挿入部2は、本体操作部1への連設側から大半の長さ部分は挿入経路に沿って任意の方向に曲がる軟性部2aを有し、この軟性部2aの先端には遠隔操作により所望の方向に湾曲させることができるアングル部2bが連設されている。さらに、アングル部2bの先端には先端構成部2cが連設されており、このアングル部2bを湾曲操作することによって、先端構成部2cの方向を遠隔操作で制御できるようになっている。 【0015】次に、図2及び図3に挿入部2の先端部分の構成を示す。図2に示したように、挿入部2における先端構成部2cの先端部分には、挿入部2の中心軸線A1 に対して所定角度αだけ傾斜した傾斜平面部4が設けられている。この傾斜平面部4には、図3から明らかなように、照明部5及び観察部6と、処置具導出部7とが形成されている。傾斜平面部4には、また、観察部6に向けた洗浄用ノズル8が設けられており、この洗浄用ノズル8から供給される洗浄用流体で観察部6に付着する汚れを落とすことができるようになっている。 【0016】先端構成部2cは単一の硬質部材で形成することもできるが、図示したものにあっては、先端部本体10と絶縁カバー11とから構成している。このように、先端構成部2cを2部材で形成するのは、次の理由からである。即ち、先端部本体10には挿入部2内に挿通させた各種の部材における先端部分を挿入固定するために、複数の透孔や凹部等が形成されているので、これら透孔や凹部等を形成する加工が容易で、しかも複数の透孔等が形成された状態でなお十分な強度を持たせるためにステンレス等の金属材で形成する。そして、先端構成部2cは体腔内壁と直接接触するものであり、また処置具導出部7から導出される処置具としては、高周波処置具等もあることから、先端部本体10が直接体腔内壁に触れた状態で通電される処置具を作動させた時の安全を確保するために、金属からなる先端部本体10を電気絶縁性部材として、所定の厚みを有する硬質プラスチック等からなる絶縁カバー11が嵌着されている。そして、この絶縁カバー11には、先端部本体10に穿設した透孔に連なる開口が所要箇所設けられる。 【0017】観察部6としては、先端部本体10に穿設した透孔12に挿嵌され、絶縁カバー11に形成した開口13に臨むレンズ鏡胴14を有し、このレンズ鏡胴14内には複数枚のレンズからなる対物レンズ15が装着されている。また、レンズ鏡胴14にはプリズム保持枠16が嵌合されており、このプリズム保持枠16の基端部にはプリズム17が固着して設けられて、対物レンズ15の光軸がこのプリズム17により90°曲げられることになる。そして、このプリズム17には固体撮像素子18が取り付けられており、この固体撮像素子18の受光面は対物レンズ15の結像位置に配置される。ここで、対物レンズ15の光軸A2 は傾斜平面部4に対してほぼ直交しており、これによって光軸A2 は挿入部2の中心軸線A1 に対して角度θだけ傾斜し、直視内視鏡に対して視野が角度θだけシフトした斜視内視鏡が構成される。なお、この斜視内視鏡の視野範囲は図2にWで示した角度を有するものであり、広い視野角を有し、かつ挿入部2の中心軸線A1 方向も視野の範囲に収めることができると共に、この中心軸線A1 に対して実質的に直交する方向をも視野に収めることができるようになっている。 【0018】この内視鏡においては、鉗子その他の処置具を用いて適宜の処置を行うことができるようになっている。このために、処置具導出部7が形成されているが、この処置具導出部7は先端部本体10に穿設した処置具通路19を有するものである。この処置具通路19には挿入部2内に挿通させた可撓性のあるチューブ材から形成される処置具挿通チャンネル20が、硬質パイプからなる連結パイプ21を介して接続されている。この処置具挿通チャンネル20は挿入部2を貫通するように延在されて、その基端部は本体操作部1に設けた処置具導入部9に接続されている。 【0019】処置具通路19の先端は絶縁カバー11に形成した先端開口22に連なるものであって、この先端開口22は絶縁カバー11における傾斜平面部4から上側の側面部にかけて大きく開いている。これにより、処置具通路19は、先端側の部位は少なくとも上方の一部が切り欠かれて開放された部分開放通路部19aであり、また基端側の部位は全周が壁により囲まれたトンネル状通路部19bとなっている。ここで、処置具通路19には連結パイプ21が接続されており、この連結パイプ21も硬質部材から構成されることから、この連結パイプ21の基端部までの通路部分が実質的にトンネル状通路部19bとなる。処置具挿通チャンネル20は、少なくともアングル部2bより基端側では、挿入部2の軸線方向に延在されており、処置具は従って挿入部2の軸線方向に向けて挿通される。一方、処置具が処置具導出部7の先端開口22から導出される際には、対物レンズ15の光軸A2 とほぼ平行な方向に向けられる。従って、処置具挿通チャンネル20から処置具通路19かけての部位で、挿入部2の中心軸線A1 と光軸A2 との間の角度θにほぼ相当する角度分だけ曲げられることになる。 【0020】処置具を対物レンズ15の光軸A2 とほぼ平行な方向に導出させるために、処置具挿通チャンネル20から処置具通路19にかけての部位で3段階に及ぶ段階的な角度変化を持たせている。ここで、角度変化の方向としては、挿入部2の中心軸線A1 と平行な方向から、対物レンズ15の光軸A2 に平行な方向に向けてであり、この方向は挿入部2の中心軸線A1 に対し起き上がる方向である。なお、角度変化は3段階だけに限定されない。ただし、2段階や1段階での角度変化で処置具を光軸A2 とほぼ平行にしようとすると、角度変化が急激になり過ぎるので好ましくはない。 【0021】まず、第1段階目の角度変化部は、処置具通路19の一部を構成する連結パイプ21と、この連結パイプ21に接続した処置具挿通チャンネル20との間に形成されている。従って、この第1段階目の角度変化部は、一方側の通路を構成する処置具挿通チャンネル20と他方の通路を構成する処置具通路19との間における通路間角度変化部となる。この通路間角度変化部は可撓チューブからなる処置具挿通チャンネル20の連結パイプ21への接続部分の近傍部位を湾曲させることにより形成される。従って、処置具の先端における硬質部分の長さと外径とから、処置具が処置具挿通チャンネル20から無理なく円滑に連結パイプ21に移行できる程度の角度となるように設定される。これによって、連結パイプ21は挿入部2の中心軸線A1 に対して角度θ1 だけ起き上がることになる。そして、このように連結パイプ21を傾斜させることによって、挿入部2の中心軸線A1方向の長さが短縮される。従って、硬質部分の長さの短縮が図られる。 【0022】次に、第2段階目の角度変化部は処置具通路19におけるトンネル状通路部19bから部分開放通路部19aへの移行部を過ぎた直後の位置となっている。これによって、処置具通路19は連結パイプ21に連なるトンネル状通路部19bから角度θ2 だけ起き上がった第1の傾斜ガイド面23が形成されることになる。そして、この傾斜した第1の傾斜ガイド面23に沿って処置具が移動する際に、処置具通路19の上部におけるトンネル状通路部19bから部分開放通路部19aへの移行部が支点位置Sとなり、処置具はこの角度θ2 分だけ起き上がるようになる。従って、この第2段階目の角度変化部は通路内角度変化部となる。 【0023】そして、処置具通路19は、先端カバー11に形成した開口22により外部に開口しており、処置具はこの開口22を通過するが、この開口22の処置具通路19における第1の傾斜ガイド面23に連なり、この第1の傾斜ガイド面23からさらに起き上がる方向に角度θ3 だけ傾斜した第2の傾斜ガイド面24が形成されている。従って、この絶縁カバー11に形成した開口22を構成する第2の傾斜ガイド面24が第3段階目の角度変化部となる。そして、第1の傾斜ガイド面23に摺動しながら送り出された処置具は、この第2の傾斜ガイド面24を乗り越えるようにして最終的に外部に導出される。 【0024】本実施の形態は以上のように構成されるものであって、挿入部2を患者の体内等に挿入して検査や観察等を行うが、照明部5及び観察部6は先端構成部2cにおける傾斜平面部4に設けられているから、その観察視野は斜め前方に向いた状態となり、しかも挿入部2の軸線方向の部位も視野に入れることができる。従って、食道等の体腔管内において、その管壁を観察しながら挿入を進めるという操作も容易に、しかも安全かつ確実に行うことができる。また、例えば胃の内部の検査を行うに当って、胃角部を視野に入れるに当っては、直視内視鏡ではアングル部を大きく湾曲させなければ視野に入れることができず、また空間が狭いために視野に入る程度にまでアングル部を湾曲操作できない場合があるが、このような斜視内視鏡を用いることにより、図4に示したように、アングル部2bを僅かな角度湾曲させるだけで確実に視野に捉えることができる。 【0025】ところで、内視鏡による検査の結果、患部等が発見されると、処置具を用いて患部の摘出その他の処置を行うことができるようになっている。処置具としては種々の機能を持ったものが用いられる。例えば、高周波処置具としての高周波スネアや、薬液等を供給するチューブは、内視鏡に挿通される部位のほぼ全体が可撓性を有することから、処置具の挿通経路が曲がっていたとしても、それらの挿通は円滑に行える。ただし、先端部分が硬質の作動部を有する処置具もある。この種の処置具としては、例えば図5に示した鉗子30がある。 【0026】鉗子30は、体腔内壁における患部を把持したり、切除したりするものであり、先端に一対または3個乃至それ以上の把持爪31を有し、この把持爪31は取付リング32にリンク部材等を介して開閉可能に支持されている。そして、取付リング32にはコード部材33の先端が連結して設けられており、このコード部材33の基端部は開閉操作部材34が連結して設けられている。ここで、コード部材33は密着コイル等からなる可撓性を有する外套管内に操作ワイヤを挿通させたものであって、開閉操作部材34を操作すると、操作ワイヤが押し引きされて、把持爪31が開閉することになる。 【0027】この鉗子30のうち、内視鏡に設けた処置具の挿通経路、即ち処置具挿通チャンネル20から連結パイプ21を経て処置具導出部7を構成する処置具通路19内に挿通されるのは、先端の把持爪31からコード部材33の大半の部位であり、このコード部材33の基端側の部位と開閉操作部材34は本体操作部1における処置具導入部9から外部に配置される。コード部材32は曲げ自在な構成となっているが、把持爪31及び取付リング32は曲げ不能な硬質部分である。しかも、患部等の把持をより効率的に、しかも確実に行うためには、把持爪31としては、できるだけ大型のものを用いるのが望ましく、従って鉗子30の先端側には把持爪31から取付リング32の全長に及ぶ長さLを有し、外径がDとなった硬質部分が形成されることになる。このために、処置具の挿通経路に曲がった部位があると、その部位を通過させるのが困難になる。 【0028】そこで、直径が大きく、しかも先端に長い硬質部分のある鉗子30を、例にとって、以上のような処置具の挿通経路を有する斜視内視鏡に挿通させる操作について説明する。なお、この鉗子以外の処置具、例えば高周波処置具やチューブ類等も挿通できるのは言うまでもない。そして、他の処置具は全長にわたって軟性部材で形成されている場合には、処置具の挿通経路が曲がっていても、円滑に挿入できる。また、先端に硬質部分がある処置具であっても、鉗子30の硬質部分より長さ方向が短いか、または直径が小さいものである場合には、以下の説明から明らかなように鉗子30が挿通できる以上、これらも当然挿通経路に沿って挿通できるようになる。 【0029】而して、斜視内視鏡にあっては、対物レンズ15による観察視野は、挿入部2の中心軸線A1 に対して角度θだけ傾いているが、挿入部2におけるアングル部2bから先端構成部2cへの連設部までは、処置具挿通チャンネル20はこの挿入部2の中心軸線A1 と平行に延在されている。従って、例えばアングル部2bを極端な角度で湾曲させる等といった状態を除いて、処置具通路19の最基端部を構成する連結パイプ21の端部位置までは、先端に長尺で大径の硬質部分を有する鉗子30でも円滑かつ確実に挿入できる。 【0030】ここで、処置具挿通チャンネル20から処置具通路19への移行部分に通路間角度変化部を構成する第1段階目の角度変化部が形成されている。即ち、連結パイプ21の軸線は挿入部2の中心軸線A1 に対して角度θ1 傾斜しているので、鉗子30は連結パイプ21に入り込む際に、角度θ1 だけ起き上がる方向に曲げられることになる。そして、変化可能な角度は、最大径で最長の硬質部分を有する処置具と、連結パイプ21の内径とにより定まる。 【0031】次に、処置具通路19内において、トンネル状通路部19bから部分開放通路部19aに移行した直後に第1の傾斜ガイド面23が設けられており、これが第2の角度変化部となる。従って、連結パイプ21から導出された鉗子30は、図6に示したように、その先端における把持爪31が第1の傾斜ガイド面23に当接して、この第1の傾斜ガイド面23に沿って摺動する。この結果、鉗子30の上側の部位が支点位置Sに当接するが、この支点位置Sより先端側は開放された空間となっているから、鉗子30の先端部はこの開放空間に向けて進行することになる。この結果、鉗子30の硬質部分は支点位置Sに沿って回動するように進行して、図7に示したように、絶縁カバー11の開口22を構成する第2のガイド面26に対面する位置に至る。この第1の傾斜ガイド面23は連結パイプ21の軸線に対して角度θ2 だけ傾斜しているから、鉗子30の先端部分はさらに起き上がることになる。 【0032】以上の状態から、さらに鉗子30を押し出すと、その先端の把持爪31が第2の傾斜ガイド面24を乗り越えることになる。そして、硬質部分の基端側がまず支点位置Sを抜け出し、次いで第2の傾斜ガイド面24を抜け出すことになる。この結果、鉗子30のコード部材33が処置具通路19の全長に及ぶ図8の状態になる。コード部材33は可撓性を有することから、基端側の部位が支点位置Sに当接し、また先端側の部位が第2の傾斜ガイド面24の上端部に当接して、これらの2点が支点としてその間が湾曲した状態になる結果、鉗子30の導出部分はほぼこの第2の傾斜ガイド面24とほぼ平行な方向に導出されるようになる。この結果、鉗子30の導出方向としては、3箇所の角度変化部により光軸A2の角度θとほぼ同じ角度となり、対物レンズ15の光軸A2 方向、即ち観察視野の前方側に向けて真直ぐに延在されるようになる。従って、観察部6による監視下で、鉗子30を患部等に向けて狙撃するのに都合が良く、その操作性が極めて良好となる。 【0033】しかも、角度変化は3段階にわたるように構成しているので、各角度変化部における角度変化を小さくでき、しかも周囲の構造に応じてそれぞれ異なる角度となるように、即ちθ1 <θ2 <θ3 というように個別的に角度設定を行うことができる。これによって、処置具がこれら各角度変化部を移行する際における抵抗が著しく小さくなり、処置具の挿通操作を容易かつ迅速に行えるようになる。 【0034】さらに、斜視内視鏡において、処置具起立手段を設けることなく鉗子等の処置具を対物レンズ15の光軸A2 とほぼ平行な方向に導出できるようになっているので、処置具通路19を形成した処置具導出部7には角度を持った壁部が形成されているものの、可動部材が装着される訳でないので、その構成が著しく簡略化されると共に、使用後に行われる洗浄や消毒も容易になり、完全な滅菌消毒が可能になる。 【0035】なお、前述した実施の形態においては、先端構成部を先端部本体と絶縁カバーとから構成したものを示したが、先端構成部を単一の部材で形成する場合にあっては、処置具通路の先端部に第3の傾斜ガイド面を形成するように構成すれば良い。 【0036】 【発明の効果】以上説明したように、本発明は、挿入部において、処置具挿通チャンネルから先端構成部に形成した処置具通路にかけての部位に複数箇所の角度変化部を設けることにより、処置具通路から導出される処置具を対物レンズの光軸とほぼ平行な方向に向ける構成賭したので、この処置具通路内に処置具起立手段を設ける必要がなく、処置具通路の構成が著しく簡略化されると共に、使用の都度行われる洗浄等を容易かつ迅速に行うことができ、しかも完全に滅菌された状態にすることができる等の効果を奏する。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005430 【氏名又は名称】富士写真光機株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)3月6日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】影井 俊次
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| 【公開番号】 |
特開平11−244227 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)9月14日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−71189 |
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