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【発明の名称】 内視鏡装置
【発明者】 【氏名】本木 伸幸

【氏名】此村 優

【要約】 【課題】挿入部を巻回するドラム部を有し、ドラム部の外部の湾曲操作手段による湾曲指示により湾曲用線材をドラム部内部の駆動用モータで進退移動して、湾曲部を湾曲させる内視鏡装置を提供すること。

【解決手段】挿入部21はドラム部32に巻き取り可能であり、ドラム部32の外部に設けたジョイスティック44を操作して所望の方向への湾曲指示をすることにより、ドラム部32の内部のアクチュエータ部を構成するラック・ピニオン部のモータを回動させて挿入部21内の湾曲部23側からドラム部32内まで挿通された操作用線26を挿入部21の長手方向に進退移動させて湾曲部23を湾曲させる構成にした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】観察光学系及び照明光学系を備えた先端部と、湾曲自在の湾曲部とを有する細長で柔軟性のある挿入部と、前記挿入部の基端部が連結され、前記挿入部が巻回される巻き取り部が設けられたドラム部と、前記湾曲部側から前記ドラム部内に挿通された湾曲用線材と、前記ドラム部内に設けられ、前記湾曲用線材を前記挿入部の長手方向に進退移動することにより、前記湾曲部を湾曲させる駆動用モータと、前記ドラム部の外部に設けられ、前記駆動用モータを介して前記湾曲部を湾曲させる湾曲指示の操作を行う湾曲操作手段と、を備えたことを特徴とする内視鏡装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内視鏡挿入部を湾曲させる湾曲機構部を備える内視鏡装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、細長の挿入部を体腔内に挿入することにより、体腔内臓器などを観察したり、必要に応じて処置具チャンネル内に挿通した処置具を用いて各種治療処置のできる医療用の内視鏡が広く利用されている。また、工業分野においても、ボイラ,タービン,エンジン,化学プラントなどの内部の傷や腐蝕などを観察したり検査することのできる工業用内視鏡が広く利用されている。例えば、前記工業用内視鏡を用いてジェットエンジン内部のコンプレッサブレード(以下、ブレードと称する)の非破壊検査を行うと、ジェットエンジンが運転中に吸い込んだ鳥や石や氷などによって発生した、ブレードのエッジの欠けや亀裂などの損傷を発見することができる。
【0003】一般に、挿入部が軟性の内視鏡では挿入部に湾曲部を設け、この挿入部内に挿通した湾曲操作ワイヤを湾曲手段を用いて進退させることにより、前記湾曲部を湾曲させられるようになっている。このように、湾曲手段によって湾曲部を目的の方向及び角度に湾曲させることにより、挿入部先端を目的の方向へ向けて観察を行ったり、被検部位への挿入が容易に行えるようになっている。
【0004】従来の内視鏡の湾曲部の湾曲構造としては、複数の駒部材を回動自在に連接させて湾曲管を形成し、この湾曲管を構成する最先端の駒部材に遠隔操作のための湾曲操作ワイヤを固定し、このワイヤを牽引操作することによって、湾曲部を所望の方向に湾曲させる湾曲管構造が用いられていた。
【0005】従来例の内視鏡装置として、例えば特開平5−142482号においては、挿入部をドラムに巻き付ける構成のものが開示されている。また、特開平4−81711号公報では、流体圧により、湾曲部を湾曲させる内視鏡装置を開示している。
【0006】また、USパテント5,090,259ではパイプ内に挿入部を自走させる手段を備えた内視鏡装置を開示している。この他に、USパテント5,373,317、特開平4−81711号公報、特公平5−56486号公報がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来例では、挿入部を巻回するドラム部を有し、かつ挿入部に設けられた湾曲部を湾曲する湾曲用線材を駆動用モータで挿入部の長手方向に進退移動することにより、前記湾曲部を湾曲させる駆動用モータをドラム部内に設け、このドラム部の外部に湾曲部の湾曲指示操作を行う湾曲操作手段を設けたものがなかった。
【0008】本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、挿入部を巻回するドラム部を有し、かつ挿入部に設けられた湾曲部を湾曲する湾曲用線材を駆動用モータで挿入部の長手方向に進退移動することにより、前記湾曲部を湾曲させる駆動用モータをドラム部内に設け、このドラム部の外部に湾曲部の湾曲指示操作を行う湾曲操作手段を設けた内視鏡装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の内視鏡装置は、観察光学系及び照明光学系を備えた先端部と、湾曲自在の湾曲部とを有する細長で柔軟性のある挿入部と、前記挿入部の基端部が連結され、前記挿入部が巻回される巻き取り部が設けられたドラム部と、前記湾曲部側から前記ドラム部内に挿通された湾曲用線材と、前記ドラム部内に設けられ、前記湾曲用線材を前記挿入部の長手方向に進退移動することにより、前記湾曲部を湾曲させる駆動用モータと、前記ドラム部の外部に設けられ、前記駆動用モータを介して前記湾曲部を湾曲させる湾曲指示の操作を行う湾曲操作手段と、を備えたことを特徴とする。
【0010】この構成によれば、ドラム部の外部に設けた湾曲操作手段の操作により、ドラム部の内部に設けた駆動用モータの駆動動作を制御して、挿入部の湾曲部を湾曲させることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について述べる。
【0012】図1ないし図11は本発明の第1実施形態に係り、図1は本実施形態の内視鏡装置の概略構成を示す説明図、図2はドラム部の概略構成を示す説明図、図3は挿入部の先端側を示す斜視図、図4は挿入部の先端側の構成を説明する断面図、図5は先端アダプタに設けられている導電用ホルダの構成及び作用を説明する図、図6は図4のA−A断面図、図7はドラム部とコネクタとの接続関係及びドラム部内のアクチュエータ部の構成を示す説明図、図8はアクチュエータ部の具体的な構成例を示す説明図、図9は挿入部とドラム部との具体的な取付け例を示す説明図、図10は内視鏡装置の概略構成を説明するブロック図、図11は湾曲部の湾曲状態を示す説明図である。
【0013】図1に示すように本実施形態の内視鏡装置1は、例えば長尺で柔軟性を有する挿入部21を備えた工業用内視鏡2と、この工業用内視鏡(以下内視鏡と略記する)2の挿入部21を巻回する、台31に対して回動自在なドラム部32を備えたドラム装置3と、このドラム装置3に着脱自在で、細長な電気ケーブル41の基端部に操作手段及び観察手段を備えたコントローラー4とで構成されている。
【0014】前記内視鏡2の挿入部21は、基端部が前記ドラム部32に取り付けられている柔軟な可撓管22と、この可撓管22の先端側に連設されて所望の方向に湾曲するように構成された後述する湾曲部23と、この湾曲部23の先端側に連設して観察光学系として電荷結合素子(CCDと略記)などの固体撮像素子を内蔵した先端硬性部24とにより構成されている。この先端硬性部24には視野角や視野方向を変換する複数種類(図中では2種類)の先端アダプタ5a,5bが着脱自在に取り付けられるようになっている。
【0015】図2に示すように前記ドラム部32内にはCCDで撮像した像をTV信号に生成する画像処理回路やCCDを駆動するためのタイミング信号を発生するタイミング発生回路などを備えたカメラコントロールユニット(以下CCUと記載する)33、湾曲手段を構成するアクチュエータ部34、前記湾曲部23の湾曲状態を前記コントローラの操作手段からの指示信号を基に制御する制御回路35及び前記CCDやアクチュエータ部34、制御回路35の電源供給部となるバッテリ36が配設されている。なお、これらCCU33,アクチュエータ部34,制御回路35,バッテリ36は回転バランスを考慮してドラム部32内に配設されており、前記ドラム部32の重量バランスを最適に保つためにバランスウエイトを付加することができるようになっている。
【0016】前記コントローラー4の電気ケーブル41の先端部には、前記ドラム部32の回転中心位置に設けられる後述するコネクタ接続部に対して着脱自在なコネクタ42が設けられている。また、前記コントローラ4にはCCDで撮像された内視鏡像が表示されるLCDモニタ43及び前記湾曲部23を所望の方向に湾曲させる際に操作するジョイスティック44が設けられている。
【0017】まず、内視鏡2について説明する。図3に示すように前記先端硬性部24には先端面に1つの観察窓を構成する観察用レンズカバー51と2つの照明窓を構成する照明用レンズカバー52,52とを設けた例えば先端アダプタ5aが接続されている。また、可撓管22と湾曲部23との間には可撓管前口金6が設けられており、この可撓管前口金6の外周面には2つの金属接点6aが設けられている。
【0018】図4を参照して挿入部21の先端側の構成を説明する。前記可撓管22は、最外装に含浸樹脂層22aを設け順次、金属網線層22b、金属螺旋管22cを配設した3層構造で柔軟に構成されている。
【0019】前記可撓管22の先端部には略パイプ形状の可撓管前口金6が配設されている。この可撓管前口金6に設けられている金属接点6aは、一方が陰極用金属接点6nであり、他方が陽極用金属接点6pである。これら金属接点6n,6pにはそれぞれの特性に対応した電気ケーブル6bの一端が接続されている。なお、これら金属接点6n,6pは、非導電性のカラー6cを介して可撓管前口金6に配設されている。また、これら金属接点6n,6pを保護するように可撓管前口金6の外周面には非導電性のコイルバネ6dが配設されている。
【0020】前記可撓管前口金6の先端部には湾曲部23を構成する合成ゴム製の樹脂被覆25の一端部が被覆されており、この樹脂被覆25の他端部は前記先端硬性部24の基端部に被覆されている。そして、この樹脂被覆25の両端部に糸巻き接着部(不図示)を設けて、前記可撓管前口金6及び先端硬性部24と前記樹脂被覆25とを一体的に固定している。
【0021】前記先端硬性部24には前記樹脂被覆25と共に湾曲部23を構成する線材として Ni-Ti 系の合金で超弾性特性を有し、一般的に超弾性合金といわれる線材で形成した操作用線26の一端部が固定されている。この操作用線26の他端部は前記可撓管前口金6内及び可撓管22内を挿通してドラム部32に設けられて、この操作用線26を挿入部長手方向に対して進退操作する湾曲手段であるアクチュエータ部34に接続固定されている。なお、本実施形態では前記操作用線26を3本設けており、この3本の操作用線26の配置位置関係については後述する図6で説明する。
【0022】前記湾曲部23内に位置するこの操作用線26には操作用線26の湾曲方向を検知するために歪みゲージなどのセンサ26aが設けられている。このセンサ26aで検知した湾曲状態検出信号は、このセンサ26aから延出する信号伝送線26bを伝送されてドラム部32内の制御回路35に出力されるようになっている。
【0023】前記先端硬性部24には観察光学系を構成するCCD27及び後述する照明光学系を構成する発光素子である例えばLEDデバイス(以下LEDと記載する)54に照明用電力を供給する陰極及び陽極の接点となる第2の電気接点となる接点用電極28が設けられている。
【0024】前記CCD27にはCCD27を駆動させる駆動回路27aやこのCCD27の撮像面に結像されて光電変換された電気信号を増幅するプリアンプ27bなどが設けられている。これら駆動回路27aやプリアンプ27bからは信号の授受を行う信号ケーブル29が前記湾曲部23,可撓管前口金6及び可撓管22内を挿通してドラム部32まで延出しており、この信号ケーブル29の基端部がドラム部32に設けたCCU33に接続されている。
【0025】一方、前述の接点用電極28にはそれぞれの電極の特性に対応する電線28aの一端が接続されており、挿入部21内を挿通する電線28aの他端がドラム部32に設けられているバッテリ36に接続されている。
【0026】前記先端硬性部24の先端部には観察光学系を構成する観察用レンズカバー51及び対物レンズ53と、照明光を供給するLED54を配設した先端アダプタ5aが配置されており、前記先端硬性部24の外周面に形成されている雄ネジ部(不図示)に螺合する雌ネジ部を内周面側に形成した回転リング50を介して前記先端アダプタ5aが挿入部最先端に連結固定されている。なお、この回転リング50には先端アダプタ5aと先端硬性部24との連結部分から内視鏡内部に塵や水などが侵入することを防止する水密部材が設けられている。
【0027】前記先端アダプタ5aに設けられているLED54には前記先端硬性部24に設けた接点用電極28に対向する陰極端子54n及び陽極端子54pが設けられている。なお、前記LED54は、前記内視鏡の観察光学系の視野方向に一致した光軸を有している。
【0028】前記先端アダプタ5aには絶縁部材で形成した導電用ホルダ7が配設されている。この導電用ホルダ7には前記LED54の陰極端子54n及び陽極端子54pと前記接点用電極28とを導通させる導電性を有する圧縮バネ71及び金属製ボール72を配設する取付け用透孔73が形成されており、図5(a)に示すようにこの取付け用透孔73に前記金属製ボール72及び圧縮バネ71を配設したとき、前記圧縮バネ71の端面に陰極端子54n又は陽極端子54pが接触する第1の電気接点を構成している。そして、前記先端アダプタ5aが先端硬性部24に取り付けられていない状態のときには、前記コイルバネ71の付勢力によって、基端側に配置されているボール72が基端面から寸法aだけ突出するようになっている。
【0029】一方、図5(b)に示すように前記先端アダプタ5aが先端硬性部24に取り付けられた状態のとき、圧縮バネ71に付勢されているボール72と接点用電極28の先端面とが接触した状態になる。このことにより、バッテリ36からLED54に電線28a、接点用電極28、ボール72、圧縮バネ71及び端子54n,54pを介して照明用の電力が供給されて、LED54が点灯する。このとき、前記ボール72は圧縮バネ71の付勢力によって常に接点用電極28の先端面に押圧された状態で接触するので、内視鏡の操作に関わらず確実な導通を図ることができる。
【0030】図6に示すように湾曲部23を構成する操作用線26は、LED54に電力を供給する接点用電極28を配設した2つの導電用ホルダ7に当接することなく、そして内部空間を十分に確保するために先端硬性部24の外周面側に正三角形形状を形成するように3本固定されている。
【0031】また、前記先端硬性部24に固定されてドラム部32まで延出する3本の操作用線26は、これら3本の操作用線26から任意の2本の操作用線26を一組として複数の平面を形成したとき、任意の一組の操作用線26で形成される複数の平面のうち少なくとも一組の平面が、前記挿入部(湾曲部)21の中心軸を含まない平面を形成するように、配置されている。
【0032】このため、アクチュエータ部34によって、3本の操作用線26の少なくともどれか1本の操作用線26が進退移動されることにより、前記アクチュエータ部34によって進退移動されていない操作用線26が、前記進退移動した操作用線26の移動に抗した後、湾曲部23が進退移動された操作用線26の方向に湾曲するようになっている。
【0033】次に、ドラム装置3について説明する。図7に示すように挿入部21を構成する可撓管22の基端部はドラム部32の巻取り面32aに設けられている接続具32bに連結されており、前記湾曲部23,可撓管前口金6,可撓管22内を挿通してドラム部32内に延出している操作用線26の他端部がアクチュエータ部34を構成しているラック・ピニオン部34aのラック34bに連結されている。前記ラック34bは、ピニオン34cの回動に対応して進退移動するように構成されており、前記ピニオン34cは回動自在なモータ37によって回転されるようになっている。このモータ37は、ドラム部32内部に固定されている。
【0034】図8に示すように前記アクチュエータ部34には、挿入部21内を挿通している3本の操作用線26にそれぞれ対応するように3つのラック・ピニオン部34aが設けられており、各ラック・ピニオン部34aのラック34bに各操作用線26の端部が連結固定されている。
【0035】即ち、前記操作用線26は、それぞれの操作用線26に対応するラック・ピニオン部34aの動作に対応して独立して進退するように構成されており、各ラック・ピニオン部34aの動作を適宜制御して、各ラック34bを進退移動させることによって、このラック34bに固定されている操作用線26が進退移動して湾曲部23が所望の方向に湾曲する。
【0036】また、操作用線26を湾曲部23の湾曲が解除される初期位置から湾曲部側へ押し込むように移動させて湾曲部23を湾曲させ、また湾曲部23の湾曲が解除される位置まで操作用線26を復帰させることによって湾曲を解除させる構成としてもよい。
【0037】また、挿入部21内を挿通してドラム部32内まて延出している信号伝送線26bや信号ケーブル29の端部は、図に示すようにドラム部32内に配設されている制御回路35及びCCU33にそれぞれ接続されている。
【0038】なお、前記内視鏡2の挿入部21とドラム部32との具体的な取付けは図9に示すようにして行われる。すなわち、図に示すように挿入部21の基端側である可撓管22の基端部が接続される接続具32bは、ドラム部32の巻取り面32aに対してビスで着脱自在な構成になっている。
【0039】そして、前記接続具32bからはドラム部32に設けられているCCU33や制御回路35あるいはバッテリ36に電気的に接続されるコネクタ32cが設けられている。このため、前記接続具32bのコネクタ32cをドラム部32に設けられている相手側コネクタに接続することによって、挿入部21内を挿通する信号伝送線26bや信号ケーブル29と制御回路35及びCCU33とが接続される。なお、前記コネクタ32cをドラム部内の相手側コネクタに接続した後、ビスを用いて接続具32bを巻取り面32aに固定することによって挿入部21とドラム部32との接続が完了する。
【0040】また、前記モータ37の回転軸37aとピニオン34cとの間に減速歯車機構を設け、モータ37の回転速度を減速させるようにしてもよい。
【0041】次いで、前記制御回路35及びCCU33と前記コントローラ4との接続関係について説明する。図7に示すようにドラム装置3の台31の側面からは、内部に軸受部31bを設けたコネクタ受け31aが凸設している。このコネクタ受け31aの軸受部31bには前記ドラム部32の側面中央部から突出して複数の接点部をコネクタ接続部39の底面に備えた軸部38が台31に対して回動自在に取り付けられている。
【0042】前記ドラム部32から突出する軸部38のコネクタ接続部39の底面側には前記CCU33から延出する映像用信号線33aが接続された映像信号用接触電極39a及びグランド線33bが接続されたグランド用(GND用とも記載する)端子39bが設けられると共に、前記制御回路35から延出する双方向通信のための通信用ケーブル35fと接続された通信用フォトダイオード39c及び通信用LED39dが複数設けられている。
【0043】前記映像用信号線33aが接続されている映像信号用接触電極39aは、前記ドラム部32の回転中心軸上に配置されている非導電性の第1ホルダ75に設けられている。一方、前記グランド線33bが接続されているGND用端子39bは、前記映像信号用接触電極39aから離れたコネクタ接続部39の外周面近傍に配置された非導電性の第2ホルダ76に収納されており、この第2ホルダ76内に配設されている圧縮バネ71によって、常に前記GND用端子39bが側面外方向に付勢されている。また、前記通信用フォトダイオード39c及び通信用LED39dの前面には拡散板39eが配置されている。
【0044】一方、前記コネクタ受け31aに挿通されて、コネクタ接続部39に接続されるコネクタ42の先端面には前記コネクタ接続部39に配置した映像信号用接触電極39a,GND用端子39b,通信用フォトダイオード39c及び通信用LED39dの前面に配置された拡散板39eにそれぞれ対向する映像信号用接続端子42a、GND用接触電極42b、通信用LED42c及び通信用フォトダイオード42dが設けられている。
【0045】また、前記映像信号用接続端子42aは、コネクタ42の中心位置に充填材などで封止固定された非導電性の第2ホルダ76に収納されており、この第2ホルダ76内に配設された圧縮バネ71によって、常に前記映像信号用接続端子42aは側面外方向に付勢されている。また、前記通信用LED42c及び通信用フォトダイオード42dは、それぞれコネクタ接続部39に設けられている通信用フォトダイオード39c及び通信用LED39dに対向するように充填材などで封止固定されている。さらに、前記GND用接触電極42bは、前記コネクタ接続部39の外周面側近傍に配置されたGND用端子39bと確実に導通が取れるようにコネクタ42の先端面にリング状に配置されている。
【0046】このことにより、コントローラ4に設けられているジョイスティック44を操作して出力された湾曲指示信号に対応して通信用LED42cで発光された光は、コネクタ接続部39の拡散板39eで拡散されてフォトダイオード39cに到達して通信用ケーブル35fを介して制御回路35に伝達される。このとき、前記コネクタ42がコネクタ接続部39に対してどのような周方向の位置関係で取り付けられていた場合でも、複数の通信用LED42cと拡散板39eの拡散効果とにより発光した光は確実に湾曲指示信号として制御回路35に伝達される。
【0047】また、CCU33から延出している映像用信号線33aに接続されている映像信号用接触電極39aに接触する映像信号用接続端子42a及びコネクタ42に設けられているGND用接触電極42bに接触するGND用端子39bは、圧縮バネ53の付勢力によって、常時接触電極39a,42bに接触するように押圧されているので、端子42a,39bと電極42b,39aとの導通を確実に図って、信号の授受を行うことができる。
【0048】なお、前記コネクタ受け31aの内周面口元には、塵、水などが接続部内部に侵入することを防止すると共に、コネクタ42のコネクタ受け31aからの抜けを防止するOリング31cが設けられている。
【0049】上述のように構成した内視鏡装置1の作用を図10のブロック図を参考に説明する。前記内視鏡2の先端硬性部24には観察部位を照明するLED54及びこのLED54で照らされた観察部位を撮像するCCD27,このCCD27を駆動させる駆動回路27a,このCCD27の撮像面に結像して光電変換された電気信号を増幅するプリアンプ27bが設けられている。また、この先端硬性部24に先端部が固定されてアクチュエータ部34まで延出している操作用線26の湾曲部23内に位置する中途部には各操作用線26の湾曲状態を検出するセンサ26aが設けられている。
【0050】前記ドラム装置3のドラム部32の内部には前記CCD27の電気信号を映像信号に生成する画像処理回路等を備えたCCU33、前記操作用線26を進退操作するアクチュエータ部34、前記湾曲部23の湾曲状態等を制御する制御回路35、電源であるバッテリ36が設けられている。
【0051】前記LED54は、挿入部21を構成する可撓管22がドラム部32に連結固定されることによって、バッテリ36からの電力が供給されて点灯する。
【0052】前記コントローラ4には、操作スイッチであるジョイスティック44、このジョイスティック44の動きを湾曲指示信号に変換するCPU45、このCPU45で変換した湾曲指示信号を前記制御回路35に出力するための通信用回路46、前記CCU33から伝送されるTV信号の受信部となるTV信号受信回路47、テレビモニタであるLCDモニタ43、このLCDモニタ43に画像情報や文字情報を表示するためのスーバーインポーザー48が設けられている。
【0053】前記先端硬性部24に設けられているCCD駆動回路27aは、CCU33に設けられているタイミング発生回路61から出力される駆動信号によって駆動されている。また、前記CCD27の撮像面に結像してプリアンプ27bで増幅された電気信号は、CCU33の画像処理回路に伝送される。この画像処理回路では伝送された電気信号は、クランプ回路62,サンプルホールド回路63で周知の処理を施された後、図示しないアンプで増幅され、A/D変換回路64に入力されてA/D変換される。このA/D変換された画像データは、メモリ65に入力される。前記メモリ65に入力された画像データは、DSP用ROM66からのプログラムを基にDSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)67で所定の映像信号を得て、この後、第1フレームメモリ68a,第2フレームメモリ68bを経て、D/A変換回路69でD/A変換された後、エンコーダ70で外部装置へ出力されるTV信号に生成され、TV信号送信回路70aを介して前記コントローラ4のTV信号受信回路47に出力されるようになっている。
【0054】即ち、前記CCD27で撮像された像は、電気信号に変換された後、プリアンプ27bで増幅されて、CCU33に伝送される。そして、このCCU33内でTV信号に生成されている。前記TV信号は、TV信号送信回路70aを介してコントローラ4のTV信号受信回路47に出力され、このTV信号受信回路47からスーバーインポーザー48を介してLCDモニタ43上に表示される。
【0055】前記コントローラ4のジョイスティック44を操作して湾曲部23を湾曲操作すると、前記ジョイスティック44の動きは前記CPU45、通信回路46を経てドラム部32に設けられている制御回路35の通信回路35aを介して制御部用CPU35bにジョイスティック44からの湾曲指示信号として入力される。
【0056】この制御部用CPU35bに湾曲指示信号が入力されると、このCPU35bから湾曲制御回路35cを経て湾曲駆動回路35dからアクチュエータ部34の対応するモータ37に駆動信号が出力されてモータ37が駆動を開始する。このことによって、ピニオン34cが所定方向に所定量回転してラック34bが移動して、操作用線26が指示された方向に移動する。
【0057】すると、移動した操作用線26に対して、移動していない操作用線26が前記移動した操作用線26の移動に抗して、可撓管前口金6に対して先端硬性部24が引かれた状態になって操作用線26が撓んで、図11に示すように湾曲部23が矢印に示す方向に湾曲する。
【0058】そして、図に示すように湾曲部23が湾曲を開始すると、各操作用線26に設けられているセンサ26aで歪み量を検出して、湾曲状態検出信号として信号伝送線26bを介して制御回路35のセンサ信号受けであるセンサ信号受信回路35eに伝送される。前記センサ26aから出力されてセンサ信号受信回路35eに入力された湾曲状態検出信号は、湾曲制御回路35cを経て制御部用CPU35bでジョイスティック44からの湾曲指示信号と比較された後、再び湾曲駆動回路35dからアクチュエータ部34に駆動信号を出力して湾曲部23がジョイスティック44で指示した方向に湾曲するように各操作用線26を進退操作させる。
【0059】このように、3本の超弾性合金で形成した操作用線の先端部を、挿入部の先端側を構成する先端硬性部に固設するとき、これら3本の操作用線から任意に選択した2本の操作用線でそれぞれ任意の平面を形成するとき、任意に選択して形成される平面の少なくとも1つの平面が、挿入部を構成する先端硬性部及び湾曲部の中心軸線を含まないように配置させると共に、各操作用線の基端部をそれぞれの操作用線を進退移動させるアクチュエータ部に連結して湾曲機構を構成することにより、各アクチュエータ部毎に各操作用線の移動量を適宜調整して、湾曲部を所望の方向に湾曲させることができる。
【0060】また、3本の操作用線の湾曲部内に位置する中途部分に操作用線の湾曲状態を検出するためのセンサを配置し、このセンサから出力される湾曲状態検出信号を制御回路内の湾曲制御回路に出力して、ジョイスティックからの湾曲指示信号と比較して、この比較結果を基に湾曲駆動回路を介してアクチュエータ部に湾曲部の湾曲状態を制御する駆動信号を新たに出力して、操作用線を進退操作することにより、ジョイスティックで指定した方向に湾曲部を確実に湾曲制御することができる。
【0061】さらに、複数の湾曲駒及び複数の湾曲駒で形成した湾曲管を湾曲させる操作ワイヤを設けた従来の湾曲部の構成に対して、3本の操作用線で湾曲部及び湾曲機構を構成したことにより、挿入部内部の空間を十分に確保することができる。このことにより、湾曲機構以外の内蔵物を挿通するスペースが十分に確保されるので、内蔵物の細径化を図る必要がなくなる一方、内視鏡挿入部の細径化が可能になる。
【0062】また、先端アダプタにLEDを配設し、挿入部の基端側を構成する可撓管をドラム部に連結することによって、このドラム部に設けられているバッテリからLEDに電力を供給して照明観察光を得ることによって、常に所定の光量の照明光で被検部位を照らすことができる。このことにより、照明手段として通常使用されているライトガイドファイバーが長くなることによって発生していた光損失や、先端アダプタとの接続面における光損失による光量減少に光量不足が解消される。また、遠く離れた光源装置から照明光を効率よく観察部位まで伝送するために、ファイバー径を太径にすることや、伝送効率の高い高価なファイバーを用いる必要がなくなるので、内視鏡の細径化及び安価な構成が実現される。
【0063】また、CCUから延出する映像用信号線が接続されている映像信号用接触電極とコネクタに設けられている映像信号用接続端子とがドラム部の回転中心軸上に設けたことにより、ドラム部が回転することによって、映像信号用接触電極と映像信号用接続端子との導通に不具合が生じることを確実に防止することができる。
【0064】また、先端アダプタに設けた金属製ボールを圧縮バネの付勢力によって常に接点用電極の先端面に押圧すると共に、映像信号用接続端子及びグランド用端子を常に圧縮ばねの付勢力によって映像信号用接触電極及びグランド用接触電極に押圧することによって、金属製ボールと接点用電極及び映像信号用接続端子と映像信号用接触電極及びグランド用端子とグランド用接触電極との導通を確実にとることができる。
【0065】なお、本実施形態において、照明手段にLEDを使用しているが、前記LEDの代わりにランプを用いて、上述と同様に構成するようにしてもよい。
【0066】図12ないし図15は本発明の第2実施形態に係り、図12は4本の操作用線と1本の間隔保持用線とを備えた内視鏡の湾曲部の断面図、図13はアクチュエータ部を構成するリンク機構の構成を示す説明図、図14はリンク機構の作用を示す説明図、図15は湾曲部の湾曲状態を示す説明図である。
【0067】まず、内視鏡2の構成を説明する。図12に示すように本実施形態においては操作用線26を1本増やして4本にしている。そして、4本の操作用線26をそれぞれ上・下・左・右用の操作用線26U,26D,26L,26Rとなるように先端硬性部24の外周面側の4分割した位置に固設している。
【0068】また、湾曲部23の間隔を所定間隔に保持する線材として間隔保持用線81を前記先端硬性部24の略中心軸上に固設する一方、この間隔保持用線81の他端部を前記可撓管前口金6の略中心軸上に固設している。
【0069】さらに、湾曲部23を被覆している樹脂被覆25の代わりに金属網管(ブレード)22bと金属螺旋管(フレックス)22cとを同軸上に配した複合管を用いている。なお、この複合管は、金属螺旋管22cが内側で、金属網管22bが外側の構成であっても、その逆の構成であってもよい。
【0070】次に、アクチュエータ部34の構成を説明する。図13に示すように本実施形態のアクチュエータ部34は、上下用操作用線26U,26Dが連結された上下用リンク棒82及び左右用操作用線26R,26Lが連結された左右用リンク棒83を備えたリンク機構部と、前記上下用リンク棒82と左右用リンク棒83に連結されるネジ式直線駆動部材84とこのネジ式直線駆動部材84を駆動するモータ85とで構成されている。なお、本図においては前記左右用リンク棒83に連結されるネジ式直線駆動部材84とこのネジ式直線駆動部材84を駆動するモータ85とを省略している。
【0071】前記上下用リンク機構部を構成するリンク棒82は、ドラム部32内部に固定されている軸部86を中心に回動するように軸支されており、前記リンク棒82の一端部とモータ85によって進退するネジ式直線駆動部材84の一端部とが固定されている。このことにより、前記湾曲駆動回路35dからの駆動信号によって前記モータ85を回転させてネジ式直線駆動部材84に固定されているリンク棒82を実線に示す位置から破線に示す位置まで移動させることによって、図14に示すように例えば上用操作用線26Uが牽引する一方、下用操作用線26Dが押し出されることによって、即ち一対の操作用線を同時に押し引き操作することによって、湾曲部23が牽引された上用操作用線26Uの方向に湾曲していく。
【0072】なお、左右方向の構造については上述した上下方向の構造と同様であるので、説明を省略する。また、各操作用線26U,26Dとリンク棒82及び各操作用線26R,26Lとリンク棒83とのそれぞれの固定部の位置は、支点である軸部86から等距離になっている。その他の構成は前記第1実施形態と同様であり同部材には同符号を付して説明を省略する。
【0073】上述のように構成した内視鏡装置の作用を説明する。第1実施形態と同様にコントローラ4のジョイスティック44を操作することによって、湾曲指示信号が制御部用CPU35bに出力される。すると、この制御部用CPU35bから湾曲制御回路35cを経て湾曲駆動回路35dからアクチュエータ部34に設けられている上下左右方向にそれぞれ対応する対応するモータ85に駆動信号が出力されてモータ85が回転を開始する。このことによって、ネジ式直線駆動部材84が所定方向に進退移動して、このネジ式直線駆動部材84に固定されているリンク棒82,83が軸部86に対して回動して、このリンク棒82,83に固定されている一対の操作用線26U,26D又は操作用線26R,26Lが相対的に移動して可撓管前口金6に対する先端硬性部24の位置が変化する。このことによって、間隔保持用線81に撓みが生じ、図15に示すように湾曲部23が所望の方向に自在に湾曲する。
【0074】このように、操作用線を増加させると共に、先端硬性部と可撓管前口金とに湾曲部の間隔を所定間隔に保持する線材として間隔保持用線を固設することによって、操作用線の移動に伴って、間隔保持用線に撓みが生じて湾曲部を湾曲させることによって、湾曲制御を精度よく行うことができる。
【0075】また、間隔保持用線を設けて湾曲部の間隔を所定間隔に保持しているので、湾曲部を小さな曲率でさせて安定した湾曲角を保持することができる。
【0076】なお、本実施形態では操作用線を増加させた構成を説明しているが、間隔保持用線を設けることによって、操作用線を2本にして湾曲部を構成するようにしてもよい。このとき、間隔保持用線と操作用線の配置位置とを適宜図ることによって湾曲部を所望の方向に湾曲させられる。また、間隔保持用線を複数設けるようにしてもよい。さらに、操作用線の増加に伴って、リンク機構を設ける代わりに、ラック・ピニオン部の数を操作用線の増加に合わせて増やすようにしてもよい。
【0077】ところで、通常内視鏡観察を行う場合、内視鏡の挿入方向先端側を直視観察して配管内面全周の検査を行う。前記内視鏡で例えば配管内を観察する際、内視鏡の直径に対して遥かに大きな内径寸法の配管内を観察しなければならない場合がある。このような場合、内視鏡挿入部は配管の略中心に配置されて挿入されることなく、配管内周面鉛直下面を沿うように挿通されていく。この状態で、挿入方向先端側を直視観察すると、配管内面全周の検査を行うことができずに、片寄った状態で観察を行うことになる。この問題を解決するため、内視鏡の挿入部の先端側に取り付けることによって、挿入部の先端部を配管の略中心に位置させる挿入補助具があり、通常外径寸法の異なるものを複数種類用意して、様々な内径寸法の配管に対応するようにしていた。
【0078】しかし、前記挿入補助具を使用して内径寸法の大きな配管内を観察する場合、観察する配管内の内部空間が広いため、内視鏡に備えられている照明手段では配管内面全周を効率よく照明することができず、観察に支障を来すおそれがあった。このため、挿入補助具を使用して大きな空間内を観察する場合でも、十分な照明を得て観察の行える内視鏡装置が望まれていた。
【0079】図16ないし図18を参照して本発明の内視鏡装置について説明する。図16に示すように本実施形態の内視鏡装置90は、前記第1実施形態の内視鏡装置1と略同様の構成であり、本実施形態においては長尺で柔軟性を有する挿入部21の先端部に摺動抵抗の少ない非導電性の例えばポリアセタールなどの樹脂で形成した挿入補助具91が取り付けられている。
【0080】図17に示すように内視鏡挿入部21の先端部分に取り付けられている補助具91の内視鏡挿入部を被覆する補助具本体92の両端部に3本の突出した足部93が設けられてる。前記足部93は、図の一点鎖線で示すように3本の足部93の外周側面部が略円形状になるように形成されており、この足部93の外周面が案内面となって、補助具本体92に配設されている細径の内視鏡2が内径寸法の大きな配管内の略中心軸上に配置された状態になって、挿通されるようになっている。
【0081】前記挿入補助具91の補助具本体92に形成されている内視鏡固定用孔92a内には内視鏡挿入部21の先端部分が配設されており、この挿入補助具91の先端面には照明用の発光素子であるLEDデバイス(LED)94が設けられている。このLED94は、前記内視鏡2に設けられている観察用レンズカバー51の視野方向に一致した光軸を有している。
【0082】図18に示すように前記挿入補助具91は、補助具本体92に設けたビス95を締めこんでいくことによって、内視鏡固定用孔92aに挿通された内視鏡挿入部21の先端側部に着脱自在に取り付けられる。
【0083】前記補助具91の先端面に配設されているLED94の電極から延出した電線94aは、導電素材で形成されている前記第1接点96に接続されている。この金属接点96にはバネ96aで付勢されたピン96bが配設されており、このピン96bはバネ96aの付勢力によって内視鏡挿入部21が配設される内視鏡固定用孔92aの中心軸方向に向かって突出している。
【0084】このため、前記挿入補助具91に形成されている内視鏡固定用孔92a内に内視鏡2の挿入部21を先端側から挿入していくと、前記内視鏡固定用孔92aの中心軸方向に突出しているピン96bが先端アダプタ5a及び先端硬性部24、湾曲部23の外周面を移動して、可撓管前口金6の外周面を覆っている非導電性のバネ6dの端面に接触する。そして、前記ピン96bは、前記バネ6dを挿入部基端側方向に圧縮していく。このことによって、可撓管前口金6に設けられている金属端子6aが露出すると共に、この金属端子6aに前記ピン96bが接触して両者が電気的に接続されることでLED94が点灯する。この時点で、ビス95を締め込んで内視鏡挿入部21と挿入補助具91とを一体的に固定する。
【0085】このように、照明手段を備えた挿入補助具に内視鏡を固定して、内径寸法の大きな配管内を観察することにより、観察する配管内の内部空間が広いため、内視鏡に備えられている照明手段では配管内面全周を挿入補助具の照明手段によって効率よく照明して、内視鏡の備える照明光学系より明るい照明光で管内の観察を行うことができる。
【0086】なお、前記足部93は図17に示したように両端部の突出位置が周方向に対して同位置の関係ではなく、互いに周方向に位置ずれしていてもよい。また、前記LED94を足部93に設けるようにしたり、補助具本体92の周面などに設けるようにしてもよい。さらに、前記LED94の代わりにランプを用いても良い。
【0087】なお、図19に示すように前記挿入補助具91に設けたLED94から直接、このLED94を点灯させるための電力を供給する電線97を引き出すようにした物であってもよい。この挿入補助具91を内視鏡挿入部21に取り付けることによって、内視鏡挿入部21に接続用の金属端子6aを持たない内視鏡2であっても最適な照明光量での観察が可能になる。また、前記挿入補助具本体92にワイヤー98を固定して、このワイヤ98を手元側に延出しておくことにより、前記ワイヤ98を引いて挿入補助具91及び内視鏡挿入部21を配管内から抜去することが可能になる。
【0088】ところで、前記内視鏡で配管内面などを検査する場合、挿入時点では配管内面全周を観察する目的であり、通常は内視鏡が挿入されていく挿入方向を観察する。そして、配管内面に何かしらの不具合部を発見したときには、その部分に内視鏡先端面に配置されている観察窓を近づけて拡大確認する。このとき、内視鏡の湾曲機能を用いて内視鏡先端面を不具合部に対して接近させる。しかし、湾曲部から先端面までの距離が一定であるのに対して、配管内面と内視鏡先端面との間の距離は常に一定ではなく、配管の内径寸法によっては、内視鏡先端面が不具合部に十分に接近しないことがあった。このため、簡便に湾曲部より先端面までの距離(先端部長とも記載する)を可変させることで、観察範囲を広くとることが可能な内視鏡が求められている。
【0089】図20ないし図22を参照して先端部長さの可変構造を有する内視鏡について説明する。図20に示すように本実施形態においては内視鏡2の先端側を構成する先端硬性部24と可撓管前口金6との間に複数の先端長可変駒101を配設して、前記先端硬性部24に対して連結された先端長可変駒群102と可撓管前口金6に対して連結された先端長可変駒群103との隙間部分を湾曲部23にしている。
【0090】この先端長可変駒101の両端部には駒どうしが互いに着脱自在に連結可能なように連結部101aが設けられている。なお、この連結部101aは、前記先端硬性部24の凸状の基端部に連結自在な凹部101b及び可撓管前口金6の凹状の先端部に着脱自在な凸部101cとを両端部に有して構成されている。
【0091】図20及び図21に示すように前記先端長可変駒101は、前記操作用線26及び間隔保持用線81に対して進退可能なように、前記間隔保持用線81及び各操作用線26の外径寸法より大径な直径寸法の透孔104a,104bが各線26,81に対応する位置に形成されると共に、CCD27から延出する信号ケーブル29及び接点用電極28に接続されている電線28aを挿通するための線配設用孔105が挿入部長手方向に貫通して形成されている。
【0092】このことにより、図22(a)ないし(c)に示すように先端硬性部24に対して連結される先端長可変駒101の連結個数を変化させることによって、湾曲部23となる隙間の位置を移動させて、湾曲部23より先端面までの長さを自由に変化させられる。
【0093】このように、観察状況に応じて先端長可変駒の配置位置を移動させることにより、湾曲部より先端面までの長さを自由に変化させて、被検部位の観察を常に最適な条件で観察することができる。
【0094】なお、先端長可変駒101を使用する内視鏡2では、頻繁に先端長可変駒101の配置位置を変化させる必要があるため、作業性を考慮して、前記第1実施形態などで湾曲部23を構成していた樹脂被覆25を使用しない。
【0095】ところで、工業用内視鏡を配管内に挿入する際、予めガイドチューブといわれる案内管を配管内の目的観察部位まで挿入しておき、この案内管を介して内視鏡を目的観察部位まで挿通させて観察を行っている。しかし、内視鏡検査を行う配管は、常に直管に限定されるものではなく、エルボー管によって直角方向に曲げられた部分などがあるなど複雑な形状のものもある。このため、案内管を目的観察部位まで押し進めていく途中で、エルボー管に到達すると、案内管の先端面がエルボー管と直管との連結部を構成している段差部に引っかかって、この案内管をさらに奥まで挿入することが困難になることがあった。このような場合、案内管をねじったり、押し引き操作を繰り返し行って、案内管を目的部位まで到達させていた。
【0096】このため、案内管の先端面がエルボー管内の段差部などに引っかかった場合でも簡単な操作でこのエルボー管を通過させて、目的観察部位までスムーズに送り込める構造の案内管が望まれていた。
【0097】図23ないし図25を参照して案内管の構成及び作用を説明する。図23に示すように本実施形態の案内管110は、例えばステンレス製の螺旋管111の先端部に取り付けられる先端口金112の先端面を、長手方向軸に対して直交した直面を形成するのではなく、この長手方向軸に対して斜めに交差する傾斜面113を有している。そして、この傾斜面113の基端部側に長手方向軸の先端側に向かって突出する突起部114を設け、この突起部114の先端面位置と前記傾斜面113の最先端位置とが略同位置になるように構成している。なお、前記先端口金112は、螺旋管111の端部に対してロー付けなどで固設されている。
【0098】上述のように構成した案内管110の作用を説明する。図24(a)中の破線に示すようにエルボー管115に案内管110の先端口金112が到達すると、案内管110の傾斜面113最先端部がエルボー管115の内周面に当接する。そして、この状態で案内管110を更に押し込んでいくと、同図の実線に示すように段差部115aに傾斜面113の最先端部が引っかかって前進が困難な状態になる。
【0099】しかしこのとき、前記傾斜面113の基端部に設けられている突起部114は、前記エルボー管115に連結されている直管116の内周面側に到達している。このため、この状態で案内管110をねじり操作することにより、同図(b)に示すように前記直管116の内周面側に当接している突起部114が支点になって案内管110全体が回転を開始する。そして、案内管を180度回転させながら押し込み操作を行うことにより、前記段差部115aに引っかかっていた傾斜面113最先端部が直管116の内周面側に移動して、同図の破線に示すように案内管110の更に奥まで挿入されていく。
【0100】このように、案内管を構成する螺旋管の先端部に設ける先端口金の先端面を長手方向軸に対して斜めに交差する傾斜面として形成すると共に、この傾斜面の基端側から挿入方向に向かって突出する傾斜面最先端とほぼ同じ高さの突起部を設けることにより、案内管先端が段差部などに引っかかった際、突起部を支点にして案内管をねじって回転させるだけの操作で、段差部との引っ掛かり部を解消することができる。
【0101】また、先端口金の先端面を傾斜面にすると共に、この傾斜面の基端側に長手方向軸前方に突出する突起部を設けただけの構造であるので、部品点数を増加させることなく、また直径寸法を太径にすることがないので、安価で細径化に適した構成にすることができる。
【0102】なお、図25に示すように本実施形態で示した破線で示す傾斜面113の代わりに実線で示す長手軸方向に直交する直面117を設け、この直面117の一部に突起部114を設けた場合、前記傾斜面113の最先端部が段差部115aに引っかかったとき、突起部114も段差部115aに突き当たってしまうので、直管116の内周面側に案内管110を配置するきっかけをつかめないという不具合がある。
【0103】なお、本発明は、以上述べた実施形態のみに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。
【0104】[付記]
(1)観察光学系及び照明光学系を備える先端硬性部と、この先端硬性部の基端側に湾曲部を連設する細長な挿入部と、先端部が前記先端硬性部に固定され、基端部が少なくとも前記湾曲部まで挿通される3本以上の線材と、前記湾曲部を湾曲操作する挿入部基端側に設けた湾曲手段とを具備し、前記3本以上の線材のうち、少なくとも1本の線材を前記湾曲手段の操作によって挿入部長手方向に進退移動させることにより、前記3本以上の線材のうち、前記湾曲手段によって進退移動されていない他の線材が、前記進退移動した線材の移動に抗することで、前記3本以上の線材の全てが、前記進退移動した線材の湾曲する方向に湾曲するものであって、前記3本以上の線材から任意の2本の線材を一組にして複数の平面を形成するとき、前記任意の一組の線材で形成される複数の平面の少なくとも一組の平面が、前記挿入部の中心軸を含まない平面を形成するように各線材を配置する内視鏡装置。
【0105】(2)前記3本以上の線材は、超弾性合金である付記1記載の内視鏡装置。
【0106】(3)前記3本以上の線材は、先端部が先端硬性部に固定され、基端部が挿入部基端側に設けた湾曲手段に固定される操作用線である付記1記載の内視鏡装置。
【0107】(4)前記3本以上の線材のうち少なくとも1本は、先端硬性部と可撓管との間の湾曲部の間隔を所定の値に設定保持する間隔保持用線であり、他の線材は先端部が先端硬性部に固定され、基端部が挿入部基端側に設けた湾曲手段に固定される操作用線である付記1記載の内視鏡装置。
【0108】(5)前記湾曲手段は、アクチュエータと、このアクチュエータの駆動を制御して湾曲状態を制御する湾曲制御回路とを備える付記1記載の内視鏡装置。
【0109】(6)前記アクチュエータは、前記操作用線を湾曲部側に押し出すことにより、前記湾曲部を湾曲させる付記5記載の内視鏡装置。
【0110】(7)前記アクチュエータは、操作用線の基端部が固定されるラック及びこのラックに噛合して前記ラックを進退移動させるピニオンを有するラックピニオン機構部と、前記ピニオンを回転させるモータとで構成される付記5記載の内視鏡装置。
【0111】(8)前記ラックは、前記操作用線を湾曲部側に押し出すことにより、前記湾曲部を湾曲させる付記7記載の内視鏡装置。
【0112】(9)前記ラックピニオン機構部を操作用線の本数に対応させて設けた付記7記載の内視鏡装置。
【0113】(10)前記アクチュエータは、操作用線の基端部が2本固定されるリンク機構部と、このリンク機構部を構成するリンク棒の一端が固定されるネジ式直線移動機構部と、このネジ式直線移動機構部を進退させるモータとを備えた付記5記載の内視鏡装置。
【0114】(11)前記リンク棒に固定される2本の操作用線の固定部は、前記リンク棒の回動中心を挟んで等距離に位置する付記10記載の内視鏡装置。
【0115】(12)細長な内視鏡挿入部の先端に着脱自在で、内視鏡の光学的特性や内視鏡先端部の物理的な形状を変換する内視鏡用先端アダプターを有する内視鏡装置において、前記内視鏡用先端アダプターに配設した発光素子と、内視鏡装置に設けられている電源とを内視鏡内を挿通する電線によって電気的に接続した内視鏡装置。
【0116】(13)前記先端アダプターと前記内視鏡内を挿通する電線とを電気的に接続する電気的接点を有する付記12記載の内視鏡装置。
【0117】(14)前記内視鏡用先端アダプタに設けられ前記内視鏡の先端面側に突出する金属製ボールと、この金属製ボールを付勢すると共に前記発光素子の端子に接触する導電性のコイルバネとで形成した第1の電気接点と、前記内視鏡の先端部に設けられ、前記電線が接続されている第2の電気接点とを備え、前記内視鏡用先端アダプタと前記内視鏡とを連結することによって、前記第1の電気接点と第2の電気接点とが導通する付記12または付記13に記載の内視鏡装置。
【0118】(15)前記先端アダプターと前記発光素子とが一体的に成形されている付記12または付記13に記載の内視鏡装置。
【0119】(16)前記発光素子と前記第1の電気接点とが一体的に成形されている付記14記載の内視鏡装置。
【0120】(17)前記一体的に成形された前記発光素子と前記第1の電気接点とは、前記先端アダプターに対して着脱自在である付記16記載の内視鏡装置。
【0121】(18)先端部に観察のための観察機構を有する細長い挿入部と、この挿入部が接続される本体と、この本体と接続用コネクタを介して接続された観察操作装置とを有する内視鏡装置において、前記本体と前記観察操作装置とを電気コネクタ及び光学コネクタとを備えたコネクタ機構部により機能接続する内視鏡装置。
【0122】(19)前記コネクタ機構部に備えられた電気コネクタは、前記本体及び前記観察操作装置の映像回路を電気的に接続して映像信号を伝送する一方、前記光学コネクタは前記本体と前記観察操作装置との間の操作通信信号を伝送する付記18記載の内視鏡装置。
【0123】(20)前記電気コネクタの電極を前記コネクタ機構部の中心位置に配置し、前記光学コネクタの電極を前記電気コネクタの電極の外周側に配置した付記18記載の内視鏡装置。
【0124】(21)前記光学コネクタの電極を前記コネクタ機構部の中心位置に配置し、前記電気コネクタの電極を前記電気コネクタの電極の外周側に配置した付記18記載の内視鏡装置。
【0125】(22)先端部に観察のための観察機構を有する細長い挿入部と、この挿入部が接続される本体と、この本体と接続用コネクタを介して接続された観察操作装置とを有する内視鏡装置において、前記本体と前記観察操作装置とに無線通信回路を設け、前記本体と前記観察操作装置とで映像信号及び操作指令信号の相互通信を行う内視鏡装置。
【0126】(23)先端部に観察のための観察機構を有する細長い挿入部と、この挿入部が接続される本体と、この本体と接続用コネクタを介して接続された観察操作装置とを有する内視鏡装置において、前記挿入部と前記本体とを着脱自在にする接続部を設けた内視鏡装置。
【0127】(24)前記挿入部を前記本体から外したとき、前記観察機構を駆動する駆動回路を挿入部側に位置するように、前記駆動回路を挿入部側に設けた付記23記載の内視鏡装置。
【0128】(25)内視鏡挿入部の先端部に着脱自在に取り付けられる固定部と、前記挿入部の長手方向軸に対して垂直方向に突出した一つ又は複数の張り出し部を有する内視鏡用挿入補助具を備えた内視鏡装置において、前記挿入補助具に設けた観察照明光を発光する発光素子を前記挿入補助具が取り付けられる内視鏡の視野方向の光軸に一致させた内視鏡装置。
【0129】(26)前記発光素子を、前記挿入補助具の前面に設けた付記25記載の内視鏡装置。
【0130】(27)前記発光素子を、前記挿入補助具の側面に設けた付記25記載の内視鏡装置。
【0131】(28)前記発光素子を、前記張り出し部に設けた付記25記載の内視鏡装置。
【0132】(29)前記発光素子は、LEDである付記25記載の内視鏡装置。
【0133】(30)前記発光素子は、ランプである付記25記載の内視鏡装置。
【0134】(31)付記25に記載の内視鏡装置であって、さらに、前記発光素子と電気的に接続された第1の接点と、前記内視鏡の挿入部の外周面側に位置して、外部装置である電源から挿入部内を挿通する電線に電気的に接続された金属接点とを備え、前記挿入補助具を前記内視鏡に装着したとき、前記第1接点と金属接点とが電気的に接触して前記発光素子が点灯する内視鏡装置。
【0135】(32)付記25に記載の内視鏡装置であって、さらに、前記発光素子から外部装置である電源まで、発光素子と電源とを電気的に接続する電線を延出する内視鏡装置。
【0136】(33)観察光学系及び照明光学系を備える先端硬性部と、この先端硬性部の基端側に湾曲部を連設する細長な挿入部と、先端部が前記先端硬性部に固定され、基端部が少なくとも前記湾曲部まで挿通される3本以上の線材と、前記湾曲部を湾曲操作する挿入部基端側に設けた湾曲手段とを具備し、前記3本以上の線材のうち、少なくとも1本の線材を前記湾曲手段の操作によって挿入部長手方向に進退移動させることにより、前記3本以上の線材のうち、前記湾曲手段によって進退移動されていない他の線材が、前記進退移動した線材の移動に抗することで、前記3本以上の線材の全てが、前記進退移動した線材の湾曲方向に湾曲するものであって、前記先端硬性部と前記挿入部の先端との間に、前記線材に摺動嵌合する嵌合穴を有し隣接する駒同士で嵌合しあう嵌合部を形成した1つ又は複数の先端長可変駒を配設した内視鏡装置。
【0137】(34)前記先端長可変駒の端部に前記嵌合部を形成する一対の凹部と凸部を設けた付記33に記載の内視鏡装置。
【0138】(35)前記先端長可変駒の駒配置関係を変化させることによって、先端長の長さが変化する付記33記載の内視鏡装置。
【0139】(36)内視鏡の細長な挿入部を目的観察部位まで案内する可撓性を有する案内管を具備する内視鏡装置において、前記案内管の端部に、挿入方向に対して突出する突出部を形成した先端口金を設けた内視鏡装置。
【0140】(37)前記突出部を形成した先端口金の先端面を、前記案内管の長手方向軸に対して傾いて交差する傾斜面とした付記36記載の内視鏡装置。
【0141】(38)前記突出部を傾斜面の最も基端部側に設けた付記36記載の内視鏡装置。
【0142】(39)前記突出部の挿入方向に対する突出量は、前記案内管の最先端面とほぼ同じ位置になる付記36記載の内視鏡装置。
【0143】
【発明の効果】以上説明したように本発明の内視鏡装置によれば、ドラム部の外部に設けた湾曲操作手段の操作により、ドラム部の内部に設けた駆動用モータの駆動動作を制御して、挿入部の湾曲部を湾曲させることができる。
【出願人】 【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス光学工業株式会社
【出願日】 平成9年(1997)6月4日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 進
【公開番号】 特開平11−244225
【公開日】 平成11年(1999)9月14日
【出願番号】 特願平10−362997