| 【発明の名称】 |
MRIシステムのコイル装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】坂倉 良知
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| 【要約】 |
【課題】従来配置していた、傾斜磁場コイルとRFコイル間のRFシールドを不要にし、高速撮像に好適なMRIシステムのコイル装置を提供する。
【解決手段】診断用空間に静磁場を発生させる磁石11と、静磁場に重畳させる傾斜磁場パルスを発生させる傾斜磁場コイル12と、被検体との間で高周波パルス信号を送受するRFコイル13とを備えたMRIシステムのガントリ1(コイル装置)である。傾斜磁場コイル12を能動(自己)遮蔽型傾斜磁場コイルで構成する。RFコイル13を能動遮蔽型傾斜磁場コイルの外径側に装備する。能動遮蔽型傾斜磁場コイルは、高周波磁場信号的には実質的に透明状態に構成する。これにより、RFコイル13と能動遮蔽型傾斜磁場コイルとの間のRFシールドが不要になる。傾斜磁場コイル12は、EPI法などによる高速撮像に好適である。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 被検体を配置する診断用空間を有し且つこの診断用空間に静磁場を発生させる磁石と、この磁石内に装備され且つ前記静磁場に重畳させる傾斜磁場パルスを発生させる傾斜磁場コイルと、前記磁石内に装備されかつ前記被検体との間で高周波パルス信号を送受するRFコイルとを備えたMRI(磁気共鳴イメージング)システムのコイル装置において、前記傾斜磁場コイルを能動(自己)遮蔽型傾斜磁場コイルで構成するとともに、前記RFコイルを前記能動遮蔽型傾斜磁場コイルの外径側に装備し、これにより、前記RFコイルと前記能動遮蔽型傾斜磁場コイルとの間のRFシールドを不要にできることを特徴としたMRIシステムのコイル装置。 【請求項2】 前記能動遮蔽型傾斜磁場コイルは、高周波磁場信号的には実質的に透明状態になるコイル構造を有する請求項1記載のMRIシステムのコイル装置。 【請求項3】 前記傾斜磁場コイルは、エコープラナーイメージング(EPI)法のパルスシーケンスに基づく傾斜磁場パルスを前記被検体に供給するためのパルス電流の供給を受けるコイルである請求項2記載のMRIシステムのコイル装置。 【請求項4】 前記RFコイルは、前記被検体の全身領域をカバーする全身用送信RFコイルである請求項3記載のMRIシステムのコイル装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、MRI(磁気共鳴イメージング)システムのコイル装置に係り、とくに、傾斜磁場コイルとRFコイルとの間の磁気的干渉を実質的に排除したのと等価であり、かつ超高速撮像にも好適なコイル装置に関する。 【0002】 【従来の技術】医療用のMRIシステムは、周知の如く、被検体の原子核スピンの磁気共鳴現象を利用して被検体の断層像を撮影したり、NMRスペクトル計測を行うシステムである。このMRIシステムは、通常、被検体を挿入・配置する略円筒状の診断用開口部を有するガントリを備える。ガントリには、コイル装置の構成要素として、診断用開口部に静磁場を発生させるための静磁場磁石、静磁場に重畳する傾斜磁場パルスを発生させるための傾斜磁場コイル、および被検体との間で高周波パルス信号(MR信号を含む)の送受を行うための全身用のRFコイルを備える。 【0003】このコイル構造の概略配置を図3に示す。同図は診断用開口部OPの軸方向断面の片方半分のみの概略構造を示す。Z軸は診断用開口部OPの軸方向中心を貫く中心軸で、通常、被検体としての患者の体軸方向と一致させる。この中心軸Zを同軸とするように、静磁場磁石101、傾斜磁場コイル102、およびRFコイル103が内側に向かって順に配設されている。傾斜磁場コイル101には所望のパルスシーケンスにしたがってパルス状の電流が順次供給され、これにより傾斜磁場パルスが発生して、静磁場に重畳される。また、RFコイル103には静磁場強度に応じたラーモア周波数の高周波電流が電源から供給され、高周波磁場信号が被検体に送信されるとともに、被検体から生じたラーモア周波数のMR信号がRFコイル103により受信される。 【0004】また、傾斜磁場コイル102とRFコイル103との間には、RFシールド104と呼ばれるシールド体を設置している。RFシールド104が無い場合、RFコイル103から送信された高周波磁場パルスの磁場雰囲気中に傾斜磁場コイル102が存在するため、その高周波磁場パルスの磁気エネルギの一部が傾斜磁場コイル103に伝わり、誘電体損として消費されてしまう。そこで、傾斜磁場コイル102とRFコイル103との間の磁気的干渉を防止または抑制するため、RFシールド104を設けている。 【0005】しかし、傾斜磁場コイル102から磁気的に見た場合、RFシールド104が磁気的負荷として存在することになる。このため、傾斜磁場パルスに因る渦電流がRFシールド104に発生する。この渦電流は一般に時定数の長い電流であるから、傾斜磁場パルスのように立上がりの早いパルス電流を印加する場合、次のパルス印加まで長時間待たなければならない。そこで、時定数を短くするため、RFシールド104にスリットを形成するなどの対策が講じられている。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】近年、MR撮影の高速化が求められており、その一環として、EPI(エコープラナーイメージング)法などの超高速撮像法が頻繁に使用されるようになってきている。この超高速撮像法を、上述した従来のコイル装置で実施した場合、傾斜磁場パルスが超高速で反転(立上がり、立下がり)することから、上述のようにスリットなど、渦電流(渦磁場)の時定数短縮対策を施したRFシールドをもってしても、超高速撮像法にとっては時定数が依然として大きいものになる。このため、どうしても、渦磁場が十分に減衰するまで待ってから次の傾斜磁場パルスを印加するようにしないと、所期の目的のパルス印加を行うことができない。また、渦磁場が十分に減衰するまで待ったのでは、高速に変化する多数の傾斜磁場パルスを短時間に印加することはできず、事実上、超高速撮像法を良好な磁場状態で使用できない。つまり、RFシールドの存在そのものが、もはや、超高速撮像法には障害になるという状況にあった。 【0007】本発明は、上述した従来技術に伴う困難な状況を打破すべくなされたもので、RFシールドを使用することに因って超高速撮像法を使用できない、または殆ど使用できない、という状況を打破し、超高速撮像法の有する機能を存分に発揮させたMR撮像を実行させるコイル装置を提供することを、その目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】上述した目的を達成するため、本発明に係るMRIシステムのコイル装置は、被検体を配置する診断用空間を有し且つこの診断用空間に静磁場を発生させる磁石と、この磁石内に装備され且つ前記静磁場に重畳させる傾斜磁場パルスを発生させる傾斜磁場コイルと、前記磁石内に装備されかつ前記被検体との間で高周波パルス信号を送受するRFコイルとを備えたもので、さらに、前記傾斜磁場コイルを能動(自己)遮蔽型傾斜磁場コイルで構成するとともに、前記RFコイルを前記能動遮蔽型傾斜磁場コイルの外径側に装備し、これにより、前記RFコイルと前記能動遮蔽型傾斜磁場コイルとの間のRFシールドを不要にできることを特徴とする。 【0009】好適には、前記能動遮蔽型傾斜磁場コイルは、高周波磁場信号的には実質的に透明状態になるコイル構造を有することである。また好適には、前記傾斜磁場コイルは、エコープラナーイメージング(EPI)法のパルスシーケンスに基づく傾斜磁場パルスを前記被検体に供給するためのパルス電流の供給を受けるコイルとすることである。また前記RFコイルは、例えば、前記被検体の全身領域をカバーする全身用送信RFコイルである。 【0010】 【発明の実施の形態】以下、本発明の1つの実施形態を図1および2に基づき説明する。 【0011】図1には、MRI(磁気共鳴イメージング)システムのガントリ1の概略断面を示す。ガントリ1は本発明のコイル装置を適用したものである。このガントリ1はその全体が略円筒状に形成されており、中心部のボアが診断用空間OPとして機能し、診断時にはその診断用空間OP内に被検体Pを挿入・配置可能になっている。 【0012】ガントリ1は、略円筒状の静磁場用磁石11、この磁石11の診断用空間OPの最も被検体寄りに配置された略円筒状の傾斜磁場コイル12、この傾斜磁場コイル12の外周側に所定距離離して設置されたRFコイル13を備える。RFコイル13は、ここでは全身用の送信用のRFコイルとして形成・設置されている。被検体Pは図示しない寝台天板に載せられて、傾斜磁場コイル12が最終的に形成する診断用空間OP内に挿入・配置される。なお、受信用のRFコイル15は被検体Pの診断部位に合わせて、従来と同様に、局所的に置かれる。 【0013】静磁場用磁石12は、本実施形態では超伝導磁石で形成されている。つまり、外側の真空容器の中に、複数個の熱輻射シールド容器および単独の液体ヘリウム容器が収められ、液体ヘリウム容器の内部に超伝導コイルが巻装・設置されている。 【0014】傾斜磁場コイル12は、本実施形態では能動(自己)遮蔽型傾斜磁場コイル(ASGC:Actively Shielded Gradient Coil )に形成されている。このコイル12はX軸方向、Y軸方向、Z軸方向毎にパルス状の傾斜磁場を発生させるため、X,Y,Zチャンネル別々にコイルアセンブリを有し、しかも、そのコイルアセンブリは各チャンネル毎に傾斜磁場を外界に殆ど洩らさないシールド構造になっている。 【0015】具体的には、能動遮蔽型傾斜磁場コイル(ASGC)12は図2に示すように、X,Y,ZチャンネルのXコイルアセンブリ12X,Yコイルアセンブリ12Y,Zコイルアセンブリ12Zがコイル層毎に絶縁されながら積層され、全体として略円筒状を成している。Xコイルアセンブリ12X,Yコイルアセンブリ12YおよびZコイルアセンブリ12Zの各々は、各軸方向の傾斜磁場を発生するメインコイル(図2中の内周側コイル)と、このメインコイルの巻線部が発生する傾斜磁場(パルス)を磁気的に外界に洩らさないようにシールドするシールドコイル(図2中の外側コイル)とを備える。 【0016】Xコイルアセンブリ12Xのメインコイルおよびシールドコイルのそれぞれは、ボビンにサドル形に巻装された対向するコイル素子の組を複数組を有する。このコイル素子のそれぞれはXチャンネルの傾斜磁場電源に接続され、メインコイルおよびシールドコイルで互いに反対向きの電流が供給される。Yコイルアセンブリ12Yは、XコイルアセンブリのそれをZ軸の回りに90度回転させたものである。Zコイルアセンブリ12Zのメインコイルおよびシールドコイルのそれぞれは、ボビンにソレノイド形(螺旋形)に巻装された縦列配置のコイル素子の組を有する。このコイル素子のそれぞれはZチャンネルの傾斜磁場電源に接続され、メインコイルおよびシールドコイルで互いに反対向きの電流が供給される。 【0017】これにより、傾斜磁場コイル12は、その内部には各チャンネルごとに線形の磁場パルスを発生させることができるとともに、その外部には殆ど磁場を漏らさないことになる。 【0018】また、傾斜磁場コイル12のXコイルアセンブリ12X、Yコイルアセンブリ12Y、およびZコイルアセンブリ12Zを製造するに際し、コイル素子には、極力細い導体を用い、かつボビンや含浸材に比誘電率の小さい材料(例えばエポキシ系樹脂)を用いている。これにより、RFコイル13から傾斜磁場コイル12をみた場合、高周波磁場的には、傾斜磁場コイル12が殆ど透明の状態(すなわち、傾斜磁場コイル12は殆ど存在しないのと等価であると見做すことができ、傾斜磁場コイル12が殆ど負荷にはならない状態)が得られる。 【0019】このように、外側には殆ど磁場を漏らさない能動遮蔽型の傾斜磁場コイル12を、磁気的には殆ど透明状態と見做すことができる構造にしたので、傾斜磁場コイル12とRFコイル13との間には磁気的結合が殆ど無い。したがって、RFコイル13を傾斜磁場コイル12の外周側に配置することができる。同時に、従来のようにRFシールドを両コイル間に置く必要もない。RFシールドを置かなくても、傾斜磁場コイル12は各チャンネルの傾斜磁場パルスを送信することができ、またRFコイル13は高周波パルス信号を送信することができる。被検体PからのMR信号は受信RFコイル15により受信される。 【0020】したがって、RFシールドを使用しなくても済むので、従来、RFシールド自体が存在していたことに因って生じていた不都合を回避できる。すなわち、近年多用されているEPI法などの超高速撮像法を用いて、高速に反転する傾斜磁場パルスを印加した場合でも、従来のような渦電流発生に伴うサンプリングの遅れなどの心配も無く、高速反転の傾斜磁場パルスがそのまま被検体に送信される。このため、高速撮像シーケンスの持っている機能をフルに発揮させることができ、高速MRイメージングが可能になる。当然に、高速性を重視しないパルスシーケンスを使ったMRイメージングも問題無く実行できる。RFシールドを設けなくても済む分、製造工程も少なくなる。 【0021】なお、本発明を実施するRFコイルは、上述した実施形態のように、全身用の送信RFコイルである場合に限定されることなく、全身用の送受信兼用のRFコイルであってもよい。また、必ずしも全身用でなくてもよく、局所的な送信RFコイルであってもよい。 【0022】 【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るMRIシステムのコイル装置によれば、傾斜磁場コイルを能動(自己)遮蔽型傾斜磁場コイルで構成するとともに、RFコイルを能動遮蔽型傾斜磁場コイルの外径側に装備する構成にし、好適には、能動遮蔽型傾斜磁場コイルを、高周波磁場信号的には実質的に透明状態になるコイル構造にしたため、従来設置していたRFコイルと能動遮蔽型傾斜磁場コイルとの間のRFシールドが不要になる。この結果、従来、RFシールドを存在させていたことに因る、傾斜磁場パルスに起因したRFシールド中の渦電流の発生に伴うサンプリング遅れの問題を殆ど完全に解消できる。すなわち、そのような渦電流(渦磁場)が十分に減衰するまで待たなければならないといった待ち時間が不要になるから、EPI法などの高速撮像イメージングにも好適で、かかる高速性を存分に発揮させたMRイメージングが行うことができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003078 【氏名又は名称】株式会社東芝
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)2月19日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】波多野 久 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−225993 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)8月24日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−37748 |
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